Sun Cluster 3.0 12/01 ソフトウェアのインストール

Solaris と Sun Cluster ソフトウェアをインストールする (JumpStart)

この節では、カスタム JumpStart によるインストール方法である scinstall(1M) の設定と使用について説明します。この方法を利用すると、1 回の操作ですべてのクラスタノード上に、Solaris ソフトウェアと Sun Cluster ソフトウェアの両方をインストールし、クラスタを確立できます。また、既存のクラスタに新しいノードを追加するためにも利用できます。

  1. Solaris ソフトウェアをインストールする前に、ハードウェアの設定が完了していることと接続が正しいことを確認します。

    ハードウェアの設定の詳細については、『Sun Cluster 3.0 12/01 Hardware Guide』およびサーバーと記憶装置のマニュアルを参照してください。

  2. クラスタ構成の計画が完了していることを確認します。

    必要条件とガイドラインについては、「クラスタソフトウェアのインストールの準備をする」を参照してください。

  3. 以下の情報を用意します。

    • 各クラスタノードの Ethernet アドレス

    • Sun Cluster 3.0 ご使用にあたって』の以下のワークシートに必要事項を記入したもの

      • 「ローカルファイルシステム配置のワークシート」

      • 「クラスタとノード名のワークシート」

      • 「クラスタインターコネクトのワークシート」

    計画のガイドラインについては、「Solaris オペレーティング環境の計画」「Sun Cluster 環境の計画」を参照してください。

  4. ネームサービスを使用しているかどうかを確認します。

    • 使用していない場合は、手順 5 に進みます。手順 30 で必要なホスト名情報を設定します。

    • 使用する場合は、すべてのパブリックホスト名と論理アドレスのアドレスと名前のマッピングのほかに、JumpStart サーバーの IP アドレスとホスト名も、クライアントがクラスタサービスへのアクセスに使用するネームサービス (NIS、NIS+、DNS など) に追加します。計画のガイドラインについては、「IP アドレス」を参照してください。Solaris のネームサービスの使用方法については、Solaris システム管理者向けのドキュメントを参照してください。

  5. 既存のクラスタに新しいノードをインストールするかどうかを決定します。

    • インストールする場合は、別のアクティブクラスタノードから scsetup(1M) を実行し、認証クラスタノードのリストにこの新しいノードの名前を追加します。手順については、『Sun Cluster 3.0 12/01 のシステム管理』の「クラスタノードを認証ノードリストに追加する」を参照してください。

    • インストールしない場合は、手順 6 に進みます。

  6. スーパーユーザーで、Solaris オペレーティング環境のインストール用に JumpStart インストールサーバーを設定します。

    JumpStart インストールサーバーの設定方法については、setup_install_server(1M) と add_install_client(1M) のマニュアルページ、および『Solaris のインストール (上級編)』を参照してください。

    インストールサーバーを設定するときは、以下の必要条件が満たされていることを確認します。

    • インストールサーバーはクラスタノードと同じサブネット上にあるが、それ自体はクラスタノードではない。

    • インストールサーバーによって、Sun Cluster ソフトウェアに必要な Solaris オペレーティング環境のリリースがインストールされる。

    • Sun Cluster の JumpStart インストール用にカスタム JumpStart ディレクトリが存在する。この jumpstart-dir ディレクトリには、check(1M) ユーティリティーのコピーが含まれており、JumpStart インストールサーバーで読み取れるように NFS によってエクスポートされている必要があります。

    • 各新規クラスタノードが、Sun Cluster のインストール用のカスタム JumpStart ディレクトリ設定を使用する、カスタム JumpStart インストールクライアントとして構成されている。

  7. JumpStart インストールサーバーに、Sun Cluster 3.0 12/01 CD-ROM のコピーを格納する ディレクトリを作成します。

    次の例では、このために /export/suncluster ディレクトリを作成します。


    # mkdir -m 755 /export/suncluster
    

  8. Sun Cluster CD-ROM を JumpStart インストールサーバーにコピーします。

    1. JumpStart インストールサーバーの CD-ROM ドライブに Sun Cluster 3.0 12/01 CD-ROM を挿入します。

      ボリューム管理デーモン vold(1M) が実行されており、CD-ROM デバイスを管理するように構成されている場合は、CD-ROM は自動的に /cdrom/suncluster_3_0_u2 ディレクトリにマウントされます。

    2. /cdrom/suncluster_3_0_u2/SunCluster_3.0/Tools ディレクトリに移動します。


      # cd /cdrom/suncluster_3_0_u2/SunCluster_3.0/Tools
      

    3. CD-ROM を JumpStart インストールサーバー上の新しいディレクトリにコピーします。

      scinstall コマンドで、CD-ROM のファイルをコピーする新しいインストールディレクトリを作成します。ここでは、インストールディレクトリ名 /export/suncluster/sc30 を例として使用します。


      # ./scinstall -a /export/suncluster/sc30
      

    4. CD-ROM を取り出します。


      # cd /
      # eject cdrom
      

    5. JumpStart インストールサーバー上の Sun Cluster 3.0 12/01 CD-ROM イメージが、JumpStart インストールサーバーで読み取れるように NFS によってエクスポートされていることを確認します。

      自動ファイル共有の詳細については、『NFS の管理』、および share(1M) と dfstab(4) のマニュアルページを参照してください。

  9. 既存のクラスタに新しいノードをインストールするかどうかを決定します。

    • インストールする場合は、手順 10 に進みます。

    • インストールしない場合は、手順 11 に進みます。

  10. クラスタの認証ノードリストにこの新しいノードを追加しているかどうかを確認します。

    • 追加している場合は、手順 11 に進みます。

    • まだ追加してない場合は、任意の既存クラスタノードから scsetup(1M) を実行して認証クラスタノードのリストにこの新しいノードの名前を追加してください。手順については、『Sun Cluster 3.0 12/01 のシステム管理』の「クラスタノードを認証ノードリストに追加する」を参照してください。

  11. JumpStart インストールサーバーから scinstall(1M) ユーティリティーを起動します。

    ここでは、作成したインストールディレクトリの例として、パス /export/suncluster/sc30 を使用します。


    # cd /export/suncluster/sc30/SunCluster_3.0/Tools
    # ./scinstall
    

    対話形式の scinstall ユーティリティーを使用するときは、次のガイドラインに従ってください。

    • 対話形式の scinstall では先打ち入力が可能です。したがって、次のメニュー画面がすぐに表示されなくても、何度も Return キーを押さないでください。

    • 特に指定がない場合は、Control-D キーを押すと、関連のある一連の質問の最初か、またはメインメニューに戻ります。 Sun Cluster ソフトウェアをインストールした後に、 Control-D キーを押してセッションを中断しようとすると、これらのパッケージのインストールを解除するかどうかたずねられます。

    • セッションでの入力内容は、そのメニューオプションを次回実行したときのデフォルトとして格納されます。プロンプトの最後に、角括弧 ([ ]) に囲まれてデフォルトの回答が表示されます。

  12. 「Main Menu」で、3 (Configure a cluster to be JumpStarted from this install server) を入力します。

    このオプションは、カスタム JumpStart 完了スクリプトを構成するときに使用します。JumpStart は、これらの完了スクリプトを使用して Sun Cluster ソフトウェアをインストールします。


     *** Main Menu ***
     
        Please select from one of the following (*) options:
     
            1) Establish a new cluster using this machine as the first node
            2) Add this machine as a node in an established cluster
          * 3) Configure a cluster to be JumpStarted from this install server
            4) Add support for new data services to this cluster node
            5) Print release information for this cluster node
     
          * ?) Help with menu options
          * q) Quit
     
        Option:3
     
     *** Custom JumpStart ***
    ...
        Do you want to continue (yes/no) [yes]?


    注 -

    オプション 3 の前にアスタリスクが表示されていない場合は、JumpStart 設定が完了しなかったか、エラーがあるためにこのオプションが無効になっていることを示します。scinstall ユーティリティーを終了し、 手順 6 から 手順 8 までを繰り返して JumpStart 設定を修正してから、scinstall ユーティリティーを再起動してください。


  13. JumpStart ディレクトリ名を指定します。


    >>> Custom JumpStart Directory <<<
    ....
        What is your JumpStart directory name?jumpstart-dir
    

  14. クラスタの名前を指定します。


    >>> Cluster Name <<<
    ...
        What is the name of the cluster you want to establish?clustername
    

  15. すべてのクラスタノードの名前を指定します。


    >>> Cluster Nodes <<<
    ...
        Please list the names of all cluster nodes planned for the initial
        cluster configuration. You must enter at least two nodes. List one
        node name per line. When finished, type Control-D:
     
        Node name:node1
        Node name:node2
        Node name (Ctrl-D to finish): <Control-D>
     
        This is the complete list of nodes:
    ... 
        Is it correct (yes/no) [yes]?

  16. データ暗号化規格 (DES) 認証を使用するかどうかを指定します。

    デフォルトでは、Sun Cluster ソフトウェアを使用してノードをクラスタに接続できるのは、ノードが物理的にプライベートインターコネクトに接続されていて、かつ上記の 手順 15 の方法でノード名が指定されている場合だけです。しかし、プライベートインターコネクトはまだ完全に構成されていないため、実際にはノードはパブリックネットワークを介してスポンサーノードと通信します。DES 認証を使用すると、スポンサーノードは、クラスタ構成を更新するために接続を試みるノードを確実に認証できます。このため、インストール時のセキュリティレベルが高くなります。

    セキュリティを高めるために DES 認証を使用する場合は、ノードをクラスタに追加する前に、必要な暗号化鍵をすべて構成する必要があります。詳細については、keyserv(1M) および publickey(4) のマニュアルページを参照してください。


    >>> Authenticating Requests to Add Nodes <<<
    ...
        Do you need to use DES authentication (yes/no) [no]?

  17. プライベートネットワークアドレスとネットマスクを指定します。


    >>> Network Address for the Cluster Transport <<<
    ...
        Is it okay to accept the default network address (yes/no) [yes]?
        Is it okay to accept the default netmask (yes/no) [yes]?


    注 -

    クラスタが正しく構成されたあとでは、プライベートネットワークアドレスは変更できません。


  18. クラスタがトランスポート接続点を使用するかどうかを指定します。

    • 2 ノードクラスタである場合は、トランスポート接続点を使用するかどうかを指定します。


      >>> Point-to-Point Cables <<<
       ...
          Does this two-node cluster use transport junctions (yes/no) [yes]?


      ヒント -

      ノードが互いに直結されているかどうかにかかわらず、クラスタがトランスポート接続点を使用するように指定できます。クラスタがトランスポート接続点を使用するように指定すると、クラスタに新しいノードを簡単に追加できるようになります。


    • このクラスタに 3 つ以上のノードがある場合は、トランスポート接続点を使用する必要があります。Return キーを押して次の画面に進みます。


      >>> Point-to-Point Cables <<<
       ...
          Since this is not a two-node cluster, you will be asked to configure
          two transport junctions.
          
      Hit ENTER to continue:

  19. このクラスタがトランスポート接続点を使用するかどうかを決定します。

    • 使用する場合は、トランスポート接続点の名前を指定します。この場合、デフォルトの名前 switchN を使用することも、独自の名前を作成することもできます。


      >>> Cluster Transport Junctions <<<
       ...
          What is the name of the first junction in the cluster [switch1]?
          What is the name of the second junction in the cluster [switch2]?

    • 使用しない場合は、手順 20 に進みます。

  20. 最初のノードの最初のクラスタインターコネクトトランスポートアダプタを指定します。


    >>> Cluster Transport Adapters and Cables <<<
    ...
     For node "node1",
        What is the name of the first cluster transport adapter?adapter
    

  21. 最初のアダプタの接続エンドポイントを指定します。

    • クラスタがトランスポート接続点を使用しない場合、 (このアダプタが接続されている) 2 番目のノード上にあるアダプタの名前を指定します。


      ...
          Name of adapter on "node2" to which "adapter" is connected?adapter
      

    • クラスタがトランスポート接続点を使用する場合、最初のトランスポート接続点の名前とそのポートを指定します。


      ...
       For node "node1",
          Name of the junction to which "adapter" is connected?switch
      ...
       For node "node1",
          Use the default port name for the "adapter" connection (yes/no) [yes]?


      注 -

      SCI アダプタを使用する構成の場合は、アダプタ接続 (ポート名) をたずねられたときに、デフォルトを受け入れてはなりません。その代わりに、Dolphin スイッチ自身上で見つかった、ノードが物理的に (ケーブルで) 接続されているポート名 (0123 のいずれか) を指定します。デフォルトのポート名を拒否して、Dolphin スイッチのポート名 0 を指定する質問と応答の例を次に示します。



      ...
          Use the default port name for the "adapter" connection (yes/no) [yes]?no
          What is the name of the port you want to use?0
      
  22. 最初のノードの 2 番目のクラスタインターコネクトトランスポートアダプタを指定します。


    ...
     For node "node1",
        What is the name of the second cluster transport adapter?adapter
    

  23. 2 番目のアダプタの接続エンドポイントを指定します。

    • クラスタがトランスポート接続点を使用しない場合、(このアダプタが接続されている) 2 番目のノード上にあるアダプタの名前を指定します。


      ...
          Name of adapter on "node2" to which "adapter" is connected?adapter
      

    • クラスタがトランスポート接続点を使用する場合、2 番目のトランスポート接続点の名前とそのポートを指定します。


      ...
       For node "node1",
          Name of the junction to which "adapter" is connected?switch
      ...
       For node "node1",
          Use the default port name for the "adapter" connection (yes/no) [yes]?


      注 -

      SCI アダプタを使用する構成の場合は、アダプタ接続 (ポート名) をたずねられたときに、デフォルトを受け入れてはなりません。その代わりに、Dolphin スイッチ自身上で見つかった、ノードが物理的に (ケーブルで) 接続されているポート名 (0123 のいずれか) を指定します。デフォルトのポート名を拒否して、Dolphin スイッチのポート名 0 を指定する質問と応答の例を次に示します。


      ...
          Use the default port name for the "adapter" connection (yes/no) [yes]?no
          What is the name of the port you want to use?0
      


  24. このクラスタがトランスポート接続点を使用するかどうかを決定します。

    • 使用する場合は、追加のクラスタノードごとに、手順 20 から 手順 23 までを繰り返します。

    • 使用しない場合は、手順 25 に進みます。

  25. クラスタノードごとに広域デバイスのファイルシステム名を指定します。


    >>> Global Devices File System <<<
    ...
        The default is to use /globaldevices.
     
     For node "node1",
        Is it okay to use this default (yes/no) [yes]?
     
     For node "node2",
        Is it okay to use this default (yes/no) [yes]?

  26. 起動された scinstall コマンドを使用するかどうかを決定します。

    scinstall コマンドにより確認が求められます。


    >>> Confirmation <<<
     
        Your responses indicate the following options to scinstall:
    -----------------------------------------
     For node "node1",
          scinstall -c jumpstart-dir -h node1  ¥
    ...
        Are these the options you want to use (yes/no) [yes]?
    -----------------------------------------
     For node "node2",
          scinstall -c jumpstart-dir -h node2  ¥
    ...
        Are these the options you want to use (yes/no) [yes]?
    -----------------------------------------
        Do you want to continue with JumpStart set up (yes/no) [yes]?

    コマンドを使用しない場合は、「Main Menu」が表示されます。ここからメニューオプション 3 を再度実行し、別の応答を入力できます。この場合、以前の応答がデフォルトとして表示されます。

  27. 必要に応じて、scinstall によって作成されたデフォルトの class ファイルまたはプロファイルを調整します。

    scinstall コマンドによって、デフォルトの class ファイルである autoscinstall.class が、jumpstart-dir/autoscinstall.d/3.0 ディレクトリに作成されます。


    install_type    initial_install
    system_type     standalone
    partitioning    explicit
    filesys         rootdisk.s0 free /
    filesys         rootdisk.s1 750 swap
    filesys         rootdisk.s3 100  /globaldevices
    filesys         rootdisk.s7 10
    cluster         SUNWCuser       add
    package         SUNWman         add

    デフォルトの class ファイルによって、Solaris ソフトウェアの「エンドユーザーシステムサポート」ソフトウェアグループ (SUNWCuser) がインストールされます。Solaris ソフトウェアの必要条件を追加する構成の場合は、必要に応じて class ファイルを変更します。詳細については、「Solaris ソフトウェアグループについて」を参照してください。

    プロファイルは、以下のいずれかの方法で変更できます。

    • autoscinstall.class ファイルを直接編集します。変更内容は、このカスタム JumpStart ディレクトリを使用するすべてのクラスタのすべてのノードに適用されます。

    • 他のファイルを示すように rules ファイルを更新してから、check ユーティリティーを実行して rules ファイルを検証します。

    Solaris オペレーティング環境のインストールプロファイルが、Sun Cluster ファイルシステムの最小の割り当て要件を満たしているかぎり、インストールプロファイルに対するその他の変更に制限はありません。Sun Cluster 3.0 ソフトウェアをサポートするためのパーティション分割のガイドラインについては、「システムディスクパーティション」を参照してください。JumpStart プロファイルの詳細については、『Solaris 8 のインストール (上級編)』を参照してください。

  28. インターコネクトトランスポート用に RSMAPI または SCI-PCI アダプタを使用するかどうかを決定します。

    • 使用する場合は、手順 27 で説明されている方法を使用し、次のエントリをデフォルトの class ファイルに追加します。「エンドユーザーシステムサポート」よりも高レベルのソフトウェアグループをインストールしている場合は、SUNWrsm* パッケージは Solaris ソフトウェアにインストールされているため、class ファイルに追加する必要はありません。


      package         SUNWrsm         add
      package         SUNWrsmx        add
      package         SUNWrsmo        add
      package         SUNWrsmox       add

      さらに、Sun Cluster パッケージをインストールして、RSMAPI と SCI-PCI アダプタをサポートするためには、手順 32 で、インストール後に実行する完了スクリプトを作成または変更する必要があります。

    • インストールしない場合は、手順 29 に進みます。

  29. Solaris 用のパッチディレクトリを設定します。

    1. クラスタ内の各ノードに、JumpStart サーバー上の jumpstart-dir/autoscinstall.d/nodes/node/patches ディレクトリを作成します。

      クラスタ内のノードごとにディレクトリを 1 つ作成してください (node はクラスタノードの名前)。あるいは、この命名規則を使用して共有パッチディレクトリへのシンボリックリンクを作成することもできます。


      # mkdir jumpstart-dir/autoscinstall.d/nodes/node/patches
      

    2. これらの各ディレクトリに Solaris パッチのコピーを置きます。

      また、Solaris ソフトウェアのインストール後にインストールしたハードウェア関連のパッチも、これらの各ディレクトリに置いてください。

  30. 各ノード上で必要なホスト名情報を含むようにファイルを設定します。

    1. JumpStart インストールサーバーに、jumpstart-dir/autoscinstall.d/nodes/node/archive/etc/inet/hosts という名前のファイルを作成します。

      各ノードに 1 つずつファイルを作成します。node には、クラスタノードの名前を指定します。あるいは、この命名規則を使用して共有ホストファイルへのシンボリックリンクを作成することもできます。

    2. 各ファイルに以下のエントリを追加します。

      • Sun Cluster CD-ROM のイメージがコピーされている NFS サーバーの IP アドレスとホスト名。これは、JumpStart インストールサーバーまたは別のマシンの可能性があります。

      • クラスタ内の各ノードの IP アドレスとホスト名。

  31. インターコネクトトランスポート用に RSMAPI または SCI-PCI アダプタを使用するかどうかを決定します。

    • 使用する場合は、手順 32 の指示に従って、インストール後に実行する完了スクリプトを設定して、次の追加パッケージをインストールします。次の表に示す順番にどおりに、Sun Cluster 3.0 CD-ROM の /cdrom/suncluster_3_0_u2/SunCluster_3.0/Packages ディレクトリから適切なパッケージをインストールします。

      表 2-9 RSMAPI と SCI-PCI アダプタをサポートするための Sun Cluster 3.0 パッケージ

      機能 

      インストールする追加の Sun Cluster 3.0 パッケージ  

      RSMAPI 

      SUNWscrif

      SCI-PCI アダプタ 

      SUNWsci SUNWscid SUNWscidx

    • 使用せずに、独自のインストール後に実行する完了スクリプトを追加する場合は、手順 32 に進みます。それ以外の場合は、手順 33 に進みます。

  32. (省略可能) インストール後に実行する独自の完了スクリプトを追加します。独自の完了スクリプトを追加できます。


    注 -

    インターコネクトトランスポート用に RSMAPI または SCI-PCI アダプタを使用する場合は、Sun Cluster の SUNWscrif ソフトウェアパッケージをインストールするために、完了スクリプトを変更する必要があります。このパッケージは、 scinstall では自動的にインストールされません。


    このスクリプトは、scinstall コマンドによってインストールされる標準の完了スクリプトに続いて実行されます。 JumpStart 完了スクリプトを作成する方法については、『Solaris 8 のインストール (上級編)』を参照してください。

    1. 完了スクリプトに finish と名前を付けます。

    2. jumpstart-dir/autoscinstall.d/nodes/node ディレクトリに完了スクリプトをコピーします。クラスタ内の各ノードにコピーします。

      あるいは、この命名規則を使用して共有 hosts ファイルへのシンボリックリンクを作成 することもできます。

  33. 管理コンソールを使用している場合は、クラスタ内の各ノードにコンソール画面を表示します。

    管理コンソールで cconsole(1M) がインストールおよび構成されている場合は、これを使用して個々のコンソール画面を表示できます。それ以外の場合は、コンソールを各ノードに個別にインストールする必要があります。

  34. 各ノードのコンソールの「ok」PROM プロンプトから、boot net - install コマンドを入力して、各ノードのネットワーク JumpStart インストールを開始します。


    ok boot net - install
    


    注 -

    コマンドに含まれるダッシュ (-) の両側には、空白文字を入力します。


    Sun Cluster のインストール出力は、/var/cluster/logs/install/scinstall.log に記録されます。pid ファイルに記録されます (pidscinstall インスタンスのプロセス ID 番号)。


    注 -

    独自の /etc/inet/ntp.conf ファイルをインストールしていないかぎり、scinstall コマンドによりデフォルトの ntp.conf ファイルがインストールされます。このデフォルトファイルは、出荷時にはノードの最大可能個数を参照する状態になっているため、起動時に xntpd(1M) で一部の参照に関してエラーメッセージが表示される場合があります。これらのメッセージは無視しても問題ありません。通常のクラスタ条件下で、これらのメッセージを表示しないようにする方法については、「Network Time Protocol (NTP) を更新する」を参照してください。


    インストールが正常に完了すると、各ノードは、新しいクラスタノードとして完全にインストールされた状態になります。


    注 -

    Solaris のインタフェースグループ機能は、Solaris ソフトウェアのインストール中にデフォルトで無効に設定されます。インタフェースグループは Sun Cluster 構成ではサポートされていないため、有効にしないでください。Solaris インタフェースグループの詳細については、ifconfig(1M) のマニュアルページを参照してください。


  35. 既存のクラスタに新しいノードをインストールするかどうかを決定します。

    • インストールしない場合は、手順 36 に進みます。

    • インストールする場合は、新しいノードで既存のすべてのクラスタファイルシステムのマウントポイントを作成してください。

    1. クラスタ内の別のアクティブノードから、すべてのクラスタファイルシステムの名前を表示します。


      % mount | grep global | egrep -v node@ | awk '{print $1}'
      

    2. クラスタに追加したノード上で、クラスタ内のクラスタファイルシステムごとにマウントポイントを作成します。


      % mkdir -p mountpoint
      

      たとえば、mount コマンドで表示されるファイルシステム名が /global/dg-schost-1 の場合は、クラスタに追加する新しいノードで mkdir -p /global/dg-schost-1 を実行します。


      注 -

      これらのマウントポイントは、手順 38 においてクラスタを再起動するとアクティブになります。


    3. VERITAS Volume Manager (VxVM) が、クラスタ内にあるノードにすでにインストールされているかどうかを確認します。

      • インストールされている場合は、当該ノード上の /etc/name_to_major ファイルに、vxio ドライバの値を 210 に設定するエントリを追加します。


        # vi /etc/name_to_major
        vxio 210

      • インストールされていない場合は、手順 36 に進みます。

  36. Sun Cluster ソフトウェア用のパッチをインストールします。

    パッチの入手方法とインストール方法については、『Sun Cluster 3.0 12/01 ご使用にあたって』を参照してください。

  37. 動的再構成 (DR) を使用するかどうかを決定します。


    注 -

    クラスタ構成で動的再構成を使用するには、Sun Cluster で動的再構成を使用するようにサーバーがサポートされている必要があります。


    • 使用する場合は、各ノード上にある /etc/system ファイルに次のエントリを追加します。


      set kernel_cage_enable=1

      このエントリは、次にシステムを再起動したときに有効になります。動的再構成の詳細については、サーバーのマニュアルを参照してください。

    • 使用しない場合は、手順 38 に進みます。

  38. 既存のクラスタに対する新しいノードの追加、またはクラスタ全体の再起動を必要とする Sun Cluster ソフトウェアパッチのインストール (あるいはこの両方) を行ったかどうかを確認します。

    • 新しいノードを追加またはインストールしていない場合、かつ、インストールしている任意のノードがノードの再起動を必要とする場合、あるいは、変更箇所を有効にするには再起動が必要な場合は、個々のノードを再起動します。

    • 新しいノードを追加またはインストールしている場合、次の手順に指示されているとおりに再構成用の再起動を実行します。

    1. 任意のノードからクラスタを停止します。


      # scshutdown
      


      注 -

      クラスタが停止し終わるまでクラスタの最初のインストールノードを再起動しないください。


    2. クラスタ内の各ノードを再起動します。


      ok boot
      

    クラスタインストールモードが無効になるまでは、定足数投票はクラスタを確立した最初のインストールノードにしかありません。確立されたクラスタがまだインストールモードにある場合、クラスタを停止せずに最初のインストールノードを再起動すると、残りのクラスタノードは定足数を得られず、クラスタ全体が停止します。クラスタノードは、「インストール後設定を行う」の手順で scsetup(1M) コマンドを最初に実行するまでは、インストールモードのままです。

  39. ネームサービスの参照順序を設定します。

    「ネームサービススイッチを構成する」 に進みます。