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Oracle® Enterprise Manager概要
11gリリース11.1.0.1
B61020-01
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13 仮想化管理

この章では、仮想化管理の概要について説明します。内容は次のとおりです。

仮想化管理の概要

仮想化管理では、エンタープライズ内の仮想サーバーおよびゲスト仮想マシンの監視、管理およびメンテナンスを行います。オラクル社では、Enterprise Managerの機能を拡張して、物理インフラストラクチャとともに仮想化エンティティを監視し、ゲスト仮想マシンとそこで稼働するソフトウェアの完全なライフサイクル管理を実行することで、顧客に高い価値を提供します。


注意:

Enterprise Managerでは、Oracle VMサーバーのリリース2.1.2以上のみがサポートされます。Enterprise ManagerコンソールでOracle VM管理機能を有効化するには、OVSエージェントの要件および手順に関するサポート・ノート781879.1を参照してください。

1つのOracle管理エージェントに登録して管理するOracle VMサーバーは、24以下とすることをお薦めします。


Oracle VMサーバーおよびそこで稼働するゲスト仮想マシンの管理ソリューションは、次の領域の機能を提供します。

次の図は、Oracle VMサーバー、ゲスト仮想マシンおよびEnterprise Manager間の関係を表しています。

Oracle VMアーキテクチャ

注意:

Oracle VMサーバーは、Enterprise Managerによってリモート監視されます。1つのエージェントで複数の仮想サーバーを監視できます。Oracle VMサーバーを監視するEnterprise Managerエージェントは、10.2.0.5.0以上のバージョンである必要があります。Enterprise Managerエージェントは、仮想サーバーにインストールすることはできません。

仮想化の概要

次に、仮想化で一般的に使用される用語について説明します。

Oracle VM

Oracle VMは、サーバー仮想化ソフトウェアです。Oracle VMをベアメタル・コンピュータにインストールすると、複数のゲスト仮想マシンを作成できます。OracleデータベースやOracle Fusion Middlewareと同様に、Oracle VMはOracle Technology Network(OTN)でダウンロードできます。

仮想サーバー

仮想サーバーは、仮想化ソフトウェア(ハイパーバイザ)が稼働する物理コンピュータを記述するための一般的な用語です。ベアメタル物理コンピュータにOracle VMサーバー・ソフトウェアをインストールすることで、新しい仮想サーバーをプロビジョニングできます。仮想サーバーとは、Oracle VMターゲットを表すEnterprise Managerのターゲット・タイプです。

各Oracle VMサーバーは、次に示す1つ以上の機能を実行できます。

  • マスター・サーバー機能

    マスター・サーバーは、サーバー・プール操作の中核です。マスター・サーバーは、外部環境に対するサーバー・プールの接点として、また、サーバー・プール内の他のサーバーに対するディスパッチャとして機能します。ロード・バランシングは、マスター・サーバーにより実装されます。たとえば、ゲスト仮想マシンを起動すると、マスター・サーバーにより、そのゲスト仮想マシンを実行するために最大のリソースを使用できるゲストVMサーバーが選択されます。サーバー・プールには、ただ1つのマスター・サーバーのみを配置できます。仮想サーバー・プールの状態は、マスター仮想サーバーの状態と等しくなります。

  • ユーティリティ・サーバー機能

    ユーティリティ・サーバーは、ファイルのコピーや移動など、I/O集中型の操作を管理します。その機能は、ゲスト仮想マシン、仮想サーバーおよびサーバー・プールの作成操作と削除操作に重点が置かれています。サーバー・プールには、1つ以上のユーティリティ・サーバーを配置できます。複数のユーティリティ・サーバーが存在する場合、サーバー・プール・マスターにより、タスクを実行するために最大のCPUリソースを使用できるユーティリティ・サーバーが選択されます。

  • ゲストVMサーバー機能

    ゲストVMサーバーの主な機能は、ゲスト仮想マシンを実行することであり、そのためハイパーバイザとして機能します。サーバー・プールには、1つ以上のゲストVMサーバーを配置できます。複数のゲストVMサーバーが存在する場合、マスター・サーバーにより、仮想マシンを起動および実行するために最大のリソース(メモリーとCPUを含む)を使用できるゲストVMサーバーが選択されます。

監視サーバー

監視サーバーは、仮想サーバーをリモート監視します。1つのエージェントにより複数の仮想サーバーが監視されます。Enterprise Managerエージェントは、仮想サーバーにインストールすることはできません。

仮想サーバー・プール

サーバー・プールは、共通の記憶域を共有する1つ以上の仮想サーバーの論理グループです。仮想サーバーは、ある時点でただ1つの仮想サーバー・プールにのみ属することができます。ゲスト仮想マシンとリソースも、サーバー・プールに関連付けられます。Oracle VMサーバー・プールは、Oracle VMサーバーのサーバー・プールを表すEnterprise Managerの集計ターゲット・タイプです。

Oracle VMサーバー・プールが作成されると、ユーザーは、そのプールのマスター・サーバーの詳細を指定するよう要求されます。デフォルトでは、このOracle VMサーバーは、ユーティリティ・サーバーとゲストVMサーバーの機能も実行します。

ユーザーは、「仮想サーバーの編集」アクションを使用して、後からユーティリティ・サーバーとゲストVMサーバーの機能を変更できます。

ゲスト仮想マシン

ゲスト仮想マシン(ゲストVM)は、仮想サーバーの上位層で稼働するコンテナです。1つの仮想サーバー上で複数のゲスト仮想マシンを実行できます。ゲスト仮想マシンは、Oracle VMテンプレートから作成できます。Oracle VMテンプレートには、プレインストールされた事前構成済のソフトウェア・イメージが用意されており、これを使用して完全に構成されたソフトウェア・スタックをデプロイできます。Oracle VMテンプレートは、OTNの次の場所からダウンロードできます。

http://www.oracle.com/technology/products/vm/templates.html

Enterprise Managerエージェントにより監視されるゲスト仮想マシンは、他のホスト・ターゲットと同様に扱われます。このタイプのゲスト仮想マシンは、管理対象ゲストVMと呼ばれます。

Enterprise Managerエージェントにより監視されないゲスト仮想マシンは、管理対象外ゲストVMと呼ばれます。このようなゲスト仮想マシンで使用できる監視および構成情報は、かぎられています。

サポートされているリリース

仮想化がサポートされているオペレーティング・システムのバージョンの一部を次に示します。

表13-1 サポートされているリリース

オペレーティング・システム バージョン

Linux

Oracle Enterprise Linux 4 - 32-bitおよび64-bit


Oracle Enterprise Linux 5 - 32-bitおよび64-bit


Red Hat Enterprise Linux 3 - 32-bitおよび64-bit


Red Hat Enterprise Linux 4 - 32-bitおよび64-bit


Red Hat Enterprise Linux 5 - 32-bitおよび64-bit

Windows

Microsoft Windows Server 2000


Microsoft Windows Server 2003 Edition - 32-bitおよび64-bit


Windows Vista


Windows XP

UNIX

Solaris 10


管理ハブとしての「仮想化セントラル」ページ

Grid Controlのホームページから「仮想化セントラル」に移動するには、「ターゲット」 タブをクリックして、「仮想サーバー」サブタブをクリックします。図13-1は「仮想化セントラル」ページを示しています。

図13-1 「仮想化セントラル」ページ

図13-1の説明が続きます
「図13-1 「仮想化セントラル」ページ」の説明

Enterprise Managerの「仮想化セントラル」ページには、次の情報が表示されます。

  • 仮想サーバーおよびゲスト仮想マシンのステータスとそれらに関する基本情報の迅速な表示

  • 仮想サーバーのCPUおよびメモリーの使用率

  • 仮想サーバーが登録されているサーバー・プールの情報

  • サーバー・プール、仮想サーバーおよびゲスト仮想マシンのホームページへのドリルダウン(これらのページで各ターゲットの詳細情報を参照可能)

  • ゲスト仮想マシンの起動および停止などの管理タスクを実行可能

  • 仮想サーバー・プールの作成、仮想サーバーの登録、ゲスト仮想マシンの作成などのプロビジョニング・アクティビティを実行可能

  • ゲスト仮想マシンにアクセスするためのVNCコンソール

「仮想化セントラル」ページから、ユーザー・インタフェースをドリルダウンして、追加の管理機能にアクセスできます。また、「仮想化セントラル」ページには、関連リンクのリストも表示されます。これらのリンクを通じて、Oracle VMサーバー・ソフトウェアのベアメタル・プロビジョニング、表の列のカスタマイズ、およびゲスト仮想マシンへのEnterprise Managerエージェントのデプロイメントを実行できます。


注意:

監視サーバー・エージェント(Oracle VMサーバーを監視するEnterprise Managerエージェント)は、リリース10.2.0.5.0にアップグレードする必要があります。

仮想化管理の開始

この項では、仮想化システムの監視および管理を開始するために設定する必要のある仮想化インフラストラクチャの詳細を説明します。

  1. 仮想サーバー・プールを作成します。仮想サーバー・プールの作成の詳細は、「仮想サーバー・プールの作成」を参照してください。

  2. 仮想サーバーを仮想サーバー・プールに登録します。仮想サーバーの登録の詳細は、「仮想サーバーの登録」を参照してください。

  3. ゲスト仮想マシンを作成し管理します。ゲスト仮想マシンの作成の詳細は、「ゲスト仮想マシンのプロビジョニング」を参照してください。


注意:

仮想化システムをプロビジョニングするための前提条件を次に示します。
  • 優先資格証明を設定する必要があります。

  • ソフトウェア・ライブラリを設定する必要があります。ソフトウェア・ライブラリの設定の詳細は、ソフトウェアおよびサーバーのプロビジョニングおよびパッチ適用のためのEnterprise Managerの管理者ガイド付録C「ソフトウェア・ライブラリの使用方法」を参照してください。


表13-2は、サーバー・プール、仮想サーバーおよびゲスト仮想マシンで管理タスクおよびプロビジョニング・タスクを実行するために必要な権限を示しています。

表13-2 仮想化セントラルでのプロビジョニングおよび管理操作の権限

タスク 権限

仮想サーバー・プールの作成

任意のターゲットを追加できるシステム権限

仮想サーバー・プールの削除

サーバー・プール・ターゲットおよびメンバー仮想サーバーでの完全な権限

仮想サーバー・プールの管理

サーバー・プール・ターゲットでのオペレータ権限

ゲスト仮想マシンの作成

サーバー・プール・ターゲットでのオペレータ権限

ゲスト仮想マシンの検出

サーバー・プール・ターゲットでのオペレータ権限

操作エラーのクリア(仮想サーバー・プール)

権限チェックは、失敗した操作によって異なります。

  • 仮想サーバー・プールの作成操作に失敗した場合:

    ユーザーは、ジョブの所有者であるか、スーパー管理者権限を持っている必要があります。

  • 仮想サーバー・プールの削除に失敗した場合:

    ユーザーは、サーバー・プール・ターゲットおよびメンバー仮想サーバーでの完全な権限を持っている必要があります。

  • マスター仮想サーバーで仮想サーバーの停止/仮想サーバーの再起動操作に失敗した場合:

    ユーザーは、マスター仮想サーバーおよびサーバー・プール・ターゲットでのオペレータ権限を持っている必要があります。

P2Vの変換

サーバー・プール・ターゲットでのオペレータ権限

V2Vの変換

サーバー・プール・ターゲットでのオペレータ権限

仮想サーバーの登録

任意のターゲットを追加できるシステム権限

仮想サーバーの登録解除

仮想サーバーおよびサーバー・プール・ターゲットでの完全な権限

仮想サーバーの編集

仮想サーバーおよびサーバー・プール・ターゲットでのオペレータ権限

サーバー・メンテナンス・モードの有効化

仮想サーバーでのオペレータ権限

サーバー・メンテナンス・モードの削除

仮想サーバーでのオペレータ権限

すべてのゲスト仮想マシンのライブ・マイグレーション

ソース仮想サーバーおよびサーバー・プール・ターゲットでのオペレータ権限。

宛先仮想サーバーは自動的に選択され、サーバー・プール内の任意の仮想サーバーである可能性があるため、サーバー・プール・ターゲットのすべてのメンバー仮想サーバーでのオペレータ権限が必要です。

優先サーバーがゲスト仮想マシンに設定されている場合、優先仮想サーバーのみでのオペレータ権限が必要になります。

仮想サーバーの停止

仮想サーバーおよびサーバー・プール・ターゲットでのオペレータ権限

仮想サーバーの再起動

仮想サーバーおよびサーバー・プール・ターゲットでのオペレータ権限

操作エラーのクリア(仮想サーバー)

権限チェックは、失敗した操作によって異なります。

  • 仮想サーバーの登録に失敗した場合:

    ユーザーは、ジョブの所有者であるか、スーパー管理者権限を持っている必要があります。

  • 仮想サーバーの登録解除に失敗した場合:

    ユーザーは、サーバー・プール・ターゲットおよび仮想サーバーでの完全な権限を持っている必要があります。

  • 仮想サーバーの停止/仮想サーバーの再起動操作に失敗した場合:

    ユーザーは、マスター仮想サーバーおよびサーバー・プール・ターゲットでのオペレータ権限を持っている必要があります。

ゲスト仮想マシンのライブ・マイグレーション

ソース仮想サーバーおよびサーバー・プール・ターゲットでのオペレータ権限。

宛先仮想サーバーは自動的に選択され、サーバー・プール内の任意の仮想サーバーである可能性があるため、サーバー・プール・ターゲットのすべてのメンバー仮想サーバーでのオペレータ権限が必要です。

優先サーバーがゲスト仮想マシンに設定されている場合、優先仮想サーバーのみでのオペレータ権限が必要になります。

ゲスト仮想マシンのクローニング

サーバー・プール・ターゲットでのオペレータ権限

ゲスト仮想マシンのテンプレートとしての保存

サーバー・プール・ターゲットでのオペレータ権限

ゲスト仮想マシンの編集

仮想サーバーおよびサーバー・プール・ターゲットでのオペレータ権限。

ゲストVMの編集操作は、停止しているゲストマシンでも実行できます。この場合、権限は、サーバー・プール・ターゲットでのみ確認されます。

優先サーバー・リストの更新

仮想サーバーおよびサーバー・プール・ターゲットでのオペレータ権限。

優先サーバーの選択が「自動」に設定されている場合、ゲスト仮想マシンのサーバーがサーバー・プール内のいずれかの仮想サーバーになる可能性があるため、サーバー・プール・ターゲット内のすべてのメンバー仮想サーバーのオペレータ権限を持っている必要があります。

優先サーバーの選択が「手動」に設定されている場合、指定されたメンバー仮想サーバー・リストでのオペレータ権限を持っている必要があります。

ゲスト仮想マシンの削除

サーバー・プール・ターゲットでの完全な権限

ゲスト仮想マシンの停止

仮想サーバーおよびサーバー・プール・ターゲットでのオペレータ権限

ゲスト仮想マシンの起動

サーバー・プール・ターゲットでのオペレータ権限。

ゲスト仮想マシンの優先サーバー選択が「自動」に設定されている場合、ゲスト仮想マシンのサーバーは、サーバー・プール内のいずれかの仮想サーバーとなる可能性があります。したがって、ユーザーは、サーバー・プール・ターゲットのすべてのメンバー仮想サーバーのオペレータ権限を持っている必要があります。

ゲスト仮想マシンの優先サーバーが「手動」に設定されている場合、指定されたメンバー仮想サーバー・リストでのオペレータ権限を持っている必要があります。

ゲスト仮想マシンの再起動

仮想サーバーおよびサーバー・プール・ターゲットでのオペレータ権限。

ゲスト仮想マシンの一時休止

仮想サーバーおよびサーバー・プール・ターゲットでのオペレータ権限

ゲスト仮想マシンの一時休止解除

仮想サーバーおよびサーバー・プール・ターゲットでのオペレータ権限

ゲスト仮想マシンの一時停止

仮想サーバーおよびサーバー・プール・ターゲットでのオペレータ権限

ゲスト仮想マシンの再開

サーバー・プール・ターゲットでのオペレータ権限。

ゲスト仮想マシンの優先サーバー選択が「自動」に設定されている場合、ゲスト仮想マシンのサーバーは、サーバー・プール内のいずれかの仮想サーバーとなる可能性があります。したがって、ユーザーは、サーバー・プール・ターゲットのすべてのメンバー仮想サーバーのオペレータ権限を持っている必要があります。

ゲスト仮想マシンの優先サーバーの選択が「手動」に設定されている場合、指定されたメンバー仮想サーバー・リストでのオペレータ権限を持っている必要があります。

VNCコンソール

仮想サーバーおよびサーバー・プール・ターゲットでのオペレータ権限

操作エラーのクリア(ゲスト仮想サーバー)

権限チェックは、失敗した操作によって異なります。

  • ゲストVMの削除に失敗した場合:

    ユーザーは、サーバー・プール・ターゲットでの完全な権限を持っている必要があります。

  • ゲストVMの起動/停止/再起動/一時休止/一時休止解除/一時停止/再開が失敗した場合:

    ユーザーは、サーバー・プール・ターゲットでのオペレータ権限を持っている必要があります。

  • 作成/クローニング/移行/編集/保存に失敗した場合:

    ユーザーは、サーバー・プール・ターゲットでのオペレータ権限を持っている必要があります。

仮想サーバー/ゲスト仮想マシンの表示

仮想サーバー・プールでの表示権限。

ユーザーに仮想サーバー・プールでの完全/オペレータ/表示権限がある場合、そのユーザーには、すべてのメンバー仮想サーバー・ターゲットでの表示権限が自動的に付与されます。


仮想サーバー・プールの作成

Enterprise ManagerでOracle VMサーバーを管理するには、仮想サーバー・プールを作成する必要があります。各仮想サーバー・プールには、少なくとも1つのOracle VM仮想サーバーが存在する必要があります。プールに追加された最初の仮想サーバーは、そのサーバー・プールのマスター・サーバーとして機能します。

図13-2は、「仮想サーバー・プールの作成」ページを示しています。仮想サーバー・プールとマスター・サーバーを指定できます。

図13-2 「仮想サーバー・プールの作成」ページ

図13-2の説明が続きます
「図13-2 「仮想サーバー・プールの作成」ページ」の説明

次のフィールドを指定する必要があります。

  • 仮想サーバー・プール名: 作成する仮想サーバー・プールの名前を指定します。

  • 共有ディレクトリ: 共有ディレクトリとしてマウントされるディレクトリを指定します。この共有ディレクトリは、仮想サーバー・プール内のすべての仮想サーバーに対して同じです。

    たとえば、/OVSと指定します。すべてのゲスト仮想マシン・テンプレートおよび稼働中のゲスト仮想マシンは、この場所で管理されます。

  • 高可用性モード: 仮想サーバーを高可用性に組み込む場合は、「有効化」を選択します。サーバー・プールの高可用性の設定の詳細は、ソフトウェアおよびサーバーのプロビジョニングおよびパッチ適用のためのEnterprise Managerの管理者ガイドを参照してください。

  • マスター・サーバーの仮想IP: 高可用性モードの有効化を選択した場合、オプションとして、マスター・サーバーのフェイルオーバーをサポートし、マスター・サーバーの通信用の仮想IPとして使用される未使用のIPアドレスを指定できます。

  • 仮想サーバー・ホスト: 仮想サーバー・プールの作成の一環として、サーバー・プールのマスター・サーバーとして機能する1つの仮想サーバーを指定する必要があります。サーバー・プールのマスター仮想サーバーのFQDN名またはIPアドレスのいずれかを指定します。

  • 監視サーバー・エージェント: サーバー・プールの仮想サーバーは、Enterprise Manager Grid Controlエージェントによってリモート監視されます。仮想サーバーを監視するエージェントを指定します。

  • 監視サーバーのユーザー: Enterprise Managerエージェント・ホームまたはエージェント・インストールを所有し、エージェント・ホーム・ディレクトリに対する読取りおよび書込み権限を持つユーザー。

  • 監視サーバーのパスワード: Enterprise Managerエージェント・ホームまたはエージェント・インストールを所有するユーザーのパスワード。

  • 「SSHユーザー名」および「SSHパスワード」: 仮想サーバー・マシンにSSH接続するためのEnterprise Managerのユーザー名とパスワード。

  • Oracle VMエージェントのパスワード: すべてのOracle VMサーバーでは、組込みのOracle VMエージェントが稼働しています。このエージェントのパスワードを指定します。

  • OVSプロキシの場所: これは、仮想サーバー上のディレクトリであり、Enterprise Managerへの仮想サーバーの登録時に監視用として必要とされるスクリプトが格納されます。この場所は、すでに指定済の共有ディレクトリとは異なる場所である必要があります。

仮想サーバーの登録

仮想サーバー・プールを作成したら、そのサーバー・プールに仮想サーバーを登録できます(図13-3)。

図13-3 「仮想サーバーの登録」ページ

図13-3の説明が続きます
「図13-3 「仮想サーバーの登録」ページ」の説明

仮想サーバーを登録するには、表13-3に記載されているフィールドを指定する必要があります。

表13-3 仮想サーバーの詳細の登録

要素 説明

仮想サーバー・ホスト

サーバー・プールのマスター仮想サーバーの名前を指定します。

監視サーバー・エージェント

監視エージェントを指定します。

監視サーバーのユーザー

管理エージェント・ホームまたは管理エージェント・インストールを所有し、エージェント・ホーム・ディレクトリに対する読取りおよび書込み権限を持つオペレーティング・システム・ユーザーを指定します。

監視サーバーのパスワード

監視サーバー・ユーザーのパスワード資格証明を指定します。

SSHユーザー名

sudo権限を持つ仮想サーバーのユーザーを指定します。

SSHパスワード

SSHユーザーのパスワード資格証明を指定します。

Oracle VMエージェントのパスワード

仮想サーバー上で稼働するのOracle VMエージェントのパスワードを指定します。

OVSプロキシの場所

Enterprise Managerへの仮想サーバーの登録時に監視および管理用として必要とされるスクリプトが格納される、仮想サーバー上のディレクトリを指定します。

仮想サーバー・プール

仮想サーバーが属する仮想サーバー・プールを指定します。


ゲスト仮想マシンのプロビジョニング

「仮想化セントラル」ページで次のプロビジョニング・アクティビティを実行できます。

Oracle VMをプロビジョニングするためのデプロイメント・プロシージャが即時利用可能な状態で提供されています。デプロイメント・プロシージャは直接実行できません。仮想化セントラルを通じてプロビジョニングを実行する際に、Oracle VMのプロビジョニングのためのデプロイメント・プロシージャは実行されます。

ゲスト仮想マシンの作成

ゲスト仮想マシンは、次の3つのソースから作成できます。

  • Oracle VMテンプレートの使用

  • LinuxおよびWindowsオペレーティング・システムのISOイメージの使用

  • ネットワークを介して起動できるPXEブート可能なゲスト仮想マシン

Oracle VMテンプレートまたはISOバイナリは、次の場所で入手できます。

  • ソフトウェア・ライブラリ(ソフトウェア・コンポーネントとして)

  • 仮想サーバー・プール(リソースとして)

  • HTTPまたはNFSでアクセス可能な外部の場所

図13-4 ゲスト仮想マシンの作成ウィザード

図13-4の説明が続きます
「図13-4 ゲスト仮想マシンの作成ウィザード」の説明

図13-4は、ゲスト仮想マシンの作成ウィザードの「ゲスト仮想マシンの作成: 構成」ページを示しています。

ISOイメージおよびPXEブートを使用したゲスト仮想マシンの作成の詳細は、ソフトウェアおよびサーバーのプロビジョニングおよびパッチ適用のためのEnterprise Managerの管理者ガイド「仮想化システムのプロビジョニング」を参照してください。

一部のゲスト仮想マシンを特定のOracle VMサーバーでのみ実行するよう制限する場合、優先サーバー・リスト機能を使用してください。優先サーバー・リストには、このゲスト仮想マシンの実行を許可するすべてのOracle VMサーバーが含まれます。ゲスト仮想マシンを作成する際に「自動」オプションを選択すると、Enterprise Managerにより、ゲスト仮想マシンを実行するために最大のリソースを使用できるOracle VMサーバーが選択されます。フェイルオーバー時にゲスト仮想マシンを自動再起動する場合、Enterprise Managerでは、ゲスト仮想マシンを自動再起動するために優先Oracle VMサーバーが選択されます。

「ゲスト仮想マシンの作成: 構成」ページに移動して、次のフィールドを指定します。

  • 仮想マシン名の接頭辞: この文字列は、ゲスト仮想マシン名の接頭辞として使用されます。Enterprise Manager Grid Controlコンソールを使用してゲスト仮想マシンを作成する場合、ゲスト仮想マシン名の先頭に、ここで指定した仮想マシン名の接頭辞と番号が追加されます。

  • ルート・パスワード: これは、起動して実行中のゲスト仮想マシンにログインするためのオペレーティング・システムのルート・パスワードです。

  • コアの数: このゲスト仮想マシンに割り当てるCPUコアの数。これは、ゲスト仮想マシンの仮想CPU(VCPU)構成パラメータとして表示されます。

  • メモリー・サイズ(MB): ゲスト仮想マシンに割り当てるメモリーの量。物理仮想サーバー・マシンは、ゲスト仮想マシンを実行するのに十分なメモリーを搭載している必要があります。メモリーが不十分の場合、ゲスト仮想マシンは作成されますが、起動しません。

  • VNCコンソールのパスワード: Enterprise Managerでは、新しく作成されたゲスト仮想マシンにVNCコンソールが提供されます。これは、VNCコンソールにアクセスするためのVNCパスワードです。

  • ネットワーク・インタフェース数: このゲスト仮想マシンが保持する必要のある仮想ネットワーク・インタフェースの数。最小値が1で、最大値が8です。

  • CPUスケジューリング優先度: ゲスト仮想マシンの物理CPUへのアクセスが、同じ仮想サーバー上の他のゲスト仮想マシンと競合した場合の優先度を指定します。優先度が高くなると、ゲスト仮想マシンのCPUサイクルに対する要求の権利が高くなります。

  • CPU上限(%): ゲスト仮想マシンが使用できる物理CPUの量を制限します。ゲスト仮想マシンのリソースの割当てを制限する場合に、このフィールドを使用します。

  • 作成後にVMを開始: 作成後にゲスト仮想マシンを自動的に起動するかどうかを指定します。

  • 高可用性モードの有効化: 「高可用性モードの有効化」フラグを選択してゲスト仮想マシンを作成すると、このゲスト仮想マシンは高可用性機能に組み込まれます。親仮想サーバーに障害が発生すると、このゲスト仮想マシンは別のOracle VMサーバーで自動再起動されます。

    仮想サーバーが停止した際に、別の仮想サーバーでゲスト仮想マシンを自動的に再起動する場合は、このオプションを選択します。

    仮想サーバー・プールで高可用性モードを有効化すると、プール内のすべてのOracle VMサーバーがクラスタ化されます。これにより、高可用性とフェイルオーバーがサポートされます。サーバー・プールの高可用性フェイルオーバーの詳細は、ソフトウェアおよびサーバーのプロビジョニングおよびパッチ適用のためのEnterprise Managerの管理者ガイドを参照してください。

    高可用性を有効化するには、次の構成が必要です。

    • 仮想サーバー・プールに対して高可用性モードを設定する必要があります。

    • サーバー・プールのマスター・サーバーと他の仮想サーバーに対してクラスタ構成を行う必要があります。

    • ゲスト仮想マシンに対して高可用性フラグを設定する必要があります。

  • エージェントの構成: ゲスト仮想マシンを監視するエージェントを構成する場合は、このオプションを選択します。

  • ソース・テンプレートのローカル・デバイス: ソース・テンプレートのローカル・デバイスを表示します。適切なQoS優先度クラスを設定することで、ディスクの優先度を有効にできます。優先度クラスは、0から7の範囲で指定します。優先度クラス0は最も高い優先度を表し、7は最も低い優先度を表します。

  • 追加ディスク: すべてのゲスト仮想マシンは、最低1つのディスクを使用して作成されます。追加ディスクとそのサイズを指定します。これらのディスクは、ゲスト仮想マシンに追加されます。ゲスト仮想マシンの作成後、そのゲスト仮想マシンにログインし、追加ディスクを再フォーマットしてマウントします。

    ハード・ディスクの名前、そのサイズ、およびQoS優先度クラスを指定します。適切なQoS優先度クラスを設定することで、ディスクI/Oの優先度を有効にできます。優先度クラスは、0から7の範囲で指定します。優先度クラス0は最も高い優先度を表し、7は最も低い優先度を表します。

  • 共有ディスク: Oracle VMでは、複数のゲスト仮想マシン間でディスクを共有できます。ゲスト仮想マシンでアクセスする共有ディスクを指定します。

    サーバー・プールに使用可能な共有ディスクがない場合、「追加」ボタンは無効化されます。同じサーバー・プールに含まれる仮想マシンのみが共有ディスクを共有できます。共有デバイス名、そのデバイス上の共有ディスクおよびQoS優先度クラスを指定します。適切なQoS優先度クラスを設定することで、ディスクI/Oの優先度を有効にできます。優先度クラスは、0から7の範囲で指定します。優先度クラス0は最も高い優先度を表し、7は最も低い優先度を表します。

Oracle VMサーバーのベアメタル・プロビジョニング

PXE/キックスタートを使用して、Oracle VMサーバーをプロビジョニングできます。Oracle VMサーバーのベアメタル・プロビジョニングの詳細は、次の場所で入手可能なソフトウェアおよびサーバーのプロビジョニングおよびパッチ適用のためのEnterprise Managerの管理者ガイド「Linuxオペレーティング・システムのプロビジョニング」を参照してください。

http://download.oracle.com/docs/cd/B16240_01/doc/doc.102/e14500/toc.htm

Oracle VMサーバーのベアメタル・プロビジョニング中、管理エージェントはインストールされません。ベアメタル・プロビジョニングの完了後、Oracle VMサーバーをサーバー・プールに登録します。


注意:

Oracle VMサーバーのベアメタル・プロビジョニングを実行するには、Oracle Enterprise Manager Grid Controlのホームページから、「デプロイメント」 タブに移動し、「プロビジョニング」 タブに移動します。

Oracle VMの監視

Enterprise Managerには、仮想化環境の問題領域を識別できる包括的な監視機能があります。

Enterprise Managerは、エンタープライズ全体に分散している診断情報をOracle VMターゲットから自動的に収集して評価します。Enterprise Managerで管理するすべてのターゲットの場合と同様に、Oracle VMの多数のメトリックが事前定義済しきい値を超えていないか、自動的に監視されます。Grid Controlでは、メトリックがこれらのしきい値を超えた場合にアラートが生成されます。

Oracle VMサーバーのホームページ

Oracle VMサーバーのホームページ(図13-5)では、Oracle VMサーバーの基本情報(ステータス、可用性、オペレーティング・システム詳細、アラート、およびOracle VMサーバー上で稼働するゲスト仮想マシンなど)を参照できます。

次に、Oracle VMサーバーのホームページに表示されるグラフについて説明します。

  • 「CPU使用率」グラフでは、Oracle VMサーバーの合計物理CPU使用率(%)に関する情報が提供されます。

  • 「メモリー使用率」グラフでは、Oracle VMサーバーの物理メモリー使用率(%)に関する情報が提供されます。

  • 「ディスク領域使用率」グラフでは、Oracle VMサーバーのパーティション化されたローカル・ディスクの空き領域と使用済領域に関する情報が提供されます。

「ゲスト仮想マシン」セクションには、このOracle VMサーバーで稼働する各ゲスト仮想マシンの次のメトリックが表示されます。

  • 仮想マシン名: Oracle VMサーバーで稼働するゲスト仮想マシンの名前。

  • ターゲット名: 管理対象ゲスト仮想マシンの場合、ホスト・ターゲットの名前。

  • 状態: ゲスト仮想マシンの状態。状態は、「実行中」または「一時休止」のいずれかです。

  • 稼働時間: ゲスト仮想マシンが「実行中」である期間が表示されます。これには、このマシンが「一時休止」状態であった時間も含まれます。

  • 「CPU」の「VCPU」: このゲスト仮想マシンが保持する仮想CPUの数が表示されます。

  • 「CPU」の「使用率(%)」: 合計物理CPU使用量に対するCPU使用量の割合が表示されます。

  • 「メモリー」の「割当てメモリー(MB)」: このゲスト仮想マシンに割り当てられたメモリーの量が表示されます。

  • 「メモリー」の「使用率(%)」: ゲスト仮想マシンに割り当てられたメモリーに対する使用メモリー量の割合が表示されます。

  • 「仮想ブロック・デバイスI/O (KB/秒)」の「読取り」: ブロック・デバイスから読み取られたデータの量が表示されます。

  • 「仮想ブロック・デバイスI/O (KB/秒)」の「書込み」: ブロック・デバイスに書き込まれたデータの量が表示されます。

  • 「仮想ネットワークI/O (KB/秒)」の「受信済」: 仮想ネットワーク・インタフェースにより受信されたデータの量が表示されます。

  • 「仮想ネットワークI/O (KB/秒)」の「送信済」: 仮想ネットワーク・インタフェースにより送信されたデータの量が表示されます。

図13-5 仮想サーバーのホームページ

図13-5の説明が続きます
「図13-5 仮想サーバーのホームページ」の説明

ホームページでは、パフォーマンスの詳細情報にドリルダウンできます。

ゲストVMのホームページ

ゲスト仮想マシンのホームページは、管理対象ゲスト仮想マシンでのみ使用できます。このページは、Enterprise Managerのホストのホームページに似ています。このページで、ゲスト仮想マシンの基本情報(構成の詳細、アラート、ポリシー違反、ジョブの詳細、パッチ・アドバイザの詳細、セキュリティの詳細など)を参照できます。ホストの詳細は、「ホストおよびサード・パーティ・ターゲットの管理」を参照してください。

Enterprise Managerを使用してゲスト仮想マシンを管理および監視するメリットを最大化するには、ゲスト仮想マシンにエージェントをインストールしておく必要があります。

図13-6 ゲスト仮想マシンのホームページ

図13-6の説明が続きます
「図13-6 ゲスト仮想マシンのホームページ」の説明

Oracle VMの管理

Oracle Enterprise Managerでは、Oracle VMの可用性と効率的な稼働状態を維持します。特に、Enterprise Managerには、Oracle VMサーバー、ゲスト仮想マシンおよびサーバー・プールを管理するためのグラフィカル・ユーザー・インタフェースがあります。Oracle VMの監視の場合と同様に、Oracle VMの管理も「仮想化セントラル」ページから開始します。次のような管理タスクを実行できます。

ゲスト仮想マシンには、次の追加ステータスがあります。

  1. 操作エラー: これは中間ステータスです。操作が失敗すると、ゲスト仮想マシンはこのステータスに移行します。ユーザーは、「操作ステータスのクリア」アクションを実行して、ゲスト仮想マシンをこのステータスから解放する必要があります。

  2. エラー: このステータスは、ゲスト仮想マシンにエラーが発生したため、使用できないことを示します。

  3. 不明: このステータスは、Enterprise Managerがゲスト仮想マシンの状態を収集できなかったことを示します。

表13-4 ゲスト仮想マシンのアクション

アクション 実行可能なステータス 複数選択/単一選択

ゲストVMのライブ・マイグレーション

実行中

単一選択

ゲストVMのクローニング

停止

単一選択

ゲストVMをテンプレートとして保存

停止

単一選択

ゲストVMの編集

停止/実行中

単一選択

優先サーバー・リストの更新

停止

単一選択

ゲストVMの破棄

停止/エラー/不明

複数選択

ゲストVMの起動

停止/エラー/不明

複数選択

ゲストVMの停止

実行中/一時休止/エラー/不明

複数選択

ゲストVMの再起動

実行中

複数選択

ゲストVMの一時休止

実行中

複数選択

ゲストVMの一時休止解除

一時休止

複数選択

ゲストVMの一時停止

実行中

複数選択

ゲストVMの再開

一時停止

複数選択

VNCコンソール

実行中

単一選択

操作エラーのクリア

操作エラー

単一選択


図13-7に、ゲスト仮想マシンの状態遷移を示します。

図13-7 ゲスト仮想マシンの状態遷移ダイアグラム

図13-7の説明が続きます
「図13-7 ゲスト仮想マシンの状態遷移ダイアグラム」の説明

ゲストVMの編集

ゲスト仮想マシンは、図13-8のように編集できます。

図13-8 「ゲスト仮想マシンの編集」ページ

図13-8の説明が続きます
「図13-8 「ゲスト仮想マシンの編集」ページ」の説明

ゲスト仮想マシンについて、名前、メモリー、動的メモリー、VCPU、VNCコンソール・パスワードの編集、ディスク記憶域の追加と削除、ネットワーク・インタフェースの追加、およびブート順序の変更を行うことができます。表13-5に、ゲスト仮想マシンの編集可能なフィールドと、変更を反映するのに必要なアクションを示します。

表13-5 ゲスト仮想マシン: 編集可能なフィールド

編集可能なフィールド 変更を反映するためのアクション

仮想マシン名

このフィールドは、「停止」ステータスのゲスト仮想マシンでのみ編集できます。ゲスト仮想マシンが起動すると、変更が反映されます。

メモリー

このフィールドは、「停止」ステータスのゲスト仮想マシンでのみ編集できます。ゲスト仮想マシンが起動すると、変更は即座に反映されます。

動的メモリー

指定する動的メモリーは、「メモリー」に指定した値以下にする必要があります。準仮想化ゲスト仮想マシンでは、メモリーの変更はゲスト仮想マシンの停止および起動なしで反映されます。ハードウェア仮想化ゲスト仮想マシンでは、メモリーの変更はゲスト仮想マシンを停止し起動した後にのみ反映されます。

仮想CPU

準仮想化ゲスト仮想マシンでは、仮想CPUの数を編集することが可能で、変更はゲスト仮想マシンの停止および起動なしで反映されます。ハードウェア仮想化ゲスト仮想マシンでは、仮想CPUの変更はゲスト仮想マシンを停止し起動した後にのみ反映されます。

Oracle VMのバージョン2.2以降では、仮想CPUの数を、仮想マシンが最後に起動されたときの値よりも増やすことはできません。

VNCコンソールのパスワード

新規パスワードは、ゲスト仮想マシンの停止および再起動後に有効になります。

CPUスケジューリング優先度

ゲスト仮想マシンの物理CPUへのアクセスが、同じ仮想サーバー上の他のゲスト仮想マシンと競合した場合の優先度を指定します。優先度が高くなると、ゲスト仮想マシンのCPUサイクルに対する要求の権利が高くなります。

CPU上限(%)

ゲスト仮想マシンが使用できる物理CPUの量を制限します。ゲスト仮想マシンのリソースの割当てを制限する場合に、このフィールドを使用します。

高可用性モードの有効化

ゲスト仮想マシンの作成時に高可用性を有効にした場合、ゲスト仮想マシンを編集して高可用性を有効化または無効化できます。

ディスク記憶域の追加/ディスク記憶域の削除

変更は即座に反映されます。CDは準仮想化ゲスト・マシンにアタッチできません。

QoS優先度クラス

適切なQoS優先度クラスを設定することで、ディスクI/Oの優先度を有効にできます。優先度クラスは、0から7の範囲で指定します。優先度クラス0は最も高い優先度を表し、7は最も低い優先度を表します。

ネットワーク・インタフェースの追加/ネットワーク・インタフェースの削除/ネットワーク・インタフェースの編集

ゲストVMが稼働中の場合、最後の再起動以降にそのマシンに存在するすべてのインタフェースは削除できますが、編集できません。ただし、新たに追加されたインタフェースは編集および削除できます。変更は即座に反映されます。プライマリ・ネットワーク・インタフェースであるVIF0は削除できません。

ネットワーク速度

稼働中の仮想マシンの各仮想ネットワーク・インタフェースに許可される帯域幅を制御できます。

ブート順

ゲスト仮想マシンを停止して再起動する必要があります。ブート順は、準仮想化ゲスト仮想マシンのCDに設定できません。


Oracle VM ManagerからEnterprise Managerへの移行

現在、Oracle VM Managerを使用してOracle VMサーバー、仮想マシンおよびリソースを管理しているが、Enterprise Managerを使用してOracle VMシステムを管理する形態に移行する場合、次の手順を実行します。

  1. Oracle VM Managerから仮想サーバーを削除します。Oracle VM Managerからの仮想サーバーの削除の詳細は、http://download.oracle.com/docs/cd/E15458_01/doc.22/e15444/toc.htmで入手可能なOracle VM Managerユーザーズ・ガイドを参照してください。

  2. 仮想サーバーを停止します。

  3. Enterprise Managerで仮想サーバー・プールを作成します。仮想サーバー・プールの作成の詳細は、「仮想サーバー・プールの作成」を参照してください。

  4. 仮想サーバーをサーバー・プールに登録します。仮想サーバーの登録の詳細は、「仮想サーバーの登録」を参照してください。

  5. ゲスト仮想マシンを検出します。ゲスト仮想マシンの検出の詳細は、ソフトウェアおよびサーバーのプロビジョニングおよびパッチ適用のためのEnterprise Managerの管理者ガイド「仮想化システムのプロビジョニング」を参照してください。