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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebLogic Server JCOM プログラマーズ ガイド
11g リリース 1 (10.3.1)
B55534-01
 

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6 アップグレードに関する考慮事項

以下の節では、WebLogic jCOM 6.1 から WebLogic jCOM 8.1 へのアップグレードについて説明します。

WebLogic jCOM 7.0 から WebLogic jCOM 8.1 にアップグレードする場合は、わずかな変更だけで済みます。詳細については、「jCOM 7.0 から jCOM 8.1 へのアップグレード」を参照してください。

jCOM 6.1 と比較した jCOM 8.1 のメリット

WebLogic jCOM 8.1 は、WebLogic jCOM 6.1 に比べて非常に簡単に実装できるようになりました。理由は、以下のとおりです。

COM コードへの変更

jCOM 6.1 から WebLogic Server 8.1 にアップグレードすると、COM アプリケーション コードに次のような影響があります。

セキュリティの変更

以前は jCOM 固有のソフトウェアで処理されていたセキュリティが、WebLogic Server のロールおよびポリシーのセキュリティ メカニズムによって実装されるようになります。つまり、COM クライアントが WebLogic Server オブジェクトにアクセスできるようにするには、COM クライアントが使用できるようにそれらのオブジェクトをエクスポートする必要があります。この処理は、WebLogic Server Administration Console で行います。

詳細については、「アクセス制御のコンフィグレーション」を参照してください。

コンフィグレーションの変更

プロパティはコマンドラインではなくコンソールでコンフィグレーションされるようになり、多くのプロパティが廃止されました。次の表は、6.1 のプロパティと 8.1 のプロパティの関係を示しています。

6.1 のプロパティ 8.1 での処理
ENABLE_TCP_NODELAY
必要ない。
JCOM_DCOM_PORT
必要ない。ポート WebLogic Server に対する新しいポートのデフォルトは、通常 7001 でリスンする。
JCOM_COINIT_VALUE
WebLogic Server Console の [アパートメント スレッド] プロパティでコンフィグレーションする。
JCOM_INCOMING_CONNECTION_TIMEOUT
Administration Console の [サーバ|プロトコル|全般] を選択し、[完了メッセージ タイムアウト] プロパティを使用してコンフィグレーションする。
JCOM_OUTGOING_CONNECTION_TIMEOUT
指定したミリ秒数の間使用されていない送信接続 (WebLogic jCOM ランタイムが開始する接続) を切断する。コマンドラインで、(たとえば、WebLogic Server 起動スクリプトの Java オプションに) 「JCOM_OUTGOING_CONNECTION_TIMEOUT = [ミリ秒数]」パラメータを追加してコンフィグレーションする。
COM.BEA.JCOM.SERVER
WebLogic Server のリスン ポートを使用する。
JCOM_MAX_REQUEST_HANDLERS
jCOM スレッディングは WebLogic Server スレッド プールと統合されたので、この設定値は WebLogic Server 用にコンフィグレーションされるスレッドの数に一致する。
JCOM_NATIVE_MODE
WebLogic Server Administration Console の [ネイティブ モードを有効化] プロパティでコンフィグレーションする。
JCOM_NOGIT
必要ない。
JCOM_NTAUTH_HOST
WebLogic Server Administration Console の [NT 認証ホスト] プロパティでコンフィグレーションする。
JCOM_LOCAL_PORT_START
必要ない。この範囲に対しては WebLogic Server のリスン ポートを使用する。
JCOM_LOCAL_PORT_END
必要ない。この範囲に対しては WebLogic Server のリスン ポートを使用する。
JCOM_PROXY_PACKAGE
必要ない。
JCOM_SKIP_CLOSE
必要ない。WebLogic Server は [完了メッセージ タイムアウト] プロパティの値に基づいて接続をクローズする。
JCOM_WS_NAME
必要ない。WebLogic jCOM は、CreateObject 文で起動されたサーバ インスタンスの名前を使用する。

jCOM 7.0 から jCOM 8.1 へのアップグレード

jCOM 7.0 から jCOM 8.1 へのアップグレードにはコードの変更は必要ありません。ただし、COM パケット タイムアウト値と COM メッセージ パケットの最大長は、Administration Console の異なる場所でコンフィグレーションします。

これらの変更点を以下の表にまとめます。

7.0 でのコンフィグレーション 8.1 でのコンフィグレーション
COM パケット タイムアウト値 Administration Console の [サーバ|接続|Jcom] を選択し、[COM メッセージ タイムアウト] プロパティを設定する。 Administration Console の [サーバ|プロトコル|全般] を選択し、[完了メッセージ タイムアウト] プロパティを設定する。
COM メッセージ パケットの最大長 Administration Console で、[サーバ|接続|Jcom] の [最大 COM メッセージ サイズ] プロパティを設定する。 Administration Console の [サーバ|プロトコル|全般] を選択し、[最大メッセージ サイズ] プロパティを設定する。