この節では、Sun Cluster ソフトウェアをインストールしたあとに StorEdge/Netra st A1000 アレイを構成する方法について説明します。作業の一覧は表 D-1 を参照してください。
Sun Cluster ソフトウェアをインストールする前に StorEdge/Netra st A1000 アレイを構成する方法は、非クラスタ環境における構成方法と同じです。Sun Cluster をインストールする前に StorEdge/Netra st A1000 アレイを構成する手順については、『Sun StorEdge RAID Manager User's Guide』を参照してください。
表 D-1 作業マップ: StorEdge/Netra st A1000 Disk Driveの構成
作業 |
参照箇所 |
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論理ユニット (LUN) の作成 | |
LUN の削除 | |
StorEdge/Netra st A1000 構成のリセット | |
ホットスペアの作成 非クラスタ環境で使用される手順に従ってください。 |
『Sun StorEdge RAID Manager User's Guide』
『Sun StorEdge RAID Manager Release Notes』 |
ホットスペアの削除 非クラスタ環境で使用される手順に従ってください。 |
『Sun StorEdge RAID Manager User's Guide』
『Sun StorEdge RAID Manager Release Notes』 |
ドライブグループのサイズ増加 非クラスタ環境で使用される手順に従ってください。 |
『Sun StorEdge RAID Manager User's Guide』
『Sun StorEdge RAID Manager Release Notes』 |
この作業は、割り当てられていないディスクドライブまたは残っている容量から論理ユニット (LUN) を作成する場合に行なってください。LUN の管理に関する最新情報は、『Sun StorEdge RAID Manager Release Notes』を参照してください。
この製品は、ハードウェア RAID とホストベースのソフトウェア RAID の使用をサポートしています。ホストベースのソフトウェア RAID については、この製品は RAID レベル 0+1 と 1+0 をサポートしています。
ホストベースのソフトウェア RAID とハードウェア RAID を併用すると、使用するハードウェア RAID レベルがハードウェアの管理作業に影響を与えます。これは、ハードウェア RAID レベルがボリューム管理処理に影響を与えるためです。ハードウェア RAID レベル 1、3、または 5 を使用する場合は、ボリューム管理を妨げることなく 「StorEdge/Netra st A1000 アレイの管理」に挙げられているほとんどの管理作業を実行できます。ハードウェア RAID レベル 0 を使用する場合は、「StorEdge/Netra st A1000 アレイの管理」の一部の管理作業で余分なボリューム管理処理を行う必要があります。これは、LUN の可用性に影響が出るためです。
すべてのクラスタノードが起動し、それらが StorEdge/Netra st A1000 アレイに接続された状態で、一方のノード上で LUN を作成します。
LUN のフォーマット処理が完了してしばらくすると、StorEdge/Netra st A1000 アレイに接続されているすべてのクラスタノードの /dev/rdsk に新しい LUN の論理名が現れます。
LUN を作成する手順については、『Sun StorEdge RAID Manager User's Guide』を参照してください。
次の警告メッセージが表示されても、無視して次の手順に進んでください。
scsi: WARNING: /sbus@e,0/QLGC,isp@1,10000/sd@2,1 (sd153):corrupt label - wrong magic number |
format(1M) コマンドを使用して Solaris 論理デバイス名を確認し、必要に応じて LUN にラベルを付けます。
両方のノードで hot_add コマンドを実行し、手順 1 で作成した、LUN の新しい論理名が各ノードの /dev/rdsk ディレクトリに現れることを確認します。
# /etc/raid/bin/hot_add |
一方のノードで、広域デバイス名前空間を更新します。
# scgdevs |
scdidadm コマンドを使用し、LUN の DID 番号が両ノードで同一であるかどうかを確認します。
# scdidadm -L ... 33 e07a:/dev/rdsk/c1t4d2 /dev/did/rdsk/d33 33 e07c:/dev/rdsk/c0t4d2 /dev/did/rdsk/d33 |
手順 4 で scdidadm コマンドを実行して表示された DID 番号が両ノードで同一かどうかを確認します。
DID 番号が同じである場合は、手順 6 へ進んでください。
DID 番号が異なる場合は、この作業の手順 6 へ進む前に 「一致しない DID 番号を修正する方法」に示されている作業を行なってください。
手順 1 で作成した新しい LUN をボリュームマネージャで管理したい場合は、Solstice DiskSuite/Solaris Volume Manager または VERITAS Volume Manager の該当するコマンドを実行してディスクセットまたはディスクグループに新しい LUN を組み込んでください。
詳細は、Solstice DiskSuite/Solaris Volume Manager または VERITAS Volume Manager のマニュアルを参照してください。
新しい LUN を定足数デバイスにする場合は、定足数デバイスを追加してください。
定足数デバイスを追加する方法については、『Sun Cluster 3.0 U2 のシステム管理』を参照してください。
この作業は、LUN を削除する場合に行なってください。LUN の管理に関する最新情報は、『Sun StorEdge RAID Manager Release Notes』を参照してください。
この作業を実行すると、削除する LUN 上のすべてのデータが消去されます。
LUN 0 は削除しないでください。
StorEdge/Netra st A1000 アレイに接続している一方のノードで、format コマンドを使用して削除する LUN のパスを確認します (下に出力例を表示)。
f28c# format Searching for disks...done AVAILABLE DISK SELECTIONS: 0. c0t10d0 <SUN18G cyl 7506 alt 2 hd 19 sec 248> /sbus@3,0/SUNW,fas@3,8800000/sd@a,0 1. c1t5d0 <Symbios-StorEDGEA1000-0301 cyl 12160 alt 2 hd 64 sec 64> /pseudo/rdnexus@1/rdriver@5,0 2. c2t2d0 <Symbios-StorEDGEA1000-0301 cyl 12160 alt 2 hd 64 sec 64> /pseudo/rdnexus@2/rdriver@2,0 |
削除しようとする LUN が定足数デバイスとして構成されていないか確認します。
# scstat -q |
その LUN が定足数デバイスではない場合は、手順 3 へ進んでください。
その LUN が定足数デバイスとして構成されている場合は、ほかのデバイスを新しい定足数デバイスとして選択し、構成してください。続いて、古い定足数デバイスを削除してください。
ディスクセットまたはディスクグループからその LUN を削除します。
Solstice DiskSuite/Solaris Volume Manager または VERITAS Volume Manager の該当するコマンドを実行し、任意のディスクセットまたはディスクグループから LUN を削除してください。詳細は、Solstice DiskSuite/Solaris Volume Manager または VERITAS Volume Manager のマニュアルを参照してください。必要なその他の VERITAS Volume Manager コマンドについては、次の項を参照してください。
VERITAS Volume Manager が管理していた LUN は、VERITAS Volume Manager の制御を完全に停止しないと削除できません。LUN を削除するには、任意のディスクグループからその LUN を削除したあとで次のコマンドを実行します。
# vxdisk offline cNtXdY # vxdisk rm cNtXdY |
一方のノードで LUN を削除します。
LUN を削除する手順については、『Sun StorEdge RAID Manager User's Guide』を参照してください。
同じノードで、削除する LUN のパスを削除します。
# rm /dev/rdsk/cNtXdY* # rm /dev/dsk/cNtXdY* # rm /dev/osa/dev/dsk/cNtXdY* # rm /dev/osa/dev/rdsk/cNtXdY* |
同じノードで、古いデバイス ID (DID) をすべて削除します。
# scdidadm -C |
同じノードで、リソースとデバイスグループをノードから切り離します。
# scswitch -Sh nodename |
ノードを停止します。
# shutdown -y -g0 -i0 |
ノードを起動し、ノードがクラスタに再度結合するのを待ちます。
# boot -r |
StorEdge/Netra st A1000 アレイに接続されている他方のノードで、手順 5 から 手順 9 を繰り返します。
この作業は、StorEdge/Netra st A1000 LUN 構成をリセットする場合に行なってください。
LUN 構成をリセットすると、LUN 0 に割り当てられた新しい DID 番号が生成されます。これは、ソフトウェアが新しい LUN に新しい WWN (Worldwide Number) を割り当てるためです。
StorEdge/Netra st A1000 アレイに接続している一方のノードで、format コマンドを使用して次の例に示すように LUN のパスを確認します (下に出力例を表示)。
f28c# format Searching for disks...done AVAILABLE DISK SELECTIONS: 0. c0t10d0 <SUN18G cyl 7506 alt 2 hd 19 sec 248> /sbus@3,0/SUNW,fas@3,8800000/sd@a,0 1. c1t5d0 <Symbios-StorEDGEA1000-0301 cyl 12160 alt 2 hd 64 sec 64> /pseudo/rdnexus@1/rdriver@5,0 2. c2t2d0 <Symbios-StorEDGEA1000-0301 cyl 12160 alt 2 hd 64 sec 64> /pseudo/rdnexus@2/rdriver@2,0 |
リセットしようとする LUN が定足数デバイスとして構成されていないか確認します。
# scstat -q |
その LUN が定足数デバイスではない場合は、手順 3 へ進んでください。
その LUN が定足数デバイスとして構成されている場合は、ほかのデバイスを新しい定足数デバイスとして選択し、構成してください。続いて、古い定足数デバイスを削除してください。
ディスクセットまたはディスクグループからその LUN を削除します。
Solstice DiskSuite/Solaris Volume Manager または VERITAS Volume Manager の該当するコマンドを実行し、任意のディスクセットまたはディスクグループから LUN を削除してください。詳細は、Solstice DiskSuite/Solaris Volume Manager または VERITAS Volume Manager のマニュアルを参照してください。必要なその他の VERITAS Volume Manager コマンドについては、次の項を参照してください。
VERITAS Volume Manager が管理していた LUN は、VERITAS Volume Manager の制御を完全に停止しないと削除できません。LUN を削除するには、任意のディスクグループからその LUN を削除したあとで次のコマンドを実行します。
# vxdisk offline cNtXdY # vxdisk rm cNtXdY |
一方のノードで LUN 構成をリセットします。
StorEdge/Netra st A1000 LUN 構成をリセットする手順については、『Sun StorEdge RAID Manager User's Guide』を参照してください。
format コマンドを使用して Solaris 論理デバイス名を確認します。
format コマンドを使用し、新しい LUN 0 にラベルをつけます。
リセットした古い LUN のパスを削除します。
# rm /dev/rdsk/cNtXdY* # rm /dev/dsk/cNtXdY* # rm /dev/osa/dev/dsk/cNtXdY* # rm /dev/osa/dev/rdsk/cNtXdY* |
両方のノードのデバイス名前空間を更新します。
devfsadm -C |
両方のノードの古い DID をすべて削除します。
# scdidadm -C |
リソースとデバイスグループをノードから切り離します。
# scswitch -Sh nodename |
ノードを停止します。
# shutdown -y -g0 -i0 |
ノードを起動し、ノードがクラスタに再度結合するのを待ちます。
# boot -r |
次のエラーメッセージが表示されても、無視して次の手順に進んでください。処理が終わると DID が更新されます。
device id for '/dev/rdsk/c0t5d0' does not match physical disk's id. |
ノードが再起動し、クラスタに加わった時点で、StorEdge/Netra st A1000 アレイに接続されている他方のノードで 手順 6 から 手順 11 を繰り返します。
本来の LUN 0 の DID 番号が削除され、新しい DID が LUN 0 に割り当てられます。
この作業は、一致していないデバイス ID (DID) を修正する場合に行なってください。DID の不一致は、A1000 LUN の作成時に発生する可能性があります。この不一致の訂正は、異なる DID 番号を持つ LUN の Solaris パスと Sun Cluster パスを削除することにより行ないます。リブートすると、パスは正しく修正されます。
この作業は、「LUN を作成する方法」で指示された場合だけ行なってください。
StorEdge/Netra st A1000 アレイに接続している一方のノードから、format コマンドを使用して異なる DID 番号を持つ LUN のパスを確認します。
# format |
異なる DID 番号を持つ LUN のパスを削除します。
# rm /dev/rdsk/cNtXdY* # rm /dev/dsk/cNtXdY* # rm /dev/osa/dev/dsk/cNtXdY* # rm /dev/osa/dev/rdsk/cNtXdY* |
lad コマンドを使用し、異なる DID 番号を持つ LUN の代替パスを確認します。
RAID Manager ソフトウェアは、/dev/osa/dev/rdsk ディレクトリ内に LUN に対する 2 つのパスを作成します。このディスクアレイのもう一方のcNtXdY 番号に置き替えて、代替パスを確認してください。
たとえば、次の構成では、
# lad c0t5d0 1T93600714 LUNS: 0 1 c1t4d0 1T93500595 LUNS: 2 |
代替パスは次のようになります。
/dev/osa/dev/dsk/c1t4d1* /dev/osa/dev/rdsk/c1t4d1* |
異なる DID 番号を持つ LUN の代替パスを削除します。
# rm /dev/osa/dev/dsk/cNtXdY* # rm /dev/osa/dev/rdsk/cNtXdY* |
両方のノードで、古い DID をすべて削除します。
# scdidadm -C |
リソースとデバイスグループをノードから切り離します。
# scswitch -Sh nodename |
ノードを停止します。
# shutdown -y -g0 -i0 |
ノードを起動し、そのノードがクラスタに再度加わるのを待ちます。
# boot -r |
StorEdge/Netra st A1000 アレイに接続されている他方のノードで、手順 1 から 手順 8 を繰り返します。
「LUN を作成する方法」に戻ります。