メタデータ・ローダー(MDL)では、新規リポジトリを移入するだけでなく、既存のリポジトリ・メタデータのバックアップを転送、更新またはリストアできます。また、メタデータのスナップショットを取得し、バックアップ、比較およびリストアの目的に使用できます。
このトピックには、次の項目が含まれます。
Warehouse Builderには、バックアップ、履歴管理およびバージョン管理の目的でメタデータをコピーおよび移動できる複数の機能が用意されています。メタデータ・ローダー(MDL)ユーティリティを使用して、プロジェクト・エクスプローラ、グローバル・エクスプローラおよび接続エクスプローラにおいてあらゆるタイプのオブジェクトのメタデータをインポートおよびエクスポートできます。その後、Oracle Repository、ClearCaseまたはSourceSafeなどのサード・パーティのバージョン管理ツールにエクスポート済のファイルを移動できます。MDLエクスポート・ファイルに関する注釈を入力し、ファイルに含まれる情報を追跡できます。MDLでは、異なるオペレーティング・システムのプラットフォーム上にあるリポジトリ間でも、メタデータ・オブジェクトをコピーまたは移動できます。
また、Warehouse Builderデザイン・センターまたはOMB Plusスクリプトを使用してメタデータのスナップショットを取得し、メタデータ変更管理を実行できます。スナップショットでは、Warehouse Builderスクリプトを使用してメタデータ・オブジェクトの定義を取得できます。メタデータのバックアップおよびバージョン管理にはスナップショットを使用します。メタデータ変更管理の詳細は、第32章「メタデータの変更管理」を参照してください。
このトピックには、次の項目が含まれます。
メタデータ・ローダーは次の2つのユーティリティで構成されます。
メタデータ・エクスポート・ユーティリティ
Warehouse Builderリポジトリからメタデータをエクスポートするには、メタデータ・エクスポート・ユーティリティを使用します。
メタデータ・インポート・ユーティリティ
Warehouse Builderリポジトリにメタデータをインポートするには、メタデータ・インポート・ユーティリティを使用します。
MDLでは独自の形式が使用されており、メタデータ・インポート・ユーティリティではMDL形式のファイル(メタデータ・エクスポート・ユーティリティで作成されたファイル)は読込みのみ実行できます。メタデータ・ローダー・ファイルはZIP形式ファイルです。
メタデータ・エクスポート・ユーティリティでは、リポジトリからメタデータ・オブジェクトが抽出され、情報がZIP形式ファイルに書き込まれます。このZIPファイルの拡張子は.mdlであり、次のファイルが含まれます。
メタデータ・ローダーXMLファイル
このファイルには、リポジトリから抽出されたXML形式のオブジェクトが含まれます。ZIPファイルと同じ名前ですが、拡張子は.mdxです。
カタログ
カタログ・ファイルはmdlcatalog.xml
と呼ばれ、メタデータ・ローダーXMLファイルに関する内部情報が含まれます。
メタデータ・エクスポート・ユーティリティでは、エクスポートするMDLファイルのファイル名およびパスを指定できます。たとえば、sales.mdl
というファイルにリポジトリ・メタデータをエクスポートするとします。このMDL ZIPファイルを解凍すると、2つのファイルを取得します。sales.mdx
ファイルにはリポジトリ・オブジェクトが含まれます。mdlcatalog.xml
ファイルにはMDL XMLファイルに関する内部情報が含まれます。
プロジェクト全体、コレクション、パブリック・オブジェクト、ロケーションまたは任意のオブジェクトのサブセットをエクスポートできます。オブジェクトのサブセットをエクスポートする場合、MDLにより、選択した各オブジェクトおよびサブセットが属する親オブジェクトの定義がエクスポートされます。これによって、MDLはメタデータのインポート時にこれらのオブジェクトのツリー関連を保守できます。
たとえば、単一ディメンションをエクスポートした場合、エクスポート・ファイルには次の定義が含められます。
ディメンション
ディメンションが属するモジュール
モジュールが属するプロジェクト
オブジェクトのサブセットをエクスポートする場合、必ずすべての参照オブジェクトをエクスポートし、同様にインポートしてください。「メタデータのエクスポート」ダイアログですべての依存性をエクスポートオプションを選択し、オブジェクトのセットによって参照されるオブジェクトをエクスポートできます。たとえば、表DEPT
をエクスポートし、この表にEMP
表への外部キー参照が含まれる場合、EMP
およびDEPT
をエクスポートするよう選択できます。
メタデータ・インポート・ユーティリティでは、エクスポートしたMDLファイルからメタデータ情報が読み取られ、メタデータ・オブジェクトが作成、置換またはリポジトリにマージされます。このユーティリティでは、表の列とその制約、データ・ロード構成パラメータおよび名前付き属性セットなどのエクスポート済メタデータ・オブジェクトに属する情報がインポートされます。メタデータ・インポート・ユーティリティでは、リポジトリ・オブジェクトの参照を確認できない場合でも、これらのオブジェクトをインポートできます。
メタデータ・インポート・ユーティリティを使用して、プロジェクトまたはコレクションにオブジェクトをインポートできます。メタデータ・インポート・ユーティリティでは、メタデータ・エクスポート・ユーティリティで作成されたファイルのみが読み取られます。
インポート中のMDLファイルが旧バージョンのWarehouse Builderを使用して作成されたものである場合、メタデータ・インポート・ユーティリティによりMDLファイルが最新バージョンのWarehouse Builderに自動的にアップグレードされます。MDLファイルの自動アップグレードの詳細は、「旧バージョンからのメタデータのアップグレード」を参照してください。
メタデータ・ローダーを使用して、次のタスクを実行できます。
メタデータのバックアップ: MDLは障害時リカバリ方針の重要な部分です。既存のリポジトリ・メタデータを含むファイルをバックアップとしてエクスポートし、必要に応じてエクスポート・ファイルを使用してリポジトリをリストアできます。
新規リポジトリのシード: 既存のリポジトリからデータをエクスポートし、新規リポジトリの基準として使用できます。
リポジトリの移行: 旧バージョンのWarehouse Builderからファイルへメタデータをエクスポートし、このファイルを新規バージョンのWarehouse Builderにインポートできます。新規バージョンのWarehouse Builderにアップグレードするときにはこの作業が必要です。
旧バージョンのMDLデータ・ファイルから自動的にアップグレード: 旧バージョンのWarehouse Builderを使用して作成されたMDLデータ・ファイルからメタデータをインポートする場合、MDLによりデータ・ファイルが最新バージョンへ自動的にアップグレードされます。
メタデータのコピー: 複数ユーザーの開発環境では、同じメタデータを複数コピーする場合があります。MDLにより、複数のリポジトリに単一セット・メタデータを簡単にロードできます。
次のいずれかを使用してメタデータ・ローダーにアクセスできます。
デザイン・センター
デザイン・センターのメニューを使用する場合、「メタデータ・ローダーとWarehouse Builderデザイン・センターの併用」で説明するように、グラフィカル・インタフェースによってエクスポートまたはインポート・プロセスが示されます。
OMB Plusまたはスクリプト
OMB Plusでは、OMBEXPORT、OMBIMPORT、OMUEXPORTおよびOMUIMPORTという、メタデータをエクスポートおよびインポートするためのコマンドを提供しています。OMB Plusからメタデータ・ローダーのユーザー・インタフェースを表示するには、OMBUIMPORTおよびOMPUEXPORTコマンドを使用します。OMBIMPORTおよびOMBEXPORTコマンドを使用したメタデータのインポートの詳細は、「メタデータ・ローダーとOMB Plusの併用」を参照してください。
Warehouse Builderリポジトリでは、複数のクライアントが同じリポジトリ・スキーマに同時にアクセスできます。Warehouse Builderではロックを使用して、1つのクライアントにのみリポジトリ・オブジェクトの変更を許可します。オブジェクトがロックされている間、その他のクライアントはいずれかのユーザーによる最後のトランザクションが保存された後に存在していたオブジェクトのみ表示できます。
オブジェクトを置換またはマージする場合、MDLではリポジトリおよびMDLファイルの両方に存在するプライマリ・オブジェクトに対してロックを取得します。プライマリ・オブジェクトには、プロジェクト、モジュール、表、ディメンション、キューブ、マッピング、ビューおよびフラット・ファイルが含まれます(ただしこれに限られるものではありません)。列およびマッピング属性などのセカンダリ・オブジェクトはロックされません。他のユーザーがプライマリ・オブジェクトをロックしているためロックを取得できない場合、インポートに失敗します。したがって、インポートするプライマリ・オブジェクトのロックを保持できる必要があります。
ターゲット・リポジトリがOracle 10gデータベースではなく、MDLインポートが影響するリポジトリ内のオブジェクトの数が多すぎる場合、MDLは自動的にシングル・ユーザー・モードに切り替わります。これは、MDLのインポートが完了するまで他のユーザーがリポジトリにログオンできないことを意味します。シングル・ユーザー・モードでは、MDLは多数のロックの使用によるパフォーマンスの低下を回避できます。シングル・ユーザー・モードでは、MDLはリポジトリ・エンキュー・リソースを使い果す可能性が低くなります。MDLがシングル・ユーザー・モードへの切り替えを試行した際に他のユーザーがこのリポジトリにログインしている場合、MDLはシングル・ユーザー・モードに切り替えることができず、その後失敗します。
ヒント: メタデータのインポートを確実に成功させるには、リポジトリにアクセスしている唯一のクライアントである必要があります。 |
メタデータのインポートに成功した後(どのインポートもエラー・メッセージが表示されない状態。情報または警告メッセージのみが表示されたインポートを含みます)、MDLはリポジトリへの変更を保存します。また、MDLはインポートの失敗後、ロールバックを実行します。
リポジトリのメタデータをエクスポートまたはインポートするたびに、ログ・ファイルに診断情報や統計情報が書き込まれます。MDLを起動すると、ログ・ファイルのロケーションを指定できます。
ログ・ファイルを使用すると、エクスポートとインポートのアクティビティを詳細に監視したり、トラブルシューティングできます。ログ・ファイルには、次の情報が含まれます。
データファイルの名前
エクスポートまたはインポートの開始時刻と終了時刻
エクスポートまたはインポートの所要時間(hh:mi:ss形式で表した時、分、および秒またはミリ秒)
エクスポートまたはインポートされたオブジェクト・タイプ
エクスポートまたはインポートされた各オブジェクト・タイプのオブジェクト数
インポート・ログ・ファイルには、追加、置換、スキップおよび削除されたオブジェクトの合計数も表示されます。
ステータス・メッセージ
ステータス・メッセージは、インポートまたはエクスポート・プロセスに関する情報を提供します。ステータス・メッセージは次のタイプのいずれかです。
情報: メタデータ・オブジェクトが見つからない、オブジェクトがインポートされたかどうか、およびインポートまたはエクスポートされなかった理由など、インポートやエクスポートに関する情報を提供します。
警告: オブジェクトのインポートまたはエクスポートに関する警告ですが、インポートまたはエクスポートの失敗や中断は示されません。警告では、エクスポートまたはインポートすると予期しない結果が発生する可能性があることを通知します。
エラー: MDLエクスポートまたはインポートが中断され、正常に完了しなかったことを示します。エラー・メッセージでは、失敗の理由が簡単に説明されます。
メタデータ・ローダーのエクスポートまたはインポート・ユーティリティを使用すると、成功したエクスポートまたはインポート・タスクの結果を表示できます。「メタデータのエクスポート結果」ダイアログを使用すると、すべてのオブジェクトがエクスポートまたはインポートされたことを確認できます。「結果」ダイアログを表示するには、「メタデータのエクスポート進行状況」ダイアログまたは「メタデータのインポート進行状況」ダイアログで「統計の表示」をクリックします。
「結果」ダイアログには、次の情報が表示されます。
エクスポートまたはインポートされるプロジェクトの名前(該当する場合)。
エクスポートまたはインポートされた各タイプのオブジェクト数
スキップされた各オブジェクト・タイプのオブジェクト数
スキップされたオブジェクトの数の詳細は、メタデータのインポート時にのみ表示されます。
デザイン・センターを使用して、メタデータ・ローダー・ユーティリティを実行できます。デザイン・センターでは、メタデータをエクスポートおよびインポートするプロセスを示すグラフィカル・インタフェースを提供しています。
このトピックには、次の項目が含まれます。
デザイン・センターを使用して、Warehouse BuilderリポジトリからMDLファイルにオブジェクトをエクスポートできます。これには、プロジェクト・エクスプローラ、接続エクスプローラおよびグローバル・エクスプローラの一部であるオブジェクトが含まれます。表の列とその制約、データ・ロード構成パラメータおよび名前付き属性セットなど、エクスポート・オブジェクトに関連する情報もエクスポートされます。
エクスポート用に選択したオブジェクトがすべて同じエクスプローラに属する必要がある点に注意してください。たとえば、プロジェクト・エクスプローラの表およびグローバル・エクスプローラのパブリック変換は同時にエクスポートできません。2つの独立したステップでエクスポートできます。
メタデータをエクスポートする前に
メタデータをエクスポートする前に、次の要素を保持していることを確認してください。
必須アクセス権限: エクスポートを実行するユーザーはエクスポートするすべてのオブジェクトにREAD権限が必要です。また、フォルダ・オブジェクトに対してもREAD権限が必要です。プロジェクトやモジュールなどのフォルダ・オブジェクトに対するREAD権限がない場合、フォルダ・オブジェクトおよび含まれるすべてのオブジェクトはエクスポートされません。エクスポート中にメタデータ・エクスポート・ユーティリティでは、READ権限がないオブジェクトがスキップされます。メタデータ・ローダー・ログ・ファイルにセキュリティ権限が不足しているためにエクスポートされなかったオブジェクトのリストの情報がログに記録されます。
デフォルトでは、Warehouse Builderによって、すべての登録ユーザーにすべてのリポジトリ・オブジェクトのREAD権限が提供されます。ユーザー、ロール、ロール割当て、オブジェクト権限などのセキュリティ情報をエクスポートするには、「「拡張オプションのエクスポート」ダイアログ」を参照してください。
最新のメタデータをエクスポートしていることを確認するには、リポジトリにアクセスしている唯一のクライアントであることを検証します。詳細は、「複数セッションの同時実行性およびMDL」を参照してください。
十分なディスク記憶域: メタデータのエクスポート先となるマシンに十分なディスク・スペースがない場合、エクスポートに失敗します。エクスポート先のマシンには、メタデータ・ファイル全体を格納できる必要があります。エクスポート・ユーティリティではメタデータ・ファイルの一部を保存できません。
デザイン・センターを使用してリポジトリからメタデータをエクスポートする手順は、次のとおりです。
デザイン・センターから、エクスポートするオブジェクト(1つまたは複数)を選択します。複数のオブジェクトを選択するには、[Ctrl]キーを押したままオブジェクトを選択します。
表またはオブジェクトのグループなど、個々のオブジェクトをエクスポートできます。プロジェクト・ノードまたはモジュールをエクスポートする場合、これらに含まれるオブジェクトもエクスポートされます。コレクションをエクスポートする場合、これらが参照するオブジェクトもエクスポートされます。
「設計」メニューから、「エクスポート」→「Warehouse Builderメタデータ」の順に選択します。
エクスポート・ユーティリティを実行する前にリポジトリ・メタデータに変更を加えた場合、「Warehouse Builder警告」ダイアログが表示されます。変更を保存するには「保存」を、また以前に保存したバージョンに戻すには「元に戻す」をクリックします。
設計を最後に保存してからリポジトリ・メタデータに変更を加えていない場合、Warehouse Builderに「メタデータのエクスポート」ダイアログが表示されます。
「メタデータのエクスポート」ダイアログには、エクスポートするオブジェクトの名前とタイプが表示されます。次の項目も含まれます。
注釈: このフィールドを使用して、エクスポート対象オブジェクトを含むファイルに関するコメントを入力します。
ファイル名: Warehouse Builderにより、エクスポート・ファイルのデフォルトのパスとファイル名が表示されます。このデフォルトを保持するか、またはディレクトリとファイル名を指定できます。作成するエクスポート・ファイルの名前を入力するか、「参照」をクリックしてディレクトリまたはファイルを選択します。通常使用されるファイル名拡張子は.mdlです。
ログ・ファイル: このフィールドを使用して、エクスポートに関する診断および統計情報が格納されるログ・ファイルのファイル名とパスを指定します。ログ・ファイルの詳細は、「メタデータ・ローダー・ログ・ファイル」を参照してください。
オブジェクト依存性をすべてエクスポート: エクスポートされるオブジェクトの依存性をすべてエクスポートするには、このオプションを選択します。たとえば、表をエクスポートする場合は、その表が配布されるロケーションもエクスポートされます。
注意: ロケーション、パブリック変換、パブリック・エキスパート、パブリック・アイコン・セットまたはパブリック・データ・ルールなどのパブリック・オブジェクトは、PUBLIC_PROJECTというプロジェクトに属します。選択したエクスポート対象オブジェクトにパブリック・オブジェクトへの依存性がある場合は、「オブジェクト依存性をすべてエクスポート」オプションを選択すると、PUBLIC_PROJECTとそのオブジェクトをエクスポートできます。 |
拡張: 「拡張」ボタンを使用すると、ユーザー定義プロパティ、セキュリティ情報および追加言語など、追加のメタデータをエクスポートできます。拡張オプションの詳細は、「「拡張オプションのエクスポート」ダイアログ」を参照してください。
「エクスポート」をクリックし、選択したオブジェクトのメタデータをエクスポートします。「メタデータのエクスポート進行状況」ダイアログが表示されます。このダイアログの内容の詳細は、「メタデータの「進行状況」ダイアログ」を参照してください。
メタデータの「進行状況」ダイアログには、メタデータのエクスポート、インポートまたはアップグレード・アクティビティの進行状況を示す進行状況バーが表示されます。エクスポートまたはインポートが正常に終了すると、その内容を示すメッセージが進行状況バーの上に表示されます。処理中のエラーも表示されます。
メタデータのエクスポートまたはインポートに関する詳細情報を表示するには、「詳細の表示 >>」をクリックします。メッセージ・ログが表示されます。メッセージ・ログには次の情報も含まれています。
エクスポートまたはインポートの開始時間
エクスポートまたはインポートされたオブジェクトの名前とタイプ
警告またはエラー・メッセージ
エクスポートまたはインポートの終了時間
エクスポートまたはインポート・ログ・ファイルの位置
hh:mi:ssまたはミリ秒数によるエクスポートまたはインポートの合計時間
「詳細の非表示 <<」をクリックすると、メッセージ・ログを非表示にできます。
エクスポートまたはインポートされたオブジェクトに関する詳細を表示するには、「統計の表示」をクリックします。「メタデータのエクスポート結果」ダイアログが表示されます。このダイアログの詳細は、「メタデータ・ローダーの結果について」を参照してください。
エクスポートまたはインポートが完了すると、「閉じる」ボタンが有効になります。メタデータ・エクスポートまたはメタデータ・インポート・ユーティリティを終了するには、「閉じる」をクリックします。
「拡張オプションのエクスポート」ダイアログを使用して、次のいずれかをエクスポートします。
追加言語のメタデータ
ユーザー定義済の定義
セキュリティ情報
このダイアログには「言語」および「管理」という2つのセクションがあります。
「ベース言語」フィールドには、Warehouse Builderリポジトリのベース言語が表示されます。Warehouse Builderでは、データはベース言語でエクスポートされます。
ビジネス名と説明の翻訳を含むオブジェクトのエクスポートに使用する言語を追加指定できます。「使用可能な言語」リストには、Warehouse Builderリポジトリにインストールされている言語のリストが表示されます。言語を追加エクスポートするには、その言語を選択し、矢印をクリックして「使用可能な言語」リストから「選択した言語」リストに移動します。[Ctrl]または[Shift]キーを押しながら選択すると、同時に複数の言語を選択できます。
注意: 「使用可能な言語」リストに言語エントリが表示されるのは、リポジトリに追加言語がインストールされている場合のみです。 |
たとえば、Warehouse Builderリポジトリのベース言語が英語(アメリカ)で、追加言語がスペイン語とフランス語であるとします。リポジトリからメタデータをエクスポートする際に、追加言語として「フランス語」を選択できます。メタデータ・エクスポート・ユーティリティでは、オブジェクトのベース言語である英語(アメリカ)と、フランス語翻訳を含むオブジェクト用に追加した言語であるフランス語がエクスポートされます。オブジェクト用の追加言語がエクスポートされるのは、ビジネス名と説明の翻訳が含まれている場合のみであることに注意してください。
管理
管理者権限が付与されている場合、追加メタデータをエクスポートできます。追加メタデータをエクスポートする場合に選択できるオプションは、次のとおりです。
ユーザーが定義した定義のエクスポート:ユーザー定義プロパティを含むオブジェクトに対してユーザーが定義した定義をエクスポートするには、このオプションを選択します。このオプションを選択できるのは、エクスポートするオブジェクトのユーザー定義プロパティを作成している場合のみです。
セキュリティ情報のエクスポート: ユーザーのために作成されたオブジェクト権限やロール割当てなどのセキュリティ情報を含めるには、このオプションを選択します。Warehouse Builderのセキュリティの詳細は、Oracle Warehouse Builderインストレーションおよび管理ガイドを参照してください。
「拡張オプションのエクスポート」ダイアログでオプションを指定した後、「OK」をクリックし、このダイアログを閉じて「メタデータのエクスポート」ダイアログに戻ります。
デザイン・センターを使用して、メタデータをインポートできます。メタデータ・インポート・ユーティリティでは、旧バージョンのWarehouse Builderを使用して作成されたメタデータも現行バージョンに自動的にアップグレードされます。メタデータのアップグレードの詳細は、「旧バージョンからのメタデータのアップグレード」を参照してください。
メタデータをインポートする前に
メタデータをインポートする前に、次の要素を保持していることを確認してください。
必須アクセス権限: メタデータをインポートするには、インポートを実行するユーザーに次の権限が必要です。
インポートによって置換されている既存のオブジェクトでのEDIT権限
インポートによって新しいオブジェクトが作成される既存のフォルダ・オブジェクトでのCREATE権限
デフォルトでは、Warehouse Builderによってすべてのリポジトリ・オブジェクトでのFULL_CONTROL権限を登録ユーザーに割り当てられます。メタデータ・インポート・ユーティリティでは、メタデータをインポートするユーザーに必要な権限がないオブジェクトがスキップされます。セキュリティ権限のためにインポートされなかったオブジェクトのリストはメタデータ・ローダー・ログ・ファイルに記録されます。
「「拡張オプションのインポート」ダイアログ」の説明に従って、ユーザーやロールなどのセキュリティ情報をインポートできます。Warehouse Builderユーザーのメタデータをインポートするときに、対応するデータベース・ユーザーがWarehouse Builderユーザーに存在しない場合は、インポートが失敗し、メタデータ・ローダー・ログ・ファイルにエラー・メッセージが書き込まれます。
メタデータ・インポート・ユーティリティはリポジトリを変更するため、メタデータ・オブジェクトはインポート前にロックされる必要があります。詳細は、「複数セッションの同時実行性およびMDL」を参照してください。
現行リポジトリのバックアップ: 大規模または複雑なインポートを試行する前に、既存のリポジトリのバックアップを作成することを検討します(エクスポートまたはメタデータ・スナップショットのいずれかの形式)。メタデータ・スナップショットの詳細は、第32章「メタデータの変更管理」を参照してください。
複数言語サポートのベース言語の互換性: ベース言語はリポジトリで使用されるデフォルト言語であり、インストール時にリポジトリ・アシスタントを使用して設定されます。リポジトリのインストール後はこの設定を変更できません。リポジトリにおけるベース言語の設定の詳細は、Oracle Warehouse Builderインストレーションおよび管理ガイドを参照してください。
Warehouse Builderデザイン・センターを使用してエクスポート・ファイルからオブジェクトをインポートする手順は、次のとおりです。
Warehouse Builderデザイン・センターで、「設計」→「インポート」→「Warehouse Builderメタデータ」の順に選択します。
インポート・ユーティリティを実行する前にリポジトリ・メタデータに変更を加えた場合、「Warehouse Builder警告」ダイアログが表示されます。変更を保存するには「保存」を、また以前に保存したバージョンに戻すには「元に戻す」をクリックします。
設計を最後に保存してからリポジトリ・メタデータに変更を加えていない場合、Warehouse Builderに「メタデータのインポート」ダイアログが表示されます。
「メタデータのインポート」ダイアログを使用して、エクスポート・ファイルに含まれるWarehouse Builderメタデータのインポートに必要な情報を指定します。このダイアログで指定する情報は、次のとおりです。
追加言語、セキュリティ情報またはユーザー定義プロパティのメタデータをインポートする必要がある場合は、「拡張」をクリックします。拡張オプションの詳細は、「「拡張オプションのインポート」ダイアログ」を参照してください。
「サマリーの表示」をクリックすると、エクスポート・ファイルの内容のサマリーが表示されます。エクスポート・ファイルの内容の詳細は、「「ファイル・サマリー」ダイアログ」を参照してください。
「メタデータのインポート」ダイアログでオプションを指定した後、「インポート」をクリックしてMDLファイルからメタデータをインポートします。インポートの進行状況を示す「メタデータのインポート進行状況」ダイアログが表示されます。このダイアログの詳細は、「メタデータの「進行状況」ダイアログ」を参照してください。
注意: インポート用に選択したMDLファイルが古いバージョンのWarehouse Builderを使用して作成されている場合は、「サマリーの表示」、「拡張」または「インポート」をクリックすると、「メタデータのアップグレード」ダイアログが表示されます。このダイアログを使用すると、選択したMDLファイルを現行バージョンのWarehouse Builderに自動的にアップグレードできます。このダイアログの詳細は、「「メタデータのアップグレード」ダイアログ」を参照してください。 |
ファイル名 MDLファイルの名前を入力するか、「参照」をクリックしてインポートするMDLファイルを検索します。
ログ・ファイル インポートに関する診断および統計情報を格納するログ・ファイルの名前とパスを入力します。「参照」をクリックしてログ・ファイルを検索することもできます。ログ・ファイルの詳細は、「メタデータ・ローダー・ログ・ファイル」を参照してください。
オブジェクト選択 メタデータ・インポート・ユーティリティを使用すると、MDLファイルからインポートするオブジェクトを選択できます。「オブジェクトの選択」セクションには、次のオプションがあります。
すべてのオブジェクトをファイルからインポート
エクスポート・ファイルに含まれるオブジェクトをすべてインポートするには、このオプションを選択します。
選択されたオブジェクトをファイルからインポート
MDLファイルに含まれる一部のオブジェクトのみをインポートするには、このオプションを選択します。「オブジェクトの選択」をクリックし、インポートするオブジェクトを選択します。「インポート・オブジェクト選択」ダイアログが表示されます。このダイアログには、「使用可能」および「選択済」という2つのセクションがあります。「使用可能」セクションには、プロジェクト、モジュール、表、ビュー、接続など、MDLファイルで指定されているプライマリ・オブジェクトがあります。このセクション内のノードを拡張し、含まれているオブジェクトを表示します。ノードを選択すると、そのノードに含まれるオブジェクトはすべてインポートされます。たとえば、モジュール・ノードを選択すると、そのモジュールに含まれるオブジェクトがすべてインポートされます。シャトル・ボタンを使用して、選択したオブジェクトを「使用可能」セクションから「選択済」セクションに移動します。
インポートされるMDLファイルには、管理オブジェクトも含まれる場合があります。これらの管理オブジェクトをインポートするには、インポートを実行するユーザーが管理権限を持っている必要があります。インポートを実行するユーザーに必要な権限がない場合は、Warehouse Builderでは、次を実行します。
MDLファイルに管理オブジェクトが含まれている場合、これらのオブジェクトはインポート・オブジェクト選択ページ・ダイアログの「使用可能」セクションに表示されません。
管理オブジェクトのみがMDLファイルに含まれる場合、インポート・ユーティリティには、インポートを実行するために必要な管理権限がユーザーにないことを示すアラートが表示されます。
インポート・オプション 「インポート・オプション」セクションを使用してインポート・モードを選択します。次のインポート・モード・オプションから1つ選択できます。
新規メタデータのみの作成
このオプションにより、新規オブジェクトがリポジトリに追加されます。このオプションは作成モードと呼ばれます。
メタデータの更新(既存のオブジェクトを置き換え、新規メタデータを作成)
このオプションは更新モードと呼ばれます。このオプションを選択すると、リポジトリに新規オブジェクトが追加され、既存のオブジェクトは、インポートされるMDLファイル内のオブジェクトで置き換えられます。
メタデータのマージ (既存のオブジェクトをマージし、新規メタデータを作成)
このオプションを選択すると、MDLにより新規オブジェクトが追加され、リポジトリ内の既存のオブジェクトがMDLファイル内のオブジェクトと異なる場合にのみ、上書きされます。このオプションはマージ・モードと呼ばれます。マージ・モードでは、既存のオブジェクトは削除されません。
注意: マッピング、プラッガブル・マッピングおよびデータ監査のマージ・モードを使用してメタデータをインポートすることはできません。 |
既存オブジェクトのみの置換
このオプションを選択すると、リポジトリ内の既存のオブジェクトが置換されますが、新規オブジェクトは追加されません。このモードを使用すると、メタデータ・オブジェクトをインポートするときに、メタデータ・インポート・ユーティリティにより既存のメタデータがすべて上書きされます。このモードは置換モードと呼ばれます。
更新モードまたは置換モードを使用してメタデータをインポートすると、既存のオブジェクトの子オブジェクトが完全に置換され、最終的なオブジェクトはソース・オブジェクトとまったく同じになります。追加または置換されない既存のリポジトリ・オブジェクトの子はすべて削除されます。この処理は、子オブジェクトがマッピングに追加されているか、または表やビューの外部キーであるか、主キーであるか、一意キーであるかにかかわらず実行されます。
たとえば、MDLエクスポート・ファイルで、CUST表に含まれている3つの列の物理名はlast_name
、first_name
およびmiddle_init
です。リポジトリには同じ表がすでに存在し、表に含まれている4つの列の物理名はlast_name
、first_name
、status
およびlicense_ID
です。置換操作中に、列last_name
とfirst_name
が置き換えられ、列middle_init
が追加されます。列status
とlicense_ID
は削除されます。最終的に、Warehouse BuilderリポジトリのCUST表には、エクスポート・ファイルのCUST表と同じメタデータが組み込まれます。
ヒント: 置換モードと更新モードを使用すると、データ制約、メタデータ物理プロパティ設定、データ・ロード・プロパティ、マッピング属性の接続などが失われる可能性があります。置換モードまたは更新モードを使用する場合は、置換モードまたは更新モードでメタデータをインポートする前の状態にリポジトリをバックアップからリストアできることを確認してください。 |
メタデータ・インポート・ユーティリティでは、まずリポジトリに存在するメタデータ・オブジェクトが検索され、インポート元のファイルに含まれているオブジェクトと比較されます。インポート・ファイル内のメタデータと既存のリポジトリ・メタデータの比較には、一致基準が使用されます。比較方法は、インポート・モードと検索方法によって決まります。
「一致基準」セクションには、次の一致基準用オプションが用意されています。
ユニバーサルID: インポートするオブジェクトのユニバーサル・オブジェクトID(UOID)を使用してリポジトリを検索します。メタデータ・インポート・ユーティリティでは、インポート操作時にこれらのUOIDが使用され、オブジェクトの作成、置換またはマージが決まります。この方法は、ターゲット・リポジトリ内のオブジェクト名が変更されていても、様々なリポジトリ間でUOIDを維持する場合に使用します。
名前: インポートするオブジェクトの名前を使用してリポジトリを検索します。物理名は、エクスポート・ファイルにエクスポートされます。インポート時には、物理名に基づいて、そのオブジェクトの作成、置換またはマージが決まります。この方法は、ターゲット・リポジトリ内のオブジェクト名が変更されており、それらのオブジェクトに対して新規のUOIDを作成する場合に使用します。
デフォルトでは、インポート・ユーティリティではUOIDによる検索が行われます。
注意: MDLのインポートでは、既存のマッピングのマージはサポートされません。 |
「拡張オプションのインポート」ダイアログを使用して、次のいずれかをインポートします。
追加言語のメタデータ
ユーザー定義プロパティ
オブジェクト権限およびユーザーへのロール割当てなどのセキュリティ情報
「拡張オプションのインポート」ダイアログには、「言語」および「管理」セクションがあります。
「ベース言語」には、リポジトリのベース言語が表示されます。デフォルトで、Warehouse Builderでは、データはベース言語でインポートされます。
インポートに使用する言語を追加指定できます。メタデータ・インポート・ユーティリティでは、オブジェクトのビジネス名と説明の翻訳がインポートされます。「使用可能な言語」リストには、MDLファイルで指定されている言語のリストが表示されます。たとえば、MDLファイルに追加言語であるフランス語、ドイツ語およびスペイン語が含まれているとします。ただし、リポジトリには、追加言語としてスペイン語とドイツ語のみが含まれています。「使用可能な言語」リストには、「スペイン語」と「ドイツ語」のみが表示されます。インポートに使用する言語を選択し、矢印をクリックしてその言語を「選択した言語」リストに移動します。[Ctrl]または[Shift]キーを押しながら選択すると、同時に複数の言語を選択できます。追加言語によるメタデータのインポートの詳細は、「異なるベース言語のインポート」を参照してください。
管理
このオプションを使用できるのは、管理者権限が付与されており、メタデータがインポート対象のMDLファイルに存在する場合のみです。このセクションを使用すると、次のメタデータを追加インポートできます。
ユーザーが定義した定義: ユーザー定義プロパティを含むオブジェクトに対してユーザーが定義した定義をインポートするには、「ユーザーが定義した定義のインポート」オプションを選択します。
セキュリティ権限: オブジェクト権限やユーザーに対して行われたロール割当てなどのセキュリティ情報をインポートするには、「セキュリティ情報のインポート」オプションを選択します。
MDLファイルにこれらのオブジェクトが含まれている場合は、この追加メタデータをインポートできます。
MDLファイルを新規リポジトリにインポートする際に、古いリポジトリからセキュリティ情報を継承する場合は、他のオブジェクトをインポートする前にセキュリティ情報をインポートする必要があります。この操作を行うには、Warehouse Builder管理者権限を持つユーザーとしてリポジトリに接続する必要があります。
「拡張オプションのインポート」ダイアログで選択を行った後、「OK」をクリックして選択を保存し、「メタデータのインポート」ダイアログに戻ります。
名前競合
次のいずれかの場合、名前競合が発生する可能性があります。
ターゲット・リポジトリ内に同じ名前で異なるオブジェクトがすでに存在する場合。
ターゲット・リポジトリ内に同じビジネス名で異なるオブジェクトがすでに存在する場合。
リポジトリ内に同じUOIDで異なるオブジェクトがすでに存在する場合。
名前競合が発生すると、MDLではエラーが報告され、インポートが停止されます。
「ファイル・サマリー」ダイアログには、エクスポート・ファイルの内容の簡潔なサマリーが表示されます。このページの情報は、「ファイル」、「管理」および「統計」という3つのセクションにわかれています。
ファイル
「ファイル」セクションには、データファイル名、作成タイムスタンプ、エクスポート・ユーザー名、リポジトリの接続情報、エクスポートに使用されたWarehouse Builder Design Centerのバージョンおよび注釈が表示されます。
管理
「管理」セクションには、ユーザーとロールに関する情報が表示されます。また、次の詳細も含まれます。
エクスポート・ファイルのベース言語
エクスポート・ファイル内の追加言語
エクスポート・ファイルにセキュリティ情報が含まれていたかどうか
エクスポート・ファイルにユーザーが定義した定義が含まれていたかどうか
統計
「統計」セクションには、エクスポート・ファイルに含まれているオブジェクトのタイプと各タイプのオブジェクト数の詳細が表示されます。
一致条件として使用する各検索メソッドは、複数の異なる組合せでインポートと結合できます。各組合せではインポート・プロセスの結果が異なる場合があります。選択したモードによって、メタデータ・インポート・ユーティリティがインポート前にリポジトリ内のメタデータ・オブジェクトを検索する方法が決定されます。
たとえば、エクスポート・ファイル内のリポジトリ・オブジェクトの名前による検索の場合、メタデータ・インポート・ユーティリティによりリポジトリのオブジェクト名が検索されます。対応する名前のオブジェクトが見つからない場合、その結果実行されるアクションは選択したインポート・モードに基づきます。
表33-1では、オブジェクト名と一致しないリポジトリ・オブジェクトに使用できるインポート・モードでの処理について説明しています。
表33-1 インポート・モード(一致する名前がない場合)
インポート・モード | 結果 |
---|---|
作成モード |
新規オブジェクトが作成されます。 |
置換モード |
オブジェクトがリポジトリ内に存在しないために置換できないという内容の警告メッセージがログ・ファイルに書き込まれます。オブジェクトはスキップされます。 |
更新モード |
新規オブジェクトが作成されます。 |
マージ・モード |
新規オブジェクトが作成されます。 |
表33-2では、オブジェクト名と一致するリポジトリ・オブジェクトに使用できるインポート・モードでの処理について説明しています。
表33-2 インポート・モード(一致する名前がある場合)
インポート・モード | 結果 |
---|---|
作成モード |
オブジェクトがすでに存在するという内容のメッセージがログ・ファイルに書き込まれ、オブジェクトはスキップされます。 |
置換モード |
オブジェクトが置換されます。 |
更新モード |
オブジェクトが置換されます。 |
マージ・モード |
オブジェクトがマージされます。 |
MDLによりインポート・メタデータが読み取られて処理され、ステータスおよび診断情報がログ・ファイルに書き込まれます。
複数の言語のメタデータをインポートする場合、ターゲット・リポジトリ内の言語設定がエクスポート・ファイル内の言語設定と異なる場合があります。たとえば、ターゲット・リポジトリのベース言語が英語であり、追加言語がフランス語およびドイツ語だとします。しかし、エクスポート・ファイルのベース言語がフランス語であり、追加言語が英語およびドイツ語という場合があります。この項では、MDLによるこうした状況の処理方法を説明します。
MDLインポート・ファイルのベース言語がターゲット・リポジトリのベース言語と異なる場合
メタデータをインポートする場合、MDLではインポート・ファイルのベース言語のISO識別が、ターゲット・リポジトリのベース言語のISO識別と比較されます。ISO識別は、言語IDの後にロケールが続き、language_localeという書式になります。たとえば、en_USはアメリカ英語であり、fr_FRはフランス語です。
ベースISO識別言語が異なる場合、MDLには、ベース言語が異なることを通知する警告ダイアログが表示され、キャラクタ・セットおよびベース言語が同一のメタデータをインポートすることを薦める警告が表示されます。インポートを続行することもできます。インポートを続行するには「はい」をクリックします。インポートを取り消すには「いいえ」をクリックします。
警告: 特定の状況では、ベース言語が異なる場合にメタデータのインポートを続行すると、インポート中のメタデータが破損する可能性があります。 キャラクタ・セットおよびベース言語が同一のリポジトリ間でメタデータを移動することをお薦めします。 |
ベースISO識別言語が同一であっても、ロケールが異なる場合、メタデータ・インポート・ユーティリティではインポートを続行するかどうかを確認する警告ダイアログが表示されます。たとえば、エクスポート・ファイルに英語が含まれ、リポジトリのベース言語がアメリカ英語の場合があります。メタデータをインポートするには「はい」をクリックします。インポートを取り消すには「いいえ」をクリックします。
サポートされる言語のインポート
インポート時に、MDLではインポート・ファイルの追加言語がターゲット・リポジトリに存在するかどうかがチェックされます。ターゲット・リポジトリに存在しない追加言語がインポート・ファイルに含まれ、これらの追加言語をインポートするよう指定した場合、メタデータ・インポート・ユーティリティにより、追加言語がリポジトリにインストールされていないことを示す警告メッセージがMDLログ・ファイルに書き込まれます。
エクスポート済のメタデータから定義セットをインポートするとき、インポート・ユーティリティによりWarehouse Builderプロジェクト内の既存の定義が更新される場合があります。ただし、特定のメタデータ定義では、これらの定義が必ず更新されるよう注意が必要です。表示される可能性のあるエラーの例を次に示します。
マッピング定義 メタデータ・インポート・ユーティリティでは、関連付けられたオブジェクトがリポジトリに存在する場合、インポート済のマッピング演算子が物理オブジェクトにバインドされます。ただし、関連付けられた物理オブジェクトがリポジトリに存在しない場合、インポート済のマッピング演算子はアンバインドされます。メタデータ・インポート・ユーティリティにより、マッピング演算子がバインドされていないことを示す警告メッセージがログ・ファイルに書き込まれます。新規マッピング演算子を、これらが表す物理オブジェクトに同期化する必要があります。
外部キー定義 ソースMDLファイルに、ターゲット・リポジトリに含まれない一意キーまたは主キーへの外部キー参照が含まれる場合があります。MDLファイル内に表示される外部キーに対する参照一意キーまたは主キーが、ターゲット・リポジトリに存在しない場合、MDLインポート・ユーティリティにより、警告メッセージがログ・ファイルに書き込まれます。このメッセージは、リポジトリに外部キーの参照キーが含まれないことを示します。
メタデータのインポート中、メタデータ・インポート・ユーティリティにより、旧バージョンのWarehouse Builderを使用して作成されたメタデータがOracle Warehouse Builder 10gリリース2に自動的にアップグレードされます。旧バージョンのWarehouse Builderのメタデータを手動でアップグレードする必要はありません。
MDLファイルをOracle Warehouse Builder 10gリリース2にインポートする場合、Warehouse Builderによりファイルの作成に使用されるバージョンが検出されます。MDLファイルがOracle Warehouse Builder 10gリリース2より前のバージョンを使用して作成された場合、「メタデータのアップグレード」ダイアログが表示されます。このダイアログでは、MDLファイルを現行バージョンにアップグレードできます。このダイアログの内容の詳細は、「「メタデータのアップグレード」ダイアログ」を参照してください。
DB2またはInformixなどのゲートウェイ・モジュールのメタデータが含まれる.mdlファイルを、旧バージョンのWarehouse Builderからインポートする場合、ファイルのメタデータがプロジェクト内の対応するソース・モジュール・フォルダにインポートされない可能性があります。インポート・ファイルはプロジェクト・エクスプローラで「その他」ノードの下に格納されています。ゲートウェイ・モジュールのメタデータを正しいソース・モジュール・フォルダに手動でコピーする必要があります。
メタデータがOracle Warehouse Builder 10gリリース2に自動的にアップグレードされる際の、アップグレード元となるWarehouse Builderの製品バージョンは、次のとおりです。
Oracle Warehouse Builder 2.0.4および2.0.5
Oracle Warehouse Builder 2.1.1
Oracle Warehouse Builder 3.0および3.1
Oracle Warehouse Builder 9.0.2、9.0.3および9.0.4
Oracle Warehouse Builder 9.2
Oracle Warehouse Builder 10gリリース1
Oracle Warehouse Builder 10gリリース2
このダイアログは、インポートするMDLファイルがOracle Warehouse Builder 10gリリース2より前のバージョンを使用して作成されたことをWarehouse Builderが検出した場合に自動的に表示されます。アップグレードするMDLファイルが格納されたファイルの名前を指定するには、「ファイル名」フィールドを使用します。また、「参照」をクリックして、ディレクトリまたはMDLファイルを特定できます。
MDLファイルを現行バージョンのWarehouse Builderにアップグレードするには、「アップグレード」をクリックします。アップグレードが完了すると、「メタデータのアップグレード」ダイアログが閉じられます。MDLファイルをアップグレードしない場合は、「取消」をクリックします。
旧バージョンのWarehouse Builderから現行バージョンのWarehouse Builderにアップグレードする場合、アップグレード・ユーティリティによりリポジトリ内のオブジェクトに対して次の変更が加えられます。
My Project: Warehouse Builderで事前パッケージされたサンプル・プロジェクトは、物理名要件に準拠するようMy ProjectからMY_PROJECT
に名前が変更されます。
外部プロセス: 外部プロセスは、プロセス・フローの外部プロセス・アクティビティにアップグレードされます。旧リリースでマッピングに外部プロセスを定義した場合、MDLアップグレード・ユーティリティにより、プロセス・フローの外部プロセスとしてオブジェクトが再定義されます。
ビジネスエリア: ビジネスエリアはコレクションにアップグレードされます。旧リリースでビジネスエリアを定義した場合、MDLファイル・アップグレード・ユーティリティにより、ビジネスエリア名の前にモジュール名が付けられ、コレクションとして再定義されます。たとえば、モジュールREGION1
内のビジネスエリアORDERS
は、コレクションREGION1_ORDERS
にアップグレードされます。
外部プロセス・マッピング: 外部プロセス・マッピングはプロセス・フローに移行されます。
ディメンションおよびキューブのマッピング演算子: ディメンションおよびキューブのマッピング演算子は、表演算子に変換されます。これらの表演算子では、ディメンションおよびキューブに対してMDLアップグレード・ユーティリティで作成された物理表が使用されます。
ディメンション: ディメンションと同じ名前の関連付けられたディメンション表が作成されます。この表には、旧リリースでディメンションのディメンション・エディタ表プロパティで定義された列、制約および属性セットが含まれます。
ディメンション階層のマッピング表示セット: ディメンション階層の名前付き属性セットに基づいて最初に作成されたマッピング・セットは削除されます。これは、Warehouse Builderがディメンション階層の表示セットを自動的に作成および保守しなくなるためです。
ディメンション属性: アップグレードされる各レベル属性について、同じ名前のディメンション属性が作成されます(ディメンション内に存在しない場合)。
キューブ: キューブと同じ名前の関連付けられたキューブ表が作成されます。キューブ表には、旧リリースでキューブのキューブ・エディタ表プロパティで定義された列、制約および属性セットが含まれます。
キューブ・ディメンション参照: キューブ内の外部キーがディメンションの最下位レベルにある一意キーを参照しない場合、ディメンション参照はインポートされません。インポート・ログ・ファイルに警告が書き込まれます。
インテリジェンス・オブジェクトおよびレポート: 旧リリースでは、インテリジェンス・オブジェクトおよびレポートはOMBPlusスクリプトを使用した場合のみ使用可能でした。これらのオブジェクトはアップグレードされません。
ロケーションおよびランタイム・リポジトリ接続: ロケーションおよびランタイム・リポジトリ接続は、これらを所有するプロジェクトの外に移動し、リポジトリ全体で共有できるようになります。したがって、インポート・ログ・ファイル内の統計にこれらのオブジェクトの追加プロジェクトが表示されます。
コントロール・センターおよびロケーション: アップグレード後、ロケーションとロケーションが参照するコントロール・センターの間には関連はなくなります。コントロール・センターの編集ダイアログを使用してコントロール・センターの詳細を確認し、このコントロール・センターに関連付けられたロケーションを選択する必要があります。
アドバンスト・キュー: プロパティAQキュー表名に基づいて関連するキュー表が作成されます。MDLファイル・アップグレード・ユーティリティにより作成されたキュー表には、データ型がそのアドバンスト・キューのオブジェクト・タイプである列が含まれます。
マッピングのアドバンスト・キュー演算子: マッピングのアドバンスト・キュー演算子は、PAYLOADという1つの属性のみが含まれるよう変更されます。ソースとして使用されるマッピングのアドバンスト・キュー演算子については、新規拡張演算子がマッピングのアドバンスト・キュー演算子の後に追加されます。ターゲットとして使用されるマッピングのアドバンスト・キュー演算子については、新規構成演算子がマッピングのアドバンスト・キュー演算子の前に追加されます。
マッピング演算子名: MDLアップグレード・ユーティリティにより、すべてのマッピング演算子の物理名およびビジネス名が一意であることが確認されます。
MIVオブジェクト: MIVオブジェクトはアップグレードされません。
旧リリースのスタンドアロン変換が独立したファンクション・カテゴリではなくなり、Warehouseモジュールの一部となったため、次の警告が表示される場合があります。
変換名が「以前の名前」から「新しい名前」に変更されました。
変換ビジネス名が「以前の名前」から「新しい名前」に変更されました。
Oracle Warehouse Builder 2.1.1からのアップグレード Oracle Warehouse Builder 2.1.1からアップグレードする場合、次の点に注意してください。
変数およびパラメータを含むSQL*Loaderマッピングは、データ・ジェネレータ・ステージ・コンポーネントのグループ属性に変換されます。
説明内の制御文字は空白に置換されます。
Warehouse Builder 2.1の自由書式の構成名(索引など)は、データベース・ネーミング規格に準拠するよう変更されます。
Warehouse Builder 2.1.1ファイルおよびデータ・ウェアハウス・オブジェクトはすべて大文字になります。Oracleモジュールは、名前が大文字のモジュールを除いて、すべて変更ありません。
索引列は実際のエンティティを参照する必要があり、そうでない場合はアップグレードによりこの要件を満たさない列のリストが生成されます。アップグレードの前にこのエラーを修正しない場合、アップグレードしたファイルはWarehouse Builderへのインポートに失敗します。
DDLマッピングはWarehouse Builderでサポートされていないため、アップグレードされません。
部分的にエクスポートされたマッピングでは、アップグレードの制限があります。たとえば、マッピングがファクト1およびファクト2でソースとして使用されている場合、アップグレードの順序は次のようになります。
ファクト1
ファクト2
マッピング
Warehouse Builderが提供するOMB Plusというスクリプト言語では、オブジェクト・メタデータの作成、変更、削除およびリポジトリからの取出しが可能です。OMB Plusおよびそのコマンドの使用方法は、Oracle Warehouse Builder APIおよびスクリプト・リファレンスを参照してください。
OMB Plusコマンドを使用してリポジトリ・メタデータをインポートおよびエクスポートできます。制御ファイルおよびそのパラメータは、以前使用可能であったコマンドライン・インタフェースを使用してメタデータをエクスポートまたはインポートした際に使用したものと同じです。
MDLコマンドライン・インタフェースは、Oracle Warehouse Builder 10gリリース2(10.2.0.2)ではサポートされなくなりましたので注意してください。