Sun Cluster 3.0 12/01 ソフトウェアのインストール

ソフトウェアのインストール

次の表は、ソフトウェアのインストール時に実行する作業を示しています。

表 2-1 作業マップ: ソフトウェアのインストール

作業 

参照箇所 

クラスタ構成のレイアウトを計画し、ソフトウェアをインストールするための準備を行う 

「クラスタソフトウェアのインストールの準備をする」

(任意) 管理コンソールに Cluster Control Panel (CCP) ソフトウェアをインストールする

「CCP ソフトウェアを管理コンソールにインストールする」

新しいクラスタノードを確立するために、Solaris オペレーティング環境と Sun Cluster ソフトウェアをインストールする。以下の 3 つの方法のどれか 1 つを選択してください。 

 

  • 方法 1 - (新規クラスタまたは追加ノード) Solaris ソフトウェアをインストールしてから、scinstall ユーティリティーを使用して Sun Cluster ソフトウェアをインストールする

「Solaris ソフトウェアをインストールする」

「最初のクラスタノードに Sun Cluster ソフトウェアをインストールする (scinstall)」

「Sun Cluster ソフトウェアを追加のクラスタノードにインストールする (scinstall)」

  • 方法 2 - (新規クラスタのみ) Solaris ソフトウェアをインストールする。続いて SunPlexTM Manager をインストールし、SunPlex Manager を使用して Sun Cluster ソフトウェアをインストールする

「Solaris ソフトウェアをインストールする」

「SunPlex Manager による Sun Cluster ソフトウェアのインストール」

  • 方法 3 - (新規クラスタまたは追加ノード) scinstall のカスタム JumpStart オプションを使用し、Solaris ソフトウェアと Sun Cluster ソフトウェアを 1 回の操作でインストールする

「Solaris と Sun Cluster ソフトウェアをインストールする (JumpStart)」

ネームサービスの参照順序を構成する 

「ネームサービススイッチを構成する」

ディレクトリパスを設定する 

「root 環境を設定する」

データサービスソフトウェアパッケージをインストールします。 

「データサービスソフトウェアパッケージをインストールする」

インストール後設定を行い、定足数投票を割り当てます。 

「インストール後設定を行う」

ボリューム管理ソフトウェアのインストールと構成 

 

  • Solstice DiskSuite ソフトウェアのインストールと構成を行う

「Solstice DiskSuite ソフトウェアのインストールと構成」

Solstice DiskSuite のマニュアル 

  • VERITAS Volume Manager ソフトウェアのインストールと構成を行う

「VxVM ソフトウェアのインストールと構成」

VERITAS Volume Manager (VxVM) のマニュアル 

クラスタを構成する 

「クラスタの構成」

クラスタソフトウェアのインストールの準備をする

ソフトウェアのインストールを開始する前に、以下の準備作業を行ってください。

  1. クラスタ構成の計画およびインストール方法を検討する上で参考となる情報を参照します。

    • Sun Cluster 3.0 12/01 ご使用にあたって』 - 制限事項やバグ対策などの最新情報

    • Sun Cluster 3.0 12/01 Release Notes Supplement』 - リリース後に追加された制限事項、バグ対策、新機能などの最新情報。この文書は、定期的に更新されて以下の Web サイトに公開されます (英語) 。

      http://docs.sun.com

    • Sun Cluster 3.0 12/01 の概念』- Sun Cluster 製品の概要

    • Sun Cluster 3.0 12/01 ソフトウェアのインストール』(このマニュアル) - Solaris、Sun Cluster、ボリューム管理ソフトウェアのインストールと構成を行うためのガイドラインと作業手順

    • Sun Cluster 3.0 12/01 データサービスのインストールと構成』- データサービスのインストールと構成を行うためのガイドラインと作業手順

    • 使用するソフトウェアのマニュアル (サン以外の製品も含む)

  2. 関連文書 (サン以外の製品の文書も含む) をすべて用意します。

    クラスタのインストールを行う場合に参考となる製品ドキュメントの一部を以下に示します。

    • Solaris ソフトウェア

    • Solstice DiskSuite ソフトウェア

    • VERITAS Volume Manager

    • Sun Management Center

    • サン以外のアプリケーション (ORACLE など)

  3. クラスタ構成の計画を立てます。


    注意 - 注意 -

    Solaris と Sun Cluster ソフトウェアのインストールを開始するに、クラスタのインストールを綿密に計画し、データサービスや他の製品 (サン以外のものも含む) すべてについての必要条件を認識しておく必要があります。 計画に不備があった場合、インストールエラーが発生し、Solaris や Sun Cluster ソフトウェアを完全にインストールし直す必要が生じる可能性もあります。たとえば、Oracle Parallel Server/Real Application Clusters の Oracle Parallel Fail Safe/Real Application Clusters Guard オプションには、クラスタ内で使用するホスト名に対して特別な必要条件があります。このような特別な必要条件は Sun Cluster HA for SAP にもあります。Sun Cluster ソフトウェアをインストールした後にホスト名は変更できないため、このような必要条件は Sun Cluster ソフトウェアをインストールする前に調整しておく必要があります。


    • 第 1 章「Sun Cluster 構成の計画」および『Sun Cluster 3.0 12/01 データサービスのインストールと構成』に示されているガイドラインを利用し、クラスタのインストールと構成の方法を決定してください。

    • Sun Cluster 3.0 12/01 ご使用にあたって』のクラスタフレームワークのワークシートとデータサービス構成のワークシートに必要事項を記入してください。完成したワークシートは、インストールと構成の作業を行う際に参考情報として利用します。

  4. クラスタ構成に必要なパッチをすべて入手します。

    パッチの入手方法とインストール方法については、『Sun Cluster 3.0 12/01 ご使用にあたって』を参照してください。

  5. 管理コンソールからクラスタノードへの接続を行うために Cluster Control Panel (CCP) ソフトウェアを使用するかどうかを決定します。

CCP ソフトウェアを管理コンソールにインストールする

この手順では、管理コンソールに Cluster Control Panel (CCP) ソフトウェアをインストールする方法を説明します。CCP により、cconsole(1M)、ctelnet(1M)、crlogin(1M) の各ツールを起動できます。これらの各ツールは、一連のノードとの多重ウィンドウ接続に加え、すべてのノードに入力を一括送信する共通ウィンドウも備えています。

管理コンソールとしては、Solaris 8 オペレーティング環境が動作する任意のデスクトップマシンを使用できます。また、管理コンソールは、Sun Management Center コンソール/サーバーとしても、AnswerBook サーバーとしても使用できます。Sun Management Center ソフトウェアをインストールする方法については、Sun Management Center のマニュアルを参照してください。AnswerBook サーバーをインストールする方法については、『Sun Cluster 3.0 12/01 ご使用にあたって』を参照してください。


注 -

管理コンソールの使用は必須ではありません。管理コンソールを使用しない場合は、クラスタ内の特定のノードから管理作業を行います。


  1. 管理コンソールに Solaris 8 オペレーティング環境と Solaris パッチがインストールされていることを確認します。

    すべてのプラットフォームにおいて、少なくとも End User System Support ソフトウェアグループでインストールされた Solaris 8 が必要です。

  2. CD-ROM からインストールする場合は、管理コンソール用のマシンの CD-ROM ドライブに Sun Cluster 3.0 12.01 CD-ROM を挿入します。

    ボリューム管理デーモン vold(1M) が実行されており、CD-ROM デバイスを管理するように構成されている場合は、CD-ROM は自動的に /cdrom/suncluster_3_0_u2 ディレクトリにマウントされます。

  3. /cdrom/suncluster_3_0_u2/SunCluster_3.0/Packages ディレクトリに移動します。


    # cd /cdrom/suncluster_3_0_u2/SunCluster_3.0/Packages
    

  4. SUNWccon パッケージをインストールします。


    # pkgadd -d . SUNWccon
    

  5. (省略可能) SUNWscman パッケージをインストールします。


    # pkgadd -d . SUNWscman
    

    管理コンソールに SUNWscman パッケージをインストールすることで、クラスタノードに Sun Cluster ソフトウェアをインストールする前に、管理コンソールから Sun Cluster のマニュアルページを参照できるようになります。

  6. CD-ROM からインストールした場合は、CD-ROM を取り出します。

  7. /etc/clusters ファイルを作成します。

    クラスタ名と、各クラスタノードの物理ノード名をファイルに追加します。


    # vi /etc/clusters
    clustername node1 node2
    

    詳細については、/opt/SUNWcluster/bin/clusters(4) のマニュアルページを参照してください。

  8. /etc/serialports ファイルを作成します。

    このファイルに、クラスタ内の各ノード用のエントリを追加します。物理ノード名、コンソールアクセスデバイス (端末集配信装置 (TC)、システムサービスプロセッサ (SSP)、 Sun Fire システムコントローラなど) のホスト名、ポート番号を指定します。

    • Sun Fire 15K システムコントローラには、各エントリのシリアルポート番号に telnet(1) ポート番号 23 を使用します。

    • その他すべてのコンソールアクセスデバイスには、telnet (1) シリアルポート番号 (物理ポート番号ではない) を使用します。telnet シリアルポート番号は、物理ポート番号に 5000 を加えた値です。たとえば、物理ポート番号が 6 の場合、telnet シリアルポート番号は 5006 になります。

    • Sun Enterprise E10000 サーバーの詳細と注意事項については、/opt/SUNWcluster/bin/serialports(4) のマニュアルページを参照してください。


    # vi /etc/serialports
    node1 ca-dev-hostname port
    node2 ca-dev-hostname port
    
    node1、 node2

    クラスタノードの物理名

    ca-dev-hostname

    コンソールアクセスデバイスのホスト名

    port

    シリアルポート番号

  9. 利便性を考慮し、 管理コンソールにおいて、/opt/SUNWcluster/bin ディレクトリを PATH 環境変数に、/opt/SUNWcluster/man ディレクトリを MANPATH 環境変数にそれぞれ追加します。

    SUNWscman パッケージをインストールした場合は、/usr/cluster/man ディレクトリも MANPATH に追加します。

  10. CCP ユーティリティーを起動します。


    # /opt/SUNWcluster/bin/ccp clustername
    

    CCP を使用する方法については、『Sun Cluster 3.0 12/01 のシステム管理』の「Sun Cluster に遠隔ログインする」の手順と、/opt/SUNWcluster/bin/ccp(1M) のマニュアルページを参照してください。

  11. Solaris オペレーティング環境をインストールします。

Solaris ソフトウェアをインストールする

ソフトウェアのインストールにカスタム JumpStart インストール手法である scinstall(1M) を使用しない場合は、以下の手順に従ってクラスタ内の各ノードに Solaris オペレーティング環境をインストールしてください。


注 -

ノードにすでに Solaris オペレーティング環境がインストールされている場合でも、Sun Cluster ソフトウェアを確実にインストールするためには、以下の方法で Solaris ソフトウェアを再度インストールする必要があります。


  1. Solaris ソフトウェアをインストールする前に、ハードウェアの設定が完了していることと、接続が正しいことを確認します。

    詳細については、『Sun Cluster 3.0 12/01 Hardware Guide』およびサーバーと記憶装置のマニュアルを参照してください。

  2. クラスタ構成の計画が完了したことを確認します。

    必要条件とガイドラインについては、「クラスタソフトウェアのインストールの準備をする」を参照してください。

  3. 『Sun Cluster 3.0 12/01 ご使用にあたって』の「ローカルファイルシステム配置のワークシート」に必要事項を記入したものを用意します。

  4. ネームサービスを使用しているかどうかを確認します。

    • 使用していない場合は、手順 5 に進みます。手順 15 でローカルホスト名の情報を設定します。

    • 使用している場合は、すべてのパブリックホスト名および論理アドレスの「アドレスと名前のマッピング」を、クライアントがクラスタサービスにアクセスするために使用するネームサービス (NIS、NIS+、DNS など) に追加してください。計画のガイドラインについては、「IP アドレス」を参照してください。Solaris のネームサービスの使用方法については、Solaris システム管理者向けのドキュメントを参照してください。

  5. クラスタ管理コンソールを使用している場合は、クラスタ内の各ノードにコンソール画面を表示します。

    管理コンソールに対して Cluster Control Panel (CCP) のインストールと構成がすでに行われている場合は、cconsole(1M) ユーティリティーを使用して個々のコンソール画面を表示できます。CCP には、個々のコンソールウィンドウすべてに入力情報を同時に送信できるマスターウィンドウもあります。

    CCP を使用しない場合は、各ノードのコンソールに個々に接続してください。


    ヒント -

    時間を節約するために、各ノードに Solaris オペレーティング環境を同時にインストールできます。


  6. クラスタの各ノードで、local-mac-address 変数が false に正しく設定されていることを確認します。

    Sun Cluster ソフトウェアは、local-mac-address 変数の値として true をサポートしません。

    1. local-mac-address 変数の値を表示します。

      • ノードに Solaris ソフトウェアがあらかじめインストールされている場合は、スーパーユーザーで次のコマンドを実行します。


         # /usr/sbin/eeprom local-mac-address?
        

      • ノードに Solaris ソフトウェアがまだインストールされていない場合は、ok プロンプトから次のコマンドを実行します。


        ok printenv local-mac-address?
        

    2. local-mac-address?=falseと表示されるかどうかを確認します。

      • この値が表示される場合は、変数は正しく設定されています。手順 7 に進みます。

      • この値が表示されない場合は、次のいずれかの方法で false に設定されていないノードの設定を変更してください。

        • ノードに Solaris ソフトウェアがあらかじめインストールされている場合は、スーパーユーザーで次のコマンドを実行します。


           # /usr/sbin/eeprom local-mac-address?=false
          

        • ノードに Solaris ソフトウェアがまだインストールされていない場合は、ok プロンプトから次のコマンドを実行します。


          ok setenv local-mac-address? false
          

    3. 上記の手順 a を繰り返し、手順 b で加えた変更を確認します。

      新しい設定は、次にシステムを再起動したときに有効になります。

  7. Solaris のインストールマニュアルの指示に従って、Solaris オペレーティング環境をインストールします。


    注 -

    同一クラスタ内のノードはすべて、同じバージョンの Solaris オペレーティング環境である必要があります。


    Solaris オペレーティング環境の一般的なインストール方法で、クラスタ環境にインストールする新しいノードにソフトウェアをインストールできます。これらの方法には、Solaris 対話式インストールプログラム、Solaris JumpStart、Solaris Web Start などがあります。

    Solaris ソフトウェアをインストールする間に以下の作業を行います。

    1. 少なくとも「エンドユーザーシステムサポート」ソフトウェアグループをインストールします。

      Solaris ソフトウェアの必要条件の詳細については 「Solaris ソフトウェアグループについて」を参照してください。

      インターコネクトトランスポート用に RSMAPI (Remote Shared Memory Application Programming Interface) または SCI-PCI を使用する場合、 RSMAPI の必須ソフトウェアパッケージ (SUNWrsmSUNWrsmxSUNWrsmoSUNWrsmox) はより高いレベルのソフトウェアグループに含まれています。「エンドユーザーシステムサポート」ソフトウェアグループをインストールする場合は、手順 12 において、SUNWrsm* パッケージを Solaris CD-ROM から手動でインストールする必要があります。

    2. ファイルシステムを設定するために「Manual Layout」を選択します。

      • 広域デバイスサブシステムで使用できるように、100M バイト以上のファイルシステムを作成してください。SunPlex Manager を使用して Sun Cluster ソフトウェアをインストールする場合は、マウントポイントを /globaldevices に設定してファイルシステムを作成する必要があります。このマウントポイントは、scinstall が使用するデフォルトです。


        注 -

        Sun Cluster ソフトウェアをインストールするためには、広域デバイスファイルシステムを用意する必要があります。


      • SunPlex Manager を使用して Sun Cluster ソフトウェアをインストールする一方で Solstice DiskSuite もインストールする場合は、マウントポイントに /sds を指定してスライス 7 に 10M バイト以上のファイルシステムを作成してください。あるいは、「システムディスクパーティション」で説明している方法でボリューム管理ソフトウェアのサポートに必要なファイルシステムパーティションを作成してください。

    3. 「auto reboot」を選択します。


      注 -

      Sun Cluster ソフトウェアをインストールするためには、広域デバイスファイルシステムを用意する必要があります。


    4. 管理を容易にするため、各ノードに同じ root パスワードを設定します。

    5. 省電力自動停止機能を有効にするかどうかの問い合わせには、「no」と入力します。

      Sun Cluster 構成では自動停止機能を無効にする必要があります。詳細については、pmconfig(1M) および power.conf(4) のマニュアルページを参照してください。


    注 -

    Solaris のインタフェースグループ機能は、Solaris ソフトウェアのインストール中にデフォルトで無効に設定されます。インタフェースグループは Sun Cluster 構成ではサポートされていないため、有効にしないでください。Solaris インタフェースグループの詳細については、ifconfig(1M) のマニュアルページを参照してください。


  8. 既存のクラスタに新しいノードをインストールするかどうかを決定します。

    • インストールする場合は、手順 9 に進みます。

    • インストールしない場合は、手順 12 に進みます。

  9. クラスタの認証ノードリストにこの新しいノードをすでに追加しているかどうかを確認します。

    • 追加している場合は、手順 10 に進みます。

    • まだ追加してない場合は、別のアクティブクラスタノードから scsetup(1M) を実行して認証クラスタノードのリストにこの新しいノードの名前を追加してください。手順については、『Sun Cluster 3.0 12/01 のシステム管理』の「クラスタノードを認証ノードリストに追加する」を参照してください。

  10. 新しいノード上で、クラスタ内の各クラスタファイルシステムのマウントポイントを作成します。

    1. クラスタ内の別のアクティブノードから、すべてのクラスタファイルシステムの名前を表示します。


      % mount | grep global | egrep -v node@ | awk `{print $1}'
      

    2. 新しいノード上で、クラスタ内のクラスタファイルシステムごとにマウントポイントを作成します。


      % mkdir -p mountpoint
      

      たとえば、mount コマンドで表示されるファイルシステム名が /global/dg-schost-1 の場合は、クラスタに追加する新しいノードで mkdir -p /global/dg-schost-1 を実行します。

  11. VERITAS Volume Manager (VxVM) が、クラスタ内にあるノードにすでにインストールされているかどうかを確認します。

    • インストールされている場合は、当該ノード上の /etc/name_to_major ファイルに、vxio ドライバの値を 210 に設定するエントリを追加します。


      # vi /etc/name_to_major
      vxio 210

    • インストールされていない場合は、手順 12 に進みます。

  12. インターコネクトトランスポート用に RSMAPI または SCI-PCI アダプタを使用するかどうかを決定します。

    • どちらかを使用する予定であり、「エンドユーザーシステムサポート」ソフトウェアグループをインストールしている場合は、SUNWrsm* パッケージを Solaris CD-ROM からインストールします。


      # pkgadd -d . SUNWrsm SUNWrsmx SUNWrsmo SUNWrsmox
      

    • どちらも使用する予定でない場合、あるいは、より高いレベルのソフトウェアグループをインストールしている場合は、手順 13 に進みます。

  13. Solaris 用のソフトウェアパッチをインストールします。

    パッチの入手方法とインストール方法については、『Sun Cluster 3.0 12/01 ご使用にあたって』を参照してください。必要に応じて、/etc/release ファイルを参照し、ノードにインストールされている Solaris ソフトウェアの正確なバージョンを確認してください。

  14. ハードウェア関連のパッチをインストールし、ハードウェアパッチに含まれるファームウェアの中から必要なものをダウンロードします。

    パッチの入手方法とインストール方法については、『Sun Cluster 3.0 12/01 ご使用にあたって』を参照してください。

  15. クラスタのすべてのパブリックホスト名と論理アドレスを使用し、各ノード上の /etc/inet/hosts ファイルを更新します。

    この作業は、ネームサービスを使用しているかどうかにかかわらず実行してください。

  16. 動的再構成 (DR) を使用するかどうかを決定します。


    注 -

    クラスタ構成で動的再構成を使用するには、Sun Cluster で動的再構成を使用するようにサーバーがサポートされている必要があります。


    • 使用する場合は、各ノード上にある /etc/system ファイルに次のエントリを追加します。


      set kernel_cage_enable=1

      このエントリは、次回にシステムを再起動したときに有効になります。動的再構成の詳細については、サーバーのマニュアルを参照してください。

    • 使用しない場合は、手順 17 に進みます。

  17. クラスタノードに、Sun Cluster ソフトウェアをインストールします。

最初のクラスタノードに Sun Cluster ソフトウェアをインストールする (scinstall)

Solaris オペレーティング環境をインストールした後で、クラスタのいずれかのノード上で次の作業を行うと、Sun Cluster ソフトウェアがインストールされて、新しいクラスタが確立されます。


注 -

scinstall(1M) カスタム JumpStart または SunPlex Manager でソフトウェアをインストールした場合は、Sun Cluster ソフトウェアは既にインストールされています。「ネームサービススイッチを構成する」に進みます。


  1. Solaris オペレーティング環境が Sun Cluster ソフトウェアをサポートするようにインストールされていることを確認します。

    Solaris ソフトウェアのインストールは、 「Solaris ソフトウェアをインストールする」で説明されているとおりに行う必要があります。Solaris ソフトウェアがすでにノード上にインストールされている場合でも、 Sun Cluster ソフトウェアの必要条件、またはクラスタにインストールする予定である他のソフトウェアの必要条件に適合していない場合は、Solaris をインストールし直す必要があります。

  2. 『Sun Cluster 3.0 12/01 ご使用にあたって』の以下の構成計画ワークシートに必要事項を記入したものを用意します。

    • 「クラスタとノード名のワークシート」

    • 「クラスタインターコネクトのワークシート」

    計画のガイドラインについては、「Sun Cluster 環境の計画」を参照してください。

  3. インストールするクラスタノードでスーパーユーザーになります。

  4. CD-ROM からインストールする場合は、インストールと構成を行うノードの CD-ROM ドライブに Sun Cluster 3.0 12/01 CD-ROM を挿入します。

    ボリューム管理デーモン vold(1M) が実行されており、CD-ROM デバイスを管理するように構成されている場合は、CD-ROM は自動的に /cdrom/suncluster_3_0_u2 ディレクトリにマウントされます。

  5. インターコネクトトランスポート用に RSMAPI または SCI-PCI アダプタを使用するかどうかを決定します。

    • 使用しない場合は、手順 6 に進みます。

    • 使用する場合は、Sun Cluster 3.0 12/01 CD-ROM の Packages ディレクトリから追加のパッケージをインストールします。これらのパッケージは、 scinstall(1M) によっては自動的にインストールされません。


      # cd /cdrom/suncluster_3_0_u2/SunCluster_3.0/Packages
      # pkgadd -d . packages
      

      次の表に、RSMAPI または SCI-PCI アダプタをサポートするために必要な Sun Cluster 3.0 パッケージと、インストールする順番を示します。

      表 2-2 RSMAPI と SCI-PCI アダプタをサポートするための Sun Cluster 3.0 パッケージ

      機能 

      インストールする追加の Sun Cluster 3.0 パッケージ  

      RSMAPI 

      SUNWscrif

      SCI-PCI アダプタ 

      SUNWsci SUNWscid SUNWscidx

  6. /cdrom/suncluster_3_0_u2/SunCluster_3.0/Tools ディレクトリに移動します。


    # cd /cdrom/suncluster_3_0_u2/SunCluster_3.0/Tools
    

  7. scinstall(1M) ユーティリティーを起動します。


    # ./scinstall
    

    プロンプトに従い、構成計画ワークシートの情報を参照して Sun Cluster ソフトウェアをインストールします。

    対話形式の scinstall ユーティリティーを使用するときは、次のガイドラインに従ってください。

    • 対話形式の scinstall では先打ち入力が可能です。したがって、次のメニュー画面がすぐに表示されなくても、何度も Return キーを押さないでください。

    • 特に指定がない場合は、Control-D キーを押すと、関連のある一連の質問の最初か、またはメインメニューに戻ります。 Sun Cluster ソフトウェアをインストールした後に、Control-D キーを押してセッションを中断しようとすると、これらのパッケージのインストールを解除するかどうかたずねられます。

    • セッションでの入力内容は、そのメニューオプションを次回実行したときのデフォルトとして格納されます。プロンプトの最後に、角括弧 ([ ]) に囲まれてデフォルトの回答が表示されます。


    ヒント -

    ノードがクラスタモードで正常に起動するまでは、scinstall を再度実行し、必要に応じて構成情報を変更できます。ただし、不正なノード構成データが、クラスタに設定されてしまった場合は、最初にその不正な情報を削除しておく必要があります。不正な情報を削除するには、アクティブなクラスタノードの 1 つにログオンし、scsetup(1M) コマンドを使用して、不正なアダプタ、接続点、またはケーブル情報を削除します。


  8. 「Main Menu」で、1 (Establish a new cluster) と入力します。

    「Establishing a New Cluster」画面の情報を確認し、yes と入力して次の画面に進みます。


     *** Main Menu ***
     
        Please select from one of the following (*) options:
     
          * 1) Establish a new cluster using this machine as the first node
          * 2) Add this machine as a node in an established cluster
            3) Configure a cluster to be JumpStarted from this install server
            4) Add support for new data services to this cluster node
            5) Print release information for this cluster node
     
          * ?) Help with menu options
          * q) Quit
     
        Option:1
     
     *** Establishing a New Cluster ***
    ...
     Do you want to continue (yes/no) [yes]? yes
    

  9. Sun Cluster ソフトウェアパッケージのインストールを継続するかどうかをたずねられるので、yes と入力します。


    >>> Software Package Installation <<<
      
        Installation of the Sun Cluster framework software packages will 
        take a few minutes to complete.
      
        Is it okay to continue (yes/no) [yes]?  yes
      
    ** Installing SunCluster 3.0 **
            SUNWscr.....done
    ...
    Hit ENTER to continue:

    すべてのパッケージをインストールしたら、Return キーを押して次の画面に進みます。

  10. クラスタ名を指定します。


    >>> Cluster Name <<<
    ...
        What is the name of the cluster you want to establish?clustername 
    

  11. インストール検査を行います。


    >>> Check <<<
     
        This step runs sccheck(1M) to verify that certain basic hardware and
        software pre-configuration requirements have been met. If sccheck(1M)
        detects potential problems with configuring this machine as a cluster
        node, a list of warnings is printed.
     
    Hit ENTER to continue:

    sccheck コマンドが何らかの問題を検出した場合は、その問題についての情報が表示され、どのような対処方法を行うかたずねられます。


    The sccheck utility has detected the following potential problems:
    ...  
    Hit ENTER to continue:
    ...
     What would you like to do?
      
            1) Proceed with the installation anyway
            2) Retry sccheck
            q) Return to the main menu
      
        Option:

    この sccheck エラーメッセージに対し、次のいずれかを入力します。

    • sccheck のメッセージを無視しても安全だということがわかっている場合 (たとえば、危険のないエラーメッセージが発生することが『 Sun Cluster 3.0 12/01 ご使用にあたって』の記述でわかっている場合など) 、1 を入力してインストールを継続します。

    • scinstall ユーティリティーを終了しなくても問題を修正できる場合、問題を修正した後、2 を入力してもう一度 sccheck を実行します。

    • q を入力してインストールを中止します。sccheck が検出した問題を修正した後、手順 7 に戻って scinstall を再起動します。

  12. このクラスタの一部となる他のノードの名前を指定します。


    >>> Cluster Nodes <<<
    ...
        Node name:node2
        Node name (Ctrl-D to finish):<Control-D>
     
        This is the complete list of nodes:
    ...
        Is it correct (yes/no) [yes]?

  13. データ暗号化規格 (DES) 認証を使用するかどうかを指定します。

    デフォルトでは、Sun Cluster ソフトウェアを使用してノードをクラスタに接続できるのは、ノードが物理的にプライベートインターコネクトに接続されていて、かつ上記の手順 d の方法でノード名が指定されている場合だけです。しかし、プライベートインターコネクトはまだ完全に構成されていないため、実際にはノードはパブリックネットワークを介してスポンサーノードと通信します。DES 認証を使用すると、スポンサーノードは、クラスタ構成を更新するために接続を試みるノードを確実に認証できます。このため、インストール時のセキュリティレベルが高くなります。

    セキュリティを高めるために DES 認証を使用する場合は、ノードをクラスタに追加する前に、必要な暗号化鍵をすべて構成する必要があります。詳細については、keyserv(1M) および publickey(4) のマニュアルページを参照してください。


    >>> Authenticating Requests to Add Nodes <<<
    ...
        Do you need to use DES authentication (yes/no) [no]?

  14. プライベートネットワークアドレスとネットマスクを指定します。


    >>> Network Address for the Cluster Transport <<<
    ...
        Is it okay to accept the default network address (yes/no) [yes]?
        Is it okay to accept the default netmask (yes/no) [yes]?


    注 -

    クラスタが正しく構成されたあとでは、プライベートネットワークアドレスは変更できません。


  15. クラスタがトランスポート接続点を使用するかどうかを指定します。

    • 2 ノードクラスタである場合は、クラスタがトランスポート接続点を使用するかどうかを指定します。


      >>> Point-to-Point Cables <<<
       ...
          Does this two-node cluster use transport junctions (yes/no) [yes]?


      ヒント -

      ノードが互いに直結されているかどうかにかかわらず、クラスタがトランスポート接続点を使用するように指定できます。クラスタがトランスポート接続点を使用するように指定すると、クラスタに新しいノードを簡単に追加できるようになります。


    • このクラスタに 3 つ以上のノードがある場合、トランスポート接続点を使用する必要があります。Return キーを押して、次の画面に進みます。


      >>> Point-to-Point Cables <<<
       ...
          Since this is not a two-node cluster, you will be asked to configure
          two transport junctions.
          
      Hit ENTER to continue:

  16. このクラスタがトランスポート接続点を使用するかどうかを決定します。

    • 使用する場合は、トランスポート接続点の名前を指定します。この場合、デフォルトの名前 switchN を使用することも、独自の名前を作成することもできます。


      >>> Cluster Transport Junctions <<<
       ...
          What is the name of the first junction in the cluster [switch1]?
          What is the name of the second junction in the cluster [switch2]?

    • 使用しない場合は、手順 17 に進みます。

  17. 1 番目のクラスタインターコネクトトランスポートアダプタを指定します。

    help と入力すると、ノードで利用可能なすべてのトランスポートアダプタの一覧が表示されます。


    >>> Cluster Transport Adapters and Cables <<<
    ...
        What is the name of the first cluster transport adapter (help) [adapter]?

  18. クラスタがトランスポート接続点を使用する場合は、1 番目のトランスポート接続点の名前とそのポートを指定します。

    使用しない場合は、手順 19 に進みます。


        Name of the junction to which "adapter" is connected [switch1]?
        Use the default port name for the "adapter" connection (yes/no) [yes]?
     
    Hit ENTER to continue:


    注 -

    SCI アダプタを使用する構成の場合は、アダプタ接続 (ポート名) をたずねられたときに、デフォルトを受け入れてはなりません。その代わりに、Dolphin スイッチ自身上で見つかった、ノードが物理的に (ケーブルで) 接続されているポート名 (0123 のいずれか) を指定します。デフォルトのポート名を拒否して、Dolphin スイッチのポート名 0 を指定する質問と応答の例を次に示します。



        Use the default port name for the "adapter" connection (yes/no) [yes]? no
        What is the name of the port you want to use? 0
    
  19. 2 番目のクラスタインターコネクトトランスポートアダプタを選択します。

    help と入力すると、ノードで利用可能なすべてのトランスポートアダプタの一覧が表示されます。


        What is the name of the second cluster transport adapter (help) [adapter]?

    scinstall コマンドを使用し、アダプタを 2 つまで構成できます。Sun Cluster ソフトウェアのインストール後は、scsetup ユーティリティーを使用してアダプタを追加構成できます。

  20. クラスタがトランスポート接続点を使用する場合は、2 番目のトランスポート接続点の名前とそのポートを指定します。

    使用しない場合は、手順 21 に進みます。


        Name of the junction to which "adapter" is connected [switch2]?
        Use the default port name for the "adapter" connection (yes/no) [yes]?
     
    Hit ENTER to continue:


    注 -

    SCI アダプタを使用する構成の場合は、アダプタポート名をたずねられたときに、デフォルトを受け入れてはなりません。その代わりに、Dolphin スイッチ自身上で見つかった、ノードが物理的に (ケーブルで) 接続されているポート名 (0123 のいずれか) を指定します。デフォルトのポート名を拒否して、Dolphin スイッチのポート名 0 を指定する質問と応答の例を次に示します。



        Use the default port name for the "adapter" connection (yes/no) [yes]? no
        What is the name of the port you want to use? 0
    
  21. 広域デバイスのファイルシステム名を指定します。


    >>> Global Devices File System <<<
    ...
        The default is to use /globaldevices.
     
        Is it okay to use this default (yes/no) [yes]?

  22. インストールの必要がある Sun Cluster ソフトウェアパッチがあるかどうかを確認します。


    >>> Automatic Reboot <<<
    ...
        Do you want scinstall to reboot for you (yes/no) [yes]?

    • インストールする場合は、「Automatic Reboot」画面で「no」と入力して自動再起動を行わないようにします。

    • インストールしない場合は、「yes」と入力して自動再起動を行います。

  23. 起動された scinstall コマンドを使用するかどうかを決定します。

    scinstall コマンドにより確認が求められます。


    >>> Confirmation <<<
     
        Your responses indicate the following options to scinstall:
     
          scinstall -ik  ¥
    ...
        Are these the options you want to use (yes/no) [yes]?
        Do you want to continue with the install (yes/no) [yes]?

    • コマンドを使用してインストールを続行する場合は、scinstall の処理が継続されます。「例 - 最初のノードに Sun Cluster ソフトウェアをインストールする」に、scinstall の処理中に表示される出力例を示します。

      Sun Cluster インストールの出力は /var/cluster/logs/install/scinstall.log. pid ファイルに記録されます (pidscinstall インスタンスのプロセス ID 番号)。


      注 -

      独自の /etc/inet/ntp.conf ファイルをインストールしていないかぎり、scinstall コマンドによりデフォルトの ntp.conf ファイルがインストールされます。このデフォルトファイルは、出荷時には ノードの最大可能個数を参照する状態になっているため、起動時に xntpd(1M) で一部の参照に関してエラーメッセージが表示される場合があります。これらのメッセージは無視しても問題ありません。通常のクラスタ条件下で、これらのメッセージを表示しないようにする方法については、「Network Time Protocol (NTP) を更新する」を参照してください。


    • コマンドを拒否した場合は、 Sun Cluster ソフトウェアのインストールを解除するかどうかたずねられます。


          Do you want to de-install the Sun Cluster software (yes/no) [no]?

      scinstall が Main Menu に戻った後は、もう一度メニューオプション 1 を実行して異なる応答を指定できます。この場合、以前のセッションの応答がデフォルトとして表示されます。

  24. Sun Cluster ソフトウェア用のパッチをインストールします。

    パッチの入手方法とインストール方法については、『Sun Cluster 3.0 12/01 ご使用にあたって』を参照してください。

  25. ノードを再起動してクラスタを確立します。

    手順 24 でパッチをインストールした後にノードを再起動している場合は、もう一度ノードを再起動する必要はありません。

    Sun Cluster ソフトウェアのインストール後にノードを初めて再起動すると、クラスタが構成されるとともに、クラスタの最初のインストールノードとしてこのノードが確立されます。

  26. 追加のノードをクラスタにインストールします。

    「Sun Cluster ソフトウェアを追加のクラスタノードにインストールする (scinstall)」に進みます。

例 - 最初のノードに Sun Cluster ソフトウェアをインストールする

次に、ノード phys-schost-1 (クラスタに最初にインストールするノード) で scinstall コマンドを実行し、インストール作業が完了するまでに表示される進行状況メッセージの例を示します。このクラスタは 4 つのノードを持ち、Ethernet アダプタとトランスポート接続点を使用します。


>>> Confirmation <<<
  
    Your responses indicate the following options to scinstall:
  
      scinstall -ik ¥
           -C sc-cluster ¥
           -F ¥
           -T node=phys-schost-1,node=phys-schost-2,node=phys-schost-3,node=phys
-schost-4,authtype=sys ¥
           -A trtype=dlpi,name=hme1 -A trtype=dlpi,name=hme3 ¥
           -B type=switch,name=switch1 -B type=switch,name=switch2 ¥
           -m endpoint=:hme1,endpoint=switch1 ¥
           -m endpoint=:hme3,endpoint=switch2
  
    Are these the options you want to use (yes/no) [yes]?
  
    Do you want to continue with the install (yes/no) [yes]?
  
Checking device to use for global devices file system ... done
  
Initializing cluster name to "sc-cluster" ... done
Initializing authentication options ... done
Initializing configuration for adapter "hme1" ... done
Initializing configuration for adapter "hme3" ... done
Initializing configuration for junction "switch1" ... done
Initializing configuration for junction "switch2" ... done
Initializing configuration for cable ... done
Initializing configuration for cable ... done
  
  
Setting the node ID for "phys-schost-1" ... done (id=1)
  
Checking for global devices global file system ... done
Updating vfstab ... done
  
Verifying that NTP is configured ... done
Installing a default NTP configuration ... done
Please complete the NTP configuration after scinstall has finished.
  
Verifying that "cluster" is set for "hosts" in nsswitch.conf ... done
Adding the "cluster" switch to "hosts" in nsswitch.conf ... done
  
Verifying that "cluster" is set for "netmasks" in nsswitch.conf ... done
Adding the "cluster" switch to "netmasks" in nsswitch.conf ... done
  
Verifying that power management is NOT configured ... done
Unconfiguring power management ... done
/etc/power.conf has been renamed to /etc/power.conf.061401232831
Power management is incompatible with the HA goals of the cluster.
Please do not attempt to re-configure power management.
  
Ensure network routing is disabled ... done
Network routing has been disabled on this node by creating /etc/notrouter.
Having a cluster node act as a router is not supported by Sun Cluster.
Please do not re-enable network routing.
  
Log file - /var/cluster/logs/install/scinstall.log.10559
  
  
Rebooting ...

Sun Cluster ソフトウェアを追加のクラスタノードにインストールする (scinstall)

最初のインストールノードに Sun Cluster ソフトウェアをインストールして、クラスタを確立した後は、クラスタにインストールする追加のノードごとに次の作業を行います。また、既存のクラスタに新しいノードを追加するためにも利用できます。


注 -

scinstall(1M) カスタム JumpStart または SunPlex Manager でソフトウェアをインストールした場合は、Sun Cluster ソフトウェアは既にインストールされています。「ネームサービススイッチを構成する」に進みます。


  1. 最初のインストールノードに Sun Cluster ソフトウェアが正常にインストールされており、クラスタが確立されていることを確認します。

    クラスタを確立するためのインストール手順については、「最初のクラスタノードに Sun Cluster ソフトウェアをインストールする (scinstall)」を参照してください。

  2. 完全にインストールされている既存のクラスタに新しいノードを追加する場合は、次の作業を実行していることを確認します。

    1. クラスタが新しいノードを受け入れるための準備

      Sun Cluster 3.0 12/01 のシステム管理』の手順「クラスタノードを認証ノードリストに追加する」にある指示に従います。

    2. 新しいノードへの Solaris ソフトウェアのインストール

      「Solaris ソフトウェアをインストールする」の指示に従います。 この作業は、Solaris オペレーティング環境がすでに新しいノードにインストールされていても必ず行う必要があります。

  3. 『Sun Cluster 3.0 ご使用にあたって』の以下の構成計画ワークシートに必要事項を記入したものを用意します。

    • 「クラスタとノード名のワークシート」

    • 「クラスタインターコネクトのワークシート」

    計画のガイドラインについては、「Sun Cluster 環境の計画」を参照してください。

  4. インストールするクラスタノードでスーパーユーザーになります。

  5. CD-ROM からインストールする場合は、インストールと構成を行うノードの CD-ROM ドライブに Sun Cluster 3.0 12/01 CD-ROM を挿入します。

    ボリューム管理デーモン vold(1M) が実行されており、CD-ROM デバイスを管理するように構成されている場合は、CD-ROM は自動的に /cdrom/suncluster_3_0_u2 ディレクトリにマウントされます。

  6. インターコネクトトランスポート用に RSMAPI または SCI-PCI アダプタを使用するかどうかを決定します。

    • 使用しない場合は、手順 7 に進みます。

    • 使用する場合は、Sun Cluster 3.0 12/01 CD-ROM の Packages ディレクトリから追加のパッケージをインストールします。これらのパッケージは、scinstall(1M) によっては自動的にインストールされません。


      # cd /cdrom/suncluster_3_0_u2/SunCluster_3.0/Packages
      # pkgadd -d . packages
      

      次の表に、RSMAPI または SCI-PCI アダプタをサポートするために必要な Sun Cluster 3.0 パッケージと、インストールする順番を示します。

      表 2-3 RSMAPI と SCI-PCI アダプタをサポートするための Sun Cluster 3.0 パッケージ

      機能 

      インストールする追加の Sun Cluster 3.0 パッケージ  

      RSMAPI 

      SUNWscrif

      SCI-PCI アダプタ 

      SUNWsci SUNWscid SUNWscidx

  7. /cdrom/suncluster_3_0_u2/SunCluster_3.0/Tools ディレクトリに移動します。


    # cd /cdrom/suncluster_3_0_u2/SunCluster_3.0/Tools
    

  8. scinstall ユーティリティーを起動します。


    # ./scinstall
    

    この手順は、最初のインストールノード上でソフトウェアのインストールがまだ進行している間でも開始できます。2 つめのノードは、必要に応じて最初のノードのインストールが完了するのを待ちます。


    注意 - 注意 -

    他のノードをインストールしている間は、(別のノードをスポンサーノードとして使用している場合でも) 最初のインストールノードの再起動や停止を行わないでください。クラスタノードに定足数投票 (quorum vote) が割り当てられてクラスタインストールモードが無効になるまでは、クラスタを設定した最初のインストールノードにしか定足数投票はありません。このため、最初のインストールノードの再起動や停止を行うと、定足数が失われてシステムパニックが発生します。


  9. 「Main Menu」で、2 (Add this machine as a node) と入力します。

    「Establishing a New Cluster」画面の情報を確認し、yes と入力して次の画面に進みます。


     *** Main Menu ***
     
        Please select from one of the following (*) options:
     
          * 1) Establish a new cluster using this machine as the first node
          * 2) Add this machine as a node in an established cluster
            3) Configure a cluster to be JumpStarted from this install server
            4) Add support for new data services to this cluster node
            5) Print release information for this cluster node
     
          * ?) Help with menu options
          * q) Quit
     
        Option:2
     
      *** Adding a Node to an Established Cluster ***
    ...
        Do you want to continue (yes/no) [yes]? yes
    

  10. Sun Cluster ソフトウェアパッケージのインストールを継続するかどうかたずねられるので、yes と入力します。


    >>> Software Installation <<<
      
        Installation of the Sun Cluster framework software packages will only
        take a few minutes to complete.
      
        Is it okay to continue (yes/no) [yes]? yes
      
    ** Installing SunCluster 3.0 **
            SUNWscr.....done
    ...
    Hit ENTER to continue:

    すべてのパッケージをインストールしたら、Return キーを押して次の画面に進みます。

  11. スポンサーノードとなる既存のクラスタノードの名前を指定します。


    >>> Sponsoring Node <<<
    ...
        What is the name of the sponsoring node?node1
    

  12. クラスタ名を指定します。


    >>> Cluster Name <<<
    ...
        What is the name of the cluster you want to join?clustername
    

  13. インストール検査を行います。


    >>> Check <<<
     
        This step runs sccheck(1M) to verify that certain basic hardware and
        software pre-configuration requirements have been met. If sccheck(1M)
        detects potential problems with configuring this machine as a cluster
        node, a list of warnings is printed.
     
    Hit ENTER to continue:

    sccheck コマンドが何らかの問題を検出した場合は、その問題についての情報が表示され、どのような対処方法を行うかたずねられます。


    The sccheck utility has detected the following potential problems:
    ...  
    Hit ENTER to continue:
    ...
     What would you like to do?
      
            1) Proceed with the installation anyway
            2) Retry sccheck
            q) Return to the main menu
      
        Option:

    この sccheck エラーメッセージに対し、次のいずれかを入力します。

    • sccheck のメッセージを無視しても安全だということがわかっている場合 (たとえば、危険のないエラーメッセージが発生することが『 Sun Cluster 3.0 12/01 ご使用にあたって』 の記述でわかっている場合など)、1 を入力してインストールを継続します。

    • scinstall ユーティリティーを終了しなくても問題を修正できる場合、問題を修正した後、2 を入力してもう一度 sccheck を実行します。

    • q を入力してインストールを中止します。sccheck が検出した問題を修正した後、手順 8 に戻って scinstall を再起動します。

  14. 自動検出を使用してクラスタトランスポートを構成するかどうかを指定します。

    Ethernet アダプタを使用しない構成の場合は、no と答えて 手順 16 に進みます。


    >>> Autodiscovery of Cluster Transport <<<
      
        If you are using ethernet adapters as your cluster transport
        adapters, autodiscovery is the best method for configuring the
        cluster transport.
      
        Do you want to use autodiscovery (yes/no) [yes]?
    ...
        The following connections were discovered:
      
            node1:adapter switch node2:adapter 
            node1:adapter switch node2:adapter 
      
        Is it okay to add these connections to the configuration (yes/no) [yes]?

  15. 手順 14 で自動検出を使用したかどうかを確認します。

    • 使用した場合は、手順 23 に進みます。

    • 使用していない場合は、手順 16 に進みます。

  16. 2 ノードクラスタであるかどうかを指定します。


    >>> Point-to-Point Cables <<<
    ...
        Is this a two-node cluster (yes/no) [yes]?

  17. 2 ノードクラスタであると指定したかどうかを確認します。

    • 指定した場合は、クラスタがトランスポート接続点を使用するかどうかを指定します。


          Does this two-node cluster use transport junctions (yes/no) [yes]?

    • 指定していない場合は、Return キーを押して継続します。クラスタに 3 つ以上のノードが含まれる場合は、トランスポート接続点を使用する必要があります。


          Since this is not a two-node cluster, you will be asked to configure
          two transport junctions.
        
      Hit ENTER to continue:

  18. クラスタがトランスポート接続点を使用すると指定したかどうかを確認します。

    • 指定した場合は、トランスポート接続点を指定します。


      >>> Cluster Transport Junctions <<<
      ...
          What is the name of the first junction in the cluster [switch1]?
          What is the name of the second junction in the cluster [switch2]?

    • 指定していない場合は、手順 19 に進みます。

  19. 最初のクラスタインターコネクトトランスポートアダプタを指定します。

    help と入力すると、ノードで利用可能なすべてのトランスポートアダプタの一覧が表示されます。


    >>> Cluster Transport Adapters and Cables <<<
    ...
        What is the name of the first cluster transport adapter (help)?adapter
    

  20. 最初のトランスポートアダプタの接続先を指定します。

    • トランスポートアダプタがトランスポート接続点を使用する場合は、トランスポート接続点の名前とそのポートを指定します。


          Name of the junction to which "adapter" is connected [switch1]?
      ...
          Use the default port name for the "adapter" connection (yes/no) [yes]?

    • トランスポートアダプタがトランスポート接続点を使用しない場合は、接続されている他のトランスポートアダプタの名前を指定します。


          Name of adapter on "node1" to which "adapter" is connected?adapter
      
  21. 2 番目のクラスタインターコネクトトランスポートアダプタを指定します。

    help と入力すると、ノードで利用可能なすべてのトランスポートアダプタの一覧が表示されます。


        What is the name of the second cluster transport adapter (help)?adapter
    

  22. 2 番目のトランスポートアダプタの接続先を指定します。

    • トランスポートアダプタがトランスポート接続点を使用する場合は、トランスポート接続点の名前とそのポートを指定します。


          Name of the junction to which "adapter" is connected [switch2]?
          Use the default port name for the "adapter" connection (yes/no) [yes]?
       
      Hit ENTER to continue:

    • トランスポートアダプタがトランスポート接続点を使用しない場合は、接続されている他のトランスポートアダプタの名前を指定します。


          Name of adapter on "node1" to which "adapter" is connected?adapter
      

  23. 広域デバイスのファイルシステム名を指定します。


    >>> Global Devices File System <<<
    ...
        The default is to use /globaldevices.
     
        Is it okay to use this default (yes/no) [yes]?

  24. インストールの必要がある Sun Cluster ソフトウェアパッチがあるかどうかを確認します。


    >>> Automatic Reboot <<<
    ...
        Do you want scinstall to reboot for you (yes/no) [yes]?

    • インストールする場合は、「Automatic Reboot」画面で「no」と入力して自動再起動を行わないようにします。

    • インストールしない場合は、「yes」と入力して自動再起動を行います。

  25. 起動された scinstall コマンドを使用するかどうかを決定します。

    scinstall コマンドにより確認が求められます。


    >>> Confirmation <<<
     
        Your responses indicate the following options to scinstall:
     
          scinstall -i  ¥
    ...
        Are these the options you want to use (yes/no) [yes]?
        Do you want to continue with the install (yes/no) [yes]?

    • コマンドを使用してインストールを続行する場合は、scinstall の処理が継続されます。「例 - 最初のノードに Sun Cluster ソフトウェアをインストールする」 に、scinstall 処理中に表示される出力例を示します。クラスタ内でスポンサーノードがまだ確立されていない場合、scinstall はスポンサーノードが利用できるようになるのを待ちます。

      Sun Cluster インストールの出力は /var/cluster/logs/install/scinstall.log.pid ファイルに記録されます (pidscinstall インスタンスのプロセス ID 番号)。


      注 -

      独自の /etc/inet/ntp.conf ファイルをインストールしていないかぎり、scinstall コマンドによりデフォルトの ntp.conf ファイルがインストールされます。このデフォルトファイルは、出荷時には 8 個のノードを参照する状態になっているため、起動時に xntpd(1M) デーモンで一部の参照についてエラーメッセージが表示される場合があります。これらのメッセージは無視しても問題ありません。通常のクラスタ条件下で、これらのメッセージを表示しないようにする方法については、「Network Time Protocol (NTP) を更新する」を参照してください。


    • コマンドを拒否した場合は、 Sun Cluster ソフトウェアのインストールを解除するかどうかたずねられます。


          Do you want to de-install the Sun Cluster software (yes/no) [no]?

      scinstall が Main Menu に戻った後は、もう一度メニューオプション 2 を実行して異なる応答を指定できます。この場合、以前のセッションの応答がデフォルトとして表示されます。

  26. Sun Cluster ソフトウェア用のパッチをインストールします。

    パッチの入手方法とインストール方法については、『Sun Cluster 3.0 12/01 ご使用にあたって』を参照してください。

  27. ノードを再起動してクラスタを確立します。

    手順 26 でパッチをインストールした後にノードを再起動している場合は、もう一度ノードを再起動する必要はありません。


    注意 - 注意 -

    他のノードをインストールしている間は、(別のノードをスポンサーノードとして使用している場合でも) 最初のインストールノードの再起動や停止を行わないでください。クラスタノードに定足数投票 (quorum vote) が割り当てられてクラスタインストールモードが無効になるまでは、クラスタを設定した最初のインストールノードにしか定足数投票はありません。このため、最初のインストールノードの再起動や停止を行うと、定足数が失われてシステムパニックが発生します。クラスタノードは、「インストール後設定を行う」の手順で scsetup(1M) コマンドを最初に実行するまでは、インストールモードのままです。


  28. すべてのノードが完全に構成されるまで、各追加ノードに対してこの手順を繰り返します。

    追加ノードへのインストールを開始する際に、2 番目のノードのインストールが完了するのを待ってこのノードを再起動する必要はありません。

  29. ネームサービスの参照順序を設定します。

    「ネームサービススイッチを構成する」に進みます。

例 - Sun Cluster ソフトウェアを 2 番目のノードにインストールする

次に、ノード phys-schost-2 (クラスタに 2 番目にインストールするノード) で scinstall コマンドを実行し、インストール作業が完了するまでに表示される進行状況メッセージの例を示します。


>>> Confirmation <<<
  
    Your responses indicate the following options to scinstall:
  
      scinstall -ik ¥
           -C sc-cluster ¥
           -N phys-schost-1 ¥
           -A trtype=dlpi,name=hme1 -A trtype=dlpi,name=hme3 ¥
           -B type=switch,name=switch1 -B type=switch,name=switch2 ¥
           -m endpoint=:hme1,endpoint=switch1 ¥
           -m endpoint=:hme3,endpoint=switch2
  
    Are these the options you want to use (yes/no) [yes]?
  
    Do you want to continue with the install (yes/no) [yes]?
  
Checking device to use for global devices file system ... done
  
Adding node "phys-schost-2" to the cluster configuration ... done
Adding adapter "hme1" to the cluster configuration ... done
Adding adapter "hme3" to the cluster configuration ... done
Adding cable to the cluster configuration ... done
Adding cable to the cluster configuration ... done
  
Copying the config from "phys-schost-1" ... done
Setting the node ID for "phys-schost-2" ... done (id=2)
  
Checking for global devices global file system ... done
Updating vfstab ... done
  
Verifying that NTP is configured ... done
Installing a default NTP configuration ... done
Please complete the NTP configuration after scinstall has finished.
  
Verifying that "cluster" is set for "hosts" in nsswitch.conf ... done
Adding the "cluster" switch to "hosts" in nsswitch.conf ... done
  
Verifying that "cluster" is set for "netmasks" in nsswitch.conf ... done
Adding the "cluster" switch to "netmasks" in nsswitch.conf ... done
  
Verifying that power management is NOT configured ... done
Unconfiguring power management ... done
/etc/power.conf has been renamed to /etc/power.conf.61501001054
Power management is incompatible with the HA goals of the cluster.
Please do not attempt to re-configure power management.
  
Ensure network routing is disabled ... done
Network routing has been disabled on this node by creating /etc/notrouter.
Having a cluster node act as a router is not supported by Sun Cluster.
Please do not re-enable network routing.
  
Log file - /var/cluster/logs/install/scinstall.log.9853
  
  
Rebooting ...

SunPlex Manager による Sun Cluster ソフトウェアのインストール


注 -

既存のクラスタに新しいノードを追加する場合は、SunPlex Manager を使用しないでください。代わりに、「最初のクラスタノードに Sun Cluster ソフトウェアをインストールする (scinstall)」へ進んでください。


この節では、SunPlex Manager のインストール方法、および SunPlex Manager を使用して Sun Cluster ソフトウェアをインストールし、クラスタノードを確立する方法について説明します。SunPlex Manager は、以下の追加ソフトウェア製品をインストールする場合にも使用できます。

次に、SunPlex Manager を使用してこれらの追加ソフトウェア製品をインストールするための必要条件を示します。

表 2-4 SunPlex Manager でソフトウェアをインストールするときの必要条件

ソフトウェアパッケージ 

インストール必要条件 

Solstice DiskSuite 

/sds をファイルシステム名として使用する 10 M バイトのパーティション

Sun Cluster HA for NFS データサービス 

同じノードセットに接続された、サイズが同じである 2 台以上の共有ディスク 

SunPlex Manager によってインストールされた Solstice DiskSuite ソフトウェア 

Sun Cluster HA for NFS が使用する論理ホスト名。この論理ホスト名の IP アドレスは、すべてのクラスタノードからアクセスできる有効なものであると同時に、クラスタノードのベースホスト名と同じサブネット上に存在するものでなければなりません。 

Sun Cluster HA for Apache スケーラブルデータサービス 

同じノードセットに接続された、サイズが同じである 2 台以上の共有ディスク 

SunPlex Manager によってインストールされた Solstice DiskSuite ソフトウェア 

Sun Cluster HA for Apache が使用する共有アドレス。この共有アドレスの IP アドレスは、すべてのクラスタノードからアクセスできる有効なものであると同時に、クラスタノードのベースホスト名と同じサブネット上に存在するものでなければなりません。  

次の表は、ノードに接続される共有ディスクの数に従って、SunPlex Manager によって作成される各メタセット名と、クラスタファイルシステムのマウントポイントを示しています。たとえば、ノードに共有ディスクが 4 台接続されている場合、SunPlex Manager は、mirror-1 メタセットと stripe-1メタセットを作成しますが、concat-1 メタセットは作成しません。これは、このノードに 3 番目のメタセットを作成するだけの十分な共有ディスクが存在しないためです。

表 2-5 SunPlex Manager がインストールするメタセット

共有ディスク 

メタセット名 

クラスタファイルシステムのマウントポイント 

目的 

最初の共有ディスクのペア 

mirror-1

/global/mirror-1

Sun Cluster HA for NFS または Sun Cluster HA for Apache スケーラブルデータサービス、あるいはこの両方 

2 つめの共有ディスクのペア 

stripe-1

/global/stripe-1

未使用 

3 つめの共有ディスクのペア 

concat-1

/global/concat-1

未使用 


注 -

クラスタが最小の共有ディスク必要条件を満たさなくても、SunPlex Manager は Solstice DiskSuite パッケージをインストールします。ただし、十分な共有ディスクが存在しない状態では、データサービスのインスタンスを作成する上で必要なメタセット、メタデバイス、クラスタファイルシステムなどを SunPlex Manager は構成できません。


セキュリティを高めるために、SunPlex Manager は制限付き文字セットを認識します。この文字セットに属していない文字は、HTML フォームが SunPlex Manager サーバーに送信されたときに無視されます。SunPlex Manager では、次の文字を使用できます。


()+,-./0-9:=@A-Z^_a-z{|} ‾

このフィルタ機能によって、以下の問題が生じる可能性があります。

SunPlex Manager ソフトウェアをインストールする

SunPlex Manager グラフィカルユーザーインタフェース (GUI) を使用すると、Sun Cluster ソフトウェアのインストールと管理を簡単に行えます。クラスタに SunPlex Manager ソフトウェアをインストールするには、この手順に従ってください。


注 -

別の方法で Sun Cluster ソフトウェアをインストールする場合は、この作業を行う必要はありません。scinstall コマンドにより、インストール処理の一環として SunPlex Manager をインストールすることもできます。


この作業はクラスタの各ノード上で行ってください。

  1. クラスタの各ノードに Solaris ソフトウェアとパッチがインストールされていることを確認します。

    インストール手順については、「Solaris ソフトウェアをインストールする」を参照してください。

  2. クラスタノードでスーパーユーザーになります。

  3. Apache ソフトウェアパッケージをインストールします。

    Apache ソフトウェアパッケージは、Solaris Entire Distribution 以上のソフトウェアグループに含まれています。Solaris Entire Distribution よりも低いソフトウェアグループをインストールしてある場合は、pkginfo(1) コマンドを使用して、以下に示すソフトウェアパッケージがインストールされているかどうかを確認してください。インストールされている場合は、手順 4 に進みます。

    1. CD-ROM からインストールする場合は、ノードの CD-ROM ドライブに Solaris 8 Software 2 of 2 CD-ROM を挿入します。

      ボリューム管理デーモン vold(1M) が実行されていて CD-ROM デバイスを管理するように構成されている場合は、vold(1M) によって自動的に CD-ROM がマウントされます。

    2. /cdrom/sol_8_sparc/Solaris_8/Product ディレクトリに移動します。


      # cd /cdrom/sol_8_sparc/Solaris_8/Product
      

    3. Apache ソフトウェアパッケージを次の順序でインストールします。


      # pkgadd -d . SUNWapchr SUNWapchu SUNWapchd
      

    4. Solaris CD-ROM を取り出します。

    5. Apache ソフトウェアパッチをインストールします。

      パッチの入手方法とインストール方法については、『Sun Cluster 3.0 12/01 ご使用にあたって』を参照してください。

  4. SunPlex Manager ソフトウェアパッケージをインストールします。

    1. CD-ROM からインストールする場合は、ノードの CD-ROM ドライブに Sun Cluster 3.0 12/01 CD-ROM を挿入します。

      ボリューム管理デーモン vold(1M) が実行されており、CD-ROM デバイスを管理するように構成されている場合は、CD-ROM は自動的に /cdrom/suncluster_3_0_u2 ディレクトリにマウントされます。

    2. /cdrom/suncluster_3_0_u2/SunCluster_3.0/Packages ディレクトリに移動します。


      # cd /cdrom/suncluster_3_0_u2/SunCluster_3.0/Packages
      

    3. SunPlex Manager ソフトウェアパッケージをインストールし、すべてのプロンプトに「yes」と入力します。


      # pkgadd -d . SUNWscva SUNWscvr SUNWscvw
      

    4. Sun Cluster CD-ROM を取り出します。

  5. クラスタ内の各ノードで、手順 2 から 手順 4 までの手順を繰り返します。

  6. クラスタの全ノードで同じ root パスワードが設定されているかどうかを確認します。

    • 同じ場合は、手順 7 に進みます。

    • 異なる場合は、クラスタのすべてのノードで同じ値になるように root パスワードを設定してください。必要に応じ、chkey(1) を使用して RPC 鍵ペアを更新してください。


      # passwd
      新しいパスワードを入力する
      # chkey -p
      

    root パスワードを使用して SunPlex Manager にアクセスするためには、クラスタ内のすべてのノードで root パスワードが同じでなければなりません。

  7. SunPlex Manager にアクセスするユーザーアカウントをさらに設定するかどうかを決定します。

    root システムアカウントを使用することもなく、ある特定のノードでのユーザーアカウントも設定されていないというユーザーは、そのノードから SunPlex Manager を介してクラスタにアクセスすることはできません。また、アクセス権のある別のクラスタノードを介してそのノードを管理することもできません。

  8. SunPlex Manager にアクセスするユーザーアカウントをどのように設定するかを決定します

    SunPlex Manager へのログインは、root ユーザーアクセスのほかに、役割によるアクセス制御 (RBAC) を持つユーザーアカウントを使用しても行えます。ユーザーアカウントを設定するには、次の表に示す作業のいずれかを行ってください。

    表 2-6 SunPlex Manager ユーザーアカウントの設定方法

    方法 

    実行する作業 

    既存のユーザーアカウントに RBAC 認証を追加します。 

    「既存のユーザーアカウントに RBAC 認証を追加する」

    RBAC 認証を持つ新しいユーザーアカウントを作成する 

    「新しいユーザーアカウントを作成する」


    注 -

    root 以外のユーザーアカウントに RBAC 認証を割り当てると、そのユーザーアカウントは、通常は root にしか行えない管理アクションを実施できるようになります。


    詳細については、『Solaris のシステム管理 (第 2 巻)』の「役割によるアクセス制御」を参照してください。

既存のユーザーアカウントに RBAC 認証を追加する

既存のユーザーアカウントに RBAC 認証を追加します。これにより、ユーザーは自分自身の通常のシステムパスワードを使用して SunPlex Manager にログインできるようになり、SunPlex Manager の全機能へのアクセス権を持つようになります。


注 -

root 以外のユーザーアカウントに RBAC 認証を割り当てると、そのユーザーアカウントは、通常であれば root にしか行えない管理アクションを実施できるようになります。


  1. 各クラスタのノードのスーパーユーザーになります。

  2. /etc/user_attr ファイルに以下のエントリを追加します。


    # vi /etc/user_attr
    username::::type=normal;auths=solaris.cluster.admin
    

  3. 残りの各クラスタノードでも同様の手順を繰り返します。

  4. SunPlex Manager を使用して Sun Cluster ソフトウェアをインストールします。

    「Sun Cluster ソフトウェアをインストールする (SunPlex Manager)」に進みます。

新しいユーザーアカウントを作成する

すべてのクラスタノードで新しいユーザーアカウントを作成します。


注 -

root 以外のユーザーアカウントに RBAC 認証を割り当てると、そのユーザーアカウントは、通常であれば root にしか行えない管理アクションを実施できるようになります。


  1. 各クラスタのノードのスーパーユーザーになります。

  2. 新しいユーザーアカウントを作成します。


    # useradd -d dir -A solaris.cluster.admin login      
    
    -d dir

    新しいユーザーのホームディレクトリを指定する

    -A solaris.cluster.admin

    新しいユーザーアカウントに solaris.cluster.admin 認証を割り当てる

    login

    新しいユーザーアカウントの名称


    注 -

    ユーザー名は固有でなければならず、ローカルマシン上にもネットワークネームサービス内にも存在してはなりません。


    ユーザーアカウントを作成する方法については、useradd(1M) のマニュアルページを参照してください。

  3. パスワードを設定します。


    # passwd login
    

  4. 残りの各クラスタノードでも同様の手順を繰り返します。

    ユーザーアカウントのパスワードは、必ずすべてのクラスタノード上で同じにしてください。

  5. SunPlex Manager を使用して Sun Cluster ソフトウェアをインストールします。

    「Sun Cluster ソフトウェアをインストールする (SunPlex Manager)」に進みます。

Sun Cluster ソフトウェアをインストールする (SunPlex Manager)

注 -

既存のクラスタに新しいノードを追加する場合は、SunPlex Manager を使用しないでください。その代わりに、「Sun Cluster ソフトウェアを追加のクラスタノードにインストールする (scinstall)」に進みます。


この作業は、SunPlex Manager を使用し、1 回の操作で Sun Cluster ソフトウェアとパッチをクラスタ内のすべてのノードにインストールする場合に行います。この作業は、Solstice DiskSuite ソフトウェアとパッチをインストールし、さらに Sun Cluster HA for NFS データサービスまたは Sun Cluster HA for Apache スケーラブルデータサービス (あるいはこの両方) をインストールする場合にも使用できます。

このインストール処理は、クラスタノードの数、データサービスの種類、クラスタ構成内のディスクの数に応じて、30 分〜 2 時間以上かかる場合があります。

  1. クラスタの各ノードに SunPlex Manager ソフトウェアがインストールされていることを確認します。

    インストール手順については、「SunPlex Manager ソフトウェアをインストールする」を参照してください。

  2. SunPlex Manager を使用してソフトウェアをインストールするための必要条件にクラスタ構成が適合していることを確認します。

    インストールの必要条件と制限については、「SunPlex Manager による Sun Cluster ソフトウェアのインストール」を参照してください。

  3. Sun Cluster HA for NFS または Sun Cluster HA for Apache をインストールするかどうかを決定します。

  4. インストールする各ソフトウェア製品の CD-ROM イメージへのファイルシステムパスを用意します。

    1. 各ノードが使用できる場所に各 CD-ROM イメージを用意します。

      CD-ROM イメージは、クラスタのすべてのノードから同じファイルシステムパスを使用してアクセスできなければなりません。これらのパスとして、以下に示す場所のいずれかを指定できます。

      • クラスタの外部に存在するマシンからネットワークにエクスポートされた CD-ROM ドライブ

      • クラスタの外部に存在するマシン上のエクスポートされたファイルシステム

      • クラスタの各ノード上のローカルファイルシステムにコピーされた CD-ROM イメージ。ローカルファイルシステムの名前は、すべてのノードで同じにする必要があります。

    2. 各 CD-ROM イメージのパスを記録します。

      この情報は、手順 21 で SunPlex Manager に対する情報として利用します。

  5. インターコネクトトランスポート用に RSMAPI または SCI-PCI アダプタを使用するかどうかを決定します。

    • 使用しない場合は、手順 6 に進みます。

    • 使用する場合は、Sun Cluster 3.0 12/01 CD-ROM の Packages ディレクトリから追加のパッケージをインストールします。これらのパッケージは、 scinstall(1M) によっては自動的にインストールされません。


      # cd /cdrom/suncluster_3_0_u2/SunCluster_3.0/Packages
      # pkgadd -d . packages
      

      次の表に、RSMAPI または SCI-PCI アダプタをサポートするために必要な Sun Cluster 3.0 パッケージと、インストールする順番を示します。

      表 2-7 RSMAPI と SCI-PCI アダプタをサポートするための Sun Cluster 3.0 パッケージ

      機能 

      インストールする追加の Sun Cluster 3.0 パッケージ  

      RSMAPI 

      SUNWscrif 

      SCI-PCI アダプタ 

      SUNWsci SUNWscid SUNWscidx

  6. Sun Cluster ソフトウェアまたは Solstice DiskSuite ソフトウェアをサポートするために必要なパッチがあるかどうかを確認します。

    • 存在する場合は、手順 7 に進みます。

    • 存在しない場合は、手順 9 に進みます。

  7. パッチのインストールに SunPlex Manager を使用するかどうかを決定します。

    • 使用する場合は、手順 8 に進みます。

    • 使用しない場合は、SunPlex Manager を使用する前に、Sun Cluster または Solstice DiskSuite ソフトウェアのサポートに必要なパッチをすべて手動でインストールして、手順 9 に進みます。

  8. 各ノードが利用できるファイルシステム上の 1 つのディレクトリに、Sun Cluster または Solstice DiskSuite ソフトウェアに必要なパッチをコピーします。

    1. このディレクトリには、各パッチのバージョンを 1 つだけコピーするようにしてください。

      パッチディレクトリに同じパッチのバージョンが複数存在すると、SunPlex Manager はパッチの依存性順位を正しく判断できなくなります。

    2. パッチファイルが解凍されていることを確認します。

    3. パッチディレクトリのパスを記録します。

      この情報は、手順 21 で SunPlex Manager に対する情報として利用します。

  9. 『Sun Cluster 3.0 ご使用にあたって』の以下の構成計画ワークシートに必要事項を記入したものを用意します。

    • 「クラスタとノード名のワークシート」

    • 「クラスタインターコネクトのワークシート」

    • 「ネットワークリソース」のワークシート

    計画のガイドラインについては、第 1 章「Sun Cluster 構成の計画」と『Sun Cluster 3.0 12/01 データサービスのインストールと構成』を参照してください。

  10. 管理コンソール、またはクラスタの外部に存在する他のマシンから、ブラウザを起動します。

  11. ブラウザの Web プロキシを無効にします。

    SunPlex Manager のインストール機能は、Web プロキシと互換性がありません。

  12. ディスクキャッシュとメモリーキャッシュが有効になっていることを確認します。

    ディスクキャッシュとメモリーキャッシュのサイズは、0 より大きくなくてはなりません。

  13. ブラウザから、任意のクラスタノードのポート 3000 に接続します。


    https://node:3000/
    

    ブラウザのウィンドウに「Sun Cluster Installation」画面が表示されます。


    注 -

    「Sun Cluster Installation」画面ではなく管理インタフェースが表示される場合は、そのノードに Sun Cluster ソフトウェアがすでにインストールされています。URL 内のノード名がインストール対象のクラスタノードの名前と一致していることを確認してください。


  14. ブラウザに「New Site Certification」ウィンドウが表示された場合は、画面上の指示に従ってください。

  15. 「Sun Cluster Installation」画面で、 SunPlex Manager を使用するための要件をクラスタが満たしていることを確認します。

    • Solaris End User 以上のソフトウェアグループがインストールされている

    • ルートディスクパーティションには、マウントポイントが /globaldevices に設定された 100M バイトのスライスが存在する

    • ルートディスクパーティションには、マウントポイントが /sds に設定された 10M バイトのスライスが存在する (Solstice DiskSuite をインストールする場合)

    • 手順 4 から 手順 8 までに説明されているように、必要となるすべての CD-ROM イメージのファイルシステムパスとパッチが設定されている。

    示されている必要条件をすべて満たしている場合は、「Next」をクリックして次の画面に進みます。

  16. クラスタの名前を入力し、クラスタ内のノードの数を選択します。

    表示されるデフォルトのノード数がクラスタにインストールするノード数よりも大きくなることもあります。この場合は、正しいノード数を選択してください。これは、SunPlex Manager がインストール可能な他のノードが、ユーザーがインストールしようとしているノードと同じパブリックネットワークを使用している場合に発生します。

    「Next」をクリックして継続します。


    ヒント -

    「Back」ボタンを使用して前の画面に戻り、情報を変更できます。ただし、後続の画面で入力した情報は保持されません。それらの画面の構成情報は、再度入力する必要があります。


  17. 各クラスタノードの名前を入力します。

    SunPlex Manager はパブリックネットワーク上で見つかったノードの名前を、SunPlex Manager がインストールするノードのデフォルトとして提供します。ネットワーク上にあるノード数よりも大きい数を指定した場合は、SunPlex Manager は追加のデフォルト名を提供します。このような追加のデフォルト名は、「phys-clustername-N」という命名規約に従って作成されます。


    注 -

    SunPlex Manager は、ユーザーがクラスタにインストールしようとしているノード以外のノードを表示することもあります。これは、そのノードが、ユーザーがインストールしようとしているノードと同じパブリックネットワークを使用しており、 SunPlex Manager ソフトウェアによってインストールされているが、Sun Cluster ソフトウェアによってはインストールされていない場合に発生します。インストールしないクラスタノード名が示された場合は、正しいノード名を入力してください。


    「Next」をクリックして継続します。

  18. 各ノードのプルダウンリストから、プライベートインターコネクトに使用するアダプタの名前を 2 つ選択します。

    各ノードに対応するアダプタ名については、「クラスタインターコネクトのワークシート」を参照してください。

    「Next」をクリックして継続します。

  19. Solstice DiskSuite ソフトウェアをインストールするかどうかを選択します。

    Sun Cluster HA for NFS または Sun Cluster HA for Apache データサービスをインストールする場合は、Solstice DiskSuite ソフトウェアをインストールする必要があります。


    注意 - 注意 -

    Solstice DiskSuite がインストールされる際に、共有ディスク上のデータはすべて失われます。


    「Next」をクリックして継続します。

  20. Sun Cluster HA for NFS、Sun Cluster HA for Apache、またはこの両方をインストールするかどうかを選択します。

    該当する論理ホスト名または共有アドレスについては、「ネットワークリソース」ワークシートを参照してください。

    • Sun Cluster HA for NFS については、データサービスが使用する論理ホスト名も指定してください。

    • Sun Cluster HA for Apache については、データサービスが使用する共有アドレスも指定してください。

    「Next」をクリックして継続します。

  21. 指定したパッケージのインストールに必要な各 CD-ROM イメージのパスを入力し、必要に応じてパッチディレクトリのパスも入力します。

    • 表 2-8 に示すように、該当するパスフィールドに各ソフトウェアパッケージのパスを入力します。

    • CD-ROM イメージに指定するパスは、その CD-ROM の .cdtocファイルが入ったディレクトリでなければなりません。

    • インストールしないソフトウェアパッケージについては、関連するパスフィールドを空白のままにします。

    • 必要なパッチをすでにインストール済みである場合は、「Patch Directory Path」フィールドを空白のままにします。

    表 2-8 ソフトウェアパッケージの CD-ROM イメージパスフィールド

    インストールするソフトウェアパッケージ 

    CD-ROM イメージパスフィールドの名前 

    Solstice DiskSuite 

    Solaris CD-ROM Path 

    Sun Cluster 

    Sun Cluster 3.0 12/01 CD-ROM Path 

    Sun Cluster HA for NFS、 

    Sun Cluster HA for Apache 

    Sun Cluster 3.0 Agents 12/01 CD-ROM Path 

    Sun Cluster パッチ、 

    Solstice DiskSuite パッチ 

    Patch Directory Path 

    「Next」をクリックして継続します。

  22. 「Confirm Information」画面に表示された入力情報が正しいかどうかを確認します。

    • 正しい場合は、手順 23 に進みます。

    • 正しくない場合は、以下の手順に従って構成情報を修正してください。

    1. 変更する情報の画面に戻るまで「Back」をクリックします。


      注 -

      「Back」をクリックして以前の画面に戻った場合、後続の画面で入力してあった情報はすべて失われます。


    2. 正しい情報を入力して「Next」をクリックします。

    3. 「Confirm Information」画面に戻るまで、各画面の情報を入力し直します。

    4. 「Confirm Information」画面の情報が正しいことを確認します。

  23. 「Begin Installation」をクリックしてインストール処理を開始します。


    注 -

    インストール処理中は、ブラウザウィンドウを閉じたり URL を変更したりしないでください。


    1. ブラウザに「New Site Certification」ウィンドウが表示された場合は、画面上の指示に従ってください。

    2. ブラウザにログイン情報のプロンプトが表示された場合は、接続先ノードの該当するユーザー ID とパスワードを入力してください。

    インストールが進行している間、クラスタインストール処理の状況を示す簡単なメッセージが画面に表示されます。インストールが完了した時点で、ブラウザにクラスタ監視 / 管理用の GUI が表示されます。

    SunPlex Manager のインストール出力は、/var/cluster/spm ディレクトリに記録されます。Sun Cluster のインストール出力は、/var/cluster/logs/install/scinstall.log に記録されます。pid ファイルに記録されます (pidscinstall インスタンスのプロセス ID 番号)。

    インストール中、sccheck ユーティリティーが何らかの問題を検出した場合、見つかった問題についての情報を表示して、どのような対処方法を行うかをたずねます。

    • 「Cancel」をクリックしてインストールを停止し、sccheck が見つけた問題を修正し、手順 13 に戻って、SunPlex Manager を再起動します。

    • あるいは、SunPlex Manager を終了しなくても問題を修正できる場合、問題を修正した後、「Retry Validation」をクリックして、もう一度 sccheck を実行します。

    • sccheck のメッセージを無視しても安全だということがわかっている場合 (たとえば、危険のないエラーメッセージが発生することが『Sun Cluster 3.0 12/01 ご使用にあたって』の記述でわかっている場合、「Continue Installation」をクリックします。

  24. 必要に応じ、SunPlex Manager を使用して定足数割り当ての確認と変更を行います。

    3 つ以上のノードを持つクラスタの場合、共有定足数デバイスの使用は任意です。SunPlex Manager による定足数デバイスへの投票数の割り当ては、適切な共有ディスクが利用可能かどうかに基づいて行われます。ユーザーは、SunPlex Manager を使用して定足数デバイスを指定することも、クラスタ内の定足数投票数を割り当てなおすこともできます。

  25. ネームサービスの参照順序を設定します。

    「ネームサービススイッチを構成する」 に進みます。

Solaris と Sun Cluster ソフトウェアをインストールする (JumpStart)

この節では、カスタム JumpStart によるインストール方法である scinstall(1M) の設定と使用について説明します。この方法を利用すると、1 回の操作ですべてのクラスタノード上に、Solaris ソフトウェアと Sun Cluster ソフトウェアの両方をインストールし、クラスタを確立できます。また、既存のクラスタに新しいノードを追加するためにも利用できます。

  1. Solaris ソフトウェアをインストールする前に、ハードウェアの設定が完了していることと接続が正しいことを確認します。

    ハードウェアの設定の詳細については、『Sun Cluster 3.0 12/01 Hardware Guide』およびサーバーと記憶装置のマニュアルを参照してください。

  2. クラスタ構成の計画が完了していることを確認します。

    必要条件とガイドラインについては、「クラスタソフトウェアのインストールの準備をする」を参照してください。

  3. 以下の情報を用意します。

    • 各クラスタノードの Ethernet アドレス

    • Sun Cluster 3.0 ご使用にあたって』の以下のワークシートに必要事項を記入したもの

      • 「ローカルファイルシステム配置のワークシート」

      • 「クラスタとノード名のワークシート」

      • 「クラスタインターコネクトのワークシート」

    計画のガイドラインについては、「Solaris オペレーティング環境の計画」「Sun Cluster 環境の計画」を参照してください。

  4. ネームサービスを使用しているかどうかを確認します。

    • 使用していない場合は、手順 5 に進みます。手順 30 で必要なホスト名情報を設定します。

    • 使用する場合は、すべてのパブリックホスト名と論理アドレスのアドレスと名前のマッピングのほかに、JumpStart サーバーの IP アドレスとホスト名も、クライアントがクラスタサービスへのアクセスに使用するネームサービス (NIS、NIS+、DNS など) に追加します。計画のガイドラインについては、「IP アドレス」を参照してください。Solaris のネームサービスの使用方法については、Solaris システム管理者向けのドキュメントを参照してください。

  5. 既存のクラスタに新しいノードをインストールするかどうかを決定します。

    • インストールする場合は、別のアクティブクラスタノードから scsetup(1M) を実行し、認証クラスタノードのリストにこの新しいノードの名前を追加します。手順については、『Sun Cluster 3.0 12/01 のシステム管理』の「クラスタノードを認証ノードリストに追加する」を参照してください。

    • インストールしない場合は、手順 6 に進みます。

  6. スーパーユーザーで、Solaris オペレーティング環境のインストール用に JumpStart インストールサーバーを設定します。

    JumpStart インストールサーバーの設定方法については、setup_install_server(1M) と add_install_client(1M) のマニュアルページ、および『Solaris のインストール (上級編)』を参照してください。

    インストールサーバーを設定するときは、以下の必要条件が満たされていることを確認します。

    • インストールサーバーはクラスタノードと同じサブネット上にあるが、それ自体はクラスタノードではない。

    • インストールサーバーによって、Sun Cluster ソフトウェアに必要な Solaris オペレーティング環境のリリースがインストールされる。

    • Sun Cluster の JumpStart インストール用にカスタム JumpStart ディレクトリが存在する。この jumpstart-dir ディレクトリには、check(1M) ユーティリティーのコピーが含まれており、JumpStart インストールサーバーで読み取れるように NFS によってエクスポートされている必要があります。

    • 各新規クラスタノードが、Sun Cluster のインストール用のカスタム JumpStart ディレクトリ設定を使用する、カスタム JumpStart インストールクライアントとして構成されている。

  7. JumpStart インストールサーバーに、Sun Cluster 3.0 12/01 CD-ROM のコピーを格納する ディレクトリを作成します。

    次の例では、このために /export/suncluster ディレクトリを作成します。


    # mkdir -m 755 /export/suncluster
    

  8. Sun Cluster CD-ROM を JumpStart インストールサーバーにコピーします。

    1. JumpStart インストールサーバーの CD-ROM ドライブに Sun Cluster 3.0 12/01 CD-ROM を挿入します。

      ボリューム管理デーモン vold(1M) が実行されており、CD-ROM デバイスを管理するように構成されている場合は、CD-ROM は自動的に /cdrom/suncluster_3_0_u2 ディレクトリにマウントされます。

    2. /cdrom/suncluster_3_0_u2/SunCluster_3.0/Tools ディレクトリに移動します。


      # cd /cdrom/suncluster_3_0_u2/SunCluster_3.0/Tools
      

    3. CD-ROM を JumpStart インストールサーバー上の新しいディレクトリにコピーします。

      scinstall コマンドで、CD-ROM のファイルをコピーする新しいインストールディレクトリを作成します。ここでは、インストールディレクトリ名 /export/suncluster/sc30 を例として使用します。


      # ./scinstall -a /export/suncluster/sc30
      

    4. CD-ROM を取り出します。


      # cd /
      # eject cdrom
      

    5. JumpStart インストールサーバー上の Sun Cluster 3.0 12/01 CD-ROM イメージが、JumpStart インストールサーバーで読み取れるように NFS によってエクスポートされていることを確認します。

      自動ファイル共有の詳細については、『NFS の管理』、および share(1M) と dfstab(4) のマニュアルページを参照してください。

  9. 既存のクラスタに新しいノードをインストールするかどうかを決定します。

    • インストールする場合は、手順 10 に進みます。

    • インストールしない場合は、手順 11 に進みます。

  10. クラスタの認証ノードリストにこの新しいノードを追加しているかどうかを確認します。

    • 追加している場合は、手順 11 に進みます。

    • まだ追加してない場合は、任意の既存クラスタノードから scsetup(1M) を実行して認証クラスタノードのリストにこの新しいノードの名前を追加してください。手順については、『Sun Cluster 3.0 12/01 のシステム管理』の「クラスタノードを認証ノードリストに追加する」を参照してください。

  11. JumpStart インストールサーバーから scinstall(1M) ユーティリティーを起動します。

    ここでは、作成したインストールディレクトリの例として、パス /export/suncluster/sc30 を使用します。


    # cd /export/suncluster/sc30/SunCluster_3.0/Tools
    # ./scinstall
    

    対話形式の scinstall ユーティリティーを使用するときは、次のガイドラインに従ってください。

    • 対話形式の scinstall では先打ち入力が可能です。したがって、次のメニュー画面がすぐに表示されなくても、何度も Return キーを押さないでください。

    • 特に指定がない場合は、Control-D キーを押すと、関連のある一連の質問の最初か、またはメインメニューに戻ります。 Sun Cluster ソフトウェアをインストールした後に、 Control-D キーを押してセッションを中断しようとすると、これらのパッケージのインストールを解除するかどうかたずねられます。

    • セッションでの入力内容は、そのメニューオプションを次回実行したときのデフォルトとして格納されます。プロンプトの最後に、角括弧 ([ ]) に囲まれてデフォルトの回答が表示されます。

  12. 「Main Menu」で、3 (Configure a cluster to be JumpStarted from this install server) を入力します。

    このオプションは、カスタム JumpStart 完了スクリプトを構成するときに使用します。JumpStart は、これらの完了スクリプトを使用して Sun Cluster ソフトウェアをインストールします。


     *** Main Menu ***
     
        Please select from one of the following (*) options:
     
            1) Establish a new cluster using this machine as the first node
            2) Add this machine as a node in an established cluster
          * 3) Configure a cluster to be JumpStarted from this install server
            4) Add support for new data services to this cluster node
            5) Print release information for this cluster node
     
          * ?) Help with menu options
          * q) Quit
     
        Option:3
     
     *** Custom JumpStart ***
    ...
        Do you want to continue (yes/no) [yes]?


    注 -

    オプション 3 の前にアスタリスクが表示されていない場合は、JumpStart 設定が完了しなかったか、エラーがあるためにこのオプションが無効になっていることを示します。scinstall ユーティリティーを終了し、 手順 6 から 手順 8 までを繰り返して JumpStart 設定を修正してから、scinstall ユーティリティーを再起動してください。


  13. JumpStart ディレクトリ名を指定します。


    >>> Custom JumpStart Directory <<<
    ....
        What is your JumpStart directory name?jumpstart-dir
    

  14. クラスタの名前を指定します。


    >>> Cluster Name <<<
    ...
        What is the name of the cluster you want to establish?clustername
    

  15. すべてのクラスタノードの名前を指定します。


    >>> Cluster Nodes <<<
    ...
        Please list the names of all cluster nodes planned for the initial
        cluster configuration. You must enter at least two nodes. List one
        node name per line. When finished, type Control-D:
     
        Node name:node1
        Node name:node2
        Node name (Ctrl-D to finish): <Control-D>
     
        This is the complete list of nodes:
    ... 
        Is it correct (yes/no) [yes]?

  16. データ暗号化規格 (DES) 認証を使用するかどうかを指定します。

    デフォルトでは、Sun Cluster ソフトウェアを使用してノードをクラスタに接続できるのは、ノードが物理的にプライベートインターコネクトに接続されていて、かつ上記の 手順 15 の方法でノード名が指定されている場合だけです。しかし、プライベートインターコネクトはまだ完全に構成されていないため、実際にはノードはパブリックネットワークを介してスポンサーノードと通信します。DES 認証を使用すると、スポンサーノードは、クラスタ構成を更新するために接続を試みるノードを確実に認証できます。このため、インストール時のセキュリティレベルが高くなります。

    セキュリティを高めるために DES 認証を使用する場合は、ノードをクラスタに追加する前に、必要な暗号化鍵をすべて構成する必要があります。詳細については、keyserv(1M) および publickey(4) のマニュアルページを参照してください。


    >>> Authenticating Requests to Add Nodes <<<
    ...
        Do you need to use DES authentication (yes/no) [no]?

  17. プライベートネットワークアドレスとネットマスクを指定します。


    >>> Network Address for the Cluster Transport <<<
    ...
        Is it okay to accept the default network address (yes/no) [yes]?
        Is it okay to accept the default netmask (yes/no) [yes]?


    注 -

    クラスタが正しく構成されたあとでは、プライベートネットワークアドレスは変更できません。


  18. クラスタがトランスポート接続点を使用するかどうかを指定します。

    • 2 ノードクラスタである場合は、トランスポート接続点を使用するかどうかを指定します。


      >>> Point-to-Point Cables <<<
       ...
          Does this two-node cluster use transport junctions (yes/no) [yes]?


      ヒント -

      ノードが互いに直結されているかどうかにかかわらず、クラスタがトランスポート接続点を使用するように指定できます。クラスタがトランスポート接続点を使用するように指定すると、クラスタに新しいノードを簡単に追加できるようになります。


    • このクラスタに 3 つ以上のノードがある場合は、トランスポート接続点を使用する必要があります。Return キーを押して次の画面に進みます。


      >>> Point-to-Point Cables <<<
       ...
          Since this is not a two-node cluster, you will be asked to configure
          two transport junctions.
          
      Hit ENTER to continue:

  19. このクラスタがトランスポート接続点を使用するかどうかを決定します。

    • 使用する場合は、トランスポート接続点の名前を指定します。この場合、デフォルトの名前 switchN を使用することも、独自の名前を作成することもできます。


      >>> Cluster Transport Junctions <<<
       ...
          What is the name of the first junction in the cluster [switch1]?
          What is the name of the second junction in the cluster [switch2]?

    • 使用しない場合は、手順 20 に進みます。

  20. 最初のノードの最初のクラスタインターコネクトトランスポートアダプタを指定します。


    >>> Cluster Transport Adapters and Cables <<<
    ...
     For node "node1",
        What is the name of the first cluster transport adapter?adapter
    

  21. 最初のアダプタの接続エンドポイントを指定します。

    • クラスタがトランスポート接続点を使用しない場合、 (このアダプタが接続されている) 2 番目のノード上にあるアダプタの名前を指定します。


      ...
          Name of adapter on "node2" to which "adapter" is connected?adapter
      

    • クラスタがトランスポート接続点を使用する場合、最初のトランスポート接続点の名前とそのポートを指定します。


      ...
       For node "node1",
          Name of the junction to which "adapter" is connected?switch
      ...
       For node "node1",
          Use the default port name for the "adapter" connection (yes/no) [yes]?


      注 -

      SCI アダプタを使用する構成の場合は、アダプタ接続 (ポート名) をたずねられたときに、デフォルトを受け入れてはなりません。その代わりに、Dolphin スイッチ自身上で見つかった、ノードが物理的に (ケーブルで) 接続されているポート名 (0123 のいずれか) を指定します。デフォルトのポート名を拒否して、Dolphin スイッチのポート名 0 を指定する質問と応答の例を次に示します。



      ...
          Use the default port name for the "adapter" connection (yes/no) [yes]?no
          What is the name of the port you want to use?0
      
  22. 最初のノードの 2 番目のクラスタインターコネクトトランスポートアダプタを指定します。


    ...
     For node "node1",
        What is the name of the second cluster transport adapter?adapter
    

  23. 2 番目のアダプタの接続エンドポイントを指定します。

    • クラスタがトランスポート接続点を使用しない場合、(このアダプタが接続されている) 2 番目のノード上にあるアダプタの名前を指定します。


      ...
          Name of adapter on "node2" to which "adapter" is connected?adapter
      

    • クラスタがトランスポート接続点を使用する場合、2 番目のトランスポート接続点の名前とそのポートを指定します。


      ...
       For node "node1",
          Name of the junction to which "adapter" is connected?switch
      ...
       For node "node1",
          Use the default port name for the "adapter" connection (yes/no) [yes]?


      注 -

      SCI アダプタを使用する構成の場合は、アダプタ接続 (ポート名) をたずねられたときに、デフォルトを受け入れてはなりません。その代わりに、Dolphin スイッチ自身上で見つかった、ノードが物理的に (ケーブルで) 接続されているポート名 (0123 のいずれか) を指定します。デフォルトのポート名を拒否して、Dolphin スイッチのポート名 0 を指定する質問と応答の例を次に示します。


      ...
          Use the default port name for the "adapter" connection (yes/no) [yes]?no
          What is the name of the port you want to use?0
      


  24. このクラスタがトランスポート接続点を使用するかどうかを決定します。

    • 使用する場合は、追加のクラスタノードごとに、手順 20 から 手順 23 までを繰り返します。

    • 使用しない場合は、手順 25 に進みます。

  25. クラスタノードごとに広域デバイスのファイルシステム名を指定します。


    >>> Global Devices File System <<<
    ...
        The default is to use /globaldevices.
     
     For node "node1",
        Is it okay to use this default (yes/no) [yes]?
     
     For node "node2",
        Is it okay to use this default (yes/no) [yes]?

  26. 起動された scinstall コマンドを使用するかどうかを決定します。

    scinstall コマンドにより確認が求められます。


    >>> Confirmation <<<
     
        Your responses indicate the following options to scinstall:
    -----------------------------------------
     For node "node1",
          scinstall -c jumpstart-dir -h node1  ¥
    ...
        Are these the options you want to use (yes/no) [yes]?
    -----------------------------------------
     For node "node2",
          scinstall -c jumpstart-dir -h node2  ¥
    ...
        Are these the options you want to use (yes/no) [yes]?
    -----------------------------------------
        Do you want to continue with JumpStart set up (yes/no) [yes]?

    コマンドを使用しない場合は、「Main Menu」が表示されます。ここからメニューオプション 3 を再度実行し、別の応答を入力できます。この場合、以前の応答がデフォルトとして表示されます。

  27. 必要に応じて、scinstall によって作成されたデフォルトの class ファイルまたはプロファイルを調整します。

    scinstall コマンドによって、デフォルトの class ファイルである autoscinstall.class が、jumpstart-dir/autoscinstall.d/3.0 ディレクトリに作成されます。


    install_type    initial_install
    system_type     standalone
    partitioning    explicit
    filesys         rootdisk.s0 free /
    filesys         rootdisk.s1 750 swap
    filesys         rootdisk.s3 100  /globaldevices
    filesys         rootdisk.s7 10
    cluster         SUNWCuser       add
    package         SUNWman         add

    デフォルトの class ファイルによって、Solaris ソフトウェアの「エンドユーザーシステムサポート」ソフトウェアグループ (SUNWCuser) がインストールされます。Solaris ソフトウェアの必要条件を追加する構成の場合は、必要に応じて class ファイルを変更します。詳細については、「Solaris ソフトウェアグループについて」を参照してください。

    プロファイルは、以下のいずれかの方法で変更できます。

    • autoscinstall.class ファイルを直接編集します。変更内容は、このカスタム JumpStart ディレクトリを使用するすべてのクラスタのすべてのノードに適用されます。

    • 他のファイルを示すように rules ファイルを更新してから、check ユーティリティーを実行して rules ファイルを検証します。

    Solaris オペレーティング環境のインストールプロファイルが、Sun Cluster ファイルシステムの最小の割り当て要件を満たしているかぎり、インストールプロファイルに対するその他の変更に制限はありません。Sun Cluster 3.0 ソフトウェアをサポートするためのパーティション分割のガイドラインについては、「システムディスクパーティション」を参照してください。JumpStart プロファイルの詳細については、『Solaris 8 のインストール (上級編)』を参照してください。

  28. インターコネクトトランスポート用に RSMAPI または SCI-PCI アダプタを使用するかどうかを決定します。

    • 使用する場合は、手順 27 で説明されている方法を使用し、次のエントリをデフォルトの class ファイルに追加します。「エンドユーザーシステムサポート」よりも高レベルのソフトウェアグループをインストールしている場合は、SUNWrsm* パッケージは Solaris ソフトウェアにインストールされているため、class ファイルに追加する必要はありません。


      package         SUNWrsm         add
      package         SUNWrsmx        add
      package         SUNWrsmo        add
      package         SUNWrsmox       add

      さらに、Sun Cluster パッケージをインストールして、RSMAPI と SCI-PCI アダプタをサポートするためには、手順 32 で、インストール後に実行する完了スクリプトを作成または変更する必要があります。

    • インストールしない場合は、手順 29 に進みます。

  29. Solaris 用のパッチディレクトリを設定します。

    1. クラスタ内の各ノードに、JumpStart サーバー上の jumpstart-dir/autoscinstall.d/nodes/node/patches ディレクトリを作成します。

      クラスタ内のノードごとにディレクトリを 1 つ作成してください (node はクラスタノードの名前)。あるいは、この命名規則を使用して共有パッチディレクトリへのシンボリックリンクを作成することもできます。


      # mkdir jumpstart-dir/autoscinstall.d/nodes/node/patches
      

    2. これらの各ディレクトリに Solaris パッチのコピーを置きます。

      また、Solaris ソフトウェアのインストール後にインストールしたハードウェア関連のパッチも、これらの各ディレクトリに置いてください。

  30. 各ノード上で必要なホスト名情報を含むようにファイルを設定します。

    1. JumpStart インストールサーバーに、jumpstart-dir/autoscinstall.d/nodes/node/archive/etc/inet/hosts という名前のファイルを作成します。

      各ノードに 1 つずつファイルを作成します。node には、クラスタノードの名前を指定します。あるいは、この命名規則を使用して共有ホストファイルへのシンボリックリンクを作成することもできます。

    2. 各ファイルに以下のエントリを追加します。

      • Sun Cluster CD-ROM のイメージがコピーされている NFS サーバーの IP アドレスとホスト名。これは、JumpStart インストールサーバーまたは別のマシンの可能性があります。

      • クラスタ内の各ノードの IP アドレスとホスト名。

  31. インターコネクトトランスポート用に RSMAPI または SCI-PCI アダプタを使用するかどうかを決定します。

    • 使用する場合は、手順 32 の指示に従って、インストール後に実行する完了スクリプトを設定して、次の追加パッケージをインストールします。次の表に示す順番にどおりに、Sun Cluster 3.0 CD-ROM の /cdrom/suncluster_3_0_u2/SunCluster_3.0/Packages ディレクトリから適切なパッケージをインストールします。

      表 2-9 RSMAPI と SCI-PCI アダプタをサポートするための Sun Cluster 3.0 パッケージ

      機能 

      インストールする追加の Sun Cluster 3.0 パッケージ  

      RSMAPI 

      SUNWscrif

      SCI-PCI アダプタ 

      SUNWsci SUNWscid SUNWscidx

    • 使用せずに、独自のインストール後に実行する完了スクリプトを追加する場合は、手順 32 に進みます。それ以外の場合は、手順 33 に進みます。

  32. (省略可能) インストール後に実行する独自の完了スクリプトを追加します。独自の完了スクリプトを追加できます。


    注 -

    インターコネクトトランスポート用に RSMAPI または SCI-PCI アダプタを使用する場合は、Sun Cluster の SUNWscrif ソフトウェアパッケージをインストールするために、完了スクリプトを変更する必要があります。このパッケージは、 scinstall では自動的にインストールされません。


    このスクリプトは、scinstall コマンドによってインストールされる標準の完了スクリプトに続いて実行されます。 JumpStart 完了スクリプトを作成する方法については、『Solaris 8 のインストール (上級編)』を参照してください。

    1. 完了スクリプトに finish と名前を付けます。

    2. jumpstart-dir/autoscinstall.d/nodes/node ディレクトリに完了スクリプトをコピーします。クラスタ内の各ノードにコピーします。

      あるいは、この命名規則を使用して共有 hosts ファイルへのシンボリックリンクを作成 することもできます。

  33. 管理コンソールを使用している場合は、クラスタ内の各ノードにコンソール画面を表示します。

    管理コンソールで cconsole(1M) がインストールおよび構成されている場合は、これを使用して個々のコンソール画面を表示できます。それ以外の場合は、コンソールを各ノードに個別にインストールする必要があります。

  34. 各ノードのコンソールの「ok」PROM プロンプトから、boot net - install コマンドを入力して、各ノードのネットワーク JumpStart インストールを開始します。


    ok boot net - install
    


    注 -

    コマンドに含まれるダッシュ (-) の両側には、空白文字を入力します。


    Sun Cluster のインストール出力は、/var/cluster/logs/install/scinstall.log に記録されます。pid ファイルに記録されます (pidscinstall インスタンスのプロセス ID 番号)。


    注 -

    独自の /etc/inet/ntp.conf ファイルをインストールしていないかぎり、scinstall コマンドによりデフォルトの ntp.conf ファイルがインストールされます。このデフォルトファイルは、出荷時にはノードの最大可能個数を参照する状態になっているため、起動時に xntpd(1M) で一部の参照に関してエラーメッセージが表示される場合があります。これらのメッセージは無視しても問題ありません。通常のクラスタ条件下で、これらのメッセージを表示しないようにする方法については、「Network Time Protocol (NTP) を更新する」を参照してください。


    インストールが正常に完了すると、各ノードは、新しいクラスタノードとして完全にインストールされた状態になります。


    注 -

    Solaris のインタフェースグループ機能は、Solaris ソフトウェアのインストール中にデフォルトで無効に設定されます。インタフェースグループは Sun Cluster 構成ではサポートされていないため、有効にしないでください。Solaris インタフェースグループの詳細については、ifconfig(1M) のマニュアルページを参照してください。


  35. 既存のクラスタに新しいノードをインストールするかどうかを決定します。

    • インストールしない場合は、手順 36 に進みます。

    • インストールする場合は、新しいノードで既存のすべてのクラスタファイルシステムのマウントポイントを作成してください。

    1. クラスタ内の別のアクティブノードから、すべてのクラスタファイルシステムの名前を表示します。


      % mount | grep global | egrep -v node@ | awk '{print $1}'
      

    2. クラスタに追加したノード上で、クラスタ内のクラスタファイルシステムごとにマウントポイントを作成します。


      % mkdir -p mountpoint
      

      たとえば、mount コマンドで表示されるファイルシステム名が /global/dg-schost-1 の場合は、クラスタに追加する新しいノードで mkdir -p /global/dg-schost-1 を実行します。


      注 -

      これらのマウントポイントは、手順 38 においてクラスタを再起動するとアクティブになります。


    3. VERITAS Volume Manager (VxVM) が、クラスタ内にあるノードにすでにインストールされているかどうかを確認します。

      • インストールされている場合は、当該ノード上の /etc/name_to_major ファイルに、vxio ドライバの値を 210 に設定するエントリを追加します。


        # vi /etc/name_to_major
        vxio 210

      • インストールされていない場合は、手順 36 に進みます。

  36. Sun Cluster ソフトウェア用のパッチをインストールします。

    パッチの入手方法とインストール方法については、『Sun Cluster 3.0 12/01 ご使用にあたって』を参照してください。

  37. 動的再構成 (DR) を使用するかどうかを決定します。


    注 -

    クラスタ構成で動的再構成を使用するには、Sun Cluster で動的再構成を使用するようにサーバーがサポートされている必要があります。


    • 使用する場合は、各ノード上にある /etc/system ファイルに次のエントリを追加します。


      set kernel_cage_enable=1

      このエントリは、次にシステムを再起動したときに有効になります。動的再構成の詳細については、サーバーのマニュアルを参照してください。

    • 使用しない場合は、手順 38 に進みます。

  38. 既存のクラスタに対する新しいノードの追加、またはクラスタ全体の再起動を必要とする Sun Cluster ソフトウェアパッチのインストール (あるいはこの両方) を行ったかどうかを確認します。

    • 新しいノードを追加またはインストールしていない場合、かつ、インストールしている任意のノードがノードの再起動を必要とする場合、あるいは、変更箇所を有効にするには再起動が必要な場合は、個々のノードを再起動します。

    • 新しいノードを追加またはインストールしている場合、次の手順に指示されているとおりに再構成用の再起動を実行します。

    1. 任意のノードからクラスタを停止します。


      # scshutdown
      


      注 -

      クラスタが停止し終わるまでクラスタの最初のインストールノードを再起動しないください。


    2. クラスタ内の各ノードを再起動します。


      ok boot
      

    クラスタインストールモードが無効になるまでは、定足数投票はクラスタを確立した最初のインストールノードにしかありません。確立されたクラスタがまだインストールモードにある場合、クラスタを停止せずに最初のインストールノードを再起動すると、残りのクラスタノードは定足数を得られず、クラスタ全体が停止します。クラスタノードは、「インストール後設定を行う」の手順で scsetup(1M) コマンドを最初に実行するまでは、インストールモードのままです。

  39. ネームサービスの参照順序を設定します。

    「ネームサービススイッチを構成する」 に進みます。

ネームサービススイッチを構成する

クラスタ内の各ノードで次の作業を行います。

  1. クラスタノードのスーパーユーザーになります。

  2. /etc/nsswitch.conf ファイルを編集します。

    1. cluster が、データベースエントリの hosts および netmasks の最初の参照先になっていることを確認します。

      この順序は、Sun Cluster ソフトウェアを正しく動作させるために重要です。scinstall(1M) コマンドによって、インストール中に cluster がこれらのエントリに追加されます。

    2. (省略可能) ネームサービスが利用不能になった場合にデータサービスの可用性を向上させるには、以下のエントリの参照順序を変更してください。

      • データベースエントリ hosts および netmasks では、cluster の後に files を配置します。

      • その他のすべてのデータベースについては、files を参照順序の最初に配置します。

      参照順序を変更した結果、[NOTFOUND=return] 条件がエントリの最後の項目になる場合、この条件は不要となります。エントリから [NOTFOUND=return] 条件を削除することも、あるいはそのまま残す (この場合は無視されます) こともできます。

    次に、/etc/nsswitch.conf ファイルの内容の一部を例として示します。データベースエントリ hosts および netmasks の参照順序は、clusterfiles の順です。その他のエントリの参照順序は、files から始まります。[NOTFOUND=return] 条件は、このエントリからは削除しています。


    # vi /etc/nsswitch.conf
    ...
    passwd:     files nis
    group:      files nis
    ...
    hosts:      cluster files nis
    ...
    netmasks:   cluster files nis
    ...

    nsswitch.conf エントリの詳細については、nsswitch.conf(4) のマニュアルページを参照してください。

  3. root ユーザーの環境を設定します。

    「root 環境を設定する」に進みます。

root 環境を設定する

クラスタ内の各ノードで次の作業を行います。


注 -

Sun Cluster 構成では、各種シェルのユーザー初期化ファイルは、それらが対話式のシェルから実行されていることを確認した上で、端末への出力を試みる必要があります。この方法に従わないと、予期しない動作やデータサービス妨害が発生する可能性があります。ユーザーの作業環境をカスタマイズする方法については、『Solaris のシステム管理 (第 1 巻)』を参照してください。


  1. クラスタノードでスーパーユーザーになります。

  2. .cshrc ファイルの PATH と MANPATH エントリを変更します。

    1. /usr/sbin および /usr/cluster/bin を含むように PATH 環境変数を設定します。

      • VERITAS Volume Manager の場合は、PATH 環境変数に /etc/vx/bin も含めます。VRTSvmsa パッケージをインストールしている場合は、/opt/VRTSvmsa/binPATH 環境変数に追加します。

      • VERITAS File System の場合は、PATH 環境変数に /opt/VRTSvxfs/sbin/usr/lib/fs/vxfs/bin/etc/fs/vxfs も含めます。

    2. MANPATH 環境変数に /usr/cluster/man を含めます。また、次のようにボリューム管理ソフトウェア固有のパスも含めます。

      • Solstice DiskSuite ソフトウェアの場合は、 MANPATH 環境変数に /usr/share/man を含めます。

      • VERITAS Volume Manager の場合は、MANPATH 環境変数に /opt/VRTSvxvm/man を含めます。VRTSvmsa パッケージをインストールしている場合は、MANPATH 環境変数に /opt/VRTSvmsa/man も含めます。

      • VERITAS File System の場合は、MANPATH 環境変数に /opt/VRTS/man も含めます。

  3. (省略可能) 管理を行いやすくするため、各ノードに同じ root パスワードを設定します。

  4. 残りの各クラスタノードで、手順 1 から 手順 3 までを繰り返します。

  5. データサービスソフトウェアパッケージをインストールします。

    「データサービスソフトウェアパッケージをインストールする」に進みます。

データサービスソフトウェアパッケージをインストールする

各クラスタノードで以下の作業を行います。


注 -

SunPlex Manager を使用し、Sun Cluster HA for NFS または Sun Cluster HA for Apache (あるいはこの両方) をインストールしており、他のデータサービスをインストールする予定がない場合は、この作業を行う必要はありません。その代わりに、「インストール後設定を行う」に進みます。


  1. クラスタノードでスーパーユーザーになります。

  2. CD-ROM からインストールする場合は、ノードの CD-ROM ドライブに Sun Cluster 3.0 Agents 12/01 CD-ROM を挿入します。

  3. scinstall(1M) ユーティリティーを起動します。


    # scinstall
    

    対話形式の scinstall ユーティリティーを使用するときは、次のガイドラインに従ってください。

    • 対話形式の scinstall では先打ち入力が可能です。したがって、次のメニュー画面がすぐに表示されなくても、何度も Return キーを押さないでください。

    • 特に指定がない場合は、Control-D キーを押すと、関連のある一連の質問の最初か、またはメインメニューに戻ります。

  4. データサービスを追加するには、4 (Add support for a new data service to this cluster node) を入力します。

    プロンプトに従って、インストールするデータサービスをすべて選択します。


    注 -

    インストールしたデータサービスのリソースをノードでホストしない場合でも、各ノードに同じデータサービスパッケージのセットをインストールする必要があります。


  5. CD-ROM からインストールした場合は、CD-ROM を取り出します。

  6. Sun Cluster データサービス用のパッチをインストールします。

    パッチの入手方法とインストール手順については、『Sun Cluster 3.0 12/01 ご使用にあたって』を参照してください。

    パッチの特別な指示によって再起動が指定されていないかぎり、Sun Cluster データサービスのパッチをインストールした後で再起動する必要はありません。再起動が必要な場合は、クラスタの最初のノードを再起動する前に scshutdown(1M) コマンドを使用してそのクラスタを停止してください。


    注 -

    クラスタインストールモードが無効になるまでは、定足数投票はクラスタを確立した最初のインストールノードにしかありません。確立されたクラスタがまだインストールモードにある場合、クラスタを停止せずに最初のインストールノードを再起動すると、残りのクラスタノードは定足数を得られず、クラスタ全体が停止します。クラスタノードは、「インストール後設定を行う」の手順で scsetup(1M) コマンドを最初に実行するまでは、インストールモードのままです。


  7. 残りの各クラスタノードで、手順 1 から 手順 6 までを繰り返します。

  8. インストール後設定を行い、定足数投票を割り当てます。

    「インストール後設定を行う」に進みます。

インストール後設定を行う

次の手順は、クラスタが完全に形成された後に一度だけ実行します。

すべてのノードがクラスタに結合していることを確認します。

  1. 任意のノードから、すべてのノードがクラスタに結合していることを確認します。

    クラスタノードのリストを表示するため、scstat(1M)コマンドを実行します。このコマンドを実行するために、スーパーユーザーとしてログインする必要はありません。


    % scstat -n
    

    出力は次のようになります。


    -- Cluster Nodes --
                       Node name      Status
                       ---------      ------
      Cluster node:    phys-schost-1  Online
      Cluster node:    phys-schost-2  Online

  2. 各ノードで、クラスタノードに対するデバイスの接続性を検証します。

    scdidadm(1M) コマンドを実行し、システムによって検査されるすべてのデバイスのリストを表示します。このコマンドを実行するために、スーパーユーザーとしてログインする必要はありません。


    % scdidadm -L
    

    各ノードのリストは同じ内容になります。出力は次のようになります。


    1       phys-schost-1:/dev/rdsk/c0t0d0 /dev/did/rdsk/d1
    2       phys-schost-1:/dev/rdsk/c1t1d0 /dev/did/rdsk/d2
    2       phys-schost-2:/dev/rdsk/c1t1d0 /dev/did/rdsk/d2
    3       phys-schost-1:/dev/rdsk/c1t2d0 /dev/did/rdsk/d3
    3       phys-schost-2:/dev/rdsk/c1t2d0 /dev/did/rdsk/d3
    ...

  3. 定足数デバイスとして構成する各共有ディスクの広域デバイス ID (DID) を決定します。

    手順 2 で得られた scdidadm の出力で、定足数デバイスとして構成する各共有ディスクの DID 名を確認してください。たとえば、上記の手順の出力は、広域デバイス d2phys-schost-1phys-schost-2 で共有されていることを示しています。この情報は、手順 8 で使用します。定足数デバイスの計画の詳細については、「定足数デバイス」を参照してください。

  4. 既存のクラスタに新しいノードを追加するかどうかを決定します。

    • 追加する場合は、クラスタの新しい構成に対応できるように定足数の構成を更新しなければならないことがあります。定足数については、『Sun Cluster 3.0 12/01 の概念』を参照してください。定足数の構成を変更するには、『Sun Cluster 3.0 12/01 のシステム管理』に示されている手順に従ってください。適切に定足数を設定したら、手順 12 に進みます。

    • 追加しない場合は、手順 6 に進みます。

  5. SunPlex Manager を使用して Sun Cluster ソフトウェアをインストールしたかどうかを確認します。

    • SunPlex Manager を使用した場合は、手順 11 に進みます。Sun Cluster のインストール時に、SunPlex Manager は定足数投票を割り当て、クラスタをインストールモードから解除します。

    • 使用していない場合は、手順 6 に進みます。

  6. 任意のクラスタノードでスーパーユーザーになります。

  7. scsetup(1M) ユーティリティーを起動します。


    # scsetup
    

    「Initial Cluster Setup」画面が表示されます。


    注 -

    代わりに「Main Menu」が表示された場合は、クラスタの初期設定はすでに正しく行われています。手順 11 に進みます。


    定足数の設定処理が中断されたり、正常に終了しなかった場合は、scsetup を再度実行してください。

  8. クラスタが 2 ノードクラスタの場合は、「Do you want to add any quorum disks?」というプロンプトで 1 つ以上の共有定足数デバイスを構成してください。

    2 ノードクラスタは、共有定足数デバイスが構成されるまでインストールモードのままです。scsetup ユーティリティーが定足数デバイスを構成し終わると、「Command completed successfully」というメッセージが表示されます。クラスタに 3 つ以上のノードが存在する場合は、定足数デバイスの構成は任意です。

  9. Is it okay to reset "installmode"?」というプロンプトに、「Yes」とこたえます。

    scsetup ユーティリティーによって、クラスタの定足数構成と投票数 (quorum vote count) が設定されたあと、「Cluster initialization is complete」というメッセージが表示され、「Main Menu」に戻ります。

  10. 任意のノードから、デバイスとノードの定足数構成を確認します。


    % scstat -q
    

  11. 任意のノードから、クラスタインストールモードが無効になっていることを確認します。

    このコマンドを実行するためにスーパーユーザーになる必要はありません。


    % scconf -p | grep "Cluster install mode:"Cluster install mode:                                  disabled

  12. ボリューム管理ソフトウェアをインストールします。