Sun Cluster 3.0 12/01 データサービスのインストールと構成

SAP をクラスタで実行するための準備をする

SAP のインストール中に、SAP コアインスタンスをインストールしたサーバーにファイルやシェルスクリプトが作成されます。これのファイルやスクリプトでは、物理サーバー名が使用されています。Sun Cluster ソフトウェアのもとで SAP ソフトウェアを使用する場合は、物理サーバーへの参照をネットワークリソース (論理ホスト名または共有アドレス) への参照で置き換える必要があります。以下の各手順では、変数 physicalserver は物理サーバーを、変数 logical-hostname はネットワークリソースをそれぞれ表します。

次の手順に従って、SAP をクラスタで実行するための準備をします。


注 -

この後の手順で変更するファイルのバックアップコピーを取ってください。


  1. SAP ソフトウェアがインストールされているノードにログインします。

  2. SAP コアインスタンスとデータベースをシャットダウンします。


    注 -

    SAP コアインスタンスやデータベースの他に、動作しているアプリケーションサーバーがある場合は、それもシャットダウンしてください。


  3. 次のディレクトリのすべてのファイルについて、その名前に物理サーバー名が含まれている場合は、それを変更します。

    • sapsidadm ホームディレクトリ - ファイルを編集する前に sapsidadm ユーザーになる必要があります。

    • orasapsid ホームディレクトリ - ファイルを編集する前に orasapsid ユーザーになる必要があります。

    • SAP プロファイルディレクトリ - ファイルを編集する前に sapsidadm ユーザーになる必要があります。

    たとえば、.sapenv_physicalserver.csh ファイルを .sapenv.csh という名前に変更します。

  4. ログファイルを除く次のディレクトリのすべてのファイルについて、その内容が物理サーバー名を参照している場合は、それを変更します。

    • sapsidadm ホームディレクトリ - ファイルを編集する前に sapsidadm ユーザーになる必要があります。

    • orasapsid ホームディレクトリ - ファイルを編集する前に orasapsid ユーザーになる必要があります。

    • SAP プロファイルディレクトリ - ファイルを編集する前に sapsidadm ユーザーになる必要があります。

    たとえば、起動スクリプトやシャットダウンスクリプトに physicalserver の参照がある場合は、それを論理ホスト名の参照に変更します。

  5. sapsidadm ユーザーで、次の例に示すような SAPLOCALHOST パラメータのエントリを追加します。


    SAPLOCALHOST=logical-hostname
    

    このエントリは、/sapmnt/SAPSID/profile ディレクトリの SAPSID_Service-StringSystem-Number_logical-hostname プロファイルファイルに追加する必要があります。

    このエントリを追加すると、外部アプリケーションサーバーはネットワークリソース (論理ホスト名または共有アドレス) を使用してコアインスタンスの場所を見つけることができるようになります。