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Oracle® Enterprise Manager概要
11gリリース11.1.0.1
B61020-01
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11 Oracle Beehiveの管理

この章では、Grid Controlを使用してOracle Beehiveターゲットを管理する方法について説明します。

この章は、次の内容について説明します。

Oracle Beehiveの概要

Oracle Beehiveは、Oracleの次世代のエンタープライズ・コラボレーション・テクノロジです。Oracle Beehiveは、統合されたJavaベース・サービスの包括的なセットからなるコラボレーション・アプリケーションおよびプラットフォームを一体化して提供することで、エンタープライズ・コラボレーション・ソリューションのための新しいパラダイムを提供します。

Oracle Beehiveで提供されるエンタープライズ・ユーザーのためのフルレンジの協調型サービスには、次のようなものがあります。

次の用語と概念は、Oracle Beehiveシステムの基礎を形成しており、そのコラボレーションベースの多数の機能を可能にしています。

Grid Controlを使用したOracle Beehiveターゲットの監視

Enterprise Managerを使用すると、エンタープライズ内のOracle Beehiveコンポーネントを監視できます。Oracle Beehiveコンポーネントは、自分の環境内で検出し、Grid Controlに追加すると、集中的に監視および管理が行えます。Enterprise Managerエージェントは、Oracle Beehiveのサイト、サービスおよびサービス・インスタンスを検出して監視します。Grid ControlのOracle Beehiveサイトでは、(アプリケーションと呼ばれる)サービスおよび(アプリケーション・インスタンスと呼ばれる)サービス・インスタンスにホームページがあります。

Grid Control内でOracle Beehive用に定義されているターゲット・タイプは、次のとおりです。

Oracle Beehiveサイトの検出

Enterprise Managerでは、ローカル・エージェントとリモート・エージェントの両方でOracle Beehiveサイトを検出できます。ローカル・エージェントは、アプリケーション・インスタンスの監視に使用できます。Oracle Beehiveサイト、アプリケーションおよびアプリケーション・インスタンスの検出、監視および構成パラメータの収集では、Oracle BeehiveのBEEMGMT OC4Jにより公開されているJMXインタフェースを使用します。Oracle Beehiveのアプリケーション・インスタンスはすべて、Oracle Beehiveの対応するアプリケーション・タイプの下にグループ化されます。たとえば、E-mailアプリケーション・インスタンスはすべて、単一のE-mailアプリケーションの下にグループ化されます。

Grid Controlによって監視される新しいOracle Beehiveターゲットを追加するには、Oracle Beehiveサイトごとに検出プロセスを開始する必要があります。

Oracle Beehiveサイトのホームページ

Oracle Beehiveサイトのホームページでは、次の項目に関する情報を提供しています。

  • Oracle Beehiveサイト内にあるOracle Beehiveのすべてのアプリケーションおよびアプリケーション・インスタンス

  • 現在のステータス、可用性およびサイト・バージョン

  • 共通に使用されるOracle Beehiveサービス(CalDAV、WebDAV、E-mail(IMAP)、XMPPなど)のサイト使用状況

  • システムおよびサービスの構成

  • システムおよびサービス関連の情報のスナップショットを含むシステムおよびサービス・ダッシュボードへのアクセス

  • ドリルダウンによるOracle Beehiveの各アプリケーションおよびアプリケーション・インスタンスの監視メトリックと構成の表示

  • 問題を迅速に識別および解決するためのアラートおよび診断ドリルダウン

ビューは、Oracle Beehiveの「物理デプロイ」または「アプリケーションのデプロイ」に基づいてフィルタリングすることができます。「アプリケーションのデプロイ」とは、Oracle Beehiveサイト内にデプロイされるOracle Beehiveサービスのことです。Oracle Beehiveサービスのインスタンスは、1つまたは複数のOC4Jコンテナの中に複数デプロイすることができます。「アプリケーションのデプロイ」ビューは、さらにアプリケーションによってフィルタリングすることもできます。「物理デプロイ」ビューには、Oracle Beehiveサイトを構成する一連のホスト、Oracle Application Server、HTTP Server、OC4Jおよびデータベースが表示されます。このビューはさらに、ホスト、データベースまたはプラットフォーム・コンポーネントに基づいてフィルタリングすることができます。

図11-1は、Oracle Beehiveサイトのホームページを示しています。

図11-1 Oracle Beehiveサイトのホームページ

これはBeehiveサイトのホームページです
「図11-1 Oracle Beehiveサイトのホームページ」の説明

Oracle Beehiveのシステムおよびサービスが作成されていない場合、Oracle Beehiveサイトのサービス・テストを構成することでそれらを作成できます。

Oracle Beehiveのシステムおよびサービスを構成したら、Oracle Beehiveサイトのホームページにあるサービスおよびシステム・ダッシュボードでサービスおよびシステム関連の情報のスナップショットを表示できます。Oracle Beehiveのシステムおよびサービスの詳細は、「Oracle Beehiveのシステムおよびサービス」を参照してください。Enterprise Managerのシステムおよびサービスの詳細は、第8章「サービス管理」を参照してください。

Oracle Beehiveサイトの再検出

Enterprise Managerを使用すると、Oracle Beehiveサイトおよびそのサブコンポーネントを再検出できます。再検出の際は、Oracle Beehiveのすべてのサブコンポーネントが比較されます。Oracle Beehiveの再検出には、新しいOracle Beehiveターゲットの追加、Oracle Beehiveターゲットの削除または既存のOracle Beehiveターゲットの構成変更が含まれます。


注意:

ターゲットの作成、削除および表示に必要な権限があることを確認してください。

可用性定義の編集

Grid Controlの以前のリリースでは、アプリケーション・ステータスは、停止中のアプリケーション・インスタンスに基づいて計算されていました。このアルゴリズムは、1つのアプリケーション・インスタンスの障害がサービス全体またはエンドユーザーに提供されるアプリケーションに影響を与えない可能性があるため限定的なものでした。このため、このリリースでは、管理者がデプロイメントに基づいて可用性を定義できる新機能が導入されました。

Oracle Beehiveアプリケーション・ターゲットの可用性を、関連するOracle Beehiveアプリケーション・インスタンス・ターゲットから定義できます。アプリケーションの可用性は、稼働中または停止中のアプリケーション・インスタンス・ターゲットの数または割合に基づいて定義されます。この定義によって、アプリケーションの可用性が計算され、アプリケーション・ステータスが稼働中か停止中に設定されます。たとえば、可用性を数で指定した場合(m個が稼働中である必要があるなど)、アプリケーション・ステータスが稼働中となるには、n個のアプリケーション・インスタンスのうちm個以上が稼働中である必要があります。

この機能を使用するには、Oracle Beehiveサイトのホーム・ページでOracle Beehiveアプリケーション・ターゲットをクリックし、そのアプリケーションのホームページで、「可用性の編集」リンクにアクセスします。

メトリック分析レポートについて

Oracle Beehiveサイトのコンポーネントに関するメトリック・レポートをOracle Beehiveサイトの「メトリック分析レポート」ページに表示できます。Oracle Beehiveサイトの「物理デプロイ」または「アプリケーションのデプロイ」に基づいてメトリックの表示を選択できます。「物理デプロイ」オプションは、Oracle Beehiveまたはデータベースがインストールされているサーバーに1つ以上のエージェントが存在する場合のみ表示されます。「物理デプロイ」ビューには、Oracle Beehiveサイトを構成する一連のホスト、Oracle Application Server、LDAPサーバー、HTTPサーバーおよびデータベースが表示されます。「アプリケーションのデプロイ」とは、Oracle Beehiveサイト内にデプロイされるOracle Beehiveサービスのことです。「アプリケーションのデプロイ」は、ターゲット・タイプ別に表示できます。「アプリケーションのデプロイ」オプションでは、メトリックの現在のスナップショット、あるいは過去31日間、過去7日間または過去24時間以内のメトリック値の表示を選択できます。現在のスナップショットのビューでは、過去24時間のロールアップ値がデータとして表示されます。ターゲット・タイプのすべてのインスタンスの集計を表示できます。この値は、アプリケーションのすべてのインスタンスの合計として表示されます。メトリックがキーに基づく場合、ターゲットおよびキー列も検索できます。「検索」オプションは、表形式以外のメトリックでは使用できません。

Oracle Beehiveのシステムおよびサービス

Oracle Beehiveでは、複雑で重要なアプリケーションおよびサービスのセットが提供されるため、IT組織ではそれらの可用性とパフォーマンスを監視および管理することが非常に重要です。Enterprise ManagerのOracle Beehiveサイト・システムおよびサービスでは、概要レベルから個々のコンポーネント・レベルにわたりOracle Beehiveサービスを効果的に管理できます。Grid Controlを使用して、サービスの停止とパフォーマンス低下を識別し、それらを1つ以上のコンポーネント障害にマップできます。Grid Controlは、ホスト、データベース、アプリケーション・サーバー、Beehiveサイト、Beehiveアプリケーション・インスタンス(E-mailアプリケーション・インスタンス、Instant Messagingアプリケーション・インスタンスなど)といったOracle Beehiveデプロイメントの個々のコンポーネントだけでなく、これらのコンポーネントによってホストされるアプリケーションも監視します。このため、トップダウン方式を使用してエンド・ユーザーの観点から重要なアプリケーションを監視できます。

Enterprise Managerのサービスは、ユーザーの役に立つ機能を提供するエンティティとして定義されます。サービスは、電子メール、時間管理、インスタント・メッセージングなどのビジネス・プロセスまたはアプリケーションをモデル化します。システムは、サービスを実行するホスト、データベース、アプリケーション・サーバーなど、基礎となるコンポーネントのグループです。サービス・テストは、サービスの可用性およびパフォーマンスを判断するためにサービスに対して実行される機能テストです。たとえば、IMAPサービス・テストでは、標準のIMAPプロトコルを介してアクセスされる電子メール・サービスの可用性とパフォーマンスを判断します。サービスの可用性は、ある時点においてエンド・ユーザーがサービスにアクセスできるかどうかを示す指標です。パフォーマンスは、エンド・ユーザーが体験するレスポンス時間を示します。サービスおよびシステムの詳細は、このガイドのサービス管理およびシステム管理に関する章を参照してください。

次に、モデル・テンプレートに含まれる完全なサービス階層を示します。ウィザードに表示される階層は、Oracle Beehiveアプリケーションのデプロイメントに応じて変化します。たとえば、Oracle Beehiveサイトの検出時にFTPアプリケーションが検出されなかった場合、ウィザードの階層にFTPサービスは表示されません。

次に、モデル・テンプレートに含まれる完全なシステム階層を示します。

ウィザードを通じて構成されたシステムおよびサービス階層に基づいて、Oracle Beehiveサイト・サービス・ダッシュボードとOracle Beehiveサイト・システム・ダッシュボードが自動的に生成されます。


注意:

コア・システムは、Oracle Beehiveホスト、Oracle Application Server、データベース、LDAPサーバーなどを監視するエージェントが存在する場合にのみ作成されます。

Oracle Beehiveサービス・ダッシュボードのメトリックの詳細は、付録Aを参照してください。

システムおよびサービスの作成および再同期化

Oracle Beehiveサイトのシステムおよびサービスを作成/再同期化できます。システム/サービス・モデルを作成するには作成操作を、新たに検出されたメンバー・ターゲットを追加し既存のシステム/サービス・モデルを更新するには、再同期化操作を使用します。再同期化操作では、Oracle Beehiveサイト・トポロジに存在するが、対応するシステムには追加されていない新規ターゲットも識別されます。

サービスを作成する際、次のことが行えます。

  • サービス・テストの作成または構成

  • キー・サービス・メンバーの表示

また、再同期化の変更も表示でき、その変更を受け入れるかまたは却下できます。再同期化操作が完了すると、Oracle Beehiveサイトのサービス・ダッシュボードに変更が表示されます。

Oracle Beehiveの監視とアラートの自動化

Enterprise Managerは、エンタープライズ全体に分散している診断情報をOracle Beehiveターゲットから自動的に収集して評価します。Enterprise Managerで管理するすべてのターゲットの場合と同様に、Oracle Beehiveの多数のパフォーマンス・メトリックが事前定義済しきい値を超えていないか、自動的に監視されます。Grid Controlでは、メトリックがこれらのしきい値を超えた場合にアラートが生成されます。