この章では、Warehouse Builderで使用できるように様々なデータ・ソースから定義をインポートする方法について説明します。最初に、これらの定義をソース・モジュールにインポートします。
この章の内容は次のとおりです。
インポートは、リバース・エンジニアリングとも呼ばれます。既存のデータベース・オブジェクトのメタデータ定義をWarehouse Builderに取り込むことで、設計時間が短縮されます。メタデータ定義をターゲット・モジュールにインポートするには、インポート・メタデータ・ウィザードを使用します。
インポート・メタデータ・ウィザードのようこそページには、ソース・アプリケーションから適切なモジュールにメタデータをインポートする手順が表示されます。このウィザードを使用してPL/SQL変換をWarehouseモジュールにインポートすることもできます。インポート・メタデータ・ウィザードでは、表、ビュー、ディメンション、キューブ、外部表、順序、キュー、ユーザー定義型およびPL/SQL変換のインポートを直接、またはシノニムを使用したオブジェクト参照を介してサポートします。
表のインポートには、第2表のインポートを可能にする列、主キー、一意キーおよび外部キーのインポートが含まれます。外部表をインポートすると、Warehouse Builderにより関連フラット・ファイルの関連ロケーションおよびディレクトリ情報もインポートされます。
これらの定義は、Oracleデータベース・カタログまたはDesigner/2000(Oracle Designer)のいずれかからインポートできます。
「インポート・メタデータ・ウィザード」を使用して、データベースからモジュールにメタデータをインポートします。Oracleデータベース、Oracle以外のデータベースまたはデザイナ・リポジトリからメタデータをインポートできます。
Oracleデータ・ディクショナリから定義をインポートする手順は、次のとおりです。
データ・ソース・モジュール名を右クリックして「インポート」を選択します。
「インポート・メタデータ・ウィザード」のようこそページが表示されます。このページには、オブジェクト・メタデータのインポート・ステップが表示されます。「次へ」をクリックしてインポートに進みます。
Oracleモジュールのロケーション詳細を指定しないと、「Warehouse Builder警告」ダイアログが表示されます。このダイアログは、最初にロケーション詳細を指定する必要があることを示します。「OK」をクリックします。Oracleモジュールの「Oracleデータベースのロケーションの編集」ダイアログが表示されます。このダイアログを使用してロケーション情報を指定します。このダイアログで「OK」をクリックすると、「インポート・メタデータ・ウィザード」のようこそページが表示されます。
次のページを完了します。
フィルタ情報ページを使用して、データ・ディクショナリの検索対象を限定します。検索対象を限定するには、次の2つの方法があります。
オブジェクト・タイプの選択 「オブジェクト・タイプ」セクションに、インポート可能なデータベース・オブジェクトのタイプが表示されます。これには、表、ディメンション、外部表、順序、キュー、キューブ、ビュー、PL/SQL変換およびユーザー定義型が含まれます。インポートするオブジェクトのタイプを選択します。たとえば、表を3つとビューを1つインポートするには、「オブジェクト・タイプ」セクションで「表」および「ビュー」オプションを選択します。
オブジェクト名に基づく検索 「パターンに一致するオブジェクトのみを選択」オプションを使用して検索パターンを入力します。Warehouse Builderでは、指定のパターンと一致する名前を持つオブジェクトが検索されます。ワイルドカードとして複数の文字と一致する%および単一文字と一致する_を使用します。たとえば、ウェアハウス・プロジェクト名に続けて%と入力すると、そのプロジェクト名で始まるオブジェクトをインポートできます。
「次へ」をクリックすると、フィルタ条件と一致する名前がデータ・ディクショナリから取り出され、オブジェクト選択ページが表示されます。
インポートするアイテムを「使用可能」リストから選択し、矢印をクリックして「選択済」リストに移動します。
特定のアイテムを名前順で検索するには、懐中電灯として表示されている「オブジェクトの検索」アイコンをクリックします。
すべてのアイテムを「選択したオブジェクト」リストに移動するには、二重矢印をクリックします。
依存オブジェクトのインポート 「インポート・メタデータ・ウィザード」を使用すると、インポート対象となるオブジェクトの依存オブジェクトをインポートできます。定義を再インポートすると、前にインポートしたオブジェクトが太字で表示されます。
依存オブジェクトをインポート対象に含めるかどうかを指定するには、次のオプションを1つ選択します。
なし: 選択したオブジェクトのみが「選択済」リストに移動します。このオプションを選択すると、依存オブジェクトはインポートされません。
1レベル: このオプションを選択すると、選択したオブジェクトとその参照先オブジェクトが「選択済」リストに移動します。これはデフォルト選択です。
すべてのレベル: このオプションを選択すると、選択したオブジェクトとその直接参照または間接参照がすべて「選択済」リストに移動します。
「次へ」をクリックするとサマリーとインポート・ページが表示されます。
ディメンションのインポート スター・スキーマのリレーショナル実装を使用するディメンションをインポートすると、ディメンション・データが格納されている実装表はインポートされません。この表は、オブジェクト選択ページで「使用可能」リストから「選択済」リストに移動して明示的にインポートする必要があります。またインポート後に、ディメンションを実装表にバインドする必要もあります。バインドの実行方法の詳細は、「バインド」を参照してください。
このページには、選択内容のサマリーがスプレッドシート形式で表示されます。サマリーは、名前、オブジェクトのタイプ、オブジェクトが再インポートされるか作成されるかを示すリストです。このページの内容を確認し、各オブジェクトの説明を追加します。
オブジェクト選択ページで選択したオブジェクトがインポート先モジュールに存在する場合は、再インポート関連のプロパティを追加指定できます。オブジェクトの再インポートに関連するオプションを指定するには、「拡張インポート・オプション」をクリックします。「拡張インポート・オプション」ダイアログが表示されます。このダイアログの内容の詳細は、「拡張インポート・オプション」を参照してください。
「終了」をクリックすると、選択したオブジェクトがインポートされます。「インポートの進行状況」ダイアログに、インポート・アクティビティの進行状況が表示されます。インポートが完了すると、インポート結果ページが表示されます。
このページには、インポート・サマリーとオブジェクト・リスト、およびオブジェクトが作成されたか同期化されたかの詳細が表示されます。
変更内容を受け入れるには「OK」をクリックします。このインポートに関連付けられているMDLファイルを保存するには「保存」をクリックします。インポートを取り消すには「元に戻す」をクリックします。
Warehouse Builderにより、インポートを実行したデータベース・モジュールに定義が格納されます。
ソース・データベース定義を再インポートすると、前回のインポート以降にソース・メタデータに対して行われた変更内容をインポートできます。オリジナルの定義をリポジトリから削除する必要はありません。Warehouse Builderには、前回のインポート以降に定義に対して行った変更内容も保持できるようにするオプションが用意されています。これには、Warehouse Builderで作成した新規のオブジェクト、外部キー、関係および説明が含まれます。
定義を再インポートする手順は、次のとおりです。
データ・ソース・モジュール名を右クリックして「インポート」を選択します。
インポート・メタデータ・ウィザードのようこそページが表示されます。
「次へ」をクリックします。
フィルタ情報ページが表示されます。
同じオブジェクトが再インポートされるように、当初インポートに使用したのと同じ設定を選択して、フィルタ情報ページとオブジェクト選択ページを完了します。
図16-1に示すように、サマリーとインポート・ページが表示されます。リポジトリに存在するオブジェクトまたは再インポートするオブジェクトについては、「再インポート」アクションが表示されます。
再インポートするオブジェクトに関連した新規オブジェクトがソースに含まれている場合は、新規オブジェクトも同時にインポートするように要求されます。この種のオブジェクトについては「作成」アクションが表示されます。
「拡張インポート・オプション」をクリックして選択します(オプション)。
「終了」をクリックします。
Warehouse Builderによりオブジェクトが調整されて作成されます。この処理が完了すると、図16-2のような「インポート結果」ダイアログが表示されます。
レポートには、Warehouse Builderにより各オブジェクトに対して実行されたアクションが表示されます。
「保存」をクリックしてレポートを保存します。再インポート固有のネーミング規則を使用する必要があります。
「OK」をクリックして次に進みます。
リポジトリの変更内容をすべて元に戻すには、「元に戻す」をクリックします。
「拡張インポート・オプション」ダイアログには、オブジェクトのインポート時に構成できるオプションが表示されます。このダイアログでは、Warehouse Builderリポジトリ内のオブジェクト定義に対する編集内容や追加内容を保持できます。図16-3に、表の「拡張インポート・オプション」ダイアログを示します。
デフォルトでは、このダイアログのオプションがすべて選択されています。これらのリポジトリ・オブジェクトを保持せずに置換させるには、ボックスの選択を解除します。
たとえば、表やビューを初めてインポートした後、その表またはビューの定義に記述を手動で追加します。この記述が表またはビュー定義の再インポート中に上書きされないようにするには、既存の定義を保持するオプションを選択する必要があります。これにより、記述は上書きされなくなります。
このダイアログの内容は、インポートするオブジェクトのタイプに応じて異なります。各種オブジェクトの拡張インポート・オプションの詳細は、次の各項を参照してください。
ビューおよび外部表の拡張インポート・オプション・ビューまたは外部表を調整する場合は、次のオプションを選択します。
記述のインポート: ビューまたは外部表の記述がインポートされます。リポジトリ内の既存の記述は保持されません。
リポジトリの追加列を保持します。: このオプションを選択すると、リポジトリ内のオブジェクトに追加した列が保持されます。
表の拡張インポート・オプション 表を調整する場合は、次のオプションを選択します。
リポジトリの追加列を保持します。: このオプションを選択すると、リポジトリ内の表に追加した列が保持されます。
リポジトリの追加制約を保持します。: Warehouse Builder内の表に追加した制約が保持されます。
索引のインポート: このオプションを選択すると、索引のインポート方法の詳細を追加指定できます。索引のインポートは、次のオプションで構成されます。
リポジトリの追加索引を保持します。: このオプションを選択すると、リポジトリ表に追加した索引が保持されます。
索引の物理プロパティのインポート: このオプションを選択すると、索引のインポート方法を指定できます。このオプションの下にある「リポジトリで追加された索引の物理プロパティを保持します。」オプションを選択し、索引に追加された物理プロパティを保持するように指定します。
索引パーティションのインポート: このオプションを選択すると、索引パーティションのインポート方法を指定できます。「リポジトリの追加索引パーティションを保持します」オプションを選択して、リポジトリ表に追加された索引パーティションを保持するように指定します。
パーティションのインポート: このオプションを選択すると、パーティションのインポート方法の詳細を追加指定できます。パーティションのインポートには、次のオプションがあります。
リポジトリの追加パーティションを保持します。: このオプションを選択すると、リポジトリ表に追加したパーティションがすべて保持されます。
パーティションの物理プロパティのインポート: このオプションを使用すると、パーティションの物理プロパティのインポート方法を指定できます。「リポジトリで追加されたパーティションの物理プロパティを保持します。」を選択して、リポジトリ表のパーティションの物理プロパティをすべて保持するように指定します。
物理プロパティのインポート: このオプションを選択すると、表の物理プロパティのインポート方法を指定できます。「リポジトリの追加物理プロパティを保持します。」オプションを選択して、リポジトリ表に追加された物理プロパティをすべて保持するように指定します。
記述のインポート: このオプションを選択すると、表の記述をインポートできます。
オブジェクト・タイプの拡張インポート・オプション
記述のインポート: このオプションを選択すると、オブジェクト・タイプの記述をインポートできます。
リポジトリの追加属性を保持します。: このオプションを選択すると、リポジトリ内のオブジェクト・タイプに追加した属性が保持されます。
キュー表、アドバンスト・キュー、ストリーム・キューおよびSQLコレクション(ネストした表およびVARRAY)の拡張インポート・オプション
記述のインポート: このオプションを選択すると、キュー表、アドバンスト・キュー、ストリーム・キュー、ネストした表またはVARRAYの記述をインポートできます。
「モジュールの編集」ダイアログでは、ソース・モジュールの名前、メタデータのロケーションおよびデータのロケーションを編集できます。
データベース定義を更新する手順は、次のとおりです。
いずれかのOracleモジュールをダブルクリックします。
「モジュールの編集」ダイアログが表示されます。メタデータのロケーションとデータベースのデータのロケーションを編集できます。
メタデータのロケーションを編集するには、「メタデータのロケーション」タブをクリックして次の情報を指定します。
ソース・タイプ: ソース・タイプでは、データとメタデータのロケーションを識別します。「Oracleデータ・ディクショナリ」または「Oracle Designerリポジトリ」を選択できます。メタデータがOracle Databaseのデフォルト・リポジトリに格納されている場合は、「Oracleデータ・ディクショナリ」を選択します。Oracle Designerリポジトリに格納されている場合は、「Oracle Designerリポジトリ」を選択します。
ロケーション: モジュールのロケーションを識別します。ドロップダウン・リストからロケーションを選択できます。
データのロケーションを編集するには、「データのロケーション」タブをクリックします。既存のロケーションから選択するか、新規ロケーションを作成できます。新規ロケーションを作成するには、「新規」をクリックします。「Oracleデータベースのロケーションの編集」ウィンドウが表示されます。ここでデータのロケーションを指定できます。
Warehouse Builderでは、Oracle Designerリポジトリと接続するソース・モジュールを作成できます。アプリケーションの定義をOracle Designerリポジトリに格納して管理すると、アプリケーションへの接続の所要時間が短縮されます。
Designer 6i/9iリポジトリでは、ワークエリアを使用してオブジェクトのバージョンが制御されます。ワークエリアを選択することで、リポジトリ・オブジェクトのバージョンを指定できます。Designer 6i/9iで、オブジェクトをワークエリア内のコンテナ要素にグループ化することもできます。コンテナ要素にはオブジェクトのネームスペースの定義と所有権が格納されており、他のユーザーに所有されているオブジェクトも参照できます。Designer 6i/9iのコンテナ要素はワークエリアにより制御されるため、バージョン制御機能があります。ワークエリアとコンテナ要素の詳細は、Designer 6i/9iのマニュアルを参照してください。
Designer 6i/9i のワークエリアまたはコンテナ要素の参照可能なオブジェクトはすべて、Warehouse Builderでデータ・ソースとして使用できます。Designer 6i/9iのオブジェクトをWarehouse Builderのソースとして選択する手順は、次のとおりです。
ワークエリアを指定します。
ワークエリア内のコンテナ要素を指定します。
モジュール・エディタでDesignerのバージョンが検出されます。Designer 6i/9iが検出された場合は、「メタデータのロケーション」タブに「ワークエリア」および「コンテナ要素」という2つのドロップダウン・リストが表示されます。ワークエリアを選択すると、そのワークエリア内のコンテナ要素が「コンテナ要素」リストに表示されます。
インポート可能なリポジトリ・オブジェクトのリストは、次の基準で決定されます。
オブジェクト・タイプがWarehouse Builderでサポートされている必要があります(表、ビュー、順序およびシノニム)。
オブジェクトは、指定のワークエリアからアクセス可能である必要があります。この基準により、アクセスされるオブジェクトのバージョンが判別されます。
オブジェクトは、指定のコンテナ要素内で参照可能である必要があります。リストには、指定のコンテナ要素の所有オブジェクトと、所有オブジェクトではないが共有されている他のオブジェクトが表示されます。
Designer 6i/9iのソースから定義をインポートするには、「データベースからの定義のインポート」に示す手順に従う必要があります。
Designer 6i/9iのソース・モジュールを作成する手順は、次のとおりです。
データベース・ソース・モジュールを作成します。
新規に作成したモジュールの名前をダブルクリックしてモジュール・エディタを開きます。
「メタデータのロケーション」タブで、ソース・タイプとして「Oracle Designerリポジトリ」を選択します。Designerオブジェクトが格納されているデータベースのロケーションを選択することもできます。
ソース・タイプとして「Oracle Designerリポジトリ」を選択すると、「メタデータのロケーション」タブで「ワークエリア」および「コンテナ要素」という2つの新規ドロップダウン・リストが参照可能になります。図16-4を参照してください。
ワークエリアからDesigner 6i/9iオブジェクトを選択し、特定のコンテナ要素を選択します。
注意: ソースとして指定するデータベースには、Designer 6i/9iオブジェクトが格納されている必要があります。格納されていないと、「ワークエリア」リストと「コンテナ要素」リストが空になります。 |
「OK」をクリックします。
関連情報は、次の項を参照してください。