この節では、Sun Cluster HA for Netscape Directory Server の拡張プロパティを構成する方法について説明します。通常、拡張プロパティは、Netscape Directory Server リソースを作成するときに、コマンド行から scrgadm -x parameter=value を実行して構成します。拡張プロパティは、第 11 章「データサービスリソースの管理」に示す手順を使って後で構成することもできます。
すべての Sun Cluster プロパティについては、付録 A 「標準プロパティ」を参照してください。
表 4-2に、Netscape Directory Server に設定できる拡張プロパティを示します。Netscape Directory Server リソースを作成するための必須拡張プロパティは、Confdir_list プロパティのみです。この拡張プロパティは、Netscape Directory Server 構成ファイルが存在するディレクトリを指定します。拡張プロパティによっては、動的に更新できるものもあります。ただし、それ以外の拡張プロパティは、リソースを作成するときにしか更新できません。次の表の「調整」列は、各プロパティをいつ更新できるかを示しています。
表 4-2 Sun Cluster HA for Netscape Directory Server 拡張プロパティ
名前/データタイプ |
デフォルト |
範囲 |
調整 |
説明 |
---|---|---|---|---|
Confdir_ list (文字配列) |
なし |
なし |
作成時 |
サーバールートを示すパス名。start-slapd および stop-slapd スクリプトが存在する slapd-hostname サブディレクトリを含みます。Sun Cluster HA for Netscape Directory Server データサービスは、この拡張プロパティを必要とし、プロパティのエントリは 1 つのみです。Netscape Directory Server がセキュアモードの場合は、パス名に keypass という名前のファイルを含む必要があります。このファイルには、このインスタンスの起動に必要なセキュアキーパスワードが含まれています。 |
Monitor_ retry_ count (整数) |
4 |
0 - 2,147,483,641 -1 は、再試行の数が無限であることを示す。 |
任意 |
Monitor_retry_interval プロパティで指定された時間の範囲内に、プロセスモニター機能 (PMF) が障害モニターを再起動する回数。このプロパティは、障害モニターの再起動について制御するのであって、リソースの再起動を制御するわけではありません。リソースの再起動は、システム定義プロパティの Retry_interval および Retry_count によって制御されます。 |
Monitor_ retry_ interval (整数) |
2 |
0 - 2,147,483,641 -1 は、再試行の間隔が無限であることを示す。 |
任意 |
障害モニターの失敗がカウントされる期間 (分)。この期間内に、障害モニターの失敗の数が、拡張プロパティ Monitor_retry_count で指定した値を超えた場合、PMF は障害モニターを再起動できません。 |
Probe_ timeout (整数) |
30 |
0 - 2,147,483,641 |
任意 |
Netscape Directory Server インスタンスの検証に障害モニターが使用するタイムアウト値 (秒) |