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Oracle Business Intelligence新機能ガイド
リリース10.1.3.3.3
E06249-01
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8 リリース10.1.3.3.1の全体的な新機能

Oracle Business Intelligence Enterprise Editionリリース10.1.3.3.1には、3種類の新しいBI Server機能が導入されています。この章では、次の新機能について説明します。

8.1 Oracle Business IntelligenceインストーラではBIコンポーネントは1つのOC4Jコンテナにデプロイされる

リリース10.1.3.3.1より前のリリース10.1.3.xでは拡張インストール中に、Oracle BIインストーラで次のOC4Jコンテナが作成され、BIコンポーネントがそれらのコンテナにデプロイされていました。

Oracle BI EE 10.1.3.3.1では拡張インストール中に、Oracle BIインストーラでBIコンポーネントは1つのOC4Jコンテナ(コンテナ名はhome)にデプロイされます。OC4Jインスタンスのメモリー・フットプリントは、512〜1024MBです。

8.1.1 BIEE 10.1.3.3.1へのアップグレードをリリース10.1.3.3.1より前のリリース10.1.3.xから行う場合

Oracle BI EE 10.1.3.3.1にアップグレードするとき、「ユーザーが変更した構成を保持する」アップグレード・オプションがBIインストーラ画面で選択されていると、BIの古いOC4Jコンテナは削除され、BIコンポーネントは別のOC4Jコンテナ(コンテナ名はhome)にデプロイされます。個々のBI OC4JコンテナにデプロイされているBIコンポーネント・アプリケーションの構成ファイルは、OC4Jインスタンス(インスタンス名はhome)のデプロイ済アプリケーションに移行されます。

移行元となる構成ファイルを次に示します。

$ORACLE_HOME/j2ee/bianalytics/applications/analytics/analytics/WEB-INF/web.xml

移行先ファイルを次に示します。

$ORACLE_HOME/j2ee/home/applications/analytics/analytics/WEB-INF/web.xml

別の移行元構成ファイルを次に示します。

ORACLE_HOME/j2ee/bibioffice/applications/analytics/analytics/WEB-INF/bioffice.xml

移行先ファイルを次に示します。

$ORACLE_HOME/j2ee/home/applications/analytics/analytics/WEB-INF/bioffice.xml

Oracle BI EE 10.1.3.3.1にアップグレードするとき、「構成のリセット」アップグレード・オプションがBIインストーラ画面で選択されていると、BIの古いOC4Jコンテナは削除されます。BIコンポーネントは別のOC4Jインスタンス(インスタンス名はhome)にデプロイされます。以前のリリースのbianalyticsのweb.xml構成ファイルとbioffice.xml構成ファイルは保持されません。


注意:

カスタム・アプリケーションがBI OC4Jコンテナにデプロイされている場合、Oracle BI EE 10.1.3.3.1にアップグレードする前に、カスタム・アプリケーションをバックアップしてからアプリケーションを別のOC4Jコンテナに再びデプロイする必要があります。

8.2 LinuxとUNIXのオペレーティング・システム用DataDirect Connect ODBCドライバ(Oracle BI EE 10.1.3.3.1でバンドルされているドライバ)

Oracle BI EE 10.1.3.3.1では、Informix、MS SQL ServerおよびSybase ASEのデータベースに接続するために、LinuxとUNIXのオペレーティング・システム用にDataDirect Connect ODBCドライバとDataDirect Connect ODBC Driver Managerバージョン5.3が用意されています。32ビット版と64ビット版のDataDirect 5.3ドライバは、AIX、SolarisおよびHP-UX(Intanium版)で使用できます。32ビット版のドライバは、LinuxとHP-UX(PA-RISC版)で使用できます。

Oracle BI EE 10.1.3.3.1のインストーラでは、DataDirect Connect ODBCドライバを次の場所にインストールします。

$OracleBI/odbc

32ビット版のドライバは、$OracleBI/odbc/libにインストールされます。64ビット版のドライバは、$OracleBI/odbc/lib64にインストールされます。


注意:

データベースのクライアントとサーバーとの間における通信は、一般的にビット幅とデータのパスに依存しません。つまり32ビット版のデータベース・ドライバでは、64ビット版のデータベース・サーバーとの通信が実現され、その逆も同様です。

DataDirect Connect ODBCドライバにおいてサポートされているオペレーティング・システムとデータベースの詳細は、『Oracle Business Intelligence Suite Enterprise Editionシステム要件およびサポートされるプラットフォーム』を参照してください。

8.2.1 DataDirect Connect ODBCドライバの使用

次の各例では、サンプルのODBC.iniファイル・エントリ(Microsoft SQL Server、Sybase ASEおよびInformixのデータソース用)を示しています。

8.2.1.1 Microsoft SQL Serverデータベース接続用

MS SQL Serverデータベースに接続するDataDirect ODBCドライバのファイル名は、SEmsss23.so(HP-UX(PA-RISC版)はSEmsss23.sl)です。サポートされているMS SQL Serverのバージョンの詳細は、『Oracle Business Intelligence Suite Enterprise Editionシステム要件およびサポートされるプラットフォーム』を参照してください。

Linux、AIX、Solaris、HP-UX(PA-RISC版)およびHP-UX(Intanium版)のオペレーティング・システムでは、32ビット版のドライバは、$OracleBI/odbc/libにあります。AIX、SolarisおよびHP-UX(Itanium版)のオペレーティング・システムでは、64ビット版のドライバは、$OracleBI/odbc/lib64にあります。

DataDirect ODBCドライバを使用して、MS SQL Serverに接続する手順は次のとおりです。

  1. 次のエントリをodbc.iniファイルに作成します。このファイルは、$OracleBI/setupにあります。MS SQL Server用DataDirectドライバのファイル名と場所をDriverパラメータに設定します。次の例では、Driverパラメータは64ビット版のDataDirectドライバに設定されています。

    例8-1 MS SQL Server用サンプル・ファイル

    [SQLSERVER_DB
    Driver=/usr/OracleBI/odbc/lib64/SEmsss23.so
    Description=DataDirect 5.1 SQL Server Wire Protocol
    Address=111.111.111.111,1433
    AlternateServers=
    AnsiNPW=Yes
    ConnectionRetryCount=0
    ConnectionRetryDelay=3
    Database=
    LoadBalancing=0
    LogonID=
    Password=
    QuoteID=No
    ReportCodePageConversionErrors=0
    
  2. $OracleBI/server/Config/DBFeatures.INIファイルにおいて、適切なSQL Serverセクションで、次の設定を行ってIDENTIFIER_QUOTE_CHARパラメータを無効にします。

    IDENTIFIER_QUOTE_CHAR = '';

    デフォルトは次のようになります。

    IDENTIFIER_QUOTE_CHAR = "";

8.2.1.2 Sybase ASEデータベース接続用

Sybase ASEデータベースに接続するDataDirect ODBCドライバのファイル名は、SEase23.soです。サポートされているSybase ASEのバージョンの詳細は、『Oracle Business Intelligence Suite Enterprise Editionシステム要件およびサポートされるプラットフォーム』を参照してください。

Linux、AIX、Solaris、HP-UX(PA-RISC版)およびHP-UX(Intanium版)のオペレーティング・システムでは、32ビット版のドライバは、$OracleBI/odbc/libにあります。AIX、SolarisおよびHP-UX(Itanium版)のオペレーティング・システムでは、64ビット版のドライバは、$OracleBI/odbc/lib64にあります。DataDirect ODBCドライバを使用してSybase ASEに接続するには、次のエントリをodbc.iniファイルに作成します。このファイルは、$OracleBI/setupにあります。Sybase ASE用DataDirectドライバのファイル名と場所をDriverパラメータに設定します。次の例では、Driverパラメータは64ビット版のDataDirectドライバに設定されています。

例8-2 Sybase ASEデータソース用サンプル・ファイル

[SybaseASE_DB
Driver=/usr/OracleBI/odbc/lib64/SEase23.so
Description=DataDirect 5.3 Sybase Wire Protocol
AlternateServers=
ApplicationName=
ApplicationUsingThreads=1
ArraySize=50
AuthenticationMethod=0
Charset=
ConnectionRetryCount=0
ConnectionRetryDelay=3
CursorCacheSize=1
Database=Northwind
DefaultLongDataBuffLen=1024
EnableDescribeParam=0
EnableQuotedIdentifiers=0
EncryptionMethod=0
GSSClient=native
HostNameInCertificate=
InitializationString=
Language=
LoadBalancing=0
LogonID=
NetworkAddress=111.111.111.111,5005
OptimizePrepare=1
PacketSize=0
Password=
RaiseErrorPositionBehavior=0
ReportCodePageConversionErrors=0
SelectMethod=0
ServicePrincipalName=
TruncateTimeTypeFractions=0
TrustStore=
TrustStorePassword=
ValidateServerCertificate=1
WorkStationID=

8.2.1.3 Informixデータベース接続用

Informixデータベースに接続するDataDirect ODBCドライバのファイル名は、SEifcl23.soです。サポートされているInformixのバージョンの詳細は、『Oracle Business Intelligence Suite Enterprise Editionシステム要件およびサポートされるプラットフォーム』を参照してください。

Linux、AIX、Solaris、HP-UX(PA-RISC版)およびHP-UX(Intanium版)のオペレーティング・システムでは、32ビット版のドライバは、$OracleBI/odbc/libにあります。AIX、SolarisおよびHP-UX(Itanium版)のオペレーティング・システムでは、64ビット版のドライバは、$OracleBI/odbc/lib64にあります。

DataDirect ODBCドライバを使用してInformixに接続するには、次のエントリをodbc.iniファイルに作成します。このファイルは、$OracleBI/setupにあります。Informix用DataDirectドライバのファイル名と場所をDriverパラメータに設定します。次の例では、Driverパラメータは64ビット版のDataDirectドライバに設定されています。

例8-3 Informixデータソース用サンプル・ファイル

[Informix_DB]
Driver=/usr/OracleBI/odbc/lib64/SEifcl23.so
Description=DataDirect Informix Wire Protocol
AlternateServers=
ApplicationUsingThreads=1
CancelDetectInterval=0
ConnectionRetryCount=0
ConnectionRetryDelay=3
Database=
HostName=111.111.111.111
LoadBalancing=0
LogonID=informix
Password=inform_10
PortNumber=1526
ReportCodePageConversionErrors=0
ServerName=
TrimBlankFromIndexName=1

8.3 Oracle BI EEにおけるアラビア語、タイ語およびヘブライ語のグラフのサポート

Oracle Business Intelligence Enterprise Editionリリース10.1.3.3.1では、アラビア語、タイ語およびヘブライ語がサポートされています。Oracle BI EEで使用されているグラフ・エンジンの制限事項のため、双方向言語とタイ語の文字はグラフでは適切にレンダリングされません。

この制限事項を回避してOracle BI EEにおいてアラビア語、タイ語およびヘブライ語でグラフを使用できるようにするために、Oracle BI Publisherのグラフ機能を使用することができます。BI Publisherのグラフは、Oracle BI Beansテクノロジに基づいています。グラフ要件を満たすために、グラフがあるBI Publisherレポートが、Oracle BI Interactive Dashboardに埋め込まれる場合があります。

この方法を実現するには、次に示す手順を実行します。

8.3.1 前提条件

この手順では、次の作業が実行済であることが前提になります。

  • Oracle BI EEとOracle BI Publisherのユーザーが設定されており、適切な権限が付与されていること。

    利用可能なセキュリティ・モデルのいずれかを使用して、Oracle Business IntelligenceとOracle BI Publisherとの間におけるユーザー・セキュリティを統合する必要があります。Oracle BI Presentation Servicesでは、ユーザーにはダッシュボードを更新する権限が付与されている必要があります。Oracle BI Publisherでは、ユーザーには「BI Publisherデベロッパ」ロールが付与されている必要があります。

    セキュリティをOracle BIにおいて設定する方法の詳細は、『Oracle Business Intelligence Server管理ガイド』の「Oracle BIにおけるセキュリティ」と『Oracle Business Intelligence Presentation Services管理ガイド』の「Oracle BI Presentation Servicesのセキュリティの管理」を参照してください。セキュリティをOracle BI Publisherにおいて設定する方法の詳細は、『Oracle Business Intelligence Publisherユーザーズ・ガイド』の「セキュリティ・モデルの定義」を参照してください。

  • グラフに表示されるデータが格納されるAnswersリクエストが作成されていること。

  • Oracle BI Publisher Template Builder for Microsoft Wordがインストールされていること。

    適切なロール(「BI Publisher管理者」、「BI Publisherデベロッパ」または「BI Publisherテンプレート・デザイナ」)が割り当てられているユーザーは、Oracle BI Publisher Template Builder for Microsoft Wordアドインを、BI Publisherアプリケーションからインストールできます。ダウンロード・リンクは、「開発者ツール」リージョンに表示されます。詳細は、『Oracle Business Intelligence Infrastructureインストレーションおよび構成ガイド』の「Oracle BI Publisher Desktopのインストール」を参照してください。

8.3.2 データソースの統合

Oracle BI ServerをデータソースとしてBI Publisherにおいて設定する必要があります。Answersリクエストをデータソースとして使用するには、Oracle BI Presentation Servicesとの統合も設定する必要があります。

8.3.2.1 データソースとしてのOracle BI Serverの追加

BI PublisherがOracle BI Enterprise Editionインストールに含まれていると、Oracle BI Serverは自動的にデータソースとしてBI Publisherにおいて構成されます。BI PublisherがBI EEインストールに含まれていない場合は、BI Publisherの「管理」インタフェースを使用して、手動でBI Serverをデータソースとして追加する必要があります。詳細は、『Oracle Business Intelligence Publisherユーザーズ・ガイド』の「JDBCデータソースとしてのOracle BI Serverの追加」を参照してください。

8.3.2.2 Oracle BI Presentation Servicesとの統合

Oracle BI Presentation Servicesとの統合を設定することで、Oracle BIのAnswersリクエストへの接続がレポート用データソースとして可能になります。

BI Publisherの「管理」インタフェースには、Oracle BI Presentation Servicesとの統合を行うためのページが用意されています。「Oracle BI Presentation Services」を「統合」の小見出しの下で選択すると、「管理」ページからこのページにナビゲートします。

BI PublisherがOracle BI Enterprise Editionインストールに含まれていると、Oracle BIインストーラはPresentation Servicesのホスト名、ポートおよびURLの値を設定します。ただし、Presentation Servicesのユーザー名とパスワードをOracle BI Presentation Servicesの統合ページで手動で入力する必要があります。

8.3.3 BI Publisherにおけるレポートとレイアウトの作成

レポートとレイアウトをBI Publisherにおいて作成する手順の要約を次に示します。詳細は、次に示す関連資料を参照してください。

レポートをBI Publisherにおいて作成する手順の詳細は、『Oracle Business Intelligence Publisherユーザーズ・ガイド』の「新規レポートの作成」を参照してください。
Template Builder for Microsoft Wordを使用する方法の詳細は、Template Builderのオンライン・ヘルプを参照してください。
  1. Microsoft Word(Template Builder for Microsoft WordがインストールされているWord)を起動します。

  2. Oracle BI Publisherメニューから、「ログオン」を選択し、適切な資格証明(ユーザーには、管理者、レポート設計者またはデベロッパのロールが割り当てられている必要がある)を入力します。

  3. 「テンプレートを開く」ダイアログで、「Oracle BI」を「ワークスペース」リストから選択します。

  4. Answersリクエストにナビゲートしてから、リクエスト名をダブルクリックします。

    図8-1 「テンプレートを開く」ダイアログ

    BI Publisherの「テンプレートを開く」ダイアログ
  5. Oracle BI Publisherレポートとして保存」を要求されます。BI Publisherでは、Answersリクエストをデータソースとして使用するレポート定義が作成されます。設計しているテンプレートは、このBI Publisherレポート定義の一部として保存されます。フォルダをBI Publisherレポート・リポジトリから選択します。

    保存するとTemplate Builderではデータがロードされ、空のMicrosoft Wordページが返されます。

  6. グラフを挿入するには、Oracle BI Publisherメニューで「チャート」ダイアログを開きます。このダイアログは「挿入」→「チャート」を選択すると開きます。次の図は、Oracle BI Publisher Template Builderの「チャート」ダイアログを示します。

    図8-2 Template Builderの「チャート」ダイアログ

    BI Publisher Template Builderの「チャート」ダイアログ
  7. グラフを挿入したら、テンプレートをBI Publisherレポート・リポジトリにアップロードします。Oracle BI Publisherメニューから、「次のテンプレートとしてアップロード」を選択します。テンプレートの名前を入力します。

    レポートは、ダッシュボードに追加できるBI Publisherオブジェクトとして使用できます。

8.3.4 ダッシュボードにおけるBI Publisherレポートの埋込み

この項では、BI Publisherレポートをダッシュボードに埋め込む方法について説明します。手順とオプションの詳細は、『Oracle Business Intelligence Answers, Delivers, and Interactive Dashboardsユーザーズ・ガイド』の「Oracle BI Interactive DashboardsページへのOracle BI Publisherレポートの追加」を参照してください。


注意:

リリース10.1.3.3.1では、ダッシュボードごとにBI Publisherレポートが1つに制限されることはありません。

  1. ダッシュボード・ページで、「ページオプション」ボタン→「ダッシュボードを編集」をクリックします。

  2. 選択ペインにおいて、BI Publisherレポート・オブジェクトを「ダッシュボードオブジェクト」領域からダッシュボード・ページの選択場所にドラッグ・アンド・ドロップします。

  3. 新しく配置したBI Publisherレポート・オブジェクトの「プロパティ」ボタンをクリックします。

  4. 「BI Publisher レポートのプロパティ」ダイアログで、BI Publisherレポートを参照して選択します。

  5. 保存」をクリックし、ダッシュボードに戻り、追加されたレポートを表示します。

8.3.5 サポートされているグラフ・タイプ

次のグラフ・タイプがBI Publisherでサポートされています。

  • 面グラフ

  • 横棒グラフ

  • バブル・グラフ

  • 縦棒グラフ

  • 折れ線グラフ

  • 折れ線グラフと棒グラフを組み合せたグラフ

  • パレート・グラフ

  • 円グラフ

  • レーダー・グラフ

  • 散布グラフ

  • 階段グラフ

8.3.6 既知の制限事項

BI Publisherのグラフは静的です。

Oracle BI Serverからのロケール情報は、BI Publisherによって継承されません。ダッシュボードに埋め込まれたBI Publisherグラフでは、BI Publisherのロケール設定が使用されます。整合性を確保するには、両方のアプリケーションで同じロケールを設定します。