ヘッダーをスキップ

Oracle Application Server 管理者ガイド
10gリリース3(10.1.3.2.0)

E05047-01
目次
目次
索引
索引

戻る 次へ

3 起動と停止

この章では、Oracle Application Serverを起動および停止する手順について説明します。

この章の項目は次のとおりです。

3.1 起動および停止手順の概要

Oracle Application Serverは、使用者の要件に応じて、様々な方法で起動および停止できる柔軟性のある製品です。次の各項を参照してください。

3.2 アプリケーション・サーバー・インスタンスの起動と停止

この項では、アプリケーション・サーバー・インスタンスを起動および停止する方法について説明します。この項の項目は次のとおりです。

中間層インスタンスに接続された10.1.4または10.1.2のOracleAS Infrastructureを含む環境全体に対する停止手順の詳細は、第3.4項を参照してください。

3.2.1 中間層インスタンスの起動

この項では、中間層インスタンスのすべてのプロセスを起動する方法について説明します。この手順は、ホストの再起動後やインスタンス全体の起動時に実行できます。

中間層インスタンスを起動するには、次の手順を実行します。

  1. 中間層インスタンスがOracle Identity ManagementなどのOracleAS Infrastructureサービスに関連付けられている場合は、それらのサービスが起動されていることを確認します。詳細は、第3.4.3項を参照してください。

  2. 中間層コンポーネントを起動します。

    (UNIX) ORACLE_HOME/opmn/bin/opmnctl startall
    (Windows) ORACLE_HOME¥opmn¥bin¥opmnctl startall
    
    

    このコマンドでは、OPMNとすべてのOPMN管理プロセス(Oracle HTTP Server、OC4Jインスタンス、Application Server Controlコンソールなど)が起動されます。

また、Windowsでは「スタート」メニューから中間層を起動できます。たとえば、Windows 2000でOracle Application Serverを起動するには、「スタート」→「プログラム」→「Oracle - Oracle_home_name」→「Oracle Process Manager」→「Start Oracle Process Manager」を選択します。これにより、OPMNおよびOPMNで管理されているすべてのプロセスが起動します。

3.2.2 中間層インスタンスの停止

この項では、中間層インスタンスのすべてのプロセスを停止する方法について説明します。この手順は、ホストの停止時やインスタンス全体の停止時に実行できます。

中間層インスタンスを停止するには、次のコマンドを使用します。

(UNIX) ORACLE_HOME/opmn/bin/opmnctl stopall
(Windows) ORACLE_HOME¥opmn¥bin¥opmnctl stopall

このコマンドでは、OPMNとすべてのOPMN管理プロセス(Oracle HTTP Server、OC4Jインスタンス、Application Server Controlコンソールなど)が停止されます。

また、Windowsでは「スタート」メニューから中間層を停止できます。たとえば、Windows 2000でOracle Application Serverインスタンスを停止するには、「スタート」→「プログラム」→「Oracle - Oracle_home_name」→「Oracle Process Manager」→「Stop Oracle Process Manager」を選択します。これにより、OPMNおよびOPMNで管理されているすべてのプロセスが停止します。

3.3 コンポーネントの起動と停止

コンポーネントの起動、停止、再起動およびステータスの表示には、次のツールを使用できます。

これらの両ツールはプロセス管理の基盤となるテクノロジとしてOPMNを使用しているため、用途に応じて交換して使用できます。たとえば、opmnctlを使用してコンポーネントを起動し、Application Server Controlコンソールを使用して停止できます。

ただし、この2つのツールは互換性がある一方で、異なる機能も備えています。opmnctlコマンドでは、コンポーネント全体に加えて、コンポーネントのサブプロセスを起動および停止できます。Application Server Controlコンソールには、起動または停止のステータスが他のコンポーネントに依存しており、直接起動および停止できないコンポーネントを表示できます。

3.3.1 opmnctlを使用したコンポーネントの起動と停止

コンポーネントを起動および停止するには、opmnctlコマンドライン・ツールを使用できます。これは次のディレクトリにあります。

(UNIX) ORACLE_HOME/opmn/bin
(Windows) ORACLE_HOME¥opmn¥bin

コンポーネントを起動、停止または再起動する場合のopmnctlコマンドは次のとおりです。

opmnctl stopproc ias-component=component
opmnctl startproc ias-component=component
opmnctl restartproc ias-component=component

コンポーネントのサブプロセスを起動、停止または再起動するコマンドは次のとおりです。

opmnctl stopproc process-type=process
opmnctl startproc process-type=process
opmnctl restartproc process-type=process

Application Server Controlのようなアプリケーションを起動、停止または再起動するコマンドは次のとおりです。

opmnctl startproc application=app_name
opmnctl stopproc application=app_name
opmnctl restartproc application=app_name

コンポーネントおよびプロセスのステータスを表示するコマンドは次のとおりです。

opmnctl status -l

opmnctlの使用方法の詳細は、『Oracle Process Manager and Notification Server管理者ガイド』を参照してください。

3.3.2 Application Server Controlコンソールを使用したコンポーネントの起動と停止

Application Serverホーム・ページで、コンポーネントの起動、停止、再起動およびステータスの表示ができます。

  1. Application Server Controlコンソールで「クラスタ・トポロジ」ホーム・ページにナビゲートします。

  2. 「メンバー」セクションの「表示方法」で、「アプリケーション・サーバー」を選択します。

  3. 選択」列で、起動、停止または再起動するコンポーネントを選択します(すべてのコンポーネントを表示するには、「すべてを開く」をクリックします)。

  4. 「メンバー」セクションの右上にある「起動」、「停止」または「再起動」ボタンをクリックします。

各コンポーネントのホーム・ページを使用して、個々のコンポーネントを起動および停止することもできます。

3.4 Oracle Application Server環境の起動と停止

この項では、Oracle Application Server環境を起動および停止する手順について説明します。1つの環境は、複数のホストに分散配置された複数のOracleAS Infrastructureおよび中間層インスタンスで構成できます。これらのインスタンスは相互に依存するため、正しい順序で起動および停止することが重要です。

Oracle Application Server環境を完全に停止する必要がある場合は、次の手順を使用できます。環境を完全にバックアップする場合や、パッチを適用する場合などは、この手順を使用します。

この項の項目は次のとおりです。

3.4.1 Oracle Application Server環境の起動

Oracle Application Server環境を起動する手順は次のとおりです。

  1. OracleAS Metadata Repositoryのみを含むOracleAS Infrastructureを起動します。

    環境にOracleAS Metadata Repositoryのみを含む複数のOracleAS Infrastructureインストールがある場合は、それらを任意の順序で起動します。このインストール・タイプでは、OracleAS Metadata Repositoryのみを起動する必要がある点に注意してください。opmnctlでプロセスを起動する必要はありません。Application Server Controlコンソールを起動する必要もありません。詳細は、第3.4.3項「10.1.4または10.1.2のOracleAS Infrastructureの起動」を参照してください。

  2. Oracle Identity Managementを含むOracleAS Infrastructureを起動します。

    Oracle Identity Managementを環境で使用している場合は、Oracle Internet Directoryを含むOracleAS Infrastructureを起動します。このOracleAS InfrastructureでOracleAS Metadata Repositoryを使用している場合は、Oracle Internet Directoryを起動する前にOracleAS Metadata Repositoryを起動します。詳細は、第3.4.3項「10.1.4または10.1.2のOracleAS Infrastructureの起動」を参照してください。

  3. 中間層インスタンスを起動します。

    中間層インスタンスを任意の順序で起動します。詳細は、第3.2.1項「中間層インスタンスの起動」を参照してください。

3.4.2 Oracle Application Server環境の停止

Oracle Application Server環境のすべてのプロセスを停止する手順は次のとおりです。

  1. 中間層インスタンスを停止します。

    中間層インスタンスが環境にある場合は、それらを任意の順序で停止します。詳細は、第3.2.2項「中間層インスタンスの停止」を参照してください。

  2. Oracle Identity Managementを含むOracleAS Infrastructureを停止します。

    Oracle Identity Managementを環境で使用している場合は、Oracle Internet Directoryを含むOracleAS Infrastructureを停止します。このOracleAS InfrastructureにOracleAS Metadata Repositoryが含まれる場合は、OracleAS Metadata Repositoryも停止します。

  3. OracleAS Metadata Repositoryのみを含むOracleAS Infrastructureインスタンスを停止します。

    環境にOracleAS Metadata Repositoryのみを含む複数のOracleAS Infrastructureインスタンスがある場合は、それらを任意の順序で停止します。詳細は、第3.4.4項「10.1.4または10.1.2のOracleAS Infrastructureの停止」を参照してください。

3.4.3 10.1.4または10.1.2のOracleAS Infrastructureの起動

中間層がリリース10.1.4またはリリース2(10.1.2)のOracleAS Infrastructureインスタンスに接続されている場合、そのインスタンスからInfrastructureを起動できます。

この手順は、OracleAS Infrastructureのすべてのタイプに適用できます。

OracleAS Infrastructureを起動する手順は次のとおりです。

  1. OracleAS InfrastructureにOracleAS Metadata Repositoryが含まれる場合は、次の手順に従い起動します。

    1. ORACLE_HOME環境変数をOracleAS InfrastructureのOracleホームに設定します。

    2. ORACLE_SID環境変数をOracleAS Metadata Repository SID(デフォルトはorcl)に設定します。

    3. Netリスナーを起動します。

      ORACLE_HOME/bin/lsnrctl start
      
      
    4. OracleAS Metadata Repositoryインスタンスを起動します。

      ORACLE_HOME/bin/sqlplus /nolog
      SQL> connect SYS as SYSDBA
      SQL> startup
      SQL> quit
      
      
    5. Oracle Enterprise Manager 10g Database Controlを起動します。

      (UNIX) ORACLE_HOME/bin/emctl start dbconsole
      (Windows) ORACLE_HOME¥bin¥emctl start dbconsole
      
      
  2. OracleAS InfrastructureにOracle Identity Managementが含まれる場合は、次の手順に従い起動します。

    1. コンポーネントを起動します。

      (UNIX) ORACLE_HOME/opmn/bin/opmnctl startall
      (Windows) ORACLE_HOME¥opmn¥bin¥opmnctl startall
      
      

      このコマンドでは、OPMNとすべてのOPMN管理プロセス(DCM、Oracle HTTP Server、OC4Jインスタンス、Oracle Internet Directoryなど)が起動されます。

    2. Application Server Controlコンソールを起動します。

      (UNIX) ORACLE_HOME/bin/emctl start iasconsole
      (Windows) ORACLE_HOME¥bin¥emctl start iasconsole
      
      

      また、Windowsでは、コントロール パネルの「サービス」を使用してApplication Server Controlコンソールを起動することもできます。Application Server Controlのサービス名の形式は次のとおりです。

      OracleOracleHomeNameASControl
      
      

      Application Server Controlの起動方法の詳細は、第A.1項を参照してください。

また、Windowsでは、「スタート」→「プログラム」→「Oracle Application Server Infrastructure - Infra_name」→「Start instanceName」を選択して、プログラム・メニューからInfrastructureを起動することもできます。

3.4.4 10.1.4または10.1.2のOracleAS Infrastructureの停止

中間層がリリース10.1.4またはリリース2(10.1.2)のOracleAS Infrastructureインスタンスに接続されている場合、そのインスタンスからInfrastructureを停止できます。

この手順は、OracleAS Infrastructureのすべてのタイプに適用できます。

OracleAS Infrastructureを停止する手順は次のとおりです。

  1. OracleAS InfrastructureにOracle Identity Managementが含まれる場合は、次の手順に従い停止します。

    1. Application Server Controlコンソールを停止します。

      (UNIX) ORACLE_HOME/bin/emctl stop iasconsole
      (Windows) ORACLE_HOME¥bin¥emctl stop iasconsole
      
      

      また、Windowsでは、コントロール パネルの「サービス」を使用してApplication Server Controlコンソールを停止することもできます。詳細は、第A.1項を参照してください。

    2. コンポーネントを停止します。

      (UNIX) ORACLE_HOME/opmn/bin/opmnctl stopall
      (Windows) ORACLE_HOME¥opmn¥bin¥opmnctl stopall
      
      

      このコマンドでは、OPMNとすべてのOPMN管理プロセス(DCM、Oracle HTTP Server、OC4Jインスタンス、Oracle Internet Directoryなど)が停止されます。

  2. OracleAS InfrastructureにOracleAS Metadata Repositoryが含まれる場合は、次の手順に従い停止します。

    1. ORACLE_HOME環境変数をOracleAS InfrastructureのOracleホームに設定します。

    2. ORACLE_SID環境変数をOracleAS Metadata Repository SID(デフォルトはorcl)に設定します。

    3. OracleAS Metadata Repositoryインスタンスを停止します。

      ORACLE_HOME/bin/sqlplus /nolog
      SQL> connect SYS as SYSDBA
      SQL> shutdown
      SQL> quit
      
      
    4. Netリスナーを停止します。

      ORACLE_HOME/bin/lsnrctl stop
      
      
    5. Oracle Enterprise Manager 10g Database Controlを停止します。

      (UNIX) ORACLE_HOME/bin/emctl stop dbconsole
      (Windows) ORACLE_HOME¥bin¥emctl stop dbconsole
      
      

また、Windowsでは、「スタート」→「プログラム」→「Oracle Application Server Infrastructure - Infra_name」→「Stop instanceName」を選択して、プログラム・メニューからInfrastructureを停止することもできます。

3.5 起動と停止: 特殊なトピック

この項では、Oracle Application Serverの起動および停止に関する特殊なトピックについて説明します。この項の項目は次のとおりです。

3.5.1 高可用性環境での起動と停止

次に示す高可用性環境では、起動および停止について特別な検討と手順が必要です。

3.5.2 コンポーネントの使用可能および使用不可の設定

コンポーネントは、使用可能または使用不可に設定できません。ただし、第6.1項の説明にあるように、OC4Jインスタンスを作成または削除することはできます。

3.5.3 複数インスタンス起動時のOC4Jエラーの解決

1つのホスト上に複数のOracle Application Serverインストールがあり、それらを同時に起動する場合、OPMNによって次のようなエラーが返されることがあります。

<process-type id="my_OC4J_instance">
  <process-set id="default_island">
    <process id="93388820" pid="24711" status="Stopped" index="1"
     log="/disk1/oracleas/opmn/logs/OC4J~my_OC4J_instance~default_island~1"
 operation="request" result="failure">
      <msg code="-21" text="failed to restart a managed process
        after the maximum retry limit">
      </msg>

このエラーは、OC4Jインスタンス(my_OC4J_instance)の起動に失敗したことを示しています。この問題は、同一ホスト上にある2つの異なるOracleホームで、RMI、JMSおよびAJPポート用に同じポート範囲を使用しており、一方のOracleホームのOC4Jインスタンスが他方のOracleホームのOC4Jインスタンスと同じポートを使用しようとしたことが原因である可能性があります。

たとえば、1つのホスト上に2つのOracle Application Serverインストールがあり、ORACLE_HOME1ORACLE_HOME2に配置されているとします。各インストールには1つ以上のOC4Jインスタンスがあり、そのそれぞれのOC4Jインスタンスに、AJP、RMIおよびJMSポート用のポート範囲が割り当てられます。

OC4Jポート範囲の割当ては、両方のOracleホームのopmn.xmlファイルを調べることによってチェックできます。

ORACLE_HOME1/opmn/conf/opmn.xml
ORACLE_HOME2/opmn/conf/opmn.xml

各ファイルで、次のような行で始まるOC4Jインスタンス・エントリを検索します。

<process-type id="home" module-id="OC4J" ... >

各エントリ内で、RMI、JMSおよびAJPポート範囲を検索します。次に例を示します。

<port id="ajp" range="12501-12600"/>
<port id="rmi" range="12401-12500"/>
<port id="jms" range="12601-12700"/>

表3-1に、2つのOracleホームに同じOC4Jポートが割り当てられている問題の例を示します。この例では、ORACLE_HOME1のAJP、RMIおよびJMSポート範囲が、ORACLE_HOME2のAJP、RMIおよびJMSポート範囲と同じになっています(この例では、問題になっているopmn.xmlの行のみを示しています)。

表3-1    2つのOracleホームにおける同一ポート範囲の例 
ORACLE_HOME1/opmn/conf/opmn.xmlにおける
OC4Jポート範囲
 
ORACLE_HOME2/opmn/conf/opmn.xmlにおける
OC4Jポート範囲
 
<ias-component id="OC4J">
...
<process-type id="home" ... >
...
<port id="default-web-site"
range="12501-12600" protocol="ajp"/>
<port id="rmi" range="12401-12500"/>
<port id="rmis" range="12701-12800"/>
<port id="jms" range="12601-12700"/>
...
</process-type>
<process-type id="OC4J_WebCenter" ... >
...
<port id="default-web-site"
range="12501-12600" protocol="ajp"/>
<port id="rmi" range="12401-12500"/>
<port id="rmis" range="12701-12800"/>
<port id="jms" range="12601-12700"/>
</process-type>
 
<ias-component id="OC4J">
...
<process-type id="home" ... >
...
<port id="default-web-site
range="12501-12600" protocol="ajp"/>
<port id="rmi" range="12401-12500"/>
<port id="rmis" range="12701-12800"/>
<port id="jms" range="12601-12700"/>
...
</process-type>
<process-type id="OC4J_WebCenter" ... >
...
<port id="default-web-site"
range="12501-12600" protocol="ajp"/>
<port id="rmi" range="12401-12500"/>
<port id="rmis" range="12701-12800"/>
<port id="jms" range="12601-12700"/>
</process-type>
 

Oracle Application Serverインスタンス内のすべてのOC4Jインスタンスに対するポート割当ては、OPMNにより制御されます。そのため、1つのopmn.xmlファイル内でポート範囲が重複していても問題はありません。しかし、1つのホスト上の2つのOPMNによってプロセスが同時に起動されたときは、両プロセス間でポート使用が調整されません。

OPMNでポート割当てに使用されるアルゴリズムは次のとおりです。

  1. ローカル・インスタンスのOPMNにより管理されるプロセスに対し現在、割当て済となっていないポート範囲からポートを選択します。

  2. 選択したポートを割り当てる前に、バインドすることによってそのポートが使用されているかどうかをチェックします。

  3. そのポートが使用されていない場合(OPMNによってバインドできた場合)は、バインドを解除して、そのポートをプロセス(OC4Jインスタンスなど)に割り当てます。これにより、そのポートがプロセスにバインドされ、この割当て情報で内部データ構造が更新されます。

OPMNがそのポートからバインド解除され、割当てプロセスがそのポートにバインドされる間に、別のプロセスがそのポートにバインドされる可能性があります。たとえば、ホスト上の他のOPMNプロセスや、同じポート番号に偶然バインドしようとした他の任意のプロセスが対象となります。

ポート範囲の割当てが複数のOracleホームで同一である場合で、この項の最初に示したようなエラーを受け取ったときは、2つのOPMNプロセスがそれぞれのOC4Jインスタンスに同じポートをバインドしようとしたことが原因として考えられます。この問題を完全に取り除く方法はありませんが(OPMN以外のプロセスが同時に同じポートにバインドしようとする可能性は少ないながらもあるため)、OPMNを再構成することによって、このエラーが発生する可能性を減らすことはできます。

この問題を解決する方法には、次の2つがあります。

オプション1: 各Oracleホームに一意のポート範囲を割り当てる

表3-2に示すように、各Oracleホームに重複しないOC4Jポート範囲を割り当てることができます。これにより、ORACLE_HOME1のOPMNとORACLE_HOME2のOPMNは、OPMNポートの割当て時に同じポート番号を使用しないようになり、同じポートがバインドされなくなります。

表3-2    2つのOracleホームで一意のポート範囲を使用する例 
ORACLE_HOME1/opmn/conf/opmn.xmlにおける
OC4Jポート範囲
 
ORACLE_HOME2/opmn/conf/opmn.xmlにおける
OC4Jポート範囲
 
<ias-component id="OC4J">
...
<process-type id="home" ... >
...
<port id="default-web-site"
range="12501-12600" protocol="ajp"/>
<port id="rmi" range="12401-12500"/>
<port id="rmis" range="12701-12800"/>
<port id="jms" range="12601-12700"/>
...
</process-type>
<process-type id="OC4J_WebCenter" ... >
...
<port id="default-web-site"
range="12501-12600" protocol="ajp"/>
<port id="rmi" range="12401-12500"/>
<port id="rmis" range="12701-12800"/>
<port id="jms" range="12601-12700"/>
</process-type>
 
<ias-component id="OC4J">
...
<process-type id="home" ... >
...
<port id="default-web-site"
range="4601-4700" protocol="ajp"/>
<port id="rmi" range="4701-4800"/>
<port id="rmis" range="4901-4999"/>
<port id="jms" range="4801-4900"/>
...
</process-type>
<process-type id="OC4J_WebCenter" ... >
...
<port id="default-web-site"
range="4601-4700" protocol="ajp"/>
<port id="rmi" range="4701-4800"/>
<port id="rmis" range="4901-4999"/>
<port id="jms" range="4801-4900"/>
</process-type>
 

手順は次のとおりです。

  1. AJP、RMIおよびJMS用に一意のポートを選択します。

  2. ORACLE_HOME2/opmn/conf/opmn.xmlを編集します。

  3. このファイルの各OC4Jインスタンスで、新しい一意のポート範囲を使用するようにAJP、RMIおよびJMSを変更します。次に例を示します。

    <port id="ajp" range="4601-4700"/>
    <port id="rmi" range="4701-4800"/>
    <port id="jms" range="4801-4900"/>
    
    
  4. ファイルを保存して閉じます。

  5. OPMNをリロードします。

    (UNIX) ORACLE_HOME/opmn/bin/opmnctl reload
    (Windows) ORACLE_HOME¥opmn¥bin¥opmnctl reload
    
オプション2: OC4Jインスタンスの起動の最大試行回数を増やす

OPMNでは、起動の失敗が通知される前に、決められた回数だけプロセスの起動が再試行されます。ポートに範囲があるプロセス・タイプでは、プロセス起動の失敗が割当て済のポート番号にプロセスをバインドできないことに起因する場合、指定された範囲内の異なるポート番号を使用してプロセスの起動が再試行されます。これを利用して、2つのOracleホームのポート範囲は同じままで、OPMNがプロセスの起動を再試行する回数を増やすことができます。結果として、OPMNにより問題のないポートが選択されます。この方法では問題が完全に取り除かれることはありません。10回試行しても問題のないポートが見つかるとは限らないためですが、問題が発生する可能性は減ります。

再試行回数を制御するパラメータはretryです。デフォルト値は2です。各Oracleホームで次の手順を実行して、このパラメータを10などの大きな数値に増やすことができます。

  1. ORACLE_HOME/opmn/conf/opmn.xmlを編集します。

  2. このファイルの各OC4Jインスタンスで、起動および再起動の再試行値を増やします。次に例を示します。

    <start timeout="600" retry="10"/>
    <restart timeout="720" retry="10"/>
    
    
  3. ファイルを保存して閉じます。

  4. OPMNをリロードします。

    (UNIX) ORACLE_HOME/opmn/bin/opmnctl reload
    (Windows) ORACLE_HOME¥opmn¥bin¥opmnctl reload
    
    

表3-3に、再試行回数を10に増やした後の、同じホスト上の2つのOracleホームのopmn.xmlファイルの例を示します。

表3-3    2つのOracleホームで再試行回数を増やす例 
ORACLE_HOME1/opmn/conf/opmn.xmlにおける
OC4Jポート範囲
 
ORACLE_HOME2/opmn/conf/opmn.xmlにおける
OC4Jポート範囲
 
<ias-component id="OC4J">
...
<process-type id="home" ... >
...
<start timeout="600" retry="10"/>
...
<restart timeout="720" retry="10"/>
<port id="default-web-site"
range="12501-12600" protocol="ajp"/>
<port id="rmi" range="12401-12500"/>
<port id="rmis" range="12701-12800"/>
<port id="jms" range="12601-12700"/>
...
</process-type>
<process-type id="OC4J_WebCenter" ... >
...
<start timeout="600" retry="10"/>
...
<restart timeout="720" retry="10"/>
<port id="default-web-site"
range="12501-12600" protocol="ajp"/>
<port id="rmi" range="12401-12500"/>
<port id="rmis" range="12701-12800"/>
<port id="jms" range="12601-12700"/>
</process-type>
 
<ias-component id="OC4J">
...
<process-type id="home" ... >
...
<start timeout="600" retry="10"/>
...
<restart timeout="720" retry="10"/>
<port id="default-web-site"
range="12501-12600" protocol="ajp"/>
<port id="rmi" range="12401-12500"/>
<port id="rmis" range="12701-12800"/>
<port id="jms" range="12601-12700"/>
...
</process-type>
<process-type id=""OC4J_WebCenter" ... >
...
<start timeout="600" retry="10"/>
...
<restart timeout="720" retry="10"/>
<port id="default-web-site"
range="12501-12600" protocol="ajp"/>
<port id="rmi" range="12401-12500"/>
<port id="rmis" range="12701-12800"/>
<port id="jms" range="12601-12700"/>
</process-type>
 

戻る 次へ
Oracle
Copyright © 2002, 2007, Oracle.

All Rights Reserved.
目次
目次
索引
索引