この節では、Sun Cluster HA for SAP 拡張プロパティ (コアインスタンスおよびアプリケーションサーバー) の構成手順を説明します。通常、拡張プロパティは、コアインスタンスリソースまたはアプリケーションサーバーリソースを作成するときに、コマンド行から scrgadm -x parameter=value を実行して構成します。拡張プロパティは、第 13 章「データサービスリソースの管理」に示す手順を使ってあとで構成することもできます。
すべての Sun Cluster 拡張プロパティの説明を見る場合は、r_properties(5) と rg_properties(5) のマニュアルページを参照してください。
表 9-3 に、コアインスタンス用に設定できる SAP 拡張プロパティを示します。拡張プロパティによっては、動的に更新できるものもあります。ただし、それ以外の拡張プロパティは、SAP リソースを作成または無効にするときにしか更新できません。「調整」の欄は、各プロパティをいつ更新できるかを示しています。
表 9-3 Sun Cluster HA for SAP 拡張プロパティ (コアインスタンス)
プロパティカテゴリ |
プロパティ名 |
説明 |
---|---|---|
SAP 構成
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SAPSID |
SAP システム名または SAPSID。 デフォルト: なし 調整: 無効化されたとき |
Ci_instance_ id |
2 桁の SAP システム番号。 デフォルト: 00 調整: 無効化されたとき |
|
Ci_services_ string |
コアインスタンスサービスの文字列。 デフォルト: DVEBMGS 調整: 無効化されたとき
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SAP の起動
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Ci_start_ retry_ interval |
データベースへの接続を試みてからコアインスタンスを起動するまでの時間 (秒数)。 デフォルト: 30 調整: 無効化されたとき |
Ci_startup_ script |
SIDadm ホームディレクトリにあるこのインスタンスに対する SAP 起動スクリプトの名前。 デフォルト: なし 調整: 無効化されたとき |
|
SAP の停止
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Stop_sap_ pct |
SAP プロセスの停止に使用される停止タイムアウト変数の割合。SAP シャットダウンスクリプトによってプロセスがまず停止されてから、Process Monitor Facility (PMF) の呼び出しによって、プロセスが停止され、次に消去されます。 デフォルト: 95 調整: 無効化されたとき |
Ci_shutdown_ script |
SIDadm ホームディレクトリにあるこのインスタンスに対する SAP シャットダウンスクリプトの名前。 デフォルト: なし 調整: 無効化されたとき |
|
検証 |
Message_ server_name |
SAP メッセージサーバーの名前。
デフォルト: sapmsSAPSID 調整: 無効化された時 |
Lgtst_ms_ with_ logicalhostname |
SAP lgtst ユーティリティーで SAP メッセージサーバーを検査する方法。lgtst ユーティリティーでは、SAP メッセージサーバーの場所としてホスト名 (IP アドレス) が必要です。このホスト名は、Sun Cluster の論理ホスト名か、localhost (ループバック) 名です。このリソースプロパティに TRUE を設定すると論理ホスト名が、そうでない場合は localhost 名が使用されます。
デフォルト: TRUE 調整: 任意の時点 |
|
Check_ms_retry |
SAP メッセージサーバーの検査に何回失敗したら、これを完全な失敗として報告し、Resource Group Manager (RGM) を起動するか。
デフォルト: 2 調整: 無効化されたとき |
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Probe_ timeout |
検証のタイムアウト値 (秒)。
デフォルト: 60 調整: 任意 |
|
Monitor_ retry_count |
障害モニターのために行える PMF 再起動の回数。
デフォルト: 4 調整: 任意 |
|
Monitor_ retry_ interval |
障害モニターを再起動する間隔 (分)。
デフォルト: 2 調整: 任意 |
|
開発システム
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Shutdown_dev |
RGM が開発システムをシャットダウンしてからコアインスタンスを起動すべきかどうか。
デフォルト: FALSE 調整: 無効化されたとき |
Dev_sapsid |
開発システムの SAP システム名。Sun Cluster HA for SAP では、Shutdown_dev が TRUE に設定された場合、このプロパティが必要です。
デフォルト: なし 調整: 無効化されたとき |
|
Dev_shutdown_ script |
開発システムのシャットダウンに使用するスクリプト。Sun Cluster HA for SAP では、Shutdown_dev が TRUE に設定された場合、このプロパティが必要です。
デフォルト: なし 調整: 無効化されたとき |
|
Dev_stop_pct |
起動タイムアウトの割合がどのくらいになったら、Sun Cluster HA for SAP が開発システムをシャットダウンしてコアインスタンスを起動するか。
デフォルト: 20 調整: 無効化されたとき |
次の表に、SAP (アプリケーションサーバー) 用に設定できる拡張プロパティを示します。
表 9-4 Sun Cluster HA for SAP 拡張プロパティ (アプリケーションサーバー)
プロパティカテゴリ |
プロパティ名 |
説明 |
---|---|---|
SAP 構成
|
SAPSID |
アプリケーションサーバーの SAP システム名または SAPSID。
デフォルト: なし 調整: 無効化されたとき |
As_instance_ id |
アプリケーションサーバーの 2 桁の SAP システム番号。
デフォルト: なし 調整: 無効化されたとき |
|
As_services_ string |
アプリケーションサーバーサービスの文字列。
デフォルト: D 調整: 無効化されたとき |
|
SAP の起動
|
As_db_retry_ interval |
データベースへの接続を試みてからアプリケーションサーバーを起動するまでの時間 (秒)。
デフォルト: 30 調整: 無効化されたとき |
As_startup_ script |
アプリケーションサーバーの SAP 起動スクリプトの名前。
デフォルト: なし 調整: 無効化されたとき |
|
SAP の停止
|
Stop_sap_ pct |
SAP プロセスの停止に使用される停止タイムアウト変数の割合。SAP シャットダウンスクリプトによってプロセスがまず停止されてから、Process Monitor Facility (PMF) の呼び出しによって、プロセスが停止され、次に消去されます。
デフォルト: 95 調整: 無効化されたとき |
As_shutdown_ script |
アプリケーションサーバーに対する SAP シャットダウンスクリプトの名前。
デフォルト: なし 調整: 無効化されたとき |
|
検証 |
Probe_ timeout |
検証のタイムアウト値 (秒)。
デフォルト: 60 調整: 任意の時点 |
Monitor_ retry_count |
障害モニターのためにこの検証で行うことができる PMF 再起動の回数。
デフォルト: 4 調整: 任意の時点 |
|
Monitor_ retry_ interval |
障害モニターを再起動する間隔 (分)。
デフォルト: 2 調整: 任意の時点 |