この章では、Oracle Content DBアプリケーションの概要を説明します。次の項目について説明します。
コンテンツ管理システムを使用することにより、組織はコンテンツのライフ・サイクルをサポートできます。通常、コンテンツのライフ・サイクルは、作成、編集、公開およびアーカイブから成ります。たとえば、コンテンツは1人以上の作成者によって作成されます。一定期間、そのコンテンツを編集し、公開するために承認することができます。公開されると、コンテンツは他の形式に置き換えられてアーカイブされるか、使用できないように削除されます。
コンテンツ管理は、組織における知識の共有およびコミュニケーション機能の向上につながります。コンテンツ管理システムでは、コンテンツを容易に利用できるようにすることでユーザーの効率が向上します。
また、コンテンツ管理システムには、バージョン・コントロール、ワークフロー、セキュリティなどの機能も含まれます。
Oracle Content DBは、ファイルおよびドキュメントのライフ・サイクル管理のための包括的な統合ソリューションを提供する、データベース中心の統合コンテンツ管理システムです。Oracle Content DBにより、企業の顧客は、非常にスケーラビルで管理しやすく有用な1つのアプリケーションを活用して、構造化されていないあらゆる情報を管理することができます。
Oracle Content DBでは、システム管理とアプリケーション管理という2種類の管理があります。
システム管理には、ノード、サービスおよびサーバーの起動と停止、信頼性とパフォーマンスを保証するためのシステムのチューニング、サイト設定の変更、カスタム・ワークフロー・プロセスの登録といった、Oracle Content DBプロセスの管理作業が含まれます。通常、システム管理者は、Oracle Enterprise Manager 10g Application Server Control(Application Server Control)を使用して、Oracle Content DBのシステム管理機能を実行します。
アプリケーション管理には、ユーザー、割当て制限、ライブラリ、カテゴリ、コンテンツのサイト・レベルおよびコンテナ・レベルでの管理が含まれます。アプリケーション管理は、複数の管理者ロールに分けられます。この管理者ロールは、サイト・レベルのみ、またはサイトとコンテナの両方のレベルで割り当てられます。
シングル・ユーザーは、複数のロールで作業できます。さらに、各ロールは、異なるアクセス権限のセットを持ちます。
Oracle Content DBをインストールすると、まずデフォルトのユーザーが割り当てられます。このユーザー名は、Oracle Content DBで使用するよう選択されたユーザー・リポジトリによって次のように異なります。
Oracle Content DBのユーザー・リポジトリとしてOracle Internet Directoryを使用している場合、Oracle Content DBへの初回ログインには、ユーザー名およびパスワードとしてorcladmin
を使用してください。このユーザーは、すべてのアプリケーション管理ロールを持っています。
Oracle Content DBのユーザー・リポジトリとしてサード・パーティのLDAPサーバーを使用している場合、Oracle Content DBへの初回ログインには、Oracle Content DBのインストール中に指定したユーザー名およびパスワードを使用してください。このユーザーは、すべてのアプリケーション管理ロールを持っています。
ファイル・ベースのユーザー・リポジトリをOracle Content DBで使用している場合、Oracle Content DBへの初回ログインには、ユーザー名としてcontentadmin
を使用してください。このユーザーのパスワードは、Oracle Content DBスキーマ・パスワードと同じです。このユーザーは、すべてのアプリケーション管理ロールを持っています。
ユーザー・リポジトリに追加のユーザーを作成し、それらのユーザーがOracle Content DBにログインした後、必要に応じて他のユーザーにアプリケーション管理ロールを委譲することもできます。ユーザーは複数のロールを持つことができます。また、複数のユーザーに同じロールを割り当てることができます。
また、1人のユーザーにセキュリティ管理者ロールを指定し、そのセキュリティ管理者が残りのアプリケーション管理者ロールをその他のユーザーに指定することもできます。
管理者ロールを割り当てられたユーザーは、アプリケーションに正規ユーザーとしてサイン・インし、「管理モードに切替え」を選択して、管理者モードにするかどうかを決定できます。