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Oracle Database 2日でデータベース管理者
10g リリース2(10.2)

B19197-03
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2 Oracleのインストールおよびデータベースの作成

この章では、Oracle Universal Installer(OUI)を使用して、Oracleソフトウェアおよび初期データベースをインストールする方法について説明します。また、古いデータベースから現行のリリースへのアップグレードについても説明します。

この章の内容は次のとおりです。

インストールの概要

Oracleソフトウェアをインストールするには、Oracle Universal Installer(OUI)を使用します。Oracle Universal Installerは、マシンにすでにインストールされているOracleソフトウェアの表示、新しいOracleソフトウェアのインストールおよび使用しないOracleソフトウェアの削除を実行できるGraphical User Interface(GUI)ツールです。インストール手順の参照には、オンライン・ヘルプを使用できます。

前提条件の確認

ソフトウェアをインストールする前に、インストーラは、多数の確認を自動で実行し、マシンがOracleデータベースをインストールするための基本的なハードウェアおよびソフトウェア要件を満たしていることを確認します。マシンが要件を満たしていない場合は、エラー・メッセージが表示されます。要件は、実行しているコンピュータおよびオペレーティング・システムのタイプによって異なりますが、前提条件には次のようなものがあります。

インストーラは、Oracleデータベース・サーバーの操作に必要なオペレーティング・システムの環境変数を自動的に設定します。

参照:

要件の詳細は、ご使用のプラットフォーム用の『Oracle Databaseインストレーション・ガイド』を参照してください。 

インストール時の選択

Oracle Universal Installerからの質問のフェーズで、インストールおよびデータベース作成のための選択を行います。ご使用のオペレーティング・システムによって、手順が異なります。

インストール・オプションには、基本インストールおよび拡張インストールがあります。基本インストールを実行する場合は、標準項目のみを選択する必要があります。その他のすべての場合は、標準項目および拡張項目の両方を選択する必要があります。

基本インストール

基本インストールおよび拡張インストールの実行時にOracleデータベースをインストールする場合は、次の項目を選択する必要があります。

拡張インストール

拡張インストール時、標準オプションに加えて、この項に示す項目を選択するように求められます。インストール・プロセスでは、すべての選択項目に対してデフォルトの値が提供されます。

拡張インストールの選択項目については、この項で説明します。ただし、拡張インストールの手順は、この章では説明していません。詳細は、ご使用のプラットフォーム用の『Oracle Databaseインストレーション・ガイド』を参照してください。

拡張インストールの実行時には、次のオプションが提供されます。

プロンプトへの応答を終えると、選択したオプション、それらのオプションに基づく領域要件およびインストールされるコンポーネントがサマリー・ウィンドウに表示されます。データベースのインストールを選択した場合は、この手順はソフトウェアのインストールの完了直後に実行されます。

Oracleソフトウェアおよびデータベースのインストール

この項では、基本インストール手順について説明します。ほぼすべての手順がすべてのプラットフォームに共通です。これらの手順はOracle Universal Installerを実行して行う必要があります。プラットフォーム固有の手順は、マニュアルに記載されています。

次の手順では、インストール・プロセスの概要を示します。詳細は、オンライン・ヘルプまたはご使用のプラットフォーム用の『Oracle Databaseインストレーション・ガイド』を参照してください。

  1. Oracleソフトウェアのインストールおよびデータベースの作成と実行を許可されている管理グループのメンバーとして、コンピュータにログオンします。新しいソフトウェアをインストールするために必要な権限があるかどうかを判断するには、使用するオペレーティング・システム固有のドキュメントを参照するか、システム管理者に問い合せてください。

  2. データベース用の配布メディアをご使用のコンピュータに挿入します。Autorunウィンドウが自動的に開きます。「製品のインストール/削除」をクリックします。

    OracleのWebサイトからダウンロードする場合は、Webサイトでの手順に従います。

  3. Oracle Universal Installerの「インストール方法の選択」ウィンドウが表示されます。図2-1に、Windowsでこのウィンドウがどのように表示されるかを示します。

    図2-1    Oracle Universal Installerの「インストール方法の選択」ウィンドウ


    画像の説明

  4. ここで、実行するインストール・タイプを決定する必要があります。

    • 基本インストール: Oracle Database 10g を簡単にインストールする場合はこのオプションを選択します。この方法では、ユーザーによる入力が最小限で済みます。ソフトウェアをインストールし、オプションで、指定した情報に基づいて汎用データベースを作成します。

      基本インストールでは、次の項目を指定します。

      • Oracleホームの場所: Oracle Database 10g ソフトウェアのインストール先のディレクトリを指定します。Oracle Database 10g を新しくインストールするたびに、新しくOracleホーム・ディレクトリを指定する必要があります。

      • インストール・タイプ: 「Enterprise Edition」、「Standard Edition」または「Personal Edition」(Windowsのみ)のいずれかを選択します。「基本インストール」を参照してください。

      • UNIX DBAグループ(LinuxおよびUNIXのみ): ご使用のオペレーティング・システムのDBAグループを指定します。

      • 初期データベースの作成: インストール時にデータベースを作成するには、このボックスを選択します。初回のインストールでは、初期データベースを作成することをお薦めします。SYSSYSTEMSYSMANおよびDBSNMP管理者アカウントのグローバル・データベース名およびデータベース・パスワードを入力する必要があります。グローバル・データベース名については、「基本インストール」を参照してください。

      基本インストールを開始するには、「次へ」をクリックします。「インストールの準備中」プログレス・バーが表示されます。

    • 拡張インストール: インストールをカスタマイズする場合にこのオプションを選択します。たとえば、この方法を使用してOracle Real Application Clustersのインストール、自動ストレージ管理の構成または自動バックアップの構成を行います。このオプションを選択すると、ここでは説明されていないインストール手順に進みます。拡張項目の詳細は、この章の「拡張インストール」を参照してください。また、ご使用のプラットフォーム用の『Oracle Databaseインストレーション・ガイド』も参照してください。

  5. 「製品固有の前提条件のチェック」ウィンドウが表示されます。「前提条件の確認」を参照してください。インストーラによって環境に関する多数の確認が行われ、「成功」、「警告」または「失敗」が示されます。確認内容の詳細が表示されます。インストールは、確認ステータスが「成功しました」または「警告」の場合にのみ先に進むことができます。確認が失敗した場合は、問題を手動で解決する必要があります。

    ご使用のシステムが、選択した製品をインストールおよび構成するための最小要件を満たしていることを確認した後、「次へ」をクリックします。

  6. LinuxおよびUNIXのみ:マシンにはじめてOracleソフトウェアをインストールするときに、次の画面が表示されます。

    「インベントリ・ディレクトリの指定」ウィンドウが表示されます。ファイルのインストール先ディレクトリと、そのディレクトリへの書込み権限を持つオペレーティング・システム・グループの名前を指定する必要があります。OUIは、ここで指定された位置に、すべてのOracleソフトウェアの追跡情報を保存します。この情報は、パッチを適用する際や既存のインストールをアップグレードする際、またOracleソフトウェアを削除する際に使用されます。この領域は、後で指定するOracleホームとは別のものであることに注意してください。

    次へ」をクリックして続行します。

  7. グローバル設定、領域要件、インストールする新しい製品などの情報を示す「サマリー」画面が表示されます。「インストール」をクリックして、インストールを開始します。インストールの進捗を示す「インストール」ウィンドウが表示されます。

  8. インストール・フェーズの終了時に、「コンフィギュレーション・アシスタント」ウィンドウが表示されます。このウィンドウには、自動的に起動されるコンフィギュレーション・アシスタントが表示されます。データベースを作成する場合は、データベース・コンフィギュレーション・アシスタントが別のウィンドウで自動的に起動されます。

    データベース作成の終了時に、ユーザー・アカウントを使用可能にするためにユーザー・アカウントのロック解除を求めるプロンプトが表示されます。SYSおよびSYSTEMアカウントのロックは、すでに解除されています。「OK」をクリックして、パスワード管理を省略します。

  9. LinuxおよびUNIXのみ:「構成スクリプトの実行」ウィンドウが表示されます。新規に端末ウィンドウを開き、rootユーザーとしてスクリプトを実行するように求められます。スクリプトを実行した後、このウィンドウに戻り、「OK」をクリックします。

  10. これでインストールおよびデータベース作成は完了です。「インストールの終了」ウィンドウにいくつかの重要なURLが表示されます。そのうちの1つはEnterprise Manager用のURLです。ブラウザでこのURLに移動し、SYSユーザーとして対応するパスワードを使用してログインし、SYSDBAとして接続できますEnterprise Managerを使用して、通常のデータベース管理タスクを実行します。詳細は、第3章「Oracle Enterprise Managerの概要」を参照してください。

  11. 「インストールの終了」画面の情報を確認した後、インストーラを終了できます。

DBCAを使用したデータベースの作成および構成

インストール中に、インストーラで新しいデータベースを作成および構成するすることができます。すでにデータベースを作成および構成している場合は、次の章に進むことができます。

ただし、Oracleソフトウェアのみをインストールする場合、またはインストールしたリリースのソフトウェアを使用して追加のデータベースを作成する場合は、データベース・コンフィギュレーション・アシスタント(DBCA)を使用することができます。

DBCAを使用すると、次のタスクを実行できます。

ヘルプ」をクリックすると、オンライン・ヘルプが表示されます。構成オプションを選択するための情報を確認できます。

DBCAの起動

DBCAを起動するには、次の手順を実行します。

  1. Oracleソフトウェアのインストールおよびデータベースの作成と実行を許可されている管理グループのメンバーとして、コンピュータにログオンします。

  2. Windowsオペレーティング・システム上でDBCAを起動するには、「スタート」をクリックし、「プログラム」→「Oracle - home_name」→「Configuration and Migration Tools」→「Database Configuration Assistant」を選択します。

    UNIX上でDBCAを起動する場合、またはWindowsオペレーティング・システム上で別の方法で起動するには、システム・プロンプトで次のコマンドを入力します。

    dbca
    
    

    通常、dbcaユーティリティは、ORACLE_HOME/binにあります。

    「ようこそ」ウィンドウが表示されます。

  3. 次へ」をクリックして続行します。DBCAの「操作」ウィンドウが表示されます。

DBCAを使用したデータベースの作成

DBCAの「操作」ウィンドウで、「データベースの作成」を選択すると、データベースを作成および構成するためのウィザードが起動されます。ウィザードの次のウィンドウでは、ユーザーの入力が必要です。

ウィザードのほとんどのウィンドウではデフォルトの設定が提供されます。すべてのデフォルト・パラメータを使用する場合は、各手順で「終了」をクリックします。最終確認のウィンドウが表示されます。「OK」をクリックして、データベースの作成を開始します。

データベース・テンプレート

このウィンドウでは、作成するデータベースのタイプを選択できます。デフォルトでは、事前構成済テンプレートが提供されています。「データ・ウェアハウス」、「汎用」および「トランザクション処理」データベース用のテンプレートがあります。

これらのテンプレートには、ワークロードに応じて最適化された設定が含まれています。各タイプのデータベースの構成を表示するには、「詳細の表示」をクリックします。データベースがサポートするワークロードのタイプに適したテンプレートを選択してください。選択するテンプレートが不明な場合は、デフォルトの「汎用」テンプレートを選択します。

より複雑な環境では、「カスタム・データベース」オプションを選択できます。このオプションを選択すると、データベース作成スクリプトを実行する必要があるため、より広範囲の質問が行われ、データベースの作成に時間がかかります。

データベース・テンプレートの使用方法の詳細は、「DBCAを使用したテンプレートの管理」を参照してください。

データベース識別情報

グローバル・データベース名」ボックスに、database_name.domain_nameという形式でデータベース名を入力します。

SID」ボックスに、Oracleシステム識別子を入力します。SIDは、デフォルトでデータベース名になり、データベースを実行するインスタンスを一意に識別します。

管理オプション

このウィンドウを使用してデータベースを設定し、Oracle Enterprise Managerで管理できるようにします。Oracle Enterprise Managerでは、個々のデータベース用のWebベースの管理ツールと、Oracle環境全体を管理する集中管理ツールが提供されます。

Enterprise Managerを使用する場合は、「Enterprise Managerを使用してデータベースを構成」を選択します。次のいずれかのオプションを選択します。

データベース資格証明

このウィンドウでは、SYSSYSTEMなどの、管理者アカウントのパスワードを指定します。次のいずれかのオプションを選択します。

記憶域オプション

データベースで使用する記憶域メカニズムのタイプを指定します。詳細は、「インストール時の選択」を参照してください。

データベース・ファイルの位置

このウィンドウでは、OracleホームおよびOracleソフトウェアのインストール先になるディレクトリ・パスを指定します。次のいずれかを選択します。

リカバリ構成

新しいデータベースを作成するときは、システムに障害が発生した場合にデータをリカバリできるように設定することが重要です。次のオプションを選択できます。

データベース・コンテンツ

データベースを作成する際に、データとともにロードできます。

サンプル・スキーマ

サンプル・スキーマ」を選択すると、サンプル・スキーマ(EXAMPLE)表領域がデータベースに含まれます。サンプル・スキーマは、例に対して共通のプラットフォームを提供します。Oracleのマニュアルおよび教材には、サンプル・スキーマに基づく例が含まれています。データベースにサンプル・スキーマを含めることをお薦めします。

カスタム・スクリプト

カスタム・スクリプト」タブでは、データベースの作成後に実行する1つ以上のSQLスクリプトを指定できます。スクリプトは、カスタム・スキーマのロードなど、インストール後のタスクを実行する場合に便利です。スクリプトを指定するには、「次のスクリプトを実行」を選択します。指定しない場合は、デフォルトの「実行するスクリプトはありません」を受け入れます。インストール後に実行するスクリプトを選択する場合、そのスクリプトには、データベースを指定するための接続文字列が含まれている必要があります。詳細を確認するには、「ヘルプ」をクリックしてください。

初期化パラメータ

このウィンドウのリンクを使用すると、デフォルトの初期化パラメータの設定を変更できるウィンドウにアクセスできます。これらのパラメータは、次のカテゴリに分類されます。

メモリー

このウィンドウでは、データベースのメモリー使用率の管理方法を制御する初期化パラメータを設定します。メモリー管理には、次の方法のいずれかを選択できます。

標準: この方法では、設定事項がわずかでよく、システムの物理メモリーの合計に対する割合としてメモリーを割り当てます。「標準」を選択してパーセント値を入力します。「メモリー分散を表示」をクリックすると、DBCAがシステム・グローバル領域(SGA)およびプログラム・グローバル領域(PGA)に割り当てるメモリー・サイズを確認できます。PGAおよびSGAの詳細は、第5章「Oracleインスタンスの管理」「メモリー・パラメータの管理」を参照してください。

カスタム: この方法では、設定事項は多くなりますが、データベースによるシステム・メモリーの使用率をより詳細に制御できます。これは、熟練したデータベース管理者のためのオプションです。SGAおよびPGAと、そのサブ構造(共有プール、バッファ・キャッシュなど)のメモリー・サイズを直接指定できます。

次のいずれかのオプションを選択します。

サイズ指定

このタブでは、最小のブロック・サイズと、データベースに同時に接続できる、オペレーティング・システムのユーザー・プロセスの最大数を指定します。

ブロック・サイズ」リストで、バイト単位でサイズを入力するか、またはデフォルトの値を使用します。Oracleデータベースのデータは、これらのブロックに格納されます。1データ・ブロックは、指定したバイト数のディスク上の物理領域に相当します。事前構成済テンプレートを使用している間は、このフィールドには入力できません。これは、データベースがデフォルトのブロック・サイズである8KBで作成されるためです。しかし、カスタム・オプションを使用している間は、ブロック・サイズを変更できます。デフォルトの8KB以外のブロック・サイズを選択するには高度な知識が必要なので、どうしても必要な場合にのみ実行してください。

プロセス数」フィールドで、データベースに同時に接続するプロセスの最大数を指定します。数を入力するか、またはデフォルトの150を受け入れます。このパラメータのデフォルト値は、多くの環境に適した値です。6以上の値を指定する必要があります。これは、ロック、パラレル実行プロセスなどの、すべてのバックグラウンド・プロセスを実行するために必要な数です。

キャラクタ・セット

このウィンドウでは、データベースで使用するキャラクタ・セットを定義します。キャラクタ・セットとは、コンピュータの画面に文字を表示するために使用するコード体系です。キャラクタ・セットを選択することで、データベースで取り扱うことのできる言語が決まります。

データベース・キャラクタ・セット」では、次のオプションのいずれかを選択します。

各国語キャラクタ・セット」リストで、キャラクタ・セットを選択するか、デフォルトの設定を使用します。各国語キャラクタ・セットは代替キャラクタ・セットで、これを使用すると、Unicodeデータベース・キャラクタ・セットを持たないデータベースにUnicode文字を格納できます。各国語キャラクタを選択すると、各国語キャラクタ・セットでのプログラミングが容易になります。

デフォルト言語」リストで、デフォルトのデータベース言語を選択するか、デフォルトの設定を使用します。デフォルトの言語は、日および月の省略形、文字データのデフォルトのソート順序、記述の方向(左または右)などの、ロケールに依存する情報をデータベースがサポートする方法を決定します。

デフォルトの日付書式」リストで、日付書式を選択するか、デフォルトの設定を使用します。デフォルトの日付書式は、時刻、日、月および年を表示するための表記規則を決定します。たとえば、イギリスの日付書式はDD-MM-YYYYです。

接続モード

このウィンドウでは、データベースのモードを選択します。次のモードのいずれかでデータベースを実行できます。

データベース記憶域

ナビゲーション・ツリーに、データベースの記憶域構造(制御ファイル、データファイル、REDOログ・グループなど)が表示されます。記憶域構造またはパラメータに問題がある場合は変更できます。「作成」で新しいオブジェクトを作成し、「削除」で既存のオブジェクトを削除できます。

データベースに事前構成済テンプレートのいずれかを選択した場合は、制御ファイル、データファイル、UNDOセグメントの追加または削除はできません。

データベースの作成オプション

データベースの作成に関する次のオプションのいずれかを選択します。

DBCAを使用したデータベース・オプションの構成

「操作」ウィンドウで、「データベース・オプションの構成」を選択すると、データベース構成の様々な項目を変更できます。たとえば、データベースを専用サーバーから共有サーバーに変更できます。データベースで使用できるように構成されていないデータベース・オプション(Oracle Label Security、Oracle OLAPなど)を追加できます。

DBCAを使用したデータベースの削除

「操作」ウィンドウで、「データベースの削除」を選択すると、システムからデータベースを削除できます。このオプションを選択すると、DBCAはこのデータベースに関連するすべてのファイルを削除します。Windowsでは、関連するサービスもすべて削除されます。

DBCAを使用したテンプレートの管理

DBCAテンプレートは、データベースの作成に必要な情報が含まれているXMLファイルです。DBCAでテンプレートを使用することで、新しいデータベースを作成して、既存のデータベースをクローニングすることができます。テンプレートの情報には、データベース・オプション、初期化パラメータ、記憶域属性(データファイル、表領域、制御ファイルおよびオンラインREDOログの属性)などがあります。

テンプレートは、スクリプトと同様に使用できますが、データベースのクローニングもできるため、スクリプトより強力です。クローニングは、シード・データベースのファイルを適切な場所にコピーすることで、時間を節約します。

テンプレートは、次のディレクトリに格納されています。

ORACLE_HOME/assistants/dbca/templates

テンプレートを使用することの利点

テンプレートの使用には、次の利点があります。

テンプレートのタイプ

テンプレートは、次のタイプに分類されます。

表2-1に、それぞれの特性を示します。

表2-1    DBCAテンプレートのタイプ 
タイプ  ファイル拡張子  データファイルの有無  データベース構造 

シード 

.dbc 

あり 

このタイプのテンプレートには、既存の(シード)データベースの構造および物理データファイルの両方が含まれています。データベースは、シード・データベースのコピーとして起動し、次の変更のみを必要とします。

  • データベースの名前

  • データファイルの格納先

  • 制御ファイルの数

  • REDOログ・グループの数

  • 初期化パラメータ

これ以外の設定は、データベースの作成後にカスタム・スクリプトを使用して変更できます。スクリプトは、DBCA、コマンドラインのSQL文、またはOracle Enterprise Managerによって起動できます。

シード・データベースのデータファイルおよびオンラインREDOログは、圧縮形式で、.dfjの拡張子が付いたファイルに格納されています。対応する.dfjファイルの位置は、.dbc ファイルに格納されています。 

非シード 

.dbt 

なし 

このタイプのテンプレートは、新しいデータベースを最初から作成する場合に使用します。これには、作成するデータベースの特性が設定されています。非シード・テンプレートは、シード・テンプレートより柔軟です。すべてのデータファイルおよびオンラインREDOログを指定に従って作成でき、名前、サイズ、その他の属性を必要に応じて変更できるためです。 

提供されるDBCAテンプレート

表2-2に示す環境に対応するテンプレートが用意されています。

表2-2    DBCAテンプレートの環境 
環境  環境の説明 

データ・ウェアハウス 

ユーザーが非常に多数の複雑な問合せを実行して、大容量のデータを処理します。応答時間、精度および可用性が重視されます。

数レコードのフェッチから、多数の異なる表の何千ものレコードをソートする問合せまで、様々な問合せ(SELECT文)が実行されます。 

トランザクション処理 

多くのユーザーが非常に多数のトランザクションを同時に実行するため、データに迅速にアクセスすることが要求されます。可用性、速度、同時実行性、リカバリ能力が重視されます。

トランザクションは、データベース表内のデータの読取り(SELECT文)、書込み(INSERTおよびUPDATE文)、削除(DELETE文)で構成されます。 

汎用 

このテンプレートは、一般的な使用を対象としたデータベースを作成します。これは、DSSおよびOLTPデータベース・テンプレートの機能を組み合せたものです。 

カスタム・データベース 

このテンプレートを使用すると、最も柔軟にデータベースを定義できます。 

DBCAを使用したテンプレートの作成

「テンプレート管理」ウィンドウでは、テンプレートの作成または削除のオプションを指定できます。DBCAは、テンプレートをXMLファイルとして保存します。

データベース・テンプレートを作成するには、次のオプションのいずれかを選択します。

既存のデータベースからテンプレートを作成するときに、ファイル・パスをOptimal Flexible Architecture(OFA)に変換するか、または既存のファイル・パスを維持することを選択できます。データベースを作成するマシンのディレクトリ構造が異なる場合は、OFAを使用することをお薦めします。ターゲット・マシンのディレクトリ構造が同じである場合には、標準のファイル・パスを使用できます。

DBCAテンプレートの削除

「テンプレート管理」ウィンドウでは、既存のテンプレートを表示および削除できます。テンプレートを削除すると、それを使用して新しいデータベースまたは新しいテンプレートを作成することはできなくなります。テンプレートを選択して「削除」をクリックし、現行のテンプレートのリストから削除します。

DBCAを使用した自動ストレージ管理の構成

「操作」ウィンドウで、「自動ストレージ管理の構成」を選択し、自動ストレージ管理(ASM)を構成します。ASMの概要については、「拡張インストール」を参照してください。詳細は、付録A「自動ストレージ管理」および『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。

データベースのアップグレード

既存のデータベースを現行のリリースのOracleデータベースにアップグレードするには、データベース・アップグレード・アシスタント(DBUA)を使用します。

データベース・アップグレード・アシスタントの概要

データベース・アップグレード・アシスタント(DBUA)では、示される手順に従ってアップグレード・プロセスを行い、新しいリリースのデータベースを構成できます。DBUAでは、アップグレード・プロセスが自動化されます。また、表領域、REDOログなどの構成オプションの適切な推奨値が提供されます。

DBUAでは、Real Application Clusters(RAC)および自動ストレージ管理(ASM)がサポートされています。

アップグレード前の確認

データベース・アップグレード・アシスタントは、次のアップグレード前のすべての手順が完了するまで、アップグレードを開始しません。

自動化されたアップグレード・タスク

アップグレード前の手順を完了すると、データベース・アップグレード・アシスタントは、次のタスクを自動的に実行します。

アップグレードの実行中、DBUAによって、各コンポーネントのアップグレード処理の進行状態が表示されます。DBUAは、詳細なトレースおよびログ・ファイルを書込み、アップグレード処理後に参照するための完全なHTMLレポートを作成します。セキュリティを強化するために、DBUAは、アップグレード後のデータベースで、新規ユーザー・アカウントを自動的にロックします。その後で、DBUAは、新しいOracleホームの新規構成ファイル(初期化パラメータ・ファイルおよびリスナー・ファイル)の作成へと進みます。

Real Application Clustersのサポート

データベース・アップグレード・アシスタントは、Real Application Clusters(RAC)環境に完全に対応しています。RAC環境では、DBUAは、クラスタ内のすべてのノードにあるすべてのデータベースおよび構成ファイルをアップグレードします。


注意:

Windowsオペレーティング・システムでは、DBUAを使用して、Oracle Parallel Serverリリース8.1.7データベースをOracle Database 10g with RACに直接アップグレードすることはできません。最初に、Oracle Parallel ServerデータベースをOracle Real Application Clusters Oracle9i リリース2(9.2)に手動でアップグレードし、その後、DBUAを使用して、Oracle Database 10g with Real Application Clusters(RAC)にアップグレードする必要があります。 


自動ストレージ管理のサポート

DBUAは、自動ストレージ管理(ASM)を使用するデータベースのアップグレードをサポートしています。ASMインスタンスが検出される場合、データベースとASMの両方をアップグレードするか、ASMインスタンスのみをアップグレードするか選択できます。

サイレント・モードのサポート

データベース・アップグレード・アシスタントは、サイレント・モードでの操作をサポートします。このモードでは、ユーザーに対しユーザー・インタフェースは表示されません。サイレント・モードでは、アップグレードを単一の文で実行できます。

Oracleデータベースのバージョンの制限

データベース・アップグレード・アシスタントは、次に示すバージョンのOracleデータベースから、Oracle Database 10g へのアップグレードをサポートします。

使用しているデータベースがこのリストに記載されていない場合は、まず、リスト上の最も近いリリースにアップグレードする必要があります。その上で、データベースを現行のリリースにアップグレードします。

データベース・アップグレード・アシスタントの起動

Oracleデータベース・ソフトウェアのみをインストールし、既存のデータベースを新しいリリースのOracleにアップグレードするように指定すると、ソフトウェアのインストール終了時にデータベース・アップグレード・アシスタント(DBUA)が自動的に起動します。その後、「データベース・アップグレード・アシスタントを使用したデータベースのアップグレード」で説明する手順を続行できます。

ソフトウェアのインストールのみを実行し、その時点でデータベースをアップグレードしない場合でも、後でDBUAを起動してアップグレードを実行できます。

DBUAの使用を開始する前に、次のことに注意してください。

Windowsオペレーティング・システム上でDBUAを起動するには、次のメニュー・オプションを選択します。

「スタート」→「プログラム」→「Oracle - HOME_NAME」→「Configuration and Migration Tools」→「Database Upgrade Assistant」

UNIXまたはLinuxオペレーティング・システム上でDBUAを起動するには、コマンド・プロンプトで次のとおり入力します。

dbua

このコマンドは、通常、$ORACLE_HOME/binディレクトリにあります。

参照:

データベース・アップグレード・アシスタントの詳細は、『Oracle Databaseアップグレード・ガイド』を参照してください。 

DBUAを起動すると、「ようこそ」画面が表示されます。「ようこそ」画面で、アップグレード・プロセスを開始できます。

データベース・アップグレード・アシスタントを使用したデータベースのアップグレード

データベース・アップグレード・アシスタント(DBUA)を使用してデータベースをアップグレードするには、次の手順を実行します。ヘルプが必要な場合またはDBUAの詳細を参照する必要がある場合は、「ヘルプ」ボタンをクリックしてオンライン・ヘルプを開きます。

  1. DBUAの「ようこそ」画面で、アップグレードするデータベースが、指定された条件を満たしていることを確認します。次に、「次へ」をクリックします。

  2. ASMインスタンスがシステム上で検出された場合は、「アップグレード操作」ページが表示されます。このページから、ASMインスタンスのみのアップグレード、またはデータベースのみのアップルグレードを選択できます。データベースのアップグレードを選択して、そのデータベースがASMを使用している場合は、DBUAによって、ASMインスタンスをデータベースとともにアップグレードするかどうかを選択するように求められます。データベースおよびASMを、個別のDBUAセッションおよびOracleホームでアップグレードすることをお薦めします。

  3. データベース・インスタンスの選択画面で、「使用可能なデータベース」表からアップグレードするデータベースを選択します。次に、「次へ」をクリックします。

    一度に1つのデータベースのみを選択できます。SYSDBA権限を所有していないユーザー・アカウントからDBUAを実行している場合、ユーザー名およびパスワードの資格証明を入力して、選択したデータベースに対してSYSDBA権限を有効にします。

    DBUAは、データベースを分析します。必要に応じて、アップグレード前の確認を実行し、警告を表示します。

    • 4MB未満のオンラインREDOログ・ファイルが調査されます。該当するファイルが検出された場合、DBUAでは、削除して新しいオンラインREDOログ・ファイルを作成するオプションを選択できます。

    • 廃止された初期化パラメータまたは非推奨の初期化パラメータのパラメータ・ファイルがチェックされます。

  4. SYSAUX表領域の作成画面で、SYSAUX表領域の属性を指定します。この表領域は、新しく作成したすべてのOracle Database 10g データベースに自動的に追加されます。次に、「次へ」をクリックします。

    参照:

    SYSAUX表領域の詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。 

    SYSAUX表領域の多くの属性は自動的に設定され、変更できません。たとえば、SYSAUX表領域は、自動セグメント領域管理を使用するように設定されます。ただし、データファイルの場所、SYSAUX表領域のデフォルトのサイズおよび自動拡張属性は指定できます。


    注意:

    SYSAUX表領域に対して既存のデータファイルを指定する場合は、「既存ファイル名の再利用」を選択する必要があります。選択しない場合は、DBUAによって、ファイルがすでに存在していることが警告されます。 


  5. データベースをOracle Database 10g にアップグレードすると、データベースの多くのPL/SQLモジュールが無効になります。デフォルトでは、無効なPL/SQLモジュールは、その使用時にOracleデータベースによって再コンパイルされますが、これには時間を要し、パフォーマンスが低下する可能性があります。このようなパフォーマンスの問題をなくすには、「無効なオブジェクトの再コンパイル」画面から「アップグレード終了時に無効なオブジェクトを再コンパイル」を選択します。無効なPL/SQLモジュールは、アップグレードが実行された直後にすべて再コンパイルされます。

    複数のCPUが搭載されている場合は、DBUAによって、「並列度」メニューが「無効なオブジェクトの再コンパイル」画面に自動的に追加されます。並列処理によって、データベースの無効なPL/SQLモジュールをすべて再コンパイルする時間が短縮されます。並列度は、使用可能なCPUの数より小さい値に自動的に設定されます。メニューから異なる値を選択できます。


    注意:

    アップグレード終了時に無効なオブジェクトを再コンパイル」を選択すると、ストアドPL/SQLおよびJavaコードを再コンパイルするために使用するORACLE_HOME/rdbms/admin/utlrp.sqlスクリプトを実行したときと同じ結果が得られます。 


    データベースがARCHIVELOGモードの場合、NOARCHIVELOGモードに変更できます。

    次に、「次へ」をクリックします。

  6. データベース・バックアップ・プロシージャの選択画面で、DBUAでデータベースをバックアップするかどうかを指定します。次に、「次へ」をクリックします。

    DBUAをバックアップに使用しないことを選択した場合、データベースは独自のバックアップ・プロシージャを使用してすでにバックアップされていると想定されます。アップグレードの前に、ご使用のデータベースをバックアップしてください。アップグレード中にエラーが発生した場合は、そのバックアップからデータベースをリストアする必要があります。


    注意:

    DBUAではASMデータベースはバックアップされません。手動で独自にバックアップする必要があります。 


    DBUAを使用してデータベースをバックアップする場合、DBUAでは「バックアップ・ディレクトリ」フィールドで指定されたディレクトリ内のすべてのデータベース・ファイルのコピーが作成されます。DBUAは、データベースを停止してからアップグレード・プロセスを開始するまでの間に、自動的にこの一貫性バックアップを実行します。バックアップでは、データベース・ファイルは圧縮されません。バックアップ・ディレクトリには、有効なファイル・システム・パスが必要です。コールド・バックアップ・ファイルにはRAWデバイスは指定できません。

    また、DBUAは、指定したディレクトリにバッチ・ファイルを作成します。ご使用のシステムに適したバッチ・ファイルを使用して、データベース・ファイルをリストアします。

    • Windowsの場合: db_name_restore.bat

    • UNIXの場合: db_name_restore.sh

  7. 「管理オプション」画面では、データベースをEnterprise Managerで管理できるように設定するオプションを指定できます。


    注意:

    この手順で説明する「管理オプション」画面は、Oracle Database 10g リリース1(10.1)データベースがすでにEnterprise Managerで監視されている場合は表示されません。 


    1. DBUAによって、ホスト・コンピュータにOracle Management Agentがインストールされているかどうかがチェックされます。インストール済である場合は、Grid Controlオプションを選択し、リストから「Oracle Management Service」を選択します。Oracleデータベースのインストールを終了すると、データベースは自動的にOracle Enterprise ManagerのGrid Control内の管理ターゲットとして使用可能になります。

    2. データベースをOracle Enterprise Manager Database Controlで管理できるように設定するには、Database Controlオプションを選択します。これによって、インストールする単一インスタンスまたはクラスタ・データベースを監視および管理するWebベースの機能が提供されます。

    3. 指定された条件のメトリックがクリティカルまたは警告しきい値に達した場合に、SYSMANユーザー(デフォルトのスーパー管理者でManagement Repositoryスキーマの所有者)が電子メール通知を受信できるように設定するには、「電子メール通知有効化」を選択します。

    4. Oracle推奨のバックアップ計画を使用して、最小の構成でデータベース全体をバックアップするには、「日次バックアップ有効化」を選択します。入力した開始時間に、Enterprise Managerは、この後DBUAの「リカバリ構成」画面で指定するフラッシュ・リカバリ領域にデータベースをバックアップします。

    5. 次へ」をクリックします。

  8. 「データベース資格証明」画面では、Enterprise Managerのアカウント用のパスワードを設定して、データベースを保護します。リストされた各Enterprise Managerユーザー・アカウントに単一のパスワードを設定するか、またはユーザーごとに一意のパスワードを提供してアカウントのセキュリティを向上させることができます。

  9. 「リカバリ構成」画面では、フラッシュ・リカバリ領域を指定してアーカイブを有効にします。システム障害が発生した場合にデータをリカバリできるようにデータベースを構成することが重要です。

    フラッシュ・リカバリ領域は、システム障害によって損失する可能性のあるデータをリカバリするために使用できます。DBUAの「管理オプション」画面で、ローカル管理と日次バックアップを有効にしていると、Enterprise Managerもここで指定した位置を使用します。

  10. 「データベースのネットワーク構成」画面には、2つのタブがあります。

    • Oracle Database 10g リリース2(10.2)のOracleホームに複数のリスナーが存在する場合は、「リスナー」タブが表示されます。アップグレードしたデータベースを登録するリスナーを選択します。

    • Oracle Database 10g リリース2(10.2)のOracleホームに構成済のディレクトリ・サービスが存在する場合は、「ディレクトリ・サービス」タブが表示されます。アップグレードしたデータベースをこのディレクトリ・サービスに登録するかどうかを選択できます。

  11. 「サマリー」画面で、すべての設定が正しいことを確認します。DBUAは、アップグレード中にデータベースに設定される初期化パラメータを表示します。COMPATIBLE初期化パラメータは、9.2.0以上に設定されます。「戻る」をクリックしてエラーを修正し、「終了」をクリックします。

  12. 進行ダイアログ・ボックスが表示され、DBUAがアップグレードを開始します。

    無視」および「中止」オプションを伴うエラー・メッセージが表示される場合があります。

    • 無視: エラーを無視して、アップグレードを続行します。無視されたエラーは記録され、後でサマリーに表示されます。アップグレードが完了した後、問題を修正して、DBUAを再起動し、スキップされた手順を完了できます。

    • 中止: アップグレード・プロセスを中止します。DBUAを使用してデータベースをバックアップした場合は、データベースをリストアするように求められます。データベースのリストア後、エラーを修正し、DBUAを再起動してアップグレードを再実行します。データベースをリストアしない場合、DBUAは、手動でアップグレードを続行できるようにデータベースをそのままの状態にします。

    アップグレードの完了後、次のメッセージが表示されます。

    Upgrade has been completed. Click the "OK" button to see the results of the 
    upgrade.
    
    

    OK」をクリックします。アップグレード結果の確認画面が表示されます。

  13. アップグレード結果の確認画面で、アップグレードの結果を調べ、アップグレードしたデータベースのパスワードを管理し、必要に応じて、元のデータベースの設定をリストアします。

    アップグレード結果のサマリーには、元のデータベースとアップグレードしたデータベース、および初期化パラメータに対して行った変更が示されます。また、アップグレード結果には、データベースのアップグレード時に実行された手順について説明する手順実行のサマリーも含まれます。サマリーには、各手順の名前、手順のログ・ファイルおよび状態が示されます。状態をクリックして、実行手順の詳細を表示できる場合もあります。また、手順実行のサマリーには、アップグレード後に様々なログ・ファイルが格納されるディレクトリも含まれます。これらのログ・ファイルを調べて、アップグレード処理の詳細を確認できます。


    注意:

    HTML版のアップグレード結果も、ログ・ファイル・ディレクトリに保存されます。 


    この画面の「パスワード管理」セクションで、新しくアップグレードしたデータベースの様々なユーザーに対してパスワードのロック解除および設定を行うことができます。「パスワード管理」ダイアログ・ボックスを表示するには、「データベース・パスワードの構成」をクリックします。「パスワード管理」ダイアログ・ボックスでは、データベースをアップグレードした後、ユーザーのデフォルトのパスワードを変更できます。セキュリティの理由から、通常、ロック解除されるのは次のユーザーのみです。

    • SYS

    • SYSTEM

    Enterprise Managerで「ローカル管理」を有効にしている場合は、SYSMANおよびDBSNMPアカウントもロック解除されます。これらのアカウントを使用すると、Enterprise Managerでデータベースから監視データを収集できます。

    Enterprise Managerで「集中管理」を有効にしている場合は、SYSおよびSYSTEMユーザー・アカウントに加えて、DBSNMPアカウントもロック解除されます。


    注意:

    データベースの不当な使用を防止するために、データベースをアップグレードした直後にすべてのユーザー・パスワードを変更します。 


    アップグレード結果に問題がある場合は、「リストア」をクリックします。データベースのバックアップに使用した方法によって、リストア操作では、次のいずれかのタスクが実行されます。

    • DBUAを使用してデータベースをバックアップした場合は、「リストア」をクリックすると、元のデータベースおよび元のデータベースの設定がバックアップからリストアされます。

    • 独自のバックアップ・プロシージャを使用してデータベースをバックアップした場合は、元のデータベースの設定のみがリストアされます。データベース自体をリストアするには、独自のバックアップ・ユーティリティを使用して作成したバックアップをリストアします。

    アップグレード結果に問題がない場合は、「終了」をクリックしてDBUAを終了します。DBUAは、アップグレードされたデータベースのエントリを古いlistener.oraファイルから削除し、古いデータベースのリスナーを再ロードします。

  14. DBUAの「デフォルトの動作の変更」画面には、以前のリリースの動作から変更されたOracle Database 10g の動作が表示されます。一部の初期化パラメータのデフォルト値が変更される場合もあります。また、現行のスクリプトまたはアプリケーションに影響する新しい動作または要件(あるいはその両方)が表示される場合もあります。

  15. データベースのアップグレード後に完了する必要がある追加のタスクについては、『Oracle Databaseアップグレード・ガイド』を参照してください。


    警告:

    古いOracleソフトウェアを保持している場合、そのソフトウェアを使用してアップグレードしたデータベースを起動しないでください。新しいOracleデータベース・インストールの実行可能ファイルでのみデータベースを起動してください。また、古いOracle環境を削除する前に、Oracle環境のデータファイルをすべて新しいOracleデータベース環境に再配置してください。データファイルの再配置の詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。 


インストール: Oracle by Example Series

Oracle by Example(OBE)には、このマニュアルに関するシリーズが含まれています。 このOBEでは、この章のタスクを段階的に説明し、注釈付きのスクリーン・ショットを使用します。

インストールのOBEを参照するには、ご使用のブラウザで次の場所を指定します。

http://www.oracle.com/technology/obe/10gr2_2day_dba/install/install.htm

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