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Oracle® Enterprise Manager Oracle Fusion Middleware Managementスタート・ガイド
11g リリース1(11.1.0.1)
B61025-01
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4 SOA Suite 11gの検出および監視

この章では、Enterprise Manager Grid Controlを使用したSOA Suite 11gのコンポーネントの検出および構成について説明します。

この章の内容は次のとおりです。

4.1 このリリースの新機能

SOA Suiteのリリース11.1で新たに導入された機能は次のとおりです。

4.2 サポートされているバージョン

Enterprise Manager Grid Control 11gリリース1でサポートされているSOA Suite 11gのバージョンを次に示します。

4.3 検出プロセスの理解

ここでは、Enterprise Manager Grid ControlでのSOA Suite 11gの検出および監視に伴う全体的なプロセスについて説明します。SOA Suiteの検出および監視を問題なく行うため、このプロセスの各手順で説明されている指示に従ってください。

表4-1 検出プロセスの理解

Oracle SOA Suiteのバージョン デプロイ先のアプリケーション・サーバー 検出メカニズム プロセス

Oracle SOA Suite 11.1 PS2

Oracle WebLogic Managed Server

手動検出

  1. 最初に、手動でOracle WebLogic Managed Serverを検出します。手順については、2.6.2.1項「Oracle WebLogic Managed Serverの検出」を参照してください。

  2. SOA Suiteを監視するには、WebLogicドメインの管理サーバーでローカルに稼働しているエージェントを使用するか、WebLogicドメインの構成要素ではない別のホストで稼働しているリモート管理エージェントを使用します。

    注意: リモート・エージェントを使用してSOA Suiteを監視する場合、「インスタンスのトレース」および「リカバリ可能なインスタンスの表示」機能はサポートされません。

  3. すべてのメトリック・データを確実に収集するため、soa-infra-mgmt.jarファイルおよびoracle-soa-client-api.jarファイルを$AGENT_HOME/sysman/jlib/extjlibディレクトリ(エージェント・ホーム・ディレクトリ)に追加します。extjlibディレクトリが存在しない場合はこのディレクトリを作成できます。この手順は、リモート・エージェントを使用してSOA Suiteを監視する場合のみ必要です。


4.4 SOA Suite 11gの検出

ここでは、SOA Suite 11gの検出手順について説明します。検出プロセスの実行には、ローカルまたはリモートの管理エージェントを使用できます。ローカル・エージェントを使用した検出の場合、管理サーバーと同じホスト上で稼働している管理エージェントを使用する必要があります。

  1. Oracle Enterprise Manager Grid Controlにログインします。

  2. 「ターゲット」、続いて「ミドルウェア」をクリックします。

    Oracle Enterprise Manager Grid Controlに、監視中のすべてのミドルウェア・ターゲットの一覧を示す「ミドルウェア」ページが表示されます。

  3. 「ミドルウェア」ページで、「追加」リストから「Oracle Fusion Middleware/Weblogicドメイン」を選択して「実行」をクリックします。「管理サーバー・ホスト」、「ポート」、「ユーザー名」、「パスワード」、「エージェント」(ローカルまたはリモート)および「JMXプロトコル」を指定して、「続行」をクリックします。

  4. 「ミドルウェア」ページに戻ります。WebLogicドメインの下にSOAインスタンスが表示されます。


    注意:

    デフォルトでは新規のSOAコンポジットは表示されません。すべてのSOAコンポジットを表示するには、WebLogic Serverターゲットのホームページに移動し、メニューから「ドメインのリフレッシュ」オプションを選択します。

4.4.1 リモート・エージェントを使用したSOA Suite 11gの検出

管理サーバーが稼働しているホストとは異なるホストで実行中のリモート・エージェントを使用して、SOA Suite 11gを検出できます。この場合、インスタンスのトレースやリカバリ可能なインスタンスの表示などの特定の操作は実行できない可能性があります。すべてのメトリック・データを確実に収集するため、次のJARファイルを$AGENT_HOME/sysman/jlib/extjlibのエージェント・ホーム・パスにコピーします(extjlibディレクトリが存在しない場合はこのディレクトリを作成できます)。

  • soa-infra-mgmt.jar

  • oracle-soa-client-api.jar

4.5 検出後の手順

SOA Suite 11gの検出が終了したら、次の追加の構成手順を実行します。

  1. 「共通プロパティ」ページでインスタンスの状態を設定します。

    1. 「SOAインフラストラクチャ・ホーム」ページで「Fusion Middleware Control」をクリックします。

    2. SOAインフラストラクチャ・ターゲットのホームページに移動します。

    3. 「SOAインフラストラクチャ」ドロップダウン・メニューから「共通プロパティ」を選択します。

    4. 「共通プロパティ」ページで、「コンポジット・インスタンスの状態をキャプチャ」チェックボックスを選択します。

  2. ホスト名、ポートおよび資格証明などのSOAデータベースの詳細を設定します。

    1. Enterprise Manager Grid Controlの「ミドルウェア」ページに移動します。

    2. 「SOAインフラストラクチャ」ホームをリストから選択し、「構成」をクリックします。

    3. 「SOAインフラストラクチャ・ホーム」ページが表示されます。「SOAインフラストラクチャ」ドロップダウン・メニューから「監視構成」を選択します。

    4. 「監視構成」ページでSOAデータベースの詳細を設定します。

  3. WebLogicドメインの優先資格証明を設定します。

    1. Enterprise Manager Grid Controlで、メイン・ページの右上隅から「プリファレンス」リンクをクリックします。

    2. 「プリファレンス」ページで、右ペインの「優先資格証明」をクリックします。

    3. 「Oracle WebLogicドメイン」ターゲットを選択して「資格証明の設定」アイコンをクリックします。

    4. Oracle WebLogicドメインの「優先資格証明」ページの「ターゲットの資格証明」セクションで、管理者資格証明およびホスト資格証明を指定して「適用」をクリックします。

    5. 同様に、「プリファレンス」ページで、「ホスト」ターゲットを選択して「資格証明の設定」アイコンをクリックします。

    6. ホストの「優先資格証明」ページの「ターゲットの資格証明」セクションで、通常資格証明および特権資格証明を指定します。「適用」をクリックします。

4.5.1 インスタンスのトレースの構成

コンポジット・インスタンスの実行に関わるあらゆるSOAインフラストラクチャ・インスタンスについて、インスタンスのトレースを有効化する手順:

  1. 「検出後の手順」の手順3で示されている手順に従います。

  2. リスト表示されたインスタンスの状態を表示するには、「検出後の手順」の手順1で示されている手順に従って、「コンポジット状態をキャプチャ」フラグを有効化します。

4.5.2 Application Dependency and Performance(ADP)メトリックの表示

SOAインスタンスがADPマネージャで監視されている場合、到着率や、最小、最大および平均のレスポンス時間などの追加メトリックが収集されます。


ヒント:

メトリック・データを収集する前に、ADPマネージャを登録する必要があります。ADPマネージャの登録の詳細は、第7章「Application Dependency and Performanceのインストールおよび構成」を参照してください。

4.6 レポートの作成

ここでは、SOAレポートの作成手順について説明します。

  1. レポート・ウィザードにアクセスするには、Enterprise Managerコンソールのホームページで「レポート」タブをクリックします。

  2. 「レポート定義」タブで、「SOAコンポジット」ターゲット・タイプを選択して「実行」をクリックします。

    すぐに使用可能なSOAレポートが「SOAパフォーマンス・レポート」セクションに表示されます。

  3. セクションからレポートを選択し(たとえば「保留中のインスタンスの統計」を選択できます)、「類似作成」をクリックします。「レポート定義を作成」ページが表示されます。

  4. 「一般」ページで、次の詳細を入力します。

    1. タイトルとして「BPELプロセス名」を入力します。

    2. 「時間間隔を設定」をクリックして、レポートの時間間隔を設定します。

    3. 「権限」セクションで「レポート所有者(SYSMAN)のターゲット権限を使用してレポートを実行」チェックボックスを選択します。

  5. 「要素」タブをクリックし、表内の「保留中のインスタンスの統計要素」に対して「パラメータを設定」アイコンをクリックします。

  6. 「パラメータを設定」ページで、たいまつアイコンをクリックしてコンポジット名を選択します。「保留中のインスタンスの統計」レポートのデフォルト値が示された「結果セット・サイズ」が表示されます。

  7. リストからコンポーネント名を選択し、「結果セット・サイズ」を入力して「続行」をクリックすると、「要素」ページに戻ります。

  8. 選択したターゲット名が「要素」表に表示されます。

  9. レポートの生成を定期的にスケジューリングするには、「スケジュール」タブをクリックします。

  10. スケジュール・タイプとその他の詳細を指定して、「OK」をクリックします。

  11. レポートのホームページが表示され、新規にスケジューリングされたレポートが表内に示されます。詳細を表示するにはレポート名をクリックします。

4.7 SOAアーティファクトおよびコンポジットのプロビジョニング

SOAアーティファクトのデプロイメント・プロシージャでは次の操作が可能です。

SOAアーティファクトのデプロイメント・プロシージャの詳細は、ソフトウェアおよびサーバーのプロビジョニングとパッチ処理に関するEnterprise Manager管理者ガイドを参照してください。

4.8 トラブルシューティング

ここでは、SOA Suite 11gの検出時に発生する可能性のあるエラーと、そのエラーを解決するための手順について説明します。

この項の内容は次のとおりです。

4.8.1 検出

次のエラーは、SOAインスタンスの検出中に発生します。

表4-2 エラー・メッセージ:

エラー・メッセージ 回避手順
New SOA Composite deployed on the SOA 
Server from JDeveloper are not 
displayed automatically in Enterprise 
Manager Grid Control.

新規にデプロイされたSOAコンポジットをEnterprise Manager Grid Controlで検出するには、関連付けられたWeblogicドメインについて「ファームのリフレッシュ」メニュー・オプションを実行する必要があります。


4.8.2 監視

次のエラーは、収集頻度によって構成データの収集に遅延が生じたときに発生します。

表4-3 エラーの説明

エラーの説明 回避手順
All metrics are not displayed.

Enterprise Manager Grid Controlでは管理エージェントを使用してメトリック・データが収集されます。エージェントによる最初の収集では、メトリック・データのアップロードに15分かかる場合があります。


4.8.3 インスタンスのトレース

次のエラーは、インスタンスがトレースされているときに発生します。

インスタンス検索が失敗しました - BPELの最初の列と同じ理由です。管理エージェントが停止中またはアクセス不可能な場合。

表4-4 エラー・メッセージ:

エラー・メッセージ 回避手順
Instance Tracing Job Fails
  1. 「ジョブ」ページに移動して「インスタンスのトレース」ジョブ(コンポジット名+インスタンスID+タイムスタンプ(ミリ秒))を特定し、出力を表示して失敗した手順を確認します。

  2. 問題を解決し、「ジョブ」ページで「再試行」をクリックしてジョブを再実行します。

  3. 「インスタンスのトレース」ページに移動してトレース結果を表示します。「インスタンスのトレース」ページで「インスタンスのトレース」オプションを実行して、新規のジョブを発行することもできます。


4.8.4 フォルト

次のエラーは、下記のような場合に発生します。

  • 最後の10個の値のみが収集されるため、フォルトが存在するインスタンスの一部が表示されません。

  • 最後に収集されたフォルト・インスタンスが「フォルトとメッセージ」ページに表示されません。

表4-5 エラー:

エラーの説明 回避手順
All instances with faults are not populated in Enterprise Manager Grid Control. 

デフォルトでは、過去15分間に収集された最新の10個のフォルトのみを表示できます。その他のフォルトを表示するには、ターゲット・ホームページで「一般」セクションのリンクをクリックしてFusion Middlewareに移動します。


4.8.5 Application Dependency and Performanceの統合

SOAインスタンスのホームページで「アプリケーションの依存性とパフォーマンス」リンクをクリックすると、空白のページが表示される場合があります。このエラーは、次のような場合に発生する可能性があります。

  • 「アプリケーションの依存性とパフォーマンス」がSOAインスタンスの監視に使用されていません。

  • 「アプリケーションの依存性とパフォーマンス」がEnterprise Manager Grid Controlで登録されていません。

表4-6 エラー・メッセージ:

エラー・メッセージ 回避手順
Missing ADP Data - Add the metrics - 
and add one for blank page.

ADPを使用して収集されたデータを監視するには、ADPマネージャを登録して構成する必要があります。


4.8.6 レポート

ここではレポート関連エラーの一覧を表示します。

表4-7 エラー:

エラーの説明 回避手順
Report generation fails due to invalid database details.
  1. 「すべてのターゲット」ページに移動します。

  2. 特定のSOAコンポジットがデプロイされているSOAインフラストラクチャ・ターゲットを選択して、「構成」をクリックします。

  3. 「監視構成」ページで、データベース接続の詳細および資格証明を指定して「OK」をクリックします。

No targets found message for Oracle SOA Composite Reports.

既定のレポートは直接使用できません。「類似作成」オプションを使用して、「SOAコンポジット」ターゲット・タイプに基づくカスタム・レポートを生成する必要があります。

ホスト詳細が無効なため、レポート生成に失敗しました。

SOAインフラストラクチャが稼働しているホスト・ターゲットに有効な資格証明を設定してください。


4.8.7 システムとサービス

次のエラーは、作成されていないサービスをリフレッシュしようとすると発生します。

表4-8 エラー・メッセージ:

エラー・メッセージ 回避手順
Create Service option does not work.

システムとサービスの作成は、SOAインフラストラクチャおよび関連ターゲットの構成収集によって異なります。詳細はログ・ファイルを確認してください。

Refresh Service option does not work.

「サービスのリフレッシュ」機能は、既存のインフラストラクチャ・サービスに有効です。サービスが存在しない場合は、「サービスの作成」メニュー・オプションを使用して作成する必要があります。


4.8.8 BPELリカバリ

次のエラーは、指定された資格証明が無効なときに発生します。

表4-9 エラー・メッセージ:

エラー・メッセージ 回避手順
Invalid Host and WebLogic Domain Credentials

BPELリカバリ機能を有効にするには、ホスト資格証明およびWebLogicドメイン資格証明を、優先資格証明ストアで使用可能にする必要があります。有効な資格証明を設定して再試行します。

BPELプロセスが「BPELプロセス」タブで表示されません。

このエラーは、DMSメトリックに必要なパラメータがない場合に発生する可能性があります。この問題を解決する手順:

  1. AGENT_HOME/sysman/config/emd.propertiesファイルを更新します。

  2. ファイルでプロパティagentJavaDefinesのパターン一致検索をします。

  3. 次の文字列を追加します。

    -Doracle.dms.gatherers=15000,2:300000,3:3600000,3

  4. エージェントをバウンスします。

次に例を示します。

agentJavaDefines=-Doracle.dms.refresh.wait.time 1000 -DUrlTiming.UseJSSE=true -Dnetworkaddress.cache.ttl=1800-Djava.awt.headless=true-Doracle.dms.gatherers=15000,2:300000,3:3600000,3