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Oracle Application Server Adapter概要
10g(10.1.3.1.0)

B31900-01
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4 レガシー・アダプタ

Oracle Application Serverは、レガシー・アダプタを使用して、レガシー・アプリケーションとメインフレーム・アプリケーションに統合できます。これらのアダプタには、OracleAS Adapter for Tuxedo、OracleAS Adapter for CICS、OracleAS Adapter for VSAM、OracleAS Adapter for IMS/TMおよびOracleAS Adapter for IMS/DBがあります。

この章の内容は、次のとおりです。

4.1 アーキテクチャ

レガシー・アダプタのアーキテクチャには、次のコンポーネントが含まれています。

図4-1は、レガシー・アダプタのアーキテクチャを図で説明しています。

図 4-1    レガシー・アダプタのアーキテクチャ


画像の説明

4.1.1 Oracle Connect

Oracle Connectは、レガシーとメインフレーム・プラットフォームに常駐するコンポーネントです。このコンポーネントは、メインフレーム・アプリケーションおよびデータ・ストアと通信するための複数のネイティブ・アダプタで構成されています。Oracle Connectは、次のコンポーネントで構成されています。

サーバー・プロセス

Oracle Connectは、クライアント・リクエストを処理する複数のサーバーで構成されています。

ネイティブ・アダプタ

Oracle Connectは、TuxedoやIMS-TMトランザクション・システムと通信するための各種埋込みネイティブ・アダプタ、およびVSAMやIMS-DBなどのメインフレーム・システム上で各種データベースやファイル・システムと通信するためのデータベース・ドライバで構成されています。ネイティブ・アダプタは、レガシーCOBOLアプリケーション・データなどのアプリケーション構造とXMLの間で変換を実行します。メインフレーム・データと標準XMLデータ間の正確なマッピングを行うために、XSDスキーマが使用されます。

デーモン

デーモンはRPCベースのリスナーで、複数のサーバー構成を管理および維持します。デーモンはOracle Connectが稼働するすべてのマシン上で実行され、ユーザーの認証と認可、接続割当ておよびサーバー・プロセス管理を処理します。

クライアントが接続をリクエストすると、デーモンによって、その接続を処理するためのサーバー・プロセスが割り当てられます。割り当てられるサーバー・プロセスは、新規のプロセス、またはすでに実行中のプロセスである場合があります。割当て後、クライアント・セッションとサーバー・プロセスは直接通信し、デーモンは関与しません。ただし、接続が終了してサーバー・プロセスが停止した場合、または別のクライアントで使用されている場合は、デーモンに通知されます。

デーモンは、ワークスペースと呼ばれる複数のサーバー構成をサポートしています。各ワークスペースには、アクセス可能なデータソース、アプリケーション、環境設定、セキュリティ要件およびサーバー割当てルールが定義されています。デーモンは、クライアントを認証し、特定サーバー・ワークスペース内のサーバー・プロセスに対するリクエストを認可して、クライアントに必要なサーバーを提供します。デーモンは、クライアントが使用するワークスペースに基づいてサーバーを割り当てます。したがって、クライアントは、サーバーの既存のプールからサーバー・プロセスが割り当てられた1つのワークスペースを使用するか、または、クライアント・リクエストごとに新規のサーバー・プロセスが割り当てられた異なるワークスペースを使用して、データソースにアクセスできます。フェイルセーフ・メカニズムによって、スタンバイとして機能する代替デーモンを指定できるため、可用性が向上します。

リポジトリ

Oracle Connectは、XMLベース・スキーマおよび構成情報を格納するためのリポジトリをサポートしています。Oracle Connectインスタンスごとに1つのリポジトリがあります。このリポジトリには、次の情報が格納されます。

4.1.2 Oracle Studio

Oracle Studioは、メインフレーム用にOracle AS Adaptersを構成するための設計時ツールです。このツールを使用すると、サービス、イベント、およびネイティブ・アダプタの接続情報を構成できます。構成情報は、レガシー・アプリケーションまたはメインフレーム・アプリケーションのOracle Connectリポジトリに格納されます。さらに、このツールを使用すると、Oracle Connectを管理および監視できます。Oracle StudioはWindowsプラットフォームでのみ使用できます。Oracle StudioはIBM Eclipse GUIフレームワークに基づいています。

4.1.3 J2CAアダプタ

J2EE Connector Architecture(J2CA)アダプタは、OC4Jアプリケーションのクライアント・リクエストをOracle Connectアプリケーションに転送します。Oracle Connectは、メインフレーム・アプリケーションと通信して、レスポンスをJ2CAアダプタに戻します。このレスポンスには、トランザクション・データや例外データ(リクエストでエラーが生成された場合)が含まれる場合があります。Business Process Execution Language for Web Services(BPEL)Process ManagerおよびOracle Application Serverのコンポーネントは、J2CAアダプタを介してOracle Connectと統合されています。

4.2 設計時コンポーネント

設計時にレガシー・アダプタを構成するには、次の図に示すように、Oracle Studioを使用します。

図 4-2    Oracle Studio


画像の説明

例 4-1    OracleAS Adapter for Tuxedoの構成

Oracle Studioを使用すると、図4-3に示すように、OracleAS Adapter for Tuxedoを構成できます。

図 4-3    OracleAS Adapter for Tuxedoの構成


画像の説明

図 4-4    OracleAS Adapter for Tuxedoの相互作用タイプの選択


画像の説明

4.3 ランタイム・コンポーネント

設計時に生成されたWSDLファイルは、実行時に、統合するコンポーネントによって処理されます。たとえば、BPEL Process Managerはアダプタ・フレームワークを使用して、リクエスト/レスポンス・サービス(J2CAアウトバウンド相互作用)をBPELのinvokeアクティビティに統合し、イベントをBPELのreceiveアクティビティに発行します。詳細は、5.2項「アダプタとBPEL Process Managerの統合」を参照してください。

サーブレットやEJBなどのOC4Jアプリケーション・クライアントは、Common Client Interface(CCI)APIを使用してJ2CAアダプタと通信します。詳細は、5.1項「アダプタとOC4Jの統合」を参照してください。

4.4 デプロイ

レガシー・アダプタは、インストール時に、OC4J J2CAコンテナ内にJ2CAリソース・アダプタとしてデプロイされます。このアダプタは、統合対象のBPEL Process Managerと同じOC4Jコンテナ内に存在する必要があります。


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