Sun Cluster 3.0 5/02 ご使用にあたって

第 1 章 Sun Cluster 3.0 5/02 ご使用にあたって

このマニュアルでは、SunTM Cluster 3.0 5/02 ソフトウェアに関する次の情報を説明します。

このマニュアルの付録には、Sun Cluster 3.0 5/02 ソフトウェアとデータサービスのインストールを計画する際に使用する、インストール計画のワークシートと実例が含まれています。

新しい機能と特長

次の表に、新しい機能と特長、および、それに伴う Sun Cluster マニュアルの変更内容を示します。2 番目の列は変更されたマニュアルを示します。サポートされるハードウェアとソフトウェアについては、ご購入先にお問い合わせください。

表 1-1 新しい機能と特長

機能、特長 

変更されたマニュアル 

HAStoragePlus 

Sun Cluster 3.0 5/02 補足情報』には、『Sun Cluster 3.0 12/01 データサービスのインストールと構成』と『Sun Cluster 3.0 12/01 データサービス開発ガイド』における、HAStoragePlus リソースタイプをサポートするための更新内容が記載されています。HAStoragePlus リソースタイプを使用すると、Sun Cluster 環境においてローカルファイルシステムを高可用性にすることができます。『Sun Cluster 3.0 5/02 Error Messages Guide』には、新しい HAStoragePlus エラーメッセージが記載されてます。

Prioritized Service Management (RGOffload) 

Sun Cluster 3.0 5/02 補足情報』には、『Sun Cluster 3.0 12/01 データサービスのインストールと構成』における、RGOffload リソースタイプをサポートするための新しい手順と変更内容が記載されています。RGOffload を使用すると、クラスタは重要なデータサービスのために自動的に、重要ではないデータサービスが属するデータグループによる負荷を解除して、ノードのリソースを解放します。『Sun Cluster 3.0 5/02 Error Messages Guide』には、新しい RGOffload エラーメッセージが記載されています。

その他のデータサービス用の Sun Cluster のセキュリティ強化サポート 

Sun Cluster のセキュリティ強化に関するマニュアルは http://www.sun.com/security/blueprints で入手できます。この URL にある「Architecture」には、 Sun Cluster のセキュリティ強化に関する記事があります。詳細については、「Sun Cluster のセキュリティ強化」を参照してください。

SunPlex Agent Builder 拡張 

Sun Cluster 3.0 5/02 補足情報』には、『Sun Cluster 3.0 12/01 データサービス開発ガイド』における、SunPlex Agent Builder による汎用データサービス (GDS) (つまり、単一のコンパイル済みデータサービス) の作成をサポートするための変更内容が記載されています。

Sun Cluster ソフトウェアのアンインストール 

Sun Cluster 3.0 5/02 補足情報』には、『Sun Cluster 3.0 12/01 ソフトウェアのインストール』と『Sun Cluster 3.0 12/01 のシステム管理』における、クラスタソフトウェアをアンインストールするための新しい手順および変更内容が記載されています。scinstall(1M) の新しい -r オプションは Sun Cluster ソフトウェアをノードから削除します。

任意のリリースの Sun Cluster 3.0 ソフトウェアから Sun Cluster 3.0 5/02 ソフトウェアへのアップグレード 

任意のリリースの Sun Cluster 3.0 ソフトウェアからアップグレードするには、『Sun Cluster 3.0 12/01 ソフトウェアのインストール』の「Sun Cluster 3.0 Update リリースへのアップグレード」の手順に従います。Solaris 8 アップグレード情報への修正については、「Sun Cluster 3.0 ソフトウェアアップデートリリースへのアップグレード」を参照してください。

新しい特長および機能に対する注意事項

新しい機能および特長の補足情報を以下に示します。

Sun Cluster のセキュリティ強化

Sun Cluster のセキュリティ強化は、Sun BluePrintsTM プログラムが推奨している Solaris オペレーティング環境の強化技術を使用し、クラスタの基本的なセキュリティ強化を達成しています。Solaris Security Toolkit は Sun Cluster のセキュリティ強化を自動的に実装します。

Sun Cluster のセキュリティ強化に関するマニュアルは http://www.sun.com/security/blueprints で入手できます。この URL の「Architecture」において「Securing the Sun Cluster 3.0 Software」という記事を見つけます。この記事には、Sun Cluster 3.0 を Solaris 8 環境で安全に配備する方法について記載されています。この文書には、Solaris Security Toolkit など、Sun のセキュリティ専門家たちが推薦している最良のセキュリティテクニックの使い方も記載されています。

Sun Cluster のセキュリティ強化は、次の表に示す Sun Cluster 3.0 5/02 データサービスすべてを Solaris 8 環境でサポートします。


注 -

Sun Cluster のセキュリティ強化が Sun Cluster 3.0 5/02 データサービスをサポートするのは、Solaris 8 においてのみです。Solaris 9 の Sun Cluster 3.0 5/02 では、セキュリティの強化は利用できません。


表 1-2 Sun Cluster のセキュリティ強化がサポートするデータサービス

データサービスエージェント 

アプリケーションのバージョンフェイルオーバー 

アプリケーションのバージョンスケーラブル 

Sun Cluster HA for iPlanet Messaging Server 

6.0 

4.1 

Sun Cluster HA for iPlanet Web Server 

6.0 

4.1 

Sun Cluster HA for Apache 

1.3.9 

1.3.9 

Sun Cluster HA for SAP 

4.6D (32 ビットと 64 ビット) 

4.6D (32 ビットと 64 ビット) 

Sun Cluster HA for iPlanet Directory Server 

4.12 

なし 

Sun Cluster HA for NetBackup 

3.4  

なし 

Sun Cluster HA for Oracle  

8.1.7 と 9i (32 ビットと 64 ビット) 

なし 

Sun Cluster HA for Sybase ASE  

12.0 (32 ビット) 

なし 

Sun Cluster Support for Oracle Parallel Server/Real Application Clusters 

8.1.7 と 9i (32 ビットと 64 ビット) 

なし 

Sun Cluster HA for DNS 

OS に付属 

なし 

Sun Cluster HA for NFS 

OS に付属 

なし 

サポートされる製品

この節では、Sun Cluster 3.0 5/02 ソフトウェアでサポートされるソフトウェアとメモリーの必要条件を説明します。

サポートが終了する機能

次回の Sun Cluster リリースでは、Public Network Management (PNM) はサポートされません。代わりに、Sun Cluster に対するネットワークアダプタの監視とフェイルオーバーは、Solaris IP マルチパスによって行われます。

Public Network Management (PNM)

ネットワークインタフェースカードの監視やフェイルオーバーの構成と管理には PNM を使用します。ただし、PNM デーモンや PNM 管理コマンドへのユーザーインタフェースはすでに旧式であるため、次回の Sun Cluster リリースでは削除されます。したがって、これらのインタフェースに基づくツールの開発は極力避けてください。 現在のリリースでは、以下に示すインタフェースが正式にサポートされていますが、次回の Sun Cluster リリースからは削除または変更される予定です。

次回の Sun Cluster リリースにおける IP マルチパスへの移行に準備するために、次の問題を考慮してください。

Sun Cluster AnswerBook のインストール


注 -

日本語版のマニュアルは CD-ROM には含まれていません。この節の説明は、CD-ROM から英語版の AnswerBookTM をインストールする場合にのみ適用されます。日本語版のマニュアルは、docs.sun.com の Web サイトで参照できます。


Sun Cluster 3.0 5/02 のユーザーマニュアルは、AnswerBook2TM 文書サーバーでオンラインで利用できるように AnswerBook2 形式で提供されています (英語版のみ)。Sun Cluster 3.0 5/02 の AnswerBook2 マニュアルセットには次のマニュアルコレクションが含まれています。


注 -

Sun Cluster 3.0 5/02 Supplement』には、Sun Cluster 3.0 12/01 文書セットへの追加と変更が記載されています。この補足マニュアルは、Sun Cluster 3.0 5/02 Collection の Sun Cluster 3.0 12/01 マニュアルおよび Sun Cluster 3.0 12/01 Data Services Collection と一緒に使用します。


また、Sun Cluster のマニュアルは docs.sun.comSM の Web サイトから参照することもできます。docs.sun.com では、マニュアルをブラウズしたり、本のタイトルやテーマを検索できます。

http://docs.sun.com

AnswerBook2 文書サーバーの設定


注 -

AnswerBook2 文書サーバーは Solaris 9 の Documentation CD-ROM には含まれていません。Sun Cluster 3.0 5/02 ソフトウェアの Solaris 9 バージョンを使用しており、AnswerBook2 サーバーソフトウェアをまだ入手していない場合は、http://www.sun.com/software/ab2 にアクセスして、AnswerBook2 ソフトウェア、インストール指示、およびリリースノートをダウンロードします。あるいは、Sun Cluster 3.0 5/02 CD-ROM で提供されている PDF 形式のマニュアルを使用します。詳細については、「PDF ファイル」を参照してください。


Solaris 8 オペレーティング環境リリースには AnswerBook2 文書サーバーのソフトウェアが含まれています。Solaris 8 の Documentation CD-ROM は Solaris オペレーティング環境 CD-ROM とは別になっており、この中に文書サーバーのソフトウェアも含まれています。AnswerBook2 文書サーバーをインストールするには Solaris 8 の Documentation CD-ROM が必要です。

すでに AnswerBook2 文書サーバーがサイトにインストールされている場合には、その同じサーバーを Sun Cluster AnswerBook に使用できます。インストールされていない場合には、自分のサイトのマシンに文書サーバーをインストールしてください。クラスタの管理インタフェースとして使用している管理コンソールに文書サーバーをインストールすることを推奨します。クラスタノードは、AnswerBook2 文書サーバーとして使用しないでください。

AnswerBook2 文書サーバーのインストールの詳細については、Solaris 8 の Documentation CD-ROM をサーバーにインストールし、README ファイルを参照してください。

Sun Cluster AnswerBook の表示

Sun Cluster AnswerBook2 のマニュアルを、文書サーバーをインストールしたサーバーのファイルシステムにインストールします。Sun Cluster AnswerBook にはインストール後実行スクリプトが含まれており、既存の AnswerBook ライブラリにマニュアルを自動的に追加します。

AnswerBook2 サーバーを設定するときには、以下の条件を確認してください。

Sun Cluster AnswerBook をインストールする

Sun Cluster 3.0 5/02 Collection と Sun Cluster 3.0 12/01 Data Services Collection の Sun Cluster AnswerBook パッケージをインストールするには、次の手順を使用します。

  1. AnswerBook2 文書サーバーがインストールされているサーバーでスーパーユーザーになります。

  2. 以前に Sun Cluster AnswerBook をインストールしている場合は、古いパッケージを削除します。

    以前に Sun Cluster AnswerBook をインストールしていない場合は、この手順は省略します。


    # pkgrm SUNWscfab SUNWscdab
    

  3. Sun Cluster 3.0 5/02 CD-ROM または Sun Cluster 3.0 Agents 5/02 CD-ROM を文書サーバーの CD-ROM ドライブに挿入します。

    ボリューム管理デーモンの vold(1M) が CD-ROM を自動的にマウントします。

  4. Sun Cluster AnswerBook パッケージが含まれている CD-ROM のディレクトリに移動します。

    AnswerBook パッケージは、次の場所にあります。

    • Sun Cluster 3.0 5/02 CD-ROM

      /cdrom/suncluster_3_0_u3/SunCluster_3.0/Packages

    • Sun Cluster 3.0 Agents 5/02 CD-ROM

      /cdrom/scdataservices_3_0_u3/components/SunCluster_Data_Service_Answer_Book_3.0/Packages

  5. pkgadd(1) コマンドを使用してパッケージをインストールします。


    # pkgadd -d .
    

  6. インストールする Sun Cluster 3.0 5/02 Collection (SUNWscfab) と Sun Cluster 3.0 12/01 Data Services Collection (SUNWscdab) パッケージを選択します。

  7. pkgadd のインストールオプションのメニューで heavy を選択し、すべてのパッケージをシステムに追加して AnswerBook2 カタログを更新します。

    Sun Cluster 3.0 5/02 Collection (SUNWscfab) または Sun Cluster 3.0 12/01 Data Services Collection (SUNWscdab) のどちらかを選択します。

各 CD-ROM の文書コレクションのパッケージには、文書サーバーのデータベースにコレクションを追加してサーバーを再起動するインストール後処理スクリプトが含まれています。これで文書サーバーから Sun Cluster AnswerBook を表示できるようになりました。

PDF ファイル


注 -

日本語版のマニュアルは CD-ROM には含まれていません。この節の説明は、CD-ROM に含まれている英語版の PDF ファイルを表示する場合にのみ適用されます。日本語版の PDF ファイルは、docs.sun.com の Web サイトからダウンロードできます。


Sun Cluster CD-ROM には、Sun Cluster の各マニュアルの PDF ファイルが含まれています (英語版のみ)。

Sun Cluster AnswerBook と同様に、7 つの PDF ファイルが Sun Cluster CD-ROM に、1 つの PDF ファイルが Sun Cluster Agents CD-ROM に含まれています。PDF ファイルの名前は、マニュアル名の略語で示しています(表 1-4 を参照)。

PDF ファイルは、次の場所にあります。

表 1-4 マニュアルのタイトルと PDF の略語

CD-ROM 

PDF の略語 

マニュアルのタイトル 

Sun Cluster 3.0 5/02 CD-ROM 

CLUSTSUPP

Sun Cluster 3.0 5/02 Supplement

CLUSTINSTALL

Sun Cluster 3.0 12/01 Software Installation Guide

CLUSTNETHW

Sun Cluster 3.0 12/01 Hardware Guide

CLUSTAPIPG

Sun Cluster 3.0 12/01 Data Services Developer's Guide

CLUSTSYSADMIN

Sun Cluster 3.0 12/01 System Administration Guide

CLUSTCONCEPTS

Sun Cluster 3.0 12/01 Concepts

CLUSTERRMSG

Sun Cluster 3.0 5/02 Error Messages Guide

Sun Cluster 3.0 Agents 5/02 CD-ROM 

CLUSTDATASVC

Sun Cluster 3.0 12/01 Data Services Installation and Configuration Guide

制限事項

Sun Cluster 3.0 5/02 リリースには、次の制限が適用されます。

サービスとアプリケーションの制限

ハードウェアの制限

ボリューム管理ソフトウェアの制限

クラスタファイルシステムの制限事項

VxFS の制限

NAFO (ネットワークアダプタフェイルオーバー) の制限

データサービスの制限

この節では、特定のデータサービスの制限を説明します。すべてのデータサービスに適用される制限はありません。


注 -

将来の Sun Cluster の Release Notes (ご使用にあたって) には、特定 のデータサービスに適用されるデータサービスの制限は記載されません。しかし、Sun Cluster Release Notes には、すべて のデータサービスに適用されるデータサービスの制限が記載されます。


特定のデータサービスに適用されるデータサービスの制限については、『Sun Cluster 3.0 12/01 データサービスのインストールと構成』を参照してください。

Sun Cluster HA for Oracle

Sun Cluster と NetBackup の制限

Sun Cluster HA for NetBackup の制限

Sun Cluster 3.0 HA for NFS の制限

ガイドライン

Sun Cluster 3.0 5/02 リリースには、次のガイドラインが適用されます。

データサービスのタイムアウト期間についてのガイドライン

次のガイドラインはバグ ID 4499573 で報告された問題に対処します。このガイドラインは関連する機能が期待どおりに機能するように定められています。したがって、『Sun Cluster 3.0 12/01 データサービスのインストールと構成』は次のガイドラインを反映する必要があります。

データサービスが入出力中心で、クラスタとして大規模のディスクで構成している場合にディスクに障害が発生すると、入出力サブシステムが再試行するので、アプリケーションは遅延を感じることがあります。入出力サブシステムが再試行し、障害から回復するまで、数分かかることもあります。この遅延によって、最終的にディスクが自分自身で回復したとしても、Sun Cluster がアプリケーションを別のノードにフェイルオーバーすることがあります。このような場合のフェイルオーバーを回避するには、データサービスのデフォルトの検証タイムアウト値を増やしてみてください。データサービスのタイムアウトについての詳細や、タイムアウト値を増やす方法については、ご購入先にお問い合わせください。

データサービスのインストールについてのガイドライン

Solaris と Sun Cluster のインストールを開始する前に、すべてのデータサービスの条件を確認します。このような条件を理解していないと、インストールプロセスを正しく実行することができず、Solaris と Sun Cluster ソフトウェアを完全にインストール直す必要がある場合があります。

たとえば、Oracle Parallel Server/Real Application Clusters の Oracle Parallel Fail Safe/Real Application Clusters Guard オプションには、クラスタ内で使用するホスト名/ノード名に対して特別な条件があります。Sun Cluster ソフトウェアをインストールした後はホスト名を変更できないので、Sun Cluster ソフトウェアをインストールする前にこれらの条件を満たす必要があります。ホスト名/ノード名に対する特別な条件の詳細については、Oracle Parallel Fail Safe/Real Application Clusters Guard のマニュアルを参照してください。

パッチとファームウェアレベル

この節では、Sun Cluster 構成のパッチに関する情報を説明します。

PatchPro

Sun Cluster ソフトウェアは早くから PatchPro という Sun のパッチ管理ソリューションを採用しています。この新しいツールは、Sun Cluster ソフトウェアのインストールや保守に必要なパッチの選択およびダウンロードを簡単にします。 PatchPro には、パッチのインストールを簡単にするための Interactive Mode ツール (Sun Cluster に固有) と、最新のパッチセットで構成を保守するための Expert Mode ツールを提供します。Expert Mode は、特に、高可用性やセキュリティのパッチだけではなく、最新のパッチをすべて入手する場合に便利です。


注 -

Sun Cluster 製品に必要なパッチを表示およびダウンロードするには、SunSolveSM アカウントに登録しておく必要があります。アカウントを登録していない場合は、ご購入先に依頼するか、SunSolve Online Web サイトから登録してください。


Sun Cluster ソフトウェア用の PatchPro ツールにアクセスするには、http://www.sun.com/PatchPro/ にアクセスし、「Sun Cluster」から「Interactive Mode」または「Expert Mode」を選択します。 クラスタ構成を記述し、パッチをダウンロードする方法については、PatchPro ツールの指示に従ってください。

SunSolve Online

SunSolve OnlineSM Web サイトでは、Sun 製品のパッチ、ソフトウェア、およびファームウェアに関する最新の情報を提供しています。現在サポートされるソフトウェア、ファームウェア、およびパッチの最新のリビジョンについては、SunSolve Online サイト (http://sunsolve.sun.com) にアクセスしてください。


注 -

Sun Cluster 製品に必要なパッチを表示およびダウンロードするには、SunSolve アカウントに登録しておく必要があります。アカウントを登録していない場合は、ご購入先に依頼するか、SunSolve Online Web サイトから登録してください。


Sun Cluster 3.0 のパッチ情報を検索するには、SunSolve EarlyNotifierSM を使用します。EarlyNotifier の情報を表示するには、SunSolve にログインし、メインページ上部のメニューから「Simple Search」を選択します。次に「Simple Search」ページで「EarlyNotifier」ボックスをクリックし、検索条件ボックスに Sun Cluster 3.0 と入力します。すると、Sun Cluster 3.0 ソフトウェア用の EarlyNotifier ページが開きます。

Sun Cluster 3.0 をインストールしたり、クラスタコンポーネント (Solaris オペレーティング環境、Sun Cluster ソフトウェア、ボリューム管理ソフトウェア、データサービスソフトウェア、ディスクハードウェア) にパッチを適用する前に、EarlyNotifier 情報と、パッチに付随する README ファイルをよく読んでください。クラスタが適切に動作するためには、すべてのクラスタノードが同じパッチレベルになっていなければなりません。

個々のパッチ手順や、パッチ管理のヒントについては、『Sun Cluster 3.0 12/01 のシステム管理』を参照してください。

mod_ssl ライセンス期間

mod_ssl のライセンス期間、属性、および版権文を表示する方法については、Sun Cluster 3.0 5/02 CD-ROM 上にある Sun Cluster 3.0 の README ファイルを参照してください。

Sun Management Center ソフトウェアのアップグレード

この節では、Sun Cluster 3.0 5/02 構成で Sun Management Center 2.1.1 を Sun Management Center 3.0 にアップグレードする手順を説明します。

Sun Management Center ソフトウェアをアップグレードする

Sun Cluster 3.0 5/02 構成で Sun Management Center 2.1.1 を Sun Management Center 3.0 ソフトウェアにアップグレードするには、次の手順を実行します。

  1. 次のものを用意します。

    • Sun Cluster 3.0 5/02 CD-ROM または CD-ROM イメージへのパス。Sun Management Center ソフトウェアをアップグレードした後で、この CD-ROM を使用して Sun Cluster モジュールのパッケージをインストールし直す必要があります。

    • Sun Management Center 3.0 のマニュアル

    • Sun Management Center 3.0 のパッチと Sun Cluster モジュールのパッチ (もしあれば)。パッチの入手方法とパッチのインストール手順については、「パッチとファームウェアレベル」を参照してください。

  2. すべての Sun Management Center プロセスを停止します。

    1. Sun Management Center コンソールが動作している場合は、コンソールを終了します。

      コンソールウィンドウのメニューバーから「File」、「Exit」の順に選択します。

    2. 個々の Sun Management Center エージェントマシン (クラスタノード) で Sun Management Center エージェントプロセスを停止します。


      # /opt/SUNWsymon/sbin/es-stop -a
      

    3. Sun Management Center サーバーマシンで Sun Management Center サーバープロセスを停止します。


      # /opt/SUNWsymon/sbin/es-stop -S
      

  3. スーパーユーザーで、表 1-5 に示す場所から Sun Cluster モジュールパッケージを削除します。

    すべての場所からすべての Sun Cluster モジュールパッケージを削除する必要があります。そうしないと、パッケージの相互依存関係のために Sun Management Center ソフトウェアのアップグレードに失敗することがあります。Sun Management Center ソフトウェアをアップグレードした後で、手順 5でパッケージをインストールし直します。


    # pkgrm module-package
    

    表 1-5 Sun Cluster モジュールパッケージを削除する場所

    ディレクトリの位置 

    削除するパッケージ 

    各クラスタノード 

    SUNWscsamSUNWscsal

    Sun Management Center コンソールマシン 

    SUNWscscn

    Sun Management Center サーバーマシン 

    SUNWscssv

    Sun Management Center ヘルプサーバーマシン 

    SUNWscshl

  4. Sun Management Center 3.0ソフトウェアにアップグレードします。

    Sun Management Center 3.0 のマニュアルに説明されているアップグレード手順に従います。

  5. スーパーユーザーで、Sun Cluster モジュールパッケージを表 1-6が示す場所にインストールし直します。

    Sun Management Center 3.0 ソフトウェアでは、ヘルプサーバーパッケージ SUNWscshl をヘルプサーバーマシンだけでなくコンソールマシンにもインストールします。


    # cd /cdrom/suncluster_3_0_u3/SunCluster_3.0/Packages
    # pkgadd module-package
    

    表 1-6 Sun Cluster モジュールパッケージをインストールする場所

    ディレクトリの位置 

    インストールするパッケージ 

    各クラスタノード 

    SUNWscsamSUNWscsal

    Sun Management Center コンソールマシン 

    SUNWscscnSUNWscshl

    Sun Management Center サーバーマシン 

    SUNWscssv

    Sun Management Center ヘルプサーバーマシン 

    SUNWscshl

  6. すべての Sun Management Center パッチと Sun Cluster モジュールパッチをクラスタの各ノードに適用します。

  7. 関係するすべてのマシンで Sun Management Center エージェント、サーバー、コンソールの各プロセスを再起動します。

    Sun Cluster 3.0 12/01 ソフトウェアのインストール』の「Sun Management Center ソフトウェアを起動する」を参照してください。

  8. Sun Cluster モジュールを読み込みます。

    Sun Cluster 3.0 12/01 ソフトウェアのインストール』の「Sun Cluster モジュールを読み込む」を参照してください。

    Sun Cluster モジュールがすでに読み込まれている場合は、これをいったん読み込み解除してから再び読み込み、サーバーにキャッシュされているすべてのアラーム定義を消去する必要があります。モジュールを読み込み解除するには、コンソールの「Details」ウィンドウから「Module」、「Unload Module」の順に選択します。

Sun Cluster のモジュールリソースとリソースグループの作成ウィザード

この節では、Sun Management Center 3.0 への Sun Cluster 3.0 モジュールについて、マニュアルに記載されていない情報を説明します。Sun Management Center 3.0 へのアップグレードについては、「Sun Management Center ソフトウェアのアップグレード」を参照してください。

Sun Cluster モジュールコンソールには、リソースやリソースグループを作成または削除したり、その状態を変更したりできる場所があります。これらの場所にアクセスするには、Sun Cluster Details ウィンドウを開いて、階層 (ツリー) ビューまたはトポロジビューからオプションを選択します。

ポップアップメニューの項目と関連するテーブル

Resource Group Status テーブルと Resource Group Properties テーブルからは、次のポップアップメニューにアクセスできます。

  • Bring Online

  • Take Offline

  • Delete Selected Resource Group

  • Create New Resource Group

  • Create New Resource

Resource Status テーブルと Resource Configuration テーブルからは、次のポップアップメニューにアクセスできます。

  • Enable

  • Disable

  • Delete Resource

  • Create New Resource Group

  • Create New Resource

ツリービューから作成ウィザードにアクセスする

リソースまたはリソースグループを作成するためのウィザードにアクセスするには、次の手順を実行します。

  1. 階層 (ツリー) ビューまたはトポロジビューから、「Operating System」の下にある「Sun Cluster」をダブルクリックします。

  2. 「Resource Groups」項目または「Resource Groups」サブツリー内の任意の項目上でマウスの右ボタンをクリックします。

  3. ポップアップメニューから「Create New Resource Group」または「Create New Resource」を選択します。

リソースとリソースグループを作成する

リソースやリソースグループのテーブルからアクセスできるポップアップメニューの作成ウィザードを使用するには、次の手順を実行します。

  1. リソーステーブルまたはリソースグループテーブルを表示します。

  2. テーブル内の任意のセルエントリを指します (ヘッダー行を除く)。

  3. マウスの右ボタンをクリックします。

  4. ポップアップメニューからアクションを選択します。

リソースとリソースグループを削除または変更する

リソースの状態を変更したり、リソースやリソースグループを削除するには、次の手順を実行します。リソースを有効または無効にしたり、リソースグループをオンラインまたはオフラインにしたりするには、リソースとリソースグループのテーブルからポップアップメニューを使用します。

  1. リソースまたはリソースグループのテーブルを表示します。

  2. 変更する項目を選択します。

    • エントリを削除するには、削除するリソースまたはリソースグループを選択します。

    • エントリの状態を変更するには、変更するリソースまたはリソースグループの行にある状態セルを選択します。

  3. マウスの右ボタンをクリックします。

  4. 次のポップアップメニューから実行する作業を選択します。

    • Bring Online

    • Take Offline

    • Enable

    • Disable

    • Delete Selected Resource Group

    • Delete Resource


注 -

リソースやリソースグループを削除したり、その状態を変更したりすると、Sun Cluster モジュールは Probe Viewer ウィンドウを起動します。指定された作業が正常に実行された場合、Probe Viewer ウィンドウには (Sun Cluster モジュールによって)「Probe command returned no data (検証コマンドから戻されたデータはありません。)」というメッセージが表示されます。指定された作業が正常に行われなかった場合、Probe Viewer ウィンドウにはエラーメッセージが表示されます。


Sun Management Center の詳細については、Sun Management Center のマニュアルとオンラインヘルプを参照してください。

既知の問題

すでに次の問題が Sun Cluster 3.0 5/02 リリースの動作に影響することが判明しています。最新情報については、http://docs.sun.com にあるオンラインの『Sun Cluster 3.0 5/02 Release Notes Supplement』を参照してください。

バグ ID 4490386

問題の概要:クラスタ内で Sun Enterprise 10000 サーバーを使用しているとき、ある構成で入出力カードを使用すると、これらのサーバーでパニックが発生する。

回避方法:クラスタ内にある Sun Enterprise 10000 サーバーの SBus 入出力ボードのスロット 0 には、UDWIS 入出力カードを設置しないでください。

バグ ID 4501655

問題の概要:ロックしようとしているデバイスがグローバルデバイス (/dev/global/rdsk/d4s0 など) であるとき、レコードロックが別のノードで機能しない。

任意の特定のノード上でプログラムを複数回バックグラウンドで実行するとき、レコードロックは機能しているように見える。プログラムの最初のコピーがデバイスの一部をロックした後、プログラムの他のコピーはデバイスがロック解除されるまでブロック待機するはずである。しかし、プログラムが異なるノードから実行された場合、そのプログラムはデバイスがロック解除されるまでブロック待機せずに、さらにデバイスをロックし続ける。

回避方法:回避方法はありません。

バグ ID 4504311

問題の概要:Sun Cluster 構成を Solaris 8 10/01 ソフトウェアにアップグレードするとき (Sun Cluster 3.0 12/01 へのアップグレードに必要)、Apache アプリケーションの起動スクリプトと停止スクリプトが復元される。Apache データサービス (Sun Cluster HA for Apache) がすでにクラスタ上に存在 し、デフォルトの構成で構成されている場合 (つまり、/etc/apache/httpd.conf ファイルが存在し、/etc/rc3.d/S50apache ファイルが存在しない場合)、Apache アプリケーションは Sun Cluster HA for Apache データサービスとは無関係に独自に起動する。 したがって、Apache アプリケーションがすでに動作しているため、Apache データサービスが起動しない。

回避方法:各ノード上で次の手順を実行します。

  1. アップグレードのためにノードを停止する前に、次のリンクがすでに存在しているかどうかを確認し、存在している場合は、ファイル名に大文字の K または S が含まれているかどうかを確認します。


    /etc/rc0.d/K16apache
    /etc/rc1.d/K16apache
    /etc/rc2.d/K16apache
    /etc/rc3.d/S50apache
    /etc/rcS.d/K16apache

    これらのリンクがすでに存在しており、ファイル名に大文字の K または S が含まれている場合は、何もする必要はありません。そうでない場合は、ノードを Solaris 8 10/01 ソフトウェアにアップグレードした後に次の手順を実行します。

  2. ノードを Solaris 8 10/01 ソフトウェアにアップグレードした後、ノードを再起動するに、復元された Apache のリンク名を変更します (たとえば、ファイル名を小文字の k や s にします) 。


    # mv /a/etc/rc0.d/K16apache /a/etc/rc0.d/k16apache
    # mv /a/etc/rc1.d/K16apache /a/etc/rc1.d/k16apache
    # mv /a/etc/rc2.d/K16apache /a/etc/rc2.d/k16apache
    # mv /a/etc/rc3.d/S50apache /a/etc/rc3.d/s50apache
    # mv /a/etc/rcS.d/K16apache /a/etc/rcS.d/k16apache
    

バグ ID 4511699

問題の概要: Sun Cluster HA for NFS では、/etc/nsswitch.conf ファイルの hosts 検索エントリに files [SUCCESS=return] が設定されている必要があり、さらに、すべてのクラスタのプライベート IP アドレスが、すべてのクラスタノード上にある /etc/inet/hosts ファイルに存在する必要がある。

そうでない場合、パブリックネットワークに障害が発生したときに、Sun Cluster HA for NFS は正しくフェイルオーバーできない。

回避方法:クラスタの各ノードで次の作業を実行します。

  1. /etc/nsswitch.conf ファイルの hosts エントリを変更して、ローカルで名前を解決できたときには即座に成功を戻して、NIS や DNS に問い合わせないようにします。


    hosts: cluster files [SUCCESS=return] nis dns

  2. すべてのクラスタのプライベート IP アドレス用のエントリを /etc/inet/hosts ファイルに追加します。

追加する必要がある IP アドレスは、/etc/nsswitch.conf ファイルと /etc/inet/hosts ファイルにある物理プライベートインタフェース上に plumb されている IP アドレスだけです。論理 IP アドレスはすでに、クラスタの nsswitch ライブラリで解決可能です。

物理プライベート IP アドレスのリストを表示するには、次のコマンドを任意のクラスタノード上で実行します。


% grep ip_address /etc/cluster/ccr/infrastructure

このリスト内の各 IP アドレスは、一意な (ドメイン内にある他のどのドメイン名とも衝突しない) ホスト名に割り当てられている必要があります。


注 -

Sun Cluster ソフトウェアでは、HA IP アドレス (LogicalHostname/SharedAddresses) がすべてのクラスタノード上にある /etc/inet/hosts ファイルに存在する必要があり、さらに、filesnis または dns よりも前に存在する必要があります。このバグのために追加された条件としては、[SUCCESS=return]files の後に指定する必要があり、さらに、すべてのクラスタのプライベート IP アドレスを /etc/inet/hosts ファイルに指定する必要があります。


バグ ID 4526883

問題の概要:非常にまれだが、qfe アダプタで終了するプライベートインターコネクト転送パスが起動に失敗する。

回避方法:次の手順を実行します。

  1. 障害に関わったアダプタを確認します。

    scstat -W を使用すると、当該アダプタに関わるすべての転送パスは「faulted (障害発生)」または「waiting (待機中)」のどちらか 1 つの状態であるパスエンドポイントとして表示されます。

  2. scsetup(1M) を使用して、当該アダプタに接続されているすべてのケーブルをクラスタ構成から削除します。

  3. scsetup をもう一度使用して、当該アダプタをクラスタ構成から削除します。

  4. アダプタとケーブルをクラスタ構成に追加し直します。

  5. 上記手順で問題が解決できたかどうか、そして、パスを起動できるかどうかを確認します。

ケーブルとアダプタを (クラスタ構成から) 削除して追加し直しても問題が解決しなかった場合、上記手順を数回繰り返してみます。これでも問題が解決できなかった場合、問題のアダプタを持つノードを再起動します。ノードが起動すると、問題が解決していることもあります。ノードを再起動する前に、残りのクラスタがノードを再起動しても生き残れるだけの十分な定足数を持っていることを確認します。

バグ ID 4620185

問題の概要:rpc.pmfd デーモンが、signal 処理の結果として新しいプロセスをフォークするプロセスを監視する場合、pmfadm -k tag signal を使用すると、無限ループになる可能性がある。この無限ループは、pmfadm(1M) が tag のプロセスツリー内のすべてのプロセスを強制終了しようとするが、(以前のプロセスを強制終了した結果として) 新たにフォークされたプロセスが上記プロセスツリーに追加されるために発生する。


注 -

このバグは、pmfadm -s tag signal では発生しない。


回避方法:pmfadm -k の代わりに、pmfadm -s tag signal を使用します。pmfadm-s オプションでは、-k オプションのような状況は発生しません。

バグ ID 4629536

問題の概要:forcedirectio マウントオプションと mmap(2) 関数を同時に使用すると、データが破壊されて、システムがハングまたはパニックする可能性がある。

回避方法:次の制限について、確認してください。

directio を使用する必要がある場合、ファイルシステム全体を directio オプションでマウントします。

バグ ID 4634409

問題の概要:同じデバイスを異なるマウントポイントにマウントしようとすると、ほとんどの場合、システムはこのエラーを受け取り、2 回目のマウントは失敗する。しかし、非常にまれだが、システムはこのエラーを受け取ることができず、両方のマウントを許可することがある。これは、次の 4 つの条件すべてが真の場合のみに発生する。

回避方法:クラスタ上のファイルシステムをマウントするとき、システム管理者は十分に注意してください。

バグ ID 4638586

問題の概要:scconf(1M) コマンドは VxVM ディスクグループにマイナー番号を割り当て直さないことがあり、「device is already in use in another device group」というエラーを戻すことがある。

回避方法:次の手順を実行して、新しいマイナー番号をディスクグループに割り当てます。

  1. すでに使用されているマイナー番号を調べます。

    次の出力で、使用中のマイナー番号とメジャー番号を調べます。


    % ls -l /dev/vx/rdsk/*/*
     
    crw-------   1 root     root     210,107000 Mar 11 18:18 /dev/vx/rdsk/fix/vol-01
    crw-------   1 root     root     210,88000 Mar 15 16:31 /dev/vx/rdsk/iidg/vol-01
    crw-------   1 root     root     210,88001 Mar 15 16:32 /dev/vx/rdsk/iidg/vol-02
    crw-------   1 root     root     210,88002 Mar 15 16:33 /dev/vx/rdsk/iidg/vol-03
    crw-------   1 root     root     210,88003 Mar 15 16:49 /dev/vx/rdsk/iidg/vol-04
    crw-------   1 root     root     210,13000 Mar 18 16:09 /dev/vx/rdsk/sndrdg/vol-01
    crw-------   1 root     root     210,13001 Mar 18 16:08 /dev/vx/rdsk/sndrdg/vol-02

  2. 新しいディスクグループのベースとなるマイナー番号として、使用されていない 1000 の倍数を選択します。

  3. 使用されていないマイナー番号を問題のディスクグループに割り当てます。

    vxdg コマンドのマイナー番号再割り当てオプションを使用します。

  4. 失敗した scconf コマンドをやり直します。

バグ ID 4644289

問題の概要:Solaris 9 では、パブリックネットワークに障害が発生したとき、外部ネームサービスが利用できないと、Sun Cluster HA for Oracle データサービスの停止メソッドがタイムアウトすることがある。Sun Cluster HA for Oracle データサービスは su(1M) ユーザーコマンドを使用して、データベースを起動および停止する。

回避方法:oracle_server または oracle_listener リソースの主ノードになることができる各ノード上で、/etc/nsswitch.conf ファイルを編集して、次のような passwdgrouppublickey、および project データベース用のエントリを追加します。


passwd:       files
group:        files
publickey:    files
project:      files

この変更によって、su(1M) コマンドは NIS/NIS+ ネームサービスを参照せず、ネットワークに障害が発生したとき、データサービスは正しく起動および停止できるようになります。

バグ ID 4648767

問題の概要:sendfile(3EXT) を使用すると、ノードがパニックする。

回避方法:この問題を回避する唯一の方法は、sendfile を使用しないことです。

バグ ID 4651392

問題の概要:Solaris 9 では、クラスタノードがシャットダウンの途中で次のメッセージを出してパニックすることがある。


CMM: Shutdown timer expired. Halting

回避方法:この問題を回避する方法はありません。このノードのパニックは他に副作用を持たないので、比較的危険がないバグとして扱うことができます。

バグ ID 4653151

問題の概要:FilesystemMountPoints 拡張プロパティに指定されたファイルシステムのマウントポイントの順番が /etc/vfstab ファイルに指定された順番と同じでない場合、HAStoragePlus リソースが作成できない。

回避方法:FilesystemMountPoints 拡張プロパティに指定されたマウントポイントの順番が /etc/vfstab ファイルに指定された順番と一致することを確認します。たとえば、/etc/vfstab ファイルに /a/b、および /c という順番でファイルシステムのエントリが指定されている場合、FilesystemMountPoints において、「/a,/b,/c」、「/a,/b」、「/a,/c」という順番は一致しますが、「/a,/c,/b」という順番は一致しません。

バグ ID 4653788

問題の概要: Failover_enabled 拡張プロパティが FALSE に設定されている場合、本来、リソースモニターがリソースグループをフェイルオーバーすることを防ぐことを意味する。

しかし、リソースモニターがリソースを再起動しようとする場合、START または STOP メソッドが失敗またはタイムアウトすると、Failover_enabled の設定に関わらず、リソースモニターはギブオーバーしようとする。

回避方法:この問題を回避する方法はありません。

バグ ID 4655194

問題の概要:デバイスグループのスイッチオーバーコマンド (scswitch -D device-group) が発行された場合、ローカルにマウントされた VxFS 上のデバイスグループにある Solstice DiskSuite ソフトパーティションがエラーになることがある。

Solstice DiskSuite は内部的にミラー再同期操作を実行するが、これにかなりの時間がかかることがある。ミラー再同期は冗長性を低下させる。このとき、VxFS が報告するエラーによってモニター/アプリケーション入出力エラーとなり、アプリケーションが再起動する。

回避方法:HAStoragePlus に構成されているどの Solstice DiskSuite デバイスグループにおいても、デバイスグループを手動でスイッチオーバーしてはなりません。その代わりに、リソースグループをスイッチオーバーすると、結果として、デバイスは問題なくスイッチオーバーされます。

あるいは、ローカルにマウントされた VxFS ファイルシステムを VxVM ディスクグループ上に構成します。

バグ ID 4656367

問題の概要:いくつかのエラーメッセージが Sun Cluster 3.0 5/02 CD-ROM に含まれていない。

回避方法:このようなエラーメッセージは「新しいエラーメッセージ」に記載されています。

バグ ID 4656391

問題の概要:Sun Cluster のグローバル Solstice DiskSuite/VxVM デバイスグループ上にあるファイルシステムの fsck(1M) は、主ノード以外のノード (二次ノード) から実行すると失敗する。この現象は Solaris 9 で観察されたが、初期の Solaris リリースでも現れる可能性はある。

回避方法:fsck コマンドは主ノードだけから呼び出します。

バグ ID 4656531

問題の概要:複数のリスナーリソースが同じリスナー名でリスナーを起動するように構成されている場合、Sun Cluster HA for Oracle リスナーリソースは正しく動作しない。

回避方法:クラスタ上で動作している複数のリスナーに同じリスナー名を使用してはなりません。

バグ ID 4657088

問題の概要:Sun Cluster 3.0 下にある VxVM ディスクグループからプレックスを関連付け解除/切断すると、クラスタノードは次のエラーメッセージを出してパニックする。


  panic[cpu2]/thread=30002901460: BAD TRAP: type=31 rp=2a101b1d200 addr=40  
  mmu_fsr=0 occurred in module "vxfs" due to a NULL pointer dereference

回避方法:プレックスを関連付け解除/切断する前に、対応するファイルシステムをマウント解除します。

バグ ID 4657833

問題の概要:リソースグループプロパティ auto_start_on_new_clusterfalse に設定されているとき、フェイルオーバーが発生しない。

回避方法:クラスタ全体が再起動するたびに、auto_start_on_new_cluster プロパティが false に設定されているリソースグループごとに、auto_start_on_new_cluster プロパティを true に設定して、その後、auto_start_on_new_cluster プロパティを false に設定し直します。


# scrgadm -c -g rgname -y auto_start_on_new_cluster=true
# scrgadm -c -g rgname -y auto_start_on_new_cluster=false

バグ ID 4659042

問題の概要:グローバルにマウントされた VxFS ファイルシステムの場合、/etc/mnttab ファイルシステムはグローバルオプションを表示しないことがある。

回避方法:あるファイルシステム用の /etc/mnttab エントリがクラスタのすべてのノード上にある場合、そのファイルシステムがグローバルにマウントされていることを意味します。

バグ ID 4659091

問題の概要:グローバルにマウントされたファイルシステムをマウントし直すとき、/etc/mnttab が更新されない。

回避方法:回避方法はありません。

バグ ID 4660479

問題の概要:Sun Cluster HA for NFS を HAStoragePlus と一緒に使用するとき、フェイルオーバーおよびスイッチオーバー中、ブロックしているロックが回復しない。結果として、Sun Cluster HA for NFS は lockd を再起動できず、nfs_postnet_stop メソッドが失敗し、クラスタノードがクラッシュする。

回避方法:HAStoragePlus では Sun Cluster HA for NFS を使用してはなりません。 クラスタファイルシステムではこの問題は発生しないので、Sun Cluster HA for NFS をクラスタファイルシステム上に構成すると、この問題を回避できます。

バグ ID 4660521

問題の概要:あるノード上で HTTP サーバーが強制終了されたとき、当該ノード上で PID ファイルが残る。HTTP サーバーは次回起動されるとき、PID ファイルが存在しているかどうかをチェックし、その PID を持つプロセスが動作しているかどうかをチェックする (kill -0)。PID は再利用されるので、最後の HTTP サーバーの PID と同じ PID を持つ別のプロセスが存在する可能性がある。すると、HTTP サーバーが起動に失敗する。

回避方法:HTTP サーバーが次のようなエラーで起動に失敗した場合、HTTP サーバー用の PID ファイルを手動で削除すると、正常に再起動できます。


Mar 27 17:47:58 ppups4 uxwdog[939]: could not log PID to PidLog 
/app/iws/https-schost-5.example.com/logs/pid, server already running (No such file or directory)

バグ ID 4662264

問題の概要:VxFS のような VERITAS 製品を Sun Cluster ソフトウェアと一緒に使用するときにパニックを回避するには、デフォルトのスレッドスタックサイズを増やす必要がある。

回避方法:スタックサイズを増やすには、/etc/system ファイルに次の行を追加します。


set lwp_default_stksize=0x6000
set svc_default_stksize 0x8000

svc_default_stksize エントリは NFS 操作のために必要です。

VERITAS パッケージをインストールした後、VERITAS が同様な文を /etc/system ファイルに追加していないことを確認します。追加していた場合、2 つの文のうち高い方の値を持つ文を残します。

バグ ID 4663876

問題の概要:ノード整列リストを持つ 3 ノード以上のデバイスグループでは、整列リストの最後でないノードを削除しようとすると、scconf はノードリストについての情報を一部しか表示しない。

回避方法:

バグ ID 4664510

問題の概要:Sun StorEdge T3 Array の 1 つの電源を切断して scshutdown を実行した後、両方のノードを再起動すると、クラスタが動作していない状態になる。

回避方法:複製の片方が失われた場合、次の手順を実行します。

  1. クラスタがクラスタモードであることを確認します。

  2. 強制的にディスクセットをインポートします。


    # metaset -s set-name -f -C take
    

  3. 壊れた複製を削除します。


    # metadb -s set-name -fd /dev/did/dsk/dNsX
    

  4. ディスクセットを解放します。


    # metaset -s set-name -C release
    

    これでファイルシステムはマウントおよび使用できます。しかし、複製の冗長性は復元されていません。複製のもう片方が失われた場合、ミラーを正常な状態に復元する方法はありません。

  5. 上記修復手順を適用した後、データベースを作成し直します。

マニュアルの既知の問題

この節では、すでに判明しているマニュアル、オンラインヘルプ、またはマニュアルページの間違いや抜け、およびこれらの問題を修正するための手順を説明します。

SunPlex Manager オンラインヘルプの修正

SunPlex Manager のオンラインヘルプにある以下の説明は正確ではありません。これは、 Oracle データサービスのインストール手順に記載されています。以下に訂正内容を示します。

(誤)

Note: If no entries exist for the shmsys and semsys variables in the /etc/system file when SunPlex Manager packages are installed, default values for these variables are automatically put in the /etc/system file. The system must then be rebooted. Check Oracle installation documentation to verify that these values are appropriate for your database.

:SunPlex Manager パッケージをインストールするときに、/etc/system ファイルに shmsyssemsys 変数用のエントリが存在しない場合、これらの変数のデフォルト値は自動的に /etc/system ファイルに挿入されます。この場合には、システムを再起動する必要があります。使用するデータベースにとってデフォルト値が適切であるかどうかを、Oracle のインストールマニュアルで確認してください。

(正)

Note: If no entries exist for the shmsys and semsys variables in the /etc/system file when you install the Oracle data service, default values for these variables can be automatically put in the /etc/system file. The system must then be rebooted. Check Oracle installation documentation to verify that these values are appropriate for your database.

:Oracle データサービスをインストールするときに、/etc/system ファイルに shmsyssemsys 変数用のエントリが存在しない場合、これらの変数のデフォルト値は自動的に /etc/system ファイルに挿入されます。この場合には、システムを再起動する必要があります。使用するデータベースにとってデフォルト値が適切であるかどうかを、Oracle のインストールマニュアルで確認してください。

Sun Cluster HA for Oracle パッケージ

Sun Cluster 3.0 12/01 データサービスのインストールと構成』の「Sun Cluster HA for Oracle パッケージのインストール」の導入部分に、64 ビット Oracle で Sun Cluster HA for Oracle を実行しているクラスタにおいて、ユーザーに必要な追加のパッケージについて説明されていません。次に、『Sun Cluster 3.0 12/01 データサービスのインストールと構成』の「Sun Cluster HA for Oracle パッケージのインストール」の導入部分の正しい情報を示します。

Sun Cluster HA for Oracle パッケージのインストール

構成によって異なりますが、scinstall(1M) ユーティリティを使用して、次のパッケージの片方または両方をクラスタにインストールします。このとき、非対話型の scinstall には -s オプション (すべてのデータサービスパッケージをインストールする) を指定しないでください。


注 -

SUNWscorSUNWscorx の前提条件となるパッケージです。


Sun Cluster 初期インストールの一部として SUNWscor データサービスパッケージをインストールしている場合は、「Sun Cluster HA for Oracle の登録と構成」に進みます。そうでない場合は、次の SUNWscorSUNWscorx パッケージをインストールする手順に進みます。

単一のルートディスクグループと VERITAS Volume Manager

Sun Cluster ソフトウェア上の VERITAS Volume Manager では、単一のルートディスクグループはディスクタイプとしてはサポートされません。結果として、『Sun Cluster 3.0 12/01 のシステム管理』の手順「非カプセル化ルート(/)ファイルシステムを復元する(VERITAS Volume Manager)」を実行する場合、手順 9 (ルートディスクグループ (rootdg) がルートディスクの単一スライス上に存在するかどうかを判断する) を省略する必要があります。つまり、手順 1 から手順 8 までを実行し、手順 9 を省略し、手順 10 から終わりまで実行します。

Sun Cluster 3.0 ソフトウェアアップデートリリースへのアップグレード

この節では、『Sun Cluster 3.0 12/01 ソフトウェアのインストール』の「Sun Cluster 3.0 Update リリースにアップグレードする」の手順 8 への修正を示します。

    (省略可能)

    (省略可能) (任意) Solaris 8 ソフトウェアをアップグレードします。

    1. /etc/vfstab ファイルにあるすべてのグローバルデバイス用エントリを一時的にコメントアウトします。

      この作業は、Solaris がアップグレード中にグローバルデバイスをマウントしないようにするために行います。

    2. アップグレードするノードを停止します。


      # shutdown -y -g0
      ok

    3. アップグレードしたいバージョンの Solaris 8 Maintenance Update のインストールガイドにある指示に従います。


      注 -

      再起動するかどうかのプロンプトが表示されたときには、ノードを再起動してはなりません。


    4. /a/etc/vfstab ファイルの手順 aでコメントアウトしたグローバルデバイス用エントリをコメント解除します。

    5. Solaris ソフトウェアのパッチとハードウェア関連のパッチをすべてインストールし、ハードウェアパッチに含まれる必須ファームウェアをすべてダウンロードします。

      パッチが再起動を必要とする場合は、手順 fで説明しているとおりにノードを非クラスタモードで再起動します。

    6. ノードを非クラスタモードで再起動します。

      コマンドには、2 つのダッシュ (--) と 2 つの二重引用符 ("") を使用します。


      # reboot -- "-x"
      

Sun Cluster 2.2 から Sun Cluster 3.0 ソフトウェアへのアップグレード

次のアップグレード手順には、『Sun Cluster 3.0 12/01 ソフトウェアのインストール』の手順への変更および修正が記載されています。

Sun Cluster 2.2 から Sun Cluster 3.0 5/02 ソフトウェアにアップグレードするには、『Sun Cluster 3.0 12/01 ソフトウェアのインストール』に記載されている手順の代わりに、次の手順を実行します。

クラスタソフトウェアパッケージをアップグレードする

  1. クラスタノードでスーパーユーザーになります。

  2. CD-ROM からインストールする場合は、ノードの CD-ROM ドライブに Sun Cluster 3.0 12/01 CD-ROM を挿入します。

    ボリュームデーモン vold(1M) が実行されており、CD-ROM デバイスを管理するように構成されている場合は、CD-ROM は自動的に /cdrom/suncluster_3_0_u3 ディレクトリにマウントされます。

  3. /cdrom/suncluster_3_0_u3/SunCluster_3.0/Packages ディレクトリに移動します。


    # cd /cdrom/suncluster_3_0_u3/SunCluster_3.0/Packages
    

  4. ボリューム管理ソフトウェアが Solstice DiskSuite の場合は、各ノードに最新の Solstice DiskSuite メディエータパッケージ (SUNWmdm) をインストールします。

    1. SUNWmdm パッケージを追加します。


      # pkgadd -d . SUNWmdm
      

    2. ノードを再起動します。


      # shutdown -g0 -y -i6
      

    3. その他のノードに対してこの手順を繰り返します。

  5. メディエータを再構成します。

    1. メディエータホストの追加先のディスクセットの所有権を持つノードを指定します。


      # metaset -s setname
      
      -s setname

      ディスクセット名を指定します。

    2. どのノードも所有権を持っていない場合は、ディスクセットの所有権を取得します。


      # metaset -s setname -t
      
      -t

      ディスクセットの所有権を取得します。

    3. メディエータを再度作成します。


      # metaset -s setname -a -m mediator-host-list
      
      -a

      ディスクセットに追加します。

      -m mediator-host-list

      追加するノードの名前をディスクセットのメディエータホストとして指定します。

    4. 各ディスクセットごとにこの手順を繰り返します。

  6. 各ノード上で、rpc.pfmd デーモンを停止します。


    # /etc/init.d/initpmf stop
    

  7. 最初のノードを Sun Cluster 3.0 5/02 ソフトウェアにアップグレードします。

    以降の手順では、このノードのことを最初のノード (最初にインストールしたノード) と呼びます。

    1. アップグレードする最初のノード上で、/cdrom/suncluster_3_0_u3/SunCluster_3.0/Tools ディレクトリに移動します。


      # cd /cdrom/suncluster_3_0_u3/SunCluster_3.0/Tools
      

    2. クラスタソフトウェアフレームワークをアップグレードします。


      # ./scinstall -u begin -F
      
      -F

      このノードが、クラスタ内でインストールされる最初のノードであることを指定します。

      詳細については、scinstall(1M) のマニュアルページを参照してください。

    3. 任意の Sun Cluster パッチを最初のノードにインストールします。

      パッチの場所とインストールの方法については、『Sun Cluster 3.0 5/02 ご使用にあたって』を参照してください。

    4. ノードを再起動します。


      # shutdown -g0 -y -i6
      

      最初のノードが再起動してクラスタモードになったときに、クラスタが設定されます。

  8. 2 番目のノードを Sun Cluster 3.0 5/02 ソフトウェアにアップグレードします。

    1. 2 番目のノード上で、/cdrom/suncluster_3_0_u3/SunCluster_3.0/Tools ディレクトリに移動します。


      # cd /cdrom/suncluster_3_0_u3/SunCluster_3.0/Tools
      

    2. クラスタソフトウェアフレームワークをアップグレードします。


      # ./scinstall -u begin -N node1
      
      -N node1

      クラスタ内で 2 番目にインストールされるノード名ではなく、最初にインストールされるノード名を指定します。

      詳細については、scinstall(1M) のマニュアルページを参照してください。

    3. 任意の Sun Cluster パッチを 2 番目のノードにインストールします。

      パッチの場所とインストールの方法については、『Sun Cluster 3.0 5/02 ご使用にあたって』を参照してください。

    4. ノードを再起動します。


      # shutdown -g0 -y -i6
      

  9. 両方のノードが再起動したら、両方のノードがクラスタメンバーになっていることをいずれかのノードで確認します。


    -- Cluster Nodes --
                       Node name      Status
                       ---------      ------
      Cluster node:    phys-schost-1  Online
      Cluster node:    phys-schost-2  Online

    クラスタ状態の表示方法の詳細については、scstat(1M) のマニュアルページを参照してください。

  10. 定足数デバイスにする共有ディスクを選択します。

    両方のノードで共有されている任意のディスクを定足数デバイスとして使用できます。どちらかのノードから scdidadm(1M) コマンドを実行し、共有ディスクのデバイス ID (DID) 名を確認します。このデバイス名は、手順 5 で、scinstall-q globaldev=DIDname オプションで指定します。


    # scdidadm -L
    

  11. 共有される定足数デバイスを構成します。

    1. scsetup(1M) ユーティリティーを起動します。


      # scsetup
      

      「Initial Cluster Setup」画面が表示されます。

      定足数の設定処理が中断されたり、正常に終了しなかった場合は、scsetup を再度実行してください。

    2. Do you want to add any quorum disks?」というプロンプトに、共有される定足数デバイスを構成します。

      2 ノードクラスタは、共有定足数デバイスが構成されるまでインストールモードのままです。scsetup ユーティリティーが定足数デバイスを構成し終わると、「Command completed successfully」というメッセージが表示されます。

    3. Is it okay to reset "installmode"?」というプロンプトに、「Yes」とこたえます。

      scsetup ユーティリティーによって、クラスタの定足数構成と投票数 (quorum vote count) が設定されたあと、「Cluster initialization is complete」というメッセージが表示され、「Main Menu」に戻ります。

    4. scsetup ユーティリティーを終了します。

  12. 任意のノードから、デバイスとノードの定足数構成を確認します。

    このコマンドを実行するためにスーパーユーザーになる必要はありません。


    % scstat -q
    

  13. 任意のノードから、クラスタインストールモードが無効になっていることを確認します。

    このコマンドを実行するためにスーパーユーザーになる必要はありません。


    % scconf -p | grep "Cluster install mode:"
    Cluster install mode:                                  disabled

  14. ディイレクトリパスを更新します。

    Sun Cluster 3.0 12/01 ソフトウェアのインストール』の「root の環境を更新する」に進みます。

例-Sun Cluster 2.2 から Sun Cluster 3.0 5/02 ソフトウェアへのアップグレード - 開始処理

次の例に、2 ノードクラスタを Sun Cluster 2.2 から Sun Cluster 3.0 5/02 ソフトウェアにアップグレードする際の開始処理を示します。クラスタノード名は、最初にインストールされたノードである phys-schost-1 と、phys-schost-1 の設定後にクラスタに結合する phys-schost-2 です。ボリューム管理ソフトウェアは Solstice DiskSuite で、両方のノードがディスクセット schost-1 のメディエータホストとして使用されます。


(各ノードに最新の Solstice DiskSuite メディエータパッケージをインストールする)
# cd /cdrom/suncluster_3_0_u3/SunCluster_3.0/Packages
# pkgadd -d . SUNWmdm
 
(メディエータを復元する)
# metaset -s schost-1 -t
# metaset -s schost-1 -a -m phys-schost-1 phys-schost-2
 
(rpc.pmfd デーモンをシャットダウンする)
# /etc/init.d/initpmf stop
 
(最初のノードでアップグレードを開始し、再起動する)
phys-schost-1# cd /cdrom/suncluster_3_0_u3/SunCluster_3.0/Tools
phys-schost-1# ./scinstall -u begin -F
phys-schost-1# shutdown -g0 -y -i6
 
(2 番目のノードでアップグレードを開始し、再起動する)
phys-schost-2# cd /cdrom/suncluster_3_0_u3/SunCluster_3.0/Tools
phys-schost-2# ./scinstall -u begin -N phys-schost-1
phys-schost-2# shutdown -g0 -y -i6
 
(クラスタのメンバーシップを確認する)
# scstat
 
(共有ディスクを選択し、定足数デバイスとして構成する)
# scdidadm -L
# scsetup
(「Quorum」>「Add a quorum disk」を選択する)
 
(定足数デバイスが構成されていることを確認する)
# scstat -q
 
(クラスタがもはやインストールモードでないことを確認する)
% scconf -p | grep "Cluster install mode:"
Cluster install mode:                                  disabled

クラスタソフトウェアパッケージのアップグレードを完了する

次の手順で、「クラスタソフトウェアパッケージをアップグレードする」で開始した scinstall(1M) によるアップグレードプロセスを完了します。クラスタの各ノードで次の手順を実行します。

  1. クラスタの各ノードのスーパーユーザーになります。

  2. ボリューム管理ソフトウェアは VxVM ですか 。

    • VxVM ではない場合は、手順 3 に進みます。

    • VxVM である場合は、VxVM と任意の VxVM パッチをインストールして、ルートディスクグループ (rootdg) を新しいインストール用に作成します。

      • VxVM をインストールして、ルートディスクをカプセル化するには、『Sun Cluster 3.0 12/01 ソフトウェアのインストール』の「VERITAS Volume Manager ソフトウェアをインストールしてルートディスク をカプセル化する」の手順を実行します。ルートディスクをミラー化するには、『Sun Cluster 3.0 12/01 ソフトウェアのインストール』の「カプセル化されたルートディスクをミラー化する」を実行します。

      • VxVM をインストールして、rootdg をローカルのルート以外のディスク上に作成するには、『Sun Cluster 3.0 12/01 ソフトウェアのインストール』の「VERITAS Volume Manager ソフトウェアだけをインストールする」と「ルート以外のrootdg ディスクグループを作成する」の手順を実行します。

  3. アップグレードするのは Sun Cluster HA for NFS ですか。

    Sun Cluster HA for NFS である場合は、手順 4 に進みます。

    Sun Cluster HA for NFS ではない場合は、手順 5 に進みます。

  4. Sun Cluster 3.0 ソフトウェアのアップグレードを終了して、Sun Cluster HA for NFS の構成を変換します。

    アップグレードしているのが Sun Cluster HA for NFS でない場合は、代わりに、手順 5 を実行します。

    1. ノードの CD-ROMドライブに Sun Cluster 3.0 Agents 5/02 CD-ROM を挿入します。

      この手順では、ボリュームデーモン vold(1M) が実行されており、CD-ROM デバイスを管理するように構成されていることを想定しています。

    2. そのノードでのクラスタソフトウェアのアップグレードを完了します。


      # scinstall -u finish -q globaldev=DIDname ¥
      -d /cdrom/scdataservices_3_0_u3 -s nfs
      
      -q globaldev=DIDname

      定足数デバイスのデバイスID (DID) 名を指定します。

      -d /cdrom/scdataservices_3_0_u3

      CD-ROM イメージのディレクトリの場所を指定します。

      -s nfs

      構成する Sun Cluster HA for NFS データサービス名を指定します。


      注 -

      次のようなエラーメッセージが表示されることがありますが、無視してください。



      ** Installing Sun Cluster - Highly Available NFS Server **
      Skipping "SUNWscnfs" - already installed
    3. CD-ROM を取り出します。

    4. もう一方のノードに対して、手順 a から 手順 c までを繰り返します。

      両方のノードで作業が完了すると、クラスタインストールモードが解除され、定足数の確立に使用されるすべての票が割り当てられます。

    5. 手順 6 に進みます。

  5. 各ノード上で、Sun Cluster 3.0 ソフトウェアのアップグレードを終了します。

    アップグレードしているのが Sun Cluster HA for NFS である場合は、代わりに、手順 4 を実行します。


    # scinstall -u finish -q globaldev=DIDname
    
    -q globaldev=DIDname

    定足数デバイスのデバイスID (DID) 名を指定します。

  6. Sun Cluster HA for NFS 以外のデータサービスをアップグレードしている場合は、これらのデータサービス用のリソースを新しいインストール用に構成します。

    手順については、『Sun Cluster 3.0 12/01 データサービスのインストールと構成』を参照してください。

  7. ボリューム管理ソフトウェアが Solstice DiskSuite の場合は、いずれかのノードから、すでに存在しているデバイスグループをオンラインにします。


    # scswitch -z -D disk-device-group -h node
    
    -z

    スイッチを実行します。

    -D disk-device-group

    ディスクデバイスグループの名前を指定します。これは、Solstice DiskSuite ソフトウェアのディスクセット名と同じです。

    -h node

    ディスクデバイスグループの主ノードとして動作するクラスタノード名を指定します。

  8. いずれかのノードから、すでに存在しているデータサービスリソースグループをオンラインにします。

    この時点で、Sun Cluster 2.2 論理ホストが Sun Cluster 3.0 5/02 リソースグループに変換され、論理ホスト名に接尾辞 -lh が追加されます。たとえば、lhost-1 という名前の論理ホストは、lhost-1-lh という名前のリソースグループにアップグレードされます。変換したこれらのリソースグループ名は、次のコマンドで使用します。


    # scswitch -z -g resource-group -h node
    
    -g resource-group

    オンラインにするリソースグループ名を指定します。

    scrgadm -p コマンドを使用し、クラスタ内のすべてのリソースタイプとリソースグループの一覧を表示できます。scrgadm -pv コマンドを使用すると、この一覧をより詳しく表示できます。

  9. Sun Management Center を使用して Sun Cluster 構成を監視する場合は、Sun Management Center 用のSun Cluster モジュールをインストールします。

    1. 最新バージョンの Sun Management Center ソフトウェアを使用していることを確認します。

      インストールまたはアップグレードの手順については、Sun Management Center のマニュアルを参照してください。

    2. Sun Cluster 3.0 12/01 ソフトウェアのインストール』の「Sun Cluster モジュールのインストール条件」にあるガイドラインと手順に従って、Sun Cluster モジュールパッケージをインストールします。

  10. すべてのノードがクラスタに結合していることを確認します。

    Sun Cluster 3.0 12/01 ソフトウェアのインストール』の「クラスタメンバーシップを確認する」に進みます。

例-Sun Cluster 2.2 から Sun Cluster 3.0 5/02 ソフトウェアへのアップグレード - 終了処理

次の例に、2 ノードクラスタを Sun Cluster 2.2 から Sun Cluster 3.0 5/02 ソフトウェアにアップグレードする際の終了処理を示します。クラスタノード名は phys-schost-1phys-schost-2 で、デバイスグループ名は -schost-1dg-schost-2 で、データサービスリソースグループ名は lh-schost-1lh-schost-2 です。scinstall コマンドは自動的に Sun Cluster HA for NFS 構成を変換します。


(各ノードのアップグレードを完了する)
phys-schost-1# scinstall -u finish -q globaldev=d1 ¥
-d /cdrom/scdataservices_3_0_u3 -s nfs
phys-schost-2# scinstall -u finish -q globaldev=d1 ¥
-d /cdrom/scdataservices_3_0_u3 -s nfs
 
(各ノードでデバイスグループとデータサービスリソースグループをオンラインにする)
phys-schost-1# scswitch -z -D dg-schost-1 -h phys-schost-1
phys-schost-1# scswitch -z -g lh-schost-1 -h phys-schost-1
phys-schost-1# scswitch -z -D dg-schost-2 -h phys-schost-2 
phys-schost-1# scswitch -z -g lh-schost-2 -h phys-schost-2

ノードを保守状態から戻す

Sun Cluster 3.0 12/01 のシステム管理』の「ノードを保守状態から戻す」の手順は 2 ノードクラスタには適用されません。2 ノードクラスタに適切な手順については、次のリリースで検証される予定です。

マニュアルページ

scgdevs(1M) のマニュアルページ

次の段落は、scgdevs コマンドの動作を明確に記述します。この情報は現在、scgdevs(1M) のマニュアルページには記載されていません。

新しい情報:

ローカルノードから呼び出された scgdevs(1M) は、その作業をリモートノード上で非同期的に実行します。したがって、ローカルノード上でコマンドが完了しても、必ずしも、その作業がクラスタ規模で完了しているとは限りません。

SUNW.sap_ci(5) のマニュアルページ

SUNW.sap_as(5) のマニュアルページ

rg_properties(5) のマニュアルページ

rg_properties(5) のマニュアルページには、次の新しいリソースグループプロパティが追加されます。

Auto_start_on_new_cluster

このプロパティは、新しいクラスタが形成されるときに、Resource Group Manager がリソースグループを自動的に起動するかどうかを制御します。

デフォルトは TRUE です。TRUE に設定されている場合、クラスタのすべてのノードが同時に再起動したとき、Resource Group Manager はリソースグループを自動的に起動して、Desired_primaries を実現しようとします。FALSE に設定されている場合、クラスタのすべてのノードが同時に再起動したとき、Resource Group Manager はリソースグループを自動的に起動しません。

分類: オプション デフォルト: TRUE 調整可能: 任意の時点

新しいエラーメッセージ

次のエラーメッセージは Sun Cluster 3.0 5/02 CD-ROM に含まれていません。


360600:Oracle UDLM package wrong instruction set architecture.

説明:

問題の概要: 現在インストールされている Oracle UDLM パッケージの命令セットアーキテクチャは、ノードの現在の起動モードに一致しません (たとえば、Oracle UDLM は 64 ビット (sparc9) であるが、ノードの現在の起動モードは 32 ビット (sparc) であるなど)。

対処方法:

回避方法: システムの命令セットアーキテクチャに一致する Oracle UDLM パッケージを Oracle から入手してインストールするか、Oracle UDLM の現在のバージョンと一致する命令セットアーキテクチャでノードを起動します。


800320:Fencing %s from shared disk devices.

説明:

問題の概要: メンバー以外のノードをディスクから除外するための保護が実行されましたが、そのディスクはクラスタノード間で共有されています。

対処方法:

回避方法: ありません。


558777:Enabling failfast on all shared disk devices.

説明:

問題の概要: 保護障害防止が設定されましたが、これらのディスクグループを共有するノードは別のノードから除外されると停止します。

対処方法:

回避方法: ありません。


309875:Error encountered enabling failfast.

説明:

問題の概要: 保護障害防止を有効にしようとしましたが、そのディスクは他のノードと共有されているのでエラーが発生しました。

対処方法:

回避方法: これは内部エラーです。すべてのノードから /var/adm/messages/var/cluster/ucmm/ucmm_reconf.log、および /var/cluster/ucmm/dlm*/logs/* の内容を保存して、ご購入先に相談してください。