1.1 SOAおよびOracle SOA Suiteの概要

市場の変化、競争の激化、顧客ニーズの推移によって、ITはこれまで以上の柔軟性とスピードを求められています。 現在は、すべての企業が、グローバルなビジネス環境における変化を予測し、競合他社にすばやく対抗し、成長のために自社の資産を最大限に活用する必要性に迫られています。 このような課題に取り組むために、先行する企業では、アプリケーションやIT環境の複雑さを克服し、これらの要求に応える手段として、サービス指向アーキテクチャ（SOA）を採用しています。 SOAは、新規アプリケーションの設計および開発、レガシー・ビジネス・アプリケーションとの統合方法の根本的な転換であり、統合と再利用が容易なモジュール型ビジネス・サービスとしてのエンタープライズ・アプリケーションの開発を促進します。

Oracle SOA Suiteは、標準ベースのベスト・オブ・ブリード・スイートであり、サービス指向アプリケーションを作成し、任意のミドルウェア・プラットフォームにデプロイできます。 Oracle SOA Suiteの構成内容は次のとおりです。

• サービスを開発する統合サービス環境（ISE）

• 複数のアプリケーションを統合するマルチプロトコルのEnterprise Service Bus（ESB）

• 複数のサービスをビジネス・プロセスに結合するBusiness Process Execution Language（BPEL）ベースのオーケストレーション・エンジン

• ビジネス・ポリシーの取得と自動化を可能にするビジネス・ルール・エンジン

• サービスに関する認証および認可ポリシーを実施し、サービスおよびプロセスのSLA準拠を監視する、Webサービスの管理およびセキュリティ・ソリューション

• 複数のビジネス・エンティティとそれらの相互作用をリアルタイムで表示し、サービスの最適化を可能にするBusiness Activity Monitoring（BAM）ソリューション

• 従業員、顧客、パートナがコンテンツや関連パフォーマンス・メトリックにアクセスし、ビジネス・プロセスとの相互作用を介して協調して措置を講じるための企業ポータル

• サービスのライフサイクルを検出および管理するためのサービス・レジストリ

この章では、次のことを理解できます。

• SOAの主な利点

• Oracle SOA Suiteの主な利点