次の表に、新しい機能と特長、および、それに伴う Sun Cluster マニュアルの変更内容を示します。2 番目の列は変更されたマニュアルを示します。サポートされるハードウェアとソフトウェアについては、ご購入先にお問い合わせください。
表 1-1 新しい機能と特長
機能、特長 |
変更されたマニュアル |
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インストールの強化 |
『Sun Cluster 3.0 12/01 ソフトウェアのインストール』には、scinstall(1M) と scsetup(1M) コマンドに追加された新しい機能が記載されました。
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サポートされる Remote Shared Memory Application Programming Interface (RSMAPI) |
Sun Cluster 3.0 12/01 ソフトウェアのインストール』には、Sun Cluster 構成で RSMAPI をサポートするために必要なソフトウェアパッケージをインストールする手順が記載されました。 |
動的再構成のサポート |
『Sun Cluster 3.0 12/01 の概念』には、Sun Cluster 3.0 の動的再構成をサポートするときの初期段階について記載されました。つまり、この段階でユーザーが考えておかなければならない注意点や手動の操作が記載されました。 |
PCI-SCI インターコネクトのサポート |
『Sun Cluster 3.0 12/01 Hardware Guide』のインターコネクトハードウェアに関する章には、クラスタ内で PCI-SCI インターコネクトハードウェアの使用をサポートするための、サンプルのケーブル配線図、注意点、トラブルシューティングが記載されました。『Sun Cluster 3.0 12/01 ソフトウェアのインストール』にも、PCI-SCI ソフトウェアパッケージのインストール手順が記載されました。 |
ストレージエリアネットワーク (SAN) のサポート |
『Sun Cluster 3.0 12/01 Hardware Guide』の SAN 機能がサポートされるストレージアレイに関する 4 つの各章には、サンプルのケーブル配線図、サポートされる SAN 機能、注意点などの SAN 情報が記載されました。SAN をサポートするアレイは、シングルコントローラ構成とパートナグループ構成の Sun StorEdge A5200 アレイ、Sun StorEdge A3500FC アレイ、および Sun StorEdge T3/T3+ アレイです。 |
Sun StorEdge T3+ の制限 |
『Sun Cluster 3.0 12/01 Hardware Guide』のシングルコントローラ構成とパートナグループ構成の Sun StorEdge T3 アレイに関する 2 つの章には、Sun StorEdge T3+ アレイとの違いが記載されました。どちらの章でも、テスト中に遭遇した改良点が変更されました。 |
Sun Netra D130 と Sun StorEdge S1 の制限 |
『Sun Cluster 3.0 12/01 Hardware Guide』には、Sun Netra D130 と Sun StrEdge S1 ストレージ格納装置に関する新しい章が追加されました。 |
VERITAS File System (VxFS) のサポート |
『Sun Cluster 3.0 12/01 ソフトウェアのインストール』と『Sun Cluster 3.0 12/01 のシステム管理』には、VxFS クラスタファイルシステムを作成する手順が記載されました。詳細については、「VxFS サポートについてのガイドライン」を参照してください。 |
Sun Cluster HA for BroadVision One-To-One Enterprise の制限 |
『Sun Cluster 3.0 12/01 データサービスのインストールと構成』には、Sun Cluster HA for BroadVision One-To-One Enterprise をサポートするために必要な新しい章が追加されました。 このデータサービスは障害監視機能と自動フェイルオーバー機能を使用して、BroadVision One-To-One Enterprise インストールにおける障害の単一ポイントをなくします。 |
Oracle 9i における Sun Cluster HA for Oracle のサポート |
『Sun Cluster 3.0 12/01 データサービスのインストールと構成』には、Oracle 9i において Sun Cluster HA for Oracle をサポートするために必要な新しい手順が追加されました。 |
Sun Cluster のセキュリティ強化のサポート |
Sun Cluster のセキュリティ強化に関するマニュアルは http://www.sun.com/security/blueprints で入手できます。この URL にある「Architecture」には、 Sun Cluster セキュリティ強化に関する記事があります。詳細については、「Sun Cluster のセキュリティ強化」を参照してください。 |
新しい機能および特長の補足情報を以下に示します。
Sun Cluster のセキュリティ強化は、Sun BluePrints プログラムが推奨している Solaris オペレーティング環境の強化技術を使用し、クラスタの基本的なセキュリティ強化を達成しています。Solaris Security Toolkit は Sun Cluster のセキュリティ強化を自動的に実装します。Sun Cluster のセキュリティ強化により、次の 3 つのエージェントをサポートします。
Apache Web サーバー
iPlanet Web サーバー
iPlanet メールサーバー
Sun Cluster のセキュリティ強化に関するマニュアルは、 http://www.sun.com/security/blueprints で入手できます。この URL にある「Architecture」には、 Sun Cluster のセキュリティ強化に関する記事があります。
次の VxFS 機能は Sun Cluster 3.0 構成ではサポートされません。
クイック入出力
スナップショット
ストレージチェックポイント
キャッシュアドバイザリ (使用できますが、特定のノード上でしか効果が得られません)
VERITAS CFS (VERITAS クラスタ機能と VCS が必要)
VxFS に固有のマウントオプション
convosync (Convert O_SYNC)
mincache
qlog、delaylog、tmplog
その他のクラスタ構成でサポートされる VxFS の機能とオプションはすべて、Sun Cluster 3.0 ソフトウェアでサポートされます。VxFS オプションがクラスタ構成でサポートされるかどうかについては、VxFS のマニュアルとマニュアルページを参照してください。
次のガイドラインは、 VxFS を使用して高可用性クラスタファイルシステムを作成するためのガイドラインで、Sun Cluster 3.0 構成に固有のものです。
VxFS のマニュアルの手順に従って、VxFS ファイルシステムを作成します。
主ノード (VxFS ファイルシステムが常駐するディスクをマスターしているノード) から VxFS ファイルシステムを広域的にマウントおよびマウント解除して、操作が成功することを確認します。二次ノードから VxFS ファイルシステムをマウントまたはマウント解除すると、失敗することがあります。
すべての VxFS 管理コマンドは、VxFS クラスタファイルシステムの主ノードから実行します。
次のガイドラインは、VxFS クラスタファイルシステムを管理するためのガイドラインで、Sun Cluster 3.0 ソフトウェアに固有のものではありません。しかし、これらのガイドラインは、UFS クラスタファイルシステムを管理する方法とは異なります。
VxFS クラスタファイルシステム上のファイルは、クラスタ内の任意のノードからアクセスおよび管理できますが、ioctl だけは例外で、主ノードから発行する必要があります。管理コマンドが ioctl に関連するかどうかがわからない場合は、主ノードからコマンドを発行します。
VxFS クラスタファイルシステムが二次ノードにフェイルオーバーした場合、フェイルオーバー時に処理中であった標準のシステムコール操作はすべて、新しい主ノード上で透過的に再発行されます。しかし、フェイルオーバー時に処理中であった ioctl 関連の操作はすべて失敗します。VxFS クラスタファイルシステムがフェイルオーバーした後は、クラスタファイルシステムの状態を検査します。フェイルオーバーの前に古い主ノード上で発行された管理コマンドには修正が必要なものもあります。詳細については、VxFS のマニュアルを参照してください。