Sun Cluster 3.0 ソフトウェアのインストール

クラスタソフトウェアパッケージのアップグレードを完了する

次の手順で、「クラスタソフトウェアパッケージをアップグレードする」で開始した scinstall(1M) によるアップグレードプロセスを完了します。クラスタの各ノードで次の手順を実行します。

  1. クラスタの各ノードのスーパーユーザーになります。

  2. 定足数デバイスにする共有ディスクを選択します。

    両方のノードで共有されている任意のディスクを定足数デバイスとして使用できます。どちらかのノードから scdidadm(1M) コマンドを実行し、共有ディスクのデバイス ID (DID) 名を確認します。このデバイス名は、手順 5 で、scinstall のオプション -q globaldev=devicename で指定します。


    # scdidadm -L
    
  3. ボリューム管理ソフトウェアが VxVM の場合は、クラスタの各ノードに VxVM ソフトウェアを再インストールします。


    注 -

    再起動が必要なときは、必ずクラスタの 2 つ目のノードを停止してから最初のノード (スポンサーノード) を再起動してください。最初のノードを再起動した後で 2 つ目のノードを起動します。2 つ目のノードを稼動させたままで最初のノードを再起動すると、定足数 (quorum) の確立に使用される票 (quorum vote) がまだ割り当てられていないため、2 つ目のノードがパニック状態になります。


    1. VxVM ソフトウェアと該当するパッチをインストールします。

      「VERITAS Volume Manager ソフトウェアをインストールする」の手順に従ってください。

    2. VxVM を構成します。

      「Sun Cluster 構成用の VxVM の構成」に示されている手順に従ってください。

  4. ノードの CD-ROM ドライブに Sun Cluster 3.0 データサービス CD-ROM を挿入します。

    この手順では、ボリュームデーモン vold(1M) が実行されており、CD-ROM デバイスを管理するように構成されていることを想定しています。

  5. そのノードでのクラスタソフトウェアのアップグレードを完了します。


    # scinstall -u finish -q globaldev=devicename ¥
    -d /cdrom/scdataservices_3_0 -s srvc[,srvc]
    -q globaldev=devicename

    定足数デバイス名を指定します。

    -d /cdrom/scdata_services_3_0

    CD-ROM イメージのディレクトリの場所を指定します。

    -s srvc

    構成するデータサービス名を指定します。


    注 -

    次のようなエラーメッセージが表示されることがありますが、無視してください。



    ** Installing Sun Cluster - Highly Available NFS Server **
    Skipping "SUNWscnfs" - already installed
  6. CD-ROM を取り出します。

  7. もう一方のノードに対して、手順 4手順 6 を繰り返します。

    両方のノードで作業が完了すると、クラスタがインストールモードから解除され、定足数 (quorum) の確立に使用されるすべての票 (quorum vote) が割り当てられます。

  8. ボリューム管理ソフトウェアが Solstice DiskSuite の場合は、いずれかのノードから、すでに存在しているデバイスグループをオンラインにします。


    # scswitch -z -D disk-device-group -h node
    
    -z

    スイッチを実行します。

    -D disk-device-group

    ディスクデバイスグループの名前を指定します。これは、Solstice DiskSuite ソフトウェアのディスクセット名と同じです。

    -h node

    ディスクデバイスグループの主ノードとして動作するクラスタノード名を指定します。

  9. いずれかのノードから、すでに存在しているデータサービスリソースグループをオンラインにします。

    この時点で、Sun Cluster 2.2 論理ホストが Sun Cluster 3.0 リソースグループに変換され、論理ホスト名に接尾辞 -lh が追加されます。たとえば、lhost-1 という名前の論理ホストは、lhost-1-lh という名前のリソースグループにアップグレードされます。変換したこれらのリソースグループ名は、次のコマンドで使用します。


    # scswitch -z -g resource-group -h node
    
    -g resource-group

    オンラインにするリソースグループ名を指定します。

    scrgadm -p コマンドを使用し、クラスタ内のすべてのリソースタイプとリソースグループの一覧を表示できます。scrgadm -pv コマンドを使用すると、この一覧をより詳しく表示できます。

  10. Sun Management Center を使用して Sun Cluster 構成を監視する場合は、Sun Management Center 用の Sun Cluster モジュールをインストールします。

    1. 最新バージョンの Sun Management Center ソフトウェア (以前の名称は Sun Enterprise SyMON) を使用していることを確認します。

      インストールまたはアップグレード手順については、Sun Management Center のマニュアルを参照してください。

    2. 「Sun Management Center ソフトウェアのインストール条件」のガイドラインと手順に従って、Sun Cluster モジュールパッケージをインストールします。

例 - Sun Cluster 2.2 から Sun Cluster 3.0 へのアップグレード - 完了処理

次の例に、Sun Cluster 2.2 から Sun Cluster 3.0 にアップグレードした 2 ノードクラスタの完了処理を示します。クラスタノード名は phys-schost-1phys-schost-2、デバイスグループ名は dg-schost-1dg-schost-2、データサービスリソースグループ名は lh-schost-1lh-schost-2 です。


(共有定足数デバイスの DID を指定する)
phys-schost-1# scdidadm -L
 
(各ノードのアップグレードを完了する)
phys-schost-1# scinstall -u finish -q globaldev=d1 ¥
-d /cdrom/suncluster_3_0 -s nfs
phys-schost-2# scinstall -u finish -q globaldev=d1 ¥ 
-d /cdrom/suncluster_3_0 -s nfs
 
(各ノードでデバイスグループとデータサービスリソースグループをオンラインにする)
phys-schost-1# scswitch -z -D dg-schost-1 -h phys-schost-1
phys-schost-1# scswitch -z -g lh-schost-1 -h phys-schost-1
phys-schost-1# scswitch -z -D dg-schost-2 -h phys-schost-2
phys-schost-1# scswitch -z -g lh-schost-2 -h phys-schost-2

次の作業

「クラスタメンバーシップを確認する」に進み、すべてのノードがクラスタに結合していることを確認します。