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Oracle Database 2日でデータベース管理者
10g リリース2(10.2)

B19197-03
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11 Oracleソフトウェアの管理

この章では、パッチ・リリースを使用してOracleソフトウェアを最新に保つ方法について説明します。この章の内容は次のとおりです。

ソフトウェア管理およびパッチ・リリースについて

ソフトウェア管理には、最新の製品修正パッチを使用してOracleソフトウェアを最新に保つことが含まれます。

オラクル社では、パッチ・リリースと呼ばれるそのソフトウェアの製品修正パッチを定期的に公開しています。パッチ・リリースは、完全にテストされた製品修正パッチのみです。新機能は含まれていません。パッチ・リリースの適用によって影響を受けるのは、Oracleホーム内のソフトウェアのみであり、データベースがアップグレードまたは変更されることはありません。

パッチは個々のバグ修正です。パッチ・セットは、そのパッチ・セット・リリースの時点までのバグ修正を集めたものです。

すべてのパッチおよびパッチ・セット・リリースには、バージョン番号が付いています。たとえば、Oracle 10g リリース2(10.2.0.1)を購入した場合、使用できるパッチセットは、10.2.0.2になります。すべてのパッチまたはパッチ・セットには、識別用のパッチ番号も付いています。

すべてのパッチ・リリースには対応するREADMEファイルがあり、そのバグ修正について記載されています。READMEには、手動でパッチを適用する手順も記載されています。

Enterprise Managerを使用すると、Oracle MetaLinkのWebサイトにある最新のパッチ・リリースを検索して、自分のOracleホームにダウンロードできます。

パッチ・リリースの適用

パッチを適用するには、次の手順を実行します。

Oracleソフトウェア環境の確認

自分の環境に適したパッチを選択するには、次の項目を確認します。

この情報は、図11-1に示す、「データベース」の「ホーム」ページの「一般」セクションで調べることができます。

図11-1    「データベース」の「ホーム」ページの「一般」セクション


画像の説明

Oracleデータベースのバージョンの確認

Enterprise Managerのホームページの「一般」セクションに移動して、Oracleデータベースのバージョンを確認できます。たとえば、図11-1では、データベースのバージョンに10.2.0.1.0と表示されています。

Oracleホームの位置の確認

Oracleホームは、Oracleインストールのオペレーティング・システムの場所です。

Oracleホームを確認するには、次の手順を実行します。

  1. Enterprise Managerのホームページの「一般」セクションで、「すべてのプロパティの表示」をクリックします。

    「すべてのプロパティの表示: instance_name」ページが表示されます。このページには、図11-2に示すとおり、Oracleホームのパスが表示されます。

    図11-2    「すべてのプロパティの表示」ページ


    画像の説明

  2. Oracleホーム」の横にあるパスのリンクをクリックします。

    「Oracleホーム: oracle_home」ページが表示されます。このページには、図11-3に示すとおり、インストールした製品コンポーネントおよびインストール時刻とともに、Oracleホームのファイル・ディレクトリが表示されます。

    図11-3    「Oracleホーム」ページ


    画像の説明

  3. 「コンポーネント」セクションでリンクをクリックして、すべてのコンポーネントの依存状態およびインストールの特定のコンポーネントについて説明するページにドリルダウンします。「Oracleホーム・ターゲット」セクションでリンクをクリックして、ホスト・エージェント、インスタンスおよびリスナーのページを表示します。

ハードウェア構成の確認

ハードウェア構成は、データベース・マシンおよびオペレーティング・システムで構成されています。適切なOracleパッチを選択するには、この情報が必要です。

ハードウェア構成の詳細を調べるには、次の手順を実行します。

  1. Enterprise Managerのホームページの「一般」セクションで、「ホスト」の横にあるリンクをクリックします。

    「ホスト: host_name」ページが表示されます。このページには、オペレーティング・システム、ハードウェア・プラットフォーム、IPアドレス、CPU数、メモリー・サイズおよびディスク領域が表示されます。

  2. 「構成」セクションでリンクをクリックして、オペレーティング・システム、ハードウェア・プラットフォームおよびディスク領域について説明するページにドリルダウンします。

Oracle MetaLinkの資格証明の設定

Oracle MetaLink(OracleサポートのWebサイト)から、パッチおよびパッチ・リリースを入手します。

http://metalink.oracle.com

Metalinkからパッチをダウンロードするには、企業がオラクル社とのサポート契約時に入手するカスタマ・サポートIDを使用して登録する必要があります。MetaLinkに登録すると、Webブラウザからこのサイトへログインできるユーザー名およびパスワードを入手できます。

また、MetaLinkに自動的にログインしてパッチ・リリースを検索できるように、Enterprise Managerにログイン資格証明を保存することもできます。Enterprise Managerでパッチ・ウィザードを実行するには、これらの資格証明を設定する必要があります。「パッチ・リリースのステージング」に説明するとおり、パッチ・ウィザードによって、自動的にパッチを検索およびダウンロードできます。

MetaLinkログイン資格証明を設定するには、次の手順を実行します。

  1. ほとんどのEnterprise Managerページの上部および下部にある「設定」リンクをクリックします。

    「設定」ページが表示されます。

  2. パッチ適用設定」をクリックします。

    図11-4の「パッチ適用設定」ページが表示されます。

    図11-4    パッチ適用設定」ページ


    画像の説明

  3. MetaLinkユーザー名」および「MetaLinkパスワード」ボックスに、カスタマ・サポートIDを使用して入手したユーザー名およびパスワードを入力します。オプションで、「パッチ・キャッシュの最大サイズ(MB)」に、パッチ・キャッシュ(パッチを格納する一時領域)の最大サイズを設定できます。最も古いパッチは自動的に削除され、パッチ・キャッシュは最大サイズ未満に保たれます。

  4. 適用」をクリックして、MetaLink資格証明を設定します。

パッチ・リリースのステージング

Enterprise Managerを使用すると、利用可能なパッチ・リリースをMetaLinkで表示できます。パッチ適用ウィザードでは、最初にこれらの更新が表示されます。このウィザードを使用して、パッチをOracleホームにダウンロードできます。

パッチのダウンロードは、ステージングと呼ばれます。ステージングの後、データベースを停止し、Oracle Universal Installerを実行することによってパッチを手動で適用できます。


注意:

次の例では、Oracle Databaseリリース1(10.1.0.2)のパッチ・リリースを検索しステージングします。Oracle Databaseリリース2(10.2)では、Enterprise Managerウィザードとスクリーンショットは若干異なります。 


パッチ適用ウィザードを起動するには、次の手順を実行します。

  1. ホームページから「メンテナンス」をクリックします。

  2. 「データベース・ソフトウェアのパッチ」セクションで、「パッチの適用」をクリックします。

    図11-5に示すとおり、「パッチ: パッチの選択」ページが表示されます。

    図11-5    「パッチ: パッチの選択」ページ


    画像の説明

  3. 製品ファミリ」、「製品」、「リリース」および「プラットフォーム」の値が、Enterprise Managerによって自動的に表示されます。条件に一致する検索結果が、最新のパッチ(またはパッチ・セット)から順に表示されます。

    開始日」および「終了日」に値を指定して「検索」をクリックすることによって、検索対象を絞り込むことができます。

  4. パッチの詳細を表示するには、パッチを選択して「詳細の表示」をクリックします。パッチを選択して「READMEの表示」をクリックし、READMEを表示します。READMEには、バグ修正の説明が含まれています。「パッチ詳細を表示」ページで、「パッチ」ロケータ・リンクをクリックしてパッチ・ウィザードに戻ります。

  5. 必要なパッチを選択します。または定期的なソフトウェア更新を実行する場合は、最新のパッチ・セットを選択します。この例では、パッチ・セット番号3761843、日付Aug 13, 2004、リリース1(10.1.0.3)を選択します。「次へ」をクリックします。

    「パッチ: 接続先の選択」ページが表示されます。このページで、接続先を選択します。

  6. 宛先タイプ」で、パッチをステージするターゲット・データベース、ホストまたはディレクトリの位置を指定します。この例では、「選択したターゲット」の下に表示される、デフォルトのデータベース・ターゲットを使用します。「次へ」をクリックします。

    「パッチ: 資格証明の設定」ページが表示されます。

  7. ユーザー名」および「パスワード」ボックスでオペレーティング・システムのユーザー名およびパスワードを入力し、Enterprise ManagerでOracleホームにパッチをステージングできるようにします。Enterprise Managerでは、ジョブのスケジューリングにこれらの資格証明が必要になります。「次へ」をクリックします。

    「パッチ: ステージングまたは適用」ページが表示されます。

  8. デフォルトでは、メイン・ボックスに表示されるステージ・ディレクトリに、Enterprise Managerによってパッチがダウンロードされます。通常、この場所は、EMStagedPatchespatchnumberと呼ばれるOracleホームのサブディレクトリです。

    デフォルトでは、Enterprise Managerではパッチのみがステージングされます。その後、READMEに記載された手順に従って、パッチを手動で適用できます。手順には、データベースおよびアプリケーションの停止、Oracle Universal Installerの起動も含まれています。

    オプションで、Oracleでオペレーティング・システムのスクリプトを実行し、パッチを自動的に適用することができます。これを実行するには、オプション「パッチを適用するスクリプトの実行」を選択し、ウィンドウに表示されたスクリプト・テンプレートを実行します。このオプションを選択する場合は、データベースを停止し、アプリケーションを処理するようにテンプレートを編集する必要があります。シェル・スクリプトに精通したユーザー以外は、このオプションを選択しないことをお薦めします。

  9. 次へ」をクリックします。

    「パッチ: スケジュール」ページが表示されます。

  10. 「パッチ・ジョブのスケジュール」セクションで、「即時」を選択し、パッチを即時にダウンロードしてステージングします。「次へ」をクリックします。

    「パッチ: サマリー」ページが表示されます。

  11. 終了」をクリックします。

    確認ページで、ジョブが実行されたことを確認します。

  12. パッチ・キャッシュを表示して、パッチがステージングされたことを確認します。「メンテナンス」ページに移動し、「データベース・ソフトウェアのパッチ」セクションで、「パッチ・キャッシュの表示」をクリックします。

    「パッチ・キャッシュ」が表示されます。ダウンロードしたパッチが表に表示されます。

パッチ・リリースのインストール

最新のパッチまたはパッチ・セットのリリースをダウンロードした後は、インストールできます。インストールする前に、現在のOracleホーム・インストールをバックアップし、データベース・インスタンス、リスナーおよび依存するアプリケーションを停止する必要があります。

これらの準備作業のため、パッチの適用はピーク時以外の時間(システムが活発に使用されていない時間)帯に実行することをお薦めします。計画停止時間の前に、データベース・ユーザーに通知することもお薦めします。

このようにしてシステムを停止したら、ダウンロードしたファイルを解凍し、Oracle Universal Installerを実行することによってパッチを適用できます。


参照:

パッチのインストール手順の詳細は、パッチセットのREADMEを参照してください。 


この項では、パッチ・リリースをダウンロードした後で実行する基本的な手順を説明します。

  1. パッチ固有のインストール手順について、そのパッチ・リリースのREADMEを参照します。

  2. すべての依存アプリケーションを停止します。

  3. データベース・インスタンスを停止します。詳細は、第5章「Oracleインスタンスの管理」「Enterprise Managerを使用したインスタンスおよびデータベースの停止および再起動」を参照してください。

  4. オプションで、データベース・リスナーを停止します。データベースを再起動すると、データベース・リスナーがデータベースに自動的に再接続されるため、この手順は、オプションです。リスナーを起動したままにすると、アップグレード処理中にクライアントがデータベースに接続できるようになりますが、これはお薦めしません。詳細は、第4章「ネットワーク環境の構成」「リスナーの起動および停止」を参照してください。

  5. Enterprise Managerを停止します。詳細は、第3章「Oracle Enterprise Managerの概要」「Oracle Enterprise Manager Consoleの起動方法および停止方法」を参照してください。

  6. READMEの手順に従ってパッチを適用します。

  7. データベースを起動します。

  8. 先にリスナーを停止していた場合は、リスナーを起動します。リスナーを実行中のままにしておくと、自動的にデータベースに再接続されます。詳細は、第4章「ネットワーク環境の構成」「リスナーの起動および停止」を参照してください。

  9. Enterprise Managerを起動します。詳細は、第3章「Oracle Enterprise Managerの概要」「Oracle Enterprise Manager Consoleの起動方法および停止方法」を参照してください。

  10. アプリケーションを再起動します。

Oracleソフトウェアの管理: Oracle by Example Series

Oracle by Example(OBE)には、このマニュアルに関するシリーズが含まれています。このOBEでは、この章のタスクを段階的に説明し、注釈付きのスクリーン・ショットを使用します。

Oracleソフトウェアの管理のOBEを参照するには、ご使用のブラウザで次の場所を指定します。

http://www.oracle.com/technology/obe/10gr2_2day_dba/managing/managingsoftware.htm

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