Sun Cluster 3.0 U1 データサービスのインストールと構成

SAP 拡張プロパティの構成

この節では、Sun Cluster HA for SAP 拡張プロパティ (コアインスタンスおよびアプリケーションサーバー) の構成手順を説明します。通常、拡張プロパティは、コアインスタンスリソースまたはアプリケーションサーバーリソースを作成するときに、コマンド行から scrgadm -x parameter=value を実行して構成します。拡張プロパティは、第 11 章「データサービスリソースの管理」に示す手順を使って後で構成することもできます。

すべての Sun Cluster 拡張プロパティの説明を見る場合は、r_properties(5) と rg_properties(5) のマニュアルページを参照してください。

表 9-3 に、コアインスタンス用に設定できる SAP 拡張プロパティを示します。拡張プロパティによっては、動的に更新できるものもあります。ただし、それ以外の拡張プロパティは、SAP リソースを作成または無効にするときにしか更新できません。次の表の「調整」列は、各プロパティをいつ更新できるかを示しています。

表 9-3 Sun Cluster HA for SAP 拡張プロパティ (コアインスタンス)

プロパティカテゴリ 

プロパティ名 

デフォルト 

調整 

説明 

SAP 構成 

 

 

SAPSID

なし 

無効化された時 

SAP システム名または SAPSID。

Ci_instance_ id

00

無効化された時 

2 桁の SAP システム番号。 

Ci_services_ string

DVEBMGS

無効化された時 

コアインスタンスサービスの文字列。 

SAP の起動 

 

Ci_start_ retry_ interval

30

無効化された時 

データベースへの接続を試みてからコアインスタンスを起動するまでの時間 (秒数)。 

Ci_startup_ script

なし 

無効化された時 

SIDadm ホームディレクトリにあるこのインスタンスに対する SAP 起動スクリプトの名前。

SAP の停止 

 

Stop_sap_ pct

95

無効化された時 

SAP プロセスの停止に使用される停止タイムアウト変数の割合。SAP シャットダウンスクリプトによってプロセスがまず停止されてから、Process Monitor Facility (PMF) の呼び出しによって、プロセスが停止され、次に消去されます。 

Ci_shutdown_ script

なし 

無効化された時 

SIDadm ホームディレクトリにあるこのインスタンスに対する SAP シャットダウンスクリプトの名前。

検証 

Message_ server_name

sapmsSAPSID

無効化された時 

SAP メッセージサーバーの名前。 

Lgtst_ms_ with_ logicalhostname

TRUE

任意の時点 

SAP lgtst ユーティリティで SAP メッセージサーバーを検査する方法。lgtst ユーティリティでは、SAP メッセージサーバーの場所としてホスト名 (IP アドレス) が必要です。このホスト名は、Sun Cluster の論理ホスト名か、localhost (ループバック) 名です。このリソースプロパティに TRUE を設定すると論理ホスト名が、そうでない場合は localhost 名が使用されます。

Check_ms_retry

2

無効化された時 

SAP メッセージサーバーの検査に何回失敗したら、これを完全な失敗として報告し、Resource Group Manager (RGM) を起動するか。 

Probe_timeout

60

任意の時点 

検証に対するタイムアウト値 (秒)。 

Monitor_ retry_count

4

任意の時点 

障害モニターのために行うことができる PMF 再起動の回数。 

Monitor_retry_ interval

2

任意の時点 

障害モニターを再起動する間隔 (分)。 

開発システム 

 

 

 

Shutdown_dev

FALSE

無効化された時 

RGM が開発システムをシャットダウンしてからコアインスタンスを起動すべきかどうか。 

Dev_sapsid

なし 

無効化された時 

開発システムの SAP システム名。Sun Cluster HA for SAP データサービスでは、Shutdown_devTRUE に設定された場合、このプロパティが必要です。

Dev_shutdown_ script

なし 

無効化された時 

開発システムのシャットダウンに使用するスクリプト。Sun Cluster HA for SAP データサービスでは、Shutdown_devTRUE に設定された場合、このプロパティが必要です。

Dev_stop_pct

20

無効化された時 

起動タイムアウトの割合がどのくらいになったら、Sun Cluster HA for SAP データサービスが開発システムをシャットダウンしてコアインスタンスを起動するか。 

次の表に、SAP (アプリケーションサーバー) 用に設定できる拡張プロパティを示します。

表 9-4 Sun Cluster HA for SAP 拡張プロパティ (アプリケーションサーバー)

プロパティカテゴリ 

プロパティ名 

デフォルト 

調整 

説明 

SAP 構成 

 

 

SAPSID

なし 

無効化された時 

アプリケーションサーバーの SAP システム名または SAPSID。 

As_instance_ id

なし 

無効化された時 

アプリケーションサーバーの 2 桁の SAP システム番号。 

As_services_ string

D

無効化された時 

アプリケーションサーバーの文字列。 

SAP の起動 

 

 

As_db_retry_ interval

30

無効化された時 

データベースへの接続を試みてからアプリケーションサーバーを起動するまでの時間 (秒)。 

As_startup_ script

無効化された時 

無効化された時 

アプリケーションサーバーの SAP 起動スクリプトの名前。 

SAP の停止 

 

 

Stop_sap_ pct

95

無効化された時 

SAP プロセスの停止に使用される停止タイムアウト変数の割合。SAP シャットダウンスクリプトによってプロセスがまず停止されてから、Process Monitor Facility (PMF) の呼び出しによって、プロセスが停止され、次に消去されます。 

As_shutdown_ script

なし 

無効化された時 

アプリケーションサーバーに対する SAP シャットダウンスクリプトの名前。 

検証 

Probe_ timeout

60

任意の時点 

検証のタイムアウト値 (秒)。 

Monitor_ retry_count

4

任意の時点 

障害モニターのためにこの検証で行うことができる PMF 再起動の回数。 

Monitor_ retry_ interval

2

任意の時点 

障害モニターを再起動する間隔 (分)。