デフォルトのクラスタ構成設定を使用して、クラスタのすべてのノードに Sun Cluster ソフトウェアをインストールするには、次の手順を実行します。すべてのクラスタ構成を設定する場合は、Sun Cluster ソフトウェアをすべてのノードにインストールする (カスタム)の手順に従ってください。
scinstall コマンドは、/var/cluster/patches ディレクトリまたは /var/patches ディレクトリにあるパッチを確認します。どちらのディレクトリも存在しない場合、パッチは追加されていません。これら両方のディレクトリが存在する場合、/var/cluster/patches ディレクトリにあるパッチのみが追加されています。
パッチディレクトリにパッチリストファイルが含まれている場合があります。デフォルトのパッチリストファイルは patchlist です。 パッチリストファイルの作成方法については、patchadd(1M) のマニュアルページを参照してください。
Solaris オペレーティング環境が Sun Cluster ソフトウェアをサポートするようにインストールされていることを確認します。
Solaris ソフトウェアがすでにノード上にインストールされている場合は、Solaris のインストールが Sun Cluster ソフトウェアの必要条件、およびそのクラスタにインストールする予定の他のソフトウェアの必要条件を満たしていることを確認してください。Sun Cluster ソフトウェア必要条件を満たして、Solaris ソフトウェアをインストールするための詳細については、Solaris ソフトウェアをインストールするを参照してください。
Sun Cluster ソフトウェアがあらかじめインストールされているかどうかを確認します。
インストールされている場合は、手順 3 に進みます。
インストールされていない場合は、 スーパーユーザーのリモートシェル (rsh(1M)) またはセキュアシェル (ssh(1) ) アクセスを有効に します。 これを有効にすることで、scinstall ユーティリティーで Sun Cluster ソフトウェアパッケージをインストールできます。
以下の構成計画ワークシートに必要事項を記入したものを用意します。
計画のガイドラインについては、Sun Cluster 環境の計画 を参照してください。
クラスタをインストールするクラスタノードでスーパーユーザーになります。
クラスタの 1 つのノードで、scinstall ユーティリティーを開始します。
Sun Cluster ソフトウェアをあらかじめインストールしてある場合は、以下のコマンドを入力します。
# /usr/cluster/bin/scinstall |
Sun Cluster ソフトウェアをあらかじめインストールしていない場合は、Sun Cluster 3.1 10/03 CD-ROM を挿入して、以下のコマンドを入力します。ここで ver は、8 (Solaris 8 の場合) または 9 (Solaris 9 の場合) になります。
# cd /cdrom/suncluster_3_1_u1/SunCluster_3.1/Sol_ver/Tools # ./scinstall |
対話形式の scinstall ユーティリティーを使用するときは、次のガイドラインに従ってください。
対話式 scinstall を使用すると、先行入力が可能になります。したがって、次のメニュー画面がすぐに表示されなくても、何度も Return キーを押さないでください。
特に指定のある場合を除いて、Control-D キーを押すと、関連する一連の質問の最初に戻るか、メインメニューに戻ります。
「メインメニュー」で、1 (クラスタまたはクラスタノードのインストール) と入力します。
*** メインメニュー ***
次の (*) オプションのうちから 1 つを選択してください:
* 1) クラスタまたはクラスタノードをインストール
2) このインストールサーバーから JumpStart できるようにクラスタを構成
3) 新しいデータサービスのサポートをこのクラスタノードに追加
* 4) このクラスタノードのリリース情報を出力
* ?) メニューオプションのヘルプ
* q) 終了
オプション: 1
|
Install Menu で、1 (新規クラスタのすべてのノードをインストール) と入力します。
*** インストールメニュー ***
次のオプションからどれか 1 つを選択してください。
1) 新しいクラスタのすべてのノードをインストール
2) このマシンを新しいクラスタの最初のノードとしてインストール
3) このマシンを既存のクラスタ内にノードとして追加
?) メニューオプションのヘルプ
q) メインメニューに戻る
オプション: 1
…
*** 新しいクラスタのすべてのノードをインストールしています。 ***
…
継続しますか (yes/no) [yes]? y
|
通常インストールオプションを指定するには、1 と入力します。
>>> インストールのタイプ <<<
…
次のオプションから 1 つ選択してください:
1) 通常
2) カスタム
?) ヘルプ
q) メインメニューへ戻る
オプション [1]: 1
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Typical を指定した Sun Cluster ソフトウェアの インストールでは、scinstall が自動的に以下のデフォルト構成を指定します。
|
構成要素 |
デフォルト値 |
|---|---|
|
プライベートネットワークアドレス |
172.16.0.0 |
|
クラスタトランスポート接続点 |
switch1 および switch2 |
|
広域デバイスファイルシステム名 |
/globaldevices |
|
インストールセキュリティ (DES) |
制限付き |
|
Solaris および Sun Cluster パッチディレクトリ |
/var/cluster/patches |
クラスタをインストールした後に、プライベートネットワークアドレスを変更することはできません。
クラスタ名を指定します。
>>> クラスタ名 <<<
…
確立したいクラスタ名は ? clustername
|
このクラスタの一部となる他のノードの名前を指定します。
>>> クラスタノード <<<
…
ノード名: node2
ノード名 (終了するには Ctrl-D): Control-D
完成したノードのリスト:
…
よろしいですか (yes/no) [yes]?
|
1 番目のクラスタインターコネクトトランスポートアダプタを指定します。
>>> クラスタトランスポートアダプタとケーブル <<<
「ノード」用の 1 番目のクラスタトランスポートアダプタを選択してください:
1) adapter
2) adapter
…
N) Other
オプション: N
|
scinstall ユーティリティーは、ノード上のすべての イーサーネットアダプタを一覧表示します。SCI-PCI アダプタなど、一覧に含まれていないアダプタを構成するには、「Other」メニューオプションに数字を入力します。続いて、後続のメニューで要求されたアダプタ情報を指定します。
SCI–PCI アダプタを使用するように構成されている場合、アダプタの接続 (ポート名) についてのプロンプトが表示されたときにデフォルト値を選択しないでください。 代わりに、SCI Dolphin スイッチ自体にあるポート名で、ノードが物理的に接続されるポート 名 (0、1、2、または 3) を指定してください。次の例に、デフォルトのポート名を使わずに、スイッチポート名 0 を指定した場合のプロンプトと応答を示しています。
…
…
デフォルトのポート名を「adapter」接続に使用しますか (yes/no) [yes]? n
使用したいポートの名前は ? 0
|
2 番目のクラスタインターコネクトトランスポートアダプタを指定します。
>>> クラスタトランスポートアダプタとケーブル <<<
「node」用の 1 番目のクラスタトランスポートアダプタを選択してください:
1) adapter
2) adapter
…
N) Other
オプション: N
…
|
scinstall コマンドを使用し、アダプタを 2 つまで構成できます。Sun Cluster ソフトウェアのインストール後は、scsetup ユーティリティーを使用してアダプタを追加構成できます。
scinstall ユーティリティーがインストールを開始することを確認します。
Is it okay to begin the installation (yes/no) [yes]? y |
sccheck ユーティリティーがエラーを検出した場合にインストールを停止するかどうかを指定します。
Interrupt the installation for sccheck errors (yes/no) [no]? |
インストールの中断を選択し、sccheck ユーティリティーが問題を検出した場合は、ユーティリティーは問題に関する情報を表示して、対処方法を求めます。ログファイルは、/var/cluster/logs/install/sccheck/ ディレクトリにあります。
インストールされている Sun Explorer ソフトウェアのバージョンが 3.5.1 以前のため、sccheck ユーティリティーがエラーメッセージと共に終了した場合は、既存の SUNWexplo パッケージを削除してください。 Sun Cluster 3.1 10/03 CD-ROM から SUNWexplo パッケージをインストールします。その後、scinstall ユーティリティーを再開します。
scinstall ユーティリティーは、引き続きすべてのクラスタノードのインストールを行い、クラスタを再起動します。 Sun Cluster のインストール出力は、 /var/cluster/logs/install/scinstall.log. N ファイルに記録されます。
ネームサービス検索順を設定します。
ネームサービススイッチを構成する に進みます。
ここでは、scinstall を使用して 2 ノードクラスタで通常インストール作業を完了したときに、ログに記録される scinstall 進行状況メッセージの例を示します。クラスタノード名は、phys-schost-1 と phys-schost-2 です。指定されたアダプタ名は、qfe2 と hme2 です。Sun Cluster ソフトウェアは、Web Start プログラムによってすでにインストールされています。
インストールと構成
ログファイル - /var/cluster/logs/install/scinstall.log.834
「/globaldevices」用のテストを「phys-schost-1」上で実行しています ... done
「/globaldevices」用のテストを「phys-schost-2」上で実行しています ... done
インストール状態を検査しています ... done
Sun Cluster ソフトウエアは 「phys-schost-1」に既にインストールされています。
Sun Cluster ソフトウエアは 「phys-schost-2」に既にインストールされています。
クラスタトランスポート構成の検出を開始します。
次の接続が見つかりました:
phys-schost-1:qfe2 switch1 phys-schost-2:qfe2
phys-schost-1:hme2 switch2 phys-schost-2:hme2
クラスタトランスポート構成の検出を終了しました。
sccheck を「phys-schost-1」上で開始しました。
sccheck を「phys-schost-2」上で開始しました。
sccheck が終了しました。「phys-schost-1」にエラーまたは警告はありません。
sccheck が終了しました。「phys-schost-2」にエラーまたは警告はありません。
「phys-schost-2」を構成しています ... done
「phys-schost-2」を再起動しています ... done
「phys-schost-1」を構成しています ... done
「phys-schost-1」を再起動しています ...
ログファイル - /var/cluster/logs/install/scinstall.log.834
リブートしています ...
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