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Oracle BPEL Process Manager開発者ガイド
10g(10.1.3.1.0)
B31874-03
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2 Oracle BPEL Process Managerの基本操作

この章では、Oracle JDeveloper、Oracle BPEL ServerおよびOracle BPEL Controlなど、Oracle BPEL Process Managerの主要コンポーネントの起動方法について説明します。BPELプロセスの設計に使用するOracle JDeveloperの主要セクションの概要も説明します。また、アクティビティ、パートナ・リンクなどの主要なBPEL設計コンポーネント、およびOracle BPEL Process Managerで提供される標準BPEL機能の価値と使いやすさを高めるサービスとアダプタについても説明しました。

この章の内容は次のとおりです。

2.1 Oracle BPEL Process Managerコンポーネントの概要

Oracle BPEL Process Managerは、図2-1に示す3つのコンポーネントから構成されます。

図2-1 Oracle BPEL Process Managerのコンポーネント

図bpmdg033.gifの説明が続きます
図bpmdg033.gifの説明

各コンポーネントでは、次のような特定のタスクを実行できます。

この章では、これらのコンポーネントの基本操作について説明します。

2.2 Oracle BPEL Process Managerコンポーネントの起動

表2-1に示す指示に従って、Oracle BPEL Process Managerコンポーネントを起動および停止します。

表2-1 Oracle BPEL Process Managerコンポーネントの起動と停止

アクセス先 Windowsでの手順 UNIXでの手順
Oracle BPEL Server 「スタート」「すべてのプログラム」「Oracle - Oracle_Home「Start SOA suite」を選択します。 Oracle BPEL Serverを起動する場合

$ORACLE_HOME/bpel/binから次のように入力します。

startorabpel.sh

Oracle BPEL Serverを停止する場合

$ORACLE_HOME/bpel/binから次のように入力します。

shutdownorabpel.sh

Oracle JDeveloper
JDev_Oracle_Home¥JDev¥bin¥jdev.exeをクリックするか、ショートカットを作成します。 $ORACLE_HOME/jdev/bin/jdev
Oracle BPEL Control
最初にOracle BPEL Serverを起動する必要があります。

Oracle BPEL Controlを起動するには、次のようにします。

  1. 「スタート」「すべてのプログラム」「Oracle - Oracle_Home「Oracle BPEL Process Manager」「BPEL Control」を選択します。

Oracle BPEL Controlを起動するには、インストール用のURLを使用する方法もあります。このURLは、SOA_Oracle_Home¥install¥bpelsetupinfo.txtにあります。

最初にOracle BPEL Serverを起動します。

Oracle BPEL Controlを起動するには、次のようにします。

  • インストール用のURLにログインします。このURLはbpelsetupinfo.txtにあります。

Developerプロンプト 「スタート」「すべてのプログラム」「Oracle - Oracle_Home「Oracle BPEL Process Manager」「Developer Prompt」を選択し、SOA_Oracle_Home¥bpel¥samplesディレクトリでコマンド・プロンプトを開きます。これにより、容易にデモンストレーションにアクセスして必要なWebサービスを起動できます。 Developerプロンプトを(Bourneシェルなどで)設定します。

$ ORACLE_HOME=/home/oracle/installs/midtier

$ export ORACLE_HOME

$ PATH=$ORACLE_HOME/bpel/bin:$PATH

$ export PATH

Oracle BPEL Process Managerのサンプルとチュートリアル 使用可能なBPELのサンプルおよびその他のチュートリアルの詳細は、次の手順で確認してください。

「スタート」「すべてのプログラム」「Oracle - Oracle_Home「Oracle BPEL Process Manager」「Getting Started with Samples」を選択します。

次のURLにログインします。

$ORACLE_HOME/bpel/samples/sampleshome.html

サンプル・ワークリスト・アプリケーション Oracle BPELワークリスト・アプリケーションのログイン・ウィンドウにアクセスするには、次のようにします。

「スタート」「すべてのプログラム」「Oracle - Oracle_Home「Oracle BPEL Process Manager」「Sample Worklist Application」を選択します。

Oracle BPELワークリスト・アプリケーションを起動するには、インストール用のURLを使用する方法もあります。このURLは、SOA_Oracle_Home¥install¥bpelsetupinfo.txtにあります。

最初にOracle BPEL Serverを起動します。

Oracle BPELワークリスト・アプリケーションを起動するには、次のようにします。

  • インストール用のURLにログインします。このURLはbpelsetupinfo.txtにあります。



注意:

antまたはobantを使用してサービスをデプロイする場合は、オペレーティング・システムのコマンド・プロンプトを開くときに必ず「Developer Prompt」を使用してください。これにより、必要なパスがすべて設定されます。他の方法でオペレーティング・システムのコマンド・プロンプトを開く操作はサポートされていません。

2.3 BPELデザイナ環境の概要

この項では、Oracle JDeveloper環境の概要を説明します。

2.3.1 BPELプロジェクトの作成とOracle JDeveloperの概要

この項では、Oracle JDeveloperの概要を説明します。最初にアプリケーションとプロジェクトを作成します。アプリケーションは、プロジェクトを入れるためのコンテナです。プロジェクトにはBPELプロセスが入ります。

  1. 「ファイル」メイン・メニューから「新規」「アプリケーション」を選択し、「アプリケーションの作成」ウィンドウで必要な詳細を指定します(アプリケーション・テンプレートの選択を除く)。

  2. アプリケーションのディレクトリ・パスに空白が含まれていないことを確認します。たとえば、次のパスは指定できません。

    C:¥Program Files¥projects¥myapplication¥Loanflow
    
    
  3. 「プロジェクトの作成」ウィンドウで「取消」をクリックします。

  4. 新しく作成したアプリケーションを右クリックし、「新規プロジェクト」を選択します。

  5. 「BPELプロセス・プロジェクト」をダブルクリックし、「BPELプロジェクト作成ウィザード」ウィンドウにBPELプロセス名などの必要な詳細情報を指定します。1つのプロジェクトに格納できるBPELプロセスは1つのみです。BPELプロジェクトの作成時は、必ず完全に一意の名前を使用してください。次のようなプロジェクトは作成しないでください。

    • 名前の先頭が数値のプロジェクト

    • ハイフンを含むプロジェクト名(Loan-Flowなど)

    • 大/小文字は異なっても、名前が同じ2つのプロジェクト


注意:

  • 「ファイル」メイン・メニューから「インポート」「BPELプロセス」を選択し、既存のプロジェクトをOracle JDeveloperにインポートすることも可能です。ただし、ZIPファイル内のXSDファイルはBPELプロジェクトにインポートまたは追加しないでください。XSDファイルは、必ずZIPファイルから抽出してからインポートします。

  • 既存のプロジェクトのテンプレートを作成して選択することも可能です。 テンプレートを使用すると、BPELプロセスのコピーを作成できます。 たとえば、最初に大きくて複雑なBPELプロセスを設計するとします。 次に、第2のBPELプロセスを設計する必要があります。このBPELプロセスは第1のBPELプロセスに酷似していますが、まったく同一ではありません。 第2のプロセスを新しく設計するかわりに、第1のプロセスのテンプレートを作成し、第2のBPELプロセスのプロジェクトを作成する際に選択できます。 これにより、第1のプロセスと同じBPELプロセスが作成されます。 その後、必要に応じて第2のプロセスを変更できます。

    プロジェクトを右クリックして「テンプレートとしてマーキング」を選択し、名前を指定します。 新規BPELプロジェクトの作成時に、「BPELプロジェクト作成ウィザード」の「テンプレート」リストからプロセス名を選択できます。


アプリケーションおよびプロジェクトを作成すると、Oracle JDeveloperには図2-2に示す各セクションが表示されます。「表示」「アプリケーション・ナビゲータ」を選択し、プロジェクトの.bpelファイルをダブルクリックして、このビューにアクセスすることもできます。この例では、プロジェクトは非同期型で、OrderBookingという名前です。

図2-2 Oracle JDeveloperのセクション

図jdevall.gifの説明が続きます
図jdevall.gifの説明

このビューの各セクションを使用して、特定の設計およびデプロイ・タスクを実行できます。表2-2に、図2-2の各セクションと、それらの機能を説明する項への参照を示します。

表2-2 Oracle JDeveloperのセクション

セクション 図2-2内の位置 参照項目
アプリケーション・ナビゲータ 左上 「アプリケーション・ナビゲータ」
「ダイアグラム」ウィンドウ、「ソース」ウィンドウおよび「履歴」ウィンドウ 中央 「「ダイアグラム」ウィンドウ」「「ソース」ウィンドウ」および「「履歴」ウィンドウ」
「コンポーネント・パレット」「プロセス・アクティビティ」の選択項目 右上 「コンポーネント・パレット」
「プロパティ・インスペクタ」セクション 右下 「プロパティ・インスペクタ」
「構造」ウィンドウ 左下 「「構造」ウィンドウ」
「ログ」ウィンドウ 下部 「「ログ」ウィンドウ」


関連項目:

アプリケーションとプロジェクトを作成するチュートリアルは、『Oracle BPEL Process Managerクイック・スタート・ガイド』および『Oracle BPEL Process Manager Order Bookingチュートリアル』を参照してください。

2.3.1.1 アプリケーション・ナビゲータ

図2-2の左上にあるアプリケーション・ナビゲータには、プロジェクト・ファイルが表示されています。ノード(たとえば「インテグレーション・コンテンツ」ノード)をダブルクリックすると、その内容が表示されます。ノードを右クリックすると、状況依存メニューのコマンドが表示されます。表示されるメニュー・コマンドは、選択したノードによって異なります。たとえば、図2-3FulfillOrdersプロジェクトを右クリックすると、このBPELプロセスをコンパイルし、Oracle BPEL Serverにデプロイできます。

図2-3は、Oracle JDeveloperでプロジェクトを最初に作成したときに「インテグレーション・コンテンツ」フォルダの下に表示されるファイルを示しています(この例ではmyBPELapplicationという名前のアプリケーション内のFulfillOrders)。

図2-3 アプリケーション・ナビゲータ

図jdevappnav2.gifの説明が続きます
図jdevappnav2.gifの説明

これらの初期プロジェクト・ファイルを表2-3に示します。

表2-3 初期プロジェクト・ファイル

ファイル 説明
bpel.xml このBPELプロセス・フローによってコールされるサービスのWSDLファイルの場所を定義するデプロイメント・ディスクリプタ・ファイルです。このファイルは、サービスのpublicインタフェースを参照します。

関連項目: 付録C「デプロイメント・ディスクリプタのプロパティ」

FulfillOrder.bpel ソース・ファイルです。選択したプロジェクト・タイプにより、最初に含まれる最小アクティビティ・セットが異なります。たとえば、非同期プロジェクトを作成するよう選択した場合は、receiveアクティビティとinvokeアクティビティが表示されます。アクティビティのドラッグ・アンド・ドロップ、変数の作成、パートナ・リンクの作成などの際は、このファイルに構文を追加します。
FulfillOrder.wsdl このBPELプロセス・フローの入力メッセージと出力メッセージ、サポートされるクライアント・インタフェースと操作、およびその他の機能を定義する、WSDLクライアント・インタフェースです。この機能により、BPELプロセス・フローをサービスとしてコールできます。

プロジェクトの設計時、その他のファイル、フォルダおよび要素がアプリケーション・ナビゲータに表示されることがあります。たとえば図2-4は、スキーマ(OrderBookingPO.xsdおよびOrders.xsd)をインポートし、データベース・アダプタ(WriteDBRecord.wsdlファイル)を構成し、transformアクティビティ(「インテグレーション・コンテンツ」フォルダのTransformation_1.xsl)を作成したプロジェクトに対して表示されるファイルを示しています。「アプリケーション・ソース」ノードには、Javaソース・ファイルが格納されます。Javaクラスは、BPELプロセスからのコールアウト内で使用されます。Java JARファイル用の特別なディレクトリであるBPEL-INFなどの他のフォルダが表示されることもあります。

図2-4 アプリケーション・ナビゲータ(展開済)

図jdevappnav.gifの説明が続きます
図jdevappnav.gifの説明


注意:

アプリケーション・ナビゲータの詳細を参照するには、このセクション内にカーソルを置き、[F1]を押してオンライン・ヘルプを表示します。

2.3.1.2 「ダイアグラム」ウィンドウ

図2-2の中央にある「ダイアグラム」ウィンドウでは、設計するBPELプロセスのビジュアル・ビューが提供されます。このビューは、次のいずれかの処理を実行すると表示されます。

  • アプリケーション・ナビゲータ.bpelファイル名をダブルクリックした場合

  • .bpelファイルを選択して、ウィンドウの下部にある「ダイアグラム」タブをクリックした場合

非同期プロジェクトで自動的に作成されたアクティビティを図2-5に示します。『Oracle BPEL Process Managerクイック・スタート・ガイド』および『Oracle BPEL Process Manager Order Bookingチュートリアル』で説明するチュートリアルでは、アクティビティのドラッグ・アンド・ドロップ、変数の作成、パートナ・リンクの作成などの操作により、BPELプロセスにアクティビティを追加しています。

図2-5 「ダイアグラム」(非同期プロジェクトの作成後)

図jdevdiag.gifの説明が続きます
図jdevdiag.gifの説明

アクティビティのドラッグ・アンド・ドロップ、パートナ・リンクの作成などを行ってプロジェクトを設計すると、「ダイアグラム」ウィンドウが変わります。図2-6は、パートナ・リンク(この例ではWriteDBRecord)および他のアクティビティ(invokereceiveassigntransformなど)を追加した後の、設計フェーズ後半の「ダイアグラム」ウィンドウを示しています。

図2-6 「ダイアグラム」(設計フェーズ後)

図jdevdiag2.gifの説明が続きます
図jdevdiag2.gifの説明

2.3.1.3 「ソース」ウィンドウ

BPELプロセス・プロジェクト・ファイル内の構文を表示するには、下方の「ソース」をクリックします。アクティビティおよびパートナ・リンクをドラッグ・アンド・ドロップし、その他のタスクを実行すると、この変更を反映して、これらのソース・ファイルの構文が即時に更新されます。たとえば、図2-7は、編集中のプロパティ・シートを示しています。

図2-7 CreditRatingServiceパートナ・リンクのアイコンとプロパティ・シート

図gs_dv.gifの説明が続きます
図gs_dv.gifの説明

ウィンドウの下部で「ソース」をクリックします。図2-8は、.bpelファイルの「ソース」の一部を示しています。作成したCreditRatingServiceパートナ・リンクの詳細が、ファイルに表示されます。

図2-8 .bpelファイルのソース・ビュー

図jdevsource.gifの説明が続きます
図jdevsource.gifの説明


関連項目:

プロジェクト・ファイルで表示される構文の種類の例と説明は、次のドキュメントを参照してください。

2.3.1.4 「履歴」ウィンドウ

下部にある「履歴」をクリックすると、ファイルのリビジョン履歴を表示したり、ファイルの読取り専用バージョンと編集可能バージョンを並べて表示するなどのタスクを実行できます。図2-9に、BPELファイルの「履歴」ビューを示します。

図2-9 「履歴」ビュー

図history.gifの説明が続きます
図history.gifの説明


注意:

「履歴」ビューの詳細を参照するには、このウィンドウ内にカーソルを置き、[F1]を押してオンライン・ヘルプを表示します。

2.3.1.5 コンポーネント・パレット

アクティビティは、BPELプロセスのビルディング・ブロックです。図2-2の右上にあるコンポーネント・パレット「プロセス・アクティビティ」の選択項目には、BPELプロセスの「ダイアグラム」ウィンドウにドラッグ・アンド・ドロップするアクティビティ・セットが表示されます。コンポーネント・パレットには、「ダイアグラム」ウィンドウの状態に関連があるページのみが表示されます。「プロセス・アクティビティ」または「サービス」は、ほぼ常に表示されます。ただし、Transformアクティビティでトランスフォーメーションを設計している場合、コンポーネント・パレットには、「String Functions」「Mathematical Functions」「Node-set Functions」など、そのアクティビティに関連する選択項目のみが表示されます。

コンポーネント・パレット「プロセス・アクティビティ」の選択項目を図2-10に示します。このリストから、BPELプロセスにドラッグ・アンド・ドロップするアクティビティを選択できます。

図2-10 コンポーネント・パレット - プロセス・アクティビティ

図jdevcompal.gifの説明が続きます
図jdevcompal.gifの説明

コンポーネント・パレット「サービス」の選択項目を図2-11に示します。このリストからBPELプロセスにアダプタ、パートナ・リンクまたはデシジョン・サービスをドラッグ・アンド・ドロップできます。

図2-11 コンポーネント・パレット - サービス

図jdevcompal2.gifの説明が続きます
図jdevcompal2.gifの説明

transformアクティビティのトランスフォーメーション・ウィンドウで作業するときに表示されるコンポーネント・パレット「String Functions」カテゴリを図2-12に示します。

図2-12 コンポーネント・パレット - 関数

図gs_func.gifの説明が続きます
図gs_func.gifの説明


注意:

コンポーネント・パレットの詳細を参照するには、このセクション内にカーソルを置き、[F1]を押してオンライン・ヘルプを表示します。

2.3.1.6 プロパティ・インスペクタ

図2-2の右下にある「プロパティ・インスペクタ」では、アクティビティに関する詳細を表示できます。「ダイアグラム」ウィンドウでアクティビティをクリックします。たとえば、図2-5receiveInput receiveアクティビティをクリックすると、図2-13に示す情報が表示されます。

図2-13 プロパティ・インスペクタ

図gs_propinsp.gifの説明が続きます
図gs_propinsp.gifの説明

2.3.1.7 「構造」ウィンドウ

図2-2の左下にある「構造」ウィンドウには、「ダイアグラム」ウィンドウで現在選択しているプロジェクトのデータが構造的に表示されます。このウィンドウから、次のような様々なタスクを実行できます。

  • プロジェクト・スキーマのインポート

  • メッセージ・タイプの定義

  • 変数、エイリアス、相関セット、パートナ・リンク、センサーなどの要素の管理(作成、編集および削除)

  • 「ダイアグラム」ウィンドウに表示されたBPELプロセス・フロー・シーケンスのアクティビティの編集

図2-14「構造」ウィンドウを示します。この例では、ウィンドウが展開され、OrderBookingプロジェクトの「ダイアグラム」ウィンドウにインポートしたプロジェクト・スキーマおよびアクティビティ・シーケンスが表示されています。

図2-14 「構造」ウィンドウ(展開済)

図jdevbpelstr.gifの説明が続きます
図jdevbpelstr.gifの説明


注意:

  • 「構造」ウィンドウの詳細を参照するには、このウィンドウ内にカーソルを置き、[F1]を押してオンライン・ヘルプを表示します。

  • 同じ名前を持つ2つのスキーマ・ファイルを1つのプロジェクトにインポートしないでください。ファイルの名前が一意であることを確認してください。


2.3.1.8 「ログ」ウィンドウ

アプリケーション・ナビゲータでプロジェクト名をクリックし、「デプロイ」を選択してデプロイ方法を選択することで、プロセスを検証、コンパイルおよびデプロイします。図2-2の下部にある「ログ」ウィンドウには、デプロイのステータスに関するメッセージが表示されます。

プロセスが検証に合格するには、次の条件を満たす必要があります。

  • プロセスに入力変数がある。

  • パートナ・リンクが選択されている。

  • パートナ・ロールが選択されている。

  • 操作が空でない。

  • 入力変数のタイプがパートナ・リンクの操作タイプと一致する。

BPELプロセスのデプロイ成功メッセージを図2-15に示します。この後、Oracle BPEL Controlからプロセスを実行、監視および管理できます。

図2-15 デプロイ成功メッセージ

図jdevdeploy.gifの説明が続きます
図jdevdeploy.gifの説明

デプロイに失敗した場合は、図2-16に示すように、エラーのタイプと場所を示すメッセージが表示されます。エラーをダブルクリックすると、参照されているソース・ファイルの違反行に直接移動できます。

図2-16 デプロイ失敗メッセージ

図jdeverror.gifの説明が続きます
図jdeverror.gifの説明


注意:

「ログ」ウィンドウの詳細を参照するには、このウィンドウ内にカーソルを置き、[F1]を押してオンライン・ヘルプを表示します。


関連項目:


2.3.1.9 Oracle JDeveloperでのプロジェクト・ファイルの編集

bpel.xml、WSDLおよびBPELファイルの編集時は、次の点に注意してください。

  • bpel.xmlファイルのコンテンツは、ファイルを開いたときにのみメモリーに読み取られます。このため、bpel.xmlファイルを開いた後でコンテンツを変更しても、変更はメモリーに反映されません。BPELファイルのコンテンツを変更した後は、ファイルを閉じてから再度開き、変更を有効にしてください。

  • bpel.xmlファイルは、Oracle JDeveloperとメモ帳やワードパッドなどのテキスト・エディタで同時に編集しないでください。Oracle JDeveloperなど、単一の編集環境のみを使用してください。

  • プロセスの設計の変更中は、bpel.xmlファイル、BPELファイルおよびWSDLファイルを編集しないでください。ファイルを編集するときは、次の点に注意してください。

    1. BPELファイルがOracle JDeveloperで編集中でないことを確認します。編集中の場合(つまり、そのファイルのタブが表示されている場合)は、ファイルを閉じ、必要に応じて変更を保存します。

    2. 必要なファイルを編集し、変更を保存します。

2.4 アクティビティの概要

アクティビティという用語は、第1章「Oracle BPEL Process Managerの概要」とこの章で頻繁に使用されています。アクティビティは、BPELプロセスのビルディング・ブロックです。Oracle JDeveloperには、BPELプロセスにドラッグ・アンド・ドロップする一連のアクティビティが用意されています。アクティビティの属性(プロパティ値)を定義するには、そのアクティビティをダブルクリックします。図2-6に、この設計プロセスの例が示してあります。アクティビティを使用すると、プロセス内で特定のタスクを実行できます。たとえば、次のようになります。

図2-17に、プロパティ・ウィンドウ(ここではinvokeアクティビティ)の例を示します。この例では、Invoke_FileWriteという名前のパートナ・リンクを起動し、その属性を定義しています。

図2-17 invokeアクティビティの例

図gsinvoke.gifの説明が続きます
図gsinvoke.gifの説明


関連項目:

  • 使用可能なアクティビティの説明は、付録B「BPELプロセスのアクティビティとサービス」を参照してください。

  • アクティビティの概念とコード例は、第II部「基本的なBPEL開発の概念とコード・サンプルの確認」を参照してください。

  • その他のアクティビティ・コードの例は、SOA_Oracle_Home¥bpel¥samples¥referencesディレクトリを参照してください。

  • BPELプロセスでアクティビティをドラッグ・アンド・ドロップし、それらの属性を定義するチュートリアルは、『Oracle BPEL Process Managerクイック・スタート・ガイド』および『Oracle BPEL Process Manager Order Bookingチュートリアル』を参照してください。


2.5 パートナ・リンクの概要

パートナ・リンクという用語は、第1章「Oracle BPEL Process Managerの概要」とこの章で頻繁に使用されています。パートナ・リンクを使用すると、BPELプロセスと対話する外部サービスを定義できます。図2-18にパートナ・リンク・アイコン(この例ではCreditRatingという名前)を示します。

図2-18 パートナ・リンク・アイコン

図gs_pl.gifの説明が続きます
図gs_pl.gifの説明

パートナ・リンク・タイプでは、各サービスが対話中に果たすロールを定義し、対話のコンテキスト内でメッセージを受信するために各サービスが提供するポート・タイプを指定することで、2つのサービス間での対話の関係が決まります。図2-6は、BPELプロセスによって起動されているWriteDBRecordという名前のパートナ・リンクの例を示しています。

図2-19は、CreditRatingという名前のサービスのパートナ・リンクの属性の例を示しています。

図2-19 「パートナ・リンク」ウィンドウ

図ex_partnerlink.gifの説明が続きます
図ex_partnerlink.gifの説明

表2-4に、「パートナ・リンク」ウィンドウのフィールドを説明します。

表2-4 「パートナ・リンク」ウィンドウのフィールド

フィールド 説明
名前 パートナ・リンクに対して指定する一意のわかりやすい名前です。
WSDLファイル パートナ・リンクに対して選択するWeb Services Description Language(WSDL)ファイルの名前と場所です。「サービス・エクスプローラ」懐中電灯アイコン(「WSDLファイル」フィールド上部の左から2番目)をクリックすると、使用するWSDLファイルを選択するウィンドウにアクセスできます。
パートナ・リンク・タイプ WSDLファイルで定義したパートナ・リンクです。
パートナ・ロール パートナ・リンク(ここではCreditRatingServiceサービス)によって実行されるロールです。この場合、CreditRatingServiceがプロバイダです。
マイ・ロール BPELプロセスが実行するロールです。この場合、BPELプロセスは同期プロセスのため、ロールはありません。

2.6 Oracle BPEL Serverの概要

BPELプロセスの設計が完了したら、プロセスをコンパイルしてOracle BPEL Serverにデプロイします。コンパイルおよびデプロイに成功した場合、Oracle BPEL ControlからBPELプロセスを実行および管理できます。

デプロイ時には、Oracle BPEL Process Managerアーカイブ(プロジェクトのディレクトリ構造に似たディレクトリ構造を持つJARファイル内の一連のファイル)がOracle BPEL Serverに送信されます。プロジェクト・ディレクトリの検証、およびBPELアーカイブへのコンパイルは、デプロイ処理中に自動的に行われます。

2.7 Oracle BPEL Controlの概要

Oracle BPEL Controlを使用すると、Oracle JDeveloperで設計されデプロイされたBPELプロセスを実行、監視および管理できます。また、Oracle BPEL ControlからBPELドメインを管理することもできます。WindowsでOracle BPEL Controlにアクセスするには、「スタート」「すべてのプログラム」「Oracle - Oracle_Home「Oracle BPEL Process Manager」「BPEL Control」を選択します。

図2-20にOracle BPEL Controlのメイン・ページを示します。この例では、デプロイされたいくつかのBPELプロセスと外部サービスが「ダッシュボード」タブに表示されています。

図2-20 Oracle BPEL Control

図bpel_console2.gifの説明が続きます
図bpel_console2.gifの説明


関連項目:


2.8 Oracle BPEL Process Managerサービスの概要

Oracle BPEL Process ManagerおよびOracle JDeveloperは、BPEL機能の価値と使いやすさを向上させるサービスをサポートします。

表2-5は、各サービスについて説明し、それらの機能を説明するこのマニュアル内の項への参照を示します。

表2-5 Oracle BPEL Process Managerサービス

タイプ 説明 参照項目
トランスフォーメーション transformアクティビティを使用すると、ソース・データを対象のデータにマップするトランスフォーメーションを作成できます。たとえば、受信した注文書ソース・データを、送信する注文確認書ターゲット・データにマップできます。 第13章「XSLTマッパーとトランスフォーメーション」

「Transformアクティビティ」


通知チャネル 通知チャネルを使用すると、イベントに関する通知をユーザー、グループまたは宛先アドレスに送信できます。通知は電子メール、ボイス・メール、FAX、ポケットベルまたはショート・メッセージ・サービス(SMS)で送信できます。 第14章「Oracle BPEL Process Manager通知サービス」

付録B「BPELプロセスのアクティビティとサービス」


ワークフロー ワークフローを使用すると、システムおよびサービスをヒューマン・ワークフローとともに1つのプロセス・フローに統合できます。

ヒューマン・タスク・エディタが用意されており、ヒューマン・タスク設定(タスクの結果、ペイロード構造、タスク参加者、割当ておよびルーティング・ポリシー、有効期限およびエスカレーション・ポリシー、通知設定など)を指定できます。

ヒューマン・タスク・エディタで定義する基準を使用して、BPELプロセスの実行時に、Oracle BPELワークリスト・アプリケーションを使用できます。

第15章「Oracle BPEL Process Managerワークフロー・サービス」

「Human Taskアクティビティ」


Oracle BPEL Worklistアプリケーション Oracle BPEL Worklistアプリケーションは、従業員の休暇申請の承認、求人応募者の評価、購入決定のエスカレーションなどのタスクで処理を実行できます。ユーザー・プロファイルに基づいて、自分に関係するすべてのタスクの表示や、タスクを表示するための検索基準の指定ができるURLにアクセスします。 第16章「ワークリスト・アプリケーション」
センサー BPELプロセス実行時に監視するアクティビティ、変数およびフォルトに割り当てるセンサーを作成します。 第17章「センサー」
ビジネス・ルール BPELプロセスをビジネス・ルール・エンジンで定義したルールと統合します。 第18章「BPELプロセスとビジネス・ルールの統合」


関連項目:

表2-5に示すサービスを使用したBPELプロセスの設計方法のチュートリアルは、次のドキュメントを参照してください。

2.9 Oracle BPEL Process Managerテクノロジ・アダプタの概要

図2-19に示す「パートナ・リンク」ウィンドウを使用すると、Oracle BPEL Process ManagerおよびOracle JDeveloperが提供するもう1つの主要な機能も利用できます。図2-21に示す「アダプタ・サービスの定義」アイコンをクリックすると、「アダプタ構成ウィザード」にアクセスできます。

図2-21 アダプタの定義

図adapter_service.gifの説明が続きます
図adapter_service.gifの説明

アダプタによりBPELプロセスに、ファイル・システム、FTPサーバー、データベース表、データベース・キュー、Java Message Service(JMS)、MQおよびOracle E-Business Suiteへのアクセスが提供されます。このウィザードにより、図2-22に示すアダプタ・タイプをBPELプロセスで使用するように構成できます。

図2-22 アダプタ・タイプ

図adapter_type.gifの説明が続きます
図adapter_type.gifの説明

アダプタ・タイプを選択すると、図2-23に示す「サービス名」ウィンドウで名前を入力するよう求められます。この例では、図2-22で、「ファイル・アダプタ」が選択されています。ウィザードが完了するとアプリケーション・ナビゲータに、BPELプロセス用のこのサービス名のWSDLファイル(ここではReadFile.wsdlという名前)が表示されます。このファイルには、このウィザードで指定したアダプタ構成設定が含まれます。その他の構成ファイル(ヘッダー・ファイル、アダプタ固有のファイルなど)も作成され、アプリケーション・ナビゲータに表示されます。

図2-23 アダプタ・サービス名

図adapter_servicename.gifの説明が続きます
図adapter_servicename.gifの説明

「サービス名」ウィンドウの後に表示される「アダプタ構成ウィザード」のウィンドウは、選択したアダプタ・タイプによって変わります。


関連項目:

  • 「アダプタ構成ウィザード」を使用してBPELプロセスでファイル、FTP、データベース、AQ、MQおよびJMSの各アダプタを構成する詳細は、『Oracle Application Server Adapters for Files, FTP, DatabasesおよびEnterprise Messagingユーザーズ・ガイド』を参照してください。

  • Oracle E-Business Suite用Oracle Applicationsアダプタの使用方法の詳細は、『Oracle Application Server Adapter for Oracle Applicationsユーザーズ・ガイド』を参照してください。

  • 「PartnerLink」

  • データベース・アダプタおよびファイル・アダプタのファイル読取り/書込み機能を使用したBPELプロセスの設計方法のチュートリアルは、『Oracle BPEL Process Manager Order Bookingチュートリアル』を参照してください。


2.10 まとめ

この章では、Oracle JDeveloper、Oracle BPEL ServerおよびOracle BPEL Controlなど、Oracle BPEL Process Managerの主要コンポーネントの起動方法について説明しました。BPELプロセスの設計に使用するOracle JDeveloperの主要セクションの概要も説明しました。また、アクティビティ、パートナ・リンクなどの主要なBPEL設計コンポーネント、およびOracle BPEL Process Managerで提供される標準BPEL機能の価値と使いやすさを高めるサービスとアダプタについても説明しました。