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Oracle SOA Suite開発者ガイド
10g(10.1.3.1.0)
B31839-01
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1.2 SOAの利点

インフラストラクチャの細分化と複雑化が進むにつれて、ITによるビジネス・ニーズへの対応は困難になってきています。 多くの企業が、独立したレガシー・システムやパッケージ・アプリケーションを使用し続けており、そのほとんどは、情報の相互運用性、統合、再利用を考慮して設計されていません。 その結果、IT予算の大部分は現行ITインフラストラクチャのメンテナンスに割り当てられ、新たなビジネス機会を促すような新機能に使用できる予算はごくわずかです。 さらに、新しい将来性に向けた予算の大部分は、相互運用を満足にサポートできない既存システムに新機能を統合するためのコストに費やされています。従来のビジネス情報システムは機能指向で開発されてきたため、結果としてサービスと情報の分断化が発生していました。 根本的な問題は、この分断化したサービスと情報を幅広く使用する必要があるエンドツーエンドのビジネス・プロセスでは、ビジネス・ニーズの進化に伴う変化に適応できないことです。 プロセスは次第に細分化され、各システム内部に埋め込まれてきました。 Enterprise Application Integration(EAI)などの従来のミドルウェア・ソリューションは、システム間の通信を可能にすることでこの問題に部分的に対処していますが、完全には解決していません。 これらのミドルウェア・ソリューションは、アプリケーションをまたがるビジネス・プロセスを作成する能力が十分ではなく、ビジネス・プロセスへの適応性も限定されています。 また、これらの従来のソリューションは非常にコストがかかります。 EAIと従来のミドルウェア・ソリューションの大多数は、所有権のあるテクノロジを使用しているため、特殊なスキルが必要であり、特定ベンダーの製品以外は選択できません。 また、システムが密結合になるため、あるシステムでインタフェースの変更が発生した場合は、他のすべてのシステムを調整する必要があります。 つまり、このようなテクノロジは変更が難しいのみでなく、変更のコストが膨大となる可能性があります。

SOAは、細分化したIT環境に対処し、ITインフラストラクチャとアプリケーションの分断化に伴う難題に取り組む際に役立ちます。 SOAは、次のような利点から優れた柔軟性を実現します。

ISEを使用すると、開発者はアプリケーション機能をサービスとして公開できます。 ESBテクノロジによって、変更が必要なときでも安定したサービスの接続が維持されます。 たとえば、ESBによって、論理的なネーミング・コンストラクトがサポートされ、アプリケーションはプロトコルやデータ形式から分離されます。 BPELベースなどのBPMソリューションでは、サービスをビジネス・プロセスに組み込むことができます。 BPMソリューションを使用して作成したプロセスは、再利用可能で、ビジネス要件に応じて簡単に変更でき、リアルタイムでプロセスを表示できます。 Business Activity Monitoringソリューションでは、KPIおよびSLAの監視が実現され、企業は予防的な措置を講じることができます。