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クラスタ化された環境でのOracle BIコンポーネント間の通信


この項では、クラスタ化された環境にデプロイされたOracle BIコンポーネント間の通信回線について説明します。図1は、クラスタ化された環境にデプロイされたOracle BIコンポーネントを示しています。次のコンポーネントについて説明します。

Webサーバー

ロード・バランスされたWebサーバーは、Oracle Business IntelligenceへのWebクライアント・リクエストのエントリ・ポイントです。

  • Internet Information Services(IIS)の場合は、BI Presentation Services Plug-in(ISAPI Plug-in)が、Webサーバーのすべてのインスタンスにデプロイされます。
  • Oracle Application ServerなどのJ2EEアプリケーション・サーバーの場合は、複数のHTTPサーバーはロード・バランスでき、Oracle BIのセッション・リクエストへのエントリ・ポイントとして機能します。BI Presentation Services Plug-in(Java Servlet)がデプロイされた複数のJ2EEコンテナは、これらのリクエストをBI Presentation Servicesインスタンスに送る際にサービスを提供します。

サポートされるWebサーバーおよびJ2EEアプリケーション・サーバーの一覧は、『Oracle Business Intelligence Suite Enterprise Editionシステム要件およびサポートされるプラットフォーム』を参照してください。

BI Presentation Services Plug-in

BI Presentation Services Plug-inは、固有のプロトコルを使用して、セッション・リクエストをBI Presentation Servicesインスタンスにルーティングします。この接続は、固有のロード・バランシング機能を使用してロード・バランスされます。

BI Presentation Services

BI Presentation Servicesは、instanceconfig.xml構成ファイルで設定されたRPCリスナー・ポート(9710)で、BI Presentation Services Plug-inからのリクエストを受信します。初回のユーザー・セッション・リクエストは、クラスタ内のいずれのBI Presentation Servicesにも送ることができますが、各ユーザーはその後、特定のBI Presentation Servicesインスタンスにバインドされます。

  • BI Serverとの通信

    エンド・ユーザーのリクエストを処理するために、BI Presentation ServicesはBI Serverと通信する必要があります。クラスタ化された環境では、BI Serverとの最初の接点は、BI Cluster Controllerを経由します。BI Presentation Servicesは、クラスタ化された環境用に構成されたBI ODBCデータソースを経由してCluster Controllerと通信し、Primary Cluster ControllerおよびSecondary Cluster Controllerと、それらがリスニングを行うポートを特定します。BI Presentation Servicesは、接続するBI ServerインスタンスをCluster Controllerから取得します。BI Serverとの接続はBI ODBCを経由して確立され、同一セッション内のその後のリクエストは、BI Presentation Servicesから、割当て済のこのBI Serverに直接送られます。BI Presentation ServicesとBI Serverの間のODBCセッションはステートフルであり、セッションが行われている間はずっと、アフィニティを維持する必要があります。

  • BI Schedulerとの通信

    クラスタ化されたSchedulerとの通信が発生することを、BI Presentation Servicesに通知する必要があります。これは、Primary Cluster ControllerおよびSecondary Cluster Controllerのホスト名と、それらがリスニングを行うポートとともに、instanceconfig.xmlファイルで指定します。BI Presentation ServicesはまずCluster Controllerに接続し、そこから、アクティブなBI SchedulerインスタンスをBI Presentation Servicesにリレーします。BI Presentation Servicesは続いて、Schedulerインスタンスとのセッションを確立します。

  • BI Javahostとの通信

    各BI Presentation Servicesインスタンスは、クラスタ内の複数のBI Javahostインスタンスと通信するように構成されています。BI Javahostインスタンスへのリクエストは、固有のロード・バランシング機能を使用してロード・バランスされます。

BI Cluster Controller

Cluster Controllerは、BI Presentation Servicesおよびその他のクライアントからの新規リクエストおよびセッションの最初の接点です。Primary Cluster ControllerおよびSecondary Cluster Controllerは、CLIENT_CONTROLLER_PORT(9706)でリスニングします。これは、NQClusterConfig.INIファイルで設定します。

NQSClusterConfig.INIファイルには、クラスタに参加しているBI Serverのリストが含まれています。Cluster Controllerは、同じファイルに構成されているMONITOR_SERVER_PORT(9701)でBI Serverに接続します。各BI ServerはMONITOR_SERVER_PORT(9701)でリスニングし、多数のセッションをCluster Controllerにリレーして戻します。Cluster Controllerは、BI Serverの可用性と負荷に基づいて、クラスタ内のどのBI Serverにリクエストを送るかを決定します。

Cluster Controllerは、BI Schedulerへのリクエストの最初の接点として機能します。クラスタに参加するSchedulerインスタンスの一覧は、NQSClusterConfig.INIファイルに構成されています。これにより、その後クライアントが接続するアクティブなBI Schedulerインスタンスが決定されます。

Cluster Controllerは、MONITOR_CONTROLLER_PORT(9700)で相互のライフ・サイクルを監視します。このポートは、NQSClusterConfig.INIファイルに構成されています。

Oracle BI Server

複数のOracle BI Serverをインストールおよび構成して、BI Serverクラスタを作成できます。Cluster Controllerは、クライアント(プレゼンテーション・サーバーなど)からのリクエストを、このクラスタのアクティブなメンバーに発信します。BI Serverは、NQSConfing.INIファイル内に構成されたRPC_SERVICE_OR_PORT(9703)で、クライアント・リクエストをリスニングします。

  • マスターBI Server

    マスターBI Serverとは、BI Administration ToolがRPDファイル内のメタデータをオンライン変更するために接続するサーバーです。このメタデータ変更は、その後他のサーバーに伝播されます。

    Administration Toolは、クラスタ化された環境用に構成されたBI ODBC DSNを使用します。これは、Cluster Controllerを経由してマスターBI Serverに送られます。

BI Scheduler

BI Schedulerインスタンスは、アクティブ/パッシブ・モデルで動作します。アクティブとなり、リクエストを処理できるBI Schedulerは、一度に1つだけです。BI Schedulerは、ポート9708でCluster Controllerの通信をリスニングし、ポート9705でクライアント・リクエストをリスニングします。これらのポートは、Schedulerの構成ファイル(instanceconfig.xml)で、<ClusterPort>および<PortString>にそれぞれ設定されています。

  • BI Presentation Servicesとの通信

    BI Schedulerは、BI Presentation Servicesと通信して、iBotのように、エンド・ユーザーにアラートやレポートを配信するなどのジョブを行います。

    BI Presentation Servicesインスタンスにはクラスタ・コントローラが存在しないため、BI Presentation Servicesインスタンスの一覧は、Schedulerのinstanceconfig.xmlで、<Web_Server>に構成する必要があります。iBotのそれぞれ一意のユーザー・セッションの接続は、ラウンド・ロビン法の固有機能を使用してロード・バランスされます。

  • BI Javahostとの通信

    Schedulerは、クラスタ内のBI Javahostインスタンスと通信するように構成されています。JavaのジョブおよびJavahostのiBotへの拡張のため、ラウンド・ロビンのロード・バランシングが行われます。

BI Javahost

BI Javahostは、config.xml構成ファイルの<Port>に構成されたポート9810で、BI Presentation ServicesおよびBI Schedulerからのリクエストを受信します。複数のBI Javahostへのリクエストは、固有のロード・バランシング機能を使用してロード・バランスできます。

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