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Oracle Application Server Adapter概要
10g(10.1.3.1.0)

B31900-01
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3 パッケージ・アプリケーション・アダプタ

パッケージ・アプリケーション・アダプタを使用すると、Oracle Application Serverを、J.D. EdwardsやSiebelなどのパッケージ・アプリケーションと統合できます。これらのアダプタには、OracleAS Adapter for Peoplesoft、OracleAS Adapter for SAP R/3、OracleAS Adapter for Siebel、OracleAS Adapter for Oracle ApplicationsおよびOracleAS Adapter for J.D. Edwardsがあります。

この章では、パッケージ・アプリケーション・アダプタのアーキテクチャについて説明します。内容は次のとおりです。

3.1 アーキテクチャ

パッケージ・アプリケーション・アダプタは、J2EE Connector Architecture(J2CA)1.5リソース・アダプタとして、またはWebサービス・サーブレットとしてOracle Containers for J2EE(OC4J)コンテナ内にデプロイできます。J2CAインタフェースの他に、パッケージ・アプリケーション・アダプタは、Web Service Definition Language(WSDL)およびSimple Object Access Protocol(SOAP)インタフェースをサポートします。パッケージ・アプリケーション・アダプタのJ2CAおよびWebサービスのデプロイには、リポジトリ・プロジェクトが必要です。J2CAのデプロイでは、リソース・アダプタは、複数のバックエンド接続オブジェクトが格納されるリポジトリ・プロジェクトを指します。デプロイメント・ディスクリプタであるoc4j-ra.xmlは、J2CAリポジトリ・プロジェクト、およびJ2CAリポジトリ・プロジェクト内のアクセスに対する接続名を指します。WSDLのデプロイでは、WSDLリポジトリ・プロジェクトは、アダプタ・メタデータが記述されているWSDLファイルのセットで構成されます。


注意:

このリリースでは、WSDLおよびSOAPの拡張要素は、OracleAS Adapter for SAP、OracleAS Adapter for Siebel、OracleAS Adapter for PeoplesoftおよびOracleAS Adapter for J.D. Edwardsの4つのパッケージ・アプリケーション・アダプタでのみサポートされます。OracleAS Adapter for Oracle Applicationsのアーキテクチャは、テクノロジ・アダプタと同じです。 


パッケージ・アプリケーション・アダプタのアーキテクチャは、OracleAS Adapter Application Explorer(Application Explorer)、J2CA 1.5リソース・アダプタおよびBusiness Services Engine(BSE)で構成されます。

図3-1は、パッケージ・アプリケーション・アダプタのアーキテクチャを図で説明しています。

図 3-1    パッケージ・アプリケーション・アダプタのアーキテクチャ


画像の説明

この項では、パッケージ・アプリケーション・アダプタのアーキテクチャの次のコンポーネントについて説明します。

3.1.1 Application Explorer

Application Explorerは、パッケージ・アプリケーション・アダプタを構成するためのJava Swingベースの設計時ツールです。Application Explorerを使用すると、バックエンド・アプリケーション接続を構成し、バックエンド・アプリケーション・スキーマを参照して、これらのスキーマをアダプタ・サービスとして公開できます。Application Explorerは、バックエンド・アプリケーション固有のメタデータを参照するためのアプリケーション固有のプラグインとともに提供されます。

Application Explorerを使用すると、OracleAS AdapterのJ2CAまたはBSE用のリポジトリ・プロジェクトを作成できます。各リポジトリ・プロジェクトは、複数のバックエンド・アプリケーション接続で構成される場合があります。スキーマは、OracleAS Adapter J2CAインタフェース用のXML Schema Definition(XSD)、またはSOAPバインドによるWSDLで表されます。

3.1.2 BSE

Application Explorerは、Oracle Application ServerのOracle Containers for J2EE(OC4J)コンテナにデプロイされるBSEとともに動作します。BSEでは、クライアントからのリクエストの受入れ、バックエンド・アプリケーションとの相互作用およびバックエンド・アプリケーションからクライアントへのレスポンスの送信について、プロトコルとしてSOAPが使用されます。

3.1.3 J2CA 1.5リソース・アダプタ

J2CA 1.5リソース・アダプタは、バックエンド・イベントを受信するためのチャネル・コンポーネントで構成されます。

3.2 設計時コンポーネント

Application Explorerは、設計時にパッケージ・アプリケーション・アダプタの構成に使用されます。このツールを使用して、バックエンド接続のリストが格納される、J2CA 1.5リソース・アダプタ用のリポジトリ・プロジェクトが作成されます。Application Explorerは、バックエンド・メタデータをXSD、およびJ2CA拡張要素が指定されたWSDLとして公開します。XSDメタデータは、OC4Jアプリケーション・クライアントによって、J2CA Common Client Interface(CCI)Application Programming Interface (API)を介した統合に使用されます。J2CA拡張要素が指定されたWSDLは、Business Process Execution Language for Web Services(BPEL)Process Managerとの統合に使用されます。BSEメタデータは、WSDLまたはSOAPとして定義できます。

図3-2はApplication Explorerを示しています。

図 3-2    Application Explorer


画像の説明

例 3-1    OracleAS Adapter for SAP用のXMLリクエスト・スキーマの生成

Application Explorerを使用すると、OracleAS Adapter for SAP用の接続を確立できます。このためには、次の図に示すように、最初にOracleAS Adapter for SAPに対するターゲットを定義する必要があります。

図 3-3    OracleAS Adapter for SAPの選択


画像の説明

図 3-4    OracleAS Adapter for SAPに対するターゲットの定義


画像の説明

SAPのビジネス機能ライブラリの内容を表示し、オブジェクトを選択した後は、Application Explorerを使用して、その機能に対するXMLリクエスト・スキーマとXMLレスポンス・スキーマを作成できます。 各スキーマ・タイプに対するXMLを表示するには、次の図に示すように、必要なタブを選択します。

図 3-5    XMLスキーマの表示


画像の説明

3.3 ランタイム・コンポーネント

パッケージ・アプリケーション・アダプタのランタイム・コンポーネントには、J2CA 1.5リソース・アダプタ、BSEおよびサーブレットがあります。OC4Jアプリケーション・クライアントは、CCI APIを使用してJ2CA 1.5リソース・アダプタと直接インタフェースします。このリリースでは、OC4JはJ2CA 1.0仕様のみをサポートし、CCI APIはJ2CAアウトバウンド相互作用のコールにのみ使用されます。J2CA 1.5リソース・アダプタは、アダプタ・フレームワークを介してBPEL Process Managerに統合されます。実行時に、アダプタ・フレームワークによって、設計時に構成されたアダプタ・メタデータ(WSDLまたはJ2CA拡張要素)に基づいて、BPEL Process Managerのサービス・リクエストがJ2CAコールに変換され、結果が戻されます。

設計時に生成されたWSDLファイルは、実行時に、統合するコンポーネントによって処理されます。たとえば、BPEL Process Managerはアダプタ・フレームワークを使用して、リクエスト/レスポンス・サービス(J2CAアウトバウンド相互作用)をBPELのinvokeアクティビティに統合し、アダプタ・イベントをBPELのreceiveアクティビティに発行します。BPEL PMとの統合の詳細は、5.2項「アダプタとBPEL Process Managerの統合」を参照してください。

サーブレット、EJB、JavaアプリケーションなどのOC4Jアプリケーション・クライアントは、CCI APIを使用してJ2CAアダプタとインタフェースします。OC4Jとの統合の詳細は、5.1項「アダプタとOC4Jの統合」を参照してください。

3.4 デプロイ

パッケージ・アプリケーション・アダプタは、インストール時に、OC4J J2CAコンテナ内にJ2CA 1.5リソース・アダプタとしてデプロイされます。アダプタは、統合対象のBPEL Process Managerと同じOC4Jコンテナに存在する必要があります。

任意のWebサービス・クライアントをBSEサーブレットと統合できます。BSEは基礎となるバックエンド機能をWebサービスとして公開します。この機能は、WSDLまたはSOAPのいずれかです。BPEL Process Managerは、BSEレイヤーともWSDLおよびSOAPバインドを介して統合可能です。

BSEは、インストール時にOC4Jコンテナ内にサーブレットとしてデプロイされます。また、リモートに配置でき、BPEL Process Managerと同じコンテナ内に存在する必要はありません。


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