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Oracle Business Intelligence Publisherユーザーズ・ガイド
リリース10.1.3.2
E05037-01
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レポートの翻訳

この章では、次のトピックについて説明します。

テンプレートの翻訳

翻訳済テンプレートをレポート定義に追加するには、次の2つのオプションがあります。

翻訳済テンプレートにオリジナル・テンプレートと異なるレイアウトが必要な場合は、最初のオプションを使用します。

テンプレート・レイアウトのテキスト文字列の翻訳のみが必要な場合は、XLIFFオプションを使用します。

重要: いずれのオプションを選択するかに関係なく、翻訳済テンプレートには、実行時に認識されるように、BI Publisherの命名規則に従って名前を付ける必要があります。「翻訳済ファイルの命名規則」を参照してください。

次の図に、翻訳の概念を示します。

テキストで説明されている画像

テキストで説明されている画像

XLIFFオプションの使用

RTFテンプレートからXLIFFファイルを生成する手順は、次のとおりです。

  1. Template Builder for WordがインストールされているMicrosoft Wordでテンプレートを開きます。

  2. 「Template Builder」メニューから、「ツール」->「翻訳」->「テキストの抽出」の順に選択します。

    BI Publisherによって、テンプレートから翻訳可能文字列が抽出され、XLIFF(.xlf)ファイルにエクスポートされます。

  3. 適切な場所にファイルを保存します。

このXLIFFファイルを翻訳プロバイダに送信するか、またはテキスト・エディタを使用して各文字列に対する翻訳を入力できます。XLIFFファイルの編集方法の詳細は、「XLIFFファイルの構造」を参照してください。

注意: XLIFFは、XML Localization Interchange File Formatの略で、ローカライゼーション・プロバイダが使用する標準書式です。XLIFF仕様の詳細は、http://www.oasis-open.org/committees/xliff/documents/xliff-specification.htmを参照してください。

翻訳可能文字列は、表ヘッダーやフィールド・ラベルなど、発行レポートに表示される、テンプレート内の任意のテキストです。実行時にデータから設定されるテキスト、およびMicrosoft Wordフォームの各フィールドに指定したテキストは翻訳不可です。

テンプレートXLIFFファイルは、必要な数の言語に翻訳し、オリジナル・テンプレートに関連付けることができます。「翻訳済ファイルのアップロード」を参照してください。

XLIFFファイルの構造

BI Publisherによって生成されるXLIFFファイルの構造は、次のとおりです。

<xliff>
  <file>
    <header>
      <body>
        <trans-unit>
          <source>
          <target>
          <note>

次の図に、未翻訳のXLIFFファイルの一部を示します。

テキストで説明されている画像

source-languageおよびtarget-language属性

<file>要素には、source-languageおよびtarget-language属性が含まれています。source-languageおよびtarget-languageの有効な値は、次のような言語コードと国コードの組合せです。

注意: International Organization for Standardization(ISO)およびコード・リストの詳細は、International Organization for Standardizationを参照してください。

たとえば、英語-米国に対する値は「en-US」です。この組合せはロケールとも呼ばれます。

エクスポートしたXLIFFファイルを編集するときに、target-language属性をターゲット言語の適切なロケール値に変更する必要があります。次の表に、特定の翻訳に適したsource-languageおよびtarget-language属性値の例を示します。

翻訳(言語/地域) source-language値 target-language値
翻訳元: 英語/米国
翻訳先: 英語/カナダ
en-US en-CA
翻訳元: 英語/米国
翻訳先: 中国語/中国
en-US zh-CN
翻訳元: 日本語/日本
翻訳先: フランス語/フランス
ja-JP fr-FR

埋込みデータ・フィールド

テンプレートによっては、データ・フィールドに対するプレースホルダがレポートのテキスト表示文字列に埋め込まれている場合があります。たとえば、サンプル・レポートのタイトルは、次のとおりです。

Italian Purchase VAT Register - (year)

この例で、(year)はRTFテンプレート内のプレースホルダであり、実行時にXML要素のデータが移入されます。このようなフィールドは、実行時にデータから値が設定されるため翻訳できません。

埋込みデータ・フィールドを識別するために、XLIFFファイルでは次のトークンが使用されます。

[&amp;n]

ここで、nはテンプレート内のデータ・フィールドの出現順番号を示します。

たとえば、前述のXLIFFサンプルでは、最初の翻訳可能文字列は次のように表されます。

<source>Italian Purchase VAT Register - [&amp;1]<source>

警告: 埋込みデータ・フィールドのトークンは編集または削除しないでください。編集または削除すると、XMLデータとテンプレートのマージに影響を与えます。

<source>および<target>要素

各<source>要素には、テンプレートの翻訳可能文字列がテンプレートのソース言語で記述されています。次に例を示します。

<source>Total</source>

翻訳用のXLIFFファイルを最初にエクスポートしたときは、ソース要素とターゲット要素はすべて同じです。このテンプレートの翻訳を作成するには、各ソース要素の文字列に対する適切な翻訳をその対応する<target>要素に入力します。

したがって、サンプル・テンプレートをドイツ語に翻訳する場合は、Totalの文字列に対して次のように入力します。

<source>Total</source>
<target>Gesamtbetrag</target>

次の図に、中国語の翻訳で更新された前述の図のサンプルXLIFFファイルを示します。

テキストで説明されている画像

翻訳済ファイルの命名規則

翻訳済XLIFFおよびRTFファイルには、次の規則に従って名前を付ける必要があります。

TemplateName_<language code>_<TERRITORY CODE>.xlfまたは.rtf

または

TemplateName_<language code>.xlfまたは.rtf

ここで、TemplateNameはオリジナル・テンプレート名です。

language codeは、2文字のISO言語コード(小文字)です。

TERRITORY CODEは、2文字のISO国コード(必ず大文字で記述)です。

たとえば、オリジナル・テンプレートの名前がEmployeeTemplateで、日本-日本語用の翻訳をアップロードする場合、ファイル名は次のようになります。

EmployeeTemplate_ja_JP.xlf

翻訳済ファイルのアップロード

レポート・エディタで、「レイアウト」ページを選択して翻訳済XLIFFファイルをアップロードします。「レイアウトの定義」を参照してください。

ロケール選択ロジック

BI Publisherでは、ユーザーが選択したレポート・ロケールに基づいて翻訳が適用されます。最初にロケールに対応する名前のRTFテンプレートが照合され、次にロケールに対応する名前のXLIFFファイルが照合されます。言語-地域で完全に一致しない場合は、言語のみで照合されます。

たとえば、基本テンプレートの名前がEmployeeTemplate.rtfのレポートがあり、選択されたロケールがフランス語(フランス)の場合、BI Publisherでは、次の階層に従って適用する翻訳が選択されます。

EmployeeTemplate_fr_FR.rtf

EmployeeTemplate_fr_FR.xlf

EmployeeTemplate_fr.rtf

EmployeeTemplate_fr.xlf

EmployeeTemplate.rtf

この同じ翻訳セットで、選択されたロケールがフランス語(スイス)の場合は、EmployeeTemplate_fr.rtfが適用されることに注意してください。ここで、使用可能な翻訳が次のセットに限定されている場合を考えてみます。

EmployeeTemplate_fr_FR.rtf

EmployeeTemplate_fr_FR.xlf

EmployeeTemplate.rtf

選択されたロケールがフランス(スイス)の場合は、EmployeeTemplate.rtfが適用されます。言語が一致していても、ロケールが異なる場合は照合されません。

したがって、選択ロケールに関係なく、フランス語が選択言語のときにフランス語の翻訳が使用されるようにする場合は、言語のみに対応する名前を付けたrtfまたはxlfファイル(つまりEmployeeTemplate_fr.rtfまたはEmployeeTemplate_fr.xlf)を組み込む必要があります。

レポート・ファイルの翻訳

ユーザーが、UIプリファレンスに選択した言語でレポート摘要やパラメータを表示できるように、翻訳済レポート摘要ファイルを追加できます。翻訳済レポート摘要ファイルは、翻訳済テンプレート・ファイルと同じ場所にアップロードします。翻訳済レポート摘要ファイルの命名規則は、翻訳済テンプレート・ファイルの命名規則と多少異なることに注意してください。

UI言語プリファレンスの設定の詳細は、「プリファレンスの設定」を参照してください。

レポート・ファイルの翻訳を追加する手順は、次のとおりです。

  1. レポート・エディタで、「XLIFFの生成」を選択します。

  2. .xlfファイルをローカル・ディレクトリに保存します。

  3. ファイルをローカライゼーション・プロバイダに送信するか、または翻訳したテキストを追加します(XLIFFファイルの編集の詳細は、「XLIFFファイルの構造」を参照)。

  4. 中国語およびポルトガル語(ブラジル)を除くすべての言語については、次の規則に従って翻訳済レポート・ファイルに名前を付けます。

    ReportName_<language_code>.xlf

    ここで、ReportNameはレポート・ファイル名です。

    language_codeは、2文字のISO言語コード(小文字)です。

    重要: 次に示す3つのロケール以外は、ファイル名に地域コードを組み込まないでください

    中国語(中国)、中国語(台湾)およびポルトガル語(ブラジル)の場合は、次のように、翻訳済ファイルの名前で言語コードと地域コードを使用する必要があります。

    ReportName_zh_CN.xlf

    ReportName_zh_TW.xlf

    ReportName_pt_BR.xlf

  5. レポート・エディタで、「レイアウト」ページを選択して翻訳済XLIFFファイルをアップロードします。「レイアウトの定義」を参照してください。