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Oracle Application Server 高可用性ガイド
10gリリース3(10.1.3.1.0)

B31835-01
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7 OracleAS Guard asgctlコマンドライン・リファレンス

この章では、asgctlコマンドについてのリファレンス情報を記載します。表7-1に、すべてのasgctlコマンドの要約を示します。表7-2には、OracleAS 10gリリース2(10.1.2.0.2)で廃止されたすべてのasgctlコマンドの要約を示します。その後の項では、多くのコマンドで共通なリファレンス情報と各コマンドについてのリファレンス情報を詳細に記載します。

表7-1    asgctlコマンドの要約 
コマンド  説明 

add instance 

指定されているインスタンス名と、このインスタンスがインストールされているホスト・システムの名前をローカル・トポロジ・ファイルに追加し、指定に応じてこの更新済トポロジ・ファイルをDisaster Recovery本番環境のインスタンスすべてに伝播します。 

asgctl 

OracleAS Guardクライアントのコマンドライン・ユーティリティasgctlを起動します。UNIXシステムでは、asgctl.sh<ORACLE_HOME>/dsa/binにあり、Windowsシステムでは、asgctl.bat<ORACLE_HOME>¥dsa¥binにあります。  

clone instance 

単一の本番インスタンスをスタンバイ・システムにクローニングします。 

clone topology 

複数の本番の中間層インスタンスをスタンバイの中間層システムにクローニングします。 

connect asg 

OracleAS GuardクライアントをOracleAS Guardサーバーに接続します。 

create standby database 

スタンバイ・データベースをリモート・ホスト・システムに作成します。 

disconnect 

OracleAS GuardクライアントをOracleAS Guardサーバーから切断します。 

discover topology 

本番サイトの同じOracle Internet Directoryを共有するトポロジ内のOracle Internet Directoryのすべてのインスタンスを問い合せて検出し、トポロジについて記述するトポロジXMLファイルを生成します。 

discover topology within farm 

Oracle Internet Directoryが使用できないとき、サイトのファーム内のトポロジを検出します。この場合、OracleAS GuardサーバーはOPMNを使用して、ファーム内のトポロジを検出します。 

dump policies 

一部のasgctlコマンドに対して、詳細なデフォルトのポリシー情報をそれぞれのXML形式ファイルに書き込むようにOracleAS Guardサーバーに指定します。各ポリシーファイルを編集して、各管理コマンドで使用するトポロジの障害時リカバリ・ポリシーを定義するように後で指定することもできます。 

dump topology 

トポロジに関する詳細情報を画面に表示するようにOracleAS Guardサーバーに指定します。また、ファイルに書き込むように指定することもできます。 

exit 

OracleAS Guardクライアントの既存の接続をすべて切断し、OracleAS Guardクライアントを終了します。これは、quitコマンドと同じ結果になります。 

failover 

本番サイトの計画外停止の際に、スタンバイ・サイトを本番サイトに切り替えます。 

help 

ヘルプ情報をコマンドラインに表示します。 

instantiate topology 

スタンバイ・サイトにトポロジを作成します(プライマリ・サイトとスタンバイ・サイトがOracleAS Disaster Recoveryに対して有効であることが検証された後)。また、プライマリ・サイトとスタンバイ・サイトで一貫性が維持されるように、プライマリ・サイトとスタンバイ・サイトを同期化します。 

quit 

OracleAS Guardクライアントの既存の接続をすべて切断し、OracleAS Guardクライアントを終了します。これは、exitコマンドと同じ結果になります。 

remove instance 

指定されたインスタンス名をローカル・トポロジ・ファイルから削除し、指定に応じて、この更新されたトポロジ・ファイルをDisaster Recovery本番環境のインスタンスすべてに伝播します。 

run 

OracleAS Guardがインストールされている任意のホームにあるスクリプトまたはプログラムをリモートで実行します。 

set asg credentials 

OracleAS GuardクライアントからOracleAS Guardサーバーへの接続、およびOracleAS Guardサーバーと特定のホスト間の接続を認証するための資格証明を設定します。 

set echo 

asgctlスクリプトのコマンドエコーのオンおよびオフを設定します。 

set new primary database 

スタンバイ・トポロジのOracleAS Infrastructureデータベースを新しいプライマリOracleAS Infrastructureデータベースとして指定します。 

set noprompt 

asgctlスクリプトで、プロンプトなしの状態を設定します。この後のすべての対話プロンプトが無視されます。 

set primary database 

プライマリ・トポロジのOracleAS Infrastructureデータベースを指定します。 

set trace 

トレース・フラグを指定したトレースを有効または無効にします。フラグによるトレースをオンにすると、トレースの出力はOracleAS Guardログ・ファイルに書き込まれます。 

show env 

OracleAS Guardクライアントが接続しているOracleAS Guardサーバーの現在の環境を示します。 

show operation 

現在の操作を表示します。  

shutdown 

OPMNが実行されていないシステムのオペレーティング・システムのコマンドラインのプロンプトで、OracleAS Guardサーバーを停止します。このコマンドは、インスタンスまたはトポロジのクローニングにのみ使用します。 

shutdown topology 

稼動中のトポロジを停止します。 

startup 

OPMNが実行されていないシステムのオペレーティング・システムのコマンドラインのプロンプトで、OracleAS Guardサーバーを起動します。このコマンドは、インスタンスまたはトポロジのクローニングにのみ使用します。 

startup topology 

停止したトポロジを起動します。 

stop operation 

指定された操作を停止します。 

switchover topology 

本番サイトのスケジューリングした停止の間に、本番サイトの役割をスタンバイ・サイトに移行し、スタンバイ・サイトを本番サイトに切り替えます。  

sync topology 

スタンバイ・サイトとプライマリ・サイトを同期化し、プライマリ・サイトとスタンバイ・サイトの間で一貫性を保ちます。 

verify topology 

トポロジが実行中であること、およびその構成が有効であることを検証します。スタンバイ・トポロジが指定された場合は、プライマリ・トポロジとスタンバイ・トポロジを比較し、両者がOracleAS Disaster Recoveryの要件を満たしていることを検証します。 

表7-2    廃止されたasgctlコマンドの要約 
コマンド  説明 

dump farm(廃止済) 

ファームに関する詳細情報を画面に表示するようにOracleAS Guardサーバーに指定します。また、ファイルに書き込むように指定することもできます。 

instantiate farm(廃止済) 

スタンバイ・サイトにファームを作成します(プライマリ・サイトとスタンバイ・サイトがOracleAS Disaster Recoveryに対して有効であることが検証された後)。また、プライマリ・サイトとスタンバイ・サイトで一貫性が維持されるように、プライマリ・サイトとスタンバイ・サイトを同期化します。 

shutdown farm(廃止済) 

稼動中のファームを停止します。 

startup farm(廃止済) 

停止したファームを起動します。 

switchover farm(廃止済) 

本番サイトのスケジューリングした停止の間に、本番サイトの役割をスタンバイ・サイトに移行し、スタンバイ・サイトを本番サイトに切り替えます。  

sync farm(廃止済) 

スタンバイ・サイトとプライマリ・サイトを同期化し、プライマリ・サイトとスタンバイ・サイトの間で一貫性を保ちます。 

verify farm(廃止済) 

ファームが実行中であること、およびその構成が有効であることを検証します。スタンバイ・ファームが指定された場合は、プライマリ・ファームとスタンバイ・ファームを比較し、両者がOracleAS Disaster Recoveryの要件を満たしていることを検証します。 

7.1 OracleAS Guard asgctlコマンドに共通な情報

この項では、OracleAS Guard asgctlコマンドに共通な情報について説明します。

一般的な情報

すべてのasgctlコマンドでは、システムのホスト名を指定できるパラメータがある場合、システムの物理ホスト名を指定して実行する必要があります。

起動および停止コマンドの例外とともにasgctlコマンドを実行する場合は、OracleAS GuardクライアントがOracleAS Guardサーバーに接続している必要があります。

OracleAS Guardサーバーは、構成している各システムで実行されるすべての操作の調整サーバーとして動作します。デフォルトでは、これがconnect asgコマンドを実行しているローカル・システムになります。このシステムは、本番サイトのトポロジのメンバーである必要があります。

OracleAS Guardサーバー情報

OracleAS Guardサーバーは、スタンバイ・ホスト・システムで起動する必要があります(<standby_topology_host>)。OracleAS Guardサーバーは、次のようにopmnctlコマンドライン・ユーティリティを使用して停止および起動できます。

On UNIX systems:
<ORACLE_HOME>/opmn/bin/opmnctl  startproc  ias-component=ASG

On Windows systems:
<ORACLE_HOME>¥opmn¥bin¥opmnctl  stopproc  ias-component=ASG

7.2 OracleAS Guardコマンドの一部に特有の情報

この項では、インスタンス化、同期化、フェイルオーバー、スイッチオーバー、トポロジのダンプ、トポロジの検出、トポロジのクローニング、トポロジの検証、プライマリ・データベースの設定、ASG資格証明の設定などのOracleAS Guard操作の一部に特有の情報を説明します。

本番サイトまたはスタンバイ・サイトに複数のOracleAS Metadata Repositoryインスタンスがインストールされているときに、インスタンス化、同期化、スイッチオーバー、またはフェイルオーバー操作を実行する場合、実行前にset primary databaseコマンドを実行して、すべてのOracleAS Metadata Repositoryインスタンスを特定する必要があります。

OracleAS Guard操作を実行する場合は、事前にemagentを停止する必要があります。この操作は、フェイルオーバーやスイッチオーバーなど、OracleASサービスをリサイクルするOracleAS Guardコマンドにおいて必要です。スクリプトでasgctlのrunコマンドを発行して、OracleAS Guardからこの操作を実行できます。この操作を実行しないと、「ORA-01093: ALTER DATABASE CLOSEは接続中のセッションがない場合にのみ実行できます」などのエラー・メッセージが表示される場合があります。emagentの停止については、スイッチオーバー操作に関する記述でのみ説明しています。ただし、前述したように、これはすべてのOracleAS Guard操作に対して適用されます。

インスタンス化、同期化、スイッチオーバー、およびフェイルオーバーなどの重要なOracleAS Guardの操作を実行する前に、接続しているOracleAS Guardサーバーと異なる資格証明を持つトポロジのOracleAS Guardサーバーに対して、OracleAS Guardで資格証明を設定する必要があります。「set asg credentials」に、例を示します。

最初にトポロジXMLファイルを作成するために、最初にOracleAS Disaster Recovery環境を設定するときに、discover topologyコマンドを実行する必要があります。そこで、後ほど本番サイトで別のOracleホームを取得するときや、フェイルオーバーまたはスイッチオーバー操作で本番サイトからスタンバイ・サイトに役割を変更するときに、トポロジの検出操作を実行する必要があります。

OracleAS Guardの管理者は、次にasgctlのsync topology操作、switchover topology操作またはinstantiate topology操作を実行するまで1分程度の時間を置く必要があります。特にincrementalを指定してsync topology操作を実行する場合に重要です。これは、基になる一連のイベントをできるかぎり順番どおりに実行するための既知の制限です。

次の情報とシナリオは、トポロジ・ファイルの利用方法を理解するのに役立ちます。

以上の2つのシナリオで強調する必要がある重要な点は、トポロジに追加するインスタンスのOracleASホームにtopology.xmlファイルが存在しない場合、OracleAS Guardによって新しいtopology.xmlファイルが作成され、このファイルによって実質的に新しいトポロジが定義されることです。

ポリシー・ファイルを使用する場合、XMLポリシー・ファイルの内容を編集して、asgctlコマンド(clone topologydump topologyfailoverinstantiate topologyswitchover topologysync topology、およびverify topology)のいずれかに許可する実行操作のドメインをインスタンスごとに定義します。このXMLポリシー・ファイルのそれぞれのインスタンス・リストのエントリ(clone_policy.xmldump_policy.xmlfailover_policy.xmlinstantiate_policy.xmlswitchover_policy.xmlsync_policy.xml、およびverify_policy.xml)では、本番とスタンバイの対応する組合せを、コマンド操作の成功を判断するためのコマンドの成功要件を定義する特定の属性とともに、論理的に結び付けます。XMLポリシー・ファイルの詳細と例は、第6.7項「いくつかのasgctlコマンドでのポリシー・ファイルのダンプとポリシー・ファイルの使用」を参照してください。

7.2.1 CFC環境のOracleAS Disaster Recovery構成に関する特別な考慮事項

プライマリ・トポロジまたはスタンバイ・トポロジ、またはその両方でCFCを使用するOracleAS Disaster Recovery構成では、asgctlのclone、instantiate topology、switchover topology、failoverコマンドを実行する前に次の情報について考慮する必要があります。メタデータ・リポジトリ・データベースのコールド・バックアップまたはリストアの前に、OracleAS Recovery Managerはまずデータベースを停止します。

たとえば、Windows CFC環境では、Oracle Fail Safeがデータベース・ポーリングを実行し、データベースが停止すると再起動します。したがって、管理者は、クローニング、インスタンス化、スイッチオーバー、またはフェイルオーバーの操作を実行する前にOracle Fail Safeのデータベース・ポーリングを無効にする必要があります。そして、バックアップやリストアの操作後(クローニング、インスタンス化、スイッチオーバー、またはフェイルオーバー操作の完了後)に再度有効にします。この一連の操作を実行する手順は、第7.2.1.1項「CFC環境でインスタンス化およびフェイルオーバー操作を実行するときの特別な考慮事項」および第7.2.1.3項「CFC環境でスイッチオーバー操作を実行するときの特別な考慮事項」の「注意」に記載されています。

7.2.1.1 CFC環境でインスタンス化およびフェイルオーバー操作を実行するときの特別な考慮事項

プライマリ・トポロジまたはスタンバイ・トポロジ、またはその両方でCFCを使用するOracleAS Disaster Recovery構成では、asgctlのclone、instantiate、switchover、またはfailover操作を実行する前に次の情報について考慮する必要があります。

メタデータ・リポジトリ・データベースのコールド・バックアップまたはリストアの前に、OracleAS Recovery Managerはまずデータベースを停止します。

たとえば、Windows CFC環境では、Oracle Fail Safeがデータベース・ポーリングを実行し、データベースが停止すると再起動します。したがって、管理者は、インスタンス化、スイッチオーバー、またはフェイルオーバーの操作を実行する前にOracle Fail Safeのデータベース・ポーリングを無効にする必要があります。そして、バックアップやリストアの操作後(クローニング、インスタンス化、スイッチオーバー、またはフェイルオーバー操作の完了後)に再度有効にします。

この一連の操作を実行する手順は次のとおりです。

  1. Microsoftクラスタ アドミニストレータを使用して、Application Serverのリソースを含むクラスタ・グループを開きます。Oracle Process Manager、Oracle Database、Oracle Listenerの順序で、リソースをオフラインにします。

  2. Windowsの「コントロール パネル」の「サービス」を使用して、Fail Safe Listener、Oracle Databaseの順に、サービスを開始します。

  3. Windowsのコマンド・プロンプトで、sqlplusコマンドライン・ユーティリティを使用してデータベースを起動します。

  4. Windowsの「コントロール パネル」の「サービス」を使用して、Oracle Process Managerを開始します。

  5. clone、instantiate、switchover、failoverなどのasgctlコマンドを実行します。

  6. Microsoftクラスタ アドミニストレータを使用して、Application Serverのリソースが含まれるクラスタ・グループを起動し、Oracle Listener、Oracle Database、Oracle Process Managerの順序でリソースを開始します。

7.2.1.2 CFC環境でインスタンス化操作を実行するときの特別な考慮事項と回避方法

インスタンス化操作を実行するとき、OracleAS Guardでは本番サイトとスタンバイ・サイトの両方でtnsnames.oraファイルにリモート・データベースのエントリを追加します。このエントリのサービス名は、データベースのサービス名に_REMOTE1を付けた名前になります(たとえば、ORCL_REMOTE1)。エントリには、データベースが実行されているターゲット・ホストのIPアドレスが含まれます。本番サイトのIPはスタンバイ・システムを参照し、スタンバイ・サイトのIPは本番システムを参照します。

CFC環境では、物理IPではなく仮想IPを使用してデータベースにアクセスします。OracleAS Guardでtnsnames.oraエントリを作成するときに、仮想IPを使用する必要がありますが、実際は物理IPを使用してしまいます。この問題は、OracleAS Guardの今後のリリースで修正する予定です。対処方法として、この環境でインスタンス化操作を実行する際は、インスタンス化操作の後にtnsnames.oraファイルを編集して、エントリの物理IPをデータベースのアクセスに使用する仮想IPに置き換えます。

7.2.1.3 CFC環境でスイッチオーバー操作を実行するときの特別な考慮事項

プライマリ・トポロジまたはスタンバイ・トポロジ、またはその両方でCFCを使用するOracleAS Disaster Recovery構成では、asgctlのinstantiate topology、switchover topology、またはfailoverコマンドを実行する前に次の情報について考慮する必要があります。

メタデータ・リポジトリ・データベースのコールド・バックアップまたはリストアの前に、OracleAS Recovery Managerはまずデータベースを停止します。

たとえば、Windows CFC環境では、Oracle Fail Safeがデータベース・ポーリングを実行し、データベースが停止すると再起動します。したがって、管理者は、インスタンス化、スイッチオーバー、またはフェイルオーバーの操作を実行する前にOracle Fail Safeのデータベース・ポーリングを無効にする必要があります。そして、バックアップやリストアの操作後(インスタンス化、スイッチオーバー、またはフェイルオーバー操作の完了後)に再度有効にします。

この一連の操作を実行する手順は次のとおりです。

  1. Microsoftクラスタ アドミニストレータを使用して、Application Serverのリソースを含むクラスタ・グループを開きます。Oracle Process Manager、Oracle Database、Oracle Listenerの順序で、リソースをオフラインにします。

  2. Windowsの「コントロール パネル」の「サービス」を使用して、Fail Safe Listener、Oracle Databaseの順に、サービスを開始します。

  3. Windowsのコマンド・プロンプトで、sqlplusを使用してデータベースを起動します。

  4. instantiate topologyswitchover topologyfailoverなどのasgctlコマンドを実行します。

  5. Microsoftクラスタ アドミニストレータを使用して、Application Serverのリソースが含まれるクラスタ・グループを起動し、Oracle Listener、Oracle Database、Oracle Process Managerの順序でリソースを開始します。

7.2.2 OracleAS Disaster Recovery環境における他の特別な考慮事項

OracleAS Disaster Recovery環境についての特別な考慮事項の詳細は、第6.18項「いくつかのOracleAS Metadata Repository構成の特別な考慮事項」および第6.19項「OracleAS Disaster Recovery環境の特別な考慮事項」を参照してください。


add instance

指定されているインスタンス名と、このインスタンスがインストールされているホスト・システムの名前をローカル・トポロジ・ファイルに追加し、指定に応じて、更新済トポロジ・ファイルをDisaster Recovery本番環境のインスタンスすべてに伝播します。

書式

add instance <instance_name> on <instance_host> [to topology]

パラメータ

instance_name

トポロジ・ファイルに追加されるインスタンスの名前。

instance_host

このインスタンスがインストールされているホストの名前。DR環境では、このホストに別名または仮想ホスト名がある場合、トポロジ・ファイルにはこの値が格納されるため、仮想ホスト名を使用する必要があります。

to topology

キーワード。コマンドラインにこのキーワードを指定した場合、更新されたトポロジ・ファイルをDisaster Recovery本番環境のインスタンスすべてに伝播するようにOracleAS Guardを指定します。検証、インスタンス化、同期化、およびスイッチオーバーなど、スタンバイ・サイトに影響を与えるOracleAS Guard操作を実行すると、スタンバイ環境全体に本番トポロジ・ファイルが自動的に伝播されます。

使用方法

このコマンドは、OracleAS Guardクライアントが接続されているOracleAS Guardサーバー上のインスタンスの管理に役立ちます。たとえば、このローカル・ホスト・システム上のインスタンスに問題があるために、remove instanceコマンドを使用して、ローカル・トポロジ・ファイルから、またはトポロジ内部のすべてのトポロジ・ファイルから、そのインスタンスを削除する場合があります。そこで、ローカル・トポロジ・ファイルまたはトポロジ内のトポロジ・ファイルすべてに、適切なインスタンスを追加することにします。この場合、asgctlコマンドを起動してトポロジ全体に対して実行したとき、ポリシー・ファイルではこのインスタンスについて成功要件属性がIgnoreに設定された可能性があるため、そのポリシー・ファイルは不適切なインスタンスの管理に使用するには好ましくないことがあります。

このコマンドは、OIDが利用できないDisaster Recoveryファーム、つまりOracleAS 10gリリース3(10.1.3)のみのトポロジの管理に特に役立ちます。このファーム内の各インスタンスにトポロジ・ファイルを最初に作成するには、discover topology within farmコマンドを使用する必要があります。その後、add instanceおよびremove instanceコマンドを使用して、ローカル・トポロジ・ファイルで個別のインスタンスを追加または削除することで、インスタンスを管理できるようになります。to topologyまたはfrom topologyキーワードを指定した場合、更新済のローカル・トポロジ・ファイルの変更がDisaster Recovery環境におけるインスタンスすべてに伝播します。トポロジ・ファイルの詳細は、第7.2項「OracleAS Guardコマンドの一部に特有の情報」を参照してください。

このコマンドは、OracleAS 10.1.3 J2EEインスタンスをOIDベースの10.1.2.0.2トポロジに追加して、バージョンが混在したDisaster Recovery環境をサポートする場合に役立ちます。たとえば、add instanceコマンドを使用して、OracleAS 10.1.3 J2EEインスタンスをOIDベースの10.1.2.0.2トポロジに追加できます。ユースケースについては、第6.9項「既存のOracle Identity Management 10.1.2.0.2トポロジと統合されている冗長な単一のOracleAS 10.1.3ホームJ2EEトポロジでのOracleAS 10.1.3インスタンスの追加または削除」を参照してください。トポロジ・ファイルの詳細は、第7.2項「OracleAS Guardコマンドの一部に特有の情報」を参照してください。

またこのコマンドは、リリース9.0.4からリリース10.1.3までの任意のOracleASリリースに対して、バージョンが混在したトポロジをサポートするためにも役立ちます。唯一の要件は、リリース10.1.3のOracleAS Guardスタンドアロン・キットが、リリース9.0.4のDisaster Recovery環境におけるすべてのシステムにインストールされていることです。詳細は、第9章「OracleAS Disaster Recoveryサイトのアップグレード手順」を参照してください。

次の例では、prodinfraというローカル・ホスト・システムにインストールされているoc4j1というインスタンスを、ローカル・トポロジ・ファイルのみに追加します。

ASGCTL> connect asg prodinfra ias_admin/adminpwd
Successfully connected to prodinfra:7890
ASGCTL> discover topology within farm
ASGCTL> add instance oc4j1 on prodinfra


asgctl

オペレーティング・システムのコマンドライン・プロンプトからOracleAS Guardクライアントを起動します。スクリプトのパス名が指定された場合はスクリプトを実行します。

書式

asgctl@[filename]

パラメータ

filename = <file-path>

スクリプトとして実行するasgctlコマンドを含んだファイルへのパス。

使用方法

UNIXシステムでは、asgctl.sh<ORACLE_HOME>/dsa/binにあり、Windowsシステムでは、asgctl.bat<ORACLE_HOME>¥dsa¥binにあります。

> asgctl.sh
Application Server Guard: Release 10.1.3.0.0

(c) Copyright 2004, 2005 Oracle Corporation. All rights reserved
ASGCTL> 


clone instance

単一の本番インスタンスをスタンバイ・システムにクローニングします。

書式

clone instance <instance> to <standby_topology_host> [no standby]

パラメータ

instance

インスタンス名。

standby_topology_host

インスタンスのクローニング先となるスタンバイ・トポロジのホストの名前。

no standby

キーワード。コマンドラインにこのキーワードを指定した場合、Disaster Recovery内にインスタンスを設定することなく(Data Guardなし)、インスタンスをクローニングするようにOracleAS Guardを指定します。MRホームでのみ、インスタンス化操作が通常行われますが、この場合は実行されません。

使用方法

このコマンドは、中間層の本番インスタンスをスタンバイ中間層のホスト・システムにクローニングする際に有用です。インスタンスのクローニング操作により、Oracleインスタンスをスタンバイ中間層システムにインストールしてインスタンス化操作を実行する手間が省けます。

クローニングする本番インスタンスは、スタンバイ・システムに存在してはなりません。

スタンバイ・サイト・システムにインスタンスのクローニング操作を実行するための要件は、次のとおりです。

コマンドラインにno standbyキーワードが指定されている場合、エントリ<nodes list = "nodes"/>、<discover list = "nodes"/>、および<gateway list = "nodes"/>を含むトポロジ・エントリ(<topology> </topology>)は、元の構成と競合しないように、opmn.xmlファイルから削除されます。通常、このトポロジ・エントリはスイッチオーバー操作またはフェイルオーバー操作によってopmn.xmlファイルにリライトされますが、どちらの操作も発生しないため、スタンバイ・サイトのopmn.xmlファイルにはこの情報が記述されません。

詳細は、第6.10項「OracleAS Guard操作: スタンバイ・システムへの1つ以上の本番インスタンスのスタンバイ・サイト・クローニング」を参照してください。

クローニングの基本手順は、次のクローニング前(UNIXシステムの場合のみ)およびクローニング中の各手順から構成されています。


注意

WindowsシステムのOracleAS Disaster Recovery 10gリリース2(10.1.2.0.2)については、OracleAS 10gリリース2(10.1.2.0.2)ドキュメント・セットの『Oracle Application Server高可用性ガイド』の同じ項に記載されている、クローニング前とクローニング後の手順を参照してください。 


クローニング前の手順(UNIXシステムの場合のみ)

本番サイトとスタンバイ・サイトの各インスタンスで、次の手順を実行します。

  1. su - rootでログインします。

  2. インスタンス・ホームへ移動します。

  3. OracleAS Guardサーバーを停止します。

    > <ORACLE HOME>/opmn/bin/opmnctl stopproc ias-component=ASG
    
    
  4. <ORACLE_HOME>/dsa/bin内のdsaServer.shをすべてのユーザーが実行できることを確認します。実行できない場合は、現在の実行権限を書き留めてから、次のコマンドを実行して実行権限を変更します。

    chmod +x dsaServer.sh
    chmod u+x asgexec
    
    
  5. asgctlを起動し、startupコマンドを実行します。

    > asgctl.sh startup
    
    
  6. UNIXシステムのrootをログアウトします。

クローニング中の手順

本番サイトのインスタンスで、次の手順を実行します。

  1. ユーザー(UNIXシステムのroot以外のユーザー)としてログインします。

  2. 本番インスタンスのホームへ移動します。

  3. asgctlを起動してからclone instanceコマンドを実行して、インスタンスをスタンバイ・トポロジのホスト・システムにクローニングします。


    注意

    コマンド出力には、多数の接続メッセージが表示されます。これは、これらの操作中にOracleAS Guardサーバーがリサイクルされるために発生する正常な動作です。 


  4. システムからログアウトします。


    注意

    UNIXシステムでは、OracleAS Guardがrootとして実行されていない場合、操作を続行するには、各インスタンス・ホームの基本的な操作をrootとして(手動で)実行する必要があることがOracleAS Guardクライアントによって示されます。  


この最後の手順でインスタンスのクローニング操作が完了し、システムがクローニング操作開始前の状態に戻ります。この時点で、asgctlを起動してから本番システムに接続して、トポロジを検出できます。その後、検証操作を実行して、本番トポロジとスタンバイ・トポロジが有効で一致しているかどうかを調べられます。

次の例では、portal_2という名前のインスタンスがasmid2という名前のスタンバイ・トポロジのホスト・システムにクローニングされます。

1. Check the prerequisites as described in the Usage Notes.
2. Perform the Pre-Clone steps as described in the Usage Notes.
3. Perform the Clone steps as described in the Usage Notes.
   a. Log in as user to any production system.
   b. CD to any production instance home.
   c. Invoke asgctl and perform the clone instance command.
> asgctl.sh
Application Server Guard: Release 10.1.3.0.0

(c) Copyright 2004, 2005 Oracle Corporation. All rights reserved
ASGCTL> connect asg prodoc4j oc4jadmin/adminpwd
Successfully connected to prodoc4j:7890
ASGCTL> set primary database sys/testpwd@asdb
Checking connection to database asdb
ASGCTL> clone instance prodoc4j2 to asmid2
Generating default policy for this operation
.
.
.
ASGCTL> disconnect
ASGCTL> exit
>
   d. Log off the system


clone topology

複数の本番の中間層インスタンスをスタンバイの中間層システムにクローニングします。

書式

clone topology to <standby_topology_host> [using policy <file>] [no standby]

パラメータ

standby_topology_host

スタンバイ・トポロジ・ホスト・システムの名前。

using policy <file>

XMLポリシー・ファイルのフル・パスとファイル名による指定。

no standby

キーワード。コマンドラインにこのキーワードを指定した場合、Disaster Recovery内にインスタンスを設定することなく(Data Guardなし)、インスタンスをクローニングするようにOracleAS Guardを指定します。MRホームでのみ、インスタンス化操作が通常行われますが、この場合は実行されません。

使用方法

このコマンドは、中間層システムの複数の本番インスタンスをスタンバイ中間層のホスト・システムにクローニングする際に有用です。トポロジのクローニング操作により、Oracleインスタンスをスタンバイ中間層システムにインストールしてインスタンス化操作を実行する手間が省けます。

トポロジのクローニング操作の一部として、インスタンスをクローニングしてOracleAS Metadata Repositoryをインスタンス化しますが、OracleAS Metadata Repository Creation Assistantを使用して作成されたOracleAS Metadata Repository構成では、インスタンス化操作は実行しません。

クローニングする本番インスタンスは、スタンバイ・システムに存在してはなりません。

スタンバイ・サイト・システムにトポロジのクローニング操作を実行するための要件は、次のとおりです。

コマンドラインにno standbyキーワードが指定されている場合、エントリ<nodes list = "nodes"/>、<discover list = "nodes"/>、および<gateway list = "nodes"/>を含むトポロジ・エントリ(<topology> </topology>)は、元の構成と競合しないように、opmn.xmlファイルから削除されます。通常、このトポロジ・エントリはスイッチオーバー操作またはフェイルオーバー操作によってopmn.xmlファイルにリライトされますが、どちらの操作も発生しないため、スタンバイ・サイトのopmn.xmlファイルにはこの情報が記述されません。

詳細は、第6.10項「OracleAS Guard操作: スタンバイ・システムへの1つ以上の本番インスタンスのスタンバイ・サイト・クローニング」を参照してください。

クローニングの基本手順は、次のクローニング前(UNIXシステムの場合のみ)およびクローニング中の各手順から構成されています。


注意

WindowsシステムのOracleAS Disaster Recovery 10gリリース2(10.1.2.0.2)については、OracleAS 10gリリース2(10.1.2.0.2)ドキュメント・セットの『Oracle Application Server高可用性ガイド』の同じ項に記載されている、クローニング前とクローニング後の手順を参照してください。  


クローニング前の手順(UNIXシステムの場合のみ)

本番サイトとスタンバイ・サイトの各インスタンスで、次の手順を実行します。

  1. su - rootでログインします。

  2. インスタンス・ホームへ移動します。

  3. OracleAS Guardサーバーを停止します。

    > <ORACLE HOME>/opmn/bin/opmnctl stopproc ias-component=ASG
    
    
  4. UNIXシステムの場合のみ: <ORACLE_HOME>/dsa/bindsaServer.shをすべてのユーザーが実行できることを確認します。実行できない場合は、現在の実行権限を書き留めてから、次のコマンドを実行して実行権限を変更します。

    chmod +x dsaServer.sh
    chmod u+x asgexec
    
    
  5. asgctlを起動し、startupコマンドを実行します。

    > asgctl.sh startup
    
    
  6. UNIXシステムのrootをログアウトします。

クローニング中の手順

本番サイトのインスタンスで、次の手順を実行します。

  1. ユーザー(UNIXシステムのroot以外のユーザー)としてログインします。

  2. 本番インスタンスのホームへ移動します。

  3. asgctlを起動してからclone topologyコマンドを実行して、トポロジをスタンバイ・トポロジのホスト・システムにクローニングします。


    注意

    コマンド出力には、多数の接続メッセージが表示されます。これは、これらの操作中にOracleAS Guardサーバーがリサイクルされるために発生する正常な動作です。 


  4. システムからログアウトします。


    注意

    UNIXシステムでは、OracleAS Guardがrootとして実行されていない場合、操作を続行するには、各インスタンス・ホームの基本的な操作をrootとして(手動で)実行する必要があることがOracleAS Guardクライアントによって示されます。  


この最後の手順でトポロジのクローニング操作が完了し、システムがクローニング操作開始前の状態に戻ります。この時点で、asgctlを起動してから本番システムに接続して、トポロジを検出できます。その後、検証操作を実行して、本番トポロジとスタンバイ・トポロジが有効で一致しているかどうかを調べられます。

詳細は、第7.1項「OracleAS Guard asgctlコマンドに共通な情報」および第7.2項「OracleAS Guardコマンドの一部に特有の情報」を参照してください。

次のコマンドは、OracleAS Guardクライアントでトポロジをスタンバイ・トポロジ・ホスト・システムstandbyinfraにクローニングする例を示しています。

1. Check the prerequisites as described in the Usage Notes.
2. Perform the Pre-Clone steps as described in the Usage Notes.
3. Perform the Clone steps as described in the Usage Notes.
   a. Log in as user to any production system.
   b. CD to any production instance Oracle home.
   c. Invoke asgctl and perform the clone instance command.
> asgctl.sh
Application Server Guard: Release 10.1.3.0.0

(c) Copyright 2004, 2005 Oracle Corporation. All rights reserved
ASGCTL> connect asg prodoc4j oc4jadmin/adminpwd
Successfully connected to prodoc4j:7890
ASGCTL> set primary database sys/testpwd@asdb
Checking connection to database asdb
ASGCTL> clone topology to standbyinfra
Generating default policy for this operation
.
.
.

# Command to use if you are using a policy file
# clone topology to standbyinfra using policy <file>
.
.
.
ASGCTL> disconnect
ASGCTL> exit
>
   d. Log off the system


connect asg

Oracle Application Serverサービスが実行されているシステムのOracleAS GuardサーバーにOracleAS Guardクライアントを接続します。

書式

connect asg [<host-name>[:<port>]] <ias_administrative_account>/<password>

パラメータ

host-name = <host-name>

OracleAS Guardクライアントを接続するOracleAS Guardサーバーのホスト・システムの名前。このOracleAS Guardサーバーは、構成している各システムで実行されるすべての操作の調整サーバーになります。OracleAS GuardクライアントとOracleAS Guardサーバーが同じノードに存在する場合は、ホスト名の指定は省略可能です。

port

Oracleホーム内のOracleAS Guardサーバーのポート番号。

<ias_administrative_account>/password

OracleAS 10.1.3インストールの場合、ユーザー名はoc4jadminを使用し、このoc4jadminアカウントのパスワードはOracle Application Serverのインストール時に作成されたものを使用する必要があります。OracleAS 10.1.2.0.2以前のインストールの場合、ユーザー名はias_adminを使用し、このias_adminアカウントのパスワードはOracle Application Serverのインストール時に作成されたものを使用する必要があります。


注意

OracleAS 10.1.3インストールの場合、ユーザー名はoc4jadminを使用し、このoc4jadminアカウントのパスワードはOracle Application Server 10.1.3のインストール時に作成されたものを使用する必要があります。 


使用方法

次のコマンドは、OracleAS Guardクライアントがprodinfraというホストで実行されているOracleAS Guardサーバーに、ユーザー名ias_admin、パスワードadminpwdを使用して接続する例を示しています。

ASGCTL> connect asg prodinfra ias_admin/adminpwd
Successfully connected to prodinfra:7890


create standby database

スタンバイ・データベースをリモート・ホスト・システムに作成します。

書式

create standby database <database_name> on <remote_host>

パラメータ

database_name

リモート・ホスト・システムでのスタンバイ・データベースの作成に使用する、プライマリ・データベースの一意な名前。

remote_host

スタンバイ・データベースを作成するホスト・システムの名前。

使用方法

次の例では、プライマリ・データベースにorclという一意の名前を使用し、asmid1という名前のリモート・ホスト・システムにスタンバイ・データベースを作成します。

ASGCTL> create standby database orcl on asmid1 


disconnect

OracleAS Guardクライアントを、現在接続しているOracleAS Guardサーバーから切断します。

書式

disconnect

使用方法

このコマンドを実行する場合は、OracleAS GuardクライアントがOracleAS Guardサーバーに接続されている必要があります。

次のコマンドは、OracleAS Guardクライアントを、現在接続しているOracleAS Guardサーバーから切断する例を示しています。

ASGCTL> disconnect
ASGCTL>


discover topology

asgctlにOracle Internet Directoryを問い合せるように指定し、本番サイトの同じOracle Internet Directoryを共有するトポロジ内のすべてのインスタンスを確認して、トポロジについて記述するトポロジXMLファイルを生成します。

書式

discover topology [oidhost=<host>] [oidsslport=<sslport>] [oiduser=<user>] oidpassword=<pass>

パラメータ

host

Oracle Internet Directoryがインストールされているホスト・システムの名前。

sslport

Oracle Internet DirectoryとSSLがインストールされているホスト・システムのポート番号。

user

Oracle Internet Directoryユーザー名。

pass

指定したOracle Internet Directoryユーザー名のパスワード。

使用方法

本番サイトで別のOracleホームを取得するときや、スイッチオーバーやフェイルオーバー操作で本番サイトからスタンバイ・サイトに役割を変更するときに、トポロジの検出操作を実行する必要があります。

トポロジの検出により、OracleAS Guardのすべての操作が実行されるトポロジが作成されます(topology.xmlに保存されます)。このコマンドは、Oracle Internet Directoryの情報を使用して、トポロジに含まれるインスタンスを定義します。さらに、各インスタンスについてのローカルの情報を収集します。そのため、すべての本番サイトのインスタンスでOPMNが実行されている必要があります。DCMファームを使用して管理されてないインスタンスの場合、OracleホームのOracleAS Guardサービスを起動する必要があります。ローカルでサービスが起動されていない場合、警告が発せられ、topology.xmlファイルには検出されたインスタンスしか含まれなくなります。

詳細は、第7.1項「OracleAS Guard asgctlコマンドに共通な情報」および第7.2項「OracleAS Guardコマンドの一部に特有の情報」を参照してください。

次のコマンドは、本番サイトの同じOracle Internet Directoryを共有するトポロジ内のすべてのインスタンスを検出し、トポロジについて記述するトポロジXMLファイルを生成する例を示しています。

ASGCTL> connect asg prodinfra ias_admin/adminpwd
Successfully connected to prodinfra:7890
ASGCTL> discover topology oidpassword=oidpwd
Discovering topology on host "infra" with IP address "123.1.2.111" prodinfra:7890
    Connecting to the OID server on host "infra.us.oracle.com" using SSL port "636" and 
username "orcladmin"
    Getting the list of databases from OID
    Gathering database information for SID "asdb" from host "infra.us.oracle.com"
    Getting the list of instances from OID
    Gathering instance information for "asr1012.infra.us.oracle.com" from host 
"infra.us.oracle.com"
    Gathering instance information for "asmid1.asmid1.us.oracle.com" from host 
"asmid1.us.oracle.com"
    Gathering instance information for "asmid2.asmid2.us.oracle.com" from host 
"asmid2.us.oracle.com"
The topology has been discovered. A topology.xml file has been written to each home in 
the topology.
ASGCTL> 


discover topology within farm

ファームで使用可能なOracle Internet Directoryがないという特殊なケースでは、本番サイトのファーム内でトポロジを検出するようにasgctlに指定します。


注意

サイトのトポロジを検出する場合は、必ずdiscover topologyコマンドを使用する必要があります。このコマンドはOracle Internet Directoryを使用してトポロジのすべてのインスタンスを検出するためです。Oracle Internet Directoryが使用できないような特殊なケースでのみ、discover topology within farmコマンドが有用です。この場合、OracleAS GuardはOPMNを使用して、ファーム内のトポロジを検出します。 


書式

discover topology within farm

パラメータ

なし。

使用方法

このコマンドを実行する場合は、OracleAS GuardクライアントがOracleAS Guardサーバーに接続されている必要があります。

トポロジ・ファイルの詳細は、第7.2項「OracleAS Guardコマンドの一部に特有の情報」を参照してください。

次のコマンドは、Oracle Internet Directoryが使用できない特殊なケースで、OPMNを使用してOracleAS Guardクライアントが現在接続しているOracleAS Guardサーバーのファーム内のアプリケーション・サーバーのトポロジを検出する例を示しています。

ASGCTL> connect asg prodinfra ias_admin/adminpwd
Successfully connected to prodinfra:7890
ASGCTL> set primary database sys/testpwd@asdb
Checking connection to database asdb
ASGCTL> discover topology within farm
Warning: If OID is part of your environment, you should use it for discovery
Discovering topology on host "infra" with IP address "123.1.2.111"
prodinfra:7890
    Discovering instances within the topology using OPMN
    Gathering instance information for "asr1012.infra.us.oracle.com" from host 
"infra.us.oracle.com"
The topology has been discovered. A topology.xml file has been written to each home in 
the topology.
ASGCTL> 


dump policies

asgctlの各種コマンドの詳細なデフォルト・ポリシー情報をXML形式出力で一連のポリシー・ファイルに書き込むようにOracleAS Guardサーバーに指定します。ポリシー・ファイルは、UNIXシステムの場合<ORACLE_HOME>/dsa/confディレクトリ、Windowsシステムの場合<ORACLE_HOME>¥dsa¥confディレクトリのローカル・ホストにあります。

書式

dump policies

パラメータ

なし。

使用方法

clone topology、dump topology、failover、instantiate topology、sync topology、switchover topology、およびverify topologyの各asgctlコマンドに対して、XML形式のポリシー・ファイルが書き込まれます。それぞれのコマンドのポリシー・ファイルを編集して、当該のコマンドに対してusing policy <file>句でこれを指定できます。このパラメータにより、OracleAS Guardの各操作に対してトポロジの障害時リカバリ・ポリシーを定義できます。

ダンプのポリシー・ファイルでは、デフォルトで成功要件属性はすべてのインスタンス(中間層およびOracleAS Metadata Repository)でオプションに設定されています。

フェイルオーバーのポリシー・ファイルでは、デフォルトで成功要件属性はすべてのインスタンス(中間層およびOracleAS Metadata Repository)でオプションに設定され、Oracle Internet Directoryホームでは必須に設定されています。

インスタンス化のポリシー・ファイルでは、デフォルトで成功要件属性はすべてのインスタンスで必須に設定されています。

スイッチオーバー・ポリシー・ファイルでは、デフォルトで成功要件属性はすべてのインスタンス(中間層およびOracleAS Metadata Repository)でオプションに設定され、Oracle Internet Directoryホームでは必須に設定されています。

同期化のポリシー・ファイルでは、デフォルトで成功要件属性はすべてのインスタンスで必須に設定されています。

検証のポリシー・ファイルでは、デフォルトで成功要件属性はすべてのインスタンス(中間層およびOracleAS Metadata Repository)でオプションに設定され、Oracle Internet Directoryホームでは必須に設定されています。

次の例では、asgctlの各種コマンドの詳細なデフォルト・ポリシー情報をXML形式出力でローカル・ホストにある一連の各ポリシー・ファイルに書き込みます。

ASGCTL> dump policies
Generating default policy for this operation
Creating policy files on local host in directory "/private1/OraHome2/asr1012/dsa/conf/"
ASGCTL> 


dump topology

asgctlに、トポロジに関する詳細な情報を、指定したファイルに書き込むように指示します。

書式

dump topology [to <file>] [using policy <file>]

パラメータ

to <file>

詳細情報の出力の書込み先である、OracleAS Guardクライアント・ノード内のファイルの名前。

using policy <file>

XMLポリシー・ファイルのフル・パスとファイル名による指定。

使用方法

ダンプのポリシー・ファイルでは、デフォルトで成功要件属性はすべてのOracleASホーム(中間層およびOracleAS Metadata Repository)でオプションに設定されています。

次の例では、トポロジに関する詳細情報をローカル・ファイルに書き込んでいます。

ASGCTL> connect asg prodinfra ias_admin/adminpwd
Successfully connected to prodinfra:7890
ASGCTL> set primary database sys/testpwd@asdb
Checking connection to database asdb
ASGCTL> dump topology to c:¥dump_mid_1.txt

Contents of file c:¥dump_mid_1.txt are:

Generating default policy for this operation
 
 Instance: asr1012.infra.us.oracle.com
    Type: Infrastructure
    Oracle Home Name: asr1012
    Oracle Home Path: /private1/OraHome
    Version: 10.1.2.0.2
    OidHost: infra.us.oracle.com
    OidPort: 389
    VirtualHost: infra.us.oracle.com
    Host: prodinfra
    Ip: 123.1.2.111
    Operation System Arch: sparc
    Operation System Version: 5.8
    Operation System Name: SunOS

 Instance: asmid2.asmid2.us.oracle.com
    Type: Core
    Oracle Home Name: asmid2
    Oracle Home Path: /private1/OraHome2
    Version: 10.1.2.0.2
    OidHost: infra.us.oracle.com
    OidPort: 389
    VirtualHost: asmid2.us.oracle.com
    Host: asmid2
    Ip: 123.1.2.333
    Operation System Arch: sparc
    Operation System Version: 5.8
    Operation System Name: SunOS
 
 Instance: asmid1.asmid1.us.oracle.com
    Type: Core
    Oracle Home Name: asmid1
    Oracle Home Path: /private1/OraHome
    Version: 10.1.2.0.2
    OidHost: infra.us.oracle.com
    OidPort: 389
    VirtualHost: asmid1.us.oracle.com
    Host: asmid1
    Ip: 123.1.2.334
    Operation System Arch: sparc
    Operation System Version: 5.8
    Operation System Name: SunOS
ASGCTL> 

次の例では、トポロジに関する詳細情報をローカル・ファイルに書き込んでいます。出力する必要のないインスタンスはポリシー・ファイルで指定できます。


# Command to use if you are using a policy file
ASGCTL> dump topology to c:¥dump_mid_1.txt using policy <file>


exit

OracleAS Guardサーバーとの既存の接続を切断し、OracleAS Guardクライアントを終了します。

書式

exit

パラメータ

なし。

使用方法

なし。

ASGCTL> exit
>

failover

本番サイトの計画外停止の間に、スタンバイ・サイトでフェイルオーバー操作を実行してこれを本番サイトにします。

書式

failover [using policy <file>]

パラメータ

using policy <file>

XMLポリシー・ファイルのフル・パスとファイル名による指定。

使用方法

フェイルオーバー操作を実行する前に、OracleAS Infrastructureデータベースがスタンバイ・トポロジで実行されていることを確認する必要があります。また、asgctlのset new primary databaseコマンドによって、OracleAS Infrastructureデータベースの情報が設定されている必要があります。

グローバルDNS名を使用してフェイルオーバーを実行することもできます。この場合、OracleAS Disaster Recovery環境で利用されている高可用性のネーミングと異なることになります。検出メカニズムが、ローカルの名前解決に従って自動的にトポロジを対応するピアにマップします。

フェイルオーバーのポリシー・ファイルでは、デフォルトで成功要件属性はすべてのOracleASホーム(中間層およびOracleAS Metadata Repository)でオプションに設定され、Oracle Internet Directoryホームでは必須に設定されています。

詳細は、第7.1項「OracleAS Guard asgctlコマンドに共通な情報」および第7.2項「OracleAS Guardコマンドの一部に特有の情報」を参照してください。

次の例では、スタンバイ・サイトにフェイルオーバー操作を実行しています。

ASGCTL> connect asg standbyinfra ias_admin/adminpwd
Successfully connected to standbyinfra:7890
ASGCTL> set new primary database sys/testpwd@asdb
ASGCTL> failover
Generating default policy for this operation
standbyinfra:7890
    Failover each instance in the topology from standby to primary topology
standbyinfra:7890 (home /private1/OraHome2/asr1012)
    Shutting down each instance in the topology
.
.
.
    Executing opmnctl startall command
standbyinfra:7890
     HA directory exists for instance asr1012.infra.us.oracle.com
asmid2:7890
     HA directory exists for instance asmid2.asmid2.us.oracle.com
asmid1:7890
     HA directory exists for instance asmid1.asmid1.us.oracle.com
ASGCTL>

# Command to use if you are using a policy file
# failover using policy <file>

help

ヘルプ情報を表示します。

書式

help [<command>]

パラメータ

command

ヘルプ情報を表示するコマンドの名前。

使用方法

なし。

次の例では、すべてのコマンドに関するヘルプ情報を表示しています。

ASGCTL> help
    connect asg [<host>] [<ias_administrator_account>/<password>]
disconnect
exit
quit
add instance <instance_name> on <instance_host> [to topology]
clone topology to <standby_topology_host> [using policy <file>] [no standby]
clone instance <instance> to <standby_topology_host> [no standby]
discover topology [oidhost=<host>] [oidsslport=<sslport>] [oiduser=<user>] oidpassword=<pass>
discover topology within farm
dump farm [to <file>] (Deprecated)
dump topology [to <file>] [using policy <file>]
dump policies
failover [using policy <file>]
help [<command>]
instantiate farm to <standby_farm_host> (Deprecated)
instantiate topology to <standby_topology_host> [using policy <file>]
remove instance <instance_name> [from topology]
set asg credentials <host> <ias_administrator_account>/<password> [for topology]
set asg credentials <host> ias_admin/<password> [for farm] (Deprecated)
set primary database <username>/<password>@<servicename> [pfile <filename> | spfile <filename>]
set new primary database <username>/<password>@<servicename> [pfile <filename> | spfile <filename>]
set noprompt
set trace on|off <traceflags>
sync farm to <standby_farm_host> [full | incr[emental]] (Deprecated)
sync topology to <standby_topology_host> [full | incr[emental]] [using policy <file>]
startup [asg]
startup farm (Deprecated)
startup topology
shutdown [local]
shutdown farm (Deprecated)
shutdown topology
show op[eration] [full] [[his]tory]
show env
stop op[eration] <op#>
switchover farm to <standby_farm_host> (Deprecated)
switchover topology to <standby_topology_host> [using policy <file>]
verify farm [with <host>](Deprecated)
verify topology [with <host>] [using policy <file>]
ASGCTL>


instantiate topology

スタンバイ・インスタンスと本番インスタンス間の関係を確立し、構成をミラー化して、スタンバイInfrastructureを作成した後、スタンバイ・サイトをプライマリ・サイトに同期化して、トポロジをスタンバイ・サイトにインスタンス化します。

書式

instantiate topology to <standby_topology_host>[:<port>] [with cloning] [using policy <file>]

パラメータ

standby_topology_host

スタンバイ・ホスト・システムの名前。このパラメータは、OracleAS Guard調整サーバー・インスタンスを指定して、スタンバイ・サイトを構成するインスタンスを検出するために必要です。ホスト・システムは、スタンバイ・トポロジのメンバーである必要があります。

port

Oracleホーム内のOracleAS Guardサーバーのポート番号。

with cloning

クローニングを使用してインスタンス化操作を実行するためのディレクティブ。

using policy <file>

XMLポリシー・ファイルのフル・パスとファイル名による指定。

使用方法

トポロジのインスタンス化操作を実行する前に、OracleAS Infrastructureデータベースがプライマリ・トポロジで実行されていることを確認する必要があります。また、asgctlのset primary databaseコマンドによって、OracleAS Infrastructureデータベースの情報が設定されている必要があります。

グローバルDNS名を使用してインスタンス化を実行することもできます。この場合、OracleAS Disaster Recovery環境で利用されている高可用性のネーミングと異なることになります。検出メカニズムが、ローカルの名前解決に従って自動的にトポロジを対応するピアにマップします。

インスタンス化操作により、暗黙の検証操作が実行されます。

インスタンス化のポリシー・ファイルでは、デフォルトで成功要件属性はすべてのインスタンスで必須に設定されています。

詳細は、第7.1項「OracleAS Guard asgctlコマンドに共通な情報」および第7.2項「OracleAS Guardコマンドの一部に特有の情報」を参照してください。

次の例では、スタンバイ・トポロジをインスタンス化しています。具体的には、OracleAS Guard調整サーバーへの接続、本番サイトとスタンバイ・サイトのトポロジの検出、およびサイトの検証を行い、DNS名がstandbyinfraのスタンバイ・トポロジ・ホストを含むトポロジにOracleAS Disaster Recovery環境を確立しています。操作の途中で、データベースを停止するかどうかについて質問されます。返答として、yまたは yesを入力します。

ASGCTL> connect asg prodinfra ias_admin/adminpwd
Successfully connected to prodinfra:7890
ASGCTL> set primary database sys/testpwd@asdb
Checking connection to database asdb
ASGCTL> instantiate topology to standbyinfra
Generating default policy for this operation
prodinfra:7890
Instantiating each instance in the topology to standby topology
HA directory exists for instance asr1012.infra.us.oracle.com
asmid2:7890
HA directory exists for instance asmid2.asmid2.us.oracle.com
asmid1:7890
HA directory exists for instance asmid1.asmid1.us.oracle.com
standbyinfra:7890
HA directory exists for instance asr1012.infra.us.oracle.com
asmid2:7890
HA directory exists for instance asmid2.asmid2.us.oracle.com
asmid1:7890
HA directory exists for instance asmid1.asmid1.us.oracle.com
asmid2:7890
Verifying that the topology is symmetrical in both primary and standby configuration
.
.
.
This operation requires the database to be shutdown. Do you want to continue? Yes or No
y
.
.
.
asmid2:7890 (home /private1/oracle/asr1012)
Starting backup/synchronization of database "orcl.us.oracle.com"
Starting restore/synchronization of database "orcl.us.oracle.com"
Synchronizing topology completed successfully
asmid2:7890
Synchronizing topology completed successfully

ASGCTL>

# Command to use if you are using a policy file
# instantiate topology to standbyinfra using policy <file>


quit

OracleAS Guardクライアントに、既存の接続を切断し、asgctlを終了することを指示します。

書式

quit

パラメータ

なし。

使用方法

なし。

次の例では、asgctlを終了しています。

ASGCTL> quit
>


remove instance

指定されたインスタンス名をローカル・トポロジ・ファイルから削除し、指定に応じて、この更新されたトポロジ・ファイルをDisaster Recovery本番環境のインスタンスすべてに伝播します。

書式

remove instance <instance_name> [from topology]

パラメータ

instance_name

トポロジ・ファイルから削除されるインスタンスの名前。

from topology

キーワード。コマンドラインにこのキーワードを指定した場合、更新されたトポロジ・ファイルをDisaster Recovery本番環境のインスタンスすべてに伝播するようにOracleAS Guardを指定します。検証、インスタンス化、同期化、およびスイッチオーバーなど、スタンバイ・サイトに影響を与えるOracleAS Guard操作を実行すると、スタンバイ環境全体に本番トポロジ・ファイルが自動的に伝播されます。

使用方法

このコマンドは、OracleAS Guardクライアントが接続されているOracleAS Guardサーバー上のインスタンスの管理に役立ちます。たとえば、このローカル・ホスト・システム上のインスタンスに問題があるために、remove instanceコマンドを使用して、ローカル・トポロジ・ファイルから、またはトポロジ内部のすべてのトポロジ・ファイルから、そのインスタンスを削除する場合があります。そこで、ローカル・トポロジ・ファイルまたはトポロジ内のトポロジ・ファイルすべてに、適切なインスタンスを追加することにします。この場合、asgctlコマンドを起動してトポロジ全体に対して実行したとき、ポリシー・ファイルではこのインスタンスについて成功要件属性がIgnoreに設定された可能性があるため、そのポリシー・ファイルは不適切なインスタンスの管理に使用するには好ましくないことがあります。

このコマンドは、OIDが利用できないDisaster Recoveryファーム、つまりOracleAS 10gリリース3(10.1.3)のみのトポロジの管理に特に役立ちます。このファーム内の各インスタンスにトポロジ・ファイルを最初に作成するには、discover topology within farmコマンドを使用する必要があります。その後、add instanceおよびremove instanceコマンドを使用して、ローカル・トポロジ・ファイルで個別のインスタンスを追加または削除することで、インスタンスを管理できるようになります。to topologyまたはfrom topologyキーワードを指定した場合、更新済のローカル・トポロジ・ファイルの変更がDisaster Recovery環境におけるインスタンスすべてに伝播します。トポロジ・ファイルの詳細は、第7.2項「OracleAS Guardコマンドの一部に特有の情報」を参照してください。

このコマンドは、OracleAS 10.1.3 J2EEインスタンスをOIDベースの10.1.2.0.2トポロジに追加して、バージョンが混在したDisaster Recovery環境をサポートする場合に役立ちます。たとえば、add instanceコマンドを使用して、OracleAS 10.1.3 J2EEインスタンスをOIDベースの10.1.2.0.2トポロジに追加できます。ユースケースについては、第6.9項「既存のOracle Identity Management 10.1.2.0.2トポロジと統合されている冗長な単一のOracleAS 10.1.3ホームJ2EEトポロジでのOracleAS 10.1.3インスタンスの追加または削除」を参照してください。トポロジ・ファイルの詳細は、第7.2項「OracleAS Guardコマンドの一部に特有の情報」を参照してください。

またこのコマンドは、リリース9.0.4からリリース10.1.3までの任意のOracleASリリースに対して、バージョンが混在したトポロジをサポートするためにも役立ちます。唯一の要件は、リリース10.1.3のOracleAS Guardスタンドアロン・キットが、リリース9.0.4のDisaster Recovery環境におけるすべてのシステムにインストールされていることです。詳細は、第9章「OracleAS Disaster Recoveryサイトのアップグレード手順」を参照してください。

次の例では、ローカル・トポロジ・ファイルからoc4j1というインスタンスを削除します。

ASGCTL> remove instance oc4j1


run

OracleAS Guardがインストールされている任意のホームにあるスクリプトまたはプログラムをリモートで実行します。runコマンドは、トポロジ内または指定したインスタンスで実行できます。

書式

run [at topology [using policy <file>]] <command>

run [at instance <instance_name>] <command>

パラメータ

at topology

キーワード。コマンドラインにこのキーワードを指定すると、run操作がトポロジ全体で実行されます。

using policy <file>

XMLポリシー・ファイルのフル・パスとファイル名による指定。

command

実行するスクリプトまたはバイナリ・プログラムのコマンド文字列としての名前。

at instance

キーワード。コマンドラインにこのキーワードを指定すると、run操作が指定したインスタンスで実行されます。

instance_name

runコマンドを実行するインスタンスの名前。

使用方法

このコマンドは、OracleAS Guardがインストールされている任意のOracleホームにあるスクリプトまたはプログラムをリモートで実行する場合に役立ちます。このスクリプトおよびプログラムは、トポロジ内、または指定した実行場所であるインスタンスの各Oracleホームに物理的に存在している必要があります。asgctlユーザーは、asgctlのrunコマンドを呼び出す前に、まずOracleAS Guardサーバーに接続してApplication ServerのJAZN資格証明(ias_adminまたはoc4jadmin)を指定する必要があります。ユーザーがJAZN資格証明を知っている場合、そのユーザーはホームでスクリプトまたはプログラムを実行できると判断されます。runコマンドの呼び出しを受信すると、OracleAS Guardでは、スクリプトまたはプログラムを実行する前に、OracleAS Guardサーバーが稼働するOracleホームにコマンド文字列で指定したファイルが存在するかどうか確認されます。スクリプトの出力はasgctlコンソールにエコーされます。

Oracle RACの障害時リカバリの配置では、スイッチオーバー操作を実行する前にすべてのインスタンスを停止します。これを行うには、スクリプトを作成し、runコマンドを使用してそのスクリプトを実行します。詳細は、第6.12.1.1項「スケジューリングした停止」の手順5を参照してください。次のコマンドの例は、asdbというインスタンス用にスクリプトshutdown_asdb_instance.shを記述し、それをリモートで実行することを想定しています。このスクリプトでは、分散されたASGのスクリプティング機能を利用しています。これにより、システム管理者はasgctlユーティリティからスイッチオーバー操作を実行できます。

ASGCTL> run at instance asdb shutdown_asdb_instance.sh

set asg credentials

OracleAS GuardサーバーへのOracleAS Guardの接続を認証する資格証明を設定します。

書式

set asg credentials <host>[:<port>] <ias_administrative_account>/<password> [for farm] [for topology]

パラメータ

host

資格証明を適用するホスト・システムの名前。OracleAS Guardがこのホストに接続する場合に、資格証明が使用されます。

port

Oracleホーム内のOracleAS Guardサーバーのポート番号。

<ias_administrative_account>/password

OracleAS 10.1.3インストールの場合、ユーザー名はoc4jadminを使用し、このoc4jadminアカウントのパスワードはOracle Application Server 10.1.3のインストール時に作成されたものを使用する必要があります。OracleAS 10.1.2.0.2以前のインストールの場合、ユーザー名はias_adminを使用し、このias_adminアカウントのパスワードはOracle Application Serverのインストール時に作成されたものを使用する必要があります。このアカウント名は、Oracle Application Serverホームの最低1つに属するアカウント名と同じにする必要があります。

for farm(廃止済)

キーワード。コマンドラインにこのキーワードを指定した場合、ローカル・ホスト・システムと同じファームに属するすべてのホスト・システムに資格証明が設定されます。

for topology

キーワード。コマンドラインにこのキーワードを指定した場合、ローカル・ホスト・システムと同じトポロジに属するすべてのホスト・システムに資格証明が設定されます。

使用方法

デフォルトでは、asgctl connectコマンドで使用した資格証明は、OracleAS Guardサーバーが他のOracleAS Guardサーバーに接続する際に必ず使用されます。しかし、特定のサーバーに異なる資格証明を使用することが必要な場合もあります。このコマンドを使用すると、トポロジ内のすべてのノードに同じ資格証明を使用できます。たとえば、プライマリ・トポロジで使用されている資格証明とは異なる、資格証明のセットをスタンバイ・トポロジで共有することができます。

あるトポロジに資格証明を設定した場合、その資格証明はトポロジ全体に継承されます。トポロジ上の個別のホストに資格証明を設定した場合、(そのホストの)資格証明が、トポロジに設定されたデフォルトの資格証明よりも優先されます。

Oracle Internet DirectoryとOracleAS Metadata Repositoryが同じ場所にあって、PortalのOracleAS Metadata Repositoryが別の場所にあるような、複数のInfrastructureが存在するトポロジでは、OracleAS Guardでインスタンス化、同期化、スイッチオーバー、フェイルオーバーなどの重要な操作を実行する前に、Infrastructureが存在する各システムに対してOracleAS Guardで資格証明を設定する必要があります。これは実際は2段階のプロセスで、最初に各Infrastructureにset primary databaseコマンドを使用してトポロジのすべてのOracleAS Infrastructureデータベースを特定し、次にそのInfrastructureが存在するOracleAS GuardサーバーにOracleAS Guardを接続するときの認証に使用する資格証明を設定する必要があります。次の例は、この概要を示します。本番トポロジとスタンバイ・トポロジは、Infrastructureと中間層ソフトウェア・アプリケーションがインストールされている次のようなシステムで構成されているものとします。

本番トポロジ:

host01(Identity Management+OracleAS Metadata Repository)、host04(OracleAS Metadata Repositoryのみ)、host06(J2EE)、host06(Portal & Wireless)

スタンバイ・トポロジ:

host02(Identity Management+OracleAS Metadata Repository)、host05(OracleAS Metadata Repositoryのみ)、host07(J2EE)、host07(Portal & Wireless)

次のOracleAS Guardのset primary databaseとset asg credentialsコマンドは、インスタンス化、同期化、スイッチオーバー、フェイルオーバー操作を実行する前に、Infrastructureを正しく特定し、OracleAS GuardのOracleAS Guardサーバーへの接続を認証する必要があります。Oracle Identity Management+OracleAS Metadata Repository Infrastructureがorclというサービス名を持ち、Portal OracleAS Metadata Repositoryがasdbというサービス名を持つものとします。

ASGCTL> set primary database sys/<password>@orcl.us.oracle.com
ASGCTL> set primary database sys/<password>@asdb.us.oracle.com
ASGCTL> set asg credentials host01.us.oracle.com ias_admin/<password>
ASGCTL> set asg credentials host04.us.oracle.com ias_admin/<password>

フェイルオーバー操作の場合、これらの手順はスタンバイ・トポロジで実行し、ホスト・システム名は次のように変更します。

ASGCTL> set primary database sys/<password>@orcl.us.oracle.com
ASGCTL> set primary database sys/<password>@asdb.us.oracle.com
ASGCTL> set asg credentials host02.us.oracle.com ias_admin/<password>
ASGCTL> set asg credentials host05.us.oracle.com ias_admin/<password>

このコマンドを使用する前に、OracleAS GuardクライアントがOracleAS Guardサーバーに接続されている必要があります。

ホスト名には、IPアドレスを使用することができます。

詳細は、第7.1項「OracleAS Guard asgctlコマンドに共通な情報」および第7.2項「OracleAS Guardコマンドの一部に特有の情報」を参照してください。

次の例では、ホスト・システムstandbyinfraにOracleAS Guardの資格証明を設定し、それを同じトポロジ内のすべてのホスト・システムに適用しています。

ASGCTL> set asg credentials standbyinfra ias_admin/<password> for topology


set echo

asgctlスクリプトのコマンドエコーのオンおよびオフを設定します。

書式

set echo on | off

パラメータ

on | off

onを指定すると、asgctlスクリプトのコマンドエコーが有効になります。offを指定すると、asgctlスクリプトのコマンドエコーが無効になります。

使用方法

このコマンドは、大きなasgctlスクリプトを実行する場合に役立ちます。たとえば、asgctlスクリプトにエラー・テスト・ケースがあり、各テスト・ケースの前または各asgctlコマンドの前にコメントを入力した場合には、エコーをonに設定しておくと、各テスト・ケースまたは各asgctlコマンドが実行される前にコメントが表示され、そのテスト・ケースの目的やasgctlコマンドを実行した場合の影響などを確認できます。

このコマンドはネストされたスクリプトにも使用できます。

次の例は、コマンドエコーの有効化、テスト・ケースの実行、OracleAS Guardサーバーへの接続、トポロジに関する詳細情報の表示、エコーの無効化、OracleAS Guardサーバーの切断、およびOracleAS Guardクライアントの終了を行うasgctlスクリプトを示しています。

> ASGCTL @myasgctltestscript.txt

# myasgctltestscript.txt
# turn on echo
set echo on

# make sure you are not connected
disconnect

# not connected, should get an error message
dump topology

# connect to an ASG server
connect asg prodinfra ias_admin/adminpwd

#display detailed info about the topology
dump topology

#disconnect
disconnect

# turn off echo
echo off
exit


set new primary database

フェイルオーバー操作の前に、スタンバイ・トポロジのOracleAS Infrastructureデータベースを新しいプライマリ・データベースとして指定します。このコマンドは、フェイルオーバー操作の際にのみ使用します。

書式

set new primary database <username>/<password>@<servicename> [pfile <filename> | spfile <filename>]

パラメータ

username/password

sysdbaの権限を持つデータベース・アカウントのユーザー名とパスワード。

servicename

OracleAS InfrastructureデータベースのTNSサービス名。TNSサービス名はOracleAS Infrastructureホスト・システムで定義されている必要がありますが、OracleAS Guardクライアント・ホスト・システムで定義されている必要はありません。

pfile filename

プライマリ(OracleAS Infrastructure)データベースの初期化ファイルのファイル名。プライマリ・データベースが起動されるときに使用されます。

spfile filename

サーバー(OracleAS Infrastructure)の初期化ファイルのファイル名。データベースが起動されるときに使用されます。

使用方法

フェイルオーバー操作を実行する前に、スタンバイ・トポロジのInfrastructureノードに接続し、新しいプライマリ・データベースを定義する必要があります。スタンバイ・サイトのOracle Infrastructureデータベースを新しいプライマリ・データベースとして指定したら、フェイルオーバー操作を開始できます。

次の例では、フェイルオーバー操作の前に、スタンバイ・トポロジのOracleAS Infrastructureデータベースの情報を新しいプライマリ/本番トポロジとして設定しています。

ASGCTL> connect asg standbyinfra ias_admin/adminpwd
Successfully connected to standbyinfra:7890
ASGCTL> set new primary database sys/testpwd@asdb
ASGCTL> failover
.
.
.
ASGCTL>


set noprompt

asgctlスクリプトでコマンドを実行するときのユーザーとの対話をプロンプトのない状態に設定します。

書式

set noprompt

パラメータ

なし。

使用方法

設定されると、すべての対話プロンプトにデフォルト値が適用されます。ユーザー名とパスワードのプロンプトは、プロンプトなしの状態ではエラー・メッセージが返されます。

次の例は、asgctlのset nopromptコマンドを含むasgctlスクリプトです。このコマンド以降のすべての対話プロンプトは無視されてスクリプトが実行されます。

> ASGCTL @myasgctltestscript.txt

# myasgctltestscript.txt

# connect to an ASG server
connect asg prodinfra ias_admin/adminpwd

# set the primary database
set primary database sys/testpwd@asdb

# discover the production topology
discover topology oidpassword=oidpwd

# set the noprompt state
set noprompt

#display detailed info about the topology
dump topology

#disconnect
disconnect

exit


set primary database

プライマリ・トポロジのOracleAS Infrastructureデータベースを指定します。

書式

set primary database <username>/<password>@<servicename> [pfile <filename> | spfile <filename>]

パラメータ

username/password

sysdbaの権限を持つデータベース・アカウントのユーザー名とパスワード。

servicename

OracleAS InfrastructureデータベースのTNSサービス名。TNSサービス名はOracleAS Infrastructureホスト・システムで定義されている必要がありますが、OracleAS Guardクライアント・ホスト・システムで定義されている必要はありません。

pfile filename

プライマリ(OracleAS Infrastructure)データベースの初期化ファイルのファイル名。プライマリ・データベースが起動されるときに使用されます。

spfile filename

サーバー(OracleAS Infrastructure)の初期化ファイルのファイル名。データベースが起動されるときに使用されます。

使用方法

プライマリ・データベースは、インスタンス化、同期化またはスイッチオーバー操作を実行する前に指定する必要があります。

プライマリ・データベースを設定すると、OracleAS Guardサーバーはそのデータベースにログインして接続を検証します。

本番サイトまたはスタンバイ・サイトに複数のOracleAS Metadata Repositoryのインスタンスがインストールされているときに、インスタンス化、同期化、スイッチオーバー、またはフェイルオーバー操作を実行する場合、実行前にset primary databaseコマンドを実行して、すべてのOracleAS Metadata Repositoryインスタンスを特定する必要があります。また、Oracle Internet DirectoryとOracleAS Metadata Repositoryが同じ場所にあって、PortalのOracleAS Metadata Repositoryが別の場所にあるような、複数のInfrastructureが存在するトポロジでは、OracleAS Guardでインスタンス化、同期化、スイッチオーバー、フェイルオーバーなどの重要な操作を実行する前に、Infrastructureが存在する各システムに対してOracleAS Guardで資格証明を設定する必要があります。「set asg credentials」に、例を示します。

OracleAS Guardは、データベースにパスワード・ファイル認証がある必要があります。データベースにパスワード・ファイルがない場合、orapwdユーティリティを使用してパスワード・ファイルを作成する必要があります。また、REMOTE_LOGIN_PASSWORDFILE初期化パラメータをEXCLUSIVEに設定します。

詳細は、第7.1項「OracleAS Guard asgctlコマンドに共通な情報」および第7.2項「OracleAS Guardコマンドの一部に特有の情報」を参照してください。

次の例では、OracleAS Infrastructureデータベースの情報をプライマリ/本番トポロジに設定しています。

ASGCTL> connect asg prodinfra ias_admin/adminpwd
Successfully connected to prodinfra:7890
ASGCTL> set primary database sys/testpwd@asdb
Checking connection to database asdb
ASGCTL> 

次の例では、スイッチオーバー操作の前にプライマリ/本番トポロジにインストールする各OracleAS Metadata RepositoryのOracleAS Infrastructureデータベースの情報を設定しています。

ASGCTL> connect asg prodinfra ias_admin/adminpwd
Successfully connected to prodinfra:7890
ASGCTL> set primary database sys/testpwd@portal_1
Checking connection to database portal_1
ASGCTL> set primary database sys/testpwd@portal_2
Checking connection to database portal_2
ASGCTL> set primary database sys/testpwd@asdb
Checking connection to database asdb
ASGCTL> discover topology oidpassword=oidpwd
ASGCTL> switchover topology to standbyinfra
.
.
.


set trace

トレース出力をOracleAS Guardログ・ファイルに記録するための、トレース・フラグのオンまたはオフを設定します。

書式

set trace on | off <traceflags>

パラメータ

on | off

onを指定するとトレースが有効になります。offを指定するとトレースが無効になります。

traceflags

有効にするトレースフラグ。2つ以上のトレースフラグを指定する場合は、カンマ(,)で区切ります。トレースフラグには次のものがあります。

使用方法

このコマンドは、接続中にasgctlコマンドにかかわったすべてのホストに適用されます。

このコマンドを使用する前に、OracleAS GuardクライアントがOracleAS Guardサーバーに接続されている必要があります。

次の例では、データベース操作のトレースを有効にしています。

ASGCTL> set trace on db


show env

OracleAS Guardクライアントが接続しているOracleAS Guardサーバーの現在の環境を示します。

書式

show env

パラメータ

なし。

使用方法

なし。

次の例は、OracleAS Guardクライアントが接続しているOracleAS Guardサーバーの環境を示します。最初の例ではプライマリ・データベースと新しいプライマリ・データベースがホストprodinfraに設定されておらず、2番目の例ではプライマリ・データベースがホストstandbyinfraに設定されています。

例1

ASGCTL> show env

     ASG Server Connection:
        Host: prodinfra
        Port: 7890

     Primary database: <not set>
     New primary database:  <not set>

例2

ASGCTL> ASGCTL> show env

     ASG Server Connection:
        Host: standbyinfra
        Port: 7890

Gathering information from the database orcl

     Primary database: :
        User: sys
        Service: orcl
        Role: The database role is 
               PHYSICAL STANDBY
            

     New primary database:  <not set>


show operation

現在のセッションでOracleAS Guardクライアントが接続されたトポロジ内の全ノードのすべての操作を表示します。

書式

show op[eration] [full] [[his]tory]

パラメータ

full

すべての操作に対して、操作番号、ジョブ名、ジョブ所有者のユーザー名、ジョブID、操作の開始時刻、操作の終了時刻、操作の経過時間およびジョブに含まれるすべてのタスクが表示されます。

history

現在実行されていない操作のみに対する、操作番号とジョブ名が表示されます。

使用方法

なし。

次の例では、現在の操作の状態を表示しています。

ASGCTL> show operation
*************************************
OPERATION: 19
  Status: running
  Elapsed Time: 0 days, 0 hours, 0 minutes, 28 secs
  TASK: syncFarm
    TASK: backupFarm
      TASK: fileCopyRemote
      TASK: fileCopyRemote
    TASK: restoreFarm
      TASK: fileCopyLocal

次の例では、すべての操作の履歴を表示しています。

ASGCTL> show op his
*************************************
OPERATION: 7
  Status: success
  Elapsed Time: 0 days, 0 hours, 0 minutes, 0 secs
  TASK: getTopology
    TASK: getInstance
*************************************
OPERATION: 16
  Status: success
  Elapsed Time: 0
 days, 0 hours, 0 minutes, 0 secs
  TASK: getTopology
    TASK: getInstance
*************************************
OPERATION: 19
  Status: success
  Elapsed Time: 0 days, 0 hours, 1 minutes, 55 secs
  TASK: syncFarm
    TASK: backupFarm
      TASK: fileCopyRemote
      TASK: fileCopyRemote
    TASK: restoreFarm
      TASK: fileCopyLocall


shutdown

OracleAS Guardクライアントが接続している稼動中のOracleAS Guardサーバーを停止します。このコマンドは、OPMNが実行されていないホスト・システムで、インスタンスまたはトポロジのクローニング手順を実行する場合にのみ使用します。

書式

shutdown [local]

パラメータ

local

これを指定すると、asgctlのローカルOracleホームのOracleAS Guardサーバーを停止します。

使用方法

OracleAS Guardサーバーは、OPMN opmnctlコマンドのstartprocではなく、asgctlのstartupコマンドを使用して起動する必要があります。

次の例では、OPMNが実行されていないホスト・システムで、OracleAS Guardサーバーを停止しています。

> asgctl.sh shutdown


shutdown topology

トポロジ全体のOracleASコンポーネント・サービスを停止します。OracleAS GuardサーバーとOPMNは稼動し続けます。

書式

shutdown topology

パラメータ

なし。

使用方法

これは、トポロジ全体を停止するときに便利なコマンドです。トポロジを再起動する場合は、startup topologyコマンドを使用します。

このコマンドで、OID、OC4J、WebCacheなどのOracleASサービスを停止します。

次の例では、prodinfra本番トポロジを停止しています。

ASGCTL> shutdown topology
Generating default policy for this operation

prodinfra:7890
    Shutting down each instance in the topology

asmid2:7890 (home /private1/OraHome2/asmid2)
    Shutting down component HTTP_Server
    Shutting down component OC4J
    Shutting down component dcm-daemon
    Shutting down component LogLoader

asmid1:7890 (home /private1/OraHome/asmid1)
    Shutting down component HTTP_Server
    Shutting down component OC4J
    Shutting down component dcm-daemon
    Shutting down component LogLoader

prodinfra:7890 (home /private1/OraHome2/asr1012)
    Shutting down component OID
    Shutting down component HTTP_Server
    Shutting down component OC4J
    Shutting down component dcm-daemon
    Shutting down component LogLoader
ASGCTL> 


startup

asgctlプロンプトでOracleAS Guardサーバーを起動します。このコマンドは、OPMNが実行されていないホスト・システムで、インスタンスまたはトポロジのクローニング手順を実行する場合にのみ使用します。

書式

startup [asg]

パラメータ

asg

オプションのキーワードで、application server guardの頭文字。このパラメータには、connect asgやset asg credentialsコマンドと類似の形式を示す以外に意味はありません。

使用方法

なし。

次の例では、OPMNが実行されていないホスト・システムで、OracleAS Guardサーバーを停止しています。

> asgctl.sh startup


startup topology

トポロジ全体のOracleASコンポーネント・サービスを起動して、停止したトポロジを起動します。

書式

startup topology

パラメータ

なし。

使用方法

これは、shutdown topologyコマンドを使用して停止した後にトポロジ全体を起動するときに便利なコマンドです。

このコマンドで、OID、OC4J、WebCacheなどのOracleASサービスを起動します。startup topologyコマンドの実行は、トポロジの各インスタンスすべてにopmnctl startupコマンドを実行することと同じことです。

次の例では、本番トポロジを起動しています。

ASGCTL> startup topology
Generating default policy for this operation

profinfra:7890
    Starting each instance in the topology

prodinfra:7890 (home /private1/OraHome2/asr1012)
    Executing opmnctl startall command

asmid1:7890 (home /private1/OraHome/asmid1)
    Executing opmnctl startall command

asmid2:7890 (home /private1/OraHome2/asmid2)
    Executing opmnctl startall command
ASGCTL> 


stop operation

サーバーで実行中の特定の操作を停止します。

書式

stop op[eration] <op #>

パラメータ

op #

操作の番号。

使用方法

サーバーで実行中の操作の番号は、show operationコマンドで確認できます。

次の例では、サーバーで実行中の操作(15)を最初に表示し、stop operationコマンドでその操作を停止しています。

ASGCTL> show operation
*************************************
OPERATION: 15
  Status: running
  Elapsed Time: 0 days, 0 hours, 1 minutes, 35 secs
  TASK: instantiateFarm
    TASK: verifyFarm

ASGCTL> stop operation 15


switchover topology

本番サイトのスケジューリングした停止の間に、本番サイトからスタンバイ・サイトへのスイッチオーバー操作を実行します。

書式

switchover topology to <standby_topology_host>[:<port>] [using policy <file>]

パラメータ

standby_topology_host

スタンバイ・ホスト・システムの名前。このパラメータは、OracleAS Guard調整サーバー・インスタンスを指定して、スタンバイ・サイトを構成するインスタンスを検出するために必要です。ホスト・システムは、スタンバイ・トポロジのメンバーである必要があります。

port

Oracleホーム内にあるOracleAS Guardサーバーのスタンバイ・ホスト・システムのポート番号。

using policy <file>

XMLポリシー・ファイルのフル・パスとファイル名による指定。

使用方法

プライマリInfrastructureシステムで、emagentプロセスが停止していることを確認します。停止していない場合は、emagentプロセスがデータベースと接続されているため、スイッチオーバー操作の実行時に次のエラーが発生することがあります。

prodinfra: -->ASG_DGA-13051: Error performing a physical standby switchover.
prodinfra: -->ASG_DGA-13052: The primary database is not in the proper state to perform 
a switchover.  State is "SESSIONS ACTIVE"

UNIXシステムの場合、emagentプロセスを停止するために、Application Server Controlを停止します。このコンポーネントは次のようにiasconsoleでコールします。

> <ORACLE_HOME>/bin/emctl stop iasconsole

UNIXシステムの場合、emagentプロセスが実行されていないかをチェックするために、次の操作を実行します。

> ps -ef | grep emagent

UNIXシステムの場合、stop iasconsoleの操作の後でemagentプロセスが依然として動作しているときに、次のコマンドで前のpsコマンドで決定されたプロセスID(PID)を取得し、停止します。

> kill -9 <emagent-pid>

Windowsシステムの場合、「サービス」コントロール パネルを開きます。OracleAS10gASControlサービスを見つけて、このサービスを停止します。

スイッチオーバー操作を実行する前に、OracleAS Infrastructureデータベースがプライマリ・トポロジで実行されていることを確認する必要があります。また、asgctlのset primary databaseコマンドによって、OracleAS Infrastructureデータベースの情報が設定されている必要があります。

グローバルDNS名を使用してスイッチオーバーを実行することもできます。この場合、OracleAS Disaster Recovery環境で利用されている高可用性のネーミングと異なることになります。検出メカニズムが、ローカルの名前解決に従って自動的にトポロジを対応するピアにマップします。

OracleAS Guardのスイッチオーバー操作の際に、implicit sync topology操作が実行され、2つのトポロジが同一であるか確認されます。また、OPMNが新しいスタンバイInfrastructureノードでOracleAS Guardサーバーを起動し、このサーバーが永続的に実行されます。次に、このサーバーが新しいスタンバイ・トポロジ内の他のノードのOracleAS Guardサーバーを起動し、起動されたサーバーが一時サーバーになります。

スイッチオーバー・ポリシー・ファイルでは、デフォルトで成功要件属性はすべてのインスタンス(中間層およびOracleAS Metadata Repository)でオプションに設定され、Oracle Internet Directoryホームでは必須に設定されています。

スイッチオーバー操作中に、opmn.xmlファイルがプライマリ・サイトからスタンバイ・サイトにコピーされます。このため、TMP変数の値はプライマリ・サイトとスタンバイ・サイトの両方のopmn.xmlファイルで同じ値に定義する必要があります。そうしないと、ディレクトリが見つからないというメッセージが表示され、このスイッチオーバー操作は失敗します。したがって、TMP変数が同じ値に定義され、スイッチオーバー操作を試行する前に両方のサイトの同じディレクトリ構造に解決されることを確認してください。

2つのOracle Identity Managemantインスタンスが稼動しているプライマリ・サイト(im.machineA.us.oracle.comおよびim.machineB.us.oracle.com)から、Oracle Identity Managemantインスタンスが1つだけ稼動している(im.machineA.us.oracle.com)非対称トポロジのスタンバイ・サイトへのスイッチオーバー操作を実行する場合、つまり、スイッチオーバー・サイトでもう1つのノード(im.machineB.us.oracle.com)を無視する場合、このスイッチオーバー操作を成功させるには、システム管理者がswitchover_policy.xmlポリシー・ファイルを編集してノードをIgnoreに設定するだけでなく、このノード(im.machineB.us.oracle.com)で実行中のすべてのプロセスを停止する必要があります。

2つの中間層を持つプライマリ・サイト(Oracle Internet Directoryにcore1とcore2インスタンスが登録されている場合など)から中間層core1のみを持つ非対称トポロジのスタンバイ・サイトへのスイッチオーバー操作を実行する場合、スタンバイ・サイトのOracle Internet Directoryでは、core1とcore2中間層が両方とも登録されることになります。switchover_policy.xmlポリシー・ファイルを編集して、core2中間層を無視するようにします。core2中間層はスイッチオーバー操作の間はスタンバイ・サイトに存在しません。しかし、Oracleデータベースが格納されているOracle Internet Directoryは本番サイト・トポロジとスタンバイ・サイト・トポロジで同一なので、core2中間層もスタンバイ・サイト・トポロジのOracle Internet Directoryに登録されていることになります。そのため、再度対称トポロジにするために、そのスタンバイ・サイト・トポロジに同じcore2中間層をインストールできません。これは非対称スタンバイ・トポロジを使用するスイッチオーバー操作の厳しい制限です。

スイッチオーバー操作の後にdiscover topologyコマンドが実行される際に、非対称スタンバイ・サイト・トポロジに存在する中間層(例: instA、instB)が元の本番サイト・トポロジにある中間層(例: instA、instB、instC)より少ない場合、存在していない中間層のインスタンスごとに警告エラー・メッセージが表示されます(この場合、instCに対して表示される)。このメッセージの表示は、予期されている動作であるため無視できます。スイッチオーバー操作の後でdiscover topologyコマンドが実行されると、OracleAS Server GuardはOracle Internet Directoryの情報を読み取ります。これは、新しいプライマリ・サイト(前のスタンバイ・サイト)にある元のプライマリ・サイトのOracle Internet Directoryの情報と同じです。このOracle Internet Directory情報は元のプライマリ・サイトのOracle Internet Directory情報と同じであるため、OracleAS Server Guardはこれらの中間層の各インスタンスのホスト/ホームでその存在を検証すると、一部が存在しないことが判明し警告を発します。

詳細は、第7.1項「OracleAS Guard asgctlコマンドに共通な情報」および第7.2項「OracleAS Guardコマンドの一部に特有の情報」を参照してください。

次の例では、DNS名がstandbyinfraのスタンバイ・サイトにスイッチオーバー操作を実行しています。

ASGCTL> connect asg prodinfra ias_admin/adminpwd
Successfully connected to prodinfra:7890
ASGCTL> set primary database sys/testpwd@asdb
ASGCTL> switchover topology to standbyinfra
Generating default policy for this operation
prodinfra:7890
Switchover each instance in the topology to standby topology
prodinfra:7890 (home /private1/OraHome2/asr1012)
Connecting to the primary database asdb.us.oracle.com
Gathering information from the primary database asdb.us.oracle.com
Shutting down each instance in the topology
.
.
.
prodinfra:7890
HA directory exists for instance asr1012.infra.us.oracle.com
asmid2:7890
HA directory exists for instance asmid2.asmid2.us.oracle.com
asmid1:7890
HA directory exists for instance asmid1.asmid1.us.oracle.com
standbyinfra:7890
HA directory exists for instance asr1012.infra.us.oracle.com
asmid2:7890
HA directory exists for instance asmid2.asmid2.us.oracle.com
asmid1:7890
HA directory exists for instance asmid1.asmid1.us.oracle.com
prodinfra:7890
Verifying that the topology is symmetrical in both primary and standby configuration
ASGCTL>

# Command to use if you are using a policy file
# switchover topology to standbyinfra using policy <file>


sync topology

スタンバイ・サイトとプライマリ・サイトを同期化し、2つのサイト間で一貫性を保ちます。トポロジの同期化操作では、外部の構成ファイルをトポロジ全体に同期化する際に、OracleAS InfrastructureデータベースのREDOログをスタンバイ・サイトに適用します。

書式

sync topology to <standby_topology_host>[:<port>] [full | incr[emental]] [using policy <file>]

パラメータ

standby_topology_host

スタンバイ・サイト・ホスト・システムの名前。このパラメータは、OracleAS Guard調整サーバー・インスタンスを指定して、スタンバイ・サイトを構成するインスタンスを検出するために必要です。ホスト・システムは、スタンバイ・トポロジのメンバーである必要があります。

port

Oracleホーム内にあるOracleAS Guardサーバーのスタンバイ・ホスト・システムのポート番号。

full | incremental

プライマリ・サイトとスタンバイ・サイトの間で一貫性を保つために同期をとる際には、fullまたはincrementalを指定できます。デフォルトはincrementalです。全体バックアップが実行されていない場合、デフォルトでは、増分バックアップ操作が実行されません。かわりに、全体バックアップ操作が実行されます。

using policy <file>

XMLポリシー・ファイルのフル・パスとファイル名による指定。

使用方法

デフォルトではincrementalで同期化が実行され、スタンバイ・サイトとプライマリ・サイトで一貫性が維持され、最も高いパフォーマンスになります。ただし、次の3つの条件に該当する場合には、同期化をfullに指定してください。

同期化操作により、暗黙の検証操作が実行されます。

同期化のポリシー・ファイルでは、デフォルトで成功要件属性はすべてのインスタンスで必須に設定されています。

詳細は、第7.1項「OracleAS Guard asgctlコマンドに共通な情報」および第7.2項「OracleAS Guardコマンドの一部に特有の情報」を参照してください。

次の例では、指定したスタンバイ・サイトをOracleAS Guard調整サーバー(プライマリ・サイト)と同期化しています。デフォルトでは、sync modeにincrementalが指定されています。

ASGCTL> connect asg prodinfra ias_admin/adminpwd
Successfully connected to prodinfra:7890
ASGCTL> set primary database sys/testpwd@asdb
Checking connection to database asdb
ASGCTL> sync topology to standbyinfra
Generating default policy for this operation
prodinfra:7890
Synchronizing each instance in the topology to standby topology
prodinfra:7890 (home /private1/OraHome2/asr1012)
Starting backup of topology ""
Backing up and copying data to the standby topology
Backing up each instance in the topology
Starting backup of instance "asr1012.infra.us.oracle.com"
Configuring the backup script
asmid1:7890 (home /private1/OraHome/asmid1)
Starting backup of instance "asmid1.asmid1.us.oracle.com"
asmid2:7891 (home /private1/OraHome/asmid2)
Starting backup of instance "asmid2.asmid2.us.oracle.com"
.
.
.
asmid2:7890 (home /private1/OraHome2/asr1012)
Starting backup/synchronization of database "asdb.us.oracle.com"
Starting restore/synchronization of database "asdb.us.oracle.com"
Synchronizing topology completed successfully
ASGCTL>

# Command to use if you are using a policy file
# sync topology to standbyinfra using policy <file>


verify topology

プライマリ・トポロジが実行中であること、およびその構成が有効であることを検証します。スタンバイ・トポロジを指定した場合は、ローカル・ホスト・システムがメンバーであるプライマリ・トポロジと、スタンバイ・トポロジを比較し、両方のトポロジが一致していること、およびOracleAS Disaster Recoveryの要件を順守していることを確認します。

書式

verify topology [with <host>[:<port>]] [using policy <file>]

パラメータ

host

スタンバイ・ホスト・システムの名前。ホスト・システムは、スタンバイ・トポロジのメンバーである必要があります。

port

OracleホームのOracleAS Guardサーバーのホスト・システムのポート番号。

using policy <file>

XMLポリシー・ファイルのフル・パスとファイル名による指定。

使用方法

ホスト・システム名を指定しない場合は、ローカル・ホスト・システムが属すトポロジがOracleAS Disaster Recoveryのローカル・ルールを順守しているかどうかが確認されます。

スタンバイ・ホスト・システム名を指定した場合は、そのスタンバイ・サイトのトポロジが、本番トポロジとともに、ローカル・ルールと分散配置のOracleAS Disaster Recoveryのルールを順守しているかどうかが確認されます。また、プライマリ・サイトとスタンバイ・サイト間の対称性もチェックされます。

検証のポリシー・ファイルでは、デフォルトで成功要件属性はすべてのOracleASホーム(中間層およびOracleAS Metadata Repository)でオプションに設定され、Oracle Internet Directoryホームでは必須に設定されています。

詳細は、第7.1項「OracleAS Guard asgctlコマンドに共通な情報」および第7.2項「OracleAS Guardコマンドの一部に特有の情報」を参照してください。

次の例では、プライマリ・トポロジが実行中であること、およびその構成が有効であることを検証しています。

ASGCTL> connect asg ias_admin/iastest2
Successfully connected to prodinfra:7890
ASGCTL> verify topology
Generating default policy for this operation
prodinfra:7890
HA directory exists for instance asr1012.infra.us.oracle.com
asmid2:7890
HA directory exists for instance asmid2.asmid2.us.oracle.com
asmid1:7890
HA directory exists for instance asmid1.asmid1.us.oracle.com
ASGCTL>

次の例では、ローカル・ホスト・システムをメンバーに持つトポロジが、ホスト・システムstandbyinfraをメンバーに持つスタンバイ・トポロジと一致していることを検証しています。

ASGCTL> connect asg prodinfra ias_admin/adminpwd
Successfully connected to prodinfra:7890
ASGCTL> set primary database sys/testpwd@asdb
Checking connection to database asdb
ASGCTL> verify topology with standbyinfra
Generating default policy for this operation
prodinfra:7890
HA directory exists for instance asr1012.infra.us.oracle.com
asmid2:7890
HA directory exists for instance asmid2.asmid2.us.oracle.com
asmid1:7890
HA directory exists for instance asmid1.asmid1.us.oracle.com
standbyinfra:7890
HA directory exists for instance asr1012.infra.us.oracle.com
asmid2:7890
HA directory exists for instance asmid2.asmid2.us.oracle.com
asmid1:7890
HA directory exists for instance asmid1.asmid1.us.oracle.com
prodinfra:7890
Verifying that the topology is symmetrical in both primary and standby configuration
ASGCTL>

# Command to use if you are using a policy file
# verify topology using policy <file>


dump farm(廃止済)

asgctlに、ファームに関する詳細な情報を、指定したファイルに書き込むように指示します。


注意

dump farmコマンドは、OracleAS 10gリリース2(10.1.2.0.2)から廃止されています。そのため、dump topologyコマンドを使用します。これは現在および今後のOracleASリリースのOracleAS Disaster Recoveryトポロジの概念をサポートしています。  


書式

dump farm [to <file>]

パラメータ

to <file>

詳細情報の出力の書込み先である、OracleAS Guardクライアント・ノード内のファイルの名前。

使用方法

なし。

例は「dump topology」を参照してください。


instantiate farm(廃止済)

スタンバイ・サイトのファームをインスタンス化します。本番サイトとスタンバイ・サイトの現在のファームの定義を検出し、それらの定義が、これらのシステムに配置されている現在のOracleASソフトウェアのOracleAS Disaster Recoveryのルールおよび制限を順守していることをインスタンス化の前に検証します。また、スタンバイ・サイトとプライマリ・サイトを同期化し、プライマリ・サイトとスタンバイ・サイトの間で一貫性を保ちます。


注意

instantiate farmコマンドは、OracleAS 10gリリース2(10.1.2.0.2)から廃止されています。そのため、instantiate topologyコマンドを使用します。これは現在および今後のOracleASリリースのOracleAS Disaster Recoveryトポロジの概念をサポートしています。  


書式

instantiate farm to <standby_farm_host>[:<port>]

パラメータ

standby_farm_host

スタンバイ・ホスト・システムの名前。このパラメータは、OracleAS Guard調整サーバー・インスタンスを指定して、スタンバイ・サイトを構成するインスタンスを検出するために必要です。ホスト・システムは、スタンバイ・ファームのメンバーである必要があります。

port

Oracleホーム内のOracleAS Guardサーバーのポート番号。

使用方法

本番ローカル・システムは、そのサイトのOracle Notification Server(ONS)ファームに属している必要があります。

スタンバイ・ホストは、スタンバイ・サイトのONSファームに属している必要があり、本番ファームのファームと対称性を持っている必要があります。

ファームのインスタンス化操作を実行する前に、OracleAS Infrastructureデータベースがプライマリ・ファームで実行されていることを確認する必要があります。また、asgctlのset primary databaseコマンドによって、OracleAS Infrastructureデータベースの情報が設定されている必要があります。

グローバルDNS名を使用してインスタンス化を実行することもできます。この場合、OracleAS Disaster Recovery環境で利用されている高可用性のネーミングと異なることになります。検出メカニズムが、ローカルの名前解決に従って自動的にファームを対応するピアにマップします。

例は「instantiate topology」を参照してください。


shutdown farm(廃止済)

稼動中のファームを停止します。


注意

shutdown farmコマンドは、OracleAS 10gリリース2(10.1.2.0.2)から廃止されています。そのため、shutdown topologyコマンドを使用します。これは現在および今後のOracleASリリースのOracleAS Disaster Recoveryトポロジの概念をサポートしています。  


書式

shutdown farm

パラメータ

なし。

使用方法

これは、全ファームを停止するときに便利なコマンドです。ファームを再起動する場合は、startup farmコマンドを使用します。

例は「shutdown topology」を参照してください。


startup farm(廃止済)

停止したファームを起動します。


注意

startup farmコマンドは、OracleAS 10gリリース2(10.1.2.0.2)から廃止されています。そのため、startup topologyコマンドを使用します。これは現在および今後のOracleASリリースのOracleAS Disaster Recoveryトポロジの概念をサポートしています。  


書式

startup farm

パラメータ

なし。

使用方法

これは、shutdown farmコマンドを使用して停止した後にファーム全体を起動するときに便利なコマンドです。

例は「startup topology」を参照してください。


switchover farm(廃止済)

本番サイトのスケジューリングした停止の間に、本番サイトからスタンバイ・サイトへのスイッチオーバー操作を実行します。


注意

switchover farmコマンドは、OracleAS 10gリリース2(10.1.2.0.2)から廃止されています。そのため、switchover topologyコマンドを使用します。これは現在および今後のOracleASリリースのOracleAS Disaster Recoveryトポロジの概念をサポートしています。  


書式

switchover farm to <standby_farm_host>[:<port>]

パラメータ

standby_farm_host

ファーム・ホスト・システムの名前。このパラメータは、OracleAS Guard調整サーバー・インスタンスを指定して、スタンバイ・サイトを構成するインスタンスを検出するために必要です。ホスト・システムは、スタンバイ・ファームのメンバーである必要があります。

port

Oracleホーム内にあるOracleAS Guardサーバーのスタンバイ・ホスト・システムのポート番号。

使用方法

プライマリInfrastructureシステムで、emagentプロセスが停止していることを確認します。停止していない場合は、emagentプロセスがデータベースと接続されているため、スイッチオーバー操作の実行時に次のエラーが発生することがあります。

prodinfra: -->ASG_DGA-13051: Error performing a physical standby switchover.
prodinfra: -->ASG_DGA-13052: The primary database is not in the proper state to perform 
a switchover.  State is "SESSIONS ACTIVE"

UNIXシステムの場合、emagentプロセスを停止するために、Application Server Controlを停止します。このコンポーネントは次のようにiasconsoleでコールします。

> <ORACLE_HOME>/bin/emctl stop iasconsole

UNIXシステムの場合、emagentプロセスが実行されていないかをチェックするために、次の操作を実行します。

> ps -ef | grep emagent

UNIXシステムの場合、stop iasconsoleの操作の後でemagentプロセスが依然として動作しているときに、次のコマンドで前のpsコマンドで決定されたプロセスID(PID)を取得し、停止します。

> kill -9 <emagent-pid>

Windowsシステムの場合、「サービス」コントロール パネルを開きます。OracleAS10gASControlサービスを見つけて、このサービスを停止します。

本番ローカル・システムは、そのサイトのOracle Notification Server(ONS)ファームに属している必要があります。

スタンバイ・ホストは、スタンバイ・サイトのONSファームに属している必要があり、本番ファームのファームと対称性を持っている必要があります。

スイッチオーバー操作を実行する前に、OracleAS Infrastructureデータベースがプライマリ・ファームで実行されていることを確認する必要があります。また、asgctlのset primary databaseコマンドによって、OracleAS Infrastructureデータベースの情報が設定されている必要があります。

グローバルDNS名を使用してスイッチオーバーを実行することもできます。この場合、OracleAS Disaster Recovery環境で利用されている高可用性のネーミングと異なることになります。検出メカニズムが、ローカルの名前解決に従って自動的にファームを対応するピアにマップします。

OracleAS Guardのスイッチオーバー操作の際に、implicit sync farm操作が実行され、2つのファームが同一であるか確認されます。さらに、OPMNは新しいスタンバイInfrastructureノードのOracleAS Guardサーバーを自動的に起動し、このサーバーは稼動し続けます。次に、新しいスタンバイ・ファームの他のノードのOracleAS Guardサーバーを起動します。それぞれは一時サーバーになります。

例は「switchover topology」を参照してください。


sync farm(廃止済)

スタンバイ・サイトとプライマリ・サイトを同期化し、2つのサイト間で一貫性を保ちます。トポロジの同期化操作では、外部の構成ファイルをトポロジ全体に同期化する際に、OracleAS InfrastructureデータベースのREDOログをスタンバイ・サイトに適用します。


注意

sync farmコマンドは、OracleAS 10gリリース2(10.1.2.0.2)から廃止されています。そのため、sync topologyコマンドを使用します。これは現在および今後のOracleASリリースのOracleAS Disaster Recoveryトポロジの概念をサポートしています。  


書式

sync farm to <standby_farm_host>[:<port>] [full | incr[emental]]

パラメータ

standby_farm_host

スタンバイ・サイト・ホスト・システムの名前。このパラメータは、OracleAS Guard調整サーバー・インスタンスを指定して、スタンバイ・サイトを構成するインスタンスを検出するために必要です。ホスト・システムは、スタンバイ・ファームのメンバーである必要があります。

port

Oracleホーム内にあるOracleAS Guardサーバーのスタンバイ・ホスト・システムのポート番号。

full | incremental

プライマリ・サイトとスタンバイ・サイトの間で一貫性を保つために同期をとる際には、fullまたはincrementalを指定できます。デフォルトはincrementalです。全体バックアップが実行されていない場合、デフォルトでは、増分バックアップ操作が実行されません。かわりに、全体バックアップ操作が実行されます。

使用方法

デフォルトでは、sync_modeがincrementalに設定され、最も高いパフォーマンスになります。ただし、次の3つの条件に該当する場合には、sync_modeをfullに指定してください。

例は「sync topology」を参照してください。


verify farm(廃止済)

プライマリ・ファームが実行中であること、およびその構成が有効であることを検証します。スタンバイ・ファームを指定した場合は、ローカル・ホスト・システムがメンバーであるプライマリ・ファームと、スタンバイ・ファームを比較し、両方のファームが一致していること、およびOracleAS Disaster Recoveryの要件を順守していることを確認します。


注意

verify farmコマンドは、OracleAS 10gリリース2(10.1.2.0.2)から廃止されています。そのため、verify topologyコマンドを使用します。これは現在および今後のOracleASリリースのOracleAS Disaster Recoveryトポロジの概念をサポートしています。  


書式

verify farm [with <host>[:<port>]]

パラメータ

host

スタンバイ・ホスト・システムの名前。ホスト・システムは、スタンバイ・ファームのメンバーである必要があります。

port

Oracleホーム内のOracleAS Guardサーバーのポート番号。

使用方法

ホスト・システム名を指定しない場合は、ローカル・ホスト・システムが属すファームがOracleAS Disaster Recoveryのローカル・ルールを順守しているかどうかが確認されます。

スタンバイ・ホスト・システム名を指定した場合は、そのスタンバイ・サイトのファームが、本番ファームとともに、ローカル・ルールと分散配置のOracleAS Disaster Recoveryのルールを順守しているかどうかが確認されます。また、プライマリ・サイトとスタンバイ・サイト間の対称性もチェックされます。

例は「verify topology」を参照してください。


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