この章では、Sun Cluster HA for Netscape Directory Server データサービスをインストールし、構成する手順について説明します。このデータサービスは、以前、Sun Cluster HA for Netscape LDAP と呼んでいたものです。アプリケーションから出力される一部のエラーメッセージで、Netscape LDAP という名前が使用されることがありますが、これは、Netscape Directory Server (NDS) のことを示しています。
この章の内容は次のとおりです。
Sun Cluster HA for Netscape Directory Server データサービスは、フェイルオーバーサービスとして構成する必要があります。データサービス、リソースグループ、リソース、関連事項については、第 1 章「Sun Cluster データサービスの計画」および『Sun Cluster 3.0 U1 の概念』を参照してください。
このデータサービスのインストールと構成には、SunPlex Manager が使用できます。詳細は、SunPlex Manager のオンラインヘルプを参照してください。
インストールと構成を行う前に、『Sun Cluster 3.0 U1 ご使用にあたって』にあるワークシートをチェックリストとして使用し、以降の手順を実行してください。
インストールを開始する前に、次の点を検討します。
サーバーのルートをどこに置くか。
変更されないファイルやデータは、各クラスタノードのローカルファイルシステムに格納できます。ただし、任意のクラスタノードから、データを参照または更新できるように、動的データはクラスタファイルシステムに置いてください。
1 つのノード上で複数の NDS インスタンスを使用する場合は、適切なネットワークリソースの IP アドレス (論理ホスト名) を指定した listenhost 命令を、slapd.conf ファイルに設定する必要があります。デフォルトの NDS の動作は、ノード上のすべての IP アドレスにインスタンスをバインドするため、この設定は必須です。
たとえば、nds-1 という論理ホスト名を使用するように特定のインスタンスを設定する場合、そのインスタンスの slapd.conf ファイルに、listenhost nds-1 を追加する必要があります。これによって、そのインスタンスは、ノード上のすべての IP アドレスにバインドするのではなく、論理ホスト名 nds-1 にのみバインドします。
LDAP 管理サーバーでは、ホスト名の大文字小文字が区別されます。したがって、この管理サーバーの LDAP 構成に指定されているすべてのホスト名は、そのクラスタノードで使用されるネームサービスの LDAP 指定と大文字小文字の区別と一致していなければなりません。使用するネームサービスが DNS の場合は、この大文字小文字の一致が特に重要です。つまり、DNS ドメイン名もまた LDAP 構成内のホスト名の指定と一致していなければなりません。
LDAP 用マシンの絶対パスによるドメイン名は、リゾルバが返すドメイン名と大文字小文字の区別を含め一致していなければなりません。たとえば、DNS リゾルバがドメイン名として、大文字小文字が混合した Eng.Sun.Com を返すのであれば、LDAP 管理サーバーを構成するときに、この名前を全く同じように指定する必要があります。
表 4-1 に、インストールと構成作業について説明している節を示します
表 4-1 作業マップ: Sun Cluster HA for Netscape Directory Server のインストールと構成
作業 |
参照箇所 |
---|---|
ネットワークリソースの構成と起動 | |
Netscape Directory Server のインストールと構成 | |
Sun Cluster HA for Netscape Directory Server データサービスパッケージのインストール | |
アプリケーションリソースの構成と Sun Cluster HA for Netscape Directory Server データサービスの起動 | |
リソース拡張プロパティの構成 |
Sun Cluster 構成で複数のデータサービスを実行している場合は、任意の順序でデータサービスを設定できます(次の例外を除く)。Sun Cluster HA for DNS データサービスを使用する場合は、Netscape Directory Server を設定する前に、Sun Cluster HA for DNS データサービスを設定する必要があります。詳細は、第 6 章「Sun Cluster HA for Domain Name Service (DNS) のインストールと構成」を参照してください。DNS ソフトウェアは、Solaris オペレーティング環境に含まれています。クラスタが別のサーバーから DNS サービスを取得する場合は、最初に、クラスタが DNS クライアントになるように構成してください。
インストール後は、クラスタ管理コマンドの scswitch(1M) のみを使用して、手作業で Netscape Directory Server を起動および、停止してください。詳細は、マニュアルページを参照してください。Netscape Directory Server は、起動後は Sun Cluster ソフトウェアによって制御されます。
Netscape Directory Server のインストールと構成を開始する前に、ネットワークリソースを設定します。このネットワークリソースは、インストールと構成が行われた後でサーバーが使用します。ネットワークリソースを構成して起動するには、以下のコマンド行手続きを使用します。
この手順を実行するには、構成に関する次の情報が必要になります。
データサービスをマスターできるクラスタノードの名前。
Sun Cluster HA for Netscape Directory Server データサービスへのアクセスにクライアントが使用する論理ホスト名。通常、このホスト名はクラスタのインストール時に設定します。論理ホスト名の設定については、『Sun Cluster 3.0 U1 ソフトウェアのインストール』の論理ホスト名の設定に関する説明を参照してください。
この手順は、任意のクラスタメンバーで実行します。
クラスタメンバーでスーパーユーザーになります。
使用しているすべてのネットワークアドレスがネームサービスデータベースに追加されていることを確認します。
Sun Cluster のインストール時に、この確認を行います。詳細は、『Sun Cluster 3.0 U1 ソフトウェアのインストール』の計画に関する章を参照してください。
ネームサービスの検索が原因で障害が発生するのを防ぐために、すべてのクラスタノードの /etc/hosts ファイルに、すべての論理ホスト名と共有アドレスが登録されていることを確認してください。サーバーの /etc/nsswitch.conf のネームサービスマッピングは、NIS、NIS+、DNS にアクセスする前に、最初にローカルファイルを検査するように構成してください。
ネットワークリソースおよびアプリケーションリソースを保持するフェイルオーバーリソースグループを作成します。
# scrgadm -a -g resource-group [-h nodelist] |
リソースグループの名前を指定します。任意の名前を指定できます。
潜在的マスターを識別する物理ノード名または ID をコンマで区切って指定します (任意)。フェイルオーバー時は、この順序で主ノードが決まります。
-h オプションを使用してノードリストの順序を指定します。クラスタ内のすべてのノードが潜在的マスターの場合、-h オプションを使用する必要はありません。
論理ホスト名リソースをリソースグループに追加します。
# scrgadm -a -L -g resource-group -l hostname, ...[-n netiflist] |
論理ホスト名リソースを追加することを指定します。
リソースグループの名前を指定します。
論理ホスト名をコンマで区切って指定します。
各ノード上の NAFO グループをコンマで区切って指定します (オプション)。netiflist は、リソースグループの nodelist にあるすべてのノードを包含している必要があります。このオプションを指定しないと、scrgadm(1M) が、nodelist のノードごとに、hostname リストに指定されているネットアダプタをサブネットから発見します。
使用しているすべての論理ホスト名がネームサービスデータベースに追加されていることを確認します。
Sun Cluster のインストール時に、この確認を行います。詳細は、『Sun Cluster 3.0 U1 ソフトウェアのインストール』の計画に関する章を参照してください。
scswitchコマンドを実行してリソースグループを有効にし、オンラインにします。
# scswitch -Z -g resource-group |
リソースグループを管理状態に移行し、リソースグループをオンラインにします。
リソースグループの名前を指定します。
ネットワークリソースを構成し起動したら、「Netscape Directory Server をインストールする」へ進みます。
Sun Cluster HA for Netscape Directory Server データサービスは、Netscape Lightweight Directory Access Protocol (LDAP) を使用する Netscape Directory Server であり、Sun Cluster ソフトウェアの制御下で実行されます。この節では、setup コマンドを使用した Netscape Directory Server のインストール手順と、それを Sun Cluster HA for Netscape Directory Server データサービスとして実行するための構成について説明します。
Netscape Directory Server では、デフォルトのインストールパラメータを変更して使用する必要があります。Netscape Directory Server のインストールと構成を行う際には、次の点に注意してください。
サービスが正しくフェイルオーバーするには、Netscape Directory Server の名前が要求されたときに、物理的なマシンを指定するのではなく、ノード間でのフェイルオーバーを行う論理ホスト名 (IP アドレス) を指定する必要があります。つまり、インストールを開始する前に、論理ホスト名をネームサービスで設定する必要があります。これは通常、Sun Cluster のインストールの一部として行われます (詳細は、『Sun Cluster 3.0 U1 ソフトウェアのインストール』を参照してください)。
ディスクパスが要求されたときに、デフォルトのサーバールートディスクパスを使用しないでください。ファイルは、クラスタファイルシステムに置いてください。
Netscape Directory Server インストールによってクラスタファイルシステムに配置されたファイルやディレクトリは、削除したり移動しないでください。たとえば、ldapsearch などのクライアントバイナリを移動することはできません。これらのバイナリは、他の Netscape Directory Server ソフトウェアとともにインストールされます。
この手順では、対話形式の Netscape の setup コマンドについて説明します。ここでは、Sun Cluster HA for Netscape Directory Server データサービスに関する説明のみが含まれています。適宜デフォルト値を選択するか、値を変更してください。ここでは、基本的な手順のみを説明します。詳細は、Netscape LDAP のマニュアルを参照してください。
クラスタメンバーでスーパーユーザーになります。
Netscape CD のインストールディレクトリから setup コマンドを実行します。
Custom Installation を使用して Netscape Server をインストールするメニュー項目を選択します。
完全なサーバー名の入力を求めるプロンプトが表示されたら、論理ホスト名を指定してください。
インストールする場所としては、広域ファイルシステム上の場所を選択します (例: /global/nsldap)。
完全なサーバー名の入力を求めるプロンプトが表示されたら、論理ホスト名を指定してください。フェイルオーバーが正しく動作するためには、この手順は必須です。
指定した論理ホストは、Netscape Directory Server のインストールを実行しているノード上でオンラインにする必要があります。Netscape Directory Server のインストールの最後で、Netscape Directory Server を自動的に起動するため、そのノード上で論理ホストがオフラインの場合には、起動に失敗します。
論理ホスト名とそのマシンのドメインを選択します (例: schost-1.eng.sun.com)。
LDAP Administrative Server として使用する IP アドレスの入力を求めるプロンプトが表示されたら、クラスタノードの IP アドレスを 1 つ指定します。
インストールの一部として、LDAP Administrative Server を設定します。このサーバーに指定する IP アドレスは、フェイルオーバーを行う論理ホストの名前ではなく、物理クラスタノードの IP アドレスでなければなりません。
Netscape Directory Server の構成と検証には、Netscape 管理サーバーを使用します。
詳細は、Netscape のマニュアルを参照してください。
構成が終了すると、Netscape Directory Server は自動的に起動します。インストールと構成の次の手順に進む前に、stop-slapd を使用してサーバーを停止してください。
Netscape Directory Server のデータサービスパッケージが、Sun Cluster Agents CD からインストールされていない場合には、「Sun Cluster HA for Netscape Directory Server パッケージのインストール」へ進みます。パッケージがインストールされている場合は、「Sun Cluster HA for Netscape Directory Server 構成の完了」へ進みます。
scinstall(1M) ユーティリィティは、 Sun Cluster HA for Netscape Directory Server データサービスパッケージ (SUNWscnsl) をクラスタにインストールします。このときに、非対話型の scinstall に CD のすべてのデータサービスパッケージをインストールする -s オプションを指定しないでください。
Sun Cluster のインストール時にこのデータサービスパッケージをすでにインストールしている場合は、「Sun Cluster HA for Netscape Directory Server 構成の完了」に進んでください。まだインストールしていない場合は、次の手順に従って SUNWscnsl パッケージをインストールします。
この手順を実行するには、Sun Cluster Agents CD が必要です。Sun Cluster HA for Netscape Directory Server をマスターできるすべてのクラスタメンバーで、この手順を実行してください。
Agents CD を CD-ROM ドライブに挿入します。
オプションは指定せずに、scinstall ユーティリティを実行します。
scinstall ユーティリティが対話型モードで起動します。
「Add support for new data service to this cluster node.」メニューオプションを選択します。
このオプションは、CD 内にある任意のデータサービスのソフトウェアを読み込むことができます。
scinstall ユーティリティを終了します。
ドライブから CD を取り出します。
Sun Cluster HA for Netscape Directory Server データサービスを登録し、データサービス用にクラスタを構成するには、「Sun Cluster HA for Netscape Directory Server 構成の完了」を参照してください。
この手順では、scrgadm コマンドを使って Sun Cluster HA for Netscape Directory Server データサービスの登録と構成を行う方法を説明します。
このデータサービスの登録と構成は、他のいくつかの方法でも行うことができます。これらの方法については、「データサービスリソースを管理するためのツール」を参照してください。
この手順を実行するには、構成に関する次の情報が必要になります。
Sun Cluster HA for Netscape Directory Server データサービスのリソースタイプの名前。この名前は、SUNW.nsldap です。
データサービスをマスターできるクラスタノードの名前。
Netscape Directory Server データサービスへのアクセスにクライアントが使用する論理ホスト名。通常、この論理ホスト名は、クラスタのインストール時に設定します。詳細は、『Sun Cluster 3.0 U1 ソフトウェアのインストール』の論理ホスト名の設定を説明している節を参照してください。
Sun Cluster HA for Netscape Directory Server データサービスのリソースである、Netscape Directory Server アプリケーションバイナリへのパス。バイナリは、ローカルディスクまたはクラスタファイルシステムにインストールできます。各場所にインストールした場合の長所と短所については、第 1 章「Sun Cluster データサービスの計画」を参照してください。
Netscape Directory Server が待機するポート。非セキュアインスタンスの場合、Netscape Directory Server リソースの標準リソースプロパティ Port_list は、デフォルトで 389/tcp になります。セキュアポートの場合は、636/tcp になります。ポート番号を 389 以外に設定する場合は、Port_list プロパティを構成するときにその番号を指定する必要があります。リソースプロパティの設定については、第 11 章「データサービスリソースの管理」を参照してください。
この手順は、任意のクラスタメンバーで実行します。
次の手順に従って構成を行います。
クラスタメンバーでスーパーユーザーになります。
データサービスのリソースタイプを登録します。
# scrgadm -a -t SUNW.nsldap |
データサービスのリソースタイプを追加します。
事前に定義したリソースタイプ名を指定します。
ネットワークリソース用に作成したフェイルオーバーリソースグループに Netscape Directory Server アプリケーションリソースを追加します。
アプリケーションリソースを含むリソースグループは、「ネットワークリソースを構成して起動する」でネットワークリソース用に作成したリソースグループと同じになります。
# scrgadm -a -j resource -g resource-group ¥ -t resource-type [-y Network_resources_used=network-resource, ...] ¥ -y Port_list=port-number/protocol -x Confdir_list=pathname |
LDAP アプリケーションリソース名を指定します。
resource-group でネットワークリソース (論理ホスト名または共有アドレス) をコンマで区切って指定します。このリストは、LDAP アプリケーションリソースが必ず使用します。
リソースが属するリソースタイプを指定します (例: SUNW.iws)。
使用するポート番号とプロトコルを指定します (例: 389/tcp)。Port_list プロパティのエントリは 1 つだけです。
LDAP 構成ディレクトリのパスを指定します。Confdir_list 拡張プロパティが必要です。Confdir_list のエントリは、1 つだけです。
リソースとそのモニターを有効にします。
# scswitch -e -j resource |
リソースとそのモニターを有効にします。
有効になっているアプリケーションリソースの名前を指定します。
次に、Sun Cluster HA for Netscape Directory Server データサービスを登録する例を示します。
Cluster Information Node names: phys-schost-1, phys-schost-2 Logical hostname: schost-1 Resource group: resource-group-1 (すべてのリソースに適用) Resources: schost-1 (論理ホスト名), nsldap-1 (LDAP アプリケーションリソース) (フェイルオーバーリソースグループを作成する) # scrgadm -a -g resource-group-1 -h phys-schost-1,phys-schost-2 (論理ホスト名リソースをリソースグループに追加する) # scrgadm -a -L -g resource-group-1 -l schost-1 (リソースグループをオンラインにする) # scswitch -Z -g resource-group-1 (Netscape Directory Server のインストールと構成を行う) (LDAP サーバーを停止する) (SUNW.nsldap リソースタイプを登録する) # scrgadm -a -t SUNW.nsldap (SUNW.nsldap リソースを作成し、それをリソースグループに追加する) # scrgadm -a -j nsldap-1 -g resource-group-1 ¥ -t SUNW.nsldap -y Network_resources_used=schost-1 ¥ -y Port_list=389/tcp ¥ -x Confdir_list=/global/nsldap/slapd-schost-1 (アプリケーションリソースを有効にする) # scswitch -e -j nsldap-1 |
SUNW.HAStorage リソースタイプは、HA 記憶装置とデータサービス間の動作を同期させます。Sun Cluster HA for Netscape Directory Server データサービスは、ディスクに負荷をかけず、スケーラブルではないので、SUNW.HAStorage リソースタイプの構成は任意です。
このリソースタイプの詳細については、SUNW.HAStorage(5) のマニュアルページおよび 「リソースグループとディスクデバイスグループの関連性」を参照してください。設定手順については、「新しいリソース用に SUNW.HAStorage リソースタイプを設定する」を参照してください。
この節では、Sun Cluster HA for Netscape Directory Server の拡張プロパティを構成する方法について説明します。通常、拡張プロパティは、Netscape Directory Server リソースを作成するときに、コマンド行から scrgadm -x parameter=value を実行して構成します。拡張プロパティは、第 11 章「データサービスリソースの管理」に示す手順を使って後で構成することもできます。
すべての Sun Cluster プロパティについては、付録 A 「標準プロパティ」を参照してください。
表 4-2に、Netscape Directory Server に設定できる拡張プロパティを示します。Netscape Directory Server リソースを作成するための必須拡張プロパティは、Confdir_list プロパティのみです。この拡張プロパティは、Netscape Directory Server 構成ファイルが存在するディレクトリを指定します。拡張プロパティによっては、動的に更新できるものもあります。ただし、それ以外の拡張プロパティは、リソースを作成するときにしか更新できません。次の表の「調整」列は、各プロパティをいつ更新できるかを示しています。
表 4-2 Sun Cluster HA for Netscape Directory Server 拡張プロパティ
名前/データタイプ |
デフォルト |
範囲 |
調整 |
説明 |
---|---|---|---|---|
Confdir_ list (文字配列) |
なし |
なし |
作成時 |
サーバールートを示すパス名。start-slapd および stop-slapd スクリプトが存在する slapd-hostname サブディレクトリを含みます。Sun Cluster HA for Netscape Directory Server データサービスは、この拡張プロパティを必要とし、プロパティのエントリは 1 つのみです。Netscape Directory Server がセキュアモードの場合は、パス名に keypass という名前のファイルを含む必要があります。このファイルには、このインスタンスの起動に必要なセキュアキーパスワードが含まれています。 |
Monitor_ retry_ count (整数) |
4 |
0 - 2,147,483,641 -1 は、再試行の数が無限であることを示す。 |
任意 |
Monitor_retry_interval プロパティで指定された時間の範囲内に、プロセスモニター機能 (PMF) が障害モニターを再起動する回数。このプロパティは、障害モニターの再起動について制御するのであって、リソースの再起動を制御するわけではありません。リソースの再起動は、システム定義プロパティの Retry_interval および Retry_count によって制御されます。 |
Monitor_ retry_ interval (整数) |
2 |
0 - 2,147,483,641 -1 は、再試行の間隔が無限であることを示す。 |
任意 |
障害モニターの失敗がカウントされる期間 (分)。この期間内に、障害モニターの失敗の数が、拡張プロパティ Monitor_retry_count で指定した値を超えた場合、PMF は障害モニターを再起動できません。 |
Probe_ timeout (整数) |
30 |
0 - 2,147,483,641 |
任意 |
Netscape Directory Server インスタンスの検証に障害モニターが使用するタイムアウト値 (秒) |
Sun Cluster HA for Netscape Directory Server データサービスの検証機能は、特定の IP アドレスとポート番号にアクセスします。IP アドレスは、Network_resources_used プロパティにリストされているネットワークリソースから取得します。ポートは、Port_list リソースプロパティにリストされているポートです。これらのプロパティについては、付録 A 「標準プロパティ」 を参照してください。
障害モニターは、Sun Cluster HA for Netscape Directory Server インスタンスがセキュアか非セキュアかを判断します。セキュアディレクトリサーバーと非セキュアディレクトリサーバーでは、検証方法が異なります。キーワード security が構成ファイル (slapd.conf) にない場合、または security off に設定されている場合は、そのインスタンスは非セキュアと判断されます。これ以外の場合は、インスタンスがセキュアであると判断されます。
セキュアインスタンスの検証は、単純な TCP 接続で行われます。正しく接続されると、検証も正常と判断されます。接続の失敗またはタイムアウトは、致命的な異常と判断されます。
非セキュアインスタンスの検証は、Sun Cluster HA for Netscape Directory Server データサービスで提供される ldapsearch 実行可能ファイルの実行に依存します。使用される検索フィルタは、常に何かを見つけるように設計されています。検証機能は、一部の異常と致命的な異常を検知します。以下の状況は、一部の異常と判断されます。これ以外の状況は、致命的な異常と判断されます。