この節では、すでに判明しているマニュアル、オンラインヘルプ、またはマニュアルページの誤りや記載漏れ、およびこれらの問題を修正するための手順を説明します。
この節では、『Sun Cluster 3.1 ソフトウェアのインストール』で判明している記述の誤りと記載漏れについて説明します。
『Sun Cluster 3.1 ソフトウェアのインストール』内の、定足数に関する次の記述は誤りです。
接続 - 定足数デバイスが接続できるノードは 2 つまでです。
この記述は、次のように読み替えてください。
接続 – 定足数デバイスは 2 つ以上のノードに接続する必要があります。
scvxinstall コマンドを使用して VERITAS Volume Manager (VxVM) をインストールする場合、最初にノードをクラスタノード認証リストに追加する必要はなくなりました。「VERITAS Volume Manager ソフトウェアをインストールしてルートディスクをカプセル化する」または「VERITAS Volume Manager ソフトウェアだけをインストールする」の手順を実行するときには、手順 3 の「クラスタのすべてのノードをクラスタノード認証リストに追加する」を無視してください。
『Sun Cluster 3.1 ソフトウェアのインストール』の「アップグレード用にクラスタを準備する」で、Sun Cluster 3.0 5/02 ソフトウェアからアップグレードする場合には scswitch コマンドではなく scsetup ユーティリティを使用してリソースを無効にできると説明されています。この記述は誤りですので、無視してください。
Oracle データサービスのインストール作業に関する節の注記の内容は正しくありません。
(誤)
注:SunPlex Manager パッケージをインストールするときに、/etc/system ファイルに shmsys と semsys 変数用のエントリが存在しない場合、これらの変数のデフォルト値は自動的に /etc/system ファイルに挿入されます。この場合には、システムを再起動する必要があります。使用するデータベースにとってデフォルト値が適切であるかどうかを、Oracle のインストールマニュアルで確認してください。
(正)
注:Oracle データサービスをインストールするときに、/etc/system ファイルに shmsys と semsys 変数用のエントリが存在しない場合、これらの変数のデフォルト値は自動的に /etc/system ファイルに挿入されます。この場合には、システムを再起動する必要があります。使用するデータベースにとってデフォルト値が適切であるかどうかを、Oracle のインストールマニュアルで確認してください。
この節では、『Sun Cluster 3.1 のシステム管理』内の記述の誤りと漏れについて説明します。
Sun Cluster ソフトウェア上の VERITAS Volume Manager では、単一のルートディスクグループはディスクタイプとしてはサポートされません。このため、『Sun Cluster 3.1 のシステム管理』の「非カプセル化ルート (/) ファイルシステムを復元する (VERITAS Volume Manager)」内の作業を行う場合は、ルートディスクグループ (rootdg) がルートディスク上の単一のスライス上に存在するか確認するように指示している手順 9 は無視する必要があります。つまり、手順 1 から手順 8 までを実行し、手順 9 を省略して、手順 10 から終わりまでを実行します。
定足数デバイスに対するノード接続の数を増減させる場合、定足数が自動的に再計算されることはありません。すべての定足数デバイスをいったん削除し、その後それらを構成に追加し直すと、正しい定足数が再設定されます。
データサービスのマニュアルに関連した記述の誤りと記載漏れについては、『Sun Cluster 3.1 Data Service 5/03 Release Notes』で説明されています。
Sun Cluster 3.0 データサービスのマニュアルページを表示するには、Sun Cluster 3.1 ソフトウェア上にインストールされている Sun Cluster 3.0 データサービスの最新のパッチをインストールしてください。詳細は、パッチと必須ファームウェアのレベルを参照してください。
パッチを適用したあとで、マニュアルページのフルパスを引数として指定して man -M コマンドを実行し、Sun Cluster 3.0 データサービスマニュアルページにアクセスしてください。たとえば、次のように入力すると Apache のマニュアルページが開かれます。
% man -M /opt/SUNWscapc/man SUNW.apache |
フルパスを指定せずに Sun Cluster 3.0 データサービスのマニュアルページにアクセスできるようにするには、MANPATH をエクスポートしてください。 次に、MANPATH に Apache マニュアルページのパスを追加して Apache マニュアルページを表示するコマンド例を示します。
% MANPATH=/opt/SUNWscapc/man:$MANPATH; export MANPATH % man SUNW.apache |
次に示す scconf_transp_adap_wrsm(1M) のマニュアルページは、scconf_transp_adap_wrsm(1M) の既存のマニュアルページに代わるものです。
名称
scconf_transp_adap_wrsm.1m - wrsm トランスポートアダプタを構成する
説明
wrsm アダプタは、クラスタトランスポートアダプタとして構成できます。 これらのアダプタは、トランスポートタイプが dlpi の場合に限り使用可能です。
wrsm アダプタは、トランスポートの接続点か、別のノード上の wrsm アダプタに接続します。 どちらの場合でも、接続にはトランスポートケーブルを使用します。
ポイントツーポイント構成を使用して wrsm アダプタを直接接続することも可能ですが、Sun Cluster ソフトウェアではトランスポートの接続点 (仮想的な接続点) を指定する必要があります。たとえば、node1:wrsm1 がケーブルで node2:wsrm1 に直結されている場合は、次に示す構成情報を指定する必要があります。
node1:wrsm1 <--cable1--> Transport Junction sw_wrsm1 <--cable2--> node2:wrsm1 |
仮想スイッチであるかハードウェアスイッチであるかにかかわらず、トランスポートの接続点は特定の名前を必要とします。この名前は、sw_wrsm N という形式にする必要があります (アダプタは wrsm N)。この要件は、同一の Wildcat ネットワーク上に存在するすべての wrsm コントローラは同じインスタンス番号を持つことを要求する Wildcat 制限を反映したものです。
1 つの接続点が使用され、トランスポートケーブルの終端が scconf、scinstall などのツールで構成されている場合は、その接続点上のポート名を指定するように求められます。希望するポート名を指定するか、デフォルトの設定を使用します。その接続点で一意のポート名を指定する必要があります。
デフォルトでは、ポート名はケーブルのもう一方の端でアダプタをホストしているノードの ID と等しくなります。
構成の詳細は、scconf(1M) のマニュアルページを参照してください。
このタイプのクラスタトランスポートアダプタのプロパティの構成は、ユーザーには許可されていません。
参照
scconf(1M)、scinstall(1M)、wrsmconf(1M)、wrsmstat(1M)、wrsm(7D)、wrsmd(7D)
scconf_transp_adap_sci(1M) のマニュアルページでは、SCI トランスポートアダプタを rsm トランスポートタイプで使用できると説明されています。このサポート説明は正しくありません。SCI トランスポートアダプタは、rsm トランスポートタイプをサポートしません。SCI トランスポートアダプタがサポートするのは、dlpi トランスポートタイプだけです。
次の文は、SCI–PCI アダプタの名前について説明しています。この情報は現在、scconf_transp_adap_sci (1M) のマニュアルページには記載されていません。
新しい情報:
SCI アダプタを指定するには、sciN という形式の名前を使用してください。
次の段落は、scgdevs コマンドの動作を明確に記述します。この情報は現在、scgdevs(1M) のマニュアルページには記載されていません。
新しい情報:
ローカルノードから呼び出された scgdevs(1M) は、その作業をリモートノード上で非同期的に実行します。したがって、ローカルノード上でコマンドが完了しても、必ずしも、その作業がクラスタ規模で完了しているとは限りません。
「名前」節には間違いがあります。「名前」節は次のようになる必要があります。
sap_ci、SUNW.sap_ci、および SUNW.sap_ci_v2 - Sun Cluster HA for SAP 中央インスタンス用のリソースタイプの実装。
「機能説明」節には間違いがあります。「機能説明」節は次のようになる必要があります。
Resource Group Manager (RGM) は Sun Cluster ソフトウェア用の SAP データサービスを管理します。Sun Cluster HA for SAP 中央インスタンスを論理ホスト名リソースおよび SAP 中央インスタンスリソースとして構成します。
「名前」節には間違いがあります。「名前」節は次のようになる必要があります。
sap_as、SUNW.sap_as - フェイルオーバーデータサービスとしての Sun Cluster HA for SAP 用のリソースタイプの実装。
sap_as、SUNW.sap_as_v2 - フェイルオーバーデータサービスまたはスケーラブルデータサービスとしての Sun Cluster HA for SAP 用のリソースタイプの実装。
「機能説明」節には間違いがあります。「機能説明」節は次のようになる必要があります。
Resource Group Manager (RGM) は Sun Cluster ソフトウェア用の SAP データサービスを管理します。Sun Cluster HA for SAP アプリケーションサーバーをフェイルオーバーデータサービスとして設定する場合、このサーバーを論理ホスト名リソースと SAP アプリケーションサーバーリソースとして構成します。Sun Cluster HA for SAP アプリケーションサーバーをスケーラブルデータサービスとして設定する場合、このサーバーをスケーラブル SAP アプリケーションサーバーリソースとして構成します。
rg_properties(5) のマニュアルページには、次の新しいリソースグループプロパティが追加されます。
Auto_start_on_new_cluster
このプロパティは、新しいクラスタが形成されるときに、Resource Group Manager がリソースグループを自動的に起動するかどうかを制御します。
デフォルトは TRUE です。TRUE に設定されている場合、クラスタのすべてのノードが同時に再起動したとき、Resource Group Manager はリソースグループを自動的に起動して、Desired_primaries を実現しようとします。FALSE に設定されている場合はクラスタの再起動時にリソースグループが自動的に起動することはなく、scswitch (1M) によって初めて手動でオンラインに切り替えられるまでオフラインの状態に留まります。その後、通常のフェイルオーバー動作が再開されます。
分類: オプション デフォルト: TRUE 調整可能:任意の時点
このリリースの API_version は、以前の値 2 から 3 に上がっています。リソースタイプが旧バージョンの Sun Cluster ソフトウェアで登録されることがないように、API_version=3 と宣言してください。詳細は、rt_reg (4) と rt_properties (5) のマニュアルページを参照してください。