Sun Cluster 3.0 5/02 リリースには、次の制限が適用されます。
Remote Shared Memory (RSM) トランスポートタイプ - これらのトランスポートタイプはマニュアルに記載されていますが、サポートされていません。RSMAPI を使用する場合は、トランスポートタイプとして dlpi を指定します。
Scalable Coherent Interface (SCI) - SBus SCI インタフェースはクラスタインターコネクトとしてはサポートされていません。ただし、PCI-SCI インタフェースはサポートされています。
論理ネットワークインタフェース - これらのインタフェースは、Sun Cluster 3.0 ソフトウェアが使用するために予約されています。
ディスクパスの監視 - Sun Cluster ソフトウェアが障害を監視するのは、(現在の主ノードからの) アクティブなディスクパスだけです。定足数デバイスの二重エラーや定足数デバイスへのパスの切断を防止するには、個々のディスクパスを手作業で監視する必要があります。
SunVTSTM - サポートされません。
マルチホストテープ、CD-ROM、DVD-ROM - サポートされません。
Loopback File System - クラスタノードでのループバックファイルシステム (LOFS) の使用は Sun Cluster 3.0 ソフトウェアではサポートされません。
クラスタノードでのクライアントアプリケーションの実行 - クラスタノード上で動作しているクライアントアプリケーションは、HA データサービスの一部である論理 IP アドレスにマッピングしてはなりません。フェイルオーバー中、このような論理 IP アドレスは存在しなくなり、クライアントが切断されたままになる可能性があります。
クラスタノードでの高優先度プロセススケジューリングクラスの実行 - サポートされません。通常以上の優先度を持つタイムシェアリングスケジューリングクラスで動作するプロセスや、リアルタイムスケジューリングクラスで動作するプロセスをクラスタノードで実行しないでください。Sun Cluster 3.0 では、リアルタイムスケジューリングクラスを必要としないカーネルスレッドが使用されます。通常以上の優先度で動作するタイムシェアリングプロセスや、リアルタイムプロセスがあると、Sun Cluster カーネルスレッドが必要とする CPU サイクルが、それらのプロセスによって奪われることがあります。
ファイルシステム割り当て - 割り当て (quotas) は Sun Cluster 3.0 構成ではサポートされていません。
Sun Cluster 3.0 ソフトウェアを利用して提供できるサービスは、Sun Cluster と共に提供されているデータサービスか、Sun Cluster データサービス API を使用して設定されたデータサービスだけです。
Sun Cluster 環境は sendmail(1M) サブシステムをサポートしないため、クラスタノードをメールサーバーに使用しないでください。メールディレクトリは、Sun Cluster 以外のノードに置く必要があります。
クラスタノードをルーター (ゲートウェイ) に構成しないでください。システムがダウンした際にクライアントが代替ルーターを探すことができず、回復できません。
クラスタノードを NIS や NIS+ のサーバーに構成しないでください。ただしクラスタノードを NIS や NIS+ のクライアントにすることは可能です。
Sun Cluster を、高可用性起動を提供したり、クライアントシステムにサービスをインストールしたりするように構成しないでください。
Sun Cluster 3.0 を rarpd サービスを提供するように構成しないでください。
RAID レベル 5 がサポートされるのは、現在、次のハードウェアプラットフォーム上においてのみです。
Sun StorEdge A5x00/A3500FC アレイ
Sun StorEdge T3 と T3+ アレイ しかし、これらのアレイをシングルコントローラ構成で使用している場合、データ冗長性のための追加のメカニズム (ホストベースのミラーリングなど) を使用する必要があります。これらのアレイをパートナグループ構成で使用している場合、コントローラは冗長であるので、ホストベースのミラーリングがなくても RAID 5 を使用できます。
Alternate Pathing (AP) はサポートされません。
Sun EnterpriseTM 420R サーバーを使用しており、スロット J4701 に PCI カードを挿入している場合、マザーボードはダッシュレベル 15 以上 (501-5168-15 以上) である必要があります。マザーボードのパーツ番号とリビジョンレベルを見つけるには、PCI スロット 1 に最も近いボードの端を調べます。
Sun Enterprise 10000 サーバーのボードのスロット 0 に UDWIS 入出力カードを設置すると、クラスタでシステムパニックが発生します。このサーバーのボードのスロット 0 には、UDWIS 入出力カードを設置しないでください (「バグ ID 4490386」を参照)。
メディエータを使用する Solstice DiskSuite の構成では、1 つのディスクセットに構成するメディエータホストの数は必ず 2 つである必要があります。
DiskSuite Tool (metatool) は Sun Cluster 3.0 ソフトウェアには対応していません。
VxVM 動的マルチパス (DMP) を Sun Cluster 3.0 ソフトウェアで使用して、同じノードからのマルチパスを管理することはサポートされていません。
VxVM を Sun Cluster ソフトウェアで使用する場合、単一のルートディスクグループ (ルートディスクの単一スライス上に作成された rootdg) はディスクタイプとしてサポートされません。
ソフトウェア RAID 5 はサポートされません。
umount -f コマンドは、-f オプションのない umount と同じ結果になります。つまり、強制的なマウント解除はサポートされません。
unlink (1M) コマンドは、空でないディレクトリに対してはサポートされません。
lockfs -d コマンドはサポートされません。代わりに lockfs -nを使用してください。
Solaris ソフトウェアのファイルシステムには、ファイルシステム名前空間に通信エンドポイントを指定する機能がありますが、クラスタファイルシステムではこの機能はサポートされません。したがって、名前がクラスタファイルシステムへのパス名である UNIX ドメインソケットは作成できますが、ノードにフェイルオーバーが発生したとき、このソケットは生き残ることができません。さらに、クラスタファイルシステム上で作成した FIFO または名前付きパイプはグローバルにアクセスできなくなり、ローカルノード以外の任意のノードから fattach を使用する必要があります。
forcedirectio マウントオプションを使用してマウントされたファイルシステムから、バイナリを実行することはできません。
次の VxFS 機能は Sun Cluster 3.0 構成ではサポートされません。
クイック入出力
スナップショット
ストレージチェックポイント
キャッシュアドバイザリ (使用できますが、特定のノード上でしか効果が得られません)
VERITAS CFS (VERITAS クラスタ機能と VCS が必要)
その他のクラスタ構成でサポートされる VxFS の機能とオプションはすべて、Sun Cluster 3.0 ソフトウェアでサポートされます。VxFS オプションがクラスタ構成でサポートされるかどうかについては、VxFS のマニュアルとマニュアルページを参照してください。
次の VxFS に固有なマウントオプションは Sun Cluster 3.0 構成ではサポートされません。
convosync (Convert O_SYNC)
mincache
qlog、delaylog、tmplog
VxFS クラスタファイルシステムの場合、確実かつ正常に運用できるように、クラスタファイルシステムは主ノード (VxFS ファイルシステムが存在するディスクをマスターするノード) からグローバルにマウントおよびマウント解除する必要があります。二次ノードから VxFS ファイルシステムをマウントまたはマウント解除すると、失敗することがあります。
VxFS クラスタファイルシステムの場合、ioctl は主ノードだけから発行する必要があります。管理コマンドが ioctl に関連するかどうかがわからない場合は、主ノードからコマンドを発行します。
VxFS クラスタファイルシステムを管理するには、すべての VxFS 管理コマンドを VxFS クラスタファイルシステムの主ノードから実行する必要があります。
すべてのパブリックネットワークアダプタは NAFO グループに属している必要があります。
各ノードでは、IP サブネットごとに 1 つの NAFO グループしか存在できません。Sun Cluster 3.0 ソフトウェアでは、同一のサブネットに複数の IP アドレスが存在するような弱い形式でも、 IP ストライピングはサポートされません。
同一の NAFO グループ内で一時にアクティブになれるのは 1 つのアダプタだけです。
Sun Cluster 3.0 ソフトウェアでは、OpenBootTM PROM の local-mac-address?=true 設定はサポートされません。
この節では、特定のデータサービスの制限を説明します。すべてのデータサービスに適用される制限はありません。
将来の Sun Cluster の Release Notes (ご使用にあたって) には、特定 のデータサービスに適用されるデータサービスの制限は記載されません。しかし、Sun Cluster Release Notes には、すべて のデータサービスに適用されるデータサービスの制限が記載されます。
特定のデータサービスに適用されるデータサービスの制限については、『Sun Cluster 3.0 12/01 データサービスのインストールと構成』を参照してください。
Sun Cluster ソフトウェアをインストールした後はホスト名を変更できないので、Oracle Parallel Server/Real Application Clusters の Oracle Parallel Fail Safe/Real Application Clusters Guard オプションは必ず指定します。
このホスト名とノード名の制限の詳細については、Oracle Parallel Fail Safe/Real Application Clusters Guard のマニュアルを参照してください。
VERITAS NetBackup クライアントがクラスタの場合、bp.conf ファイルは 1 つしかないので、クライアントとして構成できる論理ホストは 1 つだけです。
NetBackup クライアントがクラスタで、クラスタ上の論理ホストの 1 つが NetBackup クライアントとして構成されている場合、NetBackup は物理ホストをバックアップできません。
マスターサーバーが動作しているクラスタ上では、マスターサーバーはバックアップできる唯一の論理ホストです。
バックアップメディアはマスターサーバーには接続できないので、他にメディアサーバーが必要です。
Sun Cluster ノードは、同じクラスタ内のノード上でマスターされている、Sun Cluster HA for NFS エクスポートされたファイルシステムの NFS クライアントになることはできません。このような Sun Cluster HA for NFS のクロスマウントは禁止されています。クラスタノード間でファイルを共有するときは、クラスタファイルシステムを使用してください。
クラスタ上でローカルに動作しているアプリケーションは、NFS 経由でエクスポートされているファイルシステム上にあるファイルをロックしてはなりません。このようなファイルをロックすると、ローカルのブロック (flock(3UCB) や fcntl(2) など) によって、ロックマネージャ (lockd) が再起動できなくなる可能性があります。再起動中、リモートクライアントの再要求によって、ブロックされているローカルのプロセスがロックされる可能性があります。これにより、予期せぬ動作が発生する可能性があります。
Sun Cluster HA for NFS では、すべての NFS クライアントがハードマウントされている必要があります。
Sun Cluster HA for NFS では、ネットワークリソースのホスト名別名は使用しないでください。クラスタファイルシステムをマウントする NFS クライアントがホスト名別名を使用すると、statd のロック復旧問題が発生する可能性があります。
Sun Cluster 3.0 ソフトウェアは Secure NFS または Kerberos with NFS の使用、特に、share_nfs(1M) サブシステムへの secure と kerberos オプションをサポートしません。しかし、Sun Cluster 3.0 ソフトウェアは、クラスタ上の /etc/system ファイルに set nfssrv:nfs_portmon=1 というエントリを追加することによって、NFS のセキュアポートの使用をサポートします。