このマニュアルでは、Sun Cluster 3.0 Update 1 (U1) ソフトウェアに関する次の情報について説明します。
このマニュアルの付録には、Sun Cluster 3.0 U1 ソフトウェアとデータサービスのインストールを計画する際に使用する、インストール計画のワークシートと実例が含まれています。
次の表に、新しい機能と特長、および、それに伴う Sun Cluster マニュアルの変更内容を示します。サポートされるハードウェアとソフトウェアについては、ご購入先にお問い合わせください。
表 1-1 新しい機能と特長
機能、特長 |
変更されたマニュアル |
---|---|
SunPlexTM Manager GUI |
GUI から参照できるオンラインヘルプが提供されます。 |
SunPlex Manager GUI でのアクセス機能 |
SunPlex Manager を Internet Explorer 5 などの一般的なブラウザを介して実行する場合、他社製品のアクセスビリティソフトウェアをサポートします。アクセス機能には、テキストベースのメニューや、キーボードナビゲーション、絵で表示される情報に代わるテキストベースの情報などがあります。SunPlex Manager のアクセスビリティ機能については、『Sun Cluster 3.0 U1 のシステム管理』を参照してください。 |
Sun Cluster HA for SAP データサービス 注: Sun Cluster HA for SAP を実行するには、Sun Cluster 3.0 Update 1 ソフトウェアをインストールする必要があります。Sun Cluster HA for SAP は、Sun Cluster 3.0 GA リリースでは動作しません。 |
|
Sun Cluster HA for Sybase ASE データサービス 注: Sun Cluster ソフトウェアは、32 ビットモードおよび 64 ビットモードのどちらででも動作しますが、Sun Cluster HA for Sybase ASE データサービスは 32 ビットモードでのみ動作します。 |
|
リソースやリソースグループに関する scsetup ユーティリティの強化 |
『Sun Cluster 3.0 U1 データサービスのインストールと構成』の、データサービスのインストール手順と構成手順の説明に RGM 更新のインタフェースとして scsetup が追加されました。 |
SunPlex Agent Builder |
新しいデータサービスを作成するこのウィザードの説明は『Sun Cluster 3.0 U1 データサービス開発ガイド』にあります。さらに、この新しい機能の説明を含む新しいマニュアルページとして scdsbuilder(1HA)、scdsconfig(1HA)、scdscreate(1HA) が追加されました。 |
データサービスを可能にする技術 |
この新しいアプリケーション開発インタフェースの説明は『Sun Cluster 3.0 U1 データサービス開発ガイド』にあります。 |
scvxinstall(1M) スクリプト |
このスクリプトによって、SunPlex システムにおける VERITAS ボリューム管理ソフトウェアの構成が容易になります。この説明は、『Sun Cluster 3.0 U1 ソフトウェアのインストール』と scvxinstall (1M) のマニュアルページにあります。 |
Sun StorEdge A3500FC システム |
『Sun Cluster 3.0 U1 Hardware Guide』の「Sun StorEdge A3x00」の章が変更され、A3500FC システムの設置、構成、保守の各手順が追加されました。 |
Sun StorEdge T3 Array |
設置、構成、保守の各手順を説明する新しい章が『Sun Cluster 3.0 U1 Hardware Guide』に追加されました。 |
Solaris Resource Manager 1.2 との共存 |
この共存の説明は『Installing and Configuring Solaris Resource Manager with Sun Cluster 3.0 Updates』に記載されています。このマニュアルは、 http://docs.sun.com の「Solaris Resource Manager 1.2 AnswerBook2 Collection」にあります。 |
Sun Management Center 3.0 |
新しい説明が 「Sun Management Center ソフトウェアのアップグレード」と 「Sun Management Center GUI」に追加されました。 |
新しい機能および特長の補足情報を以下に示します。
SunPlex Manager は、SunPlex システムをインストール、構成、管理するための Web ベースの GUI インタフェースです。SunPlex Manager では、Sun Cluster 3.0 構成の実行に必要なすべてのソフトウェアのインストールや構成を行うことができます。SunPlex Manager のオンラインヘルプには、GUI 機能の説明が含まれています。
SunPlex Agent Builder は、Sun Cluster Resource Group Manager の制御下で実行されるリソースタイプ (データサービス) の作成やパッケージ化を自動化するツールです。これによって、新しいリソースタイプの開発期間が短縮されます。
データサービスを可能にする技術は、基本的な Sun Cluster 3.0 開発 API に追加されたものです。この技術には次の特長があります。
データサービスの開発に共通して使用される高レベルのモデルが提供されます。これには、サンが提供するすべてのデータサービスを含みます。
データサービスの開発に共通して使用される機能が統合 API フレームワークに統合されています。
障害監視のモデルがあらかじめパッケージ化されています。このモデルには、一連の API から容易にアクセスできます。
これらの新しい機能は、主に、より強固なデータサービスの開発を容易にし、促進することを目的として提供されるものです。
Resource Group Manager (RGM) が scsetup ユーティリティに追加されたため、このユーティリティを使用してリソースグループを作成したり、ネットワークリソースやデータサービスリソースをリソースグループに追加することができます。scsetup ユーティリティを使用してデータサービスリソースを追加すると、登録されているリソースタイプと登録されていないリソースタイプが両方とも検索され、必要であれば、登録されていないリソースタイプが自動的に登録されます。RGM サブメニューを起動するには、scsetup メインメニューからオプション 2 を選択します。
scvxinstall は、VERITAS Volume Manager (VxVM) を Sun Cluster ボリューム管理ソフトウェアとしてインストールするプロセスを自動化するためのスクリプトです。このスクリプトでは、オプションとしてルートディスクをカプセル化できます。ルートディスクをカプセル化すると、ルートディスクをミラー化したり、VxVM が使用するローカルディスクの合計容量を減らすことができます。このスクリプトは、以前のリリースで説明されていた、VxVM のインストールとルートディスクのカプセル化の手順を置き換えるものです。
この節では、Sun Cluster 3.0 U1 でサポートされるソフトウェアとメモリーの必要条件について説明します。
オペレーティング環境とパッチ - サポートされる Solaris のバージョンとパッチは、次の URL で参照できます。
詳細は、「パッチとファームウェアレベル」を参照してください。
ボリューム管理ソフトウェア - Slstice DiskSuite 4.2.1 と VERITAS Volume Manager 3.0.4 および 3.1
データサービス (エージェント) - サポートされるデータサービスとアプリケーションバージョンについては、ご購入先にお問い合わせください。 scinstall(1M) ユーティリティを使用してデータサービスをインストールする場合や、scrgadm(1M) ユーティリティを使用してデータサービスと関連付けられるリソースタイプを登録する際には、リソースタイプ名を指定します。
表 1-2 Sun Cluster 3.0 U1 でサポートされるデータサービス
データサービス |
Sun Cluster のリソースタイプ名 |
---|---|
Sun Cluster HA for DNS |
dns |
Sun Cluster HA for NFS |
nfs |
Sun Cluster HA for iPlanet Web Server |
iws |
Sun Cluster HA for Netscape LDAP |
nsldap |
Sun Cluster HA for Oracle |
oracle |
Sun Cluster HA for Oracle Parallel Server |
なし |
Sun Cluster HA for Apache |
apache |
Sun Cluster HA for SAP |
scsap |
Sun Cluster HA for Sybase ASE |
scsybase |
メモリーの要件 - Sun Cluster 3.0 では、通常の負荷を想定して構成されているノードに対しては、メモリーを追加する必要があります。追加するメモリーは 128M バイト + 10% となります。たとえば、スタンドアロンのノードに通常 1G バイトのメモリーが必要な場合、Sun Cluster 3.0 のメモリーの必要条件を満たすには 256M バイトを追加する必要があります。
次回の Sun Cluster リリースでは、Public Network Management (PNM) はサポートされません。代わりに、Sun Cluster に対するネットワークアダプタの監視とフェイルオーバーは、Solaris IP マルチパスによって行われます。
ネットワークインタフェースカードの監視やフェイルオーバーの構成と管理には PNM を使用します。ただし、PNM デーモンや PNM 管理コマンドへのユーザーインタフェースはすでに旧式であるため、次回の Sun Cluster リリースでは削除されます。したがって、これらのインタフェースに基づくツールの開発は極力避けてください。現在のリリースでは、以下に示すインタフェースが正式にサポートされていますが、次回の Sun Cluster リリースからは削除される予定です。
pnmd(1M)
pnmconfig(4)
pnmstat(1M)
pnmset(1M)
pnmrtop(1M)
pnmptor(1M)
日本語版のマニュアルは CD-ROM には含まれていません。この節の説明は、CD-ROM から英語版の AnswerBookTM をインストールする場合にのみ適用されます。日本語版のマニュアルは、docs.sun.com の Web サイトで参照できます。
Sun Cluster 3.0 U1 のマニュアルは、AnswerBook2 文書サーバーでオンラインで利用できるように AnswerBook2 形式で提供されています (英語版のみ)。Sun Cluster 3.0 Update 1 の AnswerBook2 マニュアルセットには次のマニュアルが含まれています。
Sun Cluster 3.0 7/01 Collection - 次のマニュアルが含まれています。
『Sun Cluster 3.0 U1 Installation Guide』
『Sun Cluster 3.0 U1 System Administration Guide』
『Sun Cluster 3.0 U1 Hardware Guide』
『Sun Cluster 3.0 U1 Data Services Developer's Kit』
『Sun Cluster 3.0 U1 Concepts』
『Sun Cluster 3.0 U1 Error Messages Manual』
Sun Cluster 3.0 7/01 Data Sevices Collection - 次のマニュアルが含まれています。
『Sun Cluster 3.0 U1 Data Services Installation and Configuration Guide』
Solaris オペレーティング環境のリリースには AnswerBook2 文書サーバーのソフトウェアが含まれています。Solaris の Documentation CD-ROM は Solaris オペレーティング環境 CD-ROM とは別になっており、この中に文書サーバーのソフトウェアも含まれています。AnswerBook2 文書サーバーをインストールするには Solaris の Documentation CD-ROM が必要です。
すでにサイトに AnswerBook2 文書サーバーがインストールされている場合には、その同じサーバーを Sun Cluster 3.0 U1 の AnswerBook に利用できます。インストールされていない場合には、自分のサイトのマシンに文書サーバーをインストールしてください。クラスタの管理インタフェースとして使用している管理コンソールに文書サーバーをインストールすることを推奨します。クラスタノードは、AnswerBook2 文書サーバーとして使用しないでください。
AnswerBook2 文書サーバーのインストールについての詳細は、Solaris の Documentation CD-ROM をサーバーにインストールし、README ファイルを参照してください。
Sun Cluster AnswerBook2 のマニュアルを、文書サーバーをインストールしたサーバーのファイルシステムにインストールします。Sun Cluster 3.0 U1 AnswerBook にはインストール後実行スクリプトが含まれており、既存の AnswerBook ライブラリにマニュアルを自動的に追加します。
AnswerBook2 サーバーの設定する際には、以下のことを確認してください。
文書サーバーへの root (スーパーユーザー) アクセスが必要です。
AnswerBook2 サーバーに CD-ROM ドライブが必要です。
AnswerBook2 文書サーバーをインストールしているサーバーがない場合には、AnswerBook2 文書サーバーのインストールに必要なソフトウェアが含まれている Solaris オペレーティング環境の Documentation CD-ROM が必要になります。
Sun Cluster 3.0 7/01 Collection が含まれている Sun Cluster 3.0 7/01 CD-ROM が必要です。Sun Cluster 3.0 7/01 Data Services Collection は Sun Cluster 3.0 7/01 Agents CD-ROM に含まれています。
次の手順で、Sun Cluster 3.0 7/01 Collection と Sun Cluster 3.0 7/01 Data Services Colection の Sun Cluster AnswerBook パッケージをインストールします。
AnswerBook2 文書サーバーがインストールされているサーバーでスーパーユーザーになります。
旧バージョンの Sun Cluster AnswerBook をインストールしている場合は、古いパッケージを削除します。
# pkgrm SUNWscfab SUNWscdab |
以前に Sun Cluster AnswerBooks をインストールしていない場合は、この手順は省略してください。
Sun Cluster CD-ROM か Sun Cluster 3.0 7/01 Agents CD-ROM を、文書サーバーに接続されている CD-ROM ドライブに挿入します。
ボリューム管理デーモンの vold(1M) が CD-ROM を自動的にマウントします。
CD-ROM の、Sun Cluster AnswerBook パッケージが含まれているディレクトリに移動します。
AnswerBook パッケージは、次の場所にあります。
Sun Cluster CD-ROM
suncluster_3_0/SunCluster_3.0/Packages
Sun Cluster 3.0 7/01 Agents CD-ROM
scdataservices_3_0/components/ SunCluster_Data_Service_Answer_Book_3.0/Packages
pkgadd(1) コマンドを使用してパッケージをインストールします。
# pkgadd -d . |
インストールする Sun Cluster 3.0 7/01 Collection (SUNWscfab) と Sun Cluster 3.0 7/01 Data Services Collection (SUNWscdab) パッケージを選択します。
pkgadd のインストールオプションのメニューで heavy を選択し、すべてのパッケージをシステムに追加して AnswerBook2 カタログを更新します。
Sun Cluster 3.0 7/01 Collection (SUNWscfab) か Sun Cluster 3.0 7/01 Data Services Collection (SUNWscdab) を選択します。
各 CD-ROM の文書コレクションのパッケージには、文書サーバーのデータベースにコレクションを追加してサーバーを再起動するインストール後処理スクリプトが含まれています。これで文書サーバーを使用して Sun Cluster AnswerBook を表示できるようになります。
日本語版のマニュアルは CD-ROM には含まれていません。この節の説明は、CD-ROM に含まれている英語版の PDF ファイルを表示する場合にのみ適用されます。日本語版の PDF ファイルは、docs.sun.com の Web サイトからダウンロードできます。
Sun Cluster CD-ROM には Sun Cluster のマニュアルの PDF ファイルが含まれています (英語版のみ)。
Sun Cluster AnswerBook と同様に、6 つの PDF ファイルが Sun Cluster CD-ROM に、1 つの PDF ファイルが Agents CD-ROM に含まれています。PDF ファイルの名前は、マニュアル名の略語で示しています(表 1-3 を参照)。
PDF ファイルは、次の場所にあります。
Sun Cluster CD-ROM
./suncluster_3_0/SunCluster_3.0/Docs/locale/C/PDF
Agents CD-ROM
./scdataservices_3_0/components/ SunCluster_Data_Service_Answer_Book_3.0/Docs/locale/C/PDF
CD-ROM |
PDF の略語 |
マニュアルのタイトル |
---|---|---|
Sun Cluster |
CLUSTINSTALL | 『Sun Cluster 3.0 U1 Installation Guide』 |
CLUSTNETHW |
『Sun Cluster 3.0 U1 Hardware Guide』 |
|
CLUSTAPIPG |
『Sun Cluster 3.0 U1 Data Services Developers' Guide』 |
|
CLUSTSYSADMIN |
『Sun Cluster 3.0 U1 System Administration Guide』 |
|
CLUSTCONCEPTS |
『Sun Cluster 3.0 U1 Concepts』 |
|
CLUSTERRMSG |
『Sun Cluster 3.0 U1 Error Messages Guide』 |
|
Data Services |
CLUSTDATASVC |
『Sun Cluster 3.0 U1 Data Services Installation and Configuration Guide』 |
Sun Cluster 3.0 U1 のリリースには次の制限が適用されます。
Remote Shared Memory (RSM) トランスポートタイプ - これらのトランスポートタイプはマニュアルに記載されていますが、サポートされていません。
Scalable Coherent Interface (SCI) - トランスポートタイプ - これらのトランスポートタイプはマニュアルに記載されていますが、サポートされていません。
自動ディスクパス監視 - このディスクパス機能はサポートされていません。定足数デバイスの二重エラーや定足数デバイスへのパスの切断を防止するには、個々のディスクパスを手作業で監視する必要があります。モニターでは、アクティブなディスクパスの障害は検出できますが、非アクティブなディスクパスは検出できません。
格納装置に対し 2 つを超える物理パスを持つストレージデバイス - 2 つを超えるパスはサポートされません。ただし、Sun StorEdge A3500 は例外です。Sun StorEdge A3500 では、2 つのノードのそれぞれに対して 2 つのパスがサポートされます。
SunVTS - サポートされません。
フレームワークとデータサービスのアップグレード - アップグレードは、Sun Cluster メジャーリリース間でのみサポートされます。(アップデートリリース間ではサポートされません)。したがって、Sun Cluster 3.0 GA を Sun Cluster 3.0 U1 にアップグレードする自動的な手順はありません。手作業のアップグレード手順については、Sun Cluster 3.0 7/01 CD-ROM の /cdrom/suncluster_3_0u1/SunCluster_3.0/Tools/Upgrade/ にある UPGRADE_README ファイルを参照してください。
多重ホストのテープと CD-ROM - サポートされません。
ループバックファイルシステム - クラスタノードでのループバックファイルシステム (LOFS) の使用はサポートされません。
クラスタノードでのクライアントアプリケーションの実行 - サポートされません。リソースグループのスイッチオーバーやフェイルオーバーによって、TCP (telnet/rlogin) 接続が切断されることがあります。このスイッチオーバーやフェイルオーバーには、クラスタノードが開始した接続やクラスタ外のクライアントホストが開始した接続が含まれます。
クラスタノードでの高優先度プロセススケジューリングクラスの実行 - サポートされません。通常以上の優先度を持つタイムシェアリングスケジューリングクラスで動作するプロセスや、リアルタイムスケジューリングクラスで動作するプロセスをクラスタノードで実行しないでください。Sun Cluster 3.0 では、リアルタイムスケジューリングクラスを必要としないカーネルスレッドが使用されます。通常以上の優先度で動作するタイムシェアリングプロセスや、リアルタイムプロセスがあると、Sun Cluster カーネルスレッドが必要とする CPU サイクルがそれらのプロセスによって奪われることがあります。
ファイルシステムの割り当て - Sun Cluster 3.0 U1 ではサポートされません。
論理ネットワークインタフェース - Sun Cluster 3.0 U1 の使用に予約されています。
クラスタファイルシステムの制限事項
umount -f コマンドは、-f オプションのない umount と同じ結果になります。つまり、強制的なマウント解除はサポートされません。
unlink (1M) コマンドは、空でないディレクトリに対してはサポートされません。
lockfs -d コマンドはサポートされません。代わりに lockfs -nを使用してください。
Solaris のファイルシステムには、ファイルシステム名前空間に通信エンドポイントを指定する機能がありますが、クラスタファイルシステムではこの機能はサポートされません。したがって、名前がクラスタファイルシステムへのパス名となるような UNIX ドメインソケットは作成できません。fifo や名前付きパイプも作成できません。また、fattach を使用すべきではありません。
forcedirectio マウントオプションを使用してマウントされたファイルシステムから、バイナリを実行することはできません。
NAFO (ネットワークアダプタフェイルオーバー) の制限
すべてのパブリックネットワークアダプタは NAFO グループに属している必要があります。
各ノードでは、IP サブネットごとに 1 つの NAFO グループしか存在できません。Sun Cluster 3.0 では、同一サブネットに複数の IP アドレスが存在するような弱い形式でも IP ストライピングをサポートしません。
同一の NAFO グループ内で一時にアクティブになれるのは 1 つのアダプタだけです。
Sun Cluster 3.0 では、OpenBoot PROM の local-mac-address?=true 設定はサポートされません。
サービスとアプリケーションの制限
Sun Cluster 3.0 を利用して提供できるサービスは、Sun Cluster と共に提供されているデータサービスか、Sun Cluster データサービス API を使用して設定されたデータサービスだけです。
Sun Cluster 環境は sendmail(1M) サブシステムをサポートしないため、クラスタノードをメールサーバーに使用しないでください。メールディレクトリは、Sun Cluster 以外のノードに置く必要があります。
クラスタノードをルーター (ゲートウェイ) に構成しないでください。システムがダウンした際にクライアントが代替ルーターを探すことができず、回復できません。
クラスタノードを NIS や NIS+ のサーバーに構成しないでください。ただしクラスタノードを NIS や NIS+ のクライアントにすることは可能です。
Sun Cluster を高可用性起動の提供やクライアントシステムへのサービスのインストールを行うように構成しないでください。
Sun Cluster 3.0 を rarpd サービスを提供するように構成しないでください。
Sun Cluster 3.0 データサービス API がサポートするのは 32 ビットのデータサービスだけです。Sun Cluster データサービスに依存するアプリケーションは 64 ビットアプリケーションであっても構いませんが、そのアプリケーションをサポートするクラスタ側のデータサービスのメソッドやモニターは 32 ビットプログラムでなければなりません。
Sun Cluster 3.0 HA for NFS の制限
どのクラスタノードでも、別のノードから Sun Cluster HA for NFS のファイルシステムにアクセスするアプリケーションを実行しないでください。この種のファイルシステムのアクセスは、クラスタファイルシステム経由でのみ行ってください。NFS にエクスポートされたファイルシステムをクラスタノードから利用すると、予測できないロックが発生する可能性があります。
Sun Cluster HA for NFS ではすべての NFS クライアントがハードマウントされている必要があります。
Sun Cluster HA for NFS にはネットワークリソースのホスト名別名は使用しないでください。クラスタファイルシステムをマウントする NFS クライアントがホスト名別名を使用すると、statd のロック復旧問題が発生する可能性があります。
Sun Cluster 3.0 は Secure NFS や NFS での Kerberos の使用をサポートしません。具体的には、share_nfs(1M) サブシステムの secure と kerberos のオプションはサポートされません。
ボリューム管理ソフトウェアの制限
メディエータを使用した Solstice DiskSuite の構成では、1 つのディスクセットに構成するメディエータホストの数は、必ず 2 つでなければなりません。
DiskSuite Tool (metatool) は Sun Cluster 3.0 には対応していません。
Sun Cluster 3.0 ソフトウェアでは VxVM Dynamic Multipathing (DMP) はサポートされません。
ソフトウェア RAID 5 はサポートされません。
ハードウェアの制限
クラスタノードのペアには、少なくとも 2 つの多重ホストディスク記憶装置がなければなりません (Sun StorEdge A3x00 を使用するクラスタは例外)。
RAID 5 がサポートされるのは Sun StorEdge A3x00 のハードウェアだけです。
Alternate Pathing (AP) はサポートされません。
SunSolve OnlineSMWeb サイトには、サン製品のパッチやソフトウェア、ファームウェアに関する最新情報が常時掲載されています。サポートされているソフトウェアやファームウェアと各パッチのリビジョンについては、 http://sunsolve.sun.com の SunSolve Online Web サイトをご覧ください。
Sun Cluster 製品に必要なパッチを表示したりダウンロードするには、SunSolve アカウントの登録が必要です。アカウントがまだ登録されていない場合は、ご購入先に依頼するか、SunSolve Online Web サイトから登録してください。
Sun Cluster 3.0 のパッチ情報の検索には、SunSolve EarlyNotifier Service を使用します。EarlyNotifier の情報を表示するには、SunSolve にログインし、メインページ上部のメニューから「Simple Search」を選択します。次に「Simple Search」ページで「EarlyNotifier」ボックスをクリックし、検索条件ボックスに Sun Cluster 3.0 と入力します。これによって、Sun Cluster 3.0 用の EarlyNotifier ページが表示されます。
Sun Cluster 3.0 をインストールしたり、クラスタコンポーネント (Solaris オペレーティング環境、Sun Cluster ソフトウェア、ボリューム管理ソフトウェア、データサービスソフトウェア、ディスクハードウェア) にパッチを適用する前に、EarlyNotifier 情報と、パッチに付随する README ファイルをよく読んでください。クラスタが適切に動作するためには、すべてのクラスタノードが同じパッチレベルになっていなければなりません。
個々のパッチ手順や、パッチ管理のヒントについては、『Sun Cluster 3.0 U1 のシステム管理』を参照してください。
実行可能モジュール sapstart (OSS note 0396321 を参照) の最新パッチでは、いずれかのノードで SAP インスタンスがすでにアクティブになっていると、新しいインスタンスは起動されません。SAP インスタンスを二重に起動すると、すでにアクティブになっているインスタンスがクラッシュしてしまうため、このパッチは重要です。さらに、クラッシュにより、SAP 停止スクリプトで SAP インスタンスを正常に停止できなくなります。この場合には、データが損傷することがあります。
この問題を防止するためには、sapstart 実行モジュールの最新パッチをインストールし、アプリケーションサーバーおよびコアインスタンス用の SAP 起動ファイルに新しいパラメータを指定する必要があります。
たとえば以下のようにして、プロファイル START_DVEBMGS00 (コアインスタンス用のプロファイル) に新しい SAP パラメータ sapstart/lockfile を追加します。
sapstart/lockfile =/usr/sap/D01/DVEBMGS00/work/startup_lockfile |
新しいパラメータ名
コアインスタンスの作業ディレクトリ
Sun Cluster HA for SAP が使用するロックファイル名
クラスタファイルシステムにロックファイルのパスがあるかどうかを調べます。ロックファイルのパスが各ノードにある場合は、異なるノードから同じインスタンスが起動されても、それを防ぐことはできません。
ロックファイルを SAP プロファイルに指定するときに、ロックファイルを手作業で作成する必要はありません。ロックファイルは、Sun Cluster HA for SAP データサービスが自動的に作成します。
この構成で SAP インスタンスを起動すると、SAP ソフトウェアは startup_lockfile ファイルをロックします。SAP インスタンスを Sun Cluster 環境の外で起動し、それを Sun Cluster 環境に移行すると、Sun Cluster HA for SAP データサービスはそのインスタンスを起動しようとします。しかし、ファイルロック機能があるためにこの試みは失敗し、エラーメッセージが syslog に書き込まれます。
この節では、Sun Cluster 3.0 U1 構成で Sun Management Center 2.1.1 を Sun Management Center 3.0 にアップグレードする手順を説明します。
Sun Cluster 3.0 U1 構成で Sun Management Center 2.1.1 ソフトウェアを Sun Management Center 3.0 ソフトウェアにアップグレードする手順は次のとおりです。Sun Cluster 3.0 構成での手順については、『Sun Cluster 3.0 Release Notes Supplement』の「Sun Management Center 3.0」を参照してください。
次のものを用意します。
Sun Cluster 3.0 CD-ROM GA リリースか CD-ROM イメージへのパス。Sun Management Center ソフトウェアをアップグレードした後で、この CD-ROM を使用して Sun Cluster モジュールのパッケージをインストールし直す必要があります。
Sun Management Center 3.0 のマニュアル
Sun Management Center 3.0 と Sun Cluster モジュールのパッチ。パッチの入手方法とパッチのインストール手順については、「パッチとファームウェアレベル」を参照してください。
Sun Management Center プロセスが動作している場合は、プロセスを停止します。
Sun Management Center コンソールが動作している場合は、コンソールを終了します。
コンソールウィンドウのメニューバーから「File」、「Exit」の順に選択します。
個々の Sun Management Center エージェントマシン (クラスタノード) で Sun Management Center エージェントプロセスを停止します。
# /opt/SUNWsymon/sbin/es-stop -a |
Sun Management Center サーバーマシンで Sun Management Center サーバープロセスを停止します。
# /opt/SUNWsymon/sbin/es-stop -S |
スーパーユーザーで、表 1-4 に示す場所から Sun Cluster モジュールのパッケージを削除します。
すべての場所からすべての Sun Cluster モジュールのパッケージを削除する必要があります。そうしないと、パッケージの相互依存関係のために Sun Management Center ソフトウェアのアップグレードに失敗することがあります。これらのパッケージは、Sun Management Center ソフトウェアをアップグレードした後でインストールし直す必要があります。
# pkgrm module-package |
場所 |
削除するパッケージ |
---|---|
各クラスタノード |
SUNWscsam、SUNWscsal |
Sun Management Center コンソールマシン |
SUNWscscn |
Sun Management Center サーバーマシン |
SUNWscssv |
Sun Management Center ヘルプサーバーマシン |
SUNWscshl |
Sun Management Center ソフトウェアをアップグレードします。
Sun Management Center 3.0 のマニュアルに説明されているアップグレード手順に従ってください。
スーパーユーザーで、Sun Cluster モジュールのパッケージを表 1-5 に示す場所にインストールし直します。
Sun Management Center 3.0 では、ヘルプサーバーパッケージ SUNWscshl をヘルプサーバーマシンだけでなくコンソールマシンにもインストールします。クラスタノードのパッケージは、手順 6 でインストールします。
# cd /cdrom/suncluster_3_0/SunCluster_3.0/Packages # pkgadd module-package |
場所 |
インストールするパッケージ |
---|---|
Sun Management Center コンソールマシン |
SUNWscscn、SUNWscshl |
Sun Management Center サーバーマシン |
SUNWscssv |
Sun Management Center ヘルプサーバーマシン |
SUNWscshl |
Sun Cluster モジュールのパッチと Sun Management Center のパッチをクラスタの各ノードに適用します。
Sun Cluster モジュールのパッチにより、Sun Cluster 3.0 U1 バージョンの SUNWscsam と SUNWscsal パッケージがインストールされます。
関係するすべてのマシンで Sun Management Center エージェント、サーバー、コンソールの各プロセスを再起動します。
『Sun Cluster 3.0 U1 ソフトウェアのインストール』の「Sun Management Center ソフトウェアを起動する」の手順を参照してください。
Sun Cluster モジュールを読み込みます。
『Sun Cluster 3.0 U1 ソフトウェアのインストール』の「Sun Cluster モジュールを読み込む」の手順を参照してください。
Sun Cluster モジュールがすでに読み込まれている場合は、これをいったん読み込み解除してから再び読み込み、サーバーにキャッシュされているすべてのアラーム定義を消去する必要があります。モジュールを読み込み解除するには、コンソールの「Details」ウィンドウから「Module」、「Unload Module」の順に選択します。
この節では、クラスタの管理に使用する手順の変更内容について説明します。
Sun Management Center 用の Sun Cluster 3.0 U1 パッチは、Sun Management Center バージョン 2.1.1 と 3.0 用の Sun Cluster モジュールに適用されます。このパッチには、Sun Cluster モジュールのコンソールに対する次の変更が含まれています。
Sun Cluster モジュールコンソールの任意の場所から、リソースまたはリソースグループを作成する構成ツールにアクセスする - これにより、Sun Cluster モジュール階層 (ツリー) 表示やトポロジ表示から、このツールを使用できます。このツールを使用するには、「Sun Cluster operating sysytem」 をダブルクリックし、「Resource Groups」または「Resource Groups」サブツリー内の任意の項目を右ボタンでクリックします。そして、ポップアップメニューから「Create New Resource Group」または「Create New Resource」を選択します。
この構成ツールには、「Failover Resource Groups」ウィンドウや「Scalable Resource Groups」ウィンドウからアクセスすることもできます。これらのウィンドウからツールを使用する場合は、階層表示かトポロジ表示から「Sun Cluster operating system」を選択し、「Resource Groups」と「Status」を順にダブルクリックします。次に、どのタイプのリソースを変更するかによって「Failover Resource Groups」または「Scalable Resource Groups」を選択します。マウスポインタを「Resource Group Status」または「Resource Status」テーブルの任意のセルエントリ (ヘッダー行を除く) の上に置き、右ボタンをクリックします。そして、ポップアップメニューから「Create New Resource Group」 または 「Create New Resource」を選択します。
2 つの新しい場所に表示されたステータスまたは状態を編集する (リソースまたはリソースグループを削除する) - 「Failover Resource Groups」または「Scalable Resource Groups」ステータステーブルにあるステータスまたは状態を編集する (リソースまたはリソースグループを削除する) ことができます。階層 (ツリー) 表示またはトポロジ表示からこれらのテーブルにアクセスするには、「Sun Cluster operating system」を選択してから「Resource Groups」と「Status」を順にダブルクリックします。次に、どのタイプのリソースを変更するかによって「Failover Resource Groups」または「Scalable Resource Groups」を選択します。「Resource Group Status」または「Resource Status」テーブルから、編集または削除するリソースやリソースグループを選択 (強調表示) します。特定のリソースやリソースグループの「状態」を変更する場合は、そのリソースやリソースグループの行から状態セルを選択します。最後に、右ボタンをクリックし、ポップアップメニューから、行う作業を選択します。
ステータスを編集したり、リソースやリソースグループを削除すると、Sun Cluster モジュールによって「Probe Viewer」ウィンドウが表示されます。指定した作業が正しく行われると、このウィンドウに「Probe command returned no data. (検証コマンドから返されたデータはありません。)」というメッセージが表示されます。
Sun Management Center の詳細は、Sun Management Center のマニュアルと、関連するオンラインヘルプを参照してください。
Sun Cluster 3.0 U1 リリースの動作に影響する問題には次のものがあります。最新情報については、docs.sun.com の Web サイトから『Sun Cluster 3.0 U1 Release Notes Supplement』を参照してください。
問題の概要: Solstice Disksuite ソフトウェアをインストールした後、Solstice Disksuite のデバイスリンクを広域名前空間に表示させるには scgdevs(1M) コマンドを実行する必要がある。
回避方法: scgdevs コマンドを手作業で実行して Solstice Disksuite デバイスのノードが作成されたことを確認します。
問題の概要: SharedAddress リソースを含むリソースグループに Sun Cluster HA for NFS のリソースを作成できない。Sun Cluster ソフトウェアでは、このデータサービスで SharedAddress リソースの使用をサポートされない。
回避方法: フェイルオーバーリソースグループに必要な論理ホスト名リソースを追加します。
この手順を行うには LogicalHostname リソースを設定する必要があります。Sun Cluster HA for NFS と一緒に使用するホスト名には SharedAddress リソースは使えません。
# scrgadm -a -L -g resource-group-name -l hostname,... |
論理ホスト名リソースを置くフェイルオーバーリソースグループを指定します。
追加するネットワークリソース (論理ホスト名) を指定します。
問題の概要: scinstall ユーティリティを使用すると /global ディレクトリ名を広域デバイスファイルシステムに指定できる。しかし、広域デバイスファイルシステムのマウントポイントが /global/.devices/node@nodeid のために、この仕様は実際には使用できない。
回避方法: 広域デバイスファイルシステムのディレクトリ名として、/globaldevice を使用してノードを再インストールします。
推奨はできませんが、/etc/vfstab ファイルのエントリを修正してクラスタを再起動し、scgdevs コマンドを実行して回避することも可能です。各 /etc/vfstab ファイルの /global/.devices/node@nodeid の各エントリに、広域マウントのオプションセットがあるかどうかを確認してください。
問題の概要:
nodeA# scshutdown -g0 -y scshutdown: Unmount of /dev/md/sc/dsk/d30 failed: Device busy. scshutdown: Could not unmount all PxFS filesystems. |
Oracle をインストールすると、Networker パッケージがバンドルされてインストールされる。そのため、nsrmmd デーモンが起動して /global/oracle ディレクトリにマウントを行い、すべてのクラスタファイルシステムをマウント解除できなくなる。
nodeA# umount /global/oracle umount: global/oracle busy nodeA# fuser -c /global/oracle /global/oracle: 335co 317co 302co 273co 272co nodeA# ps -ef|grep 335 root 335 273 0 17:17:41 ? 0:00 /usr/sbin/nsrmmd -n 1 root 448 397 0 17:19:37 console 0:00 grep 335 |
この問題は Sun Cluster を停止するときに、nsrmmd プロセスがまだ参照しているクラスタファイルシステムをマウント解除しようとする際に発生する。
回避方法: 各ノードで fuser(1M) コマンドを実行し、マウント解除できないクラスタファイルシステムを使用しているすべてのプロセスのリストを作成します。scshutdown(1M) コマンドが最初に起動して失敗したことにより、Resource Group Manager のリソースが再起動されていないことを確認します。プロセスをすべて kill -9 コマンドで終了します。この削除リストには、Resource Group Manager の管理下にあるプロセスを含めてはなりません。これらのプロセスをすべて終了させてから scshutdown コマンドを再実行すると、停止動作は正常に実行されて終了します。
問題の概要: 管理しているリソースグループの Nodelist プロパティをシステム管理者が編集する際に、ノードリストに追加されたすべてのノードで、Resource Group Manager はリソースグループに属する Init_nodes=RG_PRIMARIES プロパティを持つすべてのリソースに INIT メソッドを実行する必要がある。ノードリストから削除されたすべてのノードでは、Resource Group Manager は同様にリソースに FINI メソッドを実行する必要がある。また同様に、リソースタイプの Installed_nodes プロパティを編集する際には、管理しているリソースグループに属し、Init_nodes=RT_installed_nodes プロパティを持つこのタイプのすべてのリソースに対して、INIT または FINI のメソッドを実行する必要がある。
現在のところ、Resource Group Manager は、これらの更新を行う際に INIT や FINI のメソッドを実行しない。その結果、これらノードのリソースが正常に初期化またはクリーンアップされない可能性がある。
回避方法: 対象となるリソースグループに scswitch コマンドを使用していったん管理を解除してから、再管理を行います。この処理では、管理者はリソースグループをオフラインにしなければなりません。この代わりに、グループ内で起こるリソースタイプに関する INIT や FINI の操作がマニュアルに記載されている場合は、管理者はその操作を手作業で実行することもできます (リソースグループの管理を解除する必要はありません)。
グループ内のリソースに INIT メソッドや FINI メソッドを持つものがない場合は、この回避策は不要です。Sun が提供するリソースタイプで INIT メソッドと FINI メソッドを使用するのは以下に限られます。
SUNW.SharedAddress (共有アドレスリソースタイプ)
SUNW.apache (Apache Web Server) がスケーラブルモードで構成されている場合
SUNW.iws (iPlanet/Netscape Web Server) がスケーラブルモードで構成されている場合
すべてのスケーラブルなサービスは、明示的に宣言していなくても、暗黙的に INIT メソッドと FINI メソッドを利用しています。
問題の概要: 最初にデバイスグループをオフラインにしないと、Solstice DiskSuite ディスクセットから最後のノードを削除できない。
回避方法: ディスクセットから最後のノードを削除するには、まずデバイスグループをオフラインにします。最後のノードを削除するには、削除するノードから、次の 2 つのコマンドをスーパーユーザーで実行します。
# /usr/cluster/bin/scswitch -m -D disksetname # metaset -s disksetname -d -h nodename |
問題の概要: 次の操作を行った場合に発生する問題。
複数の Sun Cluster HA for NFS リソースをクラスタに構成する。
ある HA-NFS リソースの有効/無効を切り替えて、同一ノードの他のリソースをオンラインのままにしておく。
次の警告メッセージが HA-NFS 障害モニターに表示されることがある。
clnt_tp_create_timed of program statd failed:RPC:Program not registered |
回避方法: この警告メッセージは無視して構いません。
問題の概要: FC-AL SBus Card (FC100/S) と Sun Quad FastEthernet 2.0 (SQFE/S) を同じ SBus に設置すると QFE カードが突然リセットする。
回避方法: クラスタノードの構成で、FC-AL SBus Card (FC100/S) と Sun Quad FastEthernet 2.0 (SQFE/S) を同じ SBus 上に設置しないでください。
問題の概要: リソースグループの Nodelist プロパティはリソースグループをマスターできるノードのリストで、もっとも優先されるノードが最初に表示される順序になっている。Resource Group Manager は、常に利用可能な中でもっとも優先されるノードのリソースグループのホストになるようになっている。しかし、管理者がクラスタを (すべてのノードを 1 回で再起動することで) 再起動すると、管理されているリソースグループのマスターがもっとも優先されるノード以外のノードになることがある。この問題はクラスタ全体を 1 回で再起動する場合にのみ起こる。
回避方法: クラスタを再起動した後で、scswitch コマンドを使用してリソースグループを目的のノードに切り替えます。クラスタが稼働している限り、Nodelist の優先順位は自動的に切り替わります。
問題の概要: pnmstat のメッセージに、サポートされていないオプションが表示される。
回避方法: pnmstat のマニュアルページで、サポートされているオプションを調べてください。
問題の概要: Wait_for_online 拡張プロパティに TRUE を設定すると、Sun Cluster HA for Sybase ASE で、コアダンプなどいくつかの問題が発生する。
回避方法: Wait_for_online 拡張プロパティには、デフォルト値として FALSE を常に設定してください。
問題の概要: Oracle をインストールするには、SUNWarc、SUNWbtool、SUNWhea、SUNWlibm、SUNWlibms、SUNWsprot、SUNWtoo という Solaris パッケージが必要。SunPlex Manager で Oracle データサービスのインストールを行う場合には、これらのパッケージが存在していなければならない。
回避方法: Oracle のマニュアルに従ってこれらのパッケージを手作業でインストールしてください。
問題の概要: SunPlex Manager で Oracle をインストールすると、クラスタノードの tnsnames.ora が構成されない。
Workaround: クラスタノードを Oracle データベースのクライアントとして使用する場合は、適切な tnsnames.ora ファイルを手作業で更新する必要があります。
問題の概要: クラスタノードのホスト名にマルチホームのものがあると (そのホストに複数の IP アドレスが割り当てられていると)、SunPlex Manager が正しく動作しない。ただし、データサービスに対してマルチホーム論理アドレスを問題なく使用できる。
回避方法: /opt/SUNWscvw/conf/httpd.conf ファイルの BindAddress 行をコメントにしてから、 /etc/init.d/initspm start を実行してサーバーを起動してください。
問題の概要: クラスタノードの最初の起動時に、次のメッセージが表示されることがある。
cl_runtime: WARNING: Major number for driver (did) does not match the one on other nodes. Confirm that the /etc/name_to_major files are in sync on all cluster nodes |
回避方法: 適切なパッチがあるかどうかを、ご購入先にお問い合わせください。
問題の概要: Netra マシンで Sun Cluster 2.2 を 3.0 にアップグレードする場合は、アップグレードの最初のフェーズで scinstall (1M) の -O オプションを使用する必要がある。使用しないと、Netra ハードウェアプラットフォームが認識されないためにアップグレードが異常終了することがある。
回避方法: アップグレードの最初のフェーズで scinstall (1M) の -O オプションを使用してください。このオプションによって、ハードウェアの検査が無効になります。
問題の概要: ポートリストに 3 つ以上のポートが指定されているときに scds_free_netaddr_list を呼び出すと、コアダンプが生成される。
回避方法: ポートリストに 3 つ以上のポートが指定されている場合は、scds_get_netaddr_list で割り当てられたメモリーを scds_free_netaddr_list で解放しないでください。このメモリーは、プロセスの終了時に自動的に再割り当てされます。
この節では、SunPlex についての注意事項について説明します。
SunPlex Manager では、セキュリティを高めるために文字セットを制限することができます。この文字セットに属していない文字は、HTML フォームが SunPlex Manager サーバーに送信されたときに無視されます。SunPlex Manager では、次の文字を使用できます。
()+,-./0-9:=@A-Z^_a-z{|}‾ |
このフィルタ機能によって、以下の問題が生じる可能性があります。
iPlanet サービスに対するパスワード入力。パスワードに無効な文字が含まれていると、このような文字は取り除かれます。そのため、パスワードが 8 文字未満になり、拒否されるか、ユーザーの意図とは異なるパスワードがアプリケーションに設定されます。
ローカライズ。アクセント文字やアジア各国の文字などの文字セットを入力できなくなります。
SunPlex Manager のオンラインヘルプにある注は正確ではありません。この注は Oracle データサービスのインストール手順に記載されています。以下に訂正内容を示します。
(誤)
Note: If no entries exist for the shmsys and semsys variables in the /etc/system file when SunPlex Manager packages are installed, default values for these variables are automatically put in the /etc/system file. The system must then be rebooted. Check Oracle installation documentation to verify that these values are appropriate for your database.
(注: SunPlex Manager パッケージをインストールするときに shmsys および semsys 変数が /etc/system ファイルに指定されていない場合は、これらの変数のデフォルト値が /etc/system ファイルに自動的に指定されます。この場合には、システムを再起動する必要があります。使用するデータベースにとってデフォルト値が適切であるかどうかを、Oracle のインストールマニュアルで確認してください。)
(正)
Note: If no entries exist for the shmsys and semsys variables in the /etc/system file when you install the Oracle data service, default values for these variables can be automatically put in the /etc/system file. The system must then be rebooted. Check Oracle installation documentation to verify that these values are appropriate for your database.
(注: Oracle データサービスをインストールするときに shmsys および semsys 変数が /etc/system ファイルに指定されていない場合は、これらの変数のデフォルト値を /etc/system ファイルに自動的に指定することができます。この場合には、システムを再起動する必要があります。使用するデータベースにとってデフォルト値が適切であるかどうかを、Oracle のインストールマニュアルで確認してください。)