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Oracle Database 2日でデータベース管理者
10g リリース2(10.2)

B19197-03
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3 Oracle Enterprise Managerの概要

この章では、Oracle Enterprise Manager Database Controlの概要について説明します。Oracle Enterprise Manager Database Controlは、Oracleデータベースを管理するWebベースのインタフェースです。このツールに関する知識は、このマニュアルの後半で説明するOracleデータベースの管理に不可欠です。

この章の内容は次のとおりです。

Oracle Enterprise Manager Database Controlの概要

WebベースのDatabase Controlは、Oracleデータベース管理の主要ツールとして機能し、高い操作性を提供します。これは、データベースとともにインストールされます。

Oracle Enterprise Manager Database Controlの次の機能について説明します。

データベース管理機能

Oracle Enterprise Manager Database Controlでは、スキーマ・オブジェクト(表領域、表および索引)の作成、ユーザー・セキュリティの管理、データベースのバックアップおよびリカバリ、データのインポートおよびエクスポートなどの管理タスクを実行できます。また、データベースに関するパフォーマンスおよび状態の情報を表示することもできます。

オンライン・ヘルプ

各ページに表示される「ヘルプ」をクリックすると、状況依存のオンライン・ヘルプにアクセスできます。ヘルプ・ページで、「コンテンツの表示」をクリックすると、すべてのヘルプ・トピックへのリンクが表示されます。検索機能を使用すると、ヘルプの内容を検索できます。

ナビゲーション機能

Oracle Enterprise Managerのナビゲーション機能には、次のものがあります。

Oracle Enterprise Manager Consoleの起動方法および停止方法

クライアントのブラウザからOracle Enterprise Manager Consoleにアクセスするには、dbconsoleプロセスがサーバー上で実行されている必要があります。このdbconsoleプロセスは、インストール後、自動的に起動されます。

ただし、システムの再起動時に、コマンドラインで手動で実行したり、Windowsのサービスとして起動することができます。

コマンドラインからdbconsoleプロセスを起動するには、次の手順を実行します。

  1. ORACLE_HOME/binディレクトリに移動します。

  2. 次の文を実行します。

    ./emctl start dbconsole
    
    

また、プロセスを停止して、その状態を表示することもできます。

dbconsoleプロセスを起動するには、次の文を実行します。

./emctl stop dbconsole

dbconsoleプロセスを起動するには、次の文を実行します。

./emctl status dbconsole

Windowsでのdbconsoleの起動

Windowsでは、コマンドラインを使用する以外にも、dbconsoleプロセスをサービスとして起動できます。

dbconsoleをサービスとして起動するには、次の手順を実行します。

  1. メイン・メニューから、「スタート」→「コントロール パネル」→「管理ツール」→「サービス」をクリックします。「サービス」ページが表示されます。

  2. Oracleサービスは、Oracleで始まります。dbconsoleサービスがOracleDBConsoleORACLE_SIDのように表示されます。ORACLE_SIDはSIDです。このプロセスの状態は、「状態」列に起動済か停止中かが表示されます。

    サービスをダブルクリックします。プロパティ・ページが表示されます。

  3. プロパティ・ページで、「スタートアップの種類」が「無効」ではなく、「手動」または「自動」になっていることを確認します。プロセスがまだ起動されていない場合は、「開始」をクリックします。「OK」をクリックします。

「サービス」ページを使用して、プロセスを停止することもできます。

Oracle Enterprise Manager Database Controlへのアクセス

データベースが正常に作成されると、WebブラウザでOracle Enterprise Managerが自動的に起動され、データベースが起動されます。その他の場合に、Enterprise Manager Database Controlにアクセスするには、サーバーでdbconsoleプロセスが実行中であることを確認し、次の手順を実行します。

  1. Webブラウザに次のURLを指定します。

    http://hostname:portnumber/em
    
    

    たとえば、comp42というホスト・コンピュータにデータベースをインストールした場合、インストーラが示すEnterprise Manager Console HTTPのポート番号が5500($ORACLE_HOME/install/portlist.iniファイルにも記録)であれば、次のURLを入力します。

    http://comp42:5500/em
    
    

    データベースが起動している場合、Enterprise ManagerにDatabase Controlの「ログイン」ページが表示されます。

    データベースが停止していて、再起動する必要がある場合は、Enterprise Managerに「起動/停止」および「リカバリの実行」ページが表示されます。このような場合は、「起動/停止」をクリックし、ホストおよびターゲット・データベースのログイン・ユーザー名とパスワードを入力します。データベースのユーザーおよびパスワードには、SYSおよびインストール時に指定したパスワードを使用します。

  2. OK」をクリックして、データベースを起動します。「確認」画面で、「はい」をクリックし、オープン・モードでデータベースを起動します。

  3. Database Controlへのアクセス権を持つユーザー名を使用してデータベースにログインします。最初は、SYSまたはSYSTEMのいずれかです。データベースのインストール中にアカウントに対して指定したパスワードを使用します。

    Enterprise Managerに「データベース」の「ホーム」ページが表示されます(図3-4を参照)。

    ページの最上部にあるプロパティ・ページを使用すると、データベース管理用の「パフォーマンス」、「管理」および「メンテナンス」ページにアクセスできます。これらのページで提供される機能については、このマニュアルの他の章で説明します。

    「データベース」の「ホーム」ページの様々なセクションおよび関連リンクでは、データベースの環境および状態の詳細が提供されます。たとえば、「アラート」、「関連アラート」および「診断サマリー」セクションでは、データベースの操作に影響するエラーおよびパフォーマンスの問題について警告されます。提供されたリンクをクリックすると、問題のある箇所の詳細を表示できます。また、問題解決のための推奨事項も表示できます。詳細は、第10章「データベースの監視およびチューニング」を参照してください。

    図3-4    「データベース」の「ホーム」ページ


    画像の説明

Database Control管理権限の付与

SYSまたはSYSTEMユーザー・アカウントを使用してOracle Enterprise Manager Database Controlにログインすると、Oracle Enterprise Managerのスーパー・ユーザーとしてログインしています。Database Controlで提供されるすべての管理機能にアクセスするために必要なロールおよび権限が自動的に付与されるアカウントは、これらのアカウントのみです。

他のデータベース・ユーザーに管理権限を付与するには、次の手順を実行します。

  1. Webブラウザを起動し、SYSまたはSYSTEMデータベース・ユーザーとしてDatabase Controlにログインします。

  2. 「データベース」の「ホーム」ページの最上部にある「設定」をクリックします。

  3. 左ナビゲーション・バーの「管理者」をクリックします。

    新しい管理者を作成する必要がある場合、まずユーザーを作成し、次にこの項の説明に従って管理権限を割り当てる必要があります。新しいユーザーを作成するには、「データベース・ユーザーの管理」を参照してください。

  4. 管理権限を既存のデータベース・ユーザーに割り当てて新しいEnterprise Managerユーザーを作成するには、「作成」をクリックします。

  5. 「名前」フィールドの横にある懐中電灯のアイコンをクリックし、既存のデータベース・ユーザーを選択します。

  6. 選択したユーザーのパスワードを入力して「終了」をクリックします。

Enterprise Managerによって、選択したユーザーに管理権限が割り当てられます。「設定」の「管理者」ページの管理ユーザーのリストに、選択したデータベース・ユーザーが含まれます。このページに示されているすべてのユーザーが、Database Controlにログインしてデータベースの管理タスクを実行できます。

Enterprise Managerの設定

Enterprise Managerでは、データベースの管理に役立つ設定ができます。次の設定があります。

通知

これらの設定を使用すると、Oracleからアラートを電子メールで送信できるようになります。アラートは、データベースの状態が不適切で、注意が必要な場合の通知です。デフォルトで、Enterprise Managerの「ホーム」ページにすべてのアラートが表示されます。ただし、電子メールによる通知は設定する必要があります。アラートに関する情報と通知の設定については、第10章「データベースの監視およびチューニング」「ダイレクト・アラート通知の設定」を参照してください。

ブラックアウト管理

データベースのメンテナンスのために計画停止時間を予定している場合に、誤ったアラートが送信されないように指定できます。これには、ブラックアウト期間を定義します。詳細は、「ブラックアウト期間の定義」を参照してください。

優先資格証明

Enterprise Managerは、バックアップなど、数多くの定期的な管理タスクを自動的に実行できます。これには、Enterprise Managerに組み込まれている、高度なジョブ・スケジューリング・システムを使用します。環境のセキュリティを保つには、Enterprise Mangerで自動実行するタスクの設定で、マシンおよびデータベースに対するログイン情報を指定する必要があります。ジョブまたはタスクを作成するたびにこの情報を入力する必要がないように、Enterprise Managerでは優先資格証明としてこの情報を保存できます。優先資格証明は、不正使用を防ぐために暗号化モードでデータベースに格納されます。詳細は、「優先資格証明の設定」を参照してください。

ブラックアウト期間の定義

メンテナンスのためにデータベースを停止する場合に、アラート通知が送信されないように指定できます。アラートは、データベースの状態が不適切で、注意が必要な場合の通知です。アラートの詳細は、「アラート」を参照してください。

ブラックアウト期間を定義するには、次の手順を実行します。

  1. 「ホーム」ページで、ページの最上部にある「設定」をクリックします。「設定」ページが表示されます。

  2. 左ペインの「ブラックアウト」をクリックします。「ブラックアウト」ページが表示されます。

  3. 作成」をクリックして、「ブラックアウトの作成」ウィザードを起動します。プロパティ・ページで、ブラックアウト名を指定し、理由を入力して、計画停止時間を設定したターゲットを選択します。「次へ」をクリックします。

  4. 「スケジュール」ページで、計画したブラックアウトの開始時間を入力するか、またはデータベースをすぐに停止する場合は「即時」を選択します。また、ブラックアウトの継続時間に、無制限、期間、または将来のある時刻までのいずれかを選択します。「繰返し」で、デフォルトの「繰返しなし」を使用します。ブラックアウトを定期的に繰り返す場合は、プルダウン・メニューで繰返し頻度を選択します。「次へ」をクリックします。

  5. 確認ページが表示されます。入力した内容を確認し、「終了」をクリックします。「戻る」をクリックすると、設定を変更できます。

優先資格証明の設定

Enterprise Managerでは、バックアップやリカバリのような管理操作を実行するジョブやタスクをスケジュールする場合など、ホストおよびデータベースのログイン資格証明を自動的に入力することができます。セキュリティのため、Oracleは暗号化モードで優先資格証明を格納します。

データベースの優先資格証明を設定するには、次の手順を実行します。

  1. 「ホーム」ページで、ページの最上部にある「設定」をクリックします。「設定」ページが表示されます。

  2. 左ペインの「優先資格証明」をクリックします。「優先資格証明」ページが表示されます。データベース・ターゲットに対して、「資格証明の設定」のアイコンをクリックします。「データベース」の「優先資格証明」ページが表示されます。

  3. 使用しているデータベースに対して、通常ユーザー名/パスワード、SYSDBAのユーザー名/パスワードおよびホストのユーザー名/パスワードの資格証明を入力します。

  4. テスト」をクリックして、資格証明をテストします。資格証明が確認されると、確認メッセージが表示されます。

  5. 適用」をクリックして、変更を適用します。

SQL文およびその他の管理ツール: SQL*Plusおよびi SQL*Plus

Enterprise Managerでの基礎となる操作は、Structured Query Language(SQL)を使用して実行されます。SQLは、データベースに含まれるデータにアクセスして処理を行う、英語的なコンピュータ・プログラミング言語です。これは、データベースへのアクセスにおける業界標準言語です。

次に、SQL問合せの例を示します。

SELECT COUNTRY_ID, COUNTRY_NAME FROM HR.COUNTRIES;

SQLは強力な言語であるため、様々なデータベース管理タスクの実行に使用できます。これらのタスクの実行中、「SQL表示」をクリックすると、発行されている、基礎となるSQL文を表示できます。

SQLおよびデータベース管理でのSQLの使用の詳細は、『Oracle Database SQLリファレンス』を参照してください。

Enterprise Manager以外にも、SQL*Plusや、そのWebバージョンであるi SQL*Plusなど、SQL文を発行するための他のOracleツールを使用できます。これらのツールでは、データベース内のデータの問合せ、挿入、更新または削除を直接行えるだけでなく、同様のデータベース管理操作を実行できます。

SQL*Plusの起動

SQL*Plusは、OracleデータベースにSQL文を発行するために使用するコマンドライン・プログラムです。これらのSQL文は、そのまま発行したり、バッチで実行できます。SQL*Plusは、データベースとともにインストールされ、$ORACLE_HOME/binディレクトリに格納されます。

SQL*Plusを起動するには、コマンドラインで次のコマンドを入力します(すべてのプラットフォーム)。

sqlplus username/password

管理者ユーザーSYSとインストール時に設定したパスワードを使用できます。SQL*Plusが起動して、デフォルトのデータベースに接続されます。SQLプロンプトで、データベースの起動および停止などの管理タスクを実行する文を入力できます。また、データの問合せ、挿入、更新および削除も実行できます。

Windowsの場合は、SQL*Plus Windows GUIを使用してデータベースを管理できます。メイン・メニューから、「スタート」→「プログラム」→「Oracle-OraDB10g_home1」→「Application Development」→「SQL*Plus」を選択します。

SQL*Plusの詳細は、『SQL*Plusユーザーズ・ガイドおよびリファレンス』を参照してください。

SQL文の詳細は、『Oracle Database SQLリファレンス』を参照してください。

i SQL*Plusの起動

i SQL*Plusは、SQL*PlusのWebバージョンです。URLを使用して接続するには、i SQL*Plusアプリケーション・サーバーを起動する必要があります。このサーバーを起動するには、コマンドラインで次のコマンドを入力します。

isqlplusctl start

サーバーが起動されると、次のようなURLを使用してi SQL*Plusに接続できます。

http://machine_name:5560/isqlplus

また、Enterprise Mangerを使用してi SQL*Plusに接続することもできます。Enterprise Managerの「ホーム」ページから接続するには、「関連リンク」の「i SQL*Plus」をクリックします。

i SQL*Plusの詳細は、『SQL*Plusユーザーズ・ガイドおよびリファレンス』を参照してください。

データベースの管理: ロードマップ

データベースについての理解を深めるため、実行する特定のタスクを示します。これらは、これらのタスクおよびその他の関連データベース管理タスクについて説明されている章へのリンクとして示されています。

  1. インスタンスを起動してデータベースをオープンします。インストールの終了時に、インスタンスが起動され、データベースがオープンされます。将来、データベースのメンテナンスのため、または性能障害やメディア障害のため、データベースまたはインスタンスを停止した後、再起動する場合があります。詳細は、「Enterprise Managerを使用したインスタンスおよびデータベースの停止および再起動」を参照してください。

  2. 必要に応じて、クライアントがデータベースに接続できるようにネットワーク環境を構成します。詳細は、第4章「ネットワーク環境の構成」を参照してください。

  3. データベース記憶域の構造(表領域とデータファイル、REDOログ・ファイルおよび制御ファイル)を確認します。詳細は、第6章「データベース記憶域構造の管理」を参照してください。

  4. 必要に応じて、初期データベース・ユーザーのパスワードを確認、ロック解除および再設定します。新しいユーザーを作成して権限およびロールを割り当てます。詳細は、第7章「ユーザーおよびセキュリティの管理」を参照してください。

  5. ユーザーと、表領域や表などの必要なスキーマ・オブジェクトを作成します。表にデータを移入します。詳細は、第8章「スキーマ・オブジェクトの管理」を参照してください。

  6. データベースのバックアップ計画を確認してデータベースをバックアップします。詳細は、第9章「バックアップおよびリカバリの実行」を参照してください。

  7. REDOログをアーカイブしていない場合は、アーカイブできます。詳細は、「基本的なバックアップおよびリカバリのためのデータベース構成」を参照してください。

  8. データベースのパフォーマンスを監視し、パフォーマンスの問題を診断して、必要に応じてデータベースのチューニングを行います。詳細は、第10章「データベースの監視およびチューニング」を参照してください。

  9. 最新のパッチ・リリースを使用してOracleソフトウェアを最新に保ちます。詳細は、第11章「Oracleソフトウェアの管理」を参照してください。

概要: Oracle by Example Series

Oracle by Example(OBE)には、このマニュアルに関するシリーズが含まれています。このOBEでは、この章のタスクを段階的に説明し、注釈付きのスクリーン・ショットを使用します。

概要に関するOBEを参照するには、ご使用のブラウザで次の場所を指定します。

http://www.oracle.com/technology/obe/10gr2_2day_dba/gettingstarted/gettingstarted.htm

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