Sun Cluster 3.0 U1 リリースの動作に影響する問題には次のものがあります。最新情報については、docs.sun.com の Web サイトから『Sun Cluster 3.0 U1 Release Notes Supplement』を参照してください。
問題の概要: Solstice Disksuite ソフトウェアをインストールした後、Solstice Disksuite のデバイスリンクを広域名前空間に表示させるには scgdevs(1M) コマンドを実行する必要がある。
回避方法: scgdevs コマンドを手作業で実行して Solstice Disksuite デバイスのノードが作成されたことを確認します。
問題の概要: SharedAddress リソースを含むリソースグループに Sun Cluster HA for NFS のリソースを作成できない。Sun Cluster ソフトウェアでは、このデータサービスで SharedAddress リソースの使用をサポートされない。
回避方法: フェイルオーバーリソースグループに必要な論理ホスト名リソースを追加します。
この手順を行うには LogicalHostname リソースを設定する必要があります。Sun Cluster HA for NFS と一緒に使用するホスト名には SharedAddress リソースは使えません。
# scrgadm -a -L -g resource-group-name -l hostname,... |
論理ホスト名リソースを置くフェイルオーバーリソースグループを指定します。
追加するネットワークリソース (論理ホスト名) を指定します。
問題の概要: scinstall ユーティリティを使用すると /global ディレクトリ名を広域デバイスファイルシステムに指定できる。しかし、広域デバイスファイルシステムのマウントポイントが /global/.devices/node@nodeid のために、この仕様は実際には使用できない。
回避方法: 広域デバイスファイルシステムのディレクトリ名として、/globaldevice を使用してノードを再インストールします。
推奨はできませんが、/etc/vfstab ファイルのエントリを修正してクラスタを再起動し、scgdevs コマンドを実行して回避することも可能です。各 /etc/vfstab ファイルの /global/.devices/node@nodeid の各エントリに、広域マウントのオプションセットがあるかどうかを確認してください。
問題の概要:
nodeA# scshutdown -g0 -y scshutdown: Unmount of /dev/md/sc/dsk/d30 failed: Device busy. scshutdown: Could not unmount all PxFS filesystems. |
Oracle をインストールすると、Networker パッケージがバンドルされてインストールされる。そのため、nsrmmd デーモンが起動して /global/oracle ディレクトリにマウントを行い、すべてのクラスタファイルシステムをマウント解除できなくなる。
nodeA# umount /global/oracle umount: global/oracle busy nodeA# fuser -c /global/oracle /global/oracle: 335co 317co 302co 273co 272co nodeA# ps -ef|grep 335 root 335 273 0 17:17:41 ? 0:00 /usr/sbin/nsrmmd -n 1 root 448 397 0 17:19:37 console 0:00 grep 335 |
この問題は Sun Cluster を停止するときに、nsrmmd プロセスがまだ参照しているクラスタファイルシステムをマウント解除しようとする際に発生する。
回避方法: 各ノードで fuser(1M) コマンドを実行し、マウント解除できないクラスタファイルシステムを使用しているすべてのプロセスのリストを作成します。scshutdown(1M) コマンドが最初に起動して失敗したことにより、Resource Group Manager のリソースが再起動されていないことを確認します。プロセスをすべて kill -9 コマンドで終了します。この削除リストには、Resource Group Manager の管理下にあるプロセスを含めてはなりません。これらのプロセスをすべて終了させてから scshutdown コマンドを再実行すると、停止動作は正常に実行されて終了します。
問題の概要: 管理しているリソースグループの Nodelist プロパティをシステム管理者が編集する際に、ノードリストに追加されたすべてのノードで、Resource Group Manager はリソースグループに属する Init_nodes=RG_PRIMARIES プロパティを持つすべてのリソースに INIT メソッドを実行する必要がある。ノードリストから削除されたすべてのノードでは、Resource Group Manager は同様にリソースに FINI メソッドを実行する必要がある。また同様に、リソースタイプの Installed_nodes プロパティを編集する際には、管理しているリソースグループに属し、Init_nodes=RT_installed_nodes プロパティを持つこのタイプのすべてのリソースに対して、INIT または FINI のメソッドを実行する必要がある。
現在のところ、Resource Group Manager は、これらの更新を行う際に INIT や FINI のメソッドを実行しない。その結果、これらノードのリソースが正常に初期化またはクリーンアップされない可能性がある。
回避方法: 対象となるリソースグループに scswitch コマンドを使用していったん管理を解除してから、再管理を行います。この処理では、管理者はリソースグループをオフラインにしなければなりません。この代わりに、グループ内で起こるリソースタイプに関する INIT や FINI の操作がマニュアルに記載されている場合は、管理者はその操作を手作業で実行することもできます (リソースグループの管理を解除する必要はありません)。
グループ内のリソースに INIT メソッドや FINI メソッドを持つものがない場合は、この回避策は不要です。Sun が提供するリソースタイプで INIT メソッドと FINI メソッドを使用するのは以下に限られます。
SUNW.SharedAddress (共有アドレスリソースタイプ)
SUNW.apache (Apache Web Server) がスケーラブルモードで構成されている場合
SUNW.iws (iPlanet/Netscape Web Server) がスケーラブルモードで構成されている場合
すべてのスケーラブルなサービスは、明示的に宣言していなくても、暗黙的に INIT メソッドと FINI メソッドを利用しています。
問題の概要: 最初にデバイスグループをオフラインにしないと、Solstice DiskSuite ディスクセットから最後のノードを削除できない。
回避方法: ディスクセットから最後のノードを削除するには、まずデバイスグループをオフラインにします。最後のノードを削除するには、削除するノードから、次の 2 つのコマンドをスーパーユーザーで実行します。
# /usr/cluster/bin/scswitch -m -D disksetname # metaset -s disksetname -d -h nodename |
問題の概要: 次の操作を行った場合に発生する問題。
複数の Sun Cluster HA for NFS リソースをクラスタに構成する。
ある HA-NFS リソースの有効/無効を切り替えて、同一ノードの他のリソースをオンラインのままにしておく。
次の警告メッセージが HA-NFS 障害モニターに表示されることがある。
clnt_tp_create_timed of program statd failed:RPC:Program not registered |
回避方法: この警告メッセージは無視して構いません。
問題の概要: FC-AL SBus Card (FC100/S) と Sun Quad FastEthernet 2.0 (SQFE/S) を同じ SBus に設置すると QFE カードが突然リセットする。
回避方法: クラスタノードの構成で、FC-AL SBus Card (FC100/S) と Sun Quad FastEthernet 2.0 (SQFE/S) を同じ SBus 上に設置しないでください。
問題の概要: リソースグループの Nodelist プロパティはリソースグループをマスターできるノードのリストで、もっとも優先されるノードが最初に表示される順序になっている。Resource Group Manager は、常に利用可能な中でもっとも優先されるノードのリソースグループのホストになるようになっている。しかし、管理者がクラスタを (すべてのノードを 1 回で再起動することで) 再起動すると、管理されているリソースグループのマスターがもっとも優先されるノード以外のノードになることがある。この問題はクラスタ全体を 1 回で再起動する場合にのみ起こる。
回避方法: クラスタを再起動した後で、scswitch コマンドを使用してリソースグループを目的のノードに切り替えます。クラスタが稼働している限り、Nodelist の優先順位は自動的に切り替わります。
問題の概要: pnmstat のメッセージに、サポートされていないオプションが表示される。
回避方法: pnmstat のマニュアルページで、サポートされているオプションを調べてください。
問題の概要: Wait_for_online 拡張プロパティに TRUE を設定すると、Sun Cluster HA for Sybase ASE で、コアダンプなどいくつかの問題が発生する。
回避方法: Wait_for_online 拡張プロパティには、デフォルト値として FALSE を常に設定してください。
問題の概要: Oracle をインストールするには、SUNWarc、SUNWbtool、SUNWhea、SUNWlibm、SUNWlibms、SUNWsprot、SUNWtoo という Solaris パッケージが必要。SunPlex Manager で Oracle データサービスのインストールを行う場合には、これらのパッケージが存在していなければならない。
回避方法: Oracle のマニュアルに従ってこれらのパッケージを手作業でインストールしてください。
問題の概要: SunPlex Manager で Oracle をインストールすると、クラスタノードの tnsnames.ora が構成されない。
Workaround: クラスタノードを Oracle データベースのクライアントとして使用する場合は、適切な tnsnames.ora ファイルを手作業で更新する必要があります。
問題の概要: クラスタノードのホスト名にマルチホームのものがあると (そのホストに複数の IP アドレスが割り当てられていると)、SunPlex Manager が正しく動作しない。ただし、データサービスに対してマルチホーム論理アドレスを問題なく使用できる。
回避方法: /opt/SUNWscvw/conf/httpd.conf ファイルの BindAddress 行をコメントにしてから、 /etc/init.d/initspm start を実行してサーバーを起動してください。
問題の概要: クラスタノードの最初の起動時に、次のメッセージが表示されることがある。
cl_runtime: WARNING: Major number for driver (did) does not match the one on other nodes. Confirm that the /etc/name_to_major files are in sync on all cluster nodes |
回避方法: 適切なパッチがあるかどうかを、ご購入先にお問い合わせください。
問題の概要: Netra マシンで Sun Cluster 2.2 を 3.0 にアップグレードする場合は、アップグレードの最初のフェーズで scinstall (1M) の -O オプションを使用する必要がある。使用しないと、Netra ハードウェアプラットフォームが認識されないためにアップグレードが異常終了することがある。
回避方法: アップグレードの最初のフェーズで scinstall (1M) の -O オプションを使用してください。このオプションによって、ハードウェアの検査が無効になります。
問題の概要: ポートリストに 3 つ以上のポートが指定されているときに scds_free_netaddr_list を呼び出すと、コアダンプが生成される。
回避方法: ポートリストに 3 つ以上のポートが指定されている場合は、scds_get_netaddr_list で割り当てられたメモリーを scds_free_netaddr_list で解放しないでください。このメモリーは、プロセスの終了時に自動的に再割り当てされます。