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Oracle Containers for J2EE JSPタグ・ライブラリおよびユーティリティ・リファレンス
10g(10.1.3.1.0)

B31854-01
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1 タグ・ライブラリとユーティリティの概要

このマニュアルでは、Oracle Containers for J2EE(OC4J)が提供するタグ・ライブラリ、JavaBeansおよびその他のユーティリティについて説明します。これらは、JSP標準に基づいて実装されています。また、JavaServer Pages標準タグ・ライブラリ(JSTL)のサポートに関する説明、およびOC4J以外のOracleコンポーネントが提供するタグ・ライブラリのサマリーも記載しています。

Oracle固有の機能と、OC4J JSPコンテナ、標準JSPテクノロジおよび標準JSP 1.2タグ・ライブラリの機能の概要は、『Oracle Containers for J2EE JavaServer Pages開発者ガイド』で説明しています。

この章には、次の項目が含まれます。

最初の項で紹介するタグとJavaBeansには、型の拡張機能、XML/XSLとの統合、データベース・アクセスおよび便利なプログラミング機能など、多様な機能が備わっています。

OC4Jが提供するタグ・ライブラリとユーティリティの概要

次の各項で紹介するOracleの拡張機能は、タグ・ライブラリまたはカスタムJavaBeansを使用して実装されます。この拡張機能は、JSP標準とJavaBeans標準に準拠しています。

JMLを除く既存のライブラリはサポート対象です。JSTLで使用できないカスタム・ライブラリの機能のうち、有効と判断される機能は、必要に応じて、JSTL標準に採用される予定です。


注意

 

タグ構文の表記と意味

このマニュアルでは、タグの説明の構文表記に、次の規則を使用しています。

拡張型JavaBeansの概要

JSPページでは、スカラー値の表現をコアとなるJavaの型に依存しています。ただし、次に示す標準の型カテゴリは、いずれもJSPページでの使用に適していません。

これらの制限事項を回避するために、OC4Jは、oracle.jsp.jmlパッケージにJmlBooleanJmlNumberJmlFPNumberおよびJmlString JavaBeanクラスを用意し、最も一般的なJavaの型をラップします。

詳細は、「JML拡張型の概要」を参照してください。


注意

OC4JをJDK 1.4以下で実行している場合は、JML拡張型により便利なオプションが提供されます。

JDK 5.0を使用している場合は、この新しいJDKリリースでサポートされているオートボクシング・メカニズムを利用することもできます。このメカニズムでは、プリミティブ型とラッパー型が自動的に変換されます。

オートボクシングの詳細は、次のサイトを参照してください。

http://java.sun.com/j2se/1.5.0/docs/guide/language/autoboxing.html
 

イベント処理用のJspScopeListenerの概要

OC4Jは、JSPアプリケーション内にある様々なスコープのJavaオブジェクトのライフ・サイクルを管理するため、JspScopeListenerインタフェースを提供します。

標準のサーブレットとJSPのイベント処理は、javax.servlet.http.HttpSessionBindingListenerインタフェースを介して実行されますが、これは、セッション・ベースのイベントのみを処理します。OracleのJspScopeListenerHttpSessionBindingListenerと統合すると、セッション・ベースのイベントの他に、ページ・ベース、リクエスト・ベースおよびアプリケーション・ベースのイベントも処理できます。

詳細は、「JspScopeListenerによるJSPのイベント処理」を参照してください。

XMLおよびXSLとの統合の概要

JSP構文を使用すると、HTMLコードの他に、テキスト・ベースのMIMEタイプを生成できます。特に、XML出力を動的に作成できます。ただし、JSPページを使用してXML文書を生成する場合は、XMLデータをクライアントに送信する前に、XMLデータに適用するスタイルシートが必要になる場合があります。この場合、JavaServer Pagesテクノロジでは、JSPページに使用する標準の出力ストリームがサーバーを通じて直接書き戻されるため、この処理は困難です。

OC4Jには、JSPページのすべてまたは一部を、出力前にXSLのスタイルシートを使用して変換するように指定する特別のタグが用意されています。入力は、タグ・ボディまたはXML DOMオブジェクトから可能で、XML DOMオブジェクトからブラウザへの出力が可能です。

ページ内の異なる部分にスタイルシートを個別に指定する場合は、これらのタグを単一のJSPページ内で繰り返し使用できます。

次の追加XMLサポートもあります。

XMLユーティリティ・タグのサマリーを、表1-1に示します。XMLの機能はdbOpen SQLタグおよびcacheXMLObj Web Object Cacheタグにもあります。詳細は、第5章「XMLとXSLに関するタグのサポート」を参照してください。

標準JSP 1.2のXMLサポートの詳細は、『Oracle Containers for J2EE JavaServer Pages開発者ガイド』を参照してください。

表1-1    XMLユーティリティ・タグのサマリー 
タグ  説明  属性 

transform 

XMLデータを、XSL変換でHTTPクライアントまたは指定したXML DOMオブジェクトに出力します。 

href
fromXMLObjName
toXMLObjName
toWriter 

styleSheet 

transformタグと同じです。 

href
fromXMLObjName
toXMLObjName
toWriter 

parsexml 

入力ストリームからXML DOMオブジェクトに変換します。 

resource
toXMLObjName
validateResource
root 

データ・アクセスJavaBeansとタグ・ライブラリのサマリー

OC4Jには、Oracle Databaseにアクセスするための一連のカスタムJavaBeansが用意されています。oracle.jsp.dbutilパッケージには、次のBeanが含まれています。

詳細は、「データ・アクセスに関するJavaBeans」を参照してください。

OC4Jには、JSPプログラマ向けに、JavaBeansの機能をラップするSQL機能用のカスタム・タグ・ライブラリが用意されています。これらのタグのサマリーを、表1-2に示します。詳細は、「データ・アクセス用SQLタグ」を参照してください。

表1-2    データ・アクセス・タグ・ライブラリのサマリー 
タグ  説明  属性 

dbOpen 

データベース接続をオープンします。このタグは、データ・ソースおよび接続プーリングもサポートします。  

connId
scope
dataSource
user
password
URL
commitOnClose 

dbClose 

データベース接続をクローズします。 

connId
scope 

dbQuery 

問合せを実行します。 

queryId
connId
scope
output
maxRows
skipRows
bindParams
toXMLObjName 

dbCloseQuery 

問合せのカーソルをクローズします。 

queryId 

dbNextRow 

結果セットの行を処理します。 

queryId 

dbExecute 

SQL文(DMLまたはDDL)を実行します。 

connId
scope
output
bindParams 

dbSetParam 

パラメータを設定して、dbQueryタグまたはdbExecuteタグにバインドします。 

name
value
scope 

deSetCookie 

Cookieを設定します。 

name
value
domain
comment
maxAge
version
secure
path 

Oracle Application Server Personalizationタグ・ライブラリのサマリー

Webサイトのパーソナライズは、行動およびデモグラフィック・データに基づいて、サイトのユーザー向けにリコメンデーションを作成する機能です。リコメンデーションは、ユーザーのWebセッション中にリアルタイムで作成されます。ユーザーの動作はデータベース・リポジトリ内に保存され、将来のユーザーの動作を予測するためのモデルの構築に使用されます。

OracleAS Personalizationは、Oracle Databaseのデータ・マイニング・アルゴリズムを使用して、ユーザーに最も関連するコンテンツを選択します。通常、過去および現在におけるユーザーの動作に関する大量のデータを使用して、OracleAS Personalizationリコメンデーション・エンジンによって、リコメンデーションが計算されます。これは、常識的な経験則に依存し、システム内でルールを手動定義する必要がある他のアプローチよりも優れています。

OracleAS Personalizationタグ・ライブラリにより、幅広い層のJSP開発者が、この機能をHTML、XMLまたはJavaScriptページで使用できるようになります。タグ・インタフェースのレイヤーは、リコメンデーション・エンジンのJava APIの最上部に位置します。

表1-3に、OracleAS Personalizationタグ・ライブラリのサマリーを示します。
詳細は、第10章「パーソナライズ・タグ」を参照してください。

表1-3    OracleAS Personalizationタグ・ライブラリのサマリー 
タグ  説明  属性 

startRESession 

OracleAS Personalizationリコメンデーション・エンジンのセッションを開始します。  

REName
REURL
RESchema
REPassword
RECacheSize
REFlushInterval
applicationSession
createSession
userType
userID
storeUserIDIn
disableRecording 

endRESession 

リコメンデーション・エンジンのセッションを明示的に終了します。  

(なし) 

setVisitorToCustomer 

匿名のビジターが、登録済のカスタマ・アカウントを作成する場合に、このタグを使用します。  

customerID 

getRecommendations 

購入、ナビゲーションまたはレーティングに関する一連のリコメンデーションをリクエストします。  

from
fromHotPicksGroups
storeResultsIn
storeInterestDimensionIn
maxQuantity
tuningName
tuningDataSource
tuningInterestDimension
tuningPersonalizationIndex
tuningProfileDataBalance
tuningProfileUsage
filteringName
filteringTaxonomyID
filteringMethod
filteringCategories
sortOrder 

getCrossSellRecommendations 

リコメンデーションの基準として使用される一連の過去の項目(過去の購入など)に基づいて、購入、ナビゲーションまたはレーティングに関する一連のリコメンデーションをリクエストします。  

storeResultsIn
storeInterestDimensionIn
fromHotPicksGroups
inputItemList
maxQuantity
tuningName
tuningDataSource
tuningInterestDimension
tuningPersonalizationIndex
tuningProfileDataBalance
tuningProfileUsage
filteringName
filteringTaxonomyID
filteringMethod
filteringCategories
sortOrder 

selectFromHotPicks 

一連のホット・ピックス・グループのみからのリコメンデーションをリクエストします。 

hotPicksGroups
storeResultsIn
storeInterestDimensionIn
maxQuantity
tuningName
tuningDataSource
tuningInterestDimension
tuningPersonalizationIndex
tuningProfileDataBalance
tuningProfileUsage
filteringName
filteringTaxonomyID
filteringMethod
filteringCategories
sortOrder 

evaluateItems 

タグに入力される一連の項目のみを評価します。  

storeResultsIn
taxonomyID
inputItemList
tuningName
tuningDataSource
tuningInterestDimension
tuningPersonalizationIndex
tuningProfileDataBalance
tuningProfileUsage
sortOrder 

forItem 

入力リストを必要とするタグに入力される個別の項目を選択します。 

index
itemList
type
ID 

getNextItem 

必要に応じて、一部のリコメンデーション・タグ内でこのタグを使用して、戻された項目にアクセスし、処理します。 

storeTypeIn
storeIDIn
storeItemIn 

recordNavigation 

ナビゲーション項目をリコメンデーション・エンジン・セッションのキャッシュ内に記録します。  

type
ID
index
itemList 

recordPurchase 

購入項目をリコメンデーション・エンジン・セッションのキャッシュ内に記録します。  

type
ID
index
itemList 

recordRating 

レーティング項目をリコメンデーション・エンジン・セッションのキャッシュ内に記録します。  

value
type
ID
index
itemList 

recordDemographic 

デモグラフィック項目をリコメンデーション・エンジン・セッションのキャッシュ内に記録します。  

type
value 

removeNavigationRecord 

このセッションで、以前にリコメンデーション・エンジン・セッションのキャッシュ内に記録されたナビゲーション項目を削除します。 

type
ID
index
itemList 

removePurchaseRecord 

このセッションで、以前にリコメンデーション・エンジン・セッションのキャッシュ内に記録された購入項目を削除します。 

type
ID
index
itemList 

removeRatingRecord 

このセッションで、以前にリコメンデーション・エンジン・セッションのキャッシュ内に記録されたレーティング項目を削除します。  

value
type
ID
index
itemList 

removeDemographicRecord 

このセッションで、以前にリコメンデーション・エンジン・セッションのキャッシュ内に記録されたデモグラフィック項目を削除します。  

type
value 

Webサービス・タグのサマリー

OC4Jが提供するWebサービス・タグ・ライブラリを使用すると、開発者は、Webサービスのクライアント・アプリケーション用JSPページを簡単に作成できます。実装には、RPCスタイルまたはドキュメント・スタイルのサービスをサポートするSOAPベースの機能を使用します。クライアント・アプリケーションでは、Web Services Description Language(WSDL)文書にアクセスした後、WSDL情報を使用してWebサービスの操作にアクセスします。

また、このタグ・ライブラリでは、Oracleによる動的起動APIの実装を使用します。この実装の説明は、『Oracle Application Server Web Services開発者ガイド』に記載されています。クライアント・アプリケーションで実行時にWSDL文書を取得する場合は、動的起動APIを使用して、WSDL文書に記述されているSOAP操作を起動します。

このWebサービス・タグ・ライブラリのサマリーを表1-4に示します。詳細は、第11章「Webサービス・タグ」を参照してください。

表1-4    Webサービス・タグ・ライブラリのサマリー 
タグ  説明  属性 

webservice 

Webサービス・プロキシを作成します。このタグには、WSDL文書のURLが必要です。プロキシの作成時にバインディングとSOAP位置、またはサービス名とポートのいずれかを使用します。 

wsdlUrl
id
scope
binding
soapLocation
service
port 

map 

Webサービス・プロキシは、webserviceタグ内にネストされたmapタグを使用して、SOAP/XMLとJavaとの間の型マッピングのためのエントリをSOAPマッピング・レジストリに追加します。該当する型マッピングごとに1つのmapタグを使用します。 

localName
namespaceUri
javaType
encodingStyle
java2xmlClassName
xml2javaClassName 

property 

必要に応じて、このタグを使用して名前/値ペアを指定し、Webサービスのクライアント・アプリケーションで使用できる複数のカスタム・プロパティを定義します。 

name
value 

invoke 

Webサービスの操作を起動します。invokeタグがWebサービス・プロキシにアクセスするには、webserviceタグ内にネストされているか、あるいはwebserviceタグに作成されたWebサービス・プロキシのスクリプト変数にアクセスする必要があります。 

id
operation
webservice
inputMsgName
outputMsgName
xmlToWriter
toXMLObjName 

part 

操作の実行に入力メッセージ・パートの値が必要な場合は、各入力パートごとに1つのpartタグを使用します。 

name
value 

ファイル・アクセス・タグとメール・タグのサマリー

OC4Jには、ファイルへのアクセス(アップロードとダウンロード)用とアプリケーションからの電子メール・メッセージ送信用のタグ・ライブラリが用意されています。

ファイルのアップロードには、httpUploadタグまたはoracle.jsp.webutil.fileaccess.HttpUploadBean JavaBeanを使用できます。ファイルのダウンロードには、httpDownloadタグまたはHttpDownloadBean JavaBeanを使用できます。表1-5に、ファイル・アクセス・タグのサマリーを示します。詳細は、「ファイル・アクセスJavaBeansとファイル・アクセス・タグ」を参照してください。

表1-5    ファイル・アクセス・タグ・ライブラリのサマリー 
タグ  説明  属性 

httpUploadForm 

このタグを使用すると、複数の部分に分割されてエンコードされたフォーム・データを使用して、アプリケーションにフォームを簡単に作成できます。このフォームによって、ユーザーはアップロードするファイルを指定できます。 

formsAction
maxFiles
fileNameSize
maxFileNameSize
includeNumbers
submitButtonText 

httpUpload 

クライアントからサーバーにファイルをアップロードします。ファイル・システムまたはデータベースにアップロードできます。 

destination
destinationType
connId
scope
overwrite
fileType
table
prefixColumn
fileNameColumn
dataColumn 

httpDownload 

サーバーからクライアントにファイルをダウンロードします。ファイル・システムまたはデータベースからダウンロードできます。 

servletPath
source
sourceType
connId
scope
recurse
fileType
table
prefixColumn
fileNameColumn
dataColumn 

電子メール・メッセージを、必要に応じて、サーバー・サイドまたはクライアント・サイドの添付とともに送信するには、oracle.jsp.webutil.email.SendMailBean JavaBeanまたはsendMailタグを使用します。表1-6sendMailタグのサマリーを示します。詳細は、「メールJavaBeanとメール・タグ」を参照してください。

表1-6    sendMailタグのサマリー 
タグ  説明  属性 

sendMail 

JSPページから電子メール・メッセージを送信します。タグの機能には、グローバリゼーション・サポートが組み込まれています。 

host
sender
recipient
cc
bcc
subject
contentType
contentEncoding
serverAttachment
clientAttachment 

EJBタグのサマリー

OC4Jには、JSPページでのEnterprise JavaBeansの使用を簡素化するカスタム・タグ・ライブラリが用意されています。OC4J EJBタグの機能は、J2EE仕様に従っています。このタグを使用すると、web.xmlファイルの構成情報を使用して、EJBを名前でインスタンス化できます。

ホーム・インスタンスの作成、EJBインスタンスの作成およびEJBのコレクション間の反復などに使用するタグがあります。表1-7に、EJBタグ・ライブラリのサマリーを示します。詳細は、「EJBタグ」を参照してください。

表1-7    EJBタグ・ライブラリのサマリー 
タグ  説明  属性 

useHome 

EJBのホーム・インタフェースを参照して、そのインスタンスを作成します。  

id
type
location
local 

useBean 

EJBをインスタンス化して使用します。このタグの機能は、JavaBeanの標準のjsp:useBeanタグに類似しています。 

id
type
value
scope
local 

createBean 

EJBを最初にインスタンス化するときに、EJB useBeanタグのvalue属性を使用しない場合は、EJB createBeanタグをuseBeanタグ内にネストし、EJBインスタンスの作成作業を実行する必要があります。  

instance 

iterate 

EJBインスタンスのコレクション間の反復を行います(通常は、エンティティBeanに多く使用されます)。 

id
type
collection
max 

JSPユーティリティ・タグのサマリー

OC4Jには、その他のユーティリティ・タグとして、日付を表示するタグ、適切な通貨で金額を表示するタグ、数値を表示するタグ、コレクション間を反復するタグ、ユーザーが特定のロールに属しているかどうかに応じてタグ・ボディを評価してインクルードするタグ、および現行のファイルの最終変更日付を表示するタグがあります。表1-8に、これらのタグのサマリーを示します。詳細は、「一般的なユーティリティ・タグ」を参照してください。

表1-8    一般的なユーティリティ・タグ・ライブラリのサマリー 
タグ  説明  属性 

displayCurrency 

指定した金額をロケールの通貨として書式化して表示します。  

amount
locale 

displayDate 

指定した日付をロケールに適した書式で表示します。  

date
locale 

displayNumber 

指定した数値をロケールの書式および必要に応じて指定した書式で表示します。  

number
locale
format 

iterate 

コレクション間を反復します。  

id
type
collection
max 

ifInRole 

指定したアプリケーションのロールにユーザーが存在するかどうかに基づいて、タグ・ボディを評価し、JSPページのボディにインクルードします。  

role
include 

lastModified 

現行のファイルの最終変更日付を、ロケールに適した書式で表示します。  

locale 

Webアプリケーションに対するOracleキャッシング・サポートのサマリー

この項では、次の情報を提供します。

この項で紹介するOracleタグ・ライブラリは、JSP標準に準拠しています。

Oracle Application ServerとJSPのキャッシング機能

Oracle Application ServerとOC4Jには、次のキャッシング機能があります。

JSP Web Object Cacheのロール

Webアプリケーション全体の設定におけるOC4J Web Object Cacheのロールを理解していることが重要です。このキャッシュは、Javaレベルで機能し、サーブレットとJSPアプリケーションのHTTP環境と緊密に統合されています。一方、Oracle Application Server Java Object Cacheは、Javaオブジェクト・レベルで機能しますが、HTTPとは統合されていません。Oracle Web Cacheの場合は、HTTPと緊密に統合され、Web Object Cacheと比べてはるかに高速です。ただし、Javaレベルでは動作せず、Webアプリケーション・コードで直接起動することはできません。たとえば、このキャッシュでは、スタイルシートをJ2EEコンテナにあるキャッシュ内のDOMオブジェクトに適用したり、他のプロトコルにあるキャッシュ内の結果を再利用したり、またはDOM操作を直接実行することはできません。ただし、Oracle Web Cacheでは、スタイルシートを、DOMオブジェクトではなく、HTTPを使用して元のWebサーバーからキャッシュされたテキスト・ベースのXML文書に適用できます。

Web Object Cacheは、アプリケーションの主要なWebキャッシュとしては使用しません。サーブレットやJSPページを実行するJava Virtual Machine内に埋め込まれた補助的なキャッシュです。Web Object Cacheのキャッシュ結果に対する検索パスには、JVM、JSPおよびサーブレットの各エンジンが含まれているため、通常は、Oracle Web Cacheと比べると、Web Object Cacheからの方がページの処理にはるかに時間がかかります。

Web Object Cacheは、Oracle Web CacheやOracle Application Server Java Object Cacheの必要性を否定したり、排除するものではありません。あくまでもWebアプリケーションの全体的なフレームワークにおける補足的なキャッシング・コンポーネントであり、必要に応じて、他のキャッシング製品とともに使用する必要があります。実際に、Web Object Cacheでは、Java Object Cacheをそのデフォルトのリポジトリとして使用しています。また、OC4J JESIタグとWeb Object Cacheタグを組み合せて使用することによって、Web Object CacheとOracle Web Cacheを同一ページで使用できます。

Web Object CacheとOracle Web Cacheの比較

Oracle Web Cacheは、プライマリ・キャッシング・コンポーネントと考えてください。キャッシュ内のページをHTTPクライアントに直接供給し、大量のHTTP通信量を迅速に処理し、ほとんどのWebサイトの要件に適応しています。Oracle Web Cacheを使用すると、Webページの全体または一部を(JESIタグを使用して)格納できます。キャッシュ内のページは、クライアントへの送信前に、ある程度カスタマイズできます。たとえば、Cookie置換やページ・フラグメントの連結などが対象となります。

Oracle Web Cacheをできるだけ多用して、レスポンスを高速化し、Webアプリケーション・サーバーやバックエンド・データベースの負荷を軽減することをお薦めします。大部分のWebページのキャッシング・ニーズに対しても、Oracle Web Cacheのみで対処できます。

Oracle Web Cacheの補完としてWeb Object Cacheを使用すると、JSPおよびサーブレットの実行の中間結果を取得し、後でこのキャッシュ結果をJavaアプリケーション・ロジックの他の部分で再利用できます。キャッシュ結果のオブジェクトを繰り返し再利用できず、クライアントへ送信するにはキャッシュ内のオブジェクトに対して後処理が必要である場合は、WebアプリケーションでWeb Object Cacheを使用するメリットはありません。

Web Object CacheとOracle Application Server Java Object Cacheの比較

Web Object Cacheでは、Oracle Application Server Java Object Cacheと比べると、実行結果の一部を動的Webページに格納および維持することがはるかに容易になります。Java Object Cacheは、一般的なJavaアプリケーションにとって純粋なオブジェクト・ベースのフレームワークであるため、埋込みが可能なHTTP環境を認識できません。たとえば、キャッシュ・キーは、HTTPのCookieまたはセッションに自動的には依存しません。Java Object CacheをWebアプリケーション内で直接使用する場合、Webページに必要なすべてのインタフェースは開発者の責任で行います。Java Object Cacheでキャッシュ・メンテナンス・ポリシーを指定するにはプログラミングが必要ですが、かわりに構成ファイルを介してポリシーを指定できます。

キャッシングに関するタグ・ライブラリのサマリー

OC4Jには、Oracle Application Serverのキャッシング機能で使用する次の2つのタグ・ライブラリがあります。

この項では、この2つのライブラリのサマリーを示します。

JESIタグ・ライブラリのサマリー

OC4Jでは、JESIタグ・ライブラリを、ESIタグとWebキャッシングに関するEdge Side Includes機能への便利なインタフェースとして提供しています。開発者は、WebアプリケーションでESIタグを直接使用できますが、JESIタグは、JSP環境で使用したほうがはるかに便利です。

表1-9に、JESIタグ・ライブラリのサマリーを示します。詳細は、「Oracle JESIタグの説明」を参照してください。

表1-9    JESIタグ・ライブラリのサマリー 
タグ  説明  属性 

control 

control/includeの使用モデルで、JSPページのキャッシング特性を制御します。JESI controlタグは、トップレベルのページまたは任意のインクルード・ページで使用できます。 

expiration
maxRemovalDelay
cache
control 

include 

標準のjsp:includeタグと同様、インクルード・ページの出力をインクルード先ページの出力に動的に挿入できます。ただし、この結果、インクルード・ページがESIプロセッサにより(通常はOracle Web Cache内で)処理されアセンブルされます。  

page
alt
ignoreError
copyParam
flush 

param 

JESI includeタグのサブタグです。1つ以上のJESI paramタグを使用して、インクルード・ページに追加の問合せパラメータを渡すことができます。 

name
value 

template 

JSPページを個別のキャッシュ・フラグメントに分割するときに(JESI fragmentタグとともに)使用します。JESI templateタグでは、集約ページ(フラグメント以外)のキャッシング動作を指定します。 

expiration
maxRemovalDelay
cache
control 

fragment 

1つ以上のJESI fragmentタグを、JESI templateタグ内、つまりJESI templateの開始タグと終了タグ間で使用して、独立したキャッシュ可能なフラグメントを指定します。  

expiration
maxRemovalDelay
cache
control 

codeblock 

JESI templateタグのサブタグです。JESI codeblockタグを使用して、テンプレート・コード内でコード・ブロックを条件付きで実行するように指定できます。 

execute 

invalidate 

JESI objectサブタグとともにこのタグを使用し、Oracle Web Cacheによりキャッシュされた1つ以上のオブジェクトを明示的に無効にします。 

url
username
password
config
output 

object 

JESI invalidateタグに必須のサブタグです。完全なURIまたはURI接頭辞に基づいて、無効にするキャッシュ内のオブジェクトを指定します。 

uri
prefix
maxRemovalDelay 

cookie 

JESI objectタグのサブタグです。必要に応じて、無効化の追加基準としてCookie情報を使用します。  

name
value 

header 

JESI objectタグのサブタグです。必要に応じて、無効化の追加基準としてHTTP/1.1のヘッダー情報を使用します。  

name
value 

personalize 

オブジェクトに対するすべてのリクエストのCookie値置換を実行するようにESIプロセッサに指示し、ページのカスタマイズを可能にします。 

name
default 

Web Object Cacheタグ・ライブラリのサマリー

OC4J Web Object Cacheは、Javaで記述されたWebアプリケーションが、JSPページやサーブレットなどの動的Webページが生成した部分的な結果と中間結果を取得、格納、再利用、後処理およびメンテナンスできるようにする機能です。プログラミング・インタフェースについては、タグ・ライブラリ(JSPページでの使用)とJava API(サーブレットでの使用)を備えています。

表1-10に、Web Object Cacheタグ・ライブラリのサマリーを示します。詳細は、「Web Object Cacheタグの説明」を参照してください。

表1-10    Web Object Cacheタグ・ライブラリのサマリー 
タグ  説明  属性 

cache 

JSPアプリケーション内でテキスト・フラグメントなどのオブジェクトをキャッシュします。ただし、XML DOMオブジェクトやJavaシリアライズ可能オブジェクトのキャッシング用には別個のタグがあります。 

policy
ignoreCache
invalidateCache
scope
autoType
selectedParam
selectedCookies
reusableTimeStamp
reusableDeltaTime
name
expirationType
TTL
timeInaDay
dayInaWeek
dayInaMonth
writeThrough
printCacheBlockInfo
printCachePolicy
cacheRepositoryName
reportException 

cacheXMLObj 

通常、XML DOMオブジェクトをキャッシングする場合にcacheタグのかわりに使用します。cacheXMLObjタグは、cacheタグのすべての属性とXML固有の追加パラメータをサポートしています。 

cacheタグのすべての属性および次の属性:
fromXMLObjName
toXMLObjName
toWriter 

useCacheObj 

シリアライズ可能なすべてのJavaオブジェクトをキャッシュします。useCacheObjタグは、すべてのcacheタグ・パラメータとその機能固有の追加属性をサポートしています。 

cacheタグのすべての属性および次の属性:
type
id
cacheScope 

cacheInclude 

cacheタグ(ただし、cacheXMLObjタグやuseCacheObjタグを除く)の機能と標準のjsp:includeタグの機能を組み合せます。 

policy
page
printCacheBlockInfo
reportException 

invalidateCache 

キャッシュ・オブジェクトをプログラムで無効にします。invalidateCacheタグのほとんどの属性の動作は、cacheタグ内の同名の属性の動作と同じです。 

policy
ignoreCache
scope
autoType
selectedParam
selectedCookies
name
invalidateNameLike
page
autoInvalidateLevel
cacheRepositoryName
reportException 


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