xfnts_start メソッドは、xfnts.c で定義されている svc_start メソッドを呼び出して、xfs デーモンを起動します。ここでは、svc_start について説明します。
以下に、xfs デーモンを起動するためのコマンドを示します。
xfs -config config_directory/fontserver.cfg -port port_number |
Confdir_list 拡張プロパティには config_directory を指定します。一方、Port_list システムプロパティには port_number を指定します。クラスタ管理者はデータサービスを構成するときに、これらのプロパティの値を指定します。
次に示すように、xfnts_start メソッドはこれらのプロパティを文字列配列として宣言し、scds_get_ext_confdir_list(3HA) と scds_get_port_list(3HA) 関数を使用して、管理者が設定した値を取得します。
scha_str_array_t *confdirs; scds_port_list_t *portlist; scha_err_t err; /* Confdir_list プロパティから構成ディレクトリを取得する。 */ confdirs = scds_get_ext_confdir_list(scds_handle); (void) sprintf(xfnts_conf, "%s/fontserver.cfg", confdirs->str_array[0]); /* Port_list プロパティから XFS が使用するポートを取得する。 */ err = scds_get_port_list(scds_handle, &portlist); if (err != SCHA_ERR_NOERR) { scds_syslog(LOG_ERR, "Could not access property Port_list."); return (1); }
confdirs 変数は配列の最初の要素 (0) を指していることに注意してください。
次に示すように、xfnts_start メソッドは sprintf を使用して、xfs 用のコマンド行を形成します。
/* xfs デーモンを起動するコマンドを構築する。 */ (void) sprintf(cmd, "/usr/openwin/bin/xfs -config %s -port %d 2>/dev/null", xfnts_conf, portlist->ports[0].port);
出力が dev/null にリダイレクトされていることに注意してください。こうすることによって、デーモンが生成するメッセージが抑制されます。
次に示すように、xfnts_start メソッドは xfs コマンド行を scds_pmf_start に渡して、PMF の制御下でデータサービスを起動します。
scds_syslog(LOG_INFO, "Issuing a start request."); err = scds_pmf_start(scds_handle, SCDS_PMF_TYPE_SVC, SCDS_PMF_SINGLE_INSTANCE, cmd, -1); if (err == SCHA_ERR_NOERR) { scds_syslog(LOG_INFO, "Start command completed successfully."); } else { scds_syslog(LOG_ERR, "Failed to start HA-XFS "); }
scds_pmf_start を呼び出すときは、次のことに注意してください。
SCDS_PMF_TYPE_SVC パラメータには、データサービスアプリケーションとして起動するプログラムを指定します。このメソッドは他のタイプのアプリケーション (障害モニターなど) も起動できます。
SCDS_PMF_SINGLE_INSTANCE パラメータには、これが単一インスタンスのリソースであることを指定します。
cmd パラメータは、すでに生成されているコマンド行を示します。
最後のパラメータである -1 には、子プロセスの監視レベルを指定します。-1 は、PMF がすべての子プロセスを親プロセスと同様に監視することを示します。
次に示すように、svc_pmf_start は portlist 構造体に割り当てられているメモリーを解放してから戻ります。
scds_free_port_list(portlist); return (err); |