Sun Cluster 3.1 データサービスの計画と管理

RGOffload リソースを設定する

  1. クラスタメンバー上でスーパーユーザーになります。

  2. RGOffload リソースタイプが登録されているかどうかを調べます。

    次のコマンドは、リソースタイプのリストを出力します。


    # scrgadm -p|egrep SUNW.RGOffload
    
  3. 必要であれば、リソースタイプを登録します。


    # scrgadm -a -t SUNW.RGOffload
    

  4. RGOffload リソースでオフロードするリソースグループごとに、Desired_primaries をゼロに設定します。


    # scrgadm -c -g offload-rg -y Desired_primaries=0
    
  5. RGOffload リソースを重要なフェイルオーバーリソースグループに追加して、拡張プロパティを設定します。

    リソースグループを複数のリソースの rg_to_offload リストに追加してはいけません。リソースグループを複数の rg_to_offload リストに追加すると、リソースグループはオフラインになったあとにオンラインになるという動作を繰り返すことになります。

    拡張プロパティについては、RGOffload 拡張プロパティを構成するを参照してください。


    # scrgadm -aj rgoffload-resource\
    -t SUNW.RGOffload -g critical-rg \
    -x rg_to_offload=offload-rg-1, offload-rg-2, ...\
    -x continue_to_offload=TRUE \
    -x max_offload_retry=15
    

    注 –

    この場合、rg_to_offload 以外の拡張プロパティはデフォルト値で表示されます。rg_to_offload は、お互いに依存しないリソースグループをコンマで区切ったリストです。このリストには、RGOffload リソースを追加するリソースグループを含めることはできません。


  6. RGOffload リソースを有効にします。


    # scswitch -ej rgoffload-resource
    
  7. 重要なフェイルオーバーリソースから RGOffload への依存関係を設定します。


    # scrgadm -c -j critical-resource \
    -y Resource_dependencies=rgoffload-resource
    

    Resource_dependencies_weak も使用できます。Resource_dependencies_weak を RGOffload リソースタイプに使用すると、offload-rg のオフロード中にエラーが発生しても、重要なフェイルオーバーリソースを起動できます。

  8. オフロードするリソースグループを、オンラインにします。


    # scswitch -z -g offload-rg, offload-rg-2, ... -h [nodelist]

    リソースグループは、重要なリソースグループがオフラインであるすべてのノード上でオンラインのままになります。障害モニターは、重要なリソースグループがオンラインであるノード上でリソースグループが動作しないようにします。

    オフロードするリソースグループの Desired_primaries はゼロに設定されているので (手順 4を参照)、“-Z” オプションを指定しても、このようなリソースグループはオンラインになりません。

  9. 重要なフェイルオーバーリソースグループがオンラインでない場合、オンラインにします。


    # scswitch -Z -g critical-rg
    

例 – RGOffload リソースを構成する

この例では、RGOffload リソース (rgofl)、RGOffload リソースを含む重要なリソースグループ (oracle_rg)、および重要なリソースグループがオンラインになったときにオフロードされるスケーラブルリソースグループ (IWS-SC, IWS-SC-2) を構成する方法について説明します。この例では、重要なリソースは oracle-server-rs です。

この例では、oracle_rgIWS-SC、および IWS-SC-2 はクラスタ "triped" の任意のノード、つまり、phys-triped-1、phys-triped-2、phys-triped-3 上でマスターできます。


[SUNW.RGOffload リソースタイプが登録されているかを確認する]
# scrgadm -p|egrep SUNW.RGOffload
 
[必要に応じ、リソースタイプを登録する]
# scrgadm -a -t SUNW.RGOffload

[RGOffload リソースによってオフロードされるリソースグループごとに Desired_primaries をゼロに設定する]
# scrgadm -c -g IWS-SC-2 -y Desired_primaries=0
# scrgadm -c -g IWS-SC -y Desired_primaries=0

[重要なリソースグループに RGOffload リソースを追加し、拡張プロパティを設定する]
# scrgadm -aj rgofl -t SUNW.RGOffload -g oracle_rg \
-x rg_to_offload=IWS-SC,IWS-SC-2 -x continue_to_offload=TRUE \
-x max_offload_retry=15
 
[RGOffload リソースを有効にする]
# scswitch -ej rgofl
 
[RGOffload リソースに対する重要なフェイルオーバーリソースの依存性を設定する]
# scrgadm -c -j oracle-server-rs -y Resource_dependencies=rgofl
 
[すべてのノード上で、オフロードされるリソースグループをオンラインにする]
# scswitch -z -g IWS-SC,IWS-SC-2 -h phys-triped-1,phys-triped-2,phys-triped-3
 
[重要なフェイルオーバーリソースグループがオンライン状態でない場合は、オンラインにする]
# scswitch -Z -g oracle_rg