Oracle Application Server 管理者ガイド 10gリリース3(10.1.3.2.0) E05047-01 |
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この章では、Oracle Application Server Recovery Managerのインストール、構成および使用方法について説明します。
この章の項目は次のとおりです。
OracleAS Recovery Managerは、Oracle Application Serverの一部としてインストールされます。このアプリケーションはOracle_Home
/backup_restore
ディレクトリに配置されます。このbackup_restore
ディレクトリに常駐する場合があるファイルを表16-1に示します。
ファイル1 | 説明 |
---|---|
bkp_restore.sh |
UNIXでマネージャを実行するために使用するシェル・スクリプト。 Windowsでマネージャを実行するために使用するバッチ・コマンド・ファイル。 |
config/config.inp |
環境に応じてOracleAS Recovery Managerをカスタマイズするためのパラメータを含む主要な構成ファイル。 |
config/config_component_files.inp |
コンポーネント構成ファイル。各ファイルには、特定のコンポーネントに対する構成ファイルのリストが含まれます。これにより、インスタンスのバックアップを実行する際、どのファイルをバックアップするかが決定されます。コンポーネント構成ファイルの一覧は、第15.2.2項「Oracle Application Server コンポーネント・バックアップ入力ファイル」を参照してください。 |
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パスは、OracleAS Recovery Managerディレクトリのルートに対する相対パスです。 |
この項では、OracleAS Recovery Managerを手動で構成する方法について説明します。環境内の各インストールに、これらの手順を実行する必要があります。
ORACLE_HOME
環境変数を設定します。
ORACLE_HOME
/backup_restore/logs
です。config.inp
を編集して次のディレクトリを作成します。
これらのディレクトリを作成する際の推奨事項は、次のとおりです。
たとえば、ログ・ファイル・ディレクトリおよび構成ファイルのバックアップ・ディレクトリを/disk1
に作成する手順は次のとおりです。
UNIXの場合:
mkdir -p /disk1/backups/log_files mkdir -p /disk1/backups/config_files cd /disk1/backups chmod 755 log_files config_files chown OracleAS_user log_files config_files
Windowsの場合:
mkdir C:¥backups¥log_files mkdir C:¥backups¥config_files
config.inp
を編集し、表16-2に示すようにパラメータを変更します。-m configure
オプションでOracleAS Recovery Managerを実行し、このアプリケーションを構成します。たとえば、次のコマンドを使用します。
これでOracleAS Recovery Managerを使用する準備ができました。
デフォルトでは、OracleAS Recovery Managerにより、Oracle Application Serverインストールの再構成に必要なすべてのOracle Application Server構成ファイルをバックアップします。OracleAS Recovery Managerをカスタマイズすると、定期的にバックアップする必要のあるファイルを追加したり、バックアップする必要のないファイルを除外できます。
OracleAS Recovery Managerをカスタマイズする前に、OracleAS Recovery Managerの動作について理解している必要があります。マネージャを使用して構成ファイルをバックアップするとき、次のことが実行されます。
-e
オプションで別の環境ファイルが指定されていない場合、config.inp
を開き、config_files_list
を取得します。
config_files_list
内の各入力ファイルを開くよう試行し、すべてのファイルを開けない場合はエラーで終了します。
config_exclude_files.inp
の内容を確認します。マネージャは、このファイルにリストされているファイルのバックアップは実行しません。
config_files_list
内の各ファイルを調べ、各ファイルの最初のエントリを確認します。このエントリは、キー・ファイルです。キー・ファイルは、このインストールにコンポーネントが存在するかどうかを判断するために使用されます。
config_backup_path
パラメータで指定されたディレクトリにあるjarファイルに格納されます。
config_bkp_2006-05-10_18-33-10.jar
OracleAS Recovery Managerでは、インストールにどの構成ファイルが存在するかを判断できるため、OracleAS Recovery Managerをカスタマイズする必要はありません。ただし、次のような場合にマネージャのカスタマイズが必要になることもあります。
定期的にバックアップする必要のある、独自のローカル構成ファイルまたは他の任意のファイル(ログ・ファイルなど)を追加する場合です。
バックアップからファイルを除外する場合です。
Oracle Application Serverコンポーネント固有のログ・ファイルなどのファイルをバックアップに追加するには、次のようにconfig_misc_files.inp
ファイルにエントリを追加します。
${ORACLE_HOME}/directorypath/file
${ORACLE_HOME}/directorypath/
${ORACLE_HOME}/directorypath/*.html
エントリはいくつでも追加できます。config_misc_files.inp
ファイルは、常にconfig.inp
内のconfig_files_list
パラメータに含まれます。したがって、config.inp
を編集する必要はありません。
場合によっては、OracleAS Recovery Managerで、通常のディレクトリ構造の外部に格納されている追加のファイルが認識されないことがあります。たとえば、次の場合は、config_misc_files.inp
を編集して、次の追加のファイルが適切にバックアップされるようにする必要があります。
httpd.conf
やmoddav.conf
など)に定義されている仮想パスまたはデフォルト以外のパス。他のファイルまたはディレクトリをポイントするようにこれらのWebサーバー構成ファイルを変更した場合は、新しいパスを実行時バックアップに含めることを検討してください。
config_misc_files.inp
に、キー・ファイルを指定する必要はありません。
次のいずれかの方法を使用して、バックアップからファイルを除外することができます。
config_
component
.inp
ファイルからファイル・エントリを削除します。
config_
component
.inp
ファイルでディレクトリ全体をバックアップするよう指定してある場合、そのディレクトリ内の特定ファイルを除外するには、そのファイルのエントリをconfig_exclude_files.inp
に追加します。これにより、指定されたファイルを除くディレクトリ全体がバックアップされます。config_exclude_files.inp
内でディレクトリを指定、またはワイルドカードを使用することはできません。単一ファイルのエントリのみを使用できます。config_exclude_files.inp
に、キー・ファイルを指定する必要はありません。
この項では、OracleAS Recovery Managerの使用方法についてまとめます。
この項の項目は次のとおりです。
OracleAS Recovery Managerを実行する前に、次の手順を実行します。
OracleAS Recovery Managerの構文は次のとおりです。
UNIXの場合:
bkp_restore.sh [-defsv] -m mode [args]
Windowsの場合:
bkp_restore.bat [-defsv] -m mode [args]
次のオプションが有効です。
-d
実行せずにトレースを出力する。
-e
環境ファイルを指定する(デフォルトはconfig.inp
)。
-f
現行のコマンドで、ログ・ファイルおよび構成ファイルのディレクトリが必要とされているのにそれらのディレクトリが存在しない場合、強制的に作成する。
-n
プロンプトを非表示にして、マネージャをバッチ・モードで実行できるようにする。
-o
Loss of Host Automation(LOHA)操作。
-s
サイレント・モードで実行する。
-v
冗長モードで実行する。
-y
プラグイン・バックアップ入力ファイルに関連付けられているコンポーネントを有効にする。
実行モードを指定するには、-m
オプションを使用します。一部のモードでは、引数が取得されます。表16-3に、OracleAS Recovery Managerのモードとその引数を示します。すべてのモードと引数では大文字と小文字が区別されます。
bkp_restore
操作の間隔は、最低1分間空けて行う必要があります。バックアップのjarが存在するとき、そのタイムスタンプと現在実行中のバックアップ操作の実行時刻との間隔が1分未満である場合は、現在のバックアップ操作が失敗します。
この項では、OracleAS Recovery Managerの使用例を示します。最初にUNIXコマンド、次にWindowsコマンドを示します。
config.inp
ファイルを使用して、マネージャを構成する場合:
bkp_restore.sh -m configure bkp_restore.bat -m configure
myconfig.inp
という構成ファイルを使用して、マネージャを構成する場合:
bkp_restore.sh -m configure -e myconfig.inp bkp_restore.bat -m configure -e myconfig.inp
bkp_restore.sh -m backup_instance_cold bkp_restore.bat -m backup_instance_cold
bkp_restore.sh -m backup_instance_cold_incr bkp_restore.bat -m backup_instance_cold_incr
bkp_restore.sh -m backup_instance_online bkp_restore.bat -m backup_instance_online
bkp_restore.sh -m backup_instance_online_incr bkp_restore.bat -m backup_instance_online_incr
bkp_restore.sh -m restore_instance -t 2006-09-21_06-12-45 bkp_restore.bat -m restore_instance -t 2006-09-21_06-12-45
bkp_restore.sh -m node_backup -o prepare bkp_restore.bat -m node_backup -o prepare
bkp_restore.sh -m node_backup -o image_backup -Pdirectory for image archive
bkp_restore.bat -m node_backup -o image_backup -Pdirectory for image archive
bkp_restore.sh -m node_restore -o sys_init bkp_restore.bat -m node_restore -o sys_init
bkp_restore.sh -m node_restore -o inst_register bkp_restore.bat -m node_restore -o inst_register
bkp_restore.sh -m node_restore -o inst_reconfigure -t config_bkp_timestamp bkp_restore.bat -m node_restore -o inst_reconfigure -t config_bkp_timestamp
OracleAS Recovery Managerでは、正常なバックアップの記録がbackup_restore
ディレクトリ内のカタログ・ファイル(data/catalog.txt
)に保存されます。各バックアップはタイムスタンプで識別されます。インスタンスまたは構成のみのバックアップの場合は、構成ファイルのバックアップ・ディレクトリに保存されるjarファイルのファイル名に、タイムスタンプが付加されます。あるタイムスタンプに対応するすべての.jar
ファイルを削除した場合や、他の場所(オフライン・ストレージなど)に移動した場合は、カタログにタイムスタンプの記録が残っていても、-m list_backups
を実行したときにこの記録が表示されず、このタイムスタンプを-t
値として使用したリストアもできません。これは予期された動作です。
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