Sun Cluster 3.1 ご使用にあたって

Sun Cluster 3.1 ご使用にあたって

このマニュアルでは、SunTM Cluster 3.1 ソフトウェアに関する次の情報を説明します。


注 –

Sun Cluster 3.1 データサービスの詳細は、『Sun Cluster 3.1 Data Service 5/03 Release Notes』を参照してください。


Sun Cluster 3.1 の新機能

この節では、Sun Cluster 3.1 で新しく追加された機能と、サポートされている製品について説明します。

新しい機能と特長

Sun Cluster のセキュリティ強化

Sun Cluster のセキュリティ強化では、Sun BluePrintsTM プログラムが推奨している Solaris オペレーティング環境の強化技術を使用し、クラスタの基本的なセキュリティ強化を達成しています。Solaris Security Toolkit は Sun Cluster のセキュリティ強化を自動的に実装します。

Sun Cluster のセキュリティ強化のドキュメントは、http://www.sun.com/blueprints/0203/817-1079.pdf で入手できます。また、http://wwws.sun.com/software/security/blueprints にも資料が掲載されています。この URL から「Architecture」という見出しにスクロールし、「Securing the Sun Cluster 3.x Software」という資料を見つけてください。この文書は、Solaris 8 環境と Solaris 9 環境において Sun Cluster 3.1 の堅牢性を高める方法について説明したものです。この文書には、Solaris Security Toolkit など、Sun のセキュリティ専門家たちが推薦している最良のセキュリティテクニックの使い方も記載されています。

柔軟なトポロジ

Sun Cluster 3.1 ソフトウェアは、オープントポロジをサポートするようになりました。このため、『Sun Cluster 3.1 の概念』に示されているストレージトポロジに限定されることはなくなりました。

クラスタを構成する場合は、次のガイドラインに従ってください。

ディスクレスクラスタ

このリリースの Sun Cluster 3.1 では、共有ストレージデバイスを使用することなく 4 ノード以上のクラスタ構成をサポートするようになりました。2 ノードクラスタの場合は、定足数を維持するために現在でも共有ストレージデバイスが必要です。このストレージデバイスにほかの機能を持たせる必要はありません。

データサービスプロジェクト構成のサポート

データサービスは、RGM を使用してオンラインにする際に Solaris プロジェクト名で起動が可能なように構成できるようになりました。データサービスのプロジェクト構成計画に関する詳細は、『Sun Cluster 3.1 の概念』の「重要な概念 – 管理とアプリケーション開発」の「データサービスプロジェクトの構成」という節を参照してください。

パブリックネットワークにおける IP ネットワークマルチパスの Solaris 実装のサポート

パブリックネットワークにおける IP ネットワークマルチパスの Solaris 実装のサポートに関する詳細は、『Sun Cluster 3.1 ソフトウェアのインストール』の「Sun Cluster 構成の計画」と『Sun Cluster 3.1 のシステム管理』の「パブリックネットワークの管理」を参照してください。

ディスクデバイスグループの二次ノードの設定

ディスクデバイスグループに任意の数の二次ノードを設定する方法は、『Sun Cluster 3.1 のシステム管理』の「ディスクデバイスグループの管理」に示されています (「二次ノードの希望数を設定する」と「ディスクデバイスのプロパティを変更する」の手順を参照)。また、『Sun Cluster 3.1 の概念』の「クラスタ管理とアプリケーション開発」にも関連情報が挙げられています (「多重ポートディスクフェイルオーバー」という節を参照してください)。

データサービス

データサービスで強化された点については、『Sun Cluster 3.1 Data Service 5/03 Release Notes』の「What's New in Sun Cluster 3.1 Data Services 5/03」を参照してください。

サポートされる製品

この節では、Sun Cluster 3.1 ソフトウェアでサポートされるソフトウェアとメモリーの必要条件を説明します。

制限事項

Sun Cluster 3.1 リリースには、次の制限が適用されます。

サービスとアプリケーションの制限

ハードウェアの制限

ボリューム管理ソフトウェアの制限

クラスタファイルシステムの制限事項

VxFS の制限事項

IP ネットワークマルチパスの制限事項

この節では、IP ネットワークマルチパスの使用に関する制限の中で Sun Cluster 3.1 環境にだけ適用される制限 (IP ネットワークマルチパス用の Solaris ドキュメントに示されている情報と異なる制限事項) を示します。

IP ネットワークマルチパス用の Solaris ドキュメントに示されている手続き、ガイドライン、および制限事項のほとんどは、クラスタ環境と非クラスタ環境のどちらであるかにかかわらず同じです。このため、IP ネットワークマルチパスの制限事項に関するその他の情報については、該当する Solaris ドキュメントを参照してください。

オペレーティング環境リリース 

参照箇所 

Solaris 8 オペレーティング環境 

IP ネットワークマルチパスの管理

Solaris 9 オペレーティング環境 

Solaris のシステム管理 (IP サービス)』内の「IP ネットワークマルチパス (トピック)」

データサービスの制限

すべてのデータサービスに適用される制限はありません。特定のデータサービスの制限事項については、『Sun Cluster 3.1 Data Service 5/03 Release Notes』を参照してください。

Sun Cluster 3.1 上での Sun Cluster HA for Oracle 3.0 の実行

Sun Cluster HA for Oracle 3.0 データサービスを Sun Cluster 3.1 上で実行できるのは、次に示す Solaris オペレーティング環境バージョンで使用する場合だけです。

既知の問題点とバグ

次に示す既知の問題とバグは、Sun Cluster 3.1 リリースの処理に影響を与えます。最新情報については、http://docs.sun.com に挙げられているオンラインの『 Sun Cluster 3.x Release Notes Supplement』を参照してください。

不正な largefile 状態 (4419214)

問題の概要:/etc/mnttab ファイルに、グローバルにマウントされている VxFS ファイルシステムの最新の largefile 状態が示されない。

回避策:fsadm コマンドを使用し、(/etc/mnttab エントリではなく) ファイルシステムの largefile 状態を確認してください。

グローバル VxFS ファイルシステムのブロック割り当て表示がローカル VxFS と異なる (4449437)

問題の概要:ファイルサイズによっては、グローバル VxFS ファイルシステムがローカル VxFS ファイルシステムよりも多くのディスクブロックを割り当てる。

回避策:ファイルシステムのマウントをいったん解除して再度マウントを行うと、そのファイルへ割り当てられたと報告された余分なディスクブロックが除去されます。

ノードが qfe パスを呼び出せない (4526883)

問題の概要:qfe アダプタを終端としたプライベートインターコネクトのトランスポートパスがオンラインにならない場合がある。

回避策:以下の作業を行なってください。

  1. scstat -W を実行し、エラーの起きたアダプタを確認します。すべてのトランスポートパスが表示され、エラーの起きたアダプタが faulted 状態または waiting 状態にあるパス終端の 1 つとして示されます。

  2. scsetup を実行し、そのアダプタに接続されているケーブルをすべてクラスタ構成から削除します。

  3. scsetup をもう一度使用して、そのアダプタをクラスタ構成から削除します。

  4. アダプタとケーブルを追加し直します。

  5. パスが表示されるか確認します。問題が継続する場合は、手順 1 から 5 の作業を数回繰り返してください。

  6. パスが表示されるか確認します。問題がまだ継続する場合は、エラーの起きたアダプタを使用してノードを再起動します。ノードを再起動する前に、残りのクラスタがノードを再起動しても生き残れるだけの十分な定足数を持っていることを確認します。

スパースファイルのホール (欠落ブロック) に対する書き込み処理のあと、ファイルブロックが更新されない (4607142)

問題の概要:スパースファイル内でブロック割り当てのための書き込み処理を行なったあと、ファイルのブロックカウントがクラスタノード全体で矛盾した状態になる場合がある。クラスタノード全体におけるこのブロック不整合は、UFS (または VxFS 3.4) でレイヤー化されたクラスタファイルシステムの場合には 30 秒ほどで解決される。

回避策:inode を更新するファイルメタデータ処理 (修正など) では、st_blocks 値と同期をとる必要があります。これは、後続のメタデータ処理で st_blocks 値の一貫性を維持するためです。

forcedirectiommap(2) を同時に使用するとパニックが起きる場合がある (4629536)

問題の概要:forcedirectio マウントオプションと mmap(2) 関数を同時に使用すると、データ破壊、システムハング、またはパニックが起きる可能性がある。

回避策:次の制限について、確認してください。

directio を使用する必要がある場合、ファイルシステム全体を directio オプションでマウントします。

クラスタファイルシステムのマウント解除が失敗する (4656624)

問題の概要:fuser コマンドによってどのノードにもユーザーは存在しないと報告される場合でも、クラスタファイルシステムのマウント解除が失敗することがある。

回避策:そのファイルシステムに対する非同期入出力がすべて完了したあとでマウント解除の操作をもう一度行なってください。

再起動を行うとクラスタノードが非稼動状態になる (4664510)

問題の概要:Sun StorEdge T3 アレイの 1 つの電源を切断して scshutdown を実行したあと、両方のノードを再起動すると、クラスタが動作していない状態になる。

回避策:複製の片方が失われた場合、次の手順を実行します。

  1. クラスタがクラスタモードであることを確認します。

  2. 強制的にディスクセットをインポートします。


    # metaset -s set-name -f -C take
    
  3. 壊れた複製を削除します。


    # metadb -s set-name -fd /dev/did/dsk/dNsX
    
  4. ディスクセットを解放します。


    # metaset -s set-name -C release
    

    これでファイルシステムはマウントおよび使用できます。しかし、複製の冗長性は復元されていません。複製のもう片方が失われた場合、ミラーを正常な状態に復元する方法はありません。

  5. 上記修復手順を適用した後、データベースを作成し直します。

ディスクグループからプレックスを引き離すとパニックが発生する (4657088)

問題の概要:Sun Cluster でディスクグループからプレックスを引き離すと、クラスタノードのパニックが起きて次のメッセージが表示される場合がある。

panic[cpu2]/thread=30002901460: BAD TRAP: type=31 rp=2a101b1d200 addr=40 mmu_fsr=0 occurred in module "vxfs" due to a NULL pointer dereference

回避策:ディスクグループからプレックスを引き離す前に、対応するファイルシステムのマウントを解除してください。

scvxinstall -i がライセンスキーのインストールに失敗する (4706175)

問題の概要:scvxinstall -i コマンドは -L オプションによるライセンスキーの指定を受け付けるが、そのキーは無視され、インストールされない。

回避策:scvxinstall-i フォームでライセンスキーを指定しないでください。キーはインストールされません。ライセンスキーは対話形式のフォームか -e オプションを使用してインストールする必要があります。ルートのカプセル化に進む前に、ライセンス要件を確認し、-e オプションまたは対話形式のフォームで希望するキーを指定してください。

Sun Cluster HA–Siebel が Siebel コンポーネントの監視に失敗する (4722288)

問題の概要:Sun Cluster HA-Siebel エージェントが個々の Siebel コンポーネントを監視しない。Siebel コンポーネントの障害が検出された場合、syslog には警告メッセージしか記録されない。

回避策: コマンド scswitch -R -h node-g resource_group を使用し、コンポーネントがオフラインになっている Siebel サーバーリソースグループを再起動してください。

remove スクリプトが SUNW.gds リソースタイプの登録解除に失敗する (4727699)

問題の概要:remove スクリプトが SUNW.gds リソースタイプの登録解除に失敗し、次のメッセージを表示する。


Resource type has been un-registered already.

回避策: remove スクリプトを使用したあとで、SUNW.gds の登録を手動で解除してください。あるいは、scsetup コマンドか SunPlex Manager を使用することもできます。

IPMP グループの作成オプションを使用すると hostname.int が上書きされる (4731768)

問題の概要:SunPlex Manager のIPMP グループの作成オプションは、まだ構成されていないアダプタにしか使用できない。 アダプタが IP アドレスを指定してすでに構成されている場合は、IPMP 用に手動で構成する必要がある。

回避策:SunPlex Manager のIPMP グループの作成オプションは、まだ構成されていないアダプタにしか使用できません。アダプタが IP アドレスを指定してすでに構成されている場合は、Solaris IPMP 管理ツールを使用して手動で構成する必要があります。

Solaris の shutdown コマンドを使用するとノードパニックが起きることがある (4745648)

問題の概要:Solaris の shutdown コマンドまたはこのコマンドに類似したコマンド (uadmin など) を使用してクラスタノードを停止すると、ノードパニックが起きて次のメッセージが表示されることがある。

CMM: Shutdown timer expired. Halting.

回避策:Sun のサービス担当者に連絡してサポートを受けてください。このパニックは、停止するノードによって管理されていたサービスをクラスタ内のほかのノードに安全に引き継がせるために必要なものです。

クラスタに定足数デバイスを追加するための管理コマンドが失敗する (4746088)

問題の概要:クラスタの定足数が必要最小限に設定されている場合、クラスタに定足数デバイスを追加する管理コマンドが失敗し、次のメッセージが表示される。

Cluster could lose quorum

回避策:Sun のサービス担当者に連絡してサポートを受けてください。

プライベートインターコネクトに ce アダプタを使用する場合、パスがタイムアウトする (4746175)

問題の概要:プライベートインターコネクトに ce アダプタを使用するクラスタでは、1 つ以上のクラスタノードが 5 個以上のプロセッサを搭載していると、パスのタイムアウトとそれに引き続くノードパニックが発生する場合がある。

回避策: ce ドライバに ce_taskq_disable パラメータを設定する必要があります。すべてのクラスタノード上の /etc/system ファイルに set ce:ce_taskq_disable=1 という行を追加し、続いてそれらのクラスタノードを再起動してください。これによりハートビート (およびその他のパケット) が常に割り込みコンテキストで配布され、パスのタイムアウトと後続のノードパニックが防止されます。クラスタノードを再起動する間は、定足数に関連するメッセージに注意してください。

パブリックネットワークで障害が発生すると Siebel ゲートウェイの検証機能がタイムアウトする場合がある (4764204)

問題の概要:パブリックネットワークで障害が発生すると Siebel ゲートウェイの検証機能がタイムアウトし、最終的に Siebel ゲートウェイリソースがオフラインとなることがある。これは、Siebel ゲートウェイが稼動しているノードが /home から始まるパスを持ち、そのパスがネットワークリソース (NFS や NIS など) に依存している場合などに起きる。パブリックネットワークを利用できないと、Siebel ゲートウェイの検証機能は /home 上のファイルを開こうとしてハングアップし、検証機能はタイムアウトを起こす。

回避策: Siebel ゲートウェイを管理できるすべてのクラスタノードについて、次の作業を行なってください。

  1. /etc/nsswitch.conf 内の passwdgroup、および project エントリに nis ではなく files だけがされているか確認します。

  2. /home で始まるパスに NFS または NIS に対する依存性がないかを確認します。

    この場合、/home パスをローカルにマウントすることも、あるいは /home マウントポイントを /export/home か、/home から始まらない名前に変更することもできます。

  3. /etc/auto_master ファイルで、+auto_master というエントリを含む行をコメントにします。さらに、auto_home を使用した /home エントリがあれば、それらもコメントにします。

  4. etc/auto_home で、+auto_home を含む行をコメントにします。

ゲートウェイ経路を削除するとノードごとに行われる論理的な IP 通信が切断される (4766076)

問題の概要:プライベートインターコネクトを介してノードごとに可用性の高い論理的な IP 通信を提供するため、Sun Cluster ソフトウェアはクラスタノード上のゲートウェイ経路を使用する。ゲートウェイ経路を削除すると、ノードごとに行われている論理的な IP 通信が切断される。

回避策:意図せずに経路を削除してしまったクラスタノードを再起動してください。ゲートウェイ経路を復元するには、それらのクラスタノードを一度に 1 つずつ再起動してください。ノードごとに行われる論理的な IP 通信は、その経路が復元されるまで切断した状態となります。クラスタノードを再起動する間は、定足数に関連するメッセージに注意してください。

フェイルオーバーが失敗するとエラーが発生する (4766781)

問題の概要:ファイルシステムのフェイルオーバーまたはスイッチオーバーが失敗すると、そのファイルシステムがエラー状態になることがある。

回避策:ファイルシステムのマウントを解除して、マウントし直します。

TCP Selective Acknowledgment を有効にするとデータ破損が発生することがある (4775631)

問題の概要:クラスタノードに対して TCP Selective Acknowledgement (TCP 選択的肯定応答) を有効にすると、データ破損が発生することがある。

回避策:ユーザーアクションは不要です。グローバルファイルシステムにおけるデータ破損の発生を防止するには、クラスタノードに対する TCP Selective Acknowledgement を有効状態に戻さないようにしてください。

scinstall が、一部のデータサービスについてサポート対象外であるという不正なメッセージを表示する (4776411)

問題の概要:scinstall は、Solaris 9 では次のデータサービスがサポートされていないという不正なメッセージを表示する。

回避策: Solaris 8 と Solaris 9 は、Sun Cluster HA for SAP と Sun Cluster HA for SAP liveCache の両方をサポートします。scinstall で示される未サポート機能の一覧は無視してください。

/dev/rmt が存在しないと scdidadm はエラーを生成して終了する (4783135)

問題の概要:scdidadm(1M) の現在の実装は、scdiadm -r を正常に実行するために /dev/rmt/dev/(r)dsk の両方を必要とする。ストレージデバイスが実際に存在するかどうかにかかわらず、Solaris は両方をインストールする。/dev/rmt が存在しないと、 scdidadm は次のエラーを生成して終了する。

Cannot walk /dev/rmt" during execution of 'scdidadm -r

回避策:/dev/rmt が存在しない任意のノードで、mkdir を使用してディレクトリ /dev/rmt を作成します。 続いて、1 つのノードから scgdevs を実行します。

ノード障害によってクラスタファイルシステムの主ノードが停止する場合のデータ破損 (4804964)

問題の概要:パッチ 113454-04、113073-02、および 113276-02 (あるいはこれらのパッチのサブセット) を使用している Sun Cluster 3.x システムでは、データ破損が発生する可能性がある。この問題は、グローバルにマウントされた UFS ファイルシステムでしか発生しない。このデータ破損は、ディスクブロックの倍に相当するデータ消失を起こす (つまり、データが存在すべき場所にゼロが現れる)。このデータ消失は、クラスタファイルシステムが書き込み処理を完了した直後に (あるいは書き込み処理を完了したと報告した直後に) ノード障害によってクラスタファイルシステムの主ノードが停止する場合にいつでも発生する可能性がある。このような脆弱状態が続く期間は限定されており、毎回起きるわけではない。

回避策:UFS ログの処理が同時に行われるように、-o syncdir マウントオプションを使用してください。

スイッチオーバーが進行している間に再起動を行うと、その後ノードがハングアップする (4806621)

問題の概要:ノードがクラスタに追加される際にデバイスグループのスイッチオーバーが進行していると、追加されるノードとスイッチオーバー処理がハングアップする可能性がある。また、デバイスサービスに対するアクセスも停止する。この状況は、ノードが 3 つ以上存在し、デバイス上にマウントされたファイルシステムのタイプが VxFS であるというクラスタで発生しやすい。

回避策:この状況を防止するには、ノードがクラスタに追加される間にデバイスグループのスイッチオーバーを開始しないようにしてください。この状況が発生した場合は、デバイスグループに対するアクセスを復旧させるためにすべてのクラスタノードを再起動する必要があります。

クラスタファイルシステムが一杯になった場合にファイルシステムがパニックを起こす (4808748)

問題の概要:クラスタファイルシステムが一杯になった場合、ファイルシステムのパニックが起きて次に示すメッセージのどれかが表示されることがある。

1) assertion failed: cur_data_token & PXFS_WRITE_TOKEN or PXFS_READ_TOKEN または


2) vp->v_pages == NULL

These panics are intended to prevent data corruption when a filesystem is full.

回避策:この問題が発生する可能性を減らすには、できるだけクラスタファイルシステムを UFS で使用してください。クラスタファイルシステムを UFS で使用した場合にはこれらのパニックが起きる可能性はきわめてまれですが、VxFS で使用した場合にはリスクが高くなります。

起動中にクラスタノードがハングアップする (4809076)

問題の概要:scswitch -z -D <device-group> -h <node> によるデバイスサービスのスイッチオーバー要求がノードの再起動と同時に発生し、かつそのデバイスサービスでグローバルファイルシステムが構成されている場合、このグローバルファイルシステムが利用不能となり、デバイスサービスまたはグローバルファイルシステムに関わる後続の構成変更もハングアップする可能性がある。また、その後実施されるクラスタノードの追加もハングアップする可能性がある。

回避策:この状況を回復させるには、すべてのクラスタノードを再起動する必要があります。

scconf -rq を使用して定足数デバイスを削除するとクラスタパニックが起きる (4811232)

問題の概要:scconf -rq コマンドを実行して脆弱な構成内の定足数デバイスを削除すると、すべてのクラスタノードでパニックが起き、次のメッセージが表示される。

CMM lost operational quorum

回避策:クラスタから定足数デバイスを削除するため、まず scstat -q を実行してメッセージを確認します。定足数デバイスが Present 列で複数の票を与えられている場合には、scconf -cq globaldev=QD,maintstate を使用してそのデバイスをまず保守モードにする必要があります。コマンドが完了し、scstat -q によってこの定足数デバイスの票が 0 になったことが表示されたところで、scconf -rq を使用してこのデバイスを削除できます。

O_EXCL フラグを使用する場合にミラー化ボリュームがエラーを起こす (4820273)

問題の概要:Solstice DiskSuite/Solaris Volume Manager が使用されている状況でミラー化ボリュームを O_EXCL フラグを指定して開くと、このボリュームを含んでいるデバイスグループのフェイルオーバーは失敗する。このフラグを使用すると、フェイルオーバーのあとでこのボリュームが初めてアクセスされる際にデバイスグループの新しい主ノードがパニックを起こす。

回避策:Solstice DiskSuite/Solaris Volume Manager を使用する場合、O_EXCL フラグを指定してミラー化ボリュームを開くことは避けてください。

スイッチオーバーの最中にノードを再起動すると、その後クラスタがハングアップする (4823195)

問題の概要:デバイスサービスのフェイルオーバー要求がノードの再起動またはノードの追加と同時に発生し、かつそのデバイスサービスでクラスタファイルシステムが構成されている場合、このクラスタファイルシステムが利用不能となり、デバイスサービスまたはクラスタファイルシステムに関わる後続の構成変更もハングアップする可能性がある。また、その後実施されるクラスタノードの追加もハングアップする可能性がある。

回避策:この状況を回復させるには、すべてのクラスタノードを再起動する必要があります。

フランス語ロケールにおける未翻訳のテキスト (4840085)

問題の概要:SunPlex Manager を使用して Sun Cluster をフランス語ロケールでインストールする際に、未翻訳のテキストが一部出現する。

回避策:このエラーは、SunPlex Manager の機能性には影響を与えません。未翻訳のテキストを無視することも、あるいはブラウザの言語を英語に設定し、言語が入り混じった状態を避けることもできます。

パッチと必須ファームウェアのレベル

Sun Cluster 構成のパッチに関する情報を以下に示します。


注 –

Sun Cluster 製品に必要なパッチを確認してダウンロードするためには、SunSolveTM ユーザーとして登録済みでなければなりません。SunSolve アカウントをまだ入手していない場合は、Sun のサービス担当者またはセールスエンジニアに問い合わせるか、あるいは http://sunsolve.sun.com でオンライン登録を行なってください。


PatchPro

PatchPro は、Sun Cluster ソフトウェアのインストールまたは保守に必要なパッチの選択とダウンロードを簡易化するパッチ管理ツールです。PatchPro には、パッチのインストールを簡易化する Sun Cluster 固有の Interactive Mode ツールと、最新のパッチセットにより構成の保守を行う Expert Mode ツールが付属しています。Expert Mode は、特に、高可用性やセキュリティのパッチだけではなく、最新のパッチをすべて入手する場合に便利です。

Sun Cluster ソフトウェア用の PatchPro ツールにアクセスするには、http://www.sun.com/PatchPro/ にアクセスし、「Sun Cluster」から「Interactive Mode」または「Expert Mode」を選択します。 クラスタ構成を記述し、パッチをダウンロードする方法については、PatchPro ツールの指示に従ってください。

SunSolve Online

SunSolveTM Online Web サイトには、サン製品のパッチやソフトウェア、ファームウェアに関する最新情報が常時掲載されています。現在サポートされるソフトウェア、ファームウェア、およびパッチの最新のリビジョンについては、SunSolve Online サイト (http://sunsolve.sun.com) にアクセスしてください。

Sun Cluster 3.1 のパッチ情報は、Info Docs を使用して見つけることができます。Info Docs を表示するには、SunSolve にログインし、メインページの最上部から「Simple Search」にアクセスします。次に、「Simple Search」ページで「Info Docs」ボックスをクリックし、検索条件ボックスに Sun Cluster 3.1 と入力します。以上の操作で、Sun Cluster 3.1 ソフトウェアの Info Docs ページが表示されます。

Sun Cluster 3.1 ソフトウェアをインストールしたり、クラスタコンポーネント (Solaris オペレーティング環境、Sun Cluster ソフトウェア、ボリューム管理ソフトウェア、データサービスソフトウェア、ディスクハードウェア) にパッチを適用する前に、Info Docs 情報と、パッチに付随する README ファイルをよく読んでください。クラスタが適切に動作するためには、すべてのクラスタノードが同じパッチレベルになっていなければなりません。

パッチに関連した具体的な作業やパッチを管理する上での参考情報などは、『Sun Cluster 3.1 のシステム管理』を参照してください。

サポートされなくなった機能

Public Network Management (PNM)

Public Network Management (PNM) は Sun Cluster 3.1 でサポートされません。代わりに、IP ネットワークマルチパスの Solaris 実装によって Sun Cluster ソフトウェアの Software Network アダプタ監視とフェイルオーバーが実施されます。Sun Cluster 3.1 の新機能を参照してください。

HAStorage

HAStorage は、今後の Sun Cluster ソフトウェアでサポートされなくなる可能性があります。HAStoragePlus は HAStorage とほぼ同等の機能を提供します。以下に示す作業のどちらか一方を実行し、HAStorage から HAStoragePlus へ移行してください。

デバイスグループまたはクラスタファイルシステムを使用している場合に HAStorage から HAStoragePlus へアップグレードする方法

HAStorage は今後の Sun Cluster ソフトウェアでサポートされなくなる可能性がありますが、HAStoragePlus でほぼ同等の機能が提供されます。クラスタファイルシステムまたはデバイスグループを使用している場合に HAStorage から HAStoragePlus へアップグレードするには、以下の手順を実行してください。

この例では、HAStorage で単純な HA-NFS リソースが有効になっています。ServicePaths はディスクグループ nfsdg で、AffinityOn プロパティは TRUE です。さらに、この HA-NFS サービスは Resource_Dependencies を HAStorage リソースに設定しています。

  1. HAStorage リソースに対するアプリケーションリソースの依存性を除去します。


    # scrgadm -c -j nfsserver-rs -y Resource_Dependencies=""
    
  2. HAStorage リソースを無効にします。


    # scswitch -n -j nfs1storage-rs
    
  3. アプリケーションリソースグループから HAStorage リソースを削除します。


    # scrgadm -r -j nfs1storage-rs
    
  4. HAStorage リソースタイプの登録を解除します。


    # scrgadm -r -t SUNW.HAStorage
    
  5. HAStoragePlus リソースタイプを登録します。


    # scrgadm -a -t SUNW.HAStoragePlus
    
  6. HAStoragePlus リソースを作成します。

    ファイルシステムのマウントポイントを指定するには、次のテキストを入力してください。


    # scrgadm -a -j nfs1-hastp-rs -g nfs1-rg -t \
    SUNW.HAStoragePlus -x FilesystemMountPoints=/global/nfsdata -x \
    AffinityOn=True
    

    グローバルデバイスパスを指定するには、次のテキストを入力してください。


    # scrgadm -a -j nfs1-hastp-rs -g nfs1-rg -t \
    SUNW.HAStoragePlus -x GlobalDevicePaths=nfsdg -x AffinityOn=True
    

    注 –

    HAStorage の ServicePaths プロパティを使用するのではなく、HAStoragePlus の GlobalDevicePaths プロパティまたは FilesystemMountPoints プロパティを使用する必要があります。FilesystemMountPoints 拡張プロパティは、/etc/vfstab ファイルで指定されたシーケンスと一致する必要があります。


  7. HAStoragePlus リソースを有効にします。


    # scswitch -e -j nfs1-hastp-rs
    
  8. アプリケーションサーバーと HAStoragePlus との間の依存性を設定します。


    # scrgadm -c -j nfsserver-rs -y \
    Resource_Depencencies=nfs1=hastp-rs
    

クラスタファイルシステムを使用した HAStorage からフェイルオーバーファイルシステムを使用した HAStoragePlus へアップグレードする方法

HAStorage は、今後の Sun Cluster でサポートされなくなる可能性があります。HAStoragePlus は HAStorage と同等の機能を提供します。フェイルオーバーファイルファイルシステム (FFS) を使用している場合に HAStorage から HAStoragePlus へアップグレードするには、以下の手順を実行してください。

この例では、HAStorage で単純な NFS サービスが有効となっています。ServicePaths はディスクグループ nfsdg で、 AffinityOn プロパティは TRUE です。さらに、この HA-NFS サービスは Resource_Dependencies を HAStorage リソースに設定しています。

  1. HAStorage に対するアプリケーションリソースの依存性を除去します。


    # scrgadm -c -j nfsserver-rs -y Resource_Dependencies=""'
  2. HAStorage リソースを無効にします。


    # scswitch -n -j nfs1storage-rs
    
  3. アプリケーションリソースグループから HAStorage リソースを削除します。


    # scrgadm -r -j nfs1storage-rs
    
  4. HAStorage リソースタイプの登録を解除します。


    # scrgadm -r -t SUNW.HAStorage
    
  5. /etc/vfstab ファイルを変更してグローバルフラグを削除し、mount at bootno に変更します。この作業は、リソースグループの主ノードとなりえるすべてのノードで行う必要があります。

  6. HAStoragePlus リソースタイプを登録します。


    # scrgadm -a -t SUNW.HAStoragePlus
    
  7. HAStoragePlus リソースを作成します。

    ファイルシステムのマウントポイントを指定するには、次のテキストを入力してください。


    # scrgadm -a -j nfs1-hastp-rs -g nfs1-rg -t \
    SUNW.HAStoragePlus -x FilesystemMountPoints=/global/nfsdata -x \
    AffinityOn=True
    

    グローバルデバイスパスを指定するには、次のテキストを入力してください。


    # scrgadm -a -j nfs1-hastp-rs -g nfs1-rg -t \
    SUNW.HAStoragePlus -x GlobalDevicePaths=nfsdg -x AffinityOn=True
    

    注 –

    HAStorage の ServicePaths プロパティを使用するのではなく、HAStoragePlus の GlobalDevicePathsプロパティまたは FilesystemMountPoints プロパティを使用する必要があります。FilesystemMountPoints 拡張プロパティは、/etc/vfstab ファイルで指定されたシーケンスと一致する必要があります。


  8. アプリケーションリソースグループをオフラインに切り替えます。


    # scswitch -F -g nfs1-rg
    
  9. アプリケーションリソースを無効にします。


    # scswitch -n -j nfsserver-rs
    
  10. CFS ファイルシステムのマウントを解除します。

  11. HAStoragePlus リソースを有効にします。


    # scswitch -e -j nfs1-hastp-rs
    
  12. 指定されたホストでアプリケーションリソースグループをオンラインにします。


    # scswitch -z -g nfs1-rg -h hostname
    
  13. アプリケーションリソースと HAStoragePlus 間の依存性を設定します。


    # scrgadm -c -j nfsserver-rs -y \
    Resource_Depencencies=nfs1=hastp-rs
    
  14. アプリケーションリソースを有効にします。


    # scswitch -e -j nfs1-hastp-rs
    

Sun Cluster 3.1 ソフトウェアの地域対応

Sun Cluster ソフトウェアコンポーネントの一部は、 以下の言語で地域化されたものが提供されています。

言語 

現地語化された Sun Cluster コンポーネント 

フランス語 

インストール 

Cluster Control Panel (CCP) 

Sun Cluster ソフトウェア 

Sun Cluster データサービス 

Sun Management Center 用の Sun Cluster モジュール 

SunPlex Manager 

日本語 

インストール 

Cluster Control Panel (CCP)  

Sun Cluster ソフトウェア 

Sun Cluster データサービス 

Sun Management Center 用の Sun Cluster モジュール 

SunPlex Manager 

Sun Cluster のマニュアルページ 

Cluster Control Panel のマニュアルページ 

Sun Cluster Data Service メッセージのマニュアルページ 

中国語 (簡体字) 

Sun Management Center 用の Sun Cluster モジュール 

SunPlex Manager 

中国語 (繁体字) 

Sun Management Center 用の Sun Cluster モジュール (オンラインヘルプのみ) 

SunPlex Manager (オンラインヘルプのみ) 

韓国語 

Sun Management Center 用の Sun Cluster モジュール (オンラインヘルプのみ) 

SunPlex Manager (オンラインヘルプのみ) 

以下の節では、さまざまな Sun Cluster コンポーネントの地域対応パッケージをインストールする方法について説明します。

Cluster Control Panel (CCP)

地域対応の Cluster Control Panel (CCP) を使用するには、まず pkgadd(1M) コマンドを使用して管理コンソールに以下のパッケージをインストールする必要があります。

言語 

パッケージ名 

パッケージの説明 

フランス語 

SUNWfccon

フランス語版 Sun Cluster Console 

日本語 

SUNWjccon

日本語版 Sun Cluster Console 

中国語 (簡体字) 

SUNWcccon

中国語 (簡体字) 版 Sun Cluster Console 

インストールに関するバグ

地域化された scinstall(1M) ユーティリティを使用して Sun Cluster 3.1 ソフトウェアをインストールする場合は、scinstall を実行する前に pkgadd(1M) コマンドを使用してクラスタノードに以下のパッケージをインストールしてください。

言語 

パッケージ名 

パッケージの説明 

フランス語 

SUNWfsc

フランス語版 Sun Cluster メッセージ 

日本語 

SUNWjsc

SUNWjscman

日本語版 Sun Cluster メッセージ 

日本語版 Sun Cluster マニュアルページ 

現地語版の SunPlex Manager を使用して Sun Cluster 3.1 ソフトウェアをインストールする場合は、SunPlex Managerで詳細情報を参照してください。

SunPlex Manager

地域対応の SunPlex Manager を使用するには、クラスタノード上に以下のパッケージが存在しなければなりません。

言語 

パッケージ名 

パッケージの説明 

フランス語 

SUNWfsc 

SUNWfscvw 

フランス語版 Sun Cluster メッセージ 

フランス語版 SunPlex Manager オンラインヘルプ 

日本語 

SUNWjsc 

SUNWjscvw 

日本語版 Sun Cluster メッセージ 

日本語版 SunPlex Manager オンラインヘルプ 

中国語 (簡体字) 

SUNWcsc 

SUNWcscvw 

中国語 (簡体字) 版 Sun Cluster メッセージ 

中国語 (簡体字) 版 SunPlex Manager オンラインヘルプ 

中国語 (繁体字) 

SUNWhscvw  

中国語 (繁体字) 版 SunPlex Manager オンラインヘルプ 

韓国語 

SUNWkscvw 

韓国語版 SunPlex Manager オンラインヘルプ 

地域対応の SunPlex Manager パッケージをインストールしたあとで、ブラウザの言語設定を行なってください。Netscape を使用している場合は、以下の手順でブラウザの言語設定の確認と変更を行えます。

  1. Netscape を起動します。

  2. メインメニューから、「編集」、「設定」の順に選択します。

  3. 「設定」ダイアログボックスから、「Navigator」、「言語」の順に選択します。

  4. 「追加」をクリックし、続いて「言語の追加」から希望する言語を選択します。

  5. 「了解 (OK)」をクリックします。

Sun Management Center 用の Sun Cluster モジュール

Sun Management Center 用の現地語版 Sun Cluster モジュールを使用するには、pkgadd(1M) コマンドを使用して以下のパッケージを Sun Management Center サーバー層にインストールしてください。

言語 

パッケージ名 

パッケージの説明 

フランス語 

SUNWfscssv 

フランス語版 Sun Cluster SyMON サーバーアドオン 

日本語 

SUNWjscssv 

日本語版 Sun Cluster SyMON サーバーアドオン 

中国語 (簡体字) 

SUNWcscssv 

中国語 (簡体字) 版 Sun Cluster SyMON サーバーアドオン 

Sun Management Center 用の Sun Cluster モジュールに関する地域対応オンラインヘルプを使用するには、pkgadd(1M) コマンドを使用して Sun Management Center コンソールレイヤに以下のパッケージをインストールしてください。

言語 

パッケージ名 

パッケージの説明 

フランス語 

SUNWfscshl 

フランス語版 Sun Cluster SyMON モジュール 

日本語 

SUNWjscshl 

日本語版 Sun Cluster SyMON モジュール 

中国語 (簡体字) 

SUNWcscshl 

中国語 (簡体字) 版 Sun Cluster SyMON モジュール 

中国語 (繁体字) 

SUNWhscshl 

中国語 (繁体字) 版 Sun Cluster SyMON モジュール 

韓国語 

SUNWkscshl 

韓国語版 Sun Cluster SyMON モジュール 

Sun Cluster ソフトウェア

以下の Sun Cluster 地域対応パッケージは、Sun Cluster 3.1 をインストールする場合、あるいは Sun Cluster 3.1 にアップグレードする場合にクラスタノードに自動的にインストールされます。

言語 

パッケージ名 

パッケージの説明 

フランス語 

SUNWfsc

フランス語版 Sun Cluster メッセージ 

日本語 

SUNWjsc

SUNWjscman

日本語版 Sun Cluster メッセージ 

日本語版 Sun Cluster マニュアルページ 

中国語 (簡体字) 

SUNWcsc

中国語 (簡体字) 版 Sun Cluster メッセージ 

Sun Cluster データサービス

Sun Cluster 3.1 のインストールのインストールを行う場合、あるいたは Sun Cluster 3.1 へアップグレードする場合は、ユーザーが選択したデータサービスのために現地語版パッケージが自動的にインストールされます。詳細は、『Sun Cluster 3.1 Data Service 5/03 Release Notes』を参照してください。

Sun Cluster 3.1 のマニュアル

Sun Cluster 3.1 CD-ROM と Sun Cluster 3.1 Agents CD-ROM には、Sun Cluster 3.1 のユーザーマニュアル一式が PDF 形式と HTML 形式で収録されています。Sun Cluster 3.1 のマニュアルを表示する上で AnswerBook2TM サーバーソフトウェアは必要ありません。詳細は、どちらか一方の CD-ROM を開き、最上位ディレクトリに入っている index.html ファイルを参照してください。この index.html ファイルは、 ディスクから PDF 形式と HTML 形式のマニュアルを直接読んだり、マニュアルパッケージをインストールする方法を表示したりするためのものです。


注 –

Sun Cluster のマニュアルパッケージをインストールする前に、SUNWsdocs パッケージをインストールする必要があります。SUNWsdocs パッケージのインストールには pkgadd を使用できます。SUNWsdocs パッケージは、Sun Cluster 3.1 CD-ROM の SunCluster_3.1/Sol_ N/Packages/ ディレクトリに入っています ( N は Solaris 8 の場合 8、Solaris 9 の場合 9)。Solaris 9 Documentation CD からインストールプログラムを実行する場合は、SUNWsdocs パッケージが自動的にインストールされます。


Sun Cluster 3.1 のマニュアルセットには次のマニュアルコレクションが含まれています。

また、Sun Cluster のマニュアルは docs.sun.comSM の Web サイトから参照することもできます。次の Web サイトを利用すれば、docs.sun.com アーカイブをブラウズしたり、本のタイトルやテーマを検索できます。

http://docs.sun.com

マニュアルの問題点

この節では、すでに判明しているマニュアル、オンラインヘルプ、またはマニュアルページの誤りや記載漏れ、およびこれらの問題を修正するための手順を説明します。

『Software Installation Guide』

この節では、『Sun Cluster 3.1 ソフトウェアのインストール』で判明している記述の誤りと記載漏れについて説明します。

定足数デバイスの接続

Sun Cluster 3.1 ソフトウェアのインストール』内の、定足数に関する次の記述は誤りです。

接続 - 定足数デバイスが接続できるノードは 2 つまでです。

この記述は、次のように読み替えてください。

接続 – 定足数デバイスは 2 つ以上のノードに接続する必要があります。

scvxinstall のノード認証は不要

scvxinstall コマンドを使用して VERITAS Volume Manager (VxVM) をインストールする場合、最初にノードをクラスタノード認証リストに追加する必要はなくなりました。「VERITAS Volume Manager ソフトウェアをインストールしてルートディスクをカプセル化する」または「VERITAS Volume Manager ソフトウェアだけをインストールする」の手順を実行するときには、手順 3 の「クラスタのすべてのノードをクラスタノード認証リストに追加する」を無視してください。

アップグレード作業の節で、利用できない scsetup 機能の説明がなされている

Sun Cluster 3.1 ソフトウェアのインストール』の「アップグレード用にクラスタを準備する」で、Sun Cluster 3.0 5/02 ソフトウェアからアップグレードする場合には scswitch コマンドではなく scsetup ユーティリティを使用してリソースを無効にできると説明されています。この記述は誤りですので、無視してください。

SunPlex Manager オンラインヘルプ

Oracle データサービスのインストール作業に関する節の注記の内容は正しくありません。

(誤)

:SunPlex Manager パッケージをインストールするときに、/etc/system ファイルに shmsyssemsys 変数用のエントリが存在しない場合、これらの変数のデフォルト値は自動的に /etc/system ファイルに挿入されます。この場合には、システムを再起動する必要があります。使用するデータベースにとってデフォルト値が適切であるかどうかを、Oracle のインストールマニュアルで確認してください。

(正)

:Oracle データサービスをインストールするときに、/etc/system ファイルに shmsyssemsys 変数用のエントリが存在しない場合、これらの変数のデフォルト値は自動的に /etc/system ファイルに挿入されます。この場合には、システムを再起動する必要があります。使用するデータベースにとってデフォルト値が適切であるかどうかを、Oracle のインストールマニュアルで確認してください。

『システム管理ガイド』

この節では、『Sun Cluster 3.1 のシステム管理』内の記述の誤りと漏れについて説明します。

単一のルートディスクグループと VERITAS Volume Manager

Sun Cluster ソフトウェア上の VERITAS Volume Manager では、単一のルートディスクグループはディスクタイプとしてはサポートされません。このため、『Sun Cluster 3.1 のシステム管理』の「非カプセル化ルート (/) ファイルシステムを復元する (VERITAS Volume Manager)」内の作業を行う場合は、ルートディスクグループ (rootdg) がルートディスク上の単一のスライス上に存在するか確認するように指示している手順 9 は無視する必要があります。つまり、手順 1 から手順 8 までを実行し、手順 9 を省略して、手順 10 から終わりまでを実行します。

定足数デバイスに対するノード接続数の変更

定足数デバイスに対するノード接続の数を増減させる場合、定足数が自動的に再計算されることはありません。すべての定足数デバイスをいったん削除し、その後それらを構成に追加し直すと、正しい定足数が再設定されます。

データサービスに関する記述の訂正

データサービスのマニュアルに関連した記述の誤りと記載漏れについては、『Sun Cluster 3.1 Data Service 5/03 Release Notes』で説明されています。

マニュアルページ

Sun Cluster 3.0 データサービスのマニュアルページ

Sun Cluster 3.0 データサービスのマニュアルページを表示するには、Sun Cluster 3.1 ソフトウェア上にインストールされている Sun Cluster 3.0 データサービスの最新のパッチをインストールしてください。詳細は、パッチと必須ファームウェアのレベルを参照してください。

パッチを適用したあとで、マニュアルページのフルパスを引数として指定して man -M コマンドを実行し、Sun Cluster 3.0 データサービスマニュアルページにアクセスしてください。たとえば、次のように入力すると Apache のマニュアルページが開かれます。


% man -M /opt/SUNWscapc/man SUNW.apache

フルパスを指定せずに Sun Cluster 3.0 データサービスのマニュアルページにアクセスできるようにするには、MANPATH をエクスポートしてください。 次に、MANPATH に Apache マニュアルページのパスを追加して Apache マニュアルページを表示するコマンド例を示します。


% MANPATH=/opt/SUNWscapc/man:$MANPATH; export MANPATH
% man SUNW.apache

scconf_transp_adap_wrsm(1M)

次に示す scconf_transp_adap_wrsm(1M) のマニュアルページは、scconf_transp_adap_wrsm(1M) の既存のマニュアルページに代わるものです。

名称

scconf_transp_adap_wrsm.1m - wrsm トランスポートアダプタを構成する

説明

wrsm アダプタは、クラスタトランスポートアダプタとして構成できます。 これらのアダプタは、トランスポートタイプが dlpi の場合に限り使用可能です。

wrsm アダプタは、トランスポートの接続点か、別のノード上の wrsm アダプタに接続します。 どちらの場合でも、接続にはトランスポートケーブルを使用します。

ポイントツーポイント構成を使用して wrsm アダプタを直接接続することも可能ですが、Sun Cluster ソフトウェアではトランスポートの接続点 (仮想的な接続点) を指定する必要があります。たとえば、node1:wrsm1 がケーブルで node2:wsrm1 に直結されている場合は、次に示す構成情報を指定する必要があります。


node1:wrsm1 <--cable1--> Transport Junction sw_wrsm1 <--cable2--> node2:wrsm1

仮想スイッチであるかハードウェアスイッチであるかにかかわらず、トランスポートの接続点は特定の名前を必要とします。この名前は、sw_wrsm N という形式にする必要があります (アダプタは wrsm N)。この要件は、同一の Wildcat ネットワーク上に存在するすべての wrsm コントローラは同じインスタンス番号を持つことを要求する Wildcat 制限を反映したものです。

1 つの接続点が使用され、トランスポートケーブルの終端が scconfscinstall などのツールで構成されている場合は、その接続点上のポート名を指定するように求められます。希望するポート名を指定するか、デフォルトの設定を使用します。その接続点で一意のポート名を指定する必要があります。

デフォルトでは、ポート名はケーブルのもう一方の端でアダプタをホストしているノードの ID と等しくなります。

構成の詳細は、scconf(1M) のマニュアルページを参照してください。

このタイプのクラスタトランスポートアダプタのプロパティの構成は、ユーザーには許可されていません。

参照

scconf(1M)、scinstall(1M)、wrsmconf(1M)、wrsmstat(1M)、wrsm(7D)、wrsmd(7D)

scconf_transp_adap_sci(1M)

scconf_transp_adap_sci(1M) のマニュアルページでは、SCI トランスポートアダプタを rsm トランスポートタイプで使用できると説明されています。このサポート説明は正しくありません。SCI トランスポートアダプタは、rsm トランスポートタイプをサポートしませんSCI トランスポートアダプタがサポートするのは、dlpi トランスポートタイプだけです。

scconf_transp_adap_sci(1M)

次の文は、SCI–PCI アダプタの名前について説明しています。この情報は現在、scconf_transp_adap_sci (1M) のマニュアルページには記載されていません。

新しい情報:

SCI アダプタを指定するには、sciN という形式の名前を使用してください。

scgdevs(1M)

次の段落は、scgdevs コマンドの動作を明確に記述します。この情報は現在、scgdevs(1M) のマニュアルページには記載されていません。

新しい情報:

ローカルノードから呼び出された scgdevs(1M) は、その作業をリモートノード上で非同期的に実行します。したがって、ローカルノード上でコマンドが完了しても、必ずしも、その作業がクラスタ規模で完了しているとは限りません。

SUNW.sap_ci(5)

SUNW.sap_as(5)

rg_properties(5)

rg_properties(5) のマニュアルページには、次の新しいリソースグループプロパティが追加されます。

Auto_start_on_new_cluster

このプロパティは、新しいクラスタが形成されるときに、Resource Group Manager がリソースグループを自動的に起動するかどうかを制御します。

デフォルトは TRUE です。TRUE に設定されている場合、クラスタのすべてのノードが同時に再起動したとき、Resource Group Manager はリソースグループを自動的に起動して、Desired_primaries を実現しようとします。FALSE に設定されている場合はクラスタの再起動時にリソースグループが自動的に起動することはなく、scswitch (1M) によって初めて手動でオンラインに切り替えられるまでオフラインの状態に留まります。その後、通常のフェイルオーバー動作が再開されます。

分類: オプション デフォルト: TRUE 調整可能:任意の時点

rt_properties(5)

このリリースの API_version は、以前の値 2 から 3 に上がっています。リソースタイプが旧バージョンの Sun Cluster ソフトウェアで登録されることがないように、API_version=3 と宣言してください。詳細は、rt_reg (4) と rt_properties (5) のマニュアルページを参照してください。