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Oracle WebCenter Framework チュートリアル
10g(10.1.3.2.0)

E05043-01
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9 WebCenterアプリケーションのデプロイ

このレッスンでは、チュートリアル・アプリケーションをWebCenter Preconfigured OC4Jにデプロイします。アプリケーションをデプロイするには、必要なすべてのファイルを標準的なJ2EE形式およびディレクトリ構造(WARファイルまたはEARファイル)でパッケージ化する必要があります。

WebCenterアプリケーションのパッケージ化およびデプロイメントの指示はすべて、デプロイメント・プロファイルを介して構成されています。デプロイメント・プロファイルとは、ページ、ポートレット、カスタマイズ、アプリケーションを構成するメタデータ、作成されるアーカイブ・ファイルのタイプと名前、依存性情報、プラットフォーム固有の手順などが指定された構成ファイルです。

WebCenterアプリケーション専用に、特殊なデプロイメント・プロファイル(WebCenterアプリケーション・デプロイメント・プロファイル)があります。このプロファイルによって、WebCenterアプリケーションに固有のコンテンツ(ポートレット、コンテンツ・リポジトリのデータ・コントロール、カスタマイズ可能コンポーネントなど)が処理されます。

スタンドアロンOC4JとOracle JDeveloperが同じコンピュータ上にあり、共通のネットワーク・ドライブにアクセスできる場合は、WebCenterアプリケーションをOracle JDeveloperから直接スタンドアロンOC4Jインスタンスにデプロイできます。このレッスンでは、1つの手順からなるデプロイメントについて詳しく学びます。また、Application Server Controlコンソールを介してWebCenterアプリケーションを管理する方法についても学びます。

概要

次の手順を実行することによって、チュートリアル・アプリケーションをデプロイします。

前提条件

WebCenterアプリケーションをデプロイする前に、次の手順を実行します。

  1. 次のことを確認します。

    • WebCenter Preconfigured OC4JとOracle JDeveloperの間に接続が存在している。

    • WebCenter Preconfigured OC4Jが稼働中である。

    詳細は、「手順2: 接続の設定」(第3章)を参照してください。

  2. チュートリアルのユーザーおよびロールをWebCenter Preconfigured OC4J(デプロイメント・ターゲット)に移行します。JAZN移行ツールをレルム・モードで実行して、ターゲットのOC4J上でユーザーおよびロールをマージします。

    1. JAZN移行ツールを実行する前に、JDEVHOME¥j2ee¥home¥jazn.jarおよびJDEVHOME¥BC4J¥lib¥adfshare.jarへの参照が含まれるようにクラスパスを更新します。

      たとえば、コマンド・プロンプトで次のように入力します。
      set CLASSPATH=JDEVHOME¥j2ee¥home¥jazn.jar;JDEVHOME¥BC4J¥lib¥adfshare.jar

      ここで、JDEVHOMEは、JDeveloperインストール(たとえば、C:¥myjdevなど)を指します。

    2. 次に、JDEVHOMEに移動し、コマンド・プロンプトを開きます。

    3. 次のように入力して、JAZN移行ツールを実行します。

      java oracle.security.jazn.tools.JAZNMigrationTool -sr jazn.com -dr jazn.com -st xml -dt xml -sf WEBCENTERSAMPLE¥TutorialContent¥system-jazn-data.xml -df JDEVHOME¥jdev¥extensions¥oracle.adfp.seededoc4j.10.1.3.2.0¥j2ee¥home¥config¥system-jazn-data.xml -m realm

      ここで、WEBCENTERSAMPLEは、サンプル・チュートリアル・ファイルをインストールした場所(たとえば、C:など)を指し、JDEVHOMEはJDeveloperインストール(たとえば、C:¥myjdevなど)を指します。図9-1を参照してください。

      図9-1    JAZN移行ツールの実行


      画像の説明

    これで、Preconfigured OC4Jのsystem-jazn-data.xmlファイルには、アプリケーションで必要なユーザーおよびロールが含まれます。

今度は、アプリケーションをデプロイします。

手順1: WebCenterアプリケーション・デプロイメント・プロファイルの作成

この手順では、MyTutorialApplication.deployという名前のチュートリアル・アプリケーション用のデプロイメント・プロファイルを作成し、いくつかのデプロイメント・オプションを設定します。

  1. アプリケーション・ナビゲータで、「ViewController」を右クリックし、「新規」を選択します。

  2. 「General」カテゴリを開き、「Deployment Profiles」を選択します。

  3. 「WebCenterアプリケーションWAR」を選択し、「OK」をクリックします。

  4. デプロイメント・プロファイルの名前を入力します(図9-2)。「ファイル名」にMyTutorialApplicationを入力します。

    図9-2    WebCenterアプリケーション・デプロイメント・プロファイルの作成


    画像の説明

  5. 「OK」をクリックします。

    「ViewController」「リソース」の下に、新しいデプロイメント・プロファイルが表示されます(図9-3)。

    図9-3    新しいデプロイメント・プロファイル - MyTutorialApplication.deploy


    画像の説明

  6. デプロイメント・プロファイルを構成するには、アプリケーション・ナビゲータで「MyTutorialApplication.deploy」を右クリックし、「プロパティ」を選択します。

  7. WARデプロイメント・プロファイルのプロパティ・ウィンドウ(図9-4)で、アプリケーションURLの適切なコンテキスト・ルートを入力します。「J2EE Webコンテキスト・ルートを指定」を選択し、MyTutorialApplicationを入力します。

    図9-4    WARデプロイメント・プロファイルのプロパティ


    画像の説明

  8. 左側のリストから「プラットフォーム」を選択し、「ターゲット接続」ドロップダウン・リストからMyLocalOC4Jという名前の接続を選択します(図9-5)。

    この接続は、第3章「最初のポートレットの構築およびテスト」で定義したものです。

    図9-5    WARデプロイメント・プロファイルのプロパティ - ターゲット接続


    画像の説明

    このページでは、他のデプロイメント・オプションを設定する必要はありません。アプリケーションに特別なライブラリが必要な場合は、ここでそのライブラリを選択します。

  9. 「OK」をクリックします。

  10. JDeveloperのツールバーで、「すべて保存」をクリックします。

開発中、1つの手順でJDeveloperからスタンドアロンOC4Jに直接WebCenterアプリケーションをデプロイできます。次の手順で、この方法を示します。

Application Server Controlコンソールを使用して、WebCenterアプリケーションを本番環境にデプロイできます。このプロセスでは、WebCenterアプリケーションを汎用のEARまたはWARファイル内にパッケージ化します。その後、このファイルに対してデプロイ前ツールを実行して、WebCenterアプリケーションの外部依存性(たとえば、ポートレット・プロデューサのエンド・ポイントとMDSの場所など)を再マップします。デプロイ前ツールによって、ターゲットとなるEARファイルが、リモート・システムにデプロイできる状態で生成されます。さらに、セキュリティ、コンテンツ統合および外部アプリケーションに関連するいくつかのタスクを、デプロイメント・プロセスの一部として実行する必要があることがあります。

WebCenterアプリケーション・デプロイメントの詳細は、『Oracle WebCenter Framework開発者ガイド』を参照してください。

手順2: Preconfigured OC4Jへの直接のデプロイ

この手順では、前に定義した接続詳細を使用して、チュートリアル・アプリケーションを直接Preconfigured OC4Jにデプロイします。これから、それを行います。

  1. 「MyTutorialApplication.deploy」を右クリックし、「MyLocalOC4Jに配布」を選択します。

    ダイアログで、ファイル・システム内にMDSリポジトリの適切な場所を定義するように要求されます(図9-6)。

  2. 「MDSパス」にC:¥TutorialContent¥mdsを入力します。

    必要に応じて、ローカル・ファイル・システム上の別の場所を選択することもできます。指定したディレクトリが存在しない場合は、JDeveloperによって自動的にそのディレクトリが作成されます。


    注意

    デプロイメント用のMDSリポジトリは、アプリケーションの作業ディレクトリ(この場合はJDEVHOME¥jdev¥mywork¥MySample)内に作成しないでください。開発用とデプロイメント用に別々のMDSディレクトリを保持すれば、混同を避け、アプリケーションのソースMDSリポジトリ内のコンテンツが上書きされることも避けられます。 


    図9-6    ターゲットのMDSパス


    画像の説明

  3. 「OK」をクリックします。

  4. アプリケーションの構成ウィンドウ(図9-7)が表示されるのを待ってから、「OK」をクリックします。

    図9-7    アプリケーションの構成ウィンドウ


    画像の説明

    WARファイルおよびEARファイルが生成されて、Preconfigured OC4Jにデプロイされます。EARファイルには、WARファイルおよび多数の構成ファイル(.xml)が含まれます。WARファイルには、アプリケーションによって使用されるすべてのファイルとライブラリが含まれます。

デプロイメントの終了時に、「デプロイ - ログ」ウィンドウに「デプロイが終了」と表示されます。このメッセージが表示されたら、デプロイ済アプリケーションにアクセスできるようになりますが、ログインはできません。まださらに、(app-jazn-data.xmlに格納されている)アプリケーションのセキュリティ・ポリシーをPreconfigured OC4Jのsystem-jazn-data.xmlファイルに移行する必要があります。これから、それを行います。

手順3: セキュリティ・ポリシーの移行

この手順では、JAZN移行ツールを使用して、(app-jazn-data.xmlに格納されている)アプリケーションのセキュリティ・ポリシーをPreconfigured OC4Jのsystem-jazn-data.xmlファイルに移行します。


注意

JAZN移行ツールの詳細は、『Oracle WebCenter Framework開発者ガイド』を参照してください。 


このチュートリアルでは、これらのXMLファイルの場所は次のとおりです。

ソースのapp-jazn-data.xml JDEVHOME¥jdev¥extensions¥oracle.adfp.seededoc4j.10.1.3.2.0¥j2ee¥home¥applications¥MyTutorialApplication¥adf¥META-INF¥app-jazn-data.xml

移行先のsystem-jazn-data.xml JDEVHOME¥jdev¥extensions¥oracle.adfp.seededoc4j.10.1.3.2.0¥j2ee¥home¥config¥system-jazn-data.xml

次の手順を実行します。

  1. JAZN移行ツールを実行する前に、次の.JARファイルへの参照が含まれるようにクラスパスを更新します。

    • JDEVHOME¥j2ee¥home¥jazn.jar

    • JDEVHOME¥BC4J¥lib¥adfshare.jar

    たとえば、コマンド・プロンプトで次のように入力します。
    set CLASSPATH=JDEVHOME¥j2ee¥home¥jazn.jar;JDEVHOME¥BC4J¥lib¥adfshare.jar

    ここで、JDEVHOMEは、JDeveloperインストール(たとえば、C:¥myjdevなど)を指します。

  2. 次に、JDEVHOMEに移動し、コマンド・プロンプトを開きます。

  3. 次のように入力して、JAZN移行ツールを実行します。

    java oracle.security.jazn.tools.JAZNMigrationTool -sr jazn.com -dr jazn.com -st xml -dt xml -sf JDEVHOME¥jdev¥extensions¥oracle.adfp.seededoc4j.10.1.3.2.0¥j2ee¥home¥applications¥MyTutorialApplication¥adf¥META-INF¥app-jazn-data.xml -df JDEVHOME¥jdev¥extensions¥oracle.adfp.seededoc4j.10.1.3.2.0¥j2ee¥home¥config¥system-jazn-data.xml -m policy

    ここで、JDEVHOMEは、JDeveloperインストール(たとえば、C:¥myjdevなど)を指します。例は、図9-8を参照してください。

    図9-8    JAZN移行ツールの実行


    画像の説明

    これで、Preconfigured OC4Jのsystem-jazn-data.xml ファイルにはアプリケーションのセキュリティ情報が含まれます。この情報を使用可能にするには、WebCenter Preconfigured OC4Jを再起動する必要があります。

  4. JDeveloperからWebCenter Preconfigured OC4Jを再起動するには、次のようにします。

    1. JDeveloperツールバーの一番右にある「WebCenter Preconfigured OC4Jの停止」をクリックします。

    2. 「WebCenter Preconfigured OC4Jの起動」アイコンをクリックします。

    OC4Jインスタンスが初期化されたことを示すメッセージを待ちます。

今度は、デプロイ済アプリケーションのページの1つを表示してみます。

手順4: デプロイ済アプリケーションの実行

  1. ブラウザ・ウィンドウを開き、チュートリアルのようこそページにナビゲートします。デプロイメント・プロファイル(MyTutorialApplication)内に定義されているコンテキスト・ルートを使用するURLを入力し、続いて/faces/、ページ名の順に入力する必要があります。必要なURL書式は次のとおりです。

    http://<host>:<port>/<context-root>/faces/<page-name>

    次に例を示します。

    http://localhost:6688/MyTutorialApplication/faces/Welcome.jspx

    このチュートリアルでは、URL内にlocalhostを使用すると、Preconfigured OC4Jがインストールされているローカル・コンピュータを参照できることを前提としています。(そうでない場合は、localhostをご使用のコンピュータのIPアドレスに置き換えてください。)

  2. ユーザーHarveyとしてログインし、パスワードwelcomeを入力します。

  3. 各ページ・ナビゲーション・ボタンをクリックして、アプリケーションが予測どおりに動作することを確認します。

おめでとうございます。これで、最初のWebCenterアプリケーションのデプロイが完了しました。


注意

WebCenter Preconfigured OC4Jは、このチュートリアルのようなテスト・デプロイメントにのみ適しています。通常は、ポートレット・プロデューサに使用しているのと同じOC4JインスタンスにWebCenterアプリケーションをデプロイします。OC4JをOracle Application ServerまたはスタンドアロンのOC4Jインスタンスにデプロイする方法は、『Oracle WebCenter Framework開発者ガイド』を参照してください。 


手順5: Application Server Controlコンソールを使用したWebCenterアプリケーションの管理

この手順では、Oracle Enterprise Manager 10g Application Server Controlコンソールを使用してWebCenterアプリケーションをデプロイ、再デプロイおよびアンデプロイする方法を学びます。また、コンソールからポートレット・パフォーマンスを監視する方法についても学びます。

  1. Preconfigured OC4J用のApplication Server Controlコンソールにアクセスするには、次のURLにナビゲートします。

    http://<host>:<port>/em

    たとえば、http://localhost:6688/emにナビゲートします。

    このチュートリアルでは、URL内にlocalhostを使用すると、Preconfigured OC4Jがインストールされているローカル・コンピュータを参照できることを前提としています。(そうでない場合は、localhostをご使用のコンピュータのIPアドレスに置き換えてください。)

    詳細は、JDeveloperのメイン・メニューから、「ヘルプ」「WebCenter Preconfigured OC4J README」の順に選択します。

  2. ユーザーoc4jadminとしてログインします。

  3. デフォルト・パスワードwelcomeを入力します。

    Preconfigured OC4Jのホームページが表示されます。

  4. 「アプリケーション」タブを選択し、アプリケーション名を選択します。アプリケーション名は、.EARファイル名から導出されます。このチュートリアルでは、.EARファイルは、デプロイメント・プロファイル(MyTutorialApplication)に基づいて名前が付けられています。

  5. 「MyTutorialApplication」をクリックすると、図9-9に示すようなアプリケーションのホームページが表示されます。

    図9-9    Enterprise ManagerでのWebCenterアプリケーションのホームページ


    画像の説明

    このページから、ボタンを使用してアプリケーションを再デプロイおよびアンデプロイできます。また、アプリケーションの停止および再起動もこのページから実行できます。

    「関連リンク」の下に、「プロデューサおよびポートレット」リンクが表示されています。ここから使用可能な情報は、WebCenterアプリケーションに固有のものであり、プロデューサおよびポートレットのメトリックが使用可能な場合にのみ表示されます。統計情報は、ポートレットを含むページが初めてアクセスされたときに使用可能になります。「手順4: デプロイ済アプリケーションの実行」のときに、ポートレットを含むページが表示されなかった場合は、ここで表示し(MyPageまたはMyWeatherを開く)、Application Server Controlコンソールをリフレッシュします。

  6. 「プロデューサおよびポートレット」をクリックして、チュートリアル・アプリケーションに使用可能なメトリックを参照します。

    図9-10に示すような)「ポートレット・プロデューサ」ページが表示されます。このページから、WebCenterアプリケーションで使用されるプロデューサおよびポートレットのステータスとパフォーマンスを監視できます。

    図9-10    Enterprise Managerでのポートレット・プロデューサ画面


    画像の説明

Application Server ControlコンソールからWebCenterアプリケーションをデプロイ、構成および監視する方法の詳細は、『Oracle WebCenter Framework開発者ガイド』を参照してください。

まとめ

このチュートリアルでは、簡単なセキュアWebCenterアプリケーションを構築しました。また、このアプリケーションをテストしてデプロイし、Application Server Controlコンソールを使用してポートレット・プロデューサを監視しました。

Oracle JDeveloperおよびOracle WebCenter Frameworkの機能についての知識が深まったので、これで独自のアプリケーションの構築を開始できます。詳細は、『Oracle WebCenter Framework開発者ガイド』を参照してください。


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