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Oracle BPEL Process Manager開発者ガイド
10g(10.1.3.1.0)
B31874-03
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1 Oracle BPEL Process Managerの概要

この章では、BPELプロセスの設計を可能にするBusiness Process Execution Language(BPEL)、Oracle BPEL Process ManagerおよびOracle JDeveloperの概要について説明します。また、このマニュアルの使用方法の概要、およびOracle BPEL Process Managerとともにインストールされるその他のチュートリアルやデモンストレーションへの参照を示します。

この章の内容は次のとおりです。


注意:

このマニュアルを使用する前に、『Oracle BPEL Process Managerクイック・スタート・ガイド』および『Oracle BPEL Process Manager Order Bookingチュートリアル』で説明するチュートリアルを実行することをお薦めします。これらのチュートリアルでは、BPELプロセスの設計およびデプロイの概要を示しています。

1.1 BPELとは

BPELは、複数のWebサービスを組み合せて、複数のエンタープライズ間でタスクを共有できるようにするXMLベースの言語です。BPELは、XMLスキーマ、Simple Object Access Protocol(SOAP)およびWeb Services Description Language(WSDL)をベースとしています。BPELは、ビジネス・プロセスのオーケストレーションと実行に関する業界標準を企業に提供します。BPELを使用すると、独立した一連のサービスをエンドツーエンドのプロセス・フローに統合するビジネス・プロセスを設計できます。この統合により、プロセスのコストと複雑さが低減されます。BPEL言語を使用して、次の方法を定義できます。


関連項目:


1.2 Oracle BPEL Process Managerとは

Oracle BPEL Process Managerは、BPEL標準に基づくプロセスの設計、デプロイ、監視および管理を簡単に行うためのフレームワークを提供します。Oracle BPEL Process Managerでは、次の機能がサポートされます。

Oracle BPEL Process Managerでは、Oracle JDeveloperの次の機能をサポートして、BPEL機能の価値と使いやすさを高めます。

Oracle BPEL Process Managerは、Oracle Business Activity Monitoring、Oracle Application Server Portal、Oracle Application Server Integration B2BおよびOracle Application Server Integration InterConnectと統合することも可能です。


関連項目:

  • Oracle BPEL Process ManagerとOracle Business Activity Monitoringの統合の詳細は、「センサーとOracle Business Activity Monitoringの統合」を参照してください。

  • Oracle BPEL Process ManagerとOracleAS Portalの統合の詳細は、第21章「Oracle BPELポートレット」を参照してください。

  • Oracle BPEL Process ManagerとOracle Application Server Integration B2Bの統合の詳細は、『Oracle Application Server Integration B2Bユーザーズ・ガイド』およびB2B_Oracle_Home¥ip¥installディレクトリのreadmeファイルを参照してください。

  • Oracle BPEL Process ManagerとOracle Application Server Integration InterConnectの統合の詳細は、『Oracle Application Server Integration InterConnectユーザーズ・ガイド』を参照してください。

  • Oracle BPEL Process Managerの概要の紹介は、『Oracle BPEL Process Managerクイック・スタート・ガイド』を参照してください。

  • サポートされているテクノロジ・アダプタの詳細は、『Oracle Application Server Adapters for Files, FTP, DatabasesおよびEnterprise Messagingユーザーズ・ガイド』を参照してください。

  • 『Oracle Application Server Adapter for Oracle Applicationsユーザーズ・ガイド』

  • 『Oracle Application Server Adapter概要』

  • サポートされるオペレーティング・システムの一覧は、『Oracle BPEL Process Managerインストレーション・ガイド』を参照してください。

  • Oracle BPEL Process Managerでサポートされるサード・パーティ・アダプタについてのその他の詳細は、次のURLを参照してください。

    http://www.oracle.com/technology/products/integration/adapters/index.html
    

1.3 Oracle JDeveloperとは

Oracle BPEL Process Managerでは、Oracle JDeveloperを使用したBPELプロセスのグラフィカルな設計がサポートされています。

Oracle JDeveloperは、Java、XMLおよびSQL標準を使用して、アプリケーションおよびWebサービスを構築する統合開発環境(IDE)です。Oracle JDeveloperでは、アプリケーションの設計、コーディング、デバッグ、テスト、プロファイリング、チューニングおよびデプロイのための統合化された機能を提供し、開発ライフ・サイクル全体がサポートされます。ビジュアルで宣言的な開発アプローチとOracle Application Development Framework(ADF)の組合せにより、アプリケーション開発が単純化され、コーディング・タスクが軽減されます。

Oracle JDeveloperでは、BPELをネイティブ・フォーマットとして使用します。つまり、Oracle JDeveloperで作成されたプロセスは、100%移植可能です。Oracle JDeveloperを使用すると、ツールの有用性を損なうことなくBPELソースを表示および変更できます。

要素(アクティビティ)をプロセスにドラッグ・アンド・ドロップし、プロパティ・ページを編集して、BPELプロセスを設計します。これにより、BPELコードを記述する必要がなくなります。BPELプロセスは外部サービス(パートナ・リンク)と統合できます。また、アダプタやサービス(ワークフロー、トランスフォーメーション、通知、センサー、ワークリスト・タスク管理およびビジネス・ルールなど)をプロセスと統合できます。Oracle JDeveloperでは、開発したプロセスをOracle BPEL Serverに直接デプロイできます。これにより、BPELプロセスの開発および保守が容易になります。

Oracle BPEL Process Managerでは、Oracle JDeveloperの次のサービスとアダプタをサポートしています。

BPELプロセスを設計中のOracle JDeveloperを図1-1に示します。

図1-1 Oracle JDeveloper

図creditFlowstart.gifの説明が続きます
図creditFlowstart.gifの説明


関連項目:

  • 図1-1のOracle JDeveloperの各セクションの説明は、「BPELプロジェクトの作成とOracle JDeveloperの概要」を参照してください。

  • Oracle JDeveloperを使用するチュートリアルは、『Oracle BPEL Process Managerクイック・スタート・ガイド』および『Oracle BPEL Process Manager Order Bookingチュートリアル』を参照してください。

  • Oracle JDeveloperのその他の詳細は、メイン・メニューの「ヘルプ」からアクセスするオンライン・ヘルプを参照してください。


1.4 このマニュアルの使用方法

このマニュアルは、複数の部で構成されています。BPEL開発の主要な概念と機能を紹介し、Oracle BPEL Process ManagerによってBPEL機能の価値と使いやすさがどのように向上するかを説明することを目的としています。このマニュアルの構成を表1-1に示します。

表1-1 開発者ガイドの内容

説明
第I部「概要」
第I部の各章では、次の項目の概要を説明します。
  • BPEL仕様、Oracle BPEL Process ManagerおよびOracle JDeveloper

  • Oracle BPEL Process Managerに付属のデモンストレーション、チュートリアル、およびアクティビティと概念に関する参照資料

  • Oracle BPEL Process Managerの主要なコンポーネントの起動と停止

  • Designerウィンドウの各セクションの概要、プロジェクト・ファイルの説明、BPELプロセスを設計およびデプロイするためのアクティビティのドラッグ・アンド・ドロップ機能など、Oracle JDeveloperの概要

  • デプロイされたBPELプロセスを実行するためのOracle BPEL Control

第II部「基本的なBPEL開発の概念とコード・サンプルの確認」
第II部の各章では、基本的なBPEL開発の概念および関連するコード・サンプルについて説明します。これらの章は、開発者がBPELの基本機能を理解する上で役立ちます。次の項目について説明します。
  • XML文書の操作

  • 同期および非同期サービスの起動

  • パラレル・フロー

  • 条件分岐

  • フォルト処理および例外管理

  • BPELプロセスでのJava/J2EEコードの統合

  • イベントおよびタイムアウト

  • BPELプロセスの起動

  • 相互作用パターン

第III部「Oracle BPEL Process Managerサービス」
第II部で説明した基本的なBPEL開発の概念を正しく理解した後、Oracle BPEL Process Managerで次のサービスをサポートするよう、BPEL機能の価値と使いやすさを高める方法を習得できます。
  • トランスフォーメーション

  • 通知

  • ワークフロー

  • ワークリスト

  • センサー

  • ビジネス・ルール

第IV部「開発およびデプロイのライフ・サイクル」
第IV部の各章では、デプロイ済のBPELプロセスをOracle BPEL Controlから実行および管理する方法、BPELプロセスを本番前環境でテストする方法、実行時レポートを作成する方法およびOracleAS Portalと統合する方法について説明します。
第V部「リファレンス情報」
第V部の各付録では、トラブルシューティング、サポートされるアクティビティ、デプロイメント・ディスクリプタのプロパティ、およびXPath式関数に関するリファレンス情報を示します。


関連項目:

  • BPELプロセスでファイル、FTP、データベース、AQ、MQおよびJMSの各アダプタを構成する詳細は、『Oracle Application Server Adapters for Files, FTP, DatabasesおよびEnterprise Messagingユーザーズ・ガイド』を参照してください。

  • Oracle Applicationsアダプタの使用方法の詳細は、『Oracle Application Server Adapter for Oracle Applicationsユーザーズ・ガイド』を参照してください。

  • 『Oracle Application Server Adapter概要』


1.5 デモンストレーションの基本操作、アクティビティと概念に関する参照資料、およびチュートリアル

このマニュアルで説明している内容の他、Oracle BPEL Process Managerの概念を理解し、実際の経験を深めるために、『Oracle BPEL Process Managerクイック・スタート・ガイド』と『Oracle BPEL Process Manager Order Bookingチュートリアル』、一連のデモンストレーション、アクティビティと概念に関する参照資料、およびチュートリアルが提供されています。これらの資料は、Oracle BPEL Process ManagerとともにSOA_Oracle_Home¥bpel¥samplesディレクトリにインストールされます。 これらのサンプルの使用手順は、samplesディレクトリにあるREADME.txtファイルで確認してください。


注意:

サンプルでは、デフォルトでユーザーoc4jadminのパスワードwelcome1を使用します。 このユーザーに異なるパスワードを使用する場合は、samplesディレクトリにあるREADME.txtファイル内の指示に従ってパスワードをサンプル互換にする必要があります。

samplesディレクトリの内容を表1-2に示します。Oracle JDeveloperを使用している場合、「スタート」「すべてのプログラム」「Oracle - Oracle_Home「Oracle BPEL Process Manager」「Getting Started with Samples」を選択し、スタート・メニューからこのディレクトリの詳細にアクセスすることもできます。

次の手順を実行すると、サンプル用のBPELプロジェクトを自動的に作成できます。

  1. 「アプリケーション・ナビゲータ」でアプリケーションを選択します。

  2. Oracle JDeveloperの「ファイル」メイン・メニューから「開く」を選択します。

  3. 使用するサンプルのディレクトリに移動します。

  4. サンプルの.jprファイルを選択します。

    これにより、選択したサンプル用のBPELプロジェクトが「アプリケーション・ナビゲータ」に表示されます。

新しいサンプルが定期的に追加されます。Oracle Technology Network(OTN)のOracle BPEL Process Managerサイトに定期的にアクセスし、新しいサンプルのダウンロードに関する情報を確認してください。

http://www.oracle.com/technology/products/ias/bpel/index.html

表1-2 チュートリアル、デモンストレーションおよび参照資料

ディレクトリ 説明
demos 一般的なビジネス・シナリオが含まれ、BPELでの実装方法を説明しています。使用可能なデモンストレーションを表1-3で説明します。
interop 次のシステムで実装されたWebサービスとOracle BPEL Process Managerの連携を示す一連のBPELプロジェクトが含まれます。
  • Microsoft .Net

  • Apache Axis

  • BEA WebLogic

references BPEL言語で定義されたアクティビティおよび概念が含まれます。使用可能なアクティビティおよび概念を表1-4で説明します。
tutorials 様々なBPELタスクを対象とした、公開されている一連のBPELプロセスが含まれます。使用可能なチュートリアルを表1-5で説明します。
utils BPELサンプルで共用される一連のビルディング・ブロック・サービスが含まれます。

1.5.1 使用可能なデモンストレーション

demosディレクトリに含まれる使用可能なBPELプロセスのデモンストレーションを表1-3に示します。これらのデモンストレーションの実行手順は、これらのディレクトリにあるドキュメントを参照してください。

表1-3 demosディレクトリの内容

ディレクトリ 説明
AmazonFlow Amazon WebサービスとBPELプロセスを統合してアイテムを検索する方法を説明します。
Attachment SOAPメッセージのバイナリ添付ファイルを、Direct Internet Message Encapsulation(DIME)およびMultipurpose Internet Message Extensions(MIME)プロトコルで使用する方法を説明します。
AutoLoanDemo Oracle BPEL Process Managerをバックエンドのビジネス・ルール・エンジンと統合する方法を説明します。BPELプロセスは、デシジョン・サービスを使用して次の操作を実行するようにモデリングされています。
  • 顧客の融資申請に関する信用格付けの計算

  • 申請された融資に関する銀行とAPRの推奨事項の提供

デシジョン・サービスの出力は、融資申請が承認または却下される前に、変更のためにヒューマン・タスクに渡されます。

BankTransferDemo 銀行振込みの実行方法を説明します。このサンプルは、Oracle BPEL Process Managerのトランザクション管理機能を示します。このサンプルで示されるトランザクション管理は次の2種類です。
  • 内部エンジンが実装するJTAトランザクション管理

  • BPELでモデリングされた明示的な補正トランザクション

BPELTest BPELテスト・フレームワークの複数の機能について説明します。テスト・フレームワークは、BPELプロセスをテストして、複雑な外部システムに対する依存性やデータ・アサーションの実行など、一般的な問題を軽減するための構造化された手段を提供します。
CheckoutDemo JavaServer Pages(JSP)ユーザー・インタフェースとBPELプロセスの間の相互作用を説明します。
DocumentReview 文書をパラレルにレビューするビジネス・プロセスの作成方法を説明します。最終レビューアは、各グループ・レビューアからのコメントをレビューします。ワークリスト・アプリケーションではタスクの参照と操作を行います。この例は、次の機能の使用に特徴があります。
  • Oracle JDeveloper環境でのグループ投票参加タイプのモデリング。Oracle BPELワークリスト・アプリケーションを使用したタスクの表示および操作。

ExpenseRequestApproval 従業員からの経費請求を承認または却下する方法を説明します。このデモンストレーションは、管理チェーン承認と、デシジョン・サービスを使用して特定の経費請求に必要な承認レベルを判別する方法を示します。
GoogleFlow BPELプロセスからのGoogle Webサービスの起動方法を説明します。
HelpDeskServiceRequest ヘルプ・デスク・サービス・リクエストの処理方法を説明します。このデモンストレーションでは、サービス・リクエストの承認または却下に非定型参加者タイプを使用します。
HotwireDemo このサンプルは、2つのBPELプロセス間の非同期のマルチステップ対話を示します。一方のBPELプロセスが対話を開始し、他方のBPELプロセスにメッセージを送信します。2番目のプロセスは、30秒間待機し、非同期で応答します。次に、最初のプロセスが30秒間待機し、2番目のプロセスを再度コールします。2番目のプロセスは、30秒後に再度応答します。
IBMSamples IBM Business Process Execution Language for Web Services Java Run Time(BPWS4J)に付属するBPELサンプルをOracle BPEL Serverで実行する方法を説明します。
LoanDemo 同期信用格付けサービスと2つの非同期融資処理サービスを、JavaServer Pages(JSP)ユーザー・インタフェースを持つエンドツーエンドの融資調達アプリケーションに統合し、プロセスを開始して、融資提案結果を表示する方法を説明します。
LoanDemoPlus LoanDemoサンプルを拡張して、手動による処理手順、各種のカスタム・ユーザー・インタフェースの開発など、Javaの埋込み例外管理を使用する方法を説明します。
ParallelSearch Oracle BPEL Serverを使用して、パラレルな同期起動を実行する方法を説明します。このサンプルは、bpel.xmlnonBlockingInvokeプロパティを使用する方法を示します。このプロパティにより、フロー内で複数の同期Webサービスを実際にパラレル・モードでコールする同期BPELプロセスを実行できます。nonBlockingInvokeプロパティをfalseに設定すると、Oracle BPEL Serverは、他のサービスが終了するまで、Webサービスのコールをブロックします。
ResilientDemo BPELプロセスを使用して、フォルト処理および実行時例外を管理する方法を説明します。
SalesforceFlow WebサービスSalesforce.com sForceをBPELプロセスに統合する方法を説明します(認証、セッション管理、動的ロード・バランシングなど)。
SleepBroker 数値を受け取り、flowNアクティビティを使用してその数だけブランチを作成し、索引変数設定に基づく期間待機するプロセスの使用方法を説明します。

このプロセスは、入力として整数を受け取ります。次に、bpelx:flowNを使用して、その数だけブランチを作成します。各ブランチでは、待機アクティビティが実行されます。待機時間は、索引変数に基づきます。

VacationRequest 休暇申請を承認または却下する方法を説明します。承認または却下は、休暇申請をフィルタリングする管理者ユーザーに関係する1ステップ・プロセスです。このデモンストレーションでは、単純な承認用のワークフローの使用、およびBPELプロセスで静的パラメータ値のかわりとなるデプロイメント・ディスクリプタのプリファレンスの使用についても説明します。
XSLMapper 注文書スキーマを請求書スキーマにマップするトランスフォーメーションの作成方法を説明します。

1.5.2 使用可能なアクティビティと概念に関する参照資料

referencesディレクトリに含まれる、確認および使用が可能なアクティビティと概念に関する参照資料を表1-4に示します。各bpel.xmlファイルおよび.bpelファイルのコメント行は、アクティビティが使用されている特定の状況を説明しています。

表1-4 referencesディレクトリの内容

ディレクトリ アクティビティの説明
Assign 入力文字列を受け取り、assignアクティビティを使用して接頭辞Helloを追加して、非同期に結果を返す方法を示します。
BPELTest BPELテスト・フレームワークの機能を示します。BPELテスト・フレームワークはエミュレーションおよびアサーション機能を提供し、BPELプロセスのテストの自動化を容易にします。
Catch throwアクティビティを使用して例外を発生させ、catchアクティビティを使用して管理する方法を示します。
CustomXPathFunction assignアクティビティでのカスタムXPath関数の使用方法を示します。
DynamicPartnerLink 動的パートナ・リンクの更新方法を示します。
Event 非同期BPELプロセスを有効にし、イベント・ハンドラを使用して、非同期コールバックの待機中にイベントを受け取り、処理する方法を示します。
Flow BPELプロセスでパラレル実行パスを作成する方法を示します。
FlowN 整数を受け取り、その数だけブランチを作成する方法を示します。
Invoke 同期整数増分サービスの起動方法を示します。
JavaExec BPEL exec拡張機能を使用して、BPELプロセス内からJavaクラスを起動する方法を示します。
Link リンクによりアクティビティ実行間の依存性を定義する方法を示します。このサンプルでは、2つのサービス起動の実行をflowアクティビティのリンクが順序付けます。
Pick 非同期融資サービスを起動し、BPELのpickアクティビティを使用して、非同期レスポンスまたはタイムアウト・メッセージを受け取る方法を示します。融資金額が10000を超える場合は、サーバーの処理に約30秒かかり、タイムアウトが発生します。
Receive 非同期融資サービスを起動し、BPELのreceiveアクティビティを使用して、非同期コールバック・メッセージを待機する方法を示します。
Replay scopeなどのアクティビティを再実行する方法を示します。
Reply 入力として文字列を受け取り、assignを実行し、変更された文字列をreplyアクティビティを使用して同期的に返す方法を示します。
Switch switchアクティビティを使用して、入力値が0より大きいか小さいかに応じて異なるテキスト・メッセージを返す方法を示します。
Terminate 同期株価情報サービスの起動方法を示します。続いてterminateアクティビティによりプロセスが終了し、最後のコールバック起動アクティビティがスキップされます。
Throw BPELフォルトを(処理せずに)スローする方法を示します。インスタンスがフォルトとなります。
Wait 入力を受け取り、60秒間待機して、非同期にクライアントにコールバックする方法を示します。
While whileアクティビティを使用して、増分サービスをn回起動する方法を示します。nは、入力値として指定されます。
Xpath 無効なアプリケーションを受け取り、いくつかのXPathコピーを実行し、非同期にアプリケーションを返す方法を示します。これはassignアクティビティで、ネームスペースで修飾されたXPath問合せ文字列を使用する例です。
XPathFunction BPELのassignアクティビティでカスタムXPath関数を定義し使用する方法を示します。


関連項目:


1.5.3 使用可能なチュートリアル

tutorialsディレクトリに含まれる使用可能なチュートリアルを表1-5に示します。これらのチュートリアルの実行手順は、これらのディレクトリにあるドキュメントを参照してください。

表1-5 tutorialsディレクトリの内容

ディレクトリ 説明
101.HelloWorld このサンプルは、入力として文字列を受け取り、Helloを追加して、レスポンスとして挨拶文を非同期に生成します。
102.InvokingProcesses このサンプルでは、JSPおよびRemote Method Invocation(RMI)などの様々な方法で、プロセスを起動します。
103.XMLDocuments このサンプルは、XML変数およびassignアクティビティを使用して、XML文書を操作する方法を示します。
104.SyncQuoteConsumer このサンプルは、invokeアクティビティを使用して、同期株価情報サービスを起動する方法を示します。
105.AsyncCompositeLoanBroker このサンプルは、receiveアクティビティを使用して、非同期の融資処理Webサービスからコールバックを受け取る方法を示します。
106.ParallelFlows このサンプルは、flowアクティビティを使用して、プロセス内にパラレル実行パスを定義する方法を示します。このサンプルでは、2つの非同期の融資処理サービスがパラレルに起動されます。
107.Exceptions このサンプルは、フォルト処理を使用して、invokeアクティビティおよびthrowアクティビティによって生成されたフォルトを管理する方法を示します。プロセスは、pickアクティビティを使用して、融資バリデータからレスポンスを受信します。例外メッセージが受信されると、プロセスはエラーをスローし、このエラーはフォルト捕捉ハンドラで処理されます。
108.Timeouts このサンプルは、pickアクティビティを使用して、タイムアウトを定義および管理する方法を示します。
109.CorrelationSets このサンプルは、相関セットを使用して、購入者サービスと販売者サービスの間で非同期メッセージ交換を相関させる方法を示します。コンテンツ・ベースの非同期メッセージの相関を示します。
112.Arrays このサンプルは、配列を使用するBPELプロセスを設計する方法を示します。また、XMLペイロードに存在する配列構造を、BPELプロセスでwhileアクティビティによって処理する方法も説明します。
113.ABCARouting このサンプルは、3つのサービス(A、BおよびC)にまたがってメッセージ・フローを調整する方法を示します。
114.XSLTTransformations このサンプルは、XSLTトランスフォーメーションを起動して複雑なデータ操作を実行する方法を示します。プロセスでは、入力として複雑な請求書データを受け取ります。また、ora:processXSLT関数を使用してこのデータをXSLTサービスに入力として渡し、変換された内容を返します。
115.XQueryTransformations このサンプルは、Oracle BPEL Process ManagerのXQuery機能の使用方法を示します。このサンプルに必要なXQueryライブラリは、Oracle BPEL Process Manager for OracleAS Middle Tierインストール・タイプまたはいずれかのOracle Application Server SOAインストール・タイプでのみ使用可能です。Oracle BPEL Process Manager for Developersインストール・タイプでは使用できません。
121.FileAdapter これらのサンプルは、ファイル・アダプタの使用方法を示します。次のチュートリアルがあります。
  • COBOLコピーブック: COBOLコピーブックを使用して定義されたネイティブ・データを処理します。

  • 複雑な構造: カスタム書式で定義されたネイティブ・データを処理します。

  • デバッチ: カスタム書式で定義された複数のメッセージを含むネイティブ・データを処理します。

  • フラット構造: CSV(カンマ区切りの値)ファイルからのアドレス帳エントリを処理します。その後、エントリは新規のアドレス書式(固定長書式)に変換されます。

  • ヘッダー付きの不透明データ: 不透明書式(GIFまたはJPEGファイルなど)のネイティブ・データを処理します。

関連資料: 『Oracle Application Server Adapters for Files, FTP, DatabasesおよびEnterprise Messagingユーザーズ・ガイド』

122.DBAdapter 次のサンプルは、データベース・アダプタの使用方法を示します。
  • advanced: データベースにCLOBとして格納されているXMLデータを挿入および抽出し、順序付けを設定し、単一トランザクションの一部として複数のデータベースに挿入する拡張サンプルです。

  • Delete: レコードが操作に渡され、主キーを持つデータベース行が削除されます。

  • File2StoredProcedure: データがストアド・プロシージャに渡され、そのストアド・プロシージャが実行されます。

  • File2Table: ファイル・アダプタ、XSLTマッパーおよびデータベース・アダプタがインバウンド注文書を受け取り、その注文書を別の注文書形式に変換し、アウトバウンド・メッセージを発行します。

  • Insert: レコードが操作に渡され、データベースにリレーショナル・データとして挿入されます。

  • InsertWithCatch: 挿入操作にフォルト処理を追加したものです。

  • MasterDetail: あるデータベースの表のデータを別のデータベースの表にレプリケートします。

  • Merge: レコードが操作に渡され、データベース行が挿入または更新されます。

  • PollingControlTableStrategy: インバウンド操作により、XMLインスタンスがポーリングされます。制御表には、未処理の各行の主キーが格納されます。

  • PollingLastReadIdStrategy: インバウンド操作により、XMLインスタンスがポーリングされます。順序値がヘルパー表に保存されます。順序値1000は、その値より小さい順序のすべてのレコードが処理済であることを示します。

  • PollingLastUpdatedStrategy: インバウンド操作により、XMLインスタンスがポーリングされます。最終更新された値がヘルパー表に保存されます。

  • PollingLogicalDeleteStrategy: インバウンド操作により、XMLインスタンスがポーリングされます。処理された各行では、特定のフィールドが更新されます。WHERE句は実行時に更新して、処理行をフィルタ処理します。

  • QueryByExample: アウトバウンドQuery By Example操作。

  • RefCursor: BPELプロセスはユーザー入力を使用してストアド・プロシージャを実行します。REF CURSORからの出力が戻されます。

  • ResultSetConverter: REF CURSORにかわる方法です。

  • SelectAll: アウトバウンドSelect All操作。

  • SelectAllByTitle: アウトバウンドSelectAllByTitle操作。

  • SelectCount: 10.1.3.1でのPure SQLのサポート。

  • SelectGroupBy: 10.1.3.1でのPure SQLのサポート。

  • SelectStar: 10.1.3.1でのPure SQLのサポート。

  • sql: SQL*Serverの例。

  • Update: レコードが操作に渡され、同じ主キーを持つデータベース行が更新されます。

  • UpdateAll: 10.1.3.1でのPure SQLのサポート。

関連資料: 『Oracle Application Server Adapters for Files, FTP, DatabasesおよびEnterprise Messagingユーザーズ・ガイド』

123.JMSAdapter このサンプルは、JMS宛先(キュー)内の受信メッセージを処理して同じメッセージを別のJMS宛先(トピック)に書き込むJMSアダプタの機能を示します。

関連資料: 『Oracle Application Server Adapters for Files, FTP, DatabasesおよびEnterprise Messagingユーザーズ・ガイド』

124.AQAdapter これらのサンプルは、AQアダプタの使用方法を示します。
  • ADT: メッセージがAQアダプタから受信され、ペイロードがアウトバウンド・メッセージにコピーされ、AQアダプタがアウトバウンド・メッセージで起動されます。ADTキューが使用されます。

  • ADT_with_CLOB_Payload: メッセージがAQアダプタから受信され、CLOBペイロードおよびペイロード・ヘッダーがアウトバウンド・メッセージにコピーされ、AQアダプタがアウトバウンド・メッセージで起動されます。

  • ADT_with_CLOB_Payload_as_Opaque: プロセスはペイロード・フィールドとして非XML CLOBフィールドを使用します。

  • ADT_with_XMLType_Payload: プロセスでメッセージがAQアダプタから受信され、payloadおよびPayloadHeaderがアウトバウンド・メッセージにコピーされ、AQアダプタがアウトバウンド・メッセージで起動されます。

  • AQ_10_1_3_Supported_ADT_Types: AQアダプタのADTでサポートされているSQLのOracle基本型とANSI型を使用します。

  • AQMessageRejectionHandler: 拒否されたメッセージがrejectedMessageHandlerプロパティで処理されます。

  • AQOutboundCorrelation: アウトバウンドinvokeアクティビティをインバウンドreceiveアクティビティと関係付けるために、相関が使用されます。

  • AQSupportedADTTypes: AQアダプタADTでサポートされるすべてのSQL基本型が使用されています。

  • File2AQBLOB2File: ファイル・アダプタを使用してGIFファイルをディレクトリから10秒ごとに読み取り、AQアダプタを使用してファイル全体をADTキューのBLOB列フィールドにエンキューします。

  • MulticonsumerInbound: AQアダプタは、INBOUND_PUBLISHERキューでblueという名前のメッセージ受信者をリスニングします。アダプタが取得する任意のメッセージにより、BPELインスタンスが起動されます。メッセージは、INBOUND_CONSUMEDキューに送信されます。使用されるキューは、RAWキューです。

  • MulticonsumerOutbound: AQ受信者をマルチ・コンシューマ・キューに設定します。受信者リストは、InteractionSpecパラメータまたはAQヘッダーのrecipientlistパラメータに設定されます。

  • Raw: メッセージがAQアダプタから受信され、ペイロードがアウトバウンド・メッセージにコピーされ、AQアダプタがアウトバウンド・メッセージで起動されます。RAWキューが使用されます。

  • RawQueuePayloadUsingNativeFormat: AQアダプタとネイティブ・フォーマット・ビルダー・ウィザードがともに使用されます。使用されるネイティブ・フォーマットは、カンマ区切り(CSV)です。

  • RuleBasedSubscription_Header: ルールベースのサブスクライバが作成されます。サブスクライバは、メッセージを取得して通知します。

  • RuleBasedSubscription_Payload: ルールベースのサブスクライバが、特定のタイトルの雑誌を講読します。メッセージ・セレクタ・ルールが使用されます。

  • Simple_XMLType_Payload: ペイロードで使用する単純XMLType。

関連資料: 『Oracle Application Server Adapters for Files, FTP, DatabasesおよびEnterprise Messagingユーザーズ・ガイド』

125.ReportsSchema このサンプルは、BPEL Process Managerのレポート・スキーマを使用して、カスタム・レポートを作成する方法を示します。
126.DataAggregator このサンプルは、1つのXML文書をいくつかの小さい文書に分割し、それぞれの小さい文書でタスクを実行して、それらを1つのXML文書に再編成し、インボーカに戻す方法を示します。
127.OrderBookingTutorial このサンプルは、同期サービスと非同期サービス、パラレル実行フロー、条件分岐ロジック、フォルト処理と例外管理、トランスフォーメーション、ファイル・アダプタとデータベース・アダプタの機能、ならびにヒューマン・ワークフロー、通知およびセンサー機能を使用する高度なプロセスを設計し、実行する方法を示します。
128.GoogleFlow このサンプルは、外部Webサービスを使用してクライアントに情報を渡す方法を示します。センサーを使用して設計したプロセスも示されます。
129.FTPAdapter これらのサンプルは、ファイル・アダプタの使用方法を示します。
  • FTPDebatching: このデバッチ・サンプルは、FTPアダプタを使用して、ビジネス・レコード(請求書と注文書)のバッチを含んでいるファイルを処理し、レコードを変換して別々の出力ファイルに書き込む方法を示します。

  • SynchronousRead: このサンプルは、invokeアクティビティを介したプロセス中の同期読取り操作を示します。

関連資料: 『Oracle Application Server Adapters for Files, FTP, DatabasesおよびEnterprise Messagingユーザーズ・ガイド』

130.SendEmailWithAttachments このサンプルは、Oracle JDeveloperで電子メールを添付ファイルとともに送信する方法を示します。
132.UserTasks このプロセスは、単純なユーザー・タスクを示します。プロセスは特定の株式を売買するための株価情報を保持しており、承認者は株式を買うか売るかを選択する必要があります。
133.SecureInvokingProcesses このサンプルは、BPELプロセスをセキュアな状態で起動する方法を示します。このサンプルには、次の種類のクライアントが含まれています。
  • JSPからの起動

  • HTTPからの直接起動

  • SOAP経由の起動

  • Java RMIクライアントからの起動

140.AdapterFramework このサンプルは、BPELで動的なJCAパートナ・リンクを使用する方法を示します。
150.AppsAdapter これらのサンプルは、Oracle Applicationsアダプタの使用方法を示します。
  • ChangeOrderAPI: Oracle E-Business Suite内の注文書を変更します。

  • GetPOAckBusinessEvent: アウトバウンド・ビジネス・イベントを示します。

  • OrderImportConcurrentProgram: Oracle E-Business Suite内の注文書をインポートおよび作成します。

  • POAckOutboundXMLGateway: Oracle XMLゲートウェイと連携して注文確認書を取得します。

  • POInboundXMLGateway: Oracle XMLゲートウェイと連携して、Oracle E-Business Suiteで注文書を作成します。

701.LargeProcesses このサンプルは、多数(10,000以上)の作業項目を持つプロセスがどのようにサポートされるかを示します。
702.Bindings このサンプルは、次の方法を示します。
  • BPELプロセスでのEnterprise Bean(EJB)の統合

  • BPELプロセスからのHTTP getメソッドのコール。 このチュートリアルを使用すると、Oracle BPEL Process ManagerからRepresentational State Transfer(REST)サービスをコールできます。

  • BPELプロセスからのJavaメソッドのコール



関連項目:

実行可能なその他のチュートリアルについては、次のマニュアルを参照してください。
  • 『Oracle BPEL Process Managerクイック・スタート・ガイド』

  • 『Oracle BPEL Process Manager Order Bookingチュートリアル』


1.6 まとめ

この章では、BPELの概要、Oracle BPEL Process ManagerによるBPELのサポート、およびOracle JDeveloperで使用可能なBPELプロセス設計機能について説明しました。このマニュアルの使用方法の概要、およびOracle BPEL Process Managerとともにインストールされるその他のチュートリアル、デモンストレーション、および役立つ資料への参照も示しました。