各バックエンドリソースに求められる管理の柔軟性と精度に応じて、1 つのフェイルオーバーリソースグループだけが n 個の論理ホスト名を使用し、すべてのバックエンドリソースとルートホストリソースを含むように設定できます。
この代替構成の説明は、「代替構成: BroadVision One-To-One バックエンドサーバーとルートホストサーバーのための 1 つのリソースグループから構成されるクラスタ」を参照してください。
この代替構成を設定するには、以下の作業を行なってください。
「代替構成: BroadVision One-To-One Enterprise、データベース、および HTTP サーバーのインストールの構成と確認を行う」
「代替構成: Sun Cluster HA for BroadVision One-To-One Enterprise パッケージをインストールする」
「代替構成: Sun Cluster HA for BroadVision One-To-One Enterprise の登録と構成を行う」
「代替構成: Sun Cluster HA for BroadVision One-To-One Enterprise のインストールを確認する」
これらの作業では、2 つのリソースグループを設定します。一方のフェイルオーバーリソースグループは、ルートホストリソースとバックエンドリソースを含みます。もう一方のスケーラブルリソースグループは、Interaction Manager リソースを含みます。この代替構成作業では、ルートホストリソースとバックエンドリソースを含むフェイルオーバーリソースグループは failover-resource-group と示されます。
この作業は、バックエンドホストとルートホストがフェイルオーバー構成で動作できるすべてのノード上でバックエンドプロセスの開始と停止をテストするために行うものです。この作業は、クラスタに構成済みの BroadVision One-To-One Enterprise Interaction Manager をテストする場合も実施してください。
BroadVision One-To-One Enterprise バックエンドリソースとルートホストリソースを含むフェイルオーバーリソースグループを作成します。
# scrgadm -a -g failover-resource-group [-h nodelist] |
バックエンドホストとルートホストの論理ホスト名およびリソースを含むリソースグループの名前を指定します。フェイルオーバーリソースグループの名前は任意に選択できますが、クラスタ内のリソースグループとして一意のものでなければなりません。
マスターになり得る物理ノードの名前または ID をコンマで区切ったリストを指定します (オプション)。フェイルオーバー時に Resource Group Manager (RGM) が主ノードとして選択する順番がこのリスト上のノードの順序で決まります。
使用するすべての論理ホスト名がネームサービスデータベースに追加されているかどうかを確認します。
さらに、使用するすべての論理ホスト名を各クラスタノードの /etc/inet/hosts ファイルに追加します。これで、ネームサービスが停止してもノードはそれらのローカルホストファイルで名前とアドレスのマッピングを確認できます。
scrgadm(1M) コマンドを実行し、フェイルオーバーリソースグループが使用する論理ホスト名を追加します。
# scrgadm -a -L -g failover-resource-group -l root-host-logical-hostname-1 [-n netiflist] # scrgadm -a -L -g failover-resource-group -l back-end-logical-hostname-1 [-n netiflist] # scrgadm -a -L -g failover-resource-group -l back-end-logical-hostname-2 [-n netiflist] ... # scrgadm -a -L -g failover-resource-group -l back-end-logical-hostname-n [-n netiflist] |
ルートホストリソースが使用する論理ホスト名を指定します。
各バックエンドリソースが使用する論理ホスト名を指定します。
各ノード上の NAFO グループをコンマで区切って指定します (省略可能)。netiflist は、リソースグループのノードリストにあるすべてのノードを包含していなければなりません。このオプションを指定しないと、scrgadm コマンドが、nodelist のノードごとに、ホスト名リストに指定されているネットワークアダプタをサブネットから見つけようとします。
Interaction Manager 用のスケーラブルリソースグループを作成します。
# scrgadm -a -g im-resource-group -y Maximum_primaries=n -y Desired_primaries=n |
Interaction Manager が含まれるスケーラブルリソースグループの名前を指定します。任意の名前を指定できますが、クラスタ内で一意のリソースグループにする必要があります。
このリソースグループに許可するアクティブ主ノードの最大数を指定します。このプロパティに値を指定しない場合は、デフォルトの 1 になります。
このリソースグループに許可するアクティブ主ノードの希望数を指定します。このプロパティに値を指定しない場合は、デフォルトの 1 になります。
1 つのクラスタノードから scswitch(1M) コマンドを実行してフェイルオーバーリソースグループを管理された状態に変更し、このグループをオンラインにします。
# scswitch -Z -g failover-resource-group |
スケーラブルリソースグループにはまだリソースが含まれないため、スケーラブルリソースグループをオンラインにする必要はありません。論理ホスト名リソースを使用できないと BroadVision One-To-One Enterprise バックエンドプロセスは開始できないため、フェイルオーバーリソースグループはオンラインにする必要があります。
データベースがアクセス可能であることを確認します。
詳細は、データベースのマニュアルを参照してください。
任意のクラスタノードから BroadVision One-To-One バックエンドサーバーがデータベースにアクセスできるようにデータベースが構成されているか確認します。
詳細は、データベースのマニュアルを参照してください。
フェイルオーバーリソースグループを管理するクラスタノードに、BroadVision ユーザーとしてログインします。
『BroadVision One-To-One Enterprise Installation and Administration Guide』内の手順に従って、以下の BroadVision コマンドを実行します。
BV_LOCAL_HOST 環境変数を root-host-logical-hostname として設定します。
使用しているシェルに応じて、bv1to1.conf.sh ファイルまたは bv1to1.conf.csh ファイルをソースにします。
ルートホストで bvconf bootstrap コマンドを実行し、BroadVision One-To-One Enterprise インストールを初期化します。
bvconf コマンドはスーパーユーザーとして実行しないでください。
% bvconf bootstrap -r root-host-logical-hostname |
BV_LOCAL_HOST 環境変数を back-end-logical-hostname または im-hostname として 設定します。
使用しているシェルに応じて、bv1to1.conf.sh ファイルまたは bv1to1.conf.csh ファイルを有効にします。
各バックエンドホストおよび Interaction Manager ホストごとに、bvconf execute コマンドを実行することにより BroadVision One-To-One Enterprise インストールを構成して起動します。
% bvconf execute -local -var shared -r root-host-logical-hostname |
BroadVision コマンド bvconf gateway を実行して、HTTP ゲートウェイアプリケーションのゲートウェイ構成ファイルを生成します。
このコマンドは、ファイルを生成してそれらを $BV1TO1_VAR/etc/appName.cfg ファイルに書き込みます。
% bvconf gateway -A appName |
$BV1TO1_VAR/etc/bv1to1.conf 構成ファイルで定義されているゲートウェイアプリケーション名を指定します。詳細は、『BroadVision One-To-One Enterprise Installation and Administration Guide』を参照してください。
HTTP インスタンスを実行する各クラスタノードで、/etc/opt/BVSNsmgr ディレクトリにゲートウェイアプリケーション構成ファイルをコピーします。
ゲートウェイアプリケーション構成ファイルは、必ず拡張子 .cfg を付けてコピーしてください。
詳細は、『BroadVision One-To-One Enterprise Installation and Administration Guide』を参照してください。
HTTP サーバーを構成して起動します。
詳細は、HTTP サーバーのマニュアルを参照してください。HTTP サーバー構成の詳細は、『BroadVision One-To-One Enterprise Installation and Administration Guide』を参照してください。
BroadVision クライアントから BroadVision サイトに接続し、インストールを確認します。
BroadVision One-To-One Enterprise ソフトウェアが正常に動作していれば、次の操作を行なって Interaction Manager、バックエンドプロセス、およびルートホストプロセスを停止します。
scswitch コマンドを実行し、フェイルオーバーリソースグループをほかのクラスタノード (node2 など) に切り替えます。
# scswitch -z -g failover-resource-group -h node2 |
BroadVision One-To-One Enterprise ソフトウェアを再起動します。
BroadVision クライアントからクラスタに接続し、BroadVision One-To-One Enterprise ソフトウェアが正常に機能しているか確認します。
BroadVision One-To-One Enterprise リソースグループの主ノードになり得るすべてのノードで、手順 15 から 手順 18 までを繰り返します。
この手順を実行するには、Sun Cluster 3.0 Agents 12/01 CD-ROM が必要です。Sun Cluster HA for BroadVision One-To-One Enterprise を実行するすべてのクラスタノードで、この手順を実行してください。
Sun Cluster 3.0 Agents 12/01 CD-ROM を CD-ROM ドライブに挿入します。
オプションは指定せずに、scinstall ユーティリティを実行します。
scinstall ユーティリティが対話型モードで起動します。
メニューオプション「Add Support for New Data Service to This Cluster Node」を選択します。
scinstall ユーティリティにより、ほかの情報を入力するためのプロンプトが表示されます。
Sun Cluster 3.0 Agents 12/01 CD-ROM のパスを指定します。
このユーティリティでは、この CD は "data services cd" と示されます。
インストールするデータサービスを指定します。
選択したデータサービスが scinstall ユーティリティによって示され、選択を確定するように求められます。
scinstall ユーティリティを終了します。
ドライブから CD を取り出します。
Sun Cluster HA for BroadVision One-To-One Enterprise の登録と構成を行うには、以下の作業を行なってください。
Sun Cluster HA for BroadVision One-To-One Enterprise を起動する前に、データベースがアクセス可能であることを確認してください。
BroadVision One-To-One Enterprise サーバー (ルートホストサーバー、バックエンドサーバー、Interaction Manager サーバーなど) をすべて停止します。
この手順は、BroadVision One-To-One Enterprise インストールのテストを行なったあとで実行してください。
ps(1) コマンドを実行して、すべてのクラスタノードで BroadVision One-To-One Enterprise プロセスと orbix デーモン (orbixd) がすべて停止していることを確認してください。
1 つのクラスタノードのスーパーユーザーになります。
scrgadm コマンドを実行し、Sun Cluster HA for BroadVision One-To-One Enterprise のリソースタイプを登録します。
# scrgadm -a -t SUNW.bv |
データサービスのリソースタイプを追加します。
データサービスに対してあらかじめ定義されているリソースタイプ名を指定します。
scrgadm コマンドを実行し、ルートホストリソース、バックエンドリソース、および Interaction Manager リソースを作成します。
リソースごとに Network_resources_used プロパティを設定し、適切な論理ホスト名を指定します。
1 つのリソースグループ内に 2 つ以上のバックエンドリソースを作成してある場合には、Network_resources_used プロパティを設定しないと検証メソッドが失敗します。
# scrgadm -a -j root-host-resource -g failover-resource-group -t SUNW.bv -y Network_resources_used=root-host-logical-hostname -x BVUSER=bvuser -x BV1TO1_VAR=path-to-bv1to1_var-directory # scrgadm -a -j back-end-resource-1 -g failover-resource-group -t SUNW.bv -y Network_resources_used=back-end-logical-hostname-1 -x BVUSER=bvuser -x BV1TO1_VAR=path-to-bv1to1_var-directory ... # scrgadm -a -j back-end-resource-n -g failover-resource-group -t SUNW.bv -y Network_resources_used=back-end-logical-hostname-n -x BVUSER=bvuser -x BV1TO1_VAR=path-to-bv1to1_var-directory |
ルートホストリソースの名前を指定します。
BroadVision ユーザー名を指定します。
$BV1TO1_VAR ディレクトリのパスを指定します。
バックエンドリソースの名前を指定します。
フェイルオーバーリソースグループ内の Network_resource_used プロパティに定義されているすべての論理ホスト名が作成されていなければなりません (「代替構成: BroadVision One-To-One Enterprise、データベース、および HTTP サーバーのインストールの構成と確認を行う」の 手順 3 を参照)。
「代替構成: BroadVision One-To-One Enterprise、データベース、および HTTP サーバーのインストールの構成と確認を行う」の 手順 4 で作成したスケーラブルリソースグループ内に Interaction Manager リソースを作成します。
# scrgadm -a -j im-resource -g im-resource-group -t SUNW.bv -x BVUSER=bvuser -x BV1TO1_VAR=path-to-bv1to1_var-directory |
Interaction Manager リソースの名前を指定します。
scswitch コマンドを実行し、BroadVision One-To-One バックエンドリソースとルートホストリソースを含むようになったリソースグループを有効にします。
# scswitch -Z -g failover-resource-group # scswitch -Z -g im-resource-group |
Sun Cluster HA for BroadVision One-To-One Enterprise のインストールを確認する手順は次のとおりです。
Web ブラウザから、BroadVision One-To-One Enterprise ソフトウェアを使用して構成したアプリケーションにログインします。
フェイルオーバーリソースグループを管理しているノードにログインします。
BroadVision ユーザーになります。
ルートホストプロセスを停止します。
BV_LOCAL_HOST 環境変数を root-host-logical-hostname として設定します。
使用しているシェルに応じて、bv1to1.conf.sh ファイルまたは bv1to1.conf.csh ファイルを有効にします。
次の BroadVision コマンドを実行します。
# bvconf shutdown -local |
Sun Cluster HA for BroadVision One-To-One Enterprise 障害モニターがルートホストを再起動します。
BroadVision One-To-One Enterprise に対する Web ブラウザ接続がまだ継続していることを確認します。
scswitch コマンドを実行し、フェイルオーバーリソースグループをほかのクラスタノード (node2 など) に切り替えます。
# scswitch -z -g failover-resource-group -h node2 |
BroadVision One-To-One Enterprise に対する Web ブラウザ接続がまだ継続していることを確認します。