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Oracle Identity Manager Oracle E-Business Employee Reconciliation Connectorガイド
リリース9.0.4
E05504-02
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3 コネクタの構成

コネクタをデプロイしたら、要件に合せて構成する必要があります。この章では、次のコネクタ構成手順を説明します。


注意:

これらの項では、コネクタの構成に関する概念および手順の両方を説明します。概念情報を確認してから手順を実行することをお薦めします。

3.1 リコンシリエーションの構成

このガイドで前述したように、リコンシリエーションとは、ターゲット・システム上でのユーザー・アカウントの作成および変更を、Oracle Identity Managerで複製することです。この項では、リコンシリエーションの構成に関する次の項目について説明します。

3.1.1 部分リコンシリエーション

デフォルトでは、前回のリコンシリエーションの実行後に追加または変更されたすべてのターゲット・システム・レコードが、現在のリコンシリエーションの実行中にリコンサイルされます。リコンサイルする必要のある追加または変更されたターゲット・システム・レコードのサブセットを指定して、このプロセスをカスタマイズできます。これは、リコンシリエーション・モジュールのフィルタを作成して行います。

フィルタを作成するには、ターゲット・システム属性に値を指定します。この値は、問合せのSELECT条件で、リコンサイルするレコードを取得するために使用されます。次のターゲット・システム属性のいずれか、または属性の組合せに対して値を指定できます。

  • Last Name

  • Nationality

複数のターゲット・システム属性を使用してレコードをフィルタリングする場合は、選択したターゲット・システム属性の組合せに適用する論理演算子(ANDまたはOR)も指定する必要があります。

たとえば、次の属性に次の値を指定するとします。

  • Last Name: Doe

  • Nationality: US

  • Operator: OR

OR演算子を使用しているため、リコンシリエーション時には、これらの条件のいずれかに合致するユーザー・レコードがリコンサイルされます。AND演算子を使用すると、これらの条件のすべてに合致するユーザー・レコードのみがリコンサイルされます。

コネクタをデプロイする際に、これらの属性の値および適用する演算子を指定するには、「スケジュール済タスク属性の値の指定」に記載されている説明に従ってください。

3.1.2 バッチ・リコンシリエーション

リコンシリエーションの実行中に、ターゲット・システム・レコードのすべての変更内容がOracle Identity Managerにリコンサイルされます。リコンサイルされるレコード数によっては、このプロセスに長い時間がかかる場合があります。また、リコンシリエーション中に接続が中断すると、プロセスの完了にはさらに時間がかかります。

これらの問題を避けるため、バッチ・リコンシリエーションを構成できます。

バッチ・リコンシリエーションを構成するには、次のユーザー・リコンシリエーションのスケジュール済タスクの属性に値を指定する必要があります。

  • BatchSize: この属性を使用して、各バッチに含めるレコード数を指定します。デフォルト値は1000です。

  • NumOfBatches: この属性を使用して、リコンサイルするバッチの総数を指定します。デフォルト値は、Allです。

All以外の値を指定した場合、新規追加または修正されたユーザー・レコードの一部は、その回のリコンシリエーション中にはリコンサイルされない可能性があります。次の例でこれについて説明します。

スケジュール済タスクの構成時に次の値を指定したとします。

  • BatchSize: 20

  • NumOfBatches: 10

前回のリコンシリエーション実行後に、314件のユーザー・レコードが作成または修正されたとします。これら314レコードのうち、200レコードが今回のリコンシリエーション実行中にリコンサイルされます。残りの114レコードは、次回のリコンシリエーション実行中にリコンサイルされます。

BatchSizeおよびNumOfBatches属性に値を指定する際には、「スケジュール済タスク属性の値の指定」に記載されている説明に従ってください。

3.1.3 信頼できるソースのターゲット・システムの構成

コネクタの構成中に、ターゲット・システムを、信頼できるソースまたはターゲット・リソースとして指定できます。ターゲット・システムを信頼できるソースとして設定した場合、リコンシリエーション実行中に次の内容が実行されます。

  • ターゲット・システムに新規に作成された各ユーザーに対して、OIMユーザーが作成されます。

  • ターゲット・システムの各ユーザーに行われた更新は、対応するOIMユーザーに伝播されます。

ターゲット・システムをターゲット・リソースとして設定した場合、リコンシリエーション実行中に次の内容が実行されます。

  • ターゲット・システムに作成された各アカウントに対して、対応するOIMユーザーにリソースが割り当てられます。

  • ターゲット・システムの各アカウントに行われた更新は、対応するリソースに伝播されます。


注意:

ターゲット・システムをリコンシリエーションの信頼できるソースとして指定しない場合は、この項を省略します。

  1. デプロイメント・マネージャを使用して、信頼できるソースのリコンシリエーション用のXMLファイル(XellOraEmp.xml)をインポートします。この項では、XMLファイルのインポート手順を説明します。


    注意:

    信頼できるソースとして指定できるのは、1つのターゲット・システムのみです。別の信頼できるソースを構成している状態でXellOraEmp.xml ファイルをインポートした場合、2つのコネクタのリコンシリエーションはいずれも機能しなくなります。

  2. スケジュール済タスクReconcile Ora HR EmpTrustedの属性に値を指定します。この手順はこのガイドで後述します。

信頼できるソースのリコンシリエーション用のXMLファイルをインポートするには、次のようにします。

  1. Oracle Identity Manager管理およびユーザー・コンソールを開きます。

  2. 左のナビゲーション・バーの「デプロイメント管理」リンクをクリックします。

  3. 「デプロイメント管理」の下の「インポート」リンクをクリックします。ファイルを開くダイアログ・ボックスが表示されます。

  4. XellOraEmp.xmlファイルを検索して開きます。このファイルはOIM_HOME/xellerate/XLIntegrations/OracleEmpRecon/xmlディレクトリにあります。このXMLファイルの詳細は、「ファイル・プレビュー」ページに表示されます。

  5. 「ファイルの追加」をクリックします。「置換」ページが表示されます。

  6. 「次へ」をクリックします。「確認」ページが表示されます。

  7. 「インポート」をクリックします。

  8. 表示されるメッセージで、「インポート」をクリックしてXMLファイルのインポートを確認します。次に、「OK」をクリックします。

3.1.4 リコンシリエーションのスケジュール済タスクの構成

「コネクタのXMLファイルのインポート」で説明する手順を実行すると、参照フィールド、信頼できるソース・ユーザー、およびターゲット・リソース・ユーザーのリコンシリエーションに対するスケジュール済タスクが、Oracle Identity Managerで自動的に作成されます。これらのスケジュール済タスクを構成するには、次のようにします。

  1. Oracle Identity Manager Design Consoleを開きます。

  2. 「Administration」フォルダを開きます。

  3. 「Task Scheduler」を選択します。

  4. 「Find」をクリックします。事前定義されたスケジュール済タスクの詳細が2つのタブに表示されます。

  5. 最初のスケジュール済タスクについて、「Max Retries」フィールドに数値を入力します。この数はOracle Identity Managerがタスクを完了するために試行する回数です。この数を超えると、FAILEDステータスがタスクに割り当てられます。

  6. 「Disabled」チェック・ボックスと「Stop Execution」チェック・ボックスが選択されていないことを確認します。

  7. 「Start」リージョンで「Start Time」フィールドをダブルクリックします。表示される日付時間エディタで、タスクを実行する日付と時間を選択します。

  8. 「Interval」リージョンで、次のスケジュール・パラメータを設定します。

    • タスクを繰り返し実行するように設定するには、「Daily」「Weekly」「Recurring Intervals」「Monthly」または「Yearly」のオプションを選択します。

      「Recurring Intervals」オプションを選択した場合は、タスクを繰り返して実行する間隔も指定する必要があります。

    • タスクを1回のみ実行するように設定するには、「Once」オプションを選択します。

  9. スケジュール済タスクの属性の値を指定します。指定する値の詳細は、「スケジュール済タスク属性の値の指定」を参照してください。


    関連項目:

    タスク属性の追加および削除の詳細は、『Oracle Identity Managerデザイン・コンソール・ガイド』を参照してください。

  10. 「Save」をクリックします。スケジュール済タスクが作成されます。INACTIVEステータスが「Status」フィールドに表示されますが、これは、タスクが現在実行されていないためです。タスクは手順7で設定した日時に実行されます。

  11. ステップ5〜10を繰り返してもう1つのスケジュール済タスクを作成します。

3つのスケジュール済タスクをすべて構成したら、「リコンシリエーション用のカスタム属性の追加」の項に進みます。

3.1.4.1 スケジュール済タスク属性の値の指定

この項では、次に示すスケジュール済タスクに指定する値の詳細を説明します。

3.1.4.1.1 参照フィールド・リコンシリエーションのスケジュール済タスク

参照フィールド・リコンシリエーションのスケジュール済タスクのReconcile Apps HR Emp Lookup属性に値を指定する必要があります。


注意:

  • 属性値はインポートしたコネクタのXMLファイルで事前定義されています。変更する属性にのみ値を指定してください。

  • すべての属性に値(デフォルトまたはデフォルト以外)を割り当てる必要があります。属性値を1つでも空白のままにした場合、リコンシリエーションは実行されません。


属性 説明 デフォルト/サンプル値
Server コネクタがデータのリコンサイルに使用するITリソース・インスタンスの名前 Oracle HR
LookupField Name リコンサイルされる参照フィールドの名前 OracleHR.Employees

これらのタスク属性の値を指定したら、ステップ10に進んで、スケジュール済タスクを作成します。

3.1.4.1.2 従業員リコンシリエーションのスケジュール済タスク

信頼できるソースとターゲット・リソースのどちらのリコンシリエーションを実装するかによって、次のいずれかの従業員リコンシリエーションのスケジュール済タスク属性に値を指定する必要があります。

  • Reconcile Ora HR EmpTrusted(信頼できるソースのリコンシリエーションに対するスケジュール済タスク)

  • Reconcile Ora HR Emp Target Resource(ターゲット・リソースのリコンシリエーションに対するスケジュール済タスク)

次の表で、両方のスケジュール済タスクの属性を説明します。


注意:

  • 属性値はインポートしたコネクタのXMLファイルで事前定義されています。変更する属性にのみ値を指定してください。

  • すべての属性に値(デフォルトまたはデフォルト以外)を割り当てる必要があります。属性値を1つでも空白のままにした場合、リコンシリエーションは実行されません。


属性 説明 デフォルト/サンプル値
Target System Recon - Resource Object name リソース・オブジェクトの名前 Oracle HR Employee
Server コネクタがデータのリコンサイルに使用するITリソース・インスタンス Oracle HR
IsTrusted リコンシリエーションを信頼できるモードで実行する必要があるかどうかを指定 信頼できるソースのリコンシリエーションの場合は、この属性の値をYesに設定します。

ターゲット・リソースのリコンシリエーションの場合は、この属性の値をNoに設定します。

XellerateOrganization Oracle Identity Manager組織のデフォルト名

指定した組織は、信頼できるソースのリコンシリエーション・モードでXellerateユーザー(OIMユーザー)を作成するために使用されます。この組織は、Oracle Identity Managerの既存の組織の1つである必要があります。

注意: この属性は、信頼できるソースのリコンシリエーションのスケジュール済タスクに固有のものです。

Xellerate Users
BatchSize リコンサイルされる各バッチのレコード数

ゼロより大きい整数値を指定する必要があります。

関連項目: 「バッチ・リコンシリエーション」

デフォルト値は1000です。
NumOfBatches リコンサイルされるバッチの数

各バッチのレコード数は、BatchSize属性によって指定されます。

関連項目: 「バッチ・リコンシリエーション」

すべてのバッチをリコンサイルする場合は、Allを指定します。これはデフォルト値です。

一定数のバッチのみをリコンサイルする場合は、整数値を指定します。

Last Name これはフィルタ属性です。この属性を使用して、リコンサイルするレコードのユーザーの姓を指定します。

このフィルタ属性を使用しない場合は、nodataと指定します。

関連項目: 「部分リコンシリエーション」

値はユーザーの姓またはnodataです。

デフォルト値はnodataです。

Nationality これはフィルタ属性です。この属性を使用して、リコンサイルするレコードのユーザーの国籍を指定します。

このフィルタ属性を使用しない場合は、nodataと指定します。

関連項目: 「部分リコンシリエーション」

値はユーザーの国籍またはnodataです。

デフォルト値はnodataです。

Operator フィルタ属性に適用する論理演算子を指定します。

関連項目: 「部分リコンシリエーション」

値は次のいずれかです。
  • AND

  • OR

デフォルト値はANDです。


これらのタスク属性の値を指定したら、ステップ10に進んで、スケジュール済タスクを作成します。

3.1.5 リコンシリエーション用のカスタム属性の追加


注意:

この項では、属性という用語はユーザー・データを格納するIDデータ・フィールドを指します。

デフォルトでは、「リコンシリエーション・モジュール」で示した属性が、Oracle Identity Managerとターゲット・システム間のリコンシリエーション用にマップされます。必要に応じて、次の追加属性をリコンシリエーション用にマップできます。


注意:

リコンシリエーション用のカスタム属性を追加しない場合は、この手順を実行する必要はありません。


関連項目:

次の手順の実行に関する詳細は、『Oracle Identity Managerデザイン・コンソール・ガイド』を参照してください。

  1. OIM_HOME/xellerate/XLIntegrations/OracleEmpRecon/configディレクトリにあるattributemapping_recon.propertiesファイルを変更します。

    このファイルの最後では、一部の属性定義の前にコメント文字が付けられています。属性の定義をコメント解除して、その定義をリコンシリエーション属性のリストに含めることができます。必要に応じて、このファイルに新規属性を追加することもできます。使用する必要のある書式は次のとおりです。

    OimAttributeName=TargetAttributeTableNamee.Field_Name
    

    次に例を示します。

    Users.email=per_all_people_f.email_address
    

    この例では、emailがリコンシリエーション・フィールドであり、per_all_people_fが相当する表名であり、email_addressがターゲット・システムの列名です。標準として、すべてのリコンシリエーション・フィールド名の前に接頭辞Users.が付けられます。

  2. テキスト・エディタで次のファイルを開きます。

    OIM_HOME/xellerate/XLIntegrations/OracleEmpRecon/config/query.properties
    
  3. このファイルのgetEmp2変数で、FROM句には、attributemapping_recon.propertiesファイルにリストされる属性を格納するAPPSスキーマ表の名前が含まれます。追加するカスタム属性を格納する表が、このFROM句にない場合、表の名前をFROM句に追加します。

  4. Design Consoleで、次のようにして、UD_ORAHR_EMプロセス・フォーム上に新規属性をフィールドとして追加します。

    1. Form Designer」フォームを開きます。このフォームは「Development Tools」フォルダにあります。

    2. 双眼鏡アイコンを使用してUD_ORAHR_EMフォームを検索し、編集のために開きます。

    3. 「Create New Version」をクリックします。

    4. 「Create New Version」ダイアログ・ボックスで、「Label」フィールドにバージョン名を指定し、変更内容を保存した後、ダイアログ・ボックスを閉じます。

    5. 「Current Version」リストから、新しく作成したバージョンを選択します。

    6. 「Additional Columns」タブで、「Add」をクリックします。

    7. 新しいフィールドの名前とその他の値を指定します。

    8. 「Make Version Active」をクリックします。

  5. リソース・オブジェクト定義で、新しい属性に対応するリコンシリエーション・フィールドを次のように追加します。

    1. 「Resource Objects」フォームを開きます。このフォームは「Resource Management」フォルダにあります。

    2. 双眼鏡アイコンを使用してOracle HR Employeeリソース・オブジェクトを検索します。

    3. 「Resource Objects Table」タブで、Oracle HR Employeeリソース・オブジェクトをダブルクリックし、編集のために開きます。

    4. 「Object Reconciliation」タブで、「ADD Field」をクリックして、「Add Reconciliation Field」ダイアログ・ボックスを開きます。

    5. フィールド名となる値を指定します。

      手順1でコメント解除した行、または追加した行の、等号記号の左にある名前を指定する必要があります。

      たとえば、手順1でUsers.email=per_all_people_f.email_address行をコメント解除する場合は、属性名としてUsers.emailを指定する必要があります。

    6. 「Field Type」リストから、フィールドのデータ・タイプを選択します。

      例: String

    7. 入力した値を保存し、ダイアログ・ボックスを閉じます。

    8. 必要に応じて、手順d〜gを繰り返してフィールドをさらにマップします。

  6. プロセス定義を次のように修正して、新しく追加された属性と、対応するリコンシリエーション・フィールドとの間のマッピングを追加します。

    1. 「Process Definition」フォームを開きます。このフォームは「Process Management」フォルダにあります。

    2. 「Reconciliation Field Mappings」タブで、「Add Field Map」をクリックして、「Add Reconciliation Field Mapping」ダイアログ・ボックスを開きます。

    3. 必要な値を入力し、入力した値を保存した後、ダイアログ・ボックスを閉じます。

    4. 必要に応じて、手順bとcを繰り返してフィールドをさらにマップします。

3.2 ターゲット・システムの複数のインストールに対するコネクタの構成


注意:

この手順は、ターゲット・システムの複数インストール用のコネクタを構成する場合以外は実行しないでください。

ターゲット・システムの複数のインストールに対してコネクタを構成する場合があります。次の例でこの要件について説明します。

Example Multinational Inc.の東京、ロンドンおよびニューヨークの事業所には、独自にターゲット・システムがインストールされています。最近、この会社では、Oracle Identity Managerをインストールし、これを構成してインストールされたすべてのターゲット・システムをリンクしようとしています。

このような例で示される要件に対応するには、ターゲット・システムの複数のインストールに対するコネクタを構成する必要があります。

ターゲット・システムの複数のインストールに対してコネクタを構成するには、次のようにします。


関連項目:

この手順の各ステップ実行の詳細は、『Oracle Identity Managerデザイン・コンソール・ガイド』を参照してください。

  1. 各ターゲット・システム・インストールについてリコンシリエーションを構成します。手順は、「リコンシリエーションの構成」を参照してください。ITリソースの指定に使用される属性の変更と、ターゲット・システム・インストールを信頼できるソースとして設定するかどうかの指定のみが必要です。

  2. 必要であれば、Xellerate Userリソース・オブジェクトに対してリコンサイルされるフィールドを変更します。