この章では、クラスタ内のリソース、リソースグループ、リソースタイプの管理に使用する手順について説明します。Sun Management Center GUI によって実行できる手順には、そのことを示しています。
この章の内容は次のとおりです。
リソースタイプ、リソースグループ、リソースの概念については、第 1 章「Sun Cluster データサービスの計画」と『Sun Cluster 3.0 の概念』を参照してください。
表 9-1 に、データサービスリソースの管理作業を説明している節を示します。
表 9-1 作業マップ: データサービスの管理
作業 |
参照箇所 |
---|---|
リソースタイプの登録 | |
フェイルオーバーリソースグループとスケーラブルリソースグループの作成 |
|
論理ホスト名または共有アドレス、データサービスリソースをリソースグループに追加する |
「フェイルオーバーアプリケーションリソースをリソースグループに追加する」
|
リソースとリソースモニターを有効にし、リソースグループを管理し、リソースグループおよび関連するリソースをオンラインにする | |
クラスタからリソースタイプを削除する | |
クラスタからリソースグループを削除する | |
リソースグループからリソースを削除する | |
リソースグループの主ノードを切り替える | |
リソースを無効にし、そのリソースグループを非管理状態に移行する | |
リソースタイプ、リソースグループ、リソース構成情報を表示する | |
リソースタイプ、リソースグループ、リソースプロパティの変更 | |
失敗した Resource Group Manager (RGM) プロセスのエラーフラグの消去 | |
組み込みリソースタイプ LogicalHostname および SharedAddress の再登録 | |
ネットワークリソースのネットワークインタフェースリストの更新と、リソースグループのノードリストの更新 | |
リソースグループからノードを削除する | |
リソースグループに SUNW.HAStorage を設定し、これらのリソースグループとディスクデバイスグループ間で起動を同期させる |
Sun Cluster の構成は、複数の手順から成る単一の作業です。これらの手順によって、リソースタイプの登録、リソースグループの作成、リソースグループへのリソースの追加、およびリソースをオンラインにすることができます。
Sun Cluster データサービスの初期構成を行うには、Sun Management Center GUI またはコマンド行インタフェースを使用します。GUI を使用してデータサービスを構成する方法については、『Sun Cluster 3.0 のシステム管理』を参照してください。コマンド行インタフェースについては、このマニュアルの各データサービスのインストールと構成についての章を参照してください。
初期構成の後でデータサービス構成を更新するには、この章で説明する手順を使用するか、Sun Management Center GUI を使用してください。
リソースタイプは、指定されたタイプのすべてのリソースに適用される共通のプロパティとコールバックメソッドの仕様を提供します。リソースタイプは、そのタイプのリソースを作成する前に登録する必要があります。リソースタイプについては、第 1 章「Sun Cluster データサービスの計画」を参照してください。
この手順を実行するには、登録するリソースタイプに、データサービス名の略語で名前を付ける必要があります。名前は、データサービスのライセンス証書に示される名前に対応付けます。名前とライセンス証書名との対応については、『Sun Cluster 3.0 ご使用にあたって』を参照してください。
この手順は、任意のクラスタノードから実行します。
詳細は、scrgadm(1M) のマニュアルページを参照してください。
クラスタ内のノードでスーパーユーザーになります。
リソースタイプを登録します。
# scrgadm -a -t resource-type-name |
指定したリソースタイプを追加します。
追加するリソースタイプの名前を指定します。内部名を決定するには、『Sun Cluster 3.0 ご使用にあたって』を参照してください。
登録されたリソースタイプを確認します。
# scrgadm -pv -t resource-type-name |
次に、Sun Cluster HA for iPlanet Web Server (内部名 iws) を登録する例を示します。
# scrgadm -a -t SUNW.iws # scrgadm -pv -t SUNW.iws Res Type name: SUNW.iws (SUNW.iws) Res Type description: None registered (SUNW.iws) Res Type base directory: /opt/SUNWschtt/bin (SUNW.iws) Res Type single instance: False (SUNW.iws) Res Type init nodes: All potential masters (SUNW.iws) Res Type failover: False (SUNW.iws) Res Type version: 1.0 (SUNW.iws) Res Type API version: 2 (SUNW.iws) Res Type installed on nodes: All (SUNW.iws) Res Type packages: SUNWschtt |
リソースタイプを登録した後、リソースグループを作成し、リソースをそのリソースグループに追加できます。詳細は、「リソースグループの作成」を参照してください。
リソースグループには、一連のリソースが含まれており、これらすべてのリソースは指定のノードまたはノード群で共にオンラインまたはオフラインになります。リソースを配置する前に、空のリソースグループを作成します。
リソースグループには、ファイルオーバーとスケーラブルの 2 つの種類があります。フェイルオーバーリソースグループの場合、同時にオンラインにできるのは 1 つのノードでのみです。一方、スケーラブルリソースグループの場合は、同時に複数のノードでオンラインにできます。
リソースグループは、Sun Management Center GUI または以下の手順で説明するコマンド行を使用して作成できます。リソースグループの概念については、第 1 章「Sun Cluster データサービスの計画」と『Sun Cluster 3.0 の概念』を参照してください。
フェイルオーバーリソースグループは、ネットワークアドレス (組み込みリソースタイプの LogicalHostname や SharedAddress など) と、フェイルオーバーリソース (フェイルオーバーデータサービスのためのデータサービスアプリケーションリソースなど) を含みます。ネットワークリソースは、データサービスがフェイルオーバーまたはスイッチオーバーする場合に、依存するデータサービスリソースと共に、クラスタノード間を移動します。
詳細は、scrgadm(1M) のマニュアルページを参照してください。
この手順は、任意のクラスタノードから実行します。
クラスタ内のノードでスーパーユーザーになります。
フェイルオーバーリソースグループを作成します。
# scrgadm -a -g resource-group-name [-h nodelist] |
指定したリソースグループを追加します。
追加するフェイルオーバーリソースグループの名前を指定します。任意の名前の先頭文字は ASCII にする必要があります。
このリソースグループをマスターできるノードの順位リストを指定します (省略可能)。このリストを指定しない場合は、デフォルトでクラスタ内のすべてのノードになります。
リソースグループが作成されていることを確認します。
# scrgadm -pv -g resource-group-name |
次に、 2 つのノード (phys-schost-1、phys-schost-2) でマスターできるフェイルオーバーリソースグループ (lh-rg-1) を追加する例を示します。
# scrgadm -a -g lh-rg-1 -h phys-schost1,phys-schost-2 # scrgadm -pv -g lh-rg-1 Res Group name: lh-rg-1 (lh-rg-1) Res Group RG_description: <NULL> (lh-rg-1) Res Group management state: Unmanaged (lh-rg-1) Res Group Failback: False (lh-rg-1) Res Group Nodelist: phys-schost-1 phys-schost-2 (lh-rg-1) Res Group Maximum_primaries: 1 (lh-rg-1) Res Group Desired_primaries: 1 (lh-rg-1) Res Group RG_dependencies: <NULL> (lh-rg-1) Res Group mode: Failover (lh-rg-1) Res Group network dependencies: True (lh-rg-1) Res Group Global_resources_used: All (lh-rg-1) Res Group Pathprefix: |
フェイルオーバーリソースグループを作成した後、そのリソースグループにアプリケーションリソースを追加できます。「リソースグループへのリソースの追加」を参照してください。
スケーラブルリソースグループは、スケーラブルサービスと共に使用されます。共有アドレス機能は、スケーラブルサービスの多数のインスタンスを 1 つのサービスとして扱える Sun Cluster のネットワーキング機能です。まず、スケーラブルリソースが依存する共有アドレスを含むフェイルオーバーリソースグループを作成しなければなりません。次にスケーラブルリソースグループを作成し、そのグループにスケーラブルリソースを追加します。
詳細は、scrgadm(1M) のマニュアルページを参照してください。
この手順は、任意のクラスタノードから実行します。
クラスタ内のノードでスーパーユーザーになります。
スケーラブルリソースが使用する共有アドレスを保持するフェイルオーバーリソースグループを作成します。
スケーラブルリソースグループを作成します。
# scrgadm -a -g ss-resource-group ¥ -y Maximum_primaries=m ¥ -y Desired_primaries=m ¥ -y RG_dependencies=depend-resource-group ¥ [-h nodelist] |
スケーラブルリソースグループを追加します。
追加するスケーラブルリソースグループの名前を指定します。
このリソースグループのアクティブな主ノードの最大数を指定します。
リソースグループが起動するアクティブな主ノードの数を指定します。
作成されたリソースグループが依存する共有アドレスリソースを含むリソースグループを指定します。
リソースグループを利用できるノードのリストを指定します (省略可能)。このリストを指定しない場合は、デフォルトですべてのノードになります。
スケーラブルリソースグループが作成されていることを確認します。
# scrgadm -pv -g resource-group-name |
次に、2 つのノード (phys-schost-1、phys-schost-2) でホストされるスケーラブルリソースグループ (ss-rg-1) を追加する例を示します。スケーラブルリソースグループは、共有アドレスを含むフェイルオーバーリソースグループ (fo-rg-1) に依存します。
# scrgadm -a -g ss-rg-1 ¥ -y Maximum_primaries=2 ¥ -y Desired_primaries=2 ¥ -y RG_dependencies=fo-rg-1 ¥ -h phys-schost-1,phys-schost-2 # scrgadm -pv -g ss-rg-1 Res Group name: ss-rg-1 (ss-rg-1) Res Group RG_description: <NULL> (ss-rg-1) Res Group management state: Unmanaged (ss-rg-1) Res Group Failback: False (ss-rg-1) Res Group Nodelist: phys-schost-1 phys-schost-2 (ss-rg-1) Res Group Maximum_primaries: 2 (ss-rg-1) Res Group Desired_primaries: 2 (ss-rg-1) Res Group RG_dependencies: fo-rg-1 (ss-rg-1) Res Group mode: Scalable (ss-rg-1) Res Group network dependencies: True (ss-rg-1) Res Group Global_resources_used: All (ss-rg-1) Res Group Pathprefix: |
スケーラブルリソースグループを作成した後、そのリソースグループにスケーラブルアプリケーションリソースを追加できます。詳細は、「スケーラブルアプリケーションリソースをリソースグループに追加する」を参照してください。
リソースは、リソースタイプをインスタンス化したものです。リソースは、RGM によって管理される前に、リソースグループに追加する必要があります。この節では、3 種類のリソース (論理ホスト名リソース、共有アドレスリソース、データサービス (アプリケーション) リソース) について説明します。
論理ホスト名リソースと共有アドレスリソースは、常に、フェイルオーバーリソースグループに追加されます。フェイルオーバーデータサービス用のデータサービスリソースは、フェイルオーバーリソースグループに追加されます。フェイルオーバーリソースグループは、そのデータサービス用の論理ホスト名リソースとアプリケーションリソースの両方を含みます。スケーラブルリソースグループの場合は、スケーラブルサービス用のアプリケーションリソースだけを含みます。スケーラブルサービスが依存する共有アドレスは、別のフェイルオーバーリソースグループに存在する必要があります。データサービスをクラスタノード全体に渡って提供するには、スケーラブルアプリケーションリソースと共有アドレスリソース間の依存性を指定する必要があります。
リソースは、Sun Management Center GUI またはこの節で説明するコマンド行を使用し、リソースグループに追加できます。
リソースについての詳細は、第 1 章「Sun Cluster データサービスの計画」および『Sun Cluster 3.0 の概念』を参照してください。
リソースを追加するフェイルオーバーリソースグループの名前。
リソースグループに追加するホスト名。
詳細は、scrgadm(1M) のマニュアルページを参照してください。
この手順は、任意のクラスタノードで実行します。
クラスタ内のノードでスーパーユーザーになります。
論理ホスト名リソースをリソースグループに追加します。
# scrgadm -a -L [-j]resource-name -g resource-group-name -l hostname ¥ [-n netiflist] |
論理ホスト名リソースを追加します。
論理ホスト名リソースの形式を指定します。
リソース名を指定します (省略可能)。このオプションを指定しない場合は、デフォルトで -l オプションで最初に指定したホスト名になります。
リソースを配置するリソースグループの名前を指定します。
クライアントがリソースグループでサービスと通信する UNIX ホスト名 (論理ホスト名) をコマンドで区切って指定します。
各ノードの NAFO グループをコンマで区切って指定します (省略可能)。リソースグループの nodelist 内のすべてのノードが netiflist に登録されている必要があります。netiflist を指定する構文については、scrgadm(1M) のマニュアルページを参照してください。このオプションを指定しない場合は、scrgadm は、nodelist 内の各ノードの hostname リストによって識別されるサブネットからネットアダプタを見つけようとします。
論理ホスト名リソースが追加されていることを確認します。
# scrgadm -pv -j resource-name |
リソースを追加すると、Sun Cluster ソフトウェアはそのリソースの妥当性を検査します。妥当性が確認されると、そのリソースは有効化され、リソースグループは RGM の管理下に置かれます。妥当性の検査に失敗すると、scrgadm はその結果に関するエラーメッセージを生成して終了します。この場合、エラーメッセージについて各ノード上の syslog を調べてください。メッセージは、妥当性の検査を実施したノードで表示されます。必ずしも scrgadm コマンドを実行したノードで表示されるわけではありません。
次に、論理ホスト名リソース (lh-r-1) をリソースグループ (lh-rg-1) に追加する例を示します。
# scrgadm -a -L -j lh-r-1 -g lh-rg-1 -l schost-1 # scrgadm -pv -j lh-r-1 RG Name: lh-rg-1 (lh-rg-1) Res name: lh-r-1 (lh-rg-1:lh-r-1) Res R_description: (lh-rg-1:lh-r-1) Res resource type: SUNW.LogicalHostname (lh-rg-1:lh-r-1) Res resource group name: lh-rg-1 (lh-rg-1:lh-r-1) Res enabled: False (lh-rg-1:lh-r-1) Res monitor enabled: True |
論理ホスト名リソースを追加した後、「リソースグループをオンラインにする」の手順に従って、このリソースをオンラインにします。
リソースを追加するリソースグループの名前。このグループは、前の手順で作成したフェイルオーバーリソースグループでなければなりません。
リソースグループに追加するホスト名。
詳細は、scrgadm(1M) のマニュアルページを参照してください。
この手順は、任意のクラスタノードから実行します。
クラスタ内のノードでスーパーユーザーになります。
共有アドレスリソースをリソースグループに追加します。
# scrgadm -a -S [-j resource-name] -g resource-group-name -l hostname, ... ¥ [-X auxnode-list] [-n netiflist] |
共有アドレスリソースを追加します。
共有アドレスリソースの形式を指定します。
リソース名を指定します (省略可能)。このオプションを指定しない場合は、デフォルトで -l オプションで最初に指定したホスト名になります。
リソースグループの名前を指定します。
共有アドレスホスト名をコンマで区切って指定します。
共有アドレスをホストできるクラスタノード (ただし、フェイルオーバー時に主ノードとして使用されない) を識別する物理ノード名または ID をコンマで区切って指定します。このオプションを指定した場合は、これらのノードは、リソースグループの nodelist で潜在的マスターとして指定されるノードと相互に排他的になります。
各ノードの NAFO グループをコンマで区切って指定します (省略可能)。リソースグループの nodelist 内のすべてのノードが、network-interface-list に含まれている必要があります。netiflist を指定する構文については、scrgadm(1M) のマニュアルページを参照してください。このオプションを指定しない場合は、scrgadm は、nodelist 内の各ノードの hostname リストによって識別されるサブネット上からネットアダプタを見つけようとします。
共有アドレスリソースが追加され、妥当性が検査されていることを確認します。
# scrgadm -pv -j resource-name |
リソースを追加すると、Sun Cluster ソフトウェアはそのリソースの妥当性を検査します。妥当性が確認されると、そのリソースは有効化され、リソースグループは RGM の管理下に置かれます。妥当性の検査に失敗すると、scrgadm はその結果に関するエラーメッセージを生成して終了します。この場合、エラーメッセージについて各ノード上の syslog を調べてください。メッセージは、妥当性の検査を実施したノードで表示されます。必ずしも scrgadm コマンドを実行したノードで表示されるわけではありません。
次に、共有アドレスリソース (sa-r-1) をリソースグループ (sa-rg-1) に追加する例を示します。
# scrgadm -a -S -j sa-r-1 -g sa-rg-1 -l schost-1 # scrgadm -pv -j sa-r-1 (sa-rg-1) Res name: sa-r-1 (sa-rg-1:sa-r-1) Res R_description: (sa-rg-1:sa-r-1) Res resource type: SUNW.SharedAddress (sa-rg-1:sa-r-1) Res resource group name: sa-rg-1 (sa-rg-1:sa-r-1) Res enabled: False (sa-rg-1:sa-r-1) Res monitor enabled: True |
共有リソースを追加した後、「リソースグループをオンラインにする」の手順に従って共有リソースを有効にします。
フェイルオーバーアプリケーションリソースは、以前にフェイルオーバーリソースグループに作成した論理ホスト名を使用するアプリケーションリソースです。
リソースを追加するフェイルオーバーリソースグループの名前
リソースが属するリソースタイプの名前
アプリケーションリソースが使用する論理ホスト名リソース。これは、以前に同じリソースグループに含めた論理ホスト名になります。
詳細は、scrgadm(1M) のマニュアルページを参照してください。
この手順は、任意のクラスタノードから実行します。
クラスタ内のノードでスーパーユーザーになります。
フェイルオーバーアプリケーションリソースをリソースグループに追加します。
# scrgadm -a -j resource-name -g resource-group-name -t resource-type-name ¥ [-x Extension_property=value, ...] [-y Standard_property=value, ...] |
リソースを追加します。
追加するリソースの名前を指定します。
以前に作成したフェイルオーバーリソースグループの名前を指定します。
リソースが属するリソースタイプの名前を指定します。
特定のデータサービスに依存する拡張プロパティをコンマで区切って指定します。このオプションの指定が必要かどうかについては、各データサービスについて説明している章を参照してください。
特定のデータサービスに依存する標準プロパティをコンマで区切って指定します。このオプションの指定が必要かどうかについては、各データサービスについて説明している章と付録 A 「標準プロパティ」 を参照してください。
別のプロパティを設定することもできます。詳細は、付録 A 「標準プロパティ」 とこのマニュアルのフェイルオーバーデータサービスのインストールと構成に関する各章を参照してください。
フェイルオーバーアプリケーションリソースが追加され、妥当性が検査されていることを確認します。
# scrgadm -pv -j resource-name |
リソースを追加すると、Sun Cluster ソフトウェアはそのリソースの妥当性を検査します。妥当性が確認されると、そのリソースは有効化され、リソースグループは RGM の管理下に置かれます。妥当性の検査に失敗に失敗した場合は、エラーメッセージについて各ノード上の syslog を調べてください。メッセージは、妥当性の検査を実施したノードで表示されます。必ずしも scrgadm コマンドを実行したノードで表示されるわけではありません。
次に、リソース (fo-r-1) をリソースグループ (fo-rg-1) に追加する例を示します。リソースは、論理ホスト名リソース (schost-1、schost-2) に依存し、以前に定義したフェイルオーバーリソースグループと同じリソースグループに存在する必要があります。
# scrgadm -a -j fo-r-1 -g fo-rg-1 -t rt-1 ¥ -y Network_resources_used=schost-1,schost2 ¥ # scrgadm -pv -j fo-r-1 (fo-rg-1) Res name: fo-r-1 (fo-rg-1:fo-r-1) Res R_description: (fo-rg-1:fo-r-1) Res resource type: rt-1 (fo-rg-1:fo-r-1) Res resource group name: fo-rg-1 (fo-rg-1:fo-r-1) Res enabled: False (fo-rg-1:fo-r-1) Res monitor enabled: True |
フェイルオーバーアプリケーションリソースを追加した後、「リソースグループをオンラインにする」の手順に従って、フェイルオーバーアプリケーションリソースを有効にします。
スケーラブルアプリケーションリソースは、フェイルオーバーリソースグループに共有アドレスを使用するアプリケーションリソースです。
リソースを追加するスケーラブルリソースグループの名前
リソースが属するリソースタイプの名前
スケーラブルサービスリソースが使用する共有アドレスリソース。これは、以前にフェイルオーバーリソースグループに含めた共有アドレスになります。
詳細は、scrgadm(1M) のマニュアルページを参照してください。
この手順は、任意のクラスタノードから実行します。
クラスタ内のノードでスーパーユーザーになります。
スケーラブルアプリケーションリソースをリソースグループに追加します。
# scrgadm -a -j resource-name -g resource-group-name -t resource-type-name ¥ -y Network_resources_used=network-resource[,network-resource...] ¥ -y Scalable=True [-x Extension_property=value, ...] [-y Standard_property=value, ...] |
リソースを追加します。
追加するリソースの名前を指定します。
以前に作成したスケーラブルサービスリソースグループの名前を指定します。
このリソースが属するリソースタイプの名前を指定します。
このリソースが依存するネットワークリソース (共有アドレス) のリストを指定します。
このリソースがスケーラブルであることを指定します。
特定のデータサービスに依存する拡張プロパティをコンマで区切って指定します。このオプションの指定が必要かどうかについては、各データサービスについて説明している章を参照してください。
特定のデータサービスに依存する標準プロパティをコンマで区切って指定します。このオプションの指定が必要かどうかについては、各データサービスについて説明している章と付録 A 「標準プロパティ」 を参照してください。
別のプロパティを設定することもできます。構成可能な他のプロパティについては、付録 A 「標準プロパティ」 とこのマニュアルのスケーラブルデータサービスのインストールと構成に関する各章を参照してください。スケーラブルサービスの場合は、通常、Port_list、Load_balancing_weights、Load_balancing_policy プロパティを設定します (付録 A 「標準プロパティ」 を参照)。
スケーラブルアプリケーションリソースが追加され、妥当性が検査されていることを確認します。
# scrgadm -pv -j resource-name |
リソースを追加すると、Sun Cluster ソフトウェアはそのリソースの妥当性を検査します。妥当性が確認されると、そのリソースは有効化され、リソースグループは RGM の管理下に置かれます。妥当性の検査に失敗に失敗した場合は、エラーメッセージについて各ノード上の syslog を調べてください。メッセージは、妥当性の検査を実施したノードで表示されます。必ずしも scrgadm コマンドを実行したノードで表示されるわけではありません。
次に、リソース (ss-r-1) をリソースグループ (ss-rg-1) に追加する例を示します。ss-rg-1 は、使用されているネットワークアドレス (以下の例の schost-1 と schost-2) を含むフェイルオーバーリソースグループに依存することに注意してください。リソースは、共有アドレスリソース (schost-1 と schost-2) に依存し、以前に定義した 1 つまたは複数のフェイルオーバーリソースグループに存在する必要があります。
# scrgadm -a -j ss-r-1 -g ss-rg-1 -t rt-1 ¥ -y Network_resources_used=schost-1,schost-2 ¥ -y Scalable=True # scrgadm -pv -j ss-r-1 (ss-rg-1) Res name: ss-r-1 (ss-rg-1:ss-r-1) Res R_description: (ss-rg-1:ss-r-1) Res resource type: rt-1 (ss-rg-1:ss-r-1) Res resource group name: ss-rg-1 (ss-rg-1:ss-r-1) Res enabled: False (ss-rg-1:ss-r-1) Res monitor enabled: True |
スケーラブルアプリケーションリソースを追加した後、「リソースグループをオンラインにする」の手順に従って、スケーラブルアプリケーションリソースを有効にします。
リソースが HA サービスの提供を開始できるようにするには、リソースグループのリソースおよびリソースモニターを有効にし、リソースグループを管理状態にし、リソースグループをオンラインにする必要があります。これらの作業は各々実行できますが、次に示すように 1 つの手順で実行することもできます。詳細は、scswitch(1M) のマニュアルページを参照してください。
この手順は、任意のクラスタノードから実行します。
クラスタ内のノードでスーパーユーザーになります。
リソースを有効にし、リソースグループをオンラインにします。
リソースモニターを無効にしている場合は、これも有効になります。
# scswitch -Z -g resource-group-name |
最初にリソースグループとそのモニターを有効にし、リソースグループをオンラインにします。
オンラインにするリソースグループの名前を指定します。既存のリソースグループを指定する必要があります。
リソースがオンラインになっていることを確認します。
任意のクラスタで次のコマンドを実行し、Resource Group State のフィールドを調べ、ホストリストで指定したノードでリソースがオンラインになっていることを確認します。.
# scstat -g |
次に、リソースグループ rg-1 をオンラインにし、その状態を確認する例を示します。
# scswitch -Z -g rg-1 # scstat -g |
リソースグループがオンラインになれば、リソースグループが構成されて使用する準備が整ったことになります。リソースやノードで障害が発生した場合は、RGM は、自動的に別のノードでリソースグループをオンラインに切り替えることで、リソースグループの可用性を維持します。
使用されていないリソースタイプを削除する必要はありませんが、次の手順を使用して削除できます。
詳細は、scrgadm(1M) および scswitch(1M) のマニュアルページを参照してください。
この手順は、任意のクラスタノードから実行します。
リソースタイプを削除する前に、クラスタ内のすべてのリソースグループにある、そのタイプのリソースをすべて無効にし、削除する必要があります。scrgadm -pv コマンドを使用し、クラスタ内のリソースとリソースグループを確認します。
クラスタ内のノードでスーパーユーザーになります。
削除するリソースタイプの各リソースを無効にします。
# scswitch -n -j resource-name |
リソースを無効にします。
無効にするリソースの名前を指定します。
削除するリソースタイプの各リソースを削除します。
# scrgadm -r -j resource-name |
指定したリソースを削除します。
削除するリソースの名前を指定します。
リソースタイプを削除します。
# scrgadm -r -t resource-type-name |
指定したリソースタイプを削除します。
削除するリソースタイプの名前を指定します。
リソースタイプが削除されていることを確認します。
# scrgadm -p |
次に、リソースタイプのすべてのリソース (resource-type-1) を無効にして削除した後で、そのリソースタイプ自体を削除する例を示します。resource-1 は、リソースタイプ resource-type-1 のリソースです。
# scswitch -n -j resource-1 # scrgadm -r -j resource-1 # scrgadm -r -t resource-type-1 |
リソースグループを削除するには、最初にそのリソースグループからすべてのリソースを削除する必要があります。
この手順は、任意のクラスタノードから実行します。
詳細は、scrgadm(1M) および scswitch(1M) のマニュアルページを参照してください。
クラスタ内のノードでスーパーユーザーになります。
次のコマンドを実行し、リソースグループをオフラインにします。
# scswitch -F -g resource-group-name |
リソースグループをオフラインに切り替えます。
オフラインにするリソースグループの名前を指定します。
リソースグループに含まれているすべてのリソースを無効にします。
scrgadm -pv コマンドを使用し、リソースグループ内のリソースを表示できます。リソースグループ内の削除するすべてのリソースを無効にします。
# scswitch -n -j resource-name |
リソースを無効にします。
無効にするリソースの名前を指定します。
依存性のあるデータサービスリソースがリソースグループに存在する場合、そのリソースを無効にするには、依存するすべてのリソースを無効にする必要があります。
リソースグループからすべてのリソースを削除します。
リソースの削除
リソースグループの削除
# scrgadm -r -j resource-name # scrgadm -r -g resource-group-name |
指定したリソースやリソースグループを削除します。
削除するリソースの名前を指定します。
削除するリソースグループの名前を指定します。
リソースグループが削除されていることを確認します。
# scrgadm -p |
次に、リソースグループ (rg-1) のリソース (resource-1) を削除した後で、そのリソースグループ自体を削除する例を示します。
# scswitch -F -g rg-1 # scrgadm -r -j resource-1 # scrgadm -r -g rg-1 |
リソースグループからリソースを削除する前に、そのリソースを無効にします。
詳細は、scrgadm(1M) および scswitch(1M) のマニュアルページを参照してください。
この手順は、任意のクラスタノードから実行します。
クラスタ内のノードでスーパーユーザーになります。
削除するリソースを無効にします。
# scswitch -n -j resource-name |
リソースを無効にします。
無効にするリソースの名前を指定します。
リソースを削除します。
# scrgadm -r -j resource-name |
指定したリソースを削除します。
削除するリソースの名前を指定します。
リソースが削除されていることを確認します。
# scrgadm -p |
次に、リソース resource-1 を無効にして削除する例を示します。
# scswitch -n -j resource-1 # scrgadm -r -j resource-1 |
以下の手順を使用し、リソースグループの現在の主ノードを別のノードに切り替え (スイッチオーバー)、新しい主ノードにすることができます。詳細は、scrgadm(1M) および scswitch(1M) のマニュアルページを参照してください。
この手順は、任意のクラスタノードから実行します。
この手順を実行するには、次の情報が必要になります。
スイッチオーバーするリソースグループの名前
リソースグループをオンラインにする、またはオンラインを維持するノードの名前。スイッチオーバーを行うリソースグループの、潜在的マスターとして設定されているクラスタノードを指定する必要があります。リソースグループの潜在的主ノードの一覧を表示するには、scrgadm -pv コマンドを使用します。
クラスタ内のノードでスーパーユーザーになります。
主ノードを潜在的主ノードに切り替えます。
# scswitch -z -g resource-group-name -h nodelist |
指定したリソースグループをオンラインに切り替えます。
切り替えるリソースグループの名前を指定します。
リソースグループをオンラインにする、またはオンラインを維持するノードを指定します。このリソースグループは、このノード以外のすべてのノードでオフラインに切り替えられます。
リソースグループが新しい主ノードに切り替えられていることを確認します。
次のコマンドを実行し、スイッチオーバーされたリソースグループの状態に関する出力を調べます。
# scstat -g |
次に、リソースグループ (rg-1) を現在の主ノード (phys-schost-1) から、潜在的主ノード (phys-schost-2) へ切り替える例を示します。まず、リソースグループが phys-schost-1 でオンラインになっていることを確認し、その後切り替えを実行し、そのグループが phys-schost-2 でオンラインに切り替えられたことを確認します。
phys-schost-1# scstat -g ... Resource Group Name: rg-1 Status Node Name: phys-schost-1 Status: Online Node Name: phys-schost-2 Status: Offline ... phys-schost-1# scswitch -z -g rg-1 -h phys-schost-2 phys-schost-1# scstat -g ... Resource Group Name: rg-1 Status Node Name: phys-schost-2 Status: Online Node Name: phys-schost-1 Status: Offline ... |
リソースグループは、そのリソースグループに対して管理手順を実施する前に、非管理状態に移行する必要があります。リソースグループを非管理状態に移行する前に、リソースグループに含まれるすべてのリソースを無効にし、リソースグループをオフラインにする必要があります。
詳細は、scrgadm(1M) および scswitch(1M) のマニュアルページを参照してください。
この手順は、任意のクラスタノードから実行します。
この手順を実行するには、次の情報が必要になります。
無効にするリソースの名前
非管理状態に移行するリソースグループの名前
この手順に必要なリソースとリソースグループの名前を判断するには、scrgadm -pv コマンドを使用します。
クラスタ内のノードでスーパーユーザーになります。
リソースを無効にします。
この手順を、リソースグループ内のすべてのリソースに対して実行します。
# scswitch -n -j resource-name |
リソースを無効にします。
無効にするリソースの名前を指定します。
次のコマンドを実行し、リソースグループをオフラインにします。
# scswitch -F -g resource-group-name |
リソースグループをオフラインに切り替えます。
オフラインにするリソースグループの名前を指定します。
リソースグループを非管理状態にします。
# scswitch -u -g resource-group-name |
指定したリソースグループを非管理状態にします。
非管理状態にするリソースグループの名前を指定します。
リソースが無効になり、リソースグループが非管理状態になっていることを確認します。
# scrgadm -pv -g resource-group-name |
次に、リソース (r-1) を無効にし、リソースグループ (rg-1) を非管理状態に移行する例を示します。
# scswitch -n -j r-1 # scswitch -F -g rg-1 # scswitch -u -g rg-1 # scrgadm -pv -g rg-1 Res Group name: rg-1 (rg-1) Res Group RG_description: <NULL> (rg-1) Res Group management state: Unmanaged (rg-1) Res Group Failback: False (rg-1) Res Group Nodelist: phys-schost-1 phys-schost-2 (rg-1) Res Group Maximum_primaries: 2 (rg-1) Res Group Desired_primaries: 2 (rg-1) Res Group RG_dependencies: <NULL> (rg-1) Res Group mode: Failover (rg-1) Res Group network dependencies: True (rg-1) Res Group Global_resources_used: All (rg-1) Res Group Pathprefix: (rg-1) Res name: r-1 (rg-1:r-1) Res R_description: (rg-1:r-1) Res resource type: SUNW.apache (rg-1:r-1) Res resource group name: rg-1 (rg-1:r-1) Res enabled: True (rg-1:r-1) Res monitor enabled: False (rg-1:r-1) Res detached: False |
リソース、リソースグループ、リソースタイプで管理手順を実施する前に、この手順を使用し、これらのオブジェクトの現在の構成設定を表示します。
リソースタイプ、リソースグループ、リソース構成情報は、Sun Management Center GUI またはこの節で説明するコマンド行を使用して表示できます。
詳細は、scrgadm(1M) および scswitch(1M) のマニュアルページを参照してください。
この手順は、任意のクラスタノードから実行します。
scrgadm コマンドは、構成状態に関する次の 3 つのレベルの情報を表示します。
-p オプションを指定した場合は、リソースタイプ、リソースグループ、リソースのプロパティ値に関する最小限の情報が表示されます。
-pv オプションを指定した場合は、他のリソースタイプ、リソースグループ、リソースプロパティに関する詳細が表示されます。
-pvv オプションを指定した場合は、リソースタイプメソッド、拡張プロパティ、すべてのリソースとリソースグループのプロパティを含む、詳細情報が表示されます。
リソースタイプ、リソースグループ、リソースをそれぞれ表す -t、-g、-j オプションと、表示するオブジェクトの名前を指定することによって、特定のリソースタイプ、リソースグループ、リソースを表示できます。たとえば、次のコマンドは、リソース apache-1 のみについて、特定の情報を表示することを指定します。
# scrgadm -p[v[v]] -j apache-1 |
詳細は、scrgadm(1M) のマニュアルページを参照してください。
リソースグループとリソースは、変更可能な標準の構成プロパティを持っています。リソースは、拡張プロパティも持っており、一部の拡張プロパティはデータサービス開発者によってあらかじめ定義されているため、変更することができません。各データサービスの拡張プロパティの一覧については、このマニュアルのデータサービスに関する各章を参照してください。
リソースグループとリソースの標準の構成プロパティについては、scrgadm(1M) のマニュアルページを参照してください。
リソースグループとリソースプロパティは、Sun Management Center GUI またはこの節で説明するコマンド行を使用して変更できます。GUI を使用して変更できる一連のプロパティについては、Sun Management Center のオンラインヘルプを参照してください。
この手順を実行するには、次の情報が必要になります。
変更するリソースタイプの名前
変更するリソースタイププロパティの名前。リソースタイプの場合、変更できるのは 1 つのプロパティのみです。つまり、このリソースタイプをインスタンス化できるノードのリストのみです。
この手順は、任意のクラスタノードから実行します。
クラスタ内のノードでスーパーユーザーになります。
scrgadm コマンドを使用し、この手順に必要なリソースタイプの名前を判断します。
# scrgadm -pv |
リソースタイププロパティを変更します。
リソースタイプで変更できる唯一のプロパティは、Installed_node_list です。
# scrgadm -c -t resource-type-name -h installed-node-list |
指定したリソースタイププロパティを変更します。
リソースタイプの名前を指定します。
このリソースタイプがインストールされるノードの名前を指定します。
リソースタイププロパティが変更されていることを確認します。
# scrgadm -pv -t resource-type-name |
次に、SUNW.apache プロパティを変更し、このリソースタイプが 2 つのノード (phys-schost-1 および phys-schost-2) にインストールされるように定義する例を示します。
# scrgadm -c -t SUNW.apache -h phys-schost-1,phys-schost-2 # scrgadm -pv -t SUNW.apache Res Type name: SUNW.apache (SUNW.apache) Res Type description: Apache Resource Type (SUNW.apache) Res Type base directory: /opt/SUNWscapc/bin (SUNW.apache) Res Type single instance: False (SUNW.apache) Res Type init nodes: All potential masters (SUNW.apache) Res Type failover: False (SUNW.apache) Res Type version: 1.0 (SUNW.apache) Res Type API version: 2 (SUNW.apache) Res Type installed on nodes: phys-schost1 phys-schost-2 (SUNW.apache) Res Type packages: SUNWscapc |
この手順を実行するには、次の情報が必要になります。
変更するリソースグループの名前
変更するリソースグループプロパティの名前とその新しいプロパティ値
この手順では、リソースグループプロパティの変更方法について説明しています。リソースグループプロパティの一覧については、付録 A 「標準プロパティ」 を参照してください。
この手順は、任意のクラスタノードから実行します。
クラスタ内のノードでスーパーユーザーになります。
リソースグループプロパティを変更します。
# scrgadm -c -g resource-group-name -y property=new-value |
指定したプロパティを変更します。
リソースグループの名前を指定します。
変更するプロパティの名前を指定します。
リソースグループプロパティが変更されていることを確認します。
# scrgadm pv -g resource-group-name |
次に、リソースグループ (ss-rg-1) の Failback プロパティを変更する例を示します。
# scrgadm -c -g ss-rg-1 -y Failback=True # scrgadm -pv -g ss-rg-1 |
この手順を実行するには、次の情報が必要になります。
変更するプロパティを持つリソースの名前
変更するプロパティの名前
この手順は、リソースプロパティの変更方法について説明しています。リソースグループプロパティの一覧については、付録 A 「標準プロパティ」 を参照してください。
この手順は、任意のクラスタノードから実行します。
クラスタ内のノードでスーパーユーザーになります。
scrgadm -pvv コマンドを使用し、現在のリソースプロパティ設定を表示します。
# scrgadm -pvv -j resource-name |
リソースプロパティを変更します。
# scrgadm -c -j resource-name -y property=new-value | -x extension-property=new-value |
指定したプロパティを変更します。
リソースの名前を指定します。
変更する標準プロパティの名前を指定します。
変更する拡張プロパティの名前を指定します。Sun が提供するデータサービスについては、データサービスのインストールと構成に関する各章で説明されている拡張プロパティを参照してください。
リソースプロパティが変更されていることを確認します。
# scrgadm pvv -j resource-name |
次に、リソース r-1 のシステム定義プロパティ Start_timeout の変更例を示します。
# scrgadm -c -j r-1 -y start_timeout=30 # scrgadm -pvv -j r-1 |
次に、リソース r-1 の拡張プロパティ Log_level の変更例を示します。
# scrgadm -c -j r-1 -x Log_level=3 # scrgadm -pvv -j r-1 |
Failover_mode リソースプロパティが NONE または SOFT に設定されているときに、リソースの STOP に失敗した場合は、個々のリソースは STOP_FAILED 状態になり、リソースグループは ERROR_STOP_FAILED 状態になります。この状態のリソースグループは、ノード上でオンラインにできません。また、リソースの作成や削除、リソースグループやリソースプロパティの変更などの編集操作を行うこともできません。
この手順を実行するには、次の情報が必要になります。
リソースが STOP_FAILED であるノードの名前
STOP_FAILED 状態になっているリソースとリソースグループの名前
詳細は、scswitch(1M) のマニュアルページを参照してください。
この手順は、任意のクラスタノードで実行します。
クラスタ内のノードでスーパーユーザーになります。
STOP_FAILED 状態のリソースと、どのノードでこの状態なのかを確認します。
# scstat -g |
STOP_FAILED 状態になっているノード上で、リソースとそのモニターを手作業で停止します。
この手順では、プロセスを強制終了するか、リソースタイプ固有のコマンドまたは別のコマンドを実行する必要があります。
手作業で停止したすべてのノード上で、これらのリソースの状態を手作業で OFFLINE に設定します。
# scswitch -c -h nodelist -j resource-name -f STOP_FAILED |
フラグを消去します。
リソースが実行されていたノード名を指定します。
オフラインにするリソースの名前を指定します。
フラグ名を指定します。
手順 4 で STOP_FAILED フラグを消去したノード上で、リソースグループの状態を調べます。状態は、OFFLINE または ONLINE になっています。
# scstat -g |
scstat -g で調べた結果、リソースグループがまだ ERROR_STOP_FAILED 状態の場合は、次の scswitch コマンドを使用し、ERROR_STOP_FAILED 状態になっているノード上でリソースグループをオフラインにします。
# scswitch -F -g resource-group-name |
グループをマスターできるすべてのノード上でリソースグループをオフラインにします。
オフラインにするリソースグループの名前を指定します。
STOP メソッドに失敗し、停止に失敗したリソースがリソースグループ内のほかのノードの依存性を持っているときに、リソースグループをオフラインに切り替えた場合にこの状況が発生します。これ以外の状況では、手順 4 のコマンドをすべての STOP_FAILED リソースで実行することによって、リソースグループは自動的に ONLINE または OFFLINE 状態に戻ります。
これで、リソースグループを ONLINE 状態に切り替えることができます。
あらかじめ登録されているリソースタイプには、SUNW.LogicalHostname と SUNW.SharedAddress があります。すべての論理ホスト名と共有アドレスリソースがこれらのリソースタイプを使用します。これら 2 つのリソースタイプは、誤って削除した場合を除き、登録する必要はありません。誤ってリソースタイプを削除した場合は、次の手順を使用して再登録してください。
詳細は、scrgadm(1M) のマニュアルページを参照してください。
この手順は、任意のクラスタノードから実行します。
リソースタイプを再登録します。
# scrgadm -a -t SUNW.resource-type |
リソースタイプを追加します。
追加する (再登録する) リソースタイプを指定します。リソースタイプは、SUNW.LogicalHostname または SUNW.SharedAddress のいずれかになります。
次に、LogicalHostname リソースタイプを再登録する例を示します。
# scrgadm -a -t SUNW.LogicalHostname |
この節では次の 2 つの手順を説明します。
リソースグループの追加のマスターとなるクラスタノードの構成
リソースグループからのノードの削除
ノードの追加や削除をフェイルオーバーリソースグループに対して行うのか、スケーラブルリソースグループに対して行うのかによって、手順は異なります。
フェイルオーバーリソースグループは、フェイルオーバーとスケーラブルの両方のサービスによって使用されるネットワークリソースを含みます。クラスタに接続される各 IP サブネットワークは、指定された独自のネットワークリソースを持ち、フェイルオーバーリソースグループに含まれます。このネットワークリソースは、論理ホスト名または共有アドレスリソースのいずれかになります。各ネットワークリソースは、それが使用する NAFO グループのリストを含んでいます。フェイルオーバーリソースグループの場合は、リソースグループ (netiflist リソースプロパティ) に含まれる各ネットワークリソースに対し、NAFO グループの完全なリストを更新する必要があります。
スケーラブルリソースグループの場合は、スケーラブルグループをホストの新しいセット上でマスターされるように変更するほかに、スケーラブルリソースによって使用されるネットワークリソースを含むフェイルオーバーグループのための手順も実行する必要があります。
詳細は、scrgadm(1M) のマニュアルページを参照してください。
任意のクラスタノードから、以下に説明する手順のいずれかを実行します。
この手順を実行するには、次の情報が必要になります。
すべてのクラスタノードの名前とノード ID
ノードが追加されるリソースグループの名前
すべてのノード上のリソースグループによって使用されるネットワークリソースをホストする NAFO グループの名前
次の事項に注意してください。
新しいノードがすでにクラスタメンバーになっていることを確認してください。
フェイルオーバーリソースグループの場合は、以下に説明する手順をすべて実行してください。
スケーラブルリソースグループの場合は、次の操作を実行してください。
リソースグループ内のスケーラブルリソースが使用する各ネットワークリソースに対し、ネットワークリソースが配置されているリソースグループが、新しいノードで実行されるようにします (以下の手順 1 から 4)。
スケーラブルリソースグループ (nodelist リソースグループプロパティ) をマスターできるノードのリストに新しいノードを追加します (以下の手順 3)。
(省略可能) スケーラブルリソースの Load_balancing_weights プロパティを更新し、リソースグループに追加するノードにウエイトを割り当てます。ウエイトを割り当てない場合は、デフォルトで 1 になります。詳細は、scrgadm(1M) のマニュアルページを参照してください。
現在のノードリスト、およびリソースグループ内の各リソース用に構成した NAFO グループの現在のリストを表示します。
# scrgadm -pvv -g resource-group | grep -i nodelist # scrgadm -pvv -g resource-group | grep -i netiflist |
nodelist のコマンド行の出力は、ノード名によってノードを識別します。netiflist の出力は、ノード ID によってノードを識別します。
ノードの追加によって影響を受けるネットワークリソースの netiflist を更新します。
この手順は、netiflist の値を上書きするため、すべての NAFO グループをここに含める必要があります。また、netiflist にノードを入力するときはノード ID を使用する必要があります。ノード ID を調べるには、scconf -p を使用します。
# scrgadm -c -j network-resource -x netiflist=netiflist |
ネットワークリソースを変更します。
netiflist エントリ上でホストされているネットワークリソースの名前 (論理ホスト名または共有アドレス) を指定します。
各ノードの NAFO グループをコンマで区切って指定します。netiflist 内の各要素は、NAFO-group-name@nodeid の形式にする必要があります。
このリソースグループをマスターできるすべてのノードを含めるように、ノードリストを更新します。
この手順は、nodelist の値を上書きするため、リソースグループをマスターできるすべてのノードをここに含める必要があります。
# scrgadm -c -g resource-group -h nodelist |
リソースグループを変更します。
ノードが追加されるリソースグループの名前を指定します。
リソースグループをマスターできるノードをコンマで区切って指定します。
更新された情報を確認します。
# scrgadm -pvv -g resource-group | grep -i nodelist # scrgadm -pvv -g resource-group | grep -i netiflist |
次に、リソースグループ rg-1 にノード phys-schost-2 を追加する例を示します。このリソースグループは、論理ホスト名リソース schost-2 を含んでいます。
# scrgadm -pvv -g rg-1 | grep -i nodelist (rg-1) Res Group Nodelist: phys-schost-1 phys-schost-3 # scrgadm -pvv -g rg-1 | grep -i netiflist (rg-1:schost-2) Res property name: NetIfList (rg-1:schost-2:NetIfList) Res property class: extension(rg-1: schost-2:NetIfList) List of NAFO interfaces on each node(rg-1: schost-2:NetIfList) Res property type: stringarray(rg-1:schost-2: NetIfList) Res property value: nafo0@1 nafo0@3 (ノード 1 と 3 のみが、NAFO グループに割り当てられています。ノード 2 用の NAFO グループを追加する必要があります。) # scrgadm -c -j schost-2 -x netiflist=nafo0@1,nafo0@2,nafo0@3 # scrgadm -c -g rg-1 -h phys-schost-1,phys-schost-2,phys-schost-3 # scrgadm -pvv -g rg-1 | grep -i nodelist (rg-1) Res Group Nodelist: phys-schost-1 phys-schost-2 phys-schost-3 # scrgadm -pvv -g rg-1 | grep -i netiflist (rg-1:schost-2:NetIfList) Res property value: nafo0@1 nafo0@2 nafo0@3 |
この手順を実行するには、次の情報が必要になります。
すべてのクラスタノードの名前とノード ID
ノードが削除されるリソースグループまたはグループの名前
すべてのノード上のリソースグループによって使用されるネットワークリソースをホストする NAFO グループの名前
次の事項に注意してください。
削除するノードでリソースグループがマスターされていないことを確認してください。マスターされている場合は、scswitch(1M) を使用し、削除するノードでそのリソースグループをオフラインにしてください。
フェイルオーバーリソースグループの場合は、以下に説明する手順をすべて実行してください。
スケーラブルリソースグループの場合は、次の操作を実行してください。
スケーラブルリソースグループ (nodelist リソースグループプロパティ) をマスターできるノードのリストからそのノードを削除します (以下の手順 1)。
(省略可能) リソースグループ内のスケーラブルリソースが使用する各ネットワークリソースに対し、ネットワークリソースが配置されているリソースグループが、削除されたノードでマスターされないように更新します (以下の手順 1 から 4)。
(省略可能) スケーラブルリソースの Load_balancing_weights プロパティを更新し、リソースグループから削除するノードのウエイトを削除します。詳細は、scrgadm(1M) のマニュアルページを参照してください。
このリソースグループをマスターできるすべてのノードを含めるように、ノードリストを更新します。
この手順は、ノードを削除し、nodelist の値を上書きするため、リソースグループをマスターできるすべてのノードをここに含める必要があります。
# scrgadm -c -g resource-group -h nodelist |
リソースグループを変更します。
ノードが削除されるリソースグループの名前を指定します。
このリソースグループをマスターできるノードをコンマで区切って指定します。
リソースグループ内の各リソース用に構成した NAFO グループの現在のリストを表示します。
# scrgadm -pvv -g resource-group | grep -i netiflist |
上記コマンド行の出力は、ノード ID によってノードを識別します。
ノードの削除によって影響を受けるネットワークリソースの netiflist を更新します。
この手順は、netiflist の値を上書きするため、すべての NAFO グループをここに含める必要があります。また、netiflist にノードを入力するときはノード ID を使用する必要があります。ノード ID を調べるには、scconf -p を使用します。
# scrgadm -c -j network-resource -x netiflist=netiflist |
ネットワークリソースを変更します。
netiflist エントリ上でホストされているネットワークリソースの名前 (論理ホスト名または共有アドレス) を指定します。
各ノードの NAFO グループをコンマで区切って指定します。netiflist 内の各要素は、NAFO-group-name@nodeid の形式にする必要があります。
更新された情報を確認します。
# scrgadm -pvv -g resource-group | grep -i nodelist # scrgadm -pvv -g resource-group | grep -i netiflist |
次に、リソースグループ rg-1 からノード phys-schost-3 を削除する例を示します。このリソースグループは、論理ホスト名リソース schost-1 を含んでいます。
# scrgadm -pvv -g rg-1 | grep -i nodelist (rg-1) Res Group Nodelist: phys-schost-1 phys-schost-2 phys-schost-3 # scrgadm -c -g rg-1 -h phys-schost-1,phys-schost-2 # scrgadm -pvv -g rg-1 | grep -i netiflist (rg-1:schost-1) Res property name: NetIfList(rg-1:schost-1:NetIfList) Res property class: extension(rg-1:schost-1:NetIfList) List of NAFO interfaces on each node(rg-1:schost-1: NetIfList) Res property type: stringarray(rg-1:schost-1:NetIfList) Res property value: nafo0@1 nafo0@2 nafo0@3 (nafo0@3 が、削除される NAFO グループです) # scrgadm -c -j schost-1 -x netiflist=nafo0@1,nafo0@2 # scrgadm -pvv -g rg-1 | grep -i nodelist (rg-1) Res Group Nodelist: phys-schost-1 phys-schost-2 # scrgadm -pvv -g rg-1 | grep -i netiflist (rg-1:schost-1:NetIfList) Res property value: nafo0@1 nafo0@2 |
クラスタが起動された後、または別のノードへのフェイルオーバーが行われた後、広域デバイスとクラスタファイルシステムが利用可能になるまで多少時間がかかります。ただし、データサービスは、データサービスが依存する広域デバイスとクラスタファイルシステムがオンラインになる前に、START メソッドを実行できます。オンラインになる前に実行された START メソッドはタイムアウトになるため、データサービスによって使用されるリソースグループの状態をリセットし、手作業でデータサービスを再起動する必要があります。リソースタイプ SUNW.HAStorage は、広域デバイスとクラスタファイルシステムを監視し、利用可能になるまで、同じリソースグループ内の他のリソースの START メソッドの実行を待機させます。このような追加の管理作業を軽減するには、広域デバイスやクラスタファイルシステムに依存するデータサービスリソースを持つすべてのリソースグループに、SUNW.HAStorage を設定してください。
次の例では、リソースグループ rg-1 は、次の 3 つのデータサービスを含んでいます。
iWS (/global/rg-1 に依存する)
Oracle (/dev/global/dsk/d5s2 に依存する)
NFS (dsk/d6 に依存する)
新しいリソースに対し、SUNW.HAStorage リソースの hastorage-1 を rg-1 に作成するには、次の手順を実行します。
クラスタ内のノードでスーパーユーザーになります。
リソースグループ rg-1 を作成します。
# scrgadm -a -g rg-1 |
リソースタイプを登録します。
# scrgadm -a -t SUNW.HAStorage |
SUNW.HAStorage リソースである hastorage-1 を作成し、サービスパスを定義します。
# scrgadm -a -j hastorage-1 -g rg-1 -t SUNW.HAStorage ¥ -x ServicePaths=/global/rg-1,/dev/global/dsk/d5s2,dsk/d6 |
ServicePaths には、次の値を含むことができます。
広域デバイスグループ名 (例: nfs-dg)
広域デバイスへのパス (例: /dev/global/dsk/d5s2 または dev/d6)
クラスタファイルシステムのマウントポイント (例: /global/nfs)
hastorage-1 リソースを有効にします。
# scswitch -e -j hastorage-1 |
リソース iWS、Oracle、NFS を rg-1 に追加し、これらの依存性を hastorage-1 に設定します。たとえば、iWS の場合には、次のように入力します。
# scrgadm -a -j resource-name -g rg-1 -t SUNW.iws ¥ -x Confdir_list=/global/iws/schost-1 ¥ -y Scalable=False -y Network_resources_used=schost-1 ¥ -y Port_list=80/tcp -y Resource_dependencies=hastorage-1 |
rg-1 を管理状態に設定し、オンラインにします。
# scswitch -Z -g rg-1 |
SUNW.HAStorage は、別の拡張プロパティ (AffinityOn) を含みます。この拡張プロパティは、SUNW.HAStorage が ServicePaths で定義されている広域デバイスおよびクラスタファイルシステムの類似性スイッチオーバーを実行する必要があるかどうかを指定するブール値です。詳細は、SUNW.HAStorage(5) のマニュアルページを参照してください。
次の手順で、既存のリソースに対し SUNW.HAStorage リソースを作成します。
リソースタイプを登録します。
# scrgadm -a -t SUNW.HAStorage |
SUNW.HAStorage リソースである hastorage-1 を作成します。
# scrgadm -a -g resource-group-name -j hastorage-1 -t SUNW.HAStorage ¥ -x ServicePaths= ... -x AffinityOn=True |
hastorage-1 リソースを有効にします。
# scswitch -e -j hastorage-1 |
必要に応じて既存の各リソースについて依存性を設定します。
# scrgadm -c -j resource-name -y Resource_Dependencies=hastorage-1 |