Sun Cluster 3.1 10/03 ソフトウェアのインストール

第 2 章 Sun Cluster ソフトウェアのインストールと構成

この章では、クラスタのインストールおよび構成手順を説明します。 これらの手順は、既存のクラスタに新しいノードを追加するためにも利用できます。

この章の内容は、次のとおりです。

ソフトウェアのインストール

次の作業マップは、複数または単一ノードのクラスタにソフトウェアをインストールするときに実行する作業を示しています。ここに示す順に従って手順を実行します。

表 2–1 作業マップ: 複数ノードのクラスタへのソフトウェアのインストール

作業 

参照箇所 

1. クラスタ構成のレイアウトを計画、およびソフトウェアをインストールするための準備 

クラスタソフトウェアのインストールの準備をする

2. (省略可能) 管理コンソールにクラスタコントロールパネル (CCP) ソフトウェアをインストール

クラスタコントロールパネルソフトウェアを管理コンソールにインストールする

3. Solaris オペレーティング環境および Sun Cluster ソフトウェアをインストールします。次の方法のどれか 1 つを選択します。 

  • 方法 1 – (新規の複数ノードクラスタのみ) まず、Solaris ソフトウェアをインストールする。Web Start プログラムを使用して、Sun Cluster ソフトウェアをすべてのノードにあらかじめインストールする (省略可能)。続いて、scinstall ユーティリティーを使用してクラスタを確立する

  1. Solaris ソフトウェアをインストールする

  2. Sun Cluster ソフトウェアパッケージを事前インストールする

  3. Sun Cluster ソフトウェアをすべてのノードにインストールする (通常) または Sun Cluster ソフトウェアをすべてのノードにインストールする (カスタム)

  • 方法 2 – (追加ノードのみ) まず、Solaris ソフトウェアをインストールする。Web Start プログラムを使用して、Sun Cluster ソフトウェアを追加ノードにあらかじめインストールする (省略可能)。続いて、 scinstall ユーティリティーを使用してそのノードをクラスタに追加する

  1. Solaris ソフトウェアをインストールする

  2. Sun Cluster ソフトウェアパッケージを事前インストールする

  3. 追加のクラスタノードとして Sun Cluster ソフトウェアをインストールする (scinstall)

  • 方法 3 – (新規の複数ノードクラスタのみ) まず、Solaris ソフトウェアをインストールする。続いて、SunPlexTM Manager をインストールし、それを使用して Sun Cluster ソフトウェアをインストールする

  1. Solaris ソフトウェアをインストールする

  2. SunPlex Manager により Sun Cluster ソフトウェアをインストールする

  • 方法 4 – (新規の複数ノードクラスタまたは追加ノード) scinstall ユーティリティーのカスタム JumpStart オプションを使用して Solaris ソフトウェアと Sun Cluster ソフトウェアを 1 回の操作でインストールする

Solaris と Sun Cluster ソフトウェアをインストールする (JumpStart)

  • 方法 5 – (新規の単一ノードクラスタ) Solaris ソフトウェアをインストールしてから、scinstall -iFo コマンドを使用して Sun Cluster ソフトウェアをインストールする

  1. Solaris ソフトウェアをインストールする

  2. Sun Cluster ソフトウェアを単一ノードクラスタにインストールする

4. ネームサービスの参照順序を構成 

ネームサービススイッチを構成する

5. ディレクトリパスを設定 

root 環境を設定する

6. データサービスソフトウェアパッケージをインストール 

データサービスソフトウェアパッケージをインストールする (Web Start) または データサービスソフトウェアパッケージをインストールする (scinstall)

7. インストール後の設定、および定足数投票の割り当て(複数ノードクラスタのみ)

インストール後の設定を行う

8. ボリューム管理ソフトウェアのインストールと構成 

  • Solstice DiskSuite/Solaris Volume Manager ソフトウェアのインストールと構成

  • VERITAS Volume Manager ソフトウェアのインストールと構成

9. クラスタを構成 

クラスタの構成

クラスタソフトウェアのインストールの準備をする

ソフトウェアのインストールを開始する前に、以下の準備作業を行ってください。

  1. クラスタ構成の計画およびインストール方法を検討する上で参考となる情報を参照します。

    • Sun Cluster 3.1 10/03 ご使用にあたって』 – 制限事項やバグ対策などの最新情報

    • Sun Cluster 3.x Release Notes Supplement』 – リリース後に追加された制限事項、バグ対策、新機能などの最新情報。この文書は、定期的に更新されて以下の Web サイトに公開されます。

      http://docs.sun.com

    • Sun Cluster 3.1 10/03 の概念』 – Sun Cluster 製品の概要

    • Sun Cluster 3.1 10/03 ソフトウェアのインストール』 (このマニュアル) – Solaris、Sun Cluster、ボリューム管理ソフトウェアのインストールと構成を行うためのガイドラインと作業手順

    • Sun Cluster 3.1 データサービスの計画と管理』 – データサービスのインストールと構成を行うための計画のガイドラインと作業手順

    • 使用するソフトウェアのマニュアル (サン以外の製品も含む)

  2. 関連文書 (Sun 以外の製品の文書も含む) をすべて用意します。

    クラスタのインストールを行う場合に参考となる製品ドキュメントの一部を以下に示します。

    • Solaris ソフトウェア

    • Solstice DiskSuite/Solaris Volume Manager ソフトウェア

    • VERITAS Volume Manager

    • Sun Management Center

    • サン以外のアプリケーション (ORACLE など)

  3. クラスタ構成の計画を立てます。


    Caution – Caution –

    クラスタのインストールを綿密に計画します。Solaris および Sun Cluster ソフトウェアのインストールを開始する前に、データサービスおよび他の製品すべてについて必要条件を認識しておく必要があります。 計画に不備があった場合、インストールエラーが発生し、Solaris や Sun Cluster ソフトウェアを完全にインストールし直す必要が生じる可能性もあります。

    たとえば、Oracle Parallel Server/Real Application Clusters の Oracle Parallel Fail Safe/Real Application Clusters Guard オプションには、ユーザーがクラスタ内で使用するホスト名に関する特殊な要件があります。 このような特別な必要条件は Sun Cluster HA for SAP にもあります。Sun Cluster ソフトウェアをインストールした後にホスト名は変更できないため、このような必要条件は Sun Cluster ソフトウェアをインストールする前に調整しておく必要があります。


    • 第 1 章「Sun Cluster 構成の計画」および『Sun Cluster 3.1 データサービスの計画と管理』に示されているガイドラインを利用して、クラスタのインストールと構成の方法を決定してください。

    • クラスタフレームワークおよびデータサービス構成のワークシートに必要事項を記入してください。完成したワークシートは、インストールと構成の作業を行う際に参考情報として利用します。

  4. クラスタ構成に必要なパッチをすべて入手します。

    パッチの入手先とインストール方法については、『Sun Cluster 3.1 ご使用にあたって 』の「パッチと必須ファームウェアのレベル」を参照してください。

    Sun Cluster に必要なパッチを 1 つのディレクトリにコピーします。ディレクトリは、すべてのノードからアクセス可能なファイルシステム上になければなりません。デフォルトのパッチディレクトリは、 /var/cluster/patches です。


    ヒント –

    Solaris ソフトウェアをノードにインストールした後、 /etc/release ファイルでインストールした Solaris ソフトウェアのバージョンを確認できます。


    1. (省略可能) SunPlex Manager を使用していない場合は、パッチリストファイルを作成できます。パッチリストファイルを指定すると、SunPlex Manager はパッチリストファイルに含まれているパッチのみをインストールします。

      パッチリストファイルの作成方法については、patchadd(1M) のマニュアルページを参照してください。

    2. パッチディレクトリのパスを記録します。

  5. 管理コンソールからクラスタノードへの接続を行うためにクラスタコントロールパネル (CCP) ソフトウェアを使用するかどうかを決定します。

クラスタコントロールパネルソフトウェアを管理コンソールにインストールする


注 –

管理コンソールの使用は必須ではありません。管理コンソールを使用しない場合は、クラスタ内の特定のノードから管理作業を行います。


この手順では、管理コンソールにクラスタコントロールパネル (CCP) ソフトウェアをインストールする方法を説明します。CCP により、cconsole(1M)、ctelnet(1M)、crlogin(1M) の各ツールを起動できます。これらの各ツールは、一連のノードとの多重ウィンドウ接続を提供します。また、すべてのノードに入力を一括送信する共通ウィンドウも備えています。

管理コンソールには、Solaris 8 または Solaris 9 オペレーティング環境が動作する任意のデスクトップマシンを使用できます。また、管理コンソールは、Sun Management Center コンソール/サーバーとしても、ドキュメンテーションサーバーとしても使用できます。Sun Management Center ソフトウェアをインストールする方法については、Sun Management Center のマニュアルを参照してください。Sun Cluster ドキュメンテーションのインストール方法については、『Sun Cluster 3.1 10/03 ご使用にあたって』を参照してください。

  1. サポートされている Solaris オペレーティング環境のバージョンと Solaris パッチが管理コンソールにインストールされていることを確認してください。

    すべてのプラットフォームで、Solaris の「エンドユーザーシステムサポート」ソフトウェアグループが最低でも必要です。

  2. (省略可能) GUI で Web Start プログラムを使用する予定の場合は、DISPLAY 環境変数を設定する必要があります。

  3. 管理コンソール用のマシンの CD-ROM ドライブに Sun Cluster 3.1 10/03 CD-ROM を挿入します。

    ボリューム管理デーモン vold(1M) が実行されており、CD-ROM デバイスを管理するように構成されている場合は、CD-ROM は自動的に /cdrom/suncluster_3_1_u1 ディレクトリにマウントされます。

  4. 管理コンソールでスーパーユーザーになります。

  5. /cdrom/suncluster_3_1_u1 ディレクトリに移動します。


    # cd /cdrom/suncluster_3_1_u1
    

  6. Web Start プログラムを開始します。


    # ./installer
    

  7. Custom Installation を選択します。

    ソフトウェアパッケージの一覧が表示されます。

  8. Sun Cluster Framework パッケージの選択を解除します。

  9. Sun Cluster cconsole パッケージを選択します。

  10. (省略可能) Sun Cluster Documentation パッケージを選択します。

    管理コンソールにドキュメンテーションをインストールしなくても、CD-ROM から直接 HTML または PDF コレクションを表示することができます。

  11. 画面に表示される指示に従って、パッケージのインストールを続けます。

    インストール完了後、インストールログを表示することができます。

  12. 管理コンソールに /etc/clusters ファイルを作成します。

    クラスタ名と、各クラスタノードの物理ノード名をファイルに追加します。


    # vi /etc/clusters
    clustername node1 node2
    

    詳細については、clusters(4) のマニュアルページを参照してください。

  13. /etc/serialports ファイルを作成します。

    このファイルに、クラスタ内の各ノード用のエントリを追加します。物理ノード名、コンソールアクセスデバイスのホスト名、およびポート番号を指定します。コンソールアクセスデバイスの例として、端末集配信装置 (TC)、システムサービスプロセッサ (SSP)、および Sun Fire システムコントローラがあります。

    • Sun Fire 15000 システムコントローラでは、各エントリのシリアル番号に telnet(1)ポート番号 23 を使用します。

    • その他すべてのコンソールアクセスデバイスについては、telnet シリアルポート番号を使用し、物理ポート番号は使用しません。telnet シリアルポート番号は、物理ポート番号に 5000 を加えた値です。たとえば、物理ポート番号が 6 の場合、telnet シリアルポート番号は 5006 になります。

    • Sun Enterprise 10000 サーバーの詳細と注意事項については、 /opt/SUNWcluster/bin/ serialports(1) のマニュアルページを参照してください。


    # vi /etc/serialports
    node1 ca-dev-hostname port
    node2 ca-dev-hostname port
    
    node1, node2

    クラスタノードの物理名

    ca-dev-hostname

    コンソールアクセスデバイスのホスト名

    port

    シリアルポート番号

  14. (省略可能) 便宜上、PATH/opt/SUNWcluster/bin ディレクトリに追加し、/opt/SUNWcluster/man ディレクトリを管理コンソールの MANPATH に追加します。

    SUNWscman パッケージをインストールした場合は、/usr/cluster/man ディレクトリも MANPATH に追加します。

  15. CCP ユーティリティーを開始します。


    # /opt/SUNWcluster/bin/ccp &
    

    CCP ウィンドウで、cconsolecrlogin、または ctelnet ボタンをクリックしてツールを起動します。これらのツールは直接起動することもできます。たとえば、ctelnet を起動するには、次のコマンドを入力します。


    # /opt/SUNWcluster/bin/ctelnet &
    

    CCP ユーティリティーの使用方法については、『Sun Cluster 3.1 10/03 のシステム管理』の「クラスタ管理の開始」の「Sun Cluster に遠隔ログインする」手順を参照してください。ccp(1M) のマニュアルページも参照してください。

  16. Solaris オペレーティング環境が各クラスタノードにインストールされており、Sun Cluster ソフトウェアの必要条件を満たしているかどうかを確認します。

Solaris ソフトウェアをインストールする

ソフトウェアのインストールに scinstall(1M) カスタム JumpStart インストールを使用しない場合は、以下の手順に従ってクラスタ内の各ノードに Solaris オペレーティング環境をインストールしてください。


ヒント –

Solaris オペレーティング環境は、各ノードに同時にインストールできるため、インストール時間を節約できます。


ノードに Solaris オペレーティング環境がすでにインストールされていても、Sun Cluster インストールの必要条件が満たされていない場合は、Solaris ソフトウェアを再インストールする必要があります。 必要条件を満たしていない場合は、以下に示す手順に従って、Sun Cluster ソフトウェアを確実にインストールしてください。必要なパーティション分割と Sun Cluster インストールのその他の必要条件については、Solaris オペレーティング環境についての計画を参照してください。

  1. Solaris ソフトウェアをインストールする前に、ハードウェアの設定が完了していることと、接続が完全であることを確認します。

    詳細については、『Sun Cluster 3.1 Hardware Administration Collection』およびサーバーと記憶装置のマニュアルを参照してください。

  2. クラスタ構成の計画が完了していることを確認します。

    必要条件とガイドラインについては、クラスタソフトウェアのインストールの準備をする を参照してください。

  3. 必要事項が記入されたローカルファイルシステム配置のワークシートを用意します。

  4. ネームサービスを使用しているかどうかを確認します。

    • 使用していない場合は、手順 5に進みます。手順 11 でローカルホスト名の情報を設定します。

    • 使用している場合、すべての公開ホスト名と論理アドレス間のアドレスと名前の対応付けを、クライアントがクラスタサービスにアクセスするために使用する任意のネームサービス に追加します。計画のガイドラインについては、IP アドレス を参照してください。Solaris ネームサービスの使用については、Solaris システム管理者用のマニュアルを参照してください。

  5. クラスタ管理コンソールを使用している場合、クラスタ内にある各ノードのコンソール画面を表示します。

    • クラスタコントロールパネル (CCP) ソフトウェアが管理コンソールにインストールされ、構成されている場合は、cconsole>(1M) ユーティリティーを使用して、コンソール画面を個別に表示できます。また、cconsole ユーティリティーを使用してマスターウィンドウを開くことができます。ここでの入力を、個々のすべてのコンソールウィンドウに同時に送信できます。cconsole を起動するには、次のコマンドを入力します。


      # /opt/SUNWcluster/bin/cconsole clustername &
      

    • cconsole ユーティリティーを使用しない場合は、各ノードのコンソールに個別に接続します。

  6. Solaris インストールマニュアルに指示されているとおりに Solaris オペレーティング環境をインストールします。


    注 –

    クラスタ内にあるすべてのノードには、同じバージョンの Solaris オペレーティング環境をインストールする必要があります。


    Solaris ソフトウェアの通常のインストール方法を使用してインストールします。つまり、Solaris 対話式インストールプログラム、Solaris JumpStart、および Solaris Web Start プログラムを使用できます。

    Solaris ソフトウェアのインストール時に、次の作業を行います。

    1. 少なくとも「エンドユーザーシステムサポート」ソフトウェアグループをインストールします。

      • インターコネクトトランスポート用に Remote Shared Memory Application Programming Interface (RSMAPI) または SCI-PCI アダプタを使用する場合、必須の RSMAPI ソフトウェアパッケージは、より上位レベルのソフトウェアグループにのみ含まれています。 このような必須パッケージとして、SUNWrsmSUNWrsmx SUNWrsmo、および SUNWrsmox があります。 「エンドユーザーシステムサポート」ソフトウェアグループをインストールする場合は、手順 8 で、Solaris CD-ROM から RSMAPI ソフトウェアパッケージを手動でインストールする必要があります。

      • SunPlex Manager を使用する場合、 Apache の必須ソフトウェアパッケージ (SUNWapchr および SUNWapchu) は、より上位のソフトウェアグループに含まれています。「エンドユーザーシステムサポート」ソフトウェアグループをインストールする場合は、手順 9 で、Solaris CD-ROM から Apache ソフトウェアパッケージを手動でインストールする必要があります。

      Solaris ソフトウェアの必要条件の詳細については Solaris ソフトウェアグループについて を参照してください。

    2. 「手動配置」を選択して、ファイルシステムを設定します。

      • 広域デバイスサブシステムを使用するための、少なくとも 512M バイトのファイルシステムを作成します。SunPlex Manager を使用して Sun Cluster ソフトウェアをインストールする場合は、マウントポイント名を /globaldevices に設定してファイルシステムを作成する必要があります。 /globaldevices マウントポイント名は、 scinstall が使用するデフォルトです。


        注 –

        Sun Cluster ソフトウェアのインストールを正常に行うためには、広域デバイスファイルシステムを用意する必要があります。


      • スライス 7 には少なくとも 20M バイトのサイズを指定します。SunPlex Manager を使用して Solstice DiskSuite ソフトウェア (Solaris 8) をインストールするか、Solaris Volume Manager ソフトウェア (Solaris 9) を構成する場合は、このファイルシステムを /sds にマウントする必要があります。

        あるいは、システムディスクパーティションで説明している方法でボリューム管理ソフトウェアのサポートに必要なファイルシステムパーティションを作成してください。


        注 –

        Sun Cluster HA for NFS または Sun Cluster HA for Apache をインストールする場合は、Solstice DiskSuite ソフトウェア (Solaris 8) をインストールするか、Solaris Volume Manager ソフトウェア (Solaris 9) を構成する必要があります。


    3. 管理しやすくするために、すべてのノード上で同じ root パスワードを設定します。

  7. 既存のクラスタに新しいノードをインストールするかどうかを確認します。

    • インストールしない場合は、手順 8 に進みます。

    • インストールする場合、次の手順を行います。

    1. 新しいノードをクラスタの承認済みノードリストに追加したかどうかを確認します。

      • 追加している場合は、手順 b に進みます。

      • まだ追加していない場合は、別のアクティブなノードから scsetup(1M) を実行して、新しいノードの名前をクラスタの承認済みノードリストに追加します。詳細については、『Sun Cluster 3.1 10/03 のシステム管理』の「作業マップ: 既存のクラスタへのクラスタノードの追加」を参照してください。

    2. クラスタ内にある別のアクティブなノードから、すべてのクラスタファイルシステムの名前を表示します。


      % mount | grep global | egrep -v node@ | awk '{print $1}'
      

    3. 新しいノード上で、クラスタ内にあるクラスタファイルシステムごとにマウントポイントを作成します。


      % mkdir -p mountpoint
      

      たとえば、mount コマンドで表示されるファイルシステム名が /global/dg-schost-1 の場合は、クラスタに追加する新しいノードで mkdir -p /global/dg-schost-1 を実行します。

    4. VERITAS Volume Manager (VxVM) が、クラスタ内にあるノードにすでにインストールされているかどうかを確認します。

      • インストールされていない場合は、手順 8に進みます。

      • インストールされている場合は、VxVM がインストールされているノード上で同じ vxio 番号が使用されていることを確認します。また、VxVM がインストールされていない各ノード上で vxio 番号が使用できることを確認します。


        # grep vxio /etc/name_to_major
        vxio NNN
        

        VxVM がインストールされていないノードで、vxio 番号がすでに使用されている場合は、そのノード上の該当番号を解放します。また、/etc/name_to_major エントリは、別の番号に変更してください。

  8. インターコネクトトランスポート用に Remote Shared Memory Application Programming Interface (RSMAPI) を使用するか、SCI-PCI アダプタを使用するかどうかを決定します。

    • どちらも使用しない場合は、手順 9 に進みます。

    • どちらかを使用する場合で、「エンドユーザーシステムサポート」ソフトウェアグループをインストールしている場合は、RSMAPI ソフトウェアパッケージを Solaris CD-ROM からインストールします。それ以外の場合は、手順 9 に進みます。


      # pkgadd -d . SUNWrsm SUNWrsmx SUNWrsmo SUNWrsmox
      

    • 使用する場合で、「エンドユーザーシステムサポート」ソフトウェアグループよりも上位レベルのソフトウェアグループをインストールしている場合は、手順 9 に進みます。

  9. SunPlex Manager を使用するかどうかを決定します。

    • 使用しないか、「エンドユーザーシステムサポート」ソフトウェアグループよりも上位レベルのソフトウェアグループをインストールしている場合は、手順 10 に進みます。

    • 使用する場合で、「エンドユーザーシステムサポート」ソフトウェアグループをインストールしている場合は、Apache ソフトウェアパッケージを Solaris CD-ROM からインストールします。


      # pkgadd -d . SUNWapchr SUNWapchu
      

    • 使用する場合で、「エンドユーザーシステムサポート」ソフトウェアグループよりも上位レベルのソフトウェアグループをインストールしている場合は、手順 14 に進みます。

    SunPlex Manager をインストールする前に、Apache ソフトウェアパッケージをあらかじめインストールしておく必要があります。

  10. ハードウェア関連のパッチをインストールし、ハードウェアパッチに含まれるファームウェアの中から必要なものをダウンロードします。

    パッチの入手先とインストール方法については、『Sun Cluster 3.1 ご使用にあたって 』の「パッチと必須ファームウェアのレベル」を参照してください。

  11. クラスタのすべてのパブリックホスト名と論理アドレスを持つように、各ノードで /etc/inet/hosts ファイルを更新します。

    この手順は、ネームサービスを使用しているかどうかに関わらず実行します。

  12. 動的再構成 (DR) を Sun Enterprise 10000 サーバーで使用するかどうかを決定します。

    • 使用しない場合は、手順 14 に進みます。

    • 使用する場合は、各ノード上にある /etc/system ファイルに次のエントリを追加します。


      set kernel_cage_enable=1

      このエントリは、次のシステム再起動後に有効になります。 Sun Cluster 構成で、動的再構成の作業を実行するための手順については、『Sun Cluster 3.1 10/03 のシステム管理』を参照してください。動的再構成の詳細については、サーバーのマニュアルを参照してください。

  13. VERITAS File System (VxFS) ソフトウェアを使用するかどうかを決定します。

    • 使用しない場合は、手順 14に進みます。

    • インストールする場合、次の手順を行います。

    1. VxFS のインストールマニュアルに従って、VxFS ソフトウェアをクラスタの各ノード上にインストールします。

    2. VxFS のサポートに必要なすべての Sun Cluster パッチをインストールします。

      パッチの入手先とインストール方法については、『Sun Cluster 3.1 ご使用にあたって 』の「パッチと必須ファームウェアのレベル」を参照してください。

    3. 各ノード上の /etc/system ファイルで、rpcmod:svc_default_stksize 変数の値を 0x8000 に設定し、lwp_default_stksize 変数の値を 0x6000 に設定します。


      set rpcmod:svc_default_stksize=0x8000
      set lwp_default_stksize=0x6000

      Sun Cluster ソフトウェアには、少なくとも 0x8000 に設定された rpcmod:svc_default_stksize が必要です。VxFS をインストールすると、rpcmod:svc_default_stksize 変数の値が 0x4000 に設定されるため、VxFS のインストールが終わった後、値を手動で 0x8000 に設定する必要があります。

      /etc/system ファイルの lwp_default_stksize 変数を設定して、VxFS デフォルト値の 0x4000 を無効にします。

  14. Sun Cluster ソフトウェアパッケージをあらかじめインストールしておきます。

    Sun Cluster ソフトウェアパッケージを事前インストールするに進みます。

Sun Cluster ソフトウェアパッケージを事前インストールする

Web Start プログラムを使用して Sun Cluster ソフトウェアパッケージをクラスタ内の各ノードにインストールするには、次の手順を実行します。Web Start プログラムは、コマンド行インタフェース (CLI) またはグラフィカルユーザーインタフェース (GUI) を使用して実行できます。 操作手順や設定内容は、CLI も GUI もほとんど同じです。Web Start インストールプログラムの詳細については、installer(1M) のマニュアルページを参照してください。


注 –

すべてのクラスタノードで スーパーユーザーのリモートシェル (rsh(1M)) またはセキュアシェル (ssh(1) ) アクセスを有効に している場合は、これらの手順を実行する必要はありません。scinstall ユーティリティーは、自動的に Sun Cluster フレームワークソフトウェアをすべてのクラスタノードにインストールします。

ただし、フレームワークソフトウェアのほかに任意の Sun Cluster ソフトウェアパッケージをインストールする必要がある場合は、追加するパッケージを Sun Cluster 3.1 10/03 CD-ROM からインストールします。これは scinstall ユーティリティーを開始する前に行ってください。 これらの Sun Cluster の追加パッケージは、pkgadd(1M) コマンドまたは Web Start プログラムを使用してインストールできます。


  1. Solaris オペレーティング環境が Sun Cluster ソフトウェアをサポートするようにインストールされていることを確認します。

    Solaris ソフトウェアがすでにノード上にインストールされている場合は、Solaris のインストールが Sun Cluster ソフトウェアの必要条件、およびそのクラスタにインストールする予定の他のソフトウェアの必要条件を満たしていることを確認してください。Sun Cluster ソフトウェア必要条件を満たして、Solaris ソフトウェアをインストールするための詳細については、Solaris ソフトウェアをインストールするを参照してください。

  2. インストールするクラスタノードでスーパーユーザーになります。

  3. (省略可能) GUI で Web Start プログラムを使用する予定の場合は、DISPLAY 環境変数を設定する必要があります。

  4. CD-ROM ドライブに Sun Cluster 3.1 10/03 CD-ROM を挿入します。

    ボリューム管理デーモン vold(1M) が実行されており、CD-ROM デバイスを管理するように構成されている場合は、CD-ROM は自動的に /cdrom/suncluster_3_1_u1 ディレクトリにマウントされます。

  5. CD-ROM のルートディレクトリに移動します。installer(1M) ユーティリティーはルートディレクトリにあります。

  6. Web Start プログラムを開始します。


    # ./installer
    

  7. 通常またはカスタムインストールを選択します。

    • Sun Cluster フレームワークソフトウェアパッケージのデフォルトセットを事前インストールする場合は、通常を選択します。

    • Sun Cluster ソフトウェアパッケージを事前インストールする場合はカスタムを選択します。デフォルト以外のソフトウェアパッケージとして、ほかの言語、RSMAPI、および SCI-PCI アダプタをサポートするパッケージがあります。

  8. 画面上の指示に従って Sun Cluster ソフトウェアをノードにインストールします。

    インストール完了後、インストールログを表示することができます。

  9. インストールする残りのクラスタノードで、 手順 1 から手順 8 を繰り返します。

  10. クラスタノードに、Sun Cluster ソフトウェアをインストールします。

Sun Cluster ソフトウェアをすべてのノードにインストールする (通常)

デフォルトのクラスタ構成設定を使用して、クラスタのすべてのノードに Sun Cluster ソフトウェアをインストールするには、次の手順を実行します。すべてのクラスタ構成を設定する場合は、Sun Cluster ソフトウェアをすべてのノードにインストールする (カスタム)の手順に従ってください。

scinstall コマンドは、/var/cluster/patches ディレクトリまたは /var/patches ディレクトリにあるパッチを確認します。どちらのディレクトリも存在しない場合、パッチは追加されていません。これら両方のディレクトリが存在する場合、/var/cluster/patches ディレクトリにあるパッチのみが追加されています。

パッチディレクトリにパッチリストファイルが含まれている場合があります。デフォルトのパッチリストファイルは patchlist です。 パッチリストファイルの作成方法については、patchadd(1M) のマニュアルページを参照してください。

  1. Solaris オペレーティング環境が Sun Cluster ソフトウェアをサポートするようにインストールされていることを確認します。

    Solaris ソフトウェアがすでにノード上にインストールされている場合は、Solaris のインストールが Sun Cluster ソフトウェアの必要条件、およびそのクラスタにインストールする予定の他のソフトウェアの必要条件を満たしていることを確認してください。Sun Cluster ソフトウェア必要条件を満たして、Solaris ソフトウェアをインストールするための詳細については、Solaris ソフトウェアをインストールするを参照してください。

  2. Sun Cluster ソフトウェアがあらかじめインストールされているかどうかを確認します。

    • インストールされている場合は、手順 3 に進みます。

    • インストールされていない場合は、 スーパーユーザーのリモートシェル (rsh(1M)) またはセキュアシェル (ssh(1) ) アクセスを有効に します。 これを有効にすることで、scinstall ユーティリティーで Sun Cluster ソフトウェアパッケージをインストールできます。

  3. 以下の構成計画ワークシートに必要事項を記入したものを用意します。

    計画のガイドラインについては、Sun Cluster 環境の計画 を参照してください。

  4. クラスタをインストールするクラスタノードでスーパーユーザーになります。

  5. クラスタの 1 つのノードで、scinstall ユーティリティーを開始します。

    • Sun Cluster ソフトウェアをあらかじめインストールしてある場合は、以下のコマンドを入力します。


      # /usr/cluster/bin/scinstall
      

    • Sun Cluster ソフトウェアをあらかじめインストールしていない場合は、Sun Cluster 3.1 10/03 CD-ROM を挿入して、以下のコマンドを入力します。ここで ver は、8 (Solaris 8 の場合) または 9 (Solaris 9 の場合) になります。


      # cd /cdrom/suncluster_3_1_u1/SunCluster_3.1/Sol_ver/Tools
      # ./scinstall
      

    対話形式の scinstall ユーティリティーを使用するときは、次のガイドラインに従ってください。

    • 対話式 scinstall を使用すると、先行入力が可能になります。したがって、次のメニュー画面がすぐに表示されなくても、何度も Return キーを押さないでください。

    • 特に指定のある場合を除いて、Control-D キーを押すと、関連する一連の質問の最初に戻るか、メインメニューに戻ります。

  6. 「メインメニュー」で、1 (クラスタまたはクラスタノードのインストール) と入力します。


     *** メインメニュー ***
    
        次の (*) オプションのうちから 1 つを選択してください:
    
          * 1) クラスタまたはクラスタノードをインストール
            2) このインストールサーバーから JumpStart できるようにクラスタを構成
            3) 新しいデータサービスのサポートをこのクラスタノードに追加
          * 4) このクラスタノードのリリース情報を出力
    
          * ?) メニューオプションのヘルプ
          * q) 終了
    
        オプション:  1
    

  7. Install Menu で、1 (新規クラスタのすべてのノードをインストール) と入力します。


      *** インストールメニュー ***
    
        次のオプションからどれか 1 つを選択してください。
    
            1) 新しいクラスタのすべてのノードをインストール
            2) このマシンを新しいクラスタの最初のノードとしてインストール
            3) このマシンを既存のクラスタ内にノードとして追加
    
            ?) メニューオプションのヘルプ
            q) メインメニューに戻る
    
        オプション:  1
    …
      *** 新しいクラスタのすべてのノードをインストールしています。 ***
    …
        継続しますか (yes/no) [yes]?  y
    

  8. 通常インストールオプションを指定するには、1 と入力します。


    >>> インストールのタイプ <<<
    …
        次のオプションから 1 つ選択してください:
    
            1) 通常
            2) カスタム
    
            ?) ヘルプ
            q) メインメニューへ戻る
    
        オプション [1]:  1
    

    Typical を指定した Sun Cluster ソフトウェアの インストールでは、scinstall が自動的に以下のデフォルト構成を指定します。

    構成要素 

    デフォルト値 

    プライベートネットワークアドレス 

    172.16.0.0

    クラスタトランスポート接続点 

    switch1 および switch2

    広域デバイスファイルシステム名 

    /globaldevices

    インストールセキュリティ (DES) 

    制限付き 

    Solaris および Sun Cluster パッチディレクトリ 

    /var/cluster/patches


    注 –

    クラスタをインストールした後に、プライベートネットワークアドレスを変更することはできません。


  9. クラスタ名を指定します。


    >>> クラスタ名 <<<
    …
        確立したいクラスタ名は ?  clustername
    

  10. このクラスタの一部となる他のノードの名前を指定します。


    >>> クラスタノード <<<
    …
        ノード名:  node2
        ノード名 (終了するには Ctrl-D):  Control-D
    
        完成したノードのリスト:
    …
        よろしいですか (yes/no) [yes]?  

  11. 1 番目のクラスタインターコネクトトランスポートアダプタを指定します。


    >>> クラスタトランスポートアダプタとケーブル <<<
    
        「ノード」用の 1 番目のクラスタトランスポートアダプタを選択してください:
    
            1) adapter
            2) adapterN) Other
    
        オプション:  N
    

    scinstall ユーティリティーは、ノード上のすべての イーサーネットアダプタを一覧表示します。SCI-PCI アダプタなど、一覧に含まれていないアダプタを構成するには、「Other」メニューオプションに数字を入力します。続いて、後続のメニューで要求されたアダプタ情報を指定します。


    注 –

    SCI–PCI アダプタを使用するように構成されている場合、アダプタの接続 (ポート名) についてのプロンプトが表示されたときにデフォルト値を選択しないでください。 代わりに、SCI Dolphin スイッチ自体にあるポート名で、ノードが物理的に接続されるポート 名 (012、または 3) を指定してください。次の例に、デフォルトのポート名を使わずに、スイッチポート名 0 を指定した場合のプロンプトと応答を示しています。


    …
    … 
        デフォルトのポート名を「adapter」接続に使用しますか (yes/no) [yes]? n
        使用したいポートの名前は ?  0
    


  12. 2 番目のクラスタインターコネクトトランスポートアダプタを指定します。


    >>> クラスタトランスポートアダプタとケーブル <<<
    
        「node」用の 1 番目のクラスタトランスポートアダプタを選択してください:
    
            1) adapter
            2) adapterN) Other
    
        オプション:  N

    scinstall コマンドを使用し、アダプタを 2 つまで構成できます。Sun Cluster ソフトウェアのインストール後は、scsetup ユーティリティーを使用してアダプタを追加構成できます。

  13. scinstall ユーティリティーがインストールを開始することを確認します。


        Is it okay to begin the installation (yes/no) [yes]?  y
    
  14. sccheck ユーティリティーがエラーを検出した場合にインストールを停止するかどうかを指定します。


        Interrupt the installation for sccheck errors (yes/no) [no]?

    インストールの中断を選択し、sccheck ユーティリティーが問題を検出した場合は、ユーティリティーは問題に関する情報を表示して、対処方法を求めます。ログファイルは、/var/cluster/logs/install/sccheck/ ディレクトリにあります。

    インストールされている Sun Explorer ソフトウェアのバージョンが 3.5.1 以前のため、sccheck ユーティリティーがエラーメッセージと共に終了した場合は、既存の SUNWexplo パッケージを削除してください。 Sun Cluster 3.1 10/03 CD-ROM から SUNWexplo パッケージをインストールします。その後、scinstall ユーティリティーを再開します。

    scinstall ユーティリティーは、引き続きすべてのクラスタノードのインストールを行い、クラスタを再起動します。 Sun Cluster のインストール出力は、 /var/cluster/logs/install/scinstall.log. N ファイルに記録されます。

  15. ネームサービス検索順を設定します。

    ネームサービススイッチを構成する に進みます。

例 – Sun Cluster ソフトウェアをすべてのノードにインストールする (通常)

ここでは、scinstall を使用して 2 ノードクラスタで通常インストール作業を完了したときに、ログに記録される scinstall 進行状況メッセージの例を示します。クラスタノード名は、phys-schost-1phys-schost-2 です。指定されたアダプタ名は、qfe2hme2 です。Sun Cluster ソフトウェアは、Web Start プログラムによってすでにインストールされています。


  インストールと構成

    ログファイル - /var/cluster/logs/install/scinstall.log.834

    「/globaldevices」用のテストを「phys-schost-1」上で実行しています ... done
    「/globaldevices」用のテストを「phys-schost-2」上で実行しています ... done

    インストール状態を検査しています ... done

    Sun Cluster ソフトウエアは 「phys-schost-1」に既にインストールされています。
    Sun Cluster ソフトウエアは 「phys-schost-2」に既にインストールされています。

    クラスタトランスポート構成の検出を開始します。

    次の接続が見つかりました:

        phys-schost-1:qfe2  switch1  phys-schost-2:qfe2
        phys-schost-1:hme2  switch2  phys-schost-2:hme2

    クラスタトランスポート構成の検出を終了しました。

    sccheck を「phys-schost-1」上で開始しました。
    sccheck を「phys-schost-2」上で開始しました。

   sccheck が終了しました。「phys-schost-1」にエラーまたは警告はありません。
    sccheck が終了しました。「phys-schost-2」にエラーまたは警告はありません。

    「phys-schost-2」を構成しています ... done
    「phys-schost-2」を再起動しています ... done

    「phys-schost-1」を構成しています ... done
    「phys-schost-1」を再起動しています ...

ログファイル - /var/cluster/logs/install/scinstall.log.834

リブートしています ...

Sun Cluster ソフトウェアをすべてのノードにインストールする (カスタム)

クラスタのすべてのノードに Sun Cluster ソフトウェアをインストールし、すべてのクラスタ構成設定を指定するには、次の手順を実行します。デフォルトのクラスタ構成設定で Sun Cluster ソフトウェアをインストールするには、Sun Cluster ソフトウェアをすべてのノードにインストールする (通常)に進んでください。

  1. Solaris オペレーティング環境が Sun Cluster ソフトウェアをサポートするようにインストールされていることを確認します。

    Solaris ソフトウェアがすでにノード上にインストールされている場合は、Solaris のインストールが Sun Cluster ソフトウェアの必要条件、およびそのクラスタにインストールする予定の他のソフトウェアの必要条件を満たしていることを確認してください。Sun Cluster ソフトウェア必要条件を満たして、Solaris ソフトウェアをインストールするための詳細については、Solaris ソフトウェアをインストールするを参照してください。

  2. Sun Cluster ソフトウェアがあらかじめインストールされているかどうかを確認します。

    • インストールされている場合は、手順 3に進みます。

    • インストールされていない場合は、 スーパーユーザーのリモートシェル (rsh(1M)) またはセキュアシェル (ssh(1) ) アクセスを有効に します。 これを有効にすることで、scinstall ユーティリティーで Sun Cluster ソフトウェアパッケージをインストールできます。

  3. 以下の構成計画ワークシートに必要事項を記入したものを用意します。

    計画のガイドラインについては、Sun Cluster 環境の計画 を参照してください。

  4. クラスタをインストールするクラスタノードでスーパーユーザーになります。

  5. クラスタの 1 つのノードで、scinstall ユーティリティーを開始します。

    • Sun Cluster ソフトウェアをあらかじめインストールしてある場合は、以下のコマンドを入力します。


      # /usr/cluster/bin/scinstall
      

    • Sun Cluster ソフトウェアをあらかじめインストールしていない場合は、Sun Cluster 3.1 10/03 CD-ROM を挿入して、以下のコマンドを入力します。ここでver は、8 (Solaris 8 の場合) または 9 (Solaris 9 の場合) になります。


      # cd /cdrom/suncluster_3_1_u1/SunCluster_3.1/Sol_ver/Tools
      # ./scinstall
      

    対話形式の scinstall ユーティリティーを使用するときは、次のガイドラインに従ってください。

    • 対話式 scinstall を使用すると、先行入力が可能になります。したがって、次のメニュー画面がすぐに表示されなくても、何度も Return キーを押さないでください。

    • 特に指定のある場合を除いて、Control-D キーを押すと、関連する一連の質問の最初に戻るか、メインメニューに戻ります。

  6. 「Main Menu」で、1 (クラスタまたはクラスタノードのインストール) と入力します。


      *** メインメニュー ***
    
        次の (*) オプションのうちから 1 つを選択してください:
    
          * 1) クラスタまたはクラスタノードをインストール
            2) このインストールサーバーから JumpStart できるようにクラスタを構成
            3) 新しいデータサービスのサポートをこのクラスタノードに追加
          * 4) このクラスタノードのリリース情報を出力
    
          * ?) メニューオプションのヘルプ
          * q) 終了
    
        オプション:  1
    

  7. インストールメニューで、1 (新規クラスタのすべてのノードをインストール) と入力します。


      *** インストールメニュー ***
    
        次のオプションからどれか 1 つを選択してください。
    
            1) 新しいクラスタのすべてのノードをインストール
            2) このマシンを新しいクラスタの最初のノードとしてインストール
            3) このマシンを既存のクラスタ内にノードとして追加
    
            ?) メニューオプションのヘルプ
            q) メインメニューに戻る
    
        オプション:  1
    …
      *** 新しいクラスタのすべてのノードをインストールしています。 ***
    …
        継続しますか (yes/no) [yes]?  y
    

  8. Custom インストールオプションを指定するには、2 と入力します。


    >>> インストールのタイプ <<<
    …
        次のオプションから 1 つ選択してください:
    
            1) 通常
            2) カスタム
    
            ?) ヘルプ
            q) メインメニューへ戻る
    
        Option [1]:  2
    

  9. クラスタ名を指定します。


    >>> クラスタ名 <<<
    …
        確立したいクラスタ名は ?  clustername
    

  10. このクラスタの一部となる他のノードの名前を指定します。


    >>> クラスタノード <<<
    …
        ノード名:  node2
        ノード名 (終了するには Ctrl-D):  Control-D
    
        完成したノードのリスト:
    …
        よろしいですか (yes/no) [yes]?  

  11. データ暗号化標準 (DES) 認証を使用するかどうかを指定します。

    DES 認証を使用すると、インストール時にセキュリティのレベルを上げることができます。DES 認証により、スポンサーノードは、クラスタ構成を更新するためにスポンサーノードに接続しようとするノードを認証できるようになります。

    DES 認証を使用してセキュリティレベルを上げることを選択した場合、任意のノードがクラスタに参加できるようにするためには、必要な暗号化鍵をすべて構成する必要があります。詳細については、keyserv(1M) と publickey(4) のマニュアルページを参照してください。


    >>> ノードを追加する要求を認証する <<<
    …
        DES 認証を使用しますか (yes/no) [no]? 
  12. プライベートネットワークアドレスとネットマスクを指定します。


    >>> クラスタトランスポートのネットワークアドレス <<<
    …
        デフォルトのネットワークアドレスを使用しますか (yes/no) [yes]? 
        デフォルトのネットマスクを使用しますか (yes/no) [yes]? 


    注 –

    クラスタの構築に成功した後では、プライベートネットワークアドレスは変更できません。


  13. クラスタがトランスポート接続点を使用するかどうかを指定します。

    • 2 ノードクラスタである場合は、トランスポート接続点を使用するかどうかを指定します。


      >>> ポイントツーポイントケーブル <<<
       …
          この 2 ノードクラスタはトランスポート接続点を使用しますか (yes/no) [yes]? 


      ヒント –

      ノードがお互いに直接接続されているかどうかに関わらず、クラスタがトランスポート接続点を使用するように指定できます。クラスタがトランスポート接続点を使用するように指定した場合、将来、より簡単に新しいノードをクラスタに追加できます。


    • このクラスタに 3 つ以上のノードがある場合は、トランスポート接続点を使用する必要があります。Return キーを押して、次の画面に進みます。


       
      >>> ポイントツーポイントケーブル <<<
       …
      このクラスタは 2 ノードクラスタではないため、2 つのトランスポート接続点を構成するようにたずねられます。
          
      ENTER を押すと継続します: 

  14. このクラスタがトランスポート接続点を使用するかどうかを決定します。

    • 使用しない場合は、手順 15に進みます。

    • 使用する場合、トランスポート接続点の名前を指定します。この場合、デフォルトの名前 switchN を使用することも、独自の名前を作成することもできます。


      >>> クラスタトランスポート接続点 <<<
       …
          クラスタ内の 1 番目の接続点の名前は [switch1]? 
          クラスタ内の 2 番目の接続点の名前は [switch2]? 

  15. クラスタをインストールするノード用に、1 番目のクラスタインターコネクトトランスポートアダプタを指定します。


    >>> クラスタトランスポートアダプタとケーブル <<<
    
        「node」用の 1 番目のクラスタトランスポートアダプタを選択してください:
    
            1) adapter
            2) adapterN) Other
    
        オプション:  N
    

    scinstall ユーティリティーは、ノードで検出されたすべての Ethernet アダプタを一覧表示します。SCI-PCI アダプタなど、一覧に含まれていないアダプタを構成するには、「Other」メニューオプションに数字を入力します。続いて、後続のメニューで要求されたアダプタ情報を指定します。


    注 –

    SCI–PCI アダプタを使用するように構成されている場合、アダプタの接続 (ポート名) についてのプロンプトが表示されたときにデフォルト値を選択しないでください。 代わりに、SCI Dolphin スイッチ自体にあるポート名で、ノードが物理的に接続されるポート 名 (012、または 3) を指定してください。次の例に、デフォルトのポート名を使わずに、スイッチポート名 0 を指定した場合のプロンプトと応答を示しています。


    …
    … 
        デフォルトのポート名を「adapter」接続に使用しますか (yes/no) [yes]? n
        使用したいポートの名前は ?  0
    


  16. クラスタをインストールするノード用に、2 番目のクラスタインターコネクトトランスポートアダプタを指定します。


    >>> クラスタトランスポートアダプタとケーブル <<<
    
        「node」用の 1 番目のクラスタトランスポートアダプタを選択してください:
    
            1) adapter
            2) adapterN) Other
    
        オプション:  N
    

    scinstall コマンドを使用し、アダプタを 2 つまで構成できます。Sun Cluster ソフトウェアのインストール後は、scsetup ユーティリティーを使用してアダプタを追加構成できます。

  17. クラスタのほかのノードのトランスポートアダプタの選択に、自動検出機能を使用するかどうかを指定します。


        他のノードに自動検証を使用してよろしいですか。[yes]?  

    • yes と入力して自動検出の使用を選択した場合は、手順 18に進みます。scinstall ユーティリティーは、トランスポートアダプタ、接続点、およびポートを選択して、残りのノードを構成します。

    • no と入力して自動検出を選ばない場合は、後続のプロンプトに応答します。 トランスポートアダプタ名、接続点名、ポート名を指定して、残りの各ノードを構成します。

  18. scinstall ユーティリティーがパッチをインストールすることを確認します。

    パッチの入手先とインストール方法については、『Sun Cluster 3.1 ご使用にあたって 』の「パッチと必須ファームウェアのレベル」を参照してください。


    >>> ソフトウエアパッチのインストール <<<
    …
        scinstall でパッチをインストールしますか。 [yes] y
        パッチディレクトリの名前を指定してください。 /var/cluster/patches
        パッチリストファイルを使用するのに scinstall が必要ですか。 [no]  n
  19. 広域デバイスのファイルシステム名を指定します。


    >>> 広域デバイスファイルシステム <<<
    …
        デフォルトでは、/globaldevices を使用します。
    …
        このデフォルトを使用しますか (yes/no) [yes]? 

  20. scinstall ユーティリティーがインストールを開始することを確認します。


        インストールを開始してよろしいですか。 [yes]  y
    
  21. sccheck ユーティリティーがエラーを検出した場合にインストールを停止するかどうかを指定します。


        sccheck エラーでインストールを中断しますか。 [no]

    インストールの中断を選択し、sccheck ユーティリティーが問題を検出した場合は、ユーティリティーは問題に関する情報を表示して、対処方法を求めます。ログファイルは、/var/cluster/logs/install/sccheck/ ディレクトリにあります。

    インストールされている Sun Explorer ソフトウェアのバージョンが 3.5.1 以前のため、sccheck ユーティリティーがエラーメッセージと共に終了した場合は、既存の SUNWexplo パッケージを削除してください。 Sun Cluster 3.1 10/03 CD-ROM から SUNWexplo パッケージをインストールします。その後、scinstall ユーティリティーを再開します。

    scinstall ユーティリティーは、引き続きすべてのクラスタノードのインストールを行い、クラスタを再起動します。Sun Cluster のインストール出力は、 /var/cluster/logs/install/scinstall.log. N ファイルに記録されます。

  22. ネームサービス検索順を設定します。

    ネームサービススイッチを構成する に進みます。

例 – Sun Cluster ソフトウェアをすべてのノードにインストールする (カスタム)

ここでは、scinstall を使用して 2 ノードクラスタで Custom インストール作業を完了したときに、ログに記録される scinstall 進行状況メッセージの例を示します。クラスタノード名は、phys-schost-1phys-schost-2 です。指定されたアダプタ名は、qfe2hme2 です。Sun Cluster ソフトウェアは、Web Start プログラムによってすでにインストールされています。


  インストールと構成

    ログファイル - /var/cluster/logs/install/scinstall.log.834

    「/globaldevices」用のテストを「phys-schost-1」上で実行しています ... done
    「/globaldevices」用のテストを「phys-schost-2」上で実行しています ... done

    インストール状態を検査しています ... done

    Sun Cluster ソフトウエアは 「phys-schost-1」に既にインストールされています。
    Sun Cluster ソフトウエアは 「phys-schost-2」に既にインストールされています。

    クラスタトランスポート構成の検出を開始します。

    次の接続が見つかりました:

        phys-schost-1:qfe2  switch1  phys-schost-2:qfe2
        phys-schost-1:hme2  switch2  phys-schost-2:hme2

    クラスタトランスポート構成の検出を終了しました。

    sccheck を「phys-schost-1」上で開始しました。
    sccheck を「phys-schost-2」上で開始しました。

   sccheck が終了しました。「phys-schost-1」にエラーまたは警告はありません。
    sccheck が終了しました。「phys-schost-2」にエラーまたは警告はありません。

    「phys-schost-2」を構成しています ... done
    「phys-schost-2」を再起動しています ... done

    「phys-schost-1」を構成しています ... done
    「phys-schost-1」を再起動しています ...

ログファイル - /var/cluster/logs/install/scinstall.log.834

リブートしています ...

追加のクラスタノードとして Sun Cluster ソフトウェアをインストールする (scinstall)

この手順を実行して、新しいノードを既存のクラスタに追加します。

  1. Solaris オペレーティング環境が Sun Cluster ソフトウェアをサポートするようにインストールされていることを確認します。

    Solaris ソフトウェアがすでにノード上にインストールされている場合は、Solaris のインストールが Sun Cluster ソフトウェアの必要条件、およびそのクラスタにインストールする予定の他のソフトウェアの必要条件を満たしていることを確認してください。Sun Cluster ソフトウェア必要条件を満たして、Solaris ソフトウェアをインストールするための詳細については、Solaris ソフトウェアをインストールするを参照してください。

  2. クラスタが新しいノードを受け入れるための準備

    Sun Cluster 3.1 10/03 のシステム管理』の「クラスタノードの追加と削除」の「ノードを認証ノードリストに追加する」手順に従います。

  3. Sun Cluster ソフトウェアがあらかじめインストールされているかどうかを確認します。

    • インストールされている場合は、手順 4に進みます。

    • インストールされていない場合は、 スーパーユーザーのリモートシェル (rsh(1M)) またはセキュアシェル (ssh(1) ) アクセスを有効に します。 これを有効にすることで、scinstall ユーティリティーで Sun Cluster ソフトウェアパッケージをインストールできます。

  4. インストールするクラスタノードでスーパーユーザーになります。

  5. scinstall ユーティリティーを起動します。

    • Sun Cluster ソフトウェアをあらかじめインストールしてある場合は、以下のコマンドを入力します。


      # /usr/cluster/bin/scinstall
      

    • Sun Cluster ソフトウェアをあらかじめインストールしていない場合は、Sun Cluster 3.1 10/03 CD-ROM を挿入します。次のコマンドを入力します。ここで、ver8 (Solaris 8 の場合) または 9 (Solaris 9 の場合) になります。


      # cd /cdrom/suncluster_3_1_u1/SunCluster_3.1/Sol_ver/Tools
      # ./scinstall
      

    対話形式の scinstall ユーティリティーを使用するときは、次のガイドラインに従ってください。

    • 対話式 scinstall を使用すると、先行入力が可能になります。したがって、次のメニュー画面がすぐに表示されなくても、何度も Return キーを押さないでください。

    • 特に指定のある場合を除いて、Control-D キーを押すと、関連する一連の質問の最初に戻るか、メインメニューに戻ります。

  6. 「メインメニュー」で、1 (クラスタまたはクラスタノードのインストール) と入力します。


      *** メインメニュー ***
    
        次の (*) オプションのうちから 1 つを選択してください:
    
          * 1) クラスタまたはクラスタノードをインストール
            2) このインストールサーバーから JumpStart できるようにクラスタを構成
            3) 新しいデータサービスのサポートをこのクラスタノードに追加
          * 4) このクラスタノードのリリース情報を出力
    
          * ?) メニューオプションのヘルプ
          * q) 終了
    
        オプション:  1
    

  7. Install Menu メニューで、3 (このマシンをノードとして既存のクラスタに追加) と入力します。


      *** インストールメニュー ***
    
        次のオプションからどれか 1 つを選択してください。
    
            1) 新しいクラスタのすべてのノードをインストール
            2) このマシンを新しいクラスタの最初のノードとしてインストール
            3) このマシンを既存のクラスタ内にノードとして追加
    
            ?) メニューオプションのヘルプ
            q) メインメニューに戻る
    
        オプション:  3
    …
      *** 新しいクラスタのすべてのノードをインストールしています。 ***
    …
        継続しますか (yes/no) [yes]?  y
    

  8. Sun Cluster ソフトウェアパッケージのインストールを継続するかどうかをたずねられるので、yes と入力します。


    >>> ソフトウェアパッケージのインストール <<<
      
        Sun Cluster フレームワークソフトウェアのパッケージのインストールには数分かかります。
      
        継続しますか (yes/no) [yes]?  y
      
    ** SunCluster 3.1 をインストールしています **
            SUNWscr.....完了しました。
    …
    ENTER を押すと継続します

    すべてのパッケージをインストールしたなら、Return キーを押して次の画面に進みます。

  9. scinstall ユーティリティーがパッチをインストールすることを確認します。

    パッチの入手先とインストール方法については、『Sun Cluster 3.1 ご使用にあたって 』の「パッチと必須ファームウェアのレベル」を参照してください。


    >>> Software Patch Installation <<<
    …
        scinstall でパッチをインストールしますか。 [yes] y
        パッチディレクトリの名前を指定してください。 /var/cluster/patches
        パッチリストファイルを使用するのに scinstall が必要ですか。 [no]  n
  10. スポンサーノードとなる既存のクラスタノードの名前を指定します。


    >>> スポンサーノード <<<
    …
     ...
    スポンサーノードの名前は ?  node1
    

  11. クラスタ名を指定します。


    >>> クラスタ名 <<<
    …
    ...
       参加したいクラスタ名は ?  clustername
    

  12. sccheck ユーティリティーがエラーを検出した場合に、インストールを停止するかどうかを指定します。


    >>> チェック <<<
    …
        sccheck を起動しますか (yes/no) [yes]?  y
    

    インストールの中断を選択し、sccheck ユーティリティーが問題を検出した場合は、ユーティリティーは問題に関する情報を表示して、対処方法を求めます。ログファイルは、/var/cluster/logs/install/sccheck/ ディレクトリにあります。

    インストールされている Sun Explorer ソフトウェアのバージョンが 3.5.1 以前のため、sccheck ユーティリティーがエラーメッセージと共に終了した場合は、既存の SUNWexplo パッケージを削除してください。 Sun Cluster 3.1 10/03 CD-ROM から SUNWexplo パッケージをインストールします。その後、scinstall ユーティリティーを再開します。

    ノードが sccheck 妥当性検査をパスした場合は、次の手順に進みます。

  13. 自動検出を使用してクラスタトランスポートを構成するかどうかを指定します。

    Ethernet アダプタを使用しない構成の場合は、no と答えて 手順 15 に進みます。


    >>> クラスタトランスポートの自動検出 <<<
      
        Ethernet アダプタをクラスタトランスポートアダプタとして使用している場合、クラスタトランスポートを構成する最良の方法は自動検出です。
      
        自動検出を使用しますか (yes/no) [yes]?
    …
        次の接続が見つかりました:
      
            node1:adapter1 switch1 node2:adapter1 
            node1:adapter2 switch2 node2:adapter2 
      
        これらの接続を構成に追加しますか (yes/no) [yes]?

  14. 手順 13で自動検出を使用したかどうかを確認します。

    • 使用した場合は、手順 22 に進みます。

    • 使用していない場合は、手順 15 に進みます。

  15. 2 ノードクラスタであるかどうかを指定します。


    >>> ポイントツーポイントケーブル <<<
    …
        これは 2 ノードクラスタですか (yes/no) [yes]? 

  16. 2 ノードクラスタであると指定したかどうかを確認します。

    • 指定した場合は、クラスタがトランスポート接続点を使用するかどうかを指定します。


          この2 ノードクラスタはトランスポート接続点を使用しますか (yes/no) [yes]? 

    • 指定していない場合は、Return キーを押して継続します。クラスタに 3 つ以上のノードが含まれる場合は、トランスポート接続点を使用する必要があります。


          このクラスタは 2 ノードクラスタではないため、2 つのトランスポート
          接続点を構成するようにたずねられます
        
      ENTER を押すと継続します: 

  17. クラスタがトランスポート接続点を使用すると指定したかどうかを確認します。

    • 指定していない場合は、手順 18 に進みます。

    • 指定した場合は、トランスポート接続点を指定します。


      >>> クラスタトランスポート接続点 <<<
       …
          クラスタ内の 1 番目の接続点の名前は [switch1]? 
          クラスタ内の 2 番目の接続点の名前は [switch2]? 

  18. 最初のクラスタインターコネクトトランスポートアダプタを指定します。

    help と入力すると、ノードで利用可能なすべてのトランスポートアダプタの一覧が表示されます。


    >>> クラスタトランスポートアダプタとケーブル <<<
    ...
        1 番目のクラスタトランスポートアダプタの名前は (help) ?  adapter
    

  19. 最初のトランスポートアダプタの接続先を指定します。

    • トランスポートアダプタがトランスポート接続点を使用する場合は、トランスポート接続点の名前とそのポートを指定します。


          「adapter」が接続される接続点の名前は [switch1]?
      … 
          デフォルトのポート名を「adapter」接続に使用しますか (yes/no) [yes]? 

    • トランスポートアダプタがトランスポート接続点を使用しない場合は、最初のトランスポートアダプタが接続されている他のトランスポートアダプタの名前を指定します。


          「adapter」が接続される「node1」上のアダプタの名前は ?  adapter
      
  20. 2 番目のクラスタインターコネクトトランスポートアダプタを指定します。

    help と入力すると、ノードで利用可能なすべてのトランスポートアダプタの一覧が表示されます。


        2 番目のクラスタトランスポートアダプタの名前は (help) ?  adapter
    

  21. 2 番目のトランスポートアダプタの接続先を指定します。

    • トランスポートアダプタがトランスポート接続点を使用する場合は、トランスポート接続点の名前とそのポートを指定します。


          「adapter」が接続される接続点の名前は [switch2]? 
          デフォルトのポート名を「adapter」接続に使用しますか (yes/no) [yes]? 
       
      ENTER を押すと継続します: 

    • トランスポートアダプタがトランスポート接続点を使用しない場合は、最初のトランスポートアダプタが接続されている他のトランスポートアダプタの名前を指定します。


          「adapter」が接続される「node1」上のアダプタの名前は ?  adapter
      

  22. 広域デバイスのファイルシステム名を指定します。


    >>> 広域デバイスファイルシステム <<<
    …
        デフォルトでは、/globaldevices を使用します。
     
        このデフォルトを使用しますか (yes/no) [yes]? 

  23. 自動リブートを指定します。


    >>> 自動リブート <<<
    …
        scinstall にマシンをリブートさせますか (yes/no) [yes]? y
    

  24. scinstall コマンドにより生成されたオプションを受け入れるか否か決定します。

    確認のため、これまでの入力から生成された scinstall コマンドが表示されます。


    >>> 確認 <<<
     
        次のオプションを scinstall に指示しています:
     
          scinstall -i  \
    …
        これらのオプションを使用しますか (yes/no) [yes]? 
        インストールを継続しますか (yes/no) [yes]? 

    • インストールを続行する場合は、scinstall の処理が継続されます。

      Sun Cluster のインストール出力は、 /var/cluster/logs/install/scinstall.log. N ファイルに記録されます。


      注 –

      独自の /etc/inet/ntp.conf ファイルをインストールしていない限り、scinstall コマンドは自動的にデフォルトの ntp.conf ファイルをインストールします。デフォルトファイルでは、可能な最大ノード数を想定しています。したがって、xntpd(1M) デーモンは起動時にこれらのノードに関してエラーメッセージを発行することがあります。これらのメッセージは無視しても問題ありません。通常のクラスタ条件下で、これらのメッセージを表示しないようにする方法については、ネットワークタイムプロトコル (NTP) を構成する を参照してください。


    • コマンドを拒否した場合は、Sun Cluster ソフトウェアのインストールを解除するかどうかたずねられます。


          Sun Cluster ソフトウェアのインストールを解除しますか (yes/no) [no]? 

      scinstall が Main Menu に戻った後は、もう一度メニューオプション 2 を実行して異なる応答を指定できます。この場合、以前のセッションの応答がデフォルトとして表示されます。

  25. すべてのノードが完全に構成されるまで、各追加ノードに対してこの手順を繰り返します。

  26. アクティブなクラスタメンバーから、ノードがクラスタに接続するのを防止します。


    # /usr/cluster/bin/scconf -a -T node=.
    
    -a

    追加

    -T

    認証オプションを指定します。

    node=.

    認証リストに追加するドット (.) のノード名を指定して、これ以外のノードがクラスタに追加されるのを防止します。

    あるいは、scsetup(1M) ユーティリティも使用できます。手順については、『Sun Cluster 3.1 10/03 のシステム管理』の「クラスタノードの追加と削除」の「ノードを認証ノードリストに追加する」を参照してください。

  27. ネームサービス検索順を設定します。

    ネームサービススイッチを構成する に進みます。

例 – Sun Cluster ソフトウェアを追加ノードにインストールする

ここでは、実行した scinstall コマンドと、scinstallphys-schost-3 ノード上で完了したインストール作業において、ユーティリティーが記録したメッセージを示します。スポンサーノードは、phys-schost-1 です。


>>> 確認 <<<
  
    次のオプションを scinstall に指示しています。:
  
      scinstall -ik \
           -C sc-cluster \
           -N phys-schost-1 \
           -A trtype=dlpi,name=hme1 -A trtype=dlpi,name=hme3 \
           -m endpoint=:hme1,endpoint=switch1 \
           -m endpoint=:hme3,endpoint=switch2
  
    これらのオプションを使用しますか (yes/no) [yes]?
  
    インストールを継続しますか (yes/no) [yes]?
  
広域デバイスファイルシステムとして使用できるかどうかをチェックしています ... done
  
ノード「phys-schost-3」をクラスタ構成に追加しています ... done
アダプタ「hme1」をクラスタ構成に追加しています ... done
アダプタ「hme3」をクラスタ構成に追加しています ... done
ケーブルをクラスタ構成に追加しています ... done
ケーブルをクラスタ構成に追加しています ... done
  
「phys-schost-1」から構成をコピーしています ... done
「phys-schost-3」のノード ID を設定しています ... done (id=3)
 
「did」ドライバのメジャー番号を「phys-schost-1」で確認しています ... done
  
広域ファイルシステムの広域デバイスをチェックしています .. done
vfstab を更新しています ... done
  
NTP が構成されているかどうかを確認しています ... done
デフォルトの NTP 構成をインストールしています ... done
scinstall が終了した後、NTP 構成を完了してください。
  
「cluster」が nsswitch.conf の「hosts」用に設定されていることを確認しています ... 完了しました。
「cluster」スイッチを nsswitch.conf の「hosts」に追加しています ... 完了しました。
  
「cluster」が nsswitch.conf の「netmasks」用に設定されていることを確認しています ... 完了しました。
「cluster」スイッチを nsswitch.conf の「netmasks」に追加しています ... 完了しました。
  
電源管理が構成されていないことを確認しています ... 完了しました。
電源管理の構成を解除しています ... 完了しました。
/etc/power.conf の名前は /etc/power.conf.093003193804 に変更されました
電源管理はクラスタの HA でサポートされません。
電源管理を構成し直さないでください。
  
EEPROM パラメータ「local-mac-address?」が「true」に設定されていることを確認しています ... 完了しました。
ネットワークルーティングが無効であることを確認しています ... 完了しました。
このノードでは、/etc/notrouter を作成することによって、ネットワークルーティングが無効になっています。
Sun Cluster は、クラスタノードをルーターとして動作させることをサポートしていません。
ネットワークルーティングを有効にし直さないでください。
  
ログファイル - /var/cluster/logs/install/scinstall.log.19707
  
  
リブートしています ...

SunPlex Manager により Sun Cluster ソフトウェアをインストールする


注 –

既存のクラスタに新しいノードを追加する場合は、SunPlex Manager を使用しないでください。 代わりに、追加のクラスタノードとして Sun Cluster ソフトウェアをインストールする (scinstall)の手順を使用してください。


この節では、SunPlex Manager のインストール方法について説明します。この節では、SunPlex Manager を使用して Sun Cluster ソフトウェアをインストールし、新しいクラスタノードを確立する方法についても説明します。SunPlex Manager は、以下の追加ソフトウェア製品をインストールする場合にも使用できます。

次に、SunPlex Manager を使用してこれらの追加ソフトウェア製品をインストールするための必要条件を示します。

表 2–2 SunPlex Manager によるソフトウェアインストールの要件

ソフトウェアパッケージ 

インストール必要条件 

Solstice DiskSuite/Solaris Volume Manager 

/sds をマウントポイント名として使用するパーティション。少なくとも 20M バイトのパーティションが必要

Sun Cluster HA for NFS データサービス 

  • 同じノードセットに接続された、サイズが同じである 2 台以上の共有ディスク

  • SunPlex Manager によってインストールされた Solstice DiskSuite ソフトウェア、または構成された Solaris Volume Manager ソフトウェア

  • Sun Cluster HA for NFS が使用する論理ホスト名。この論理ホスト名の IP アドレスは、すべてのクラスタノードからアクセスできる必要があります。IP アドレスは、クラスタノードのベースホスト名と同じサブネット上に存在するアドレスでなければなりません。

  • クラスタの各ノード用のテスト IP アドレス。SunPlex Manager は、テスト IP アドレスを使用して、Sun Cluster HA for NFS が使用する IP ネットワークマルチパス (Internet Protocol Network Multipathing) グループを作成します。

Sun Cluster HA for Apache スケーラブルデータサービス 

  • 同じノードセットに接続された、サイズが同じである 2 台以上の共有ディスク

  • SunPlex Manager によってインストールされた Solstice DiskSuite ソフトウェア、または構成された Solaris Volume Manager ソフトウェア

  • Sun Cluster HA for Apache が使用する共有アドレス。この共有アドレスの IP アドレスは、すべてのクラスタノードからアクセスできる必要があります。IP アドレスは、クラスタノードのベースホスト名と同じサブネット上に存在するアドレスでなければなりません。

  • クラスタの各ノード用のテスト IP アドレス。SunPlex Manager は、テスト IP アドレスを使用して、Sun Cluster HA for Apache が使用する IP ネットワークマルチパス (Internet Protocol Network Multipathing) グループを作成します。

指定したテスト IP アドレスは、以下の必要条件を満たす必要があります。

次の表に、SunPlex Manager が作成する各メタセット名とクラスタファイルシステムのマウントポイントのリストを示します。SunPlex Manager が作成するメタセットおよびマウントポイントの数は、そのノードに接続される共有ディスクの数で異なります。たとえば、ノードに 4 台の共有ディスクが接続されている場合、 SunPlex Manager は、mirror-1mirror-2 のメタセットを作成します。ただし、SunPlex Manager は、mirror-3 メタセットは作成しません。これは、このノードに 3 つ目のメタセットを作成するだけの十分な共有ディスクが存在しないためです。

表 2–3 SunPlex Manager がインストールするメタセット

共有ディスク 

メタセット名 

クラスタファイルシステムマウントポイント 

目的 

共有ディスクの 1 番目のペア 

mirror-1

/global/mirror-1

Sun Cluster HA for NFS または Sun Cluster HA for Apache スケーラブルデータサービス、あるいはこの両方 

共有ディスクの 2 番目のペア 

mirror-2

/global/mirror-2

未使用 

共有ディスクの 3 番目のペア 

mirror-3

/global/mirror-3

未使用 


注 –

クラスタが共有ディスクの最低必要条件を満たさなくても、SunPlex Manager は Solstice DiskSuite パッケージをインストールします。ただし、十分な共有ディスクが存在しない状態では、SunPlex Manager はメタセット、メタデバイス、またはボリュームを構成できません。さらに、SunPlex Manager は、データサービスのインスタンスを作成するのに必要なクラスタファイルシステムを構成することができません。


セキュリティを高めるために、SunPlex Manager は制限された文字セットを認識します。この文字セットに属していない文字は、HTML フォームが SunPlex Manager サーバーに送信されたときに無視されます。SunPlex Manager では、次の文字を使用できます。


()+,-./0-9:=@A-Z^_a-z{|}~

このフィルタ機能によって、以下の問題が生じる可能性があります。

SunPlex Manager ソフトウェアをインストールする

ここでは、クラスタに SunPlex Manager ソフトウェアをインストールする手順について説明します。


注 –

別の方法で Sun Cluster ソフトウェアをインストールする場合は、この作業を行う必要はありません。scinstall コマンドにより、インストール処理の一環として、SunPlex Manager を自動的にインストールします。


この作業はクラスタの各ノード上で行ってください。

  1. クラスタの各ノードに Solaris ソフトウェアとパッチがインストールされていることを確認します。

    Solaris ソフトウェアのインストールは、 Solaris ソフトウェアをインストールする で説明されているとおりに行う必要があります。


    注 –

    Solaris ソフトウェアがすでにノードにインストールされている場合は、Solaris のインストールが Sun Cluster ソフトウェアの必要条件を満たしていることを確認してください。また、そのクラスタにインストールする予定の他のソフトウェアの必要条件も満たしている必要があります。


  2. クラスタノード上にインストールするクラスタノード上でスーパーユーザーになります。

  3. Apache ソフトウェアパッケージがノードにインストールされていることを確認します。

    • インストールされている場合は、手順 4に進みます。

    • Apache ソフトウェアパッケージをインストールします。

    1. ノードの CD-ROM ドライブに Solaris 8 Software 2 of 2 CD-ROM を挿入します。

      ボリューム管理デーモン vold(1M) が実行されていて CD-ROM デバイスを管理するように構成されている場合は、このデーモンによって自動的に CD-ROM がマウントされます。

    2. /cdrom/sol_8_sparc/Solaris_8/Product ディレクトリに移動します。


      # cd /cdrom/sol_8_sparc/Solaris_8/Product
      

      Solaris 9 の場合は、 /cdrom/cdrom0/Solaris_9/Product ディレクトリに移動します。


      # cd /cdrom/cdrom0/Solaris_9/Product
      

    3. Apache ソフトウェアパッケージを次の順序でインストールします。


      # pkgadd -d . SUNWapchr SUNWapchu SUNWapchd
      

    4. Apache ソフトウェアパッチをインストールします。

      パッチの入手先とインストール方法については、『Sun Cluster 3.1 ご使用にあたって 』の「パッチと必須ファームウェアのレベル」を参照してください。

  4. SunPlex Manager ソフトウェアパッケージをインストールします。

    1. ノードの CD-ROM ドライブに Sun Cluster 3.1 10/03 CD-ROM を挿入します。

      ボリューム管理デーモン vold(1M) が実行されており、CD-ROM デバイスを管理するように構成されている場合は、CD-ROM は自動的に /cdrom/suncluster_3_1_u1 ディレクトリにマウントされます。

    2. /cdrom/suncluster_3_1/SunCluster_3.1/Sol_ver/Packages ディレクトリに移動します。ここで ver は、8 (Solaris 8 の場合) または 9 (Solaris 9 の場合) になります。 に置き換えます。

      以下の例では、Sun Cluster ソフトウェアの Solaris 8 バージョンのパスを使用しています。


      # cd /cdrom/suncluster_3_1_u1/SunCluster_3.1/Sol_8/Packages
      

    3. SunPlex Manager ソフトウェアパッケージをインストールします。すべてのプロンプトに「yes」と入力します。


      # pkgadd -d . SUNWscva SUNWscvr SUNWscvw
      

  5. クラスタ内の各ノードで、手順 2 から手順 4 までの手順を繰り返します。

  6. クラスタの全ノードで同じ root パスワードが設定されているかどうかを確認します。

    • 同じ場合は、手順 7 に進みます。

    • 異なる場合は、クラスタのすべてのノードで同じ値になるように root パスワードを設定してください。必要に応じて、chkey(1) コマンドを使用して RPC 鍵ペアを更新してください。


      # passwd
      新しいパスワードを入力する
      # chkey -p
      

    root パスワードを使用して SunPlex Manager にアクセスするためには、クラスタ内のすべてのノードで root パスワードが同じでなければなりません。

  7. SunPlex Manager を使用して Sun Cluster ソフトウェアをインストールします。

    Sun Cluster ソフトウェアをインストールする (SunPlex Manager)に進みます。

Sun Cluster ソフトウェアをインストールする (SunPlex Manager)

注 –

既存のクラスタに新しいノードを追加する場合は、SunPlex Manager を使用しないでください。 代わりに、追加のクラスタノードとして Sun Cluster ソフトウェアをインストールする (scinstall) に進んでください。


SunPlex Manager を使用して Sun Cluster ソフトウェアとパッチを 1 回の操作でクラスタ内のすべてのノードにインストールするには、次の手順を実行してください。この手順は、Solstice DiskSuite ソフトウェアとパッチのインストール (Solaris 8)、または Solaris Volume Manager ミラーディスクセットの構成 (Solaris 9) にも使用できます。

SunPlex Manager を使用して Solstice DiskSuite ソフトウェアのインストール、または Solaris Volume Manager ディスクセットの構成を行う場合は、以下のデータサービスの 1 つまたは両方をインストールできます。

インストール処理には、30 分から 2 時間以上かかる場合があります。実際に要する時間は、クラスタノードの数、インストールするデータサービスの種類、クラスタ構成内のディスクの数により異なります。

  1. SunPlex Manager を使用してソフトウェアをインストールするための必要条件にクラスタ構成が適合していることを確認します。

    インストールの必要条件と制限については、SunPlex Manager により Sun Cluster ソフトウェアをインストールする を参照してください。

  2. Sun Cluster HA for NFS または Sun Cluster HA for Apache をインストールするかどうかを決定します。

  3. クラスタの各ノードに SunPlex Manager ソフトウェアがインストールされていることを確認します。

    インストール手順については、SunPlex Manager ソフトウェアをインストールするを参照してください。

  4. 以下の構成計画ワークシートに必要事項を記入したものを用意します。

    計画のガイドラインについては、第 1 章「Sun Cluster 構成の計画」および『Sun Cluster 3.1 データサービスの計画と管理』を参照してください。

  5. インストールする各ソフトウェア製品の CD-ROM イメージへのファイルシステムパスを用意します。

    1. 各ノードが使用できる場所に各 CD-ROM イメージを用意します。

      CD-ROM イメージは、クラスタのすべてのノードから同じファイルシステムパスを使用してアクセスできなければなりません。これらのパスとして、以下に示す場所のいずれかを指定できます。

      • クラスタの外部に存在するマシンからネットワークにエクスポートされた CD-ROM ドライブ

      • クラスタの外部に存在するマシン上のエクスポートされたファイルシステム

      • クラスタの各ノード上のローカルファイルシステムにコピーされた CD-ROM イメージローカルファイルシステムの名前は、すべてのノードで同じにする必要があります。

    2. 各 CD-ROM イメージのパスを記録します。

      この情報は、手順 17で指定します。

  6. インターコネクトトランスポート用に Remote Shared Memory Application Programming Interface (RSMAPI) または SCI-PCI アダプタを使用するかどうかを決定します。

    • 使用しない場合は、手順 7 に進みます。

    • 使用する場合は、RSMAPI または SCI-PCI アダプタのサポートに必要な追加パッケージを Sun Cluster 3.1 10/03 CD-ROM からインストールします。SunPlex Manager は、これらの追加パッケージを自動的にインストールしません。次の表は、Sun Cluster 3.1 10/03 パッケージと、インストールする順番を示しています。

      機能 

      インストールする追加の Sun Cluster 3.1 10/03 パッケージ 

      RSMAPI 

      SUNWscrif

      SCI-PCI アダプタ 

      SUNWsci SUNWscid SUNWscidx

      追加パッケージのインストールには、以下のコマンドを使用します。ver は、8 (Solaris 8 の場合) または 9 (Solaris 9 の場合) に置き換えます。


      # cd /cdrom/suncluster_3_1_u1/SunCluster_3.1/Sol_ver/Packages
      # pkgadd -d . packages
      

  7. Sun Cluster または Solstice DiskSuite ソフトウェアをサポートするために必要なパッチがあるかどうかを確認します。

    • 存在する場合は、手順 8 に進みます。

    • 存在しない場合は、手順 10 に進みます。

  8. パッチのインストールに SunPlex Manager を使用するかどうかを決定します。

    • 使用する場合は、手順 9 に進みます。

    • 使用しない場合は、SunPlex Manager を使用する前に、Sun Cluster または Solstice DiskSuite ソフトウェアのサポートに必要なパッチをすべて手動でインストールして、手順 10に進みます。

  9. Sun Cluster または Solstice DiskSuite ソフトウェアに必要なパッチを 1 つのディレクトリにコピーします。このディレクトリは、各ノードが利用できるファイルシステム上に存在しなければなりません。

    1. このディレクトリには、各パッチのバージョンを 1 つだけコピーするようにしてください。

      パッチディレクトリに同じパッチのバージョンが複数存在すると、SunPlex Manager はパッチの依存性順位を正しく判断できなくなります。

    2. パッチファイルが解凍されていることを確認します。

    3. パッチディレクトリのパスを記録します。

      この情報は、手順 17 で指定します。

  10. SunPlex Manager を起動します。

    1. 管理コンソール、またはクラスタの外部に存在する他のマシンから、ブラウザを起動します。

    2. ブラウザの Web プロキシを無効にします。

      SunPlex Manager のインストール機能は、Web プロキシと互換性がありません。

    3. ディスクキャッシュとメモリーキャッシュが有効になっていることを確認します。

      ディスクキャッシュとメモリーキャッシュのサイズは、0 より大きくなくてはなりません。

    4. ブラウザから、任意のクラスタノードのポート 3000 に接続します。


      https://node:3000
      

      ブラウザのウィンドウに「Sun Cluster のインストール」画面が表示されます。


      注 –

      「Sun Cluster のインストール」画面ではなく管理インタフェースが表示される場合は、そのノードに Sun Cluster ソフトウェアがすでにインストールされています。URL 内のノード名がインストール対象のクラスタノードの名前と一致していることを確認してください。


    5. ブラウザに「新しいサイトの証明書」ウィンドウが表示された場合は、画面上の指示に従ってください。

    6. スーパーユーザーとしてログインします。

  11. 「Sun Cluster のインストール」画面で、SunPlex Manager を使用するための要件をクラスタが満たしていることを確認します。

    • Solaris エンドユーザーソフトウェアグループまたはこれ以上の機能がインストールされていること

    • ルートディスクパーティションが以下を満たしていること

      • 少なくとも 750M バイトの swap

      • マウントポイントが /globaldevices に設定された 512M バイトのスライス

      • ボリューム管理ソフトウェア用に、マウントポイントが /sds に設定された 20M バイトのスライス

    • 手順 5 から 手順 9 までに説明されているように、必要となるすべての CD-ROM イメージのファイルシステムパスとパッチが設定されていること

    示されている必要条件をすべて満たしている場合は、「次へ」をクリックして次の画面に進みます。

  12. クラスタの名前を入力し、クラスタ内のノードの数を選択します。

    表示されるデフォルトのノード数がクラスタにインストールするノード数よりも大きくなることもあります。この場合は、インストールするノードの正しい数を選択してください。これは、SunPlex Manager がインストール可能な他のノードが、ユーザーがインストールしようとしているノードと同じパブリックネットワークを使用している場合に発生します。


    ヒント –

    「戻る」ボタンを使用して前の画面に戻り、情報を変更できます。ただし、後続の画面で入力した情報は保持されません。それらの画面の構成情報は、再度入力する必要があります。


  13. 各クラスタノードの名前を入力します。

    SunPlex Manager は、GUI がパブリックネットワーク上で見つけたノード名で、SunPlex Manager がインストール可能なノード名を デフォルトとして提供します。ネットワーク上にあるノード数よりも大きい数を指定した場合は、SunPlex Manager は追加のデフォルト名を提供します。このような追加のデフォルト名は、「phys-clustername-N」という命名規約に従って作成されます。


    注 –

    SunPlex Manager は、ユーザーがクラスタにインストールしようとしているノード以外のノードを表示することもあります。これは次の状況で発生します。

    • 他のノードが、インストール使用としているノードと同じパブリックネットワークを使用している場合

    • Sun Cluster ソフトウェアをまだインストールしていないときに、SunPlex Manager ソフトウェアによって他のノードがインストールされた場合

    SunPlex Manager によってクラスタ内のノードに希望しない名前が付けられた場合、希望する名前で上書き入力します。


  14. 各ノードのプルダウンリストから、プライベートインターコネクトに使用するアダプタの名前を 2 つ選択します。

    各ノードに対応するアダプタ名については、「クラスタインターコネクトのワークシート」を参照してください。

  15. Solstice DiskSuite ソフトウェアをインストールするかどうか (Solaris 8)、Solaris Volume Manager ミラーディスクセットを構成するかどうか (Solaris 9) を選択します。

    Sun Cluster HA for NFS または Sun Cluster HA for Apache をインストールする予定の場合は、Solstice DiskSuite ソフトウェアをインストールするか (Solaris 8)、Solaris Volume Manager ミラーディスクセットを構成する (Solaris 9) 必要があります。


    Caution – Caution –

    SunPlex Manager が Solstice DiskSuite ソフトウェアをインストールするか、Solaris Volume Manager ディスクセットを構成する場合、共有ディスク内のデータがすべて失われます。


  16. 手順 15で、Solstice DiskSuite ソフトウェアのインストールまたは Solaris Volume Manager ディスクセットの構成を選択したかどうかを確認します。

    • 選択していない場合は、手順 17 に進みます。

    • 選択している場合は、Sun Cluster HA for NFS、Sun Cluster HA for Apache またはこの両方をインストールするかどうかを選択します。

      • 該当する論理ホスト名または共有アドレスについては、「ネットワークリソース」ワークシートを参照してください。

      • Sun Cluster HA for NFS については、データサービスが使用する論理ホスト名と、各ノード用のテスト IP アドレスも指定してください。

      • Sun Cluster HA for Apache については、データサービスが使用する共有アドレスと、各ノード用のテスト IP アドレスを指定してください。

  17. 指定したパッケージのインストールに必要な各 CD-ROM イメージのパスを入力し、必要に応じてパッチディレクトリのパスも入力します。

    以下の表に示すように、該当するパスフィールドに各ソフトウェアパッケージのパスを入力します。必要なパッチをすでにインストール済みである場合は、「パッチディレクトリのパス」フィールドを空白のままにします。

    インストールするソフトウェアパッケージ 

    CD-ROM イメージパスフィールドの名前 

    Solstice DiskSuite 

    Solaris CD-ROM Path 

    Sun Cluster 

    Sun Cluster 3.1 10/03 CD-ROM Path 

    Sun Cluster HA for NFS, Sun Cluster HA for Apache 

    Sun Cluster 3.1 Agents CD-ROM Path 

    Sun Cluster patches, Solstice DiskSuite patches 

    Patch Directory Path 

    CD-ROM イメージに指定するパスは、その CD-ROM の .cdtocファイルが入ったディレクトリでなければなりません。

  18. sccheck(1M) ユーティリティーを使用して、クラスタ構成の妥当性を検査するかどうかを選択します。

    • sccheck ユーティリティーの検査で問題がなければ、SunPlex Manager は「情報を確認」画面を表示します。手順 19 に進みます。

    • sccheck ユーティリティーで問題が検出された場合、SunPlex Manager は見つかった問題に関する情報を表示し、対処方法を求めます。問題を修正するために SunPlex Manager を停止する必要がある場合は、手順 10に戻り、SunPlex Manager を再起動します。 その必要がない場合は、手順 19に進みます。

    • sccheck ユーティリティーが、インストールされている Sun Explorer ソフトウェアのバージョンが 3.5.1 以前であるというエラーメッセージとともに終了した場合、「取り消し」をクリックしてインストールを停止します。既存の SUNWexplo パッケージを削除して、Sun Cluster 3.1 10/03 CD-ROM から SUNWexplo パッケージをインストールします。その後、SunPlex Manager を再起動します。

  19. 「情報を確認」画面に表示された入力情報が正しいかどうかを確認します。

    • 正しい場合は、手順 20 に進みます。

    • 正しくない場合は、以下の手順に従って構成情報を修正してください。

    1. 変更する情報の画面に戻るまで「戻る」をクリックします。


      注 –

      「戻る」をクリックして以前の画面に戻った場合、後続の画面で入力してあった情報はすべて失われます。


    2. 正しい情報を入力して「次へ」をクリックします。

    3. 「情報を確認」画面に戻るまで、各画面の情報を入力し直します。

    4. 「情報を確認」画面の情報が正しいことを確認します。

  20. 「インストールを開始」をクリックしてインストール処理を開始します。


    注 –

    インストール処理中は、ブラウザウィンドウを閉じたり URL を変更しないでください。


    1. ブラウザに「新しいサイトの証明書」ウィンドウが表示された場合は、画面上の指示に従ってください。

    2. ブラウザにログイン情報のプロンプトが表示された場合は、接続先ノードの該当するスーパーユーザー ID とパスワードを入力してください。

    インストールが進行している間、クラスタインストール処理の状況を示す簡単なメッセージが画面に表示されます。インストールが完了した時点で、ブラウザにクラスタ監視 / 管理用の GUI が表示されます。

    SunPlex Manager のインストール出力は、/var/cluster/spm/messages ファイルに記録されます。

    Sun Cluster のインストール出力は、 /var/cluster/logs/install/scinstall.log. N ファイルに記録されます。

  21. 必要に応じて、定足数の割り当ての確認と、その割り当ての変更を行うために SunPlex Manager にログバックします。

    3 つ以上のノードを持つクラスタの場合、共有定足数デバイスの使用は任意です。SunPlex Manager による定足数デバイスへの投票数の割り当ては、適切な共有ディスクが利用可能かどうかに基づいて行われます。ユーザーは、SunPlex Manager を使用して定足数デバイスを指定することも、クラスタ内の定足数投票数を割り当てなおすこともできます。

  22. ネームサービス検索順を設定します。

    ネームサービススイッチを構成するに進みます。

Solaris と Sun Cluster ソフトウェアをインストールする (JumpStart)

この節では、カスタム JumpStart によるインストール方法であるscinstall(1M) の設定と使用について説明します。 この方法は、Solaris と Sun Cluster ソフトウェアの両方を 1 回の操作ですべてのクラスタノードにインストールし、クラスタを動作可能にします。この手順は、新しいノードを既存のクラスタに追加するときにも使用できます。

  1. Solaris ソフトウェアをインストールする前に、ハードウェアの設定が完了していることと、接続が完全であることを確認します。

    ハードウェアの設定の詳細については、『Sun Cluster 3.1 Hardware Administration Collection』およびサーバーと記憶装置のマニュアルを参照してください。

  2. クラスタ構成の計画が完了していることを確認します。

    必要条件とガイドラインについては、クラスタソフトウェアのインストールの準備をする を参照してください。

  3. 次の情報を用意します。

    計画のガイドラインについては、Solaris オペレーティング環境についての計画Sun Cluster 環境の計画 を参照してください。

  4. ネームサービスを使用しているかどうかを確認します。

    • 使用していない場合は、手順 5に進みます。 手順 30 で必要なホスト名情報を設定します。

    • 使用している場合、クライアントがクラスタサービスにアクセスするために使用する任意のネームサービスに、次の情報を追加します。

      • すべての公開ホスト名と論理アドレスのアドレスと名前の対応付け

      • JumpStart サーバーの IP アドレスとホスト名

      計画のガイドラインについては、IP アドレス を参照してください。Solaris ネームサービスの使用については、Solaris システム管理者用のマニュアルを参照してください。

  5. 既存のクラスタに新しいノードをインストールするかどうかを確認します。

    • インストールしない場合は、手順 6 に進みます。

    • インストールする場合は、アクティブな別のクラスタノードからscsetup(1M) を実行し、認証クラスタノードのリストにこの新しいノードの名前を追加します。手順については、『Sun Cluster 3.1 10/03 のシステム管理』の「クラスタノードの追加と削除」の「ノードを認証ノードリストに追加する」を参照してください。

  6. スーパーユーザーとして、JumpStart インストールサーバーを Solaris オペレーティング環境インストール用に設定します。

    JumpStart インストールサーバーの設定方法については、『 Solaris 8 のインストール (上級編)』の「カスタム JumpStart インストールの準備」を参照するか、『 Solaris 9 インストールガイド』の「カスタム JumpStart インストールの準備 」を参照してください。 setup_install_server(1M) および add_install_client(1M) のマニュアルページも参照してください。

    インストールサーバーを設定するときには、次の条件に適合していることを確認します。

    • インストールサーバーはクラスタノードと同じサブネット上にあるが、それ自体はクラスタノードではないこと

    • インストールサーバーによって、Sun Cluster ソフトウェアに必要な Solaris オペレーティング環境のリリースがインストールされていること

    • Sun Cluster の JumpStart インストール用のカスタム JumpStart ディレクトリが存在すること。この jumpstart-dir ディレクトリには check(1M) ユーティリティのコピーが含まれているため、JumpStart インストールサーバーが読み取れるように NFS でエクスポートされている必要があります。

    • 各新規クラスタノードが、Sun Cluster のインストール用のカスタム JumpStart ディレクトリ設定を使用する、カスタム JumpStart インストールクライアントとして構成されていること

  7. JumpStart インストールサーバーに、Sun Cluster 3.1 10/03 CD-ROM のコピーを格納するディレクトリを作成します。ディレクトリがすでに存在している場合は、次の手順に進みます。

    次の例では、このディレクトリとして /export/suncluster を使用します。


    # mkdir -m 755 /export/suncluster
    

  8. Sun Cluster CD-ROM を JumpStart インストールサーバーにコピーします。

    1. JumpStart インストールサーバーの CD-ROM ドライブに Sun Cluster 3.1 10/03 CD-ROM を挿入します。

      ボリューム管理デーモン vold(1M) が実行されており、CD-ROM デバイスを管理するように構成されている場合は、CD-ROM は自動的に /cdrom/suncluster_3_1_u1 ディレクトリにマウントされます。

    2. /cdrom/suncluster_3_1/SunCluster_3.1/Sol_ver/Tools ディレクトリに移動します。ここに示した ver は、8 (Solaris 8 の場合) または 9 (Solaris 9 の場合) になります。 に置き換えます。

      以下の例では、Sun Cluster ソフトウェアの Solaris 8 バージョンのパスを使用しています。


      # cd /cdrom/suncluster_3_1_u1/SunCluster_3.1/Sol_8/Tools
      

    3. CD-ROM を JumpStart インストールサーバー上の新しいディレクトリにコピーします。

      scinstall コマンドは、CD-ROM のファイルをコピーするときに、新しいインストールディレクトリを作成します。この例では、インストールディレクトリの名前として /export/suncluster/sc31 を使用します。


      ./scinstall -a /export/suncluster/sc31
      

    4. CD-ROM を取り出します。


      # cd /
      # eject cdrom
      

    5. JumpStart インストールサーバーが読み取れるように、JumpStart インストールサーバー上にある Sun Cluster 3.1 10/03 CD-ROM イメージが NFS でエクスポートされていることを確認します。

      自動ファイル共有の詳細については、『Solaris のシステム管理 (第 3 巻)』の「Solaris NFS 環境」を参照するか、『Solaris のシステム管理 (資源管理とネットワークサービス)』の「ネットワークファイルシステムの管理 (概要)」を参照してください。share(1M) および dfstab(4) のマニュアルページも参照してください。

  9. JumpStart インストールサーバーから scinstall(1M) ユーティリティーを起動します。

    ここでは、作成したインストールディレクトリの例として、パス /export/suncluster/sc31 を使用します。


    # cd /export/suncluster/sc31/SunCluster_3.1/Sol_ver/Tools
    # ./scinstall
    


    注 –

    CD-ROM パスの ver は、 8 (Solaris 8 の場合) または 9 (Solaris 9 の場合) に置き換えます。


    対話形式の scinstall ユーティリティーを使用するときは、次のガイドラインに従ってください。

    • 対話式 scinstall を使用すると、先行入力が可能になります。したがって、次のメニュー画面がすぐに表示されなくても、何度も Return キーを押さないでください。

    • 特に指定のある場合を除いて、Control-D キーを押すと、関連する一連の質問の最初に戻るか、メインメニューに戻ります。

  10. メインメニューから 2 (このインストールサーバーから JumpStart できるようにクラスタを構成) を入力します。

    このオプションを使用して、カスタム JumpStart 完了スクリプトを構成します。JumpStart は、これらの完了スクリプトを使用して、 Sun Cluster ソフトウェアをインストールします。


     *** メインメニュー ***
     
        Please select from one of the following (*) options:
     
          * 1) クラスタまたはクラスタノードをインストール
          * 2) このインストールサーバーから JumpStart できるようにクラスタを構成
            3) 新しいデータサービスのサポートをこのクラスタノードに追加
          * 4) このクラスタノードのリリース情報を出力
     
          * ?) メニューオプションのヘルプ
          * q) 終了
     
        オプション:  2
     
     *** カスタム JumpStart ***
    …
        継続しますか (yes/no) [yes]? 


    注 –

    オプション 2 の先頭にアスタリスクが付いていない場合、このオプションは無効であることを示します。これは、JumpStart の設定が完了していないか、セットアップでエラーが発生したことを意味します。scinstall ユーティリティーを終了し、 手順 6 から 手順 8 までを繰り返して JumpStart 設定を修正してから、scinstall ユーティリティーを再起動してください。


  11. JumpStart ディレクトリの名前を指定します。

    この例では、JumpStart ディレクトリの名前として /export/suncluster/sc31 を使用します。


    >>> カスタム JumpStart ディレクトリ <<<
    …
        JumpStart ディレクトリ名は ? /export/suncluster/sc31
    

  12. クラスタの名前を指定します。


    >>> クラスタ名 <<<
    …
        確立したいクラスタ名は ?  clustername
    

  13. すべてのクラスタノードの名前を指定します。


    >>> クラスタノード <<<
    …
        初期クラスタ構成に参加させるすべてのノードの名前を入力してく
        ださい。 少なくとも 2 つのノードを入力する必要があります。一行
        ごとに 1 つのノードを入力します。終了したなら、Ctrl-D を押してく
        ださい:
     
        ノード名:  node1
        ノード名:  node2
        ノード名 (終了するには Ctrl-D): <Control-D>
     
        完成したノードのリスト:
    … 
        よろしいですか (yes/no) [yes]?  

  14. データ暗号化標準 (DES) 認証を使用するかどうかを指定します。

    DES 認証を使用すると、インストール時にセキュリティのレベルを上げることができます。DES 認証により、スポンサーノードは、クラスタ構成を更新するためにスポンサーノードに接続しようとするノードを認証できるようになります。

    DES 認証を使用してセキュリティレベルを上げることを選択した場合、任意のノードがクラスタに参加できるようにするためには、必要な暗号化鍵をすべて構成する必要があります。詳細については、keyserv(1M) と publickey(4) のマニュアルページを参照してください。


    >>> ノードを追加する要求を認証する <<<
    …
        DES 認証を使用しますか (yes/no) [no]? 
  15. プライベートネットワークアドレスとネットマスクを指定します。


    >>> クラスタトランスポートのネットワークアドレス <<<
    …
        デフォルトのネットワークアドレスを使用しますか (yes/no) [yes]? 
        デフォルトのネットマスクを使用しますか (yes/no) [yes]? 


    注 –

    クラスタの構築に成功した後では、プライベートネットワークアドレスは変更できません。


  16. クラスタがトランスポート接続点を使用するかどうかを指定します。

    • 2 ノードクラスタである場合は、トランスポート接続点を使用するかどうかを指定します。


      >>> ポイントツーポイントケーブル <<<
       …
          この 2 ノードクラスタはトランスポート接続点を使用しますか (yes/no) [yes]? 


      ヒント –

      ノードがお互いに直接接続されているかどうかに関わらず、クラスタがトランスポート接続点を使用するように指定できます。クラスタがトランスポート接続点を使用するように指定した場合、将来、より簡単に新しいノードをクラスタに追加できます。


    • このクラスタに 3 つ以上のノードがある場合は、トランスポート接続点を使用する必要があります。Return キーを押して、次の画面に進みます。


       >>> ポイントツーポイントケーブル <<<
       …
      このクラスタは 2 ノードクラスタではないため、2 つのトランスポート接続点を構成するようにたずねられます。
          
      ENTER を押すと継続します: 

  17. このクラスタがトランスポート接続点を使用するかどうかを決定します。

    • 使用しない場合は、手順 18 に進みます。

    • 使用する場合、トランスポート接続点の名前を指定します。この場合、デフォルトの名前 switchN を使用することも、独自の名前を作成することもできます。


      >>> クラスタトランスポート接続点 <<<
       …
          クラスタ内の 1 番目の接続点の名前は [switch1]? 
          クラスタ内の 2 番目の接続点の名前は [switch2]? 

  18. 1 番目のノードの 1 番目のクラスタインターコネクトトランスポートアダプタを指定します。


    >>> クラスタトランスポートアダプタとケーブル<<<
    …
        1 番目のクラスタトランスポートアダプタの名前は ?  adapter
    

  19. 1 番目のアダプタの接続エンドポイントを指定します。

    • 当該クラスタがトランスポート接続点を使用しない場合、当該アダプタが接続されている 2 番目のノード上にあるアダプタの名前を指定します。


      …
          「adapter」が接続される「node2」上のアダプタの名前は ? adapter
      

    • クラスタがトランスポート接続点を使用する場合、1 番目のトランスポート接続点の名前とそのポートを指定します。


      …
       「adapter」が接続される「node1」上のアダプタの名前は ? switch
      …
       デフォルトのポート名を「adapter」接続に使用しますか (yes/no) [yes]? 


      注 –

      SCI–PCI アダプタを使用するように構成されている場合、アダプタの接続 (ポート名) についてのプロンプトが表示されたときにデフォルト値を選択しないでください。 代わりに、SCI Dolphin スイッチ自体にあるポート名で、ノードが物理的に接続されるポート 名 (012、または 3) を指定してください。次の例に、デフォルトのポート名を使わずに、スイッチポート名 0 を指定した場合のプロンプトと応答を示しています。


      …
      … 
          デフォルトのポート名を「adapter」接続に使用しますか (yes/no) [yes]? n
          使用したいポートの名前は ?  0
      


  20. 1 番目のノードの 2 番目のクラスタインターコネクトトランスポートアダプタを指定します。


    …
        2 番目のクラスタトランスポートアダプタの名前は ? adapter
    

  21. 2 番目のアダプタの接続エンドポイントを指定します。

    • 当該クラスタがトランスポート接続点を使用しない場合、当該アダプタが接続されている 2 番目のノード上にあるアダプタの名前を指定します。


      …
          「adapter」が接続される「node2」上のアダプタの名前は ? adapter
      

    • クラスタがトランスポート接続点を使用する場合、2 番目のトランスポート接続点の名前とそのポートを指定します。


      …
       「adapter」が接続される「node1」上のアダプタの名前は ? switch
      …
       デフォルトのポート名を「adapter」接続に使用しますか (yes/no) [yes]? 


      注 –

      SCI–PCI アダプタを使用するように構成されている場合、アダプタの接続 (ポート名) についてのプロンプトが表示されたときにデフォルト値を選択しないでください。 代わりに、SCI Dolphin スイッチ自体にあるポート名で、ノードが物理的に接続されるポート 名 (012、または 3) を指定してください。次の例に、デフォルトのポート名を使わずに、スイッチポート名 0 を指定した場合のプロンプトと応答を示しています。


      …
      … 
          デフォルトのポート名を「adapter」接続に使用しますか (yes/no) [yes]? n
          使用したいポートの名前は ?  0
      


  22. このクラスタがトランスポート接続点を使用するかどうかを決定します。

    • 使用する場合は、追加のクラスタノードごとに、手順 18 から 手順 21 までを繰り返します。

    • 使用しない場合は、手順 23 に進みます。

  23. 各クラスタノードの広域デバイスファイルシステム名を指定します。


    >>> 広域デバイスファイルシステム <<<
    …
        デフォルトでは、/globaldevices を使用します。
     
     「node1」の場合、
        このデフォルトを使用しますか (yes/no) [yes]? 
     
     「node2」の場合、
        このデフォルトを使用しますか (yes/no) [yes]? 

  24. scinstall ユーティリティーがパッチをインストールすることを確認します。

    パッチの入手先とインストール方法については、『Sun Cluster 3.1 ご使用にあたって 』の「パッチと必須ファームウェアのレベル」を参照してください。


    注 –

    scinstall コマンドでパッチディレクトリを指定した場合、手順 29で指定した Solaris パッチディレクトリ内のパッチはインストールされません。



    >>> ソフトウエアパッチのインストール <<<
    …
        scinstall でパッチをインストールしますか。 [yes] y
        パッチディレクトリの名前を指定してください。 /export/suncluster/sc31/patches
        パッチリストファイルを使用するのに scinstall が必要ですか。 [no] n
  25. 生成された scinstall コマンドを使用するか、または拒否します。

    確認のため、これまでの入力から生成された scinstall コマンドが表示されます。


    >>> 確認 <<<
     
        次のオプションを scinstall に指示しています:
    -----------------------------------------
     「node1」の場合
          scinstall -c jumpstart-dir -h node1  \
    …
        これらのオプションを使用しますか (yes/no) [yes]? 
    -----------------------------------------
     「node2」の場合
          scinstall -c jumpstart-dir -h 「node2  \
    …
        これらのオプションを使用しますか (yes/no) [yes]? 
    -----------------------------------------
        JumpStart の設定を継続しますか (yes/no) [yes]?

    生成されたコマンドを使用しない場合、scinstall ユーティリティはメインメニューに戻ります。メインメニューからオプション「3」を実行し直して、応答を変更します。以前の応答はデフォルトとして表示されます。

  26. 必要に応じて、scinstall によって作成されたデフォルトの class ファイル (プロファイル) を調整します。

    scinstall コマンドによって、デフォルトの class ファイルである autoscinstall.class が、jumpstart-dir/autoscinstall.d/3.1 ディレクトリに作成されます。


    install_type    initial_install
    system_type     standalone
    partitioning    explicit
    filesys         rootdisk.s0 free /
    filesys         rootdisk.s1 750  swap
    filesys         rootdisk.s3 512  /globaldevices
    filesys         rootdisk.s7 20
    cluster         SUNWCuser        add
    package         SUNWman          add

    デフォルトの class ファイルは Solaris ソフトウェアのエンドユーザーシステムサポートソフトウェアグループ (SUNWCuser) をインストールします。構成に他の Solaris ソフトウェア条件がある場合、class ファイルを適宜変更します。詳細については、Solaris ソフトウェアグループについて を参照してください。

    次のいずれかの方法でプロファイルを変更します。

    • autoscinstall.class ファイルを直接編集します。この方法による変更は、カスタム JumpStart ディレクトリを使用するすべてのクラスタのすべてのノードに適用されます。

    • rules ファイルが別のプロファイルを指し示すように更新してから、check ユーティリティを実行して、rules ファイルの妥当性を検査します。

    Solaris オペレーティング環境のインストールプロファイルが、Sun Cluster ファイルシステムの割り当てにおける最低必要条件を満たしているかぎり、インストールプロファイルに対するその他の変更に制限はありません。Sun Cluster 3.1 ソフトウェアをサポートするためのパーティション分割のガイドラインについては、システムディスクパーティション を参照してください。JumpStart プロファイルの詳細については、『 Solaris 8 のインストール (上級編)』の「カスタム JumpStart インストールの準備」を参照するか、『 Solaris 9 インストールガイド』の「カスタム JumpStart インストールの準備」を参照してください。

  27. インターコネクトトランスポート用に Remote Shared Memory Application Programming Interface (RSMAPI) または SCI-PCI アダプタを使用するかどうかを決定します。

    • 使用しない場合は、手順 28 に進みます。

    • 使用する場合で、かつ「エンドユーザーシステムサポート」ソフトウェアグループをインストールしている場合は、手順 26 で説明されている方法を使用して、次のエントリをデフォルトの class ファイルに追加します。


      package         SUNWrsm         add
      package         SUNWrsmx        add
      package         SUNWrsmo        add
      package         SUNWrsmox       add

      さらに、Sun Cluster パッケージをインストールして、RSMAPI と SCI-PCI アダプタをサポートするためには、手順 32 で、インストール後に実行する完了スクリプトを作成または変更する必要があります。

      「エンドユーザーシステムサポート」ソフトウェアグループよりも上位レベルのソフトウェアグループをインストールする場合、RSMAPI ソフトウェアパッケージは、Solaris ソフトウェアとともに自動的にインストールされます。その後、class ファイルにパッケージを追加する必要はありません。

  28. SunPlex Manager を使用するかどうかを決定します。

    • 使用しない場合は、手順 29に進みます。

    • 使用する場合で、かつ「エンドユーザーシステムサポート」ソフトウェアグループをインストールする場合は、手順 26で説明されている方法を使用して、次のエントリをデフォルトの class ファイルに追加します。


      package         SUNWapchr       add
      package         SUNWapchu       add

      SunPlex Manager には、これらの Apache ソフトウェアパッケージが必要です。 「エンドユーザーシステムサポート」ソフトウェアグループよりも上位レベルのソフトウェアグループをインストールする場合、Apache ソフトウェアパッケージは、Solaris ソフトウェアとともにインストールされます。その後、class ファイルにパッケージを追加する必要はありません。

  29. Solaris パッチディレクトリを設定します。


    注 –

    手順 24で、scinstall コマンドにパッチディレクトリを指定した場合、Solaris パッチディレクトリ内のパッチはインストールされません。


    1. jumpstart-dir/autoscinstall.d/nodes/node/patches ディレクトリを JumpStart インストールサーバー上に作成します。

      上記のディレクトリは node がクラスタノードの名前であるクラスタノードごとに 1 つずつ作成します。あるいは、次の命名規則を使用して、共有パッチディレクトリへのシンボリックリンクを作成します。


      # mkdir jumpstart-dir/autoscinstall.d/nodes/node/patches
      

    2. これらの各ディレクトリに Solaris パッチのコピーを格納します。

      また、Solaris ソフトウェアをインストールした後にインストールする必要があるすべてのハードウェア関連パッチのコピーもこれらのディレクトリに格納します。

  30. 各ノード上で、ローカルに必要なホスト名情報を含むファイルを設定します。

    1. JumpStart インストールサーバーに、jumpstart-dir/autoscinstall.d/nodes/node/archive/etc/inet/hosts という名前のファイルを作成します。

      上記ファイルは node がクラスタノードの名前であるクラスタノードごとに 1 つずつ作成します。あるいは、この命名規則を使用して、共有 hosts ファイルへのシンボリックリンクを作成します。

    2. 各ファイルに以下のエントリを追加します。

      • Sun Cluster CD-ROM のイメージがコピーされている NFS サーバーの IP アドレスとホスト名。NFS サーバーが JumpStart インストールサーバーになりますが、別のマシンがインストールサーバーになる場合もあります。

      • クラスタ内にある各ノードの IP アドレスとホスト名。

  31. インターコネクト用に Remote Shared Memory Application Programming Interface (RSMAPI) または SCI-PCI アダプタを使用するかどうかを決定します。

    • 使用せずに、インストール後に実行する独自の完了スクリプトを追加する場合は、手順 32 に進みます。それ以外の場合、手順 33 に進みます。

    • 使用する場合、手順 32 の指示に従って、インストール後に実行する完了スクリプトを設定して、次の追加パッケージをインストールします。次の表の順番どおりに、Sun Cluster 3.1 10/03 CD-ROM の /cdrom/suncluster_3_1_u1/SunCluster_3.1/Sol_ver/Packages ディレクトリから適切なパッケージをインストールします。


      注 –

      CD-ROM パスの ver は、 8 (Solaris 8 の場合) または 9 (Solaris 9 の場合) に置き換えます。


      機能 

      インストールする追加の Sun Cluster 3.1 10/03 パッケージ 

      RSMAPI 

      SUNWscrif

      SCI-PCI アダプタ 

      SUNWsci SUNWscid SUNWscidx

  32. (省略可能) インストール後に実行する独自の完了スクリプトを追加します。


    注 –

    インターコネクトトランスポート用に Remote Shared Memory Application Programming Interface (RSMAPI) または SCI-PCI アダプタを使用する場合は、Sun Cluster SUNWscrif ソフトウェアパッケージをインストールするために、完了スクリプトを変更する必要があります。このパッケージは、scinstall では自動的にインストールされません。


    scinstall コマンドでインストールされた標準の完了スクリプトの後に実行するような独自の完了スクリプトも追加できます。JumpStart 完了スクリプトを作成する方法については、『Solaris 8 のインストール (上級編)』の「カスタム JumpStart インストールの準備」を参照するか、『 Solaris 9 インストールガイド』の「カスタム JumpStart インストールの準備」を参照してください。

    1. 完了スクリプトに finish という名前をつけます。

    2. jumpstart-dir/autoscinstall.d/nodes/node ディレクトリに完了スクリプトをコピーします。クラスタ内の各ノードにコピーします。

      あるいは、この命名規則を使用して、共有完了スクリプトへのシンボリックリンクを作成します。

  33. クラスタ管理コンソールを使用している場合、クラスタ内にある各ノードのコンソール画面を表示します。

    • クラスタコントロールパネル (CCP) ソフトウェアが管理コンソールにインストールされ、構成されている場合は、cconsole>(1M) ユーティリティーを使用して、コンソール画面を個別に表示できます。また、cconsole ユーティリティーを使用してマスターウィンドウを開くことができます。ここでの入力を、個々のすべてのコンソールウィンドウに同時に送信できます。cconsole を起動するには、次のコマンドを入力します。


      # /opt/SUNWcluster/bin/cconsole clustername &
      

    • cconsole ユーティリティーを使用しない場合は、各ノードのコンソールに個別に接続します。

  34. 各ノードのコンソール上にある ok PROM プロンプトから boot net - install コマンドを入力して、ネットワーク JumpStart インストールを各ノード上で開始します。


    ok boot net - install
    


    注 –

    上記コマンド内のダッシュ記号 (-) の両側は、空白文字で囲む必要があります。


    Sun Cluster のインストール出力は、 /var/cluster/logs/install/scinstall.log. N ファイルに記録されます。


    注 –

    独自の /etc/inet/ntp.conf ファイルをインストールしていない限り、scinstall コマンドは自動的にデフォルトの ntp.conf ファイルをインストールします。デフォルトファイルでは、最大ノード数を想定しています。したがって、xntpd(1M) デーモンは起動時にこれらのノードに関してエラーメッセージを発行することがあります。これらのメッセージは無視しても問題ありません。通常のクラスタ条件下で、これらのメッセージを表示しないようにする方法については、ネットワークタイムプロトコル (NTP) を構成する を参照してください。


    インストールが正常に完了すると、各ノードは新しいクラスタノードとして完全にインストールされます。

  35. 既存のクラスタに新しいノードをインストールするかどうかを確認します。

    • インストールしない場合は、手順 36 に進みます。

    • インストールする場合、新しいノード上で、既存のすべてのクラスタファイルシステム用のマウントポイントを作成します。

    1. クラスタ内にある別のアクティブなノードから、すべてのクラスタファイルシステムの名前を表示します。


      % mount | grep global | egrep -v node@ | awk '{print $1}'
      

    2. クラスタに追加したノード上で、クラスタ内にある各クラスタファイルシステム用のマウントポイントを作成します。


      % mkdir -p mountpoint
      

      たとえば、マウントコマンドが戻したファイルシステム名が /global/dg-schost-1 である場合、クラスタに追加するノード上で mkdir -p /global/dg-schost-1 を実行します。


      注 –

      これらのマウントポイントは、手順 37 においてクラスタを再起動するとアクティブになります。


    3. VERITAS Volume Manager (VxVM) が、クラスタ内にあるノードにすでにインストールされているかどうかを確認します。

      • インストールされていない場合は、手順 36 に進みます。

      • インストールされている場合は、VxVM がインストールされているノード上で同じ vxio 番号が使用されていることを確認してください。また、VxVM がインストールされていない各ノード上で vxio 番号が使用できることを確認してください。


        # grep vxio /etc/name_to_major
        vxio NNN
        

        VxVM がインストールされていないノード上ですでに vxio 番号が使用されている場合、そのノードで該当番号を解放します。別の番号を使用するように /etc/name_to_major のエントリを変更してください。

  36. Sun Enterprise 10000 サーバーで動的再構成 (DR) を使用するかどうかを決定します。

    • 使用しない場合は、手順 37に進みます。

    • 使用する場合、各ノード上で次のエントリを /etc/system ファイルに追加します。


      set kernel_cage_enable=1

      このエントリは、次のシステム再起動後に有効になります。 Sun Cluster 構成で、動的再構成の作業を実行するための手順については、『Sun Cluster 3.1 10/03 のシステム管理』を参照してください。動的再構成の詳細については、サーバーのマニュアルを参照してください。

  37. 既存のクラスタに対する新しいノードの追加、またはクラスタ全体の再起動を必要とする Sun Cluster ソフトウェアパッチのインストール (あるいはこの両方) を行ったかどうかを確認します。

    • これらの作業を行なっていない場合は、インストールしたパッチがノードの再起動を必要とする場合にだけ個々のノードを再起動してください。その他の変更操作で、変更箇所を有効にするために再起動が必要な場合は、再起動を行い、手順 38に進みます。

    • 行なった場合、次の手順に指示されているとおりにクラスタの再構成用の再起動を実行します。

    1. ノードのどれか 1 つでクラスタを停止します。


      # scshutdown
      


      注 –

      クラスタがシャットダウンするまで、最初にインストールしたクラスタノードを再起動しないでください。


    2. クラスタ内にある各ノードを再起動します。


      ok boot
      

    クラスタのインストールモードが無効になるまでは、最初にインストールした (つまり、クラスタを構築した) ノードだけが定足数投票権を持ちます。インストールモードが無効になっていない (つまり、構築された) クラスタでは、クラスタをシャットダウンせずに最初にインストールしたノードを再起動すると、残りのクラスタノードは定足数を獲得できません。クラスタ全体が停止します。クラスタノードは インストール後の設定を行う の手順で scsetup(1M) コマンドを最初に実行するまで、インストールモードのままです。

  38. ネームサービス検索順を設定します。

    ネームサービススイッチを構成する に進みます。

Sun Cluster ソフトウェアを単一ノードクラスタにインストールする

scinstall コマンドを使用して、単一ノード上に Sun Cluster ソフトウェアをインストールして、クラスタを確立するには、次の手順を実行します。詳細については、scinstall(1M) のマニュアルページを参照してください。


注 –

単一ノードに Sun Cluster ソフトウェアをインストールする場合、SunPlex Manager または scinstall ユーティリティーの対話形式は使用できません。


scinstall -iFo コマンドは、インストール時に以下の操作をデフォルトで実行します。

複数ノードクラスタのインストールに必要な手順のいくつかは、単一ノードクラスタのインストールでは不要です。単一ノードクラスタをインストールする場合、次の手順は実行する必要がありません。


ヒント –

将来、2 番目のノードをクラスタに追加する可能性がある場合は、クラスタの初期インストール時にトランスポート接続点を構成します。トランスポート接続点は、後で使用することができます。詳細については、scinstall(1M) のマニュアルページを参照してください。


  1. Solaris オペレーティング環境が Sun Cluster ソフトウェアをサポートするようにインストールされていることを確認します。

    Solaris ソフトウェアがすでにノード上にインストールされている場合は、Solaris のインストールが Sun Cluster ソフトウェアの必要条件、およびそのクラスタにインストールする予定の他のソフトウェアの必要条件を満たしていることを確認してください。Sun Cluster ソフトウェア必要条件を満たして、Solaris ソフトウェアをインストールするための詳細については、Solaris ソフトウェアをインストールするを参照してください。

  2. インストールするクラスタノードでスーパーユーザーになります。

  3. インストールし構成するノードの CD-ROM ドライブに Sun Cluster 3.1 10/03 CD-ROM を挿入します。

    ボリューム管理デーモン vold(1M) が実行されており、CD-ROM デバイスを管理するように構成されている場合は、CD-ROM は自動的に /cdrom/suncluster_3_1_u1 ディレクトリにマウントされます。

  4. /cdrom/suncluster_3_1/SunCluster_3.1/Sol_ver/Tools ディレクトリに移動します。ここに示した ver は、8 (Solaris 8 の場合) または 9 (Solaris 9 の場合) になります。 に置き換えます。

    以下の例では、Sun Cluster ソフトウェアの Solaris 8 バージョンのパスを使用しています。


    # cd /cdrom/suncluster_3_1_u1/SunCluster_3.1/Sol_8/Tools
    

  5. scinstall コマンドを使用して、Sun Cluster ソフトウェアと必要なパッチをインストールします。


    ./scinstall -iFo -M patchdir=dirname
    
    -i

    scinstall コマンドのインストール形式を指定します。 scinstall コマンドは、Sun Cluster ソフトウェアをインストールし、そのノードを新規クラスタとして初期化します。

    -F

    新規クラスタの最初のノードとしてノードを確立します。単一ノードクラスタをインストールする場合、すべての -F オプションを使用できます。

    -o

    単一ノードクラスタ用に、1 つのノードのみがインストールされることを指定します。-o オプションは、コマンドで -i-F の両オプションと共に使用された場合にのみ有効です。-o オプションが使用される場合、クラスタのインストールモードは、無効状態に事前設定されます。

    -M patchdir=dirname[[,patchlistfile=filename]]

    scinstall コマンドで指定のパッチをインストールするために、パッチ情報へのパスを指定します。パッチリストファイルを指定しない場合、scinstall コマンドは、dirname ディレクトリ内の tar、jar、または zip 形式のパッチを含むすべてのパッチをインストールします。

    -M オプションは、scinstall -iFo コマンドでは必要ありません。ここでは、単一ノードクラスタのインストール中にパッチをインストールする際に、-M オプションが最も効率的な方法であるため示しています。ただし、パッチのインストールには、任意の方法を使用できます。

  6. ノードを再起動します。

    Sun Cluster ソフトウェアのインストール後に再起動することで、ノードがクラスタとして確立されます。

  7. scstat コマンドを使用して、インストールを検証します。


    # scstat -n
    

    詳細についてはscstat(1M) のマニュアルページを参照してください。

  8. ネームサービス検索順を設定します。

    ネームサービススイッチを構成する に進みます。


ヒント –

単一ノードクラスタは、複数ノードのクラスタに拡張できます。 『Sun Cluster 3.1 10/03 のシステム管理』の「クラスタノードの追加と削除」で説明されている手順に従ってください。


例— 単一ノードクラスタに Sun Cluster ソフトウェアをインストールする

次の例では、scinstall および scstat コマンドを使用して、単一ノードクラスタをインストールし、検証します。ここでは、すべてのパッチのインストール例も示します。詳細については、scinstall(1M) および scstat(1M) のマニュアルページを参照してください。


# scinstall -iFo -M patchdir=/var/cluster/patches 

広域デバイスファイルシステムとして使用できるかどうかをチェックしています ... 完了しました。
** SunCluster 3.1 framework をインストールしています **
...
パッチをインストールしています ... 完了しました。

クラスタ名を「phys-schost-1」に初期化しています ... 完了しました。
認証オプションを初期化しています ... 完了しました。

「phys-schost-1」のノード ID を設定しています完了しました。 (id=1)

広域ファイルシステムの広域デバイスをチェックしています ... 完了しました。
vfstab を更新しています ... 完了しました。

「cluster」が nsswitch.conf の「hosts」用に設定されていることを確認しています ... 完了しました。
「cluster」スイッチを nsswitch.conf の「hosts」に追加しています ... 完了しました。

「cluster」が nsswitch.conf の「netmasks」用に設定されていることを確認しています ... 完了しました。
「cluster」スイッチを nsswitch.conf の「netmasks」に追加しています ... 完了しました。

電源管理が構成されていないことを確認しています ... 完了しました。

EEPROM パラメータ「local-mac-address?」が「true」に設定されていることを確認しています ... 完了しました。

ネットワークルーティングが無効であることを確認しています ... 完了しました。

このマシンをリブートしてください。

# reboot

# scstat -n

-- Cluster Nodes --

                    Node name           Status
                    ---------           ------
  Cluster node:     phys-schost-1       Online
		

ネームサービススイッチを構成する

クラスタ内の各ノードで次の作業を行います。

  1. クラスタノードのスーパーユーザーになります。

  2. /etc/nsswitch.conf ファイルを編集します。

    1. cluster が、データベースエントリの hosts および netmasks の最初の参照先になっていることを確認します。

      この順序は、Sun Cluster ソフトウェアを正しく動作させるために重要です。scinstall(1M) コマンドによって、インストール中に cluster がこれらのエントリに追加されます。

    2. (省略可能) ネームサービスが利用不能になった場合にデータサービスの可用性を向上させるには、以下のエントリの参照順序を変更してください。

      • データーベースエントリ hosts および netmasks では、cluster の後に files を配置します。

      • Sun Cluster HA for NFS については、cluster files の後でネームサービスの前に[SUCCESS=return] を挿入します。


        hosts:      cluster files [SUCCESS=return] nis

        この参照順序では、ノードがローカルに名前を解決できる場合、そのノードはリストされているネームサービスに問い合わせません。代わりに、名前解決の成功を直ちに返します。

      • その他のすべてのデータベースについては、files を参照順序の最初に配置します。

      • 参照順序を変更した結果、[NOTFOUND=return] 条件がエントリの最後の項目になる場合、この条件は不要となります。エントリから [NOTFOUND=return] 条件を削除することも、あるいはそのまま残すこともできます。エントリの最後にある [NOTFOUND=return] 条件は無視されます。

    次に、/etc/nsswitch.conf ファイルの内容の一部を例として示します。データベースエントリ hosts および netmasks の参照順序は、clusterfiles の順です。その他のエントリの参照順序は、files から始まります。[NOTFOUND=return] 条件は、このエントリからは削除しています。


    # vi /etc/nsswitch.conf
    …
    passwd:     files nis
    group:      files nis
    …
    hosts:      cluster files nis
    …
    netmasks:   cluster files nis
    …

    nsswitch.conf エントリの詳細については、nsswitch.conf(4) のマニュアルページを参照してください。

  3. root ユーザーの環境を設定します。

    root 環境を設定する に進みます。

root 環境を設定する

クラスタ内の各ノードで次の作業を行います。


注 –

Sun Cluster 構成では、各種シェルのユーザー初期化ファイルは、それらが対話式のシェルから実行されていることを確認した上で、端末への出力を試みる必要があります。この方法に従わないと、予期しない動作やデータサービス妨害が発生する可能性があります。詳細については、『Solaris のシステム管理 (第 1 巻)』(Solaris 8) の「ユーザーの作業環境のカスタマイズ」を参照するか、『Solaris のシステム管理 (基礎編)』(Solaris 9) の「ユーザーの作業環境のカスタマイズ」を参照してください。


  1. クラスタノード上にインストールするクラスタノード上でスーパーユーザーになります。

  2. .cshrc または .profile ファイルの PATH および MANPATH エントリを変更します。

    1. /usr/sbin および /usr/cluster/bin を含むように PATH を設定します。また、使用している構成に適用する次のようなボリューム管理ソフトウェア固有のパスも含めます。

      ソフトウェア製品 

      PATH

      VERITAS Volume Manager (VxVM) 

      /etc/vx/bin

      VxVM 3.2 GUI  

      /opt/VRTSvmsa/bin

      VxVM 3.5 GUI 

      /opt/VRTSob/bin

      VERITAS File System (VxFS) 

      /opt/VRTSvxfs/sbin/usr/lib/fs/vxfs/bin、および /etc/fs/vxfs

    2. MANPATH 環境変数に /usr/cluster/man を含めます。また、使用している構成に適用する次のようなボリューム管理ソフトウェア固有のパスも含めます。

      ソフトウェア製品 

      MANPATH

      Solstice DiskSuite/Solaris Volume Manager 

      /usr/share/man

      VxVM 

      /opt/VRTS/man

      VxVM GUI 

      /opt/VRTSvmsa/man

      VxFS 

      /opt/VRTS/man

  3. (省略可能) 管理を行いやすくするため、各ノードに同じ root パスワードを設定します。

  4. 残りの各クラスタノードで、手順 1 から 手順 3 までを繰り返します。

  5. データサービスソフトウェアパッケージをインストールします。

データサービスソフトウェアパッケージをインストールする (Web Start)

データサービスを Sun Cluster 3.1 10/03 Data Services リリースからインストールする場合は、 Web Start プログラムを使用してパッケージをインストールできます。それ以前のリリースからデータサービスをインストールする場合は、データサービスソフトウェアパッケージをインストールする (scinstall)の手順に従ってください。

Web Start プログラムは、コマンド行インタフェース (CLI) またはグラフィカルユーザーインタフェース (GUI) を使用して実行できます。 CLI と GUI では、指示の内容と順序がほぼ同じです。Web Start プログラムの詳細については、installer(1M) のマニュアルページを参照してください。

  1. クラスタノード上にインストールするクラスタノード上でスーパーユーザーになります。

  2. (省略可能) GUI で Web Start プログラムを使用する予定の場合は、DISPLAY 環境変数を設定する必要があります。

  3. Sun Cluster 3.1 Agents CD-ROM を CD-ROM ドライブに挿入します。

    ボリューム管理デーモンの vold(1M) が実行中で、CD-ROM デバイスを管理するように構成されている場合、デーモンによって自動的に CD-ROM が /cdrom/suncluster_3_1_u1 ディレクトリにマウントされます。

  4. CD-ROM がマウントされているディレクトリに移動します。


    # cd cdrom-mount-point
    

  5. Web Start プログラムを開始します。


    # ./installer
    
  6. プロンプトが表示されたなら、インストールの種類を選択します。

    • CD-ROM 内のすべてのデータサービスをインストールする場合は、一般を選択します。

    • CD-ROM 内のデータサービスのサブセットのみをインストールする場合は、カスタムを選択します。

  7. プロンプトが表示されたなら、インストールするロケールを選択します。

    • C ロケールのみをインストールする場合は、一般を選択します。

    • ほかのロケールをインストールする場合は、カスタムを選択します。

  8. 画面上の指示に従ってデータサービスソフトウェアをノードにインストールします。

    インストールが完了した後、 Web Start プログラムはインストールに関する要約を表示します。この要約では、インストール中にプログラムによって生成された記録を参照できます。これらの記録は、/var/sadm/install/logs ディレクトリにあります。

  9. Web Start プログラムを終了します。

  10. Sun Cluster 3.1 Agents CD-ROM を CD-ROM ドライブから取り出します。

    1. CD-ROM が使用中にならないように、CD-ROM に含まれていないディレクトリに移動します。

    2. CD-ROM を取り出します。


      # eject cdrom
      
  11. 残りの各クラスタノードで、手順 1 から手順 10 までを繰り返します。

  12. Sun Cluster データサービスのパッチをインストールします。

    パッチの入手先とインストール方法については、『Sun Cluster 3.1 ご使用にあたって 』の「パッチと必須ファームウェアのレベル」を参照してください。

    パッチの特別な指示によって再起動が指定されていないかぎり、Sun Cluster データサービスのパッチをインストールした後で再起動する必要はありません。パッチのインストール指示で再起動が要求された場合は、次の手順を実行します。

    1. scshutdown(1M)コマンドを使用してクラスタをシャットダウンします。

    2. クラスタ内にある各ノードを再起動します。


    注 –

    クラスタのインストールモードが無効になるまでは、最初にインストールした (つまり、クラスタを構築した) ノードだけが定足数投票権を持ちます。インストールモードが無効になっていない (つまり、構築された) クラスタでは、クラスタをシャットダウンせずに最初にインストールしたノードを再起動すると、残りのクラスタノードは定足数を獲得できません。クラスタ全体が停止します。クラスタノードは インストール後の設定を行うの手順で scsetup(1M) コマンドを最初に実行するまで、インストールモードのままです。


  13. インストール後の設定を行い、定足数投票を割り当てます。

    インストール後の設定を行うに進みます。

データサービスソフトウェアパッケージをインストールする (scinstall)

ここに示す手順を各クラスタノードで実行して、データサービスをインストールします。データサービスを Sun Cluster 3.1 10/03 Data Services リリースからインストールする場合は、Web Start プログラムを使用してパッケージをインストールできます。データサービスソフトウェアパッケージをインストールする (Web Start)を参照してください。


注 –

SunPlex Manager を使用して Sun Cluster HA for NFS または Sun Cluster HA for Apache、あるいはこの両方をインストールする場合や、ほかのデータサービスをインストールする予定がない場合は、この手順を実行する必要はありません。その代わりに、インストール後の設定を行うに進みます。


  1. クラスタノード上にインストールするクラスタノード上でスーパーユーザーになります。

  2. ノードの CD-ROM ドライブに Sun Cluster 3.1 Agents CD-ROM を挿入します。

  3. CD-ROM がマウントされているディレクトリに移動します。


    # cd cdrom-mount-point
    

  4. scinstall(1M) ユーティリティーを起動します。


    # scinstall
    

    対話式 scinstall ユーティリティを使用するときには、次の指針に従います。

    • 対話式 scinstall を使用すると、先行入力が可能になります。したがって、次のメニュー画面がすぐに表示されなくても、何度も Return キーを押さないでください。

    • 特に指定のある場合以外は、Control-D キーを押すと、関連のある一連の質問の最初か、メインメニューに戻ります。

  5. データサービスを追加するには、3(新しいデータサービスのサポートをこのクラスタノードに追加) を入力します。

  6. プロンプトに従って、インストールするデータサービスをすべて選択します。

    同じセットのデータサービスパッケージを各ノードにインストールする必要があります。この要件は、インストールされたデータサービス用のリソースをノードがホストしなくても適用されます。

  7. データサービスがインストールされたら、scinstall ユーティリティーを終了します。

  8. Sun Cluster 3.1 Agents CD-ROM を CD-ROM ドライブから取り出します。

    1. CD-ROM が使用中にならないように、CD-ROM に含まれていないディレクトリに移動します。

    2. CD-ROM を取り出します。


      # eject cdrom
      
  9. データサービスをインストールする各クラスタノードで、手順 1 から手順 8 までを繰り返します。

  10. Sun Cluster データサービスのパッチをインストールします。

    パッチの入手先とインストール方法については、『Sun Cluster 3.1 ご使用にあたって 』の「パッチと必須ファームウェアのレベル」を参照してください。

    パッチの特別な指示によって再起動が指定されていないかぎり、Sun Cluster データサービスのパッチをインストールした後で再起動する必要はありません。パッチのインストール指示で再起動が要求された場合は、次の手順を実行します。

    1. scshutdown(1M) コマンドを使用してクラスタをシャットダウンします。

    2. クラスタ内にある各ノードを再起動します。


    注 –

    クラスタのインストールモードが無効になるまでは、最初にインストールした (つまり、クラスタを構築した) ノードだけが定足数投票権を持ちます。インストールモードが無効になっていない (つまり、構築された) クラスタでは、クラスタをシャットダウンせずに最初にインストールしたノードを再起動すると、残りのクラスタノードは定足数を獲得できません。クラスタ全体が停止します。クラスタノードは インストール後の設定を行う の手順で scsetup(1M) コマンドを最初に実行するまで、インストールモードのままです。


  11. インストール後の設定を行い、定足数投票を割り当てます。

    インストール後の設定を行うに進みます。

インストール後の設定を行う

次の手順は、クラスタが完全に形成された後に一度だけ実行します。

  1. 任意のノードから、すべてのノードがクラスタに結合していることを確認します。

    クラスタノードを表示するために、scstat(1M) コマンドを実行します。このコマンドを実行するために、スーパーユーザーとしてログインする必要はありません。


    % scstat -n
    

    出力は次のようになります。


    -- クラスタノード --
                       ノード名      状態
                       ---------      ------
      クラスタノード:    phys-schost-1  Online
      クラスタノード:    phys-schost-2  Online

  2. 各ノードで、クラスタノードに対するデバイスの接続性を検証します。

    scdidadm(1M) コマンドを実行して、システムが検査するすべてのデバイスのリストを表示します。このコマンドを実行するために、スーパーユーザーとしてログインする必要はありません。


    % scdidadm -L
    

    各ノードのリストは同じ内容になります。出力は次のようになります。


    1       phys-schost-1:/dev/rdsk/c0t0d0 /dev/did/rdsk/d1
    2       phys-schost-1:/dev/rdsk/c1t1d0 /dev/did/rdsk/d2
    2       phys-schost-2:/dev/rdsk/c1t1d0 /dev/did/rdsk/d2
    3       phys-schost-1:/dev/rdsk/c1t2d0 /dev/did/rdsk/d3
    3       phys-schost-2:/dev/rdsk/c1t2d0 /dev/did/rdsk/d3
    …

  3. 定足数デバイスとして構成する各共有ディスクの広域デバイス ID 名を決定します。

    手順 2 で得られた scdidadm の出力で、定足数デバイスとして構成する各共有ディスクのデバイス ID 名を確認してください。たとえば、手順 2の出力は、広域デバイス d2 phys-schost-1phys-schost-2 で共有されていることを示しています。この情報は、手順 8 で使用します。定足数デバイスの計画の詳細については、定足数デバイス を参照してください。

  4. 既存のクラスタに新しいノードを追加するかどうかを決定します。

    • 追加しない場合は、手順 5に進みます。

    • 追加する場合は、クラスタの新しい構成に対応できるように定足数の構成を更新しなければならないことがあります。定足数については、『Sun Cluster 3.1 10/03 の概念』を参照してください。定足数の構成を変更するには、『Sun Cluster 3.1 10/03 のシステム管理』の「定足数の管理」に示されている手順に従ってください。

      適切に定足数を設定したなら、手順 12 に進みます。

  5. SunPlex Manager を使用して Sun Cluster ソフトウェアをインストールしたかどうかを確認します。

    • 使用していない場合は、手順 6 に進みます。

    • SunPlex Manager を使用した場合は、手順 12 に進みます。Sun Cluster のインストール時に、SunPlex Manager は定足数投票を割り当て、クラスタをインストールモードから解除します。

  6. 任意のクラスタノードでスーパーユーザーになります。

  7. scsetup(1M) ユーティリティーを起動します。


    # scsetup
    

    「初期クラスタ設定」画面が表示されます。


    注 –

    代わりに「メインメニュー」が表示された場合は、クラスタの初期設定はすでに正しく行われています。手順 12 に進みます。


    定足数の設定処理が中断されたり、正常に終了しなかった場合は、scsetup を再度実行してください。

  8. クラスタが 2 ノードクラスタの場合は、「定足数ディスクを追加しますか?」というプロンプトで 1 つ以上の共有定足数デバイスを構成してください。

    クラスタに 3 つ以上のノードが存在する場合は、定足数デバイスの構成は任意です。

  9. 「installmode」をリセットしますか ?というプロンプトに、「Yes」と入力します。

    scsetup ユーティリティーによって、クラスタの定足数構成と投票数が設定されたあと、「クラスタの初期化は完了しました。 というメッセージが表示されます。ユーティリティは、「メインメニュー」に戻ります。

  10. scsetup ユーティリティを終了します。

  11. 任意のノードから、デバイスとノードの定足数構成を確認します。


    % scstat -q
    

  12. 任意のノードから、クラスタインストールモードが無効になっていることを確認します。

    このコマンドを実行するためにスーパーユーザーになる必要はありません。


    % scconf -p | grep "インストールモード"
    クラスタのインストールモード: 
                                disabled

  13. VERITAS File System (VxFS) ソフトウェアを使用するかどうかを決定します。

    • 使用しない場合は、手順 2に進みます。

    • 使用する場合、次の手順を行います。

    1. VxFS ソフトウェアをまだインストールしていない場合は、VxFS のインストールマニュアルの手順に従って、クラスタの各ノードに VxFS ソフトウェアをインストールします。

    2. 各ノード上の /etc/system ファイルで、rpcmod:svc_default_stksize 変数の値を 0x8000 に設定し、lwp_default_stksize 変数の値を 0x6000 に設定します。


      set rpcmod:svc_default_stksize=0x8000
      set lwp_default_stksize=0x6000

      Sun Cluster ソフトウェアには、少なくとも 0x8000 に設定された rpcmod:svc_default_stksize が必要です。VxFS をインストールすると、rpcmod:svc_default_stksize 変数の値が 0x4000 に設定されるため、VxFS のインストールが終わった後で、値を手動で 0x8000 に戻す必要があります。

      /etc/system ファイルの lwp_default_stksize 変数を設定して、VxFS デフォルト値の 0x4000 を無効にします。

  14. ボリューム管理ソフトウェアをインストールします。

Sun Cluster ソフトウェアのアンインストールによるインストール問題を解決する

インストールしたノードがクラスタに参加できなかったり、構成情報 (トランスポートアダプタなど) を修正する場合、次の手順を実行します。


注 –

ノードがすでにクラスタに参加しており、インストールモード (インストール後の設定を行う手順 12 を参照) でない場合は、この手順を実行しないでください。代わりに、『Sun Cluster 3.1 10/03 のシステム管理』の「クラスタノードの追加と削除」の「Sun Cluster ソフトウェアをクラスタノードからアンインストールする」手順に進みます。


  1. ノードを再インストールします。

    インストールに失敗したノードは、単に、当該ノード上で Sun Cluster ソフトウェアのインストールをやり直すだけで修正できる場合があります。ノードの再インストールを行なっても成功しなかった場合、手順 2 に進んで当該ノードから Sun Cluster ソフトウェアをアンインストールします。

  2. アンインストールを行なうノード以外のアクティブなクラスタメンバー上でスーパーユーザーになります。

  3. アクティブなクラスタメンバーから、アンインストールするノードをクラスタの認証ノードリストに追加します。


    # /usr/cluster/bin/scconf -a -T node=nodename
    
    -a

    追加

    -T

    認証オプションを指定します。

    node=nodename

    認証リストに追加するノードの名前を指定します。

    あるいは、scsetup(1M) ユーティリティも使用できます。手順については、『Sun Cluster 3.1 10/03 のシステム管理』の「クラスタノードの追加と削除」の「ノードを認証ノードリストに追加する」を参照してください。

  4. アンインストールを行なうノード上でスーパーユーザーになります。

  5. ノードを再起動して、非クラスタモードになります。


    # shutdown -g0 -y -i0
    ok boot -x
    

  6. ノードをアンインストールします。

    Sun Cluster パッケージのファイルが何も含まれていないディレクトリから、scinstall コマンドを実行します。


    # cd /
    # /usr/cluster/bin/scinstall -r
    

    詳細については、scinstall(1M) のマニュアルページを参照してください。

  7. そのノードに Sun Cluster ソフトウェアを再インストールします。

    再インストールを実行するためのインストール作業のリストとその順序については、表 2-1 を参照してください。

クラスタの構成

次の表に、クラスタを構成する場合の作業を示します。これらの作業を開始する前に、以下の作業が完了していることを確認してください。

表 2–4 作業マップ: クラスタの構成

作業 

参照箇所 

クラスタファイルシステムの作成とマウント 

クラスタファイルシステムを追加する

IP マルチパスグループを構成します。 

インターネットプロトコル (IP) マルチパスグループを構成する

(任意) ノードのプライベートホスト名を変更 

プライベートホスト名を変更する

NTP 構成ファイルを作成または変更 

ネットワークタイムプロトコル (NTP) を構成する

(任意) Sun Cluster モジュールを Sun Management Center ソフトウェアにインストール

Sun Management Center 用の Sun Cluster モジュールのインストール

Sun Management Center のマニュアル 

サン以外のアプリケーションをインストールし、アプリケーション、データサービス、リソースグループを構成 

Sun Cluster 3.1 データサービスの計画と管理

各アプリケーションのマニュアル 

クラスタファイルシステムを追加する

次の手順は、追加するクラスタファイルシステムごとに行います。


Caution – Caution –

ファイルシステムを作成するとき、ディスク上のデータは破壊されます。正しいディスクデバイス名を指定していることを確認してください。間違ったデバイス名を指定した場合、削除するつもりのないデータが削除されてしまいます。


SunPlex Manager を使用してデータサービスをインストールした場合、1 つまたは複数のクラスタファイルシステム上に SunPlex Manager がすでに作成されています。

  1. ボリューム管理ソフトウェアのインストールと構成が行われていることを確認します。

    ボリューム管理ソフトウェアのインストール手順については、Solstice DiskSuite/Solaris Volume Manager ソフトウェアのインストールと構成VxVM ソフトウェアのインストールと構成を参照してください。

  2. クラスタ内にある任意のノード上でスーパーユーザーになります。


    ヒント –

    ファイルシステムを迅速に作成するには、ファイルシステムを作成する広域デバイスの現在の主ノード上でスーパーユーザーになります。


  3. ファイルシステムを作成します。

    • VxFS ファイルシステムの場合、 VxFS のマニュアルに記載されている手順に従います。

    • UFS ファイルシステムの場合、newfs(1M) コマンドを使用します。


      # newfs raw-disk-device
      

    下の表 に、引数 raw-disk-device の名前の例を挙げます。命名規則はボリュームマネージャごとに異なるので注意してください。

    ボリュームマネージャ 

    ディスクデバイス名の例 

    説明 

    Solstice DiskSuite/Solaris Volume Manager 

    /dev/md/oracle/rdsk/d1

    oracle ディスクセット内の raw デバイス d1

    VERITAS Volume Manager 

    /dev/vx/rdsk/oradg/vol01

    oradg ディスクセット内の raw デバイス vol01

    なし 

    /dev/global/rdsk/d1s3

    raw ディスクデバイス d1s3

  4. クラスタ内にある各ノード上で、クラスタファイルシステムごとにマウントポイントを作成します。

    ノード上でクラスタファイルシステムがアクセスされない場合でも、マウントポイントはノードごとに必要です。


    ヒント –

    管理を行いやすくするには、マウントポイントを /global/device-group ディレクトリに作成します。この場所を使用すると、広域的に利用できるクラスタファイルシステムとローカルファイルシステムを区別しやすくなります。



    # mkdir -p /global/device-group/mountpoint
    
    device-group

    デバイスが属するデバイスグループ名に対応するディレクトリの名前。

    mountpoint

    クラスタファイルシステムをマウントするディレクトリの名前。

  5. クラスタ内の各ノードで、マウントポイント用の /etc/vfstab ファイルにエントリを追加します。

    詳細については、vfstab(4) のマニュアルページを参照してください。

    1. 次の必要なマウントオプションを使用します。


      注 –

      ロギングはすべてのクラスタファイルシステムに必要です。


      • Solaris UFS ロギング – globallogging マウントオプションを使用します。Oracle Parallel Server/Real Application Clusters RDBMS データファイル、ログファイル、および制御ファイルによる使用については、forcedirectio マウントオプションも使用します。 UFS マウントポイントの詳細については、mount_ufs(1M) のマニュアルページを参照してください。


        注 –

        syncdir マウントオプションは UFS クラスタファイルシステムには必要ありません。

        • syncdir を指定した場合、write() システムコールにおいて、ファイルシステムが POSIX に準拠して動作することが保証されます。write() が成功した場合、このマウントオプションにより、ディスク上に十分な空間が確保されます。

        • syncdir を指定しない場合、ファイルシステムの動作は UFS ファイルシステムと同じです。syncdir を指定しない場合、ディスクブロックを割り当てる (つまり、データをファイルに追加するような) 書き込みの性能が大幅に向上します。しかし、syncdir を指定しない場合、ファイルを閉じるまでは空間不足 (ENOSPC) の状態が判明しません。

        この場合、ファイルを閉じるときに ENOSPC 状態になるのは、フェイルオーバー後の短い間だけです。syncdir (つまり、POSIX の動作) を指定した場合、空間不足状態はファイルを閉じる前に見つかります。


      • Solstice DiskSuite トランスメタデバイスまたは Solaris Volume Manager トランザクショナルボリューム – global マウントオプションのみを使用します。logging は、使用しません。


        注 –

        Solaris Volume Managerトランザクションボリュームロギング (旧 Solstice DiskSuite トランスメタデバイスロギング) は、将来の Solaris リリースで、Solaris オペレーティング環境から削除される予定です。Solaris UFS ロギング は、より低い管理条件とオーバーヘッドで、同様の機能を高いパフォーマンスで提供します。


        トランスメタデバイスの設定方法については、Solstice DiskSuite のマニュアルを参照してください。また、トランザクショナルボリュームの設定方法については、Solaris Volume Manager のマニュアルを参照してください。

      • VxFS ロギング – globallog マウントオプションを使用します。VxFS マウントオプションの詳細については、VxFS mount_vxfs のマニュアルページおよび『Sun Cluster 3.1 10/03 のシステム管理』の「クラスタファイルシステムの管理の概要」を参照してください。

    2. クラスタファイルシステムを自動的にマウントするには、mount at boot フィールドを yes に設定します。

    3. クラスタファイルシステムごとに、各ノードの /etc/vfstab ファイルにあるエントリの情報が同じであることを確認します。

    4. 各ノードの /etc/vfstab ファイルにあるエントリのデバイスの順番が同じであることを確認します。

    5. ファイルシステムの起動順の依存関係を検査します。

      たとえば、phys-schost-1 がディスクデバイス d0/global/oracle にマウントし、phys-schost-2 がディスクデバイス d1/global/oracle/logs にマウントすると仮定します。この構成では、phys-schost-1 が起動して /global/oracle をマウントした後にのみ、 phys-schost-2 が起動して /global/oracle/logs をマウントできます。

  6. クラスタ内の任意のノードで、マウントポイントが存在することを確認します。また、/etc/vfstab ファイルのエントリが、クラスタのすべてのノードで正しいことを確認します。


    # sccheck
    

    エラーが発生していない場合は、何も戻されません。

  7. クラスタ内にある任意のノードから、クラスタファイルシステムをマウントします。


    # mount /global/device-group/mountpoint
    


    注 –

    VERITAS File System (VxFS) の場合、ファイルシステムのマウントを正しく行うためには、device-group の現在のマスターからマウントしてください。さらに、VxFS ファイルシステムを正しく確実にマウント解除するには、device-group の現在のマスターからファイルシステムをマウント解除します。


  8. クラスタ内にある各ノード上で、クラスタファイルシステムがマウントされていることを確認します。

    マウントされているファイルシステムのリストを表示するには、df(1M) コマンドまたは mount(1M) コマンドを使用できます。


    注 –

    VxFS クラスタファイルシステムを Sun Cluster 環境で管理するには、VxFS クラスタファイルシステムがマウントされている主ノードだけから管理コマンドを実行します。


  9. IP マルチパスグループを構成します。

    インターネットプロトコル (IP) マルチパスグループを構成する に進みます。

例—クラスタファイルシステムを作成する

次の例では、Solstice DiskSuite メタデバイスの /dev/md/oracle/rdsk/d1 にUFS クラスタファイルシステムが作成されます。


# newfs /dev/md/oracle/rdsk/d1
…
 
(各ノード上で実行する)
# mkdir -p /global/oracle/d1
# vi /etc/vfstab
#device           device        mount   FS      fsck    mount   mount
#to mount         to fsck       point   type   ; pass    at boot options
#                     
/dev/md/oracle/dsk/d1 /dev/md/oracle/rdsk/d1 /global/oracle/d1 ufs 2 yes global,logging
(保存して終了する)
 
(1 つのノード上で実行する)
# sccheck
# mount /global/oracle/d1
# mount
…
/global/oracle/d1 on /dev/md/oracle/dsk/d1 read/write/setuid/global/logging/largefiles 
on Sun Oct 3 08:56:16 2000

インターネットプロトコル (IP) マルチパスグループを構成する

クラスタの各ノードで次の作業を行います。SunPlex Manager を使用して Sun Cluster HA for Apache または Sun Cluster HA for NFS をインストールした場合、これらのデータサービスが使用するパブリックネットワークアダプタ用の IP マルチパスグループは SunPlex Manager によって構成されています。残りのパブリックネットワークアダプタについては、ユーザーが IP マルチパスグループを構成する必要があります。


注 –

パブリックネットワークアダプタはすべて IP マルチパスグループに属する必要があります。


  1. 必要事項を記入したパブリックネットワークのワークシートを用意します。

  2. IP マルチパスグループを構成します。

    IP ネットワークマルチパスの管理』(Solaris 8) の「ネットワークマルチパスの導入」または『Solaris のシステム管理 (IP サービス)』(Solaris 9) の「ネットワークマルチパスの管理 (手順)」で説明されている IPv4 アドレスに関する手順を実行します。

    また、以下に示す追加ガイドラインに従って Sun Cluster 構成の IP マルチパスグループを設定します。

    • 各パブリックネットワークアダプタは、マルチパスグループに属している必要があります。

    • 2 つ以上のアダプタを含むマルチパスグループについては、そのグループ内の各アダプタにテスト IP アドレスを構成する必要があります。マルチパスグループに含まれるアダプタが 1 つだけの場合には、テスト IP アドレスを構成する必要はありません。

    • 同一マルチパスグループ内のすべてのアダプタ用のテスト IP アドレスは、単一の IP サブネットに属する必要があります。

    • テスト IP アドレスは高可用性ではないため、通常のアプリケーションでは使用しないようにします。

    • /etc/default/mpathd ファイルの TRACK_INTERFACES_ONLY_WITH_GROUPS の値を yes から no に変更しないでください。

    • マルチパスグループの名前に、必要条件はありません。

  3. プライベートホスト名を変更するかどうかを決定します。

  4. Sun Cluster ソフトウェアをインストールする前に、独自の/etc/inet/ntp.conf ファイルをインストールしたかどうかを確認します。

  5. クラスタの監視に Sun Management Center を使用するかどうかを決定します。

    • 使用する場合は、Sun Management Center 用の Sun Cluster モジュールのインストールに進みます。

    • 使用しない場合、Sun 以外のアプリケーションをインストールし、リソースタイプを登録し、リソースグループを設定し、データサービスを構成します。『Sun Cluster 3.1 データサービスの計画と管理』およびアプリケーションに付属のマニュアルで説明されている手順に従ってください。

プライベートホスト名を変更する

次の作業は、Sun Cluster ソフトウェアのインストール中に割り当てられるデフォルトのプライベートホスト名 (clusternodenodeid-priv) を使用しない場合に実行します。


注 –

この手順は、アプリケーションとデータサービスの構成および起動後には実行しないでください。アプリケーションやデータサービスは、名前の変更後も引き続き古いプライベートホスト名を使用することがあり、この手順を実行するとホスト名の衝突が発生します。アプリケーションやデータサービスが実行中の場合は、この手順を実行する前に停止しておいてください。


  1. クラスタ内の 1 つのノードのスーパーユーザになります。

  2. scsetup(1M) ユーティリティーを起動します。


    # scsetup
    

  3. プライベートホスト名に対して作業を行うには、5 (プライベートホスト名) を入力します。

  4. プライベートホスト名を変更するには、1 (プライベートホスト名を変更) を入力します。

  5. プロンプトに従って、プライベートホスト名を変更します。

    変更するプライベートホスト名ごとに繰り返します。

  6. 新しいプライベートホスト名を確認します。


    # scconf -pv | grep "private hostname"
    (phys-schost-1) Node private hostname:      phys-schost-1-priv
    (phys-schost-3) Node private hostname:      phys-schost-3-priv
    (phys-schost-2) Node private hostname:      phys-schost-2-priv

  7. Sun Cluster ソフトウェアをインストールする前に、独自の/etc/inet/ntp.conf ファイルをインストールしたかどうかを確認します。

  8. クラスタの監視に Sun Management Center を使用するかどうかを決定します。

    • 使用する場合は、Sun Management Center 用の Sun Cluster モジュールのインストールに進みます。

    • 使用しない場合、Sun 以外のアプリケーションをインストールし、リソースタイプを登録し、リソースグループを設定し、データサービスを構成します。アプリケーションソフトウェアに付属のマニュアルおよび『Sun Cluster 3.1 データサービスの計画と管理』を参照してください。

ネットワークタイムプロトコル (NTP) を構成する

Sun Cluster ソフトウェアをインストールした後、次の作業を行なって、NTP 構成ファイルを作成および変更します。また、ノードを既存のクラスタに追加したときや、クラスタ内にあるノードのプライベートホスト名を変更したときも、NTP 構成ファイルを変更する必要があります。


注 –

NTP を構成する (つまり、クラスタ内で同期をとる) 場合に重要な第一の条件は、すべてのクラスタノードが同時に同期をとる必要があるということです。ノード間で同期をとる場合に重要な第二の条件は、個々のノードの時間が正確であるということです。このような同期についての基本的条件に適合する場合は、NTP はニーズに合わせて自由に構成できます。

クラスタの時刻の詳細については、『Sun Cluster 3.1 10/03 の概念』を参照してください。NTP を Sun Cluster 構成用に構成する場合のガイドラインについては、/etc/inet/ntp.cluster テンプレートファイルを参照してください。


  1. Sun Cluster ソフトウェアをインストールするに、独自の/etc/inet/ntp.conf ファイルをインストールしたかどうかを確認します。

    • インストールした場合、独自の ntp.conf ファイルを変更する必要はありません。手順 8 に進みます。

    • インストールしていない場合は、手順 2 に進みます。

  2. クラスタノード上にインストールするクラスタノード上でスーパーユーザーになります。

  3. クラスタノード上にインストールする独自の /etc/inet/ntp.conf ファイルがあるかどうかを確認します。

    • ない場合は、手順 4 に進みます。

    • ある場合、独自の /etc/inet/ntp.conf ファイルをクラスタのノードにコピーして 手順 6 に進みます。


      注 –

      すべてのクラスタノードは同時に同期をとる必要があります。


  4. クラスタのどれか 1 つのノード上で、/etc/inet/ntp.conf.cluster ファイルにあるプライベートホスト名を編集します。

    ノード上に /etc/inet/ntp.conf ファイルが存在しない場合、Sun Cluster ソフトウェアは NTP 構成ファイルとして /etc/inet/ntp.conf.cluster ファイルを作成します。


    注 –

    ntp.conf.cluster ファイルの名前を ntp.conf に変更してはいけません。


    ノード上に /etc/inet/ntp.conf.cluster ファイルが存在しない場合、Sun Cluster ソフトウェアの初期インストールに /etc/inet/ntp.conf ファイルが存在する可能性があります。この場合、その ntp.conf ファイルを次のように編集します。

    1. 各クラスタノードのプライベートホスト名用のエントリが存在することを確認します。

    2. 使用しないプライベートホスト名を削除します。

      ntp.conf.cluster ファイルに存在しないプライベートホスト名が含まれている可能性があります。この場合、ノードを再起動するときに、ノードが存在しないプライベートホスト名に接続しようとするため、エラーメッセージが生成されます。

    3. ノードのプライベートホスト名を変更した場合、新しいプライベートホスト名が NTP 構成ファイルに存在することを確認します。

    4. 必要であれば、各自の NTP 条件に適合するように NTP 構成ファイルを変更します。

  5. クラスタ内にあるすべてのノードに NTP 構成ファイルをコピーします。

    NTP 構成ファイルの内容は、すべてのクラスタノードで同じである必要があります。

  6. 各ノード上で、NTP デーモンを停止します。

    各ノード上で停止コマンドが正常に終了するまで待機して、手順 7 に進みます。


    # /etc/init.d/xntpd stop
    

  7. 各ノード上で、NTP デーモンを再起動します。

    • ntp.conf.cluster ファイルを使用する場合は、次のコマンドを実行します。


      # /etc/init.d/xntpd.cluster start
      

      xntpd.cluster 起動スクリプトは最初に、/etc/inet/ntp.conf ファイルを検索します。このファイルが存在しない場合、起動スクリプトは NTP デーモンを起動せずに即座に終了します。ntp.conf ファイルは存在しないが、ntp.conf.cluster ファイルは存在する場合、スクリプトは ntp.conf.cluster ファイルを NTP 構成ファイルとして使用して NTP デーモンを起動します。

    • ntp.conf ファイルを使用する場合は、次のコマンドを実行します。


      # /etc/init.d/xntpd start
      
  8. クラスタの監視に Sun Management Center を使用するかどうかを決定します。

    • 使用する場合は、Sun Management Center 用の Sun Cluster モジュールのインストールに進みます。

    • 使用しない場合、Sun 以外のアプリケーションをインストールし、リソースタイプを登録し、リソースグループを設定し、データサービスを構成します。アプリケーションソフトウェアに付属のマニュアルおよび『Sun Cluster 3.1 データサービスの計画と管理』を参照してください。

Sun Management Center 用の Sun Cluster モジュールのインストール

次の表に、Sun Management Center 用の Sun Cluster モジュールソフトウェアをインストールするために実行する作業を示します。

表 2–5 作業マップ: Sun Management Center 用の Sun Cluster モジュールのインストール

作業 

参照箇所 

Sun Management Center サーバー、ヘルプサーバー、エージェント、コンソールパッケージをインストール 

Sun Management Center のマニュアル 

Sun Cluster 監視のためのインストール条件

Sun Cluster– モジュールパッケージをインストール 

Sun Cluster モジュールを Sun Management Center 用にインストールする

Sun Management Center サーバー、コンソール、エージェントプロセスを起動 

Sun Management Center を起動する

各クラスタノードを Sun Management Center エージェントホストオブジェクトとして追加 

クラスタノードを Sun Management Center エージェントホストオブジェクトとして追加する

Sun Cluster モジュールを読み込んで、クラスタの監視を開始 

Sun Cluster モジュールを読み込む

Sun Cluster 監視のためのインストール条件

Sun Management Center の Sun Cluster モジュールは、Sun Cluster 構成を監視するために使用されます。Sun Cluster モジュールパッケージをインストールする前に、以下の必要条件を確認してください。

Sun Cluster モジュールを Sun Management Center 用にインストールする

以下の手順を実行して、Sun Cluster モジュールサーバーおよびヘルプサーバーパッケージをインストールします。


注 –

Sun Cluster モジュールエージェントパッケージ (SUNWscsal および SUNWscsam) は、Sun Cluster ソフトウェアのインストール中にクラスタノードに追加されています。


  1. Sun Management Center のコアパッケージが適切なマシン上にインストールされていることを確認します。

    これは、各クラスタノードでの Sun Management Center エージェントパッケージのインストールが含まれます。インストール方法については、Sun Management Center のマニュアルを参照してください。

  2. サーバーマシンに、Sun Cluster モジュールサーバーパッケージである SUNWscssv をインストールします。

    1. スーパーユーザーになります。

    2. CD-ROM ドライブに Sun Cluster 3.1 10/03 CD-ROM を挿入します。

    3. /cdrom/suncluster_3_1/SunCluster_3.1/Sol_ver/Packages ディレクトリに移動します。ここで ver は、8 (Solaris 8 の場合) または 9 (Solaris 9 の場合) になります。 に置き換えます。

      以下の例では、Sun Cluster ソフトウェアの Solaris 8 バージョンのパスを使用しています。


      # cd /cdrom/suncluster_3_1_u1/SunCluster_3.1/Sol_8/Packages
      

    4. Sun Cluster モジュールサーバーパッケージをインストールします。


      # pkgadd -d . SUNWscssv
      

    5. CD-ROM のルートディレクトリに移動して、CD-ROM を取り出します。

  3. ヘルプサーバーマシンに、Sun Cluster モジュールヘルプサーバーパッケージである SUNWscshl をインストールします。

    上記と同じ手順を実行します。

  4. Sun Cluster モジュールパッチをインストールします。

    パッチの入手先とインストール方法については、『Sun Cluster 3.1 ご使用にあたって 』の「パッチと必須ファームウェアのレベル」を参照してください。

  5. Sun Management Center を起動します。

    Sun Management Center を起動するに進みます。

Sun Management Center を起動する

次の手順を実行して、Sun Management Center サーバー、エージェント、コンソールプロセスを起動します。

  1. スーパーユーザとして、Sun Management Center サーバーマシンで Sun Management Center サーバープロセスを起動します。


    # /opt/SUNWsymon/sbin/es-start -S
    

  2. スーパーユーザーとして、 Sun Management Center エージェントマシン (クラスタノード) ごとに Sun Management Center エージェントプロセスを起動します。


    # /opt/SUNWsymon/sbin/es-start -a
    

  3. Sun Management Center エージェントマシン (クラスタノード) 上で、scsymon_srv デーモンが動作していることを確認します。


    # ps -ef | grep scsymon_srv
    

    任意のクラスタノード上で scsymon_srv デーモンが動作していない場合、そのノード上でデーモンを起動します。


    # /usr/cluster/lib/scsymon/scsymon_srv
    

  4. Sun Management Center コンソールマシン (管理コンソール) で Sun Management Center コンソールを起動します。

    コンソールプロセスを起動するには、スーパーユーザである必要はありません。


    % /opt/SUNWsymon/sbin/es-start -c
    

  5. ログイン名、パスワード、サーバーのホスト名を入力し、「ログイン」をクリックします。

  6. クラスタノードを監視対象のホストオブジェクトとして追加します。

    クラスタノードを Sun Management Center エージェントホストオブジェクトとして追加するに進みます。

クラスタノードを Sun Management Center エージェントホストオブジェクトとして追加する

次の手順を実行して、クラスタノードの Sun Management Center エージェントホストオブジェクトを作成します。


注 –

Sun Cluster モジュールの監視および構成機能を使用するには、クラスタ全体で必要なクラスタノードホストオブジェクトは、1 つだけです。ただし、そのクラスタノードが利用不能になると、ホストオブジェクトを通じてクラスタと接続することもできなくなります。したがって、クラスタに再接続するには、別のクラスタノードホストオブジェクトが必要となります。


  1. Sun Management Center のメインウィンドウで、「ドメイン」プルダウンリストからドメインを選択します。

    作成する Sun Management Center エージェントホストオブジェクトがこのドメインに格納されます。Sun Management Center ソフトウェアのインストール中に、「デフォルトのドメイン」が自動的に作成されています。このドメインを使用するか、別の既存のドメインを選択するか、または新しいドメインを作成します。

    Sun Management Center ドメインの作成方法については、Sun Management Center のマニュアルを参照してください。

  2. プルダウンメニューから「編集」>「オブジェクトの作成」の順に選択します。

  3. 「ノード」タブを選択します。

  4. 「監視ツール」プルダウンリストから、「エージェントホスト」を選択します。

  5. 「ノードラベル」および「ホスト名」テキストフィールドにクラスタノードの名前 (phys-schost-1 など) を入力します。

    「IP」テキストフィールドは空白のままにしておきます。「説明」テキストフィールドはオプションです。

  6. 「ポート」テキストフィールドに、Sun Management Center エージェントマシンのインストール時に選択したポート番号を入力します。

  7. 「了解」をクリックします。

    ドメインに Sun Management Center エージェントホストオブジェクトが作成されます。

  8. Sun Cluster モジュールを読み込みます。

    Sun Cluster モジュールを読み込むに進みます。

Sun Cluster モジュールを読み込む

次の手順を実行して、クラスタ監視機能を起動します。

  1. Sun Management Center のメインウィンドウで、クラスタノードのアイコンを右クリックします。

    プルダウンメニューが表示されます。

  2. 「モジュールの読み込み」を選択します。

    「モジュールの読み込み」ウィンドウに、利用可能な各 Sun Management Center モジュールと、そのモジュールが現在読み込まれているかどうかが表示されます。

  3. まだ読み込まれていなければ Sun Cluster を選択します。「了解」をクリックします。

    「モジュールの読み込み」ウィンドウに、選択したモジュールの現在のパラメータ情報が表示されます。

  4. 「了解」をクリックします。

    数分後、そのモジュールが読み込まれます。Sun Cluster アイコンが「詳細」ウィンドウに表示されます。

  5. 「詳細」ウィンドウの「オペレーティングシステム」カテゴリで、以下のいずれかの方法で Sun Cluster サブツリーを展開します。

    • ウィンドウ左側のツリー階層で、カーソルを Sun Cluster モジュールのアイコンに合わせ、マウスのセレクトボタンをクリックします。

    • ウィンドウ右側のトポロジ表示領域で、カーソルを Sun Cluster モジュールのアイコンに合わせ、マウスのセレクトボタンをダブルクリックします。

  6. Sun Cluster モジュール機能の使用方法については、Sun Cluster モジュールのオンラインヘルプを参照してください。

    • Sun Cluster モジュールの特定の項目のオンラインヘルプを参照するには、その項目にマウスを合わせます。マウスを右クリックして、ポップアップメニューメニューから「ヘルプ」を選択します。

    • Sun Cluster モジュールのオンラインヘルプのホームページにアクセスするには、「クラスタ情報」アイコンにカーソルを合わせます。 マウスを右クリックして、ポップアップメニューメニューから「ヘルプ」を選択します。

    • Sun Cluster モジュールのオンラインヘルプのホームページに直接アクセスするには、Sun Management Center の「ヘルプ」ボタンをクリックして、ヘルプブラウザを起動します。次に、以下の URL にアクセスします。

      file:/opt/SUNWsymon/lib/locale/C/help/main.top.html


    注 –

    Sun Management Center ブラウザの「ヘルプ」ボタンをクリックすると、Sun Cluster モジュールに固有のトピックではなく、Sun Management Center オンラインヘルプにアクセスします。


    Sun Management Center の使用方法については、Sun Management Center のオンラインヘルプと Sun Management Center のマニュアルを参照してください。

  7. 他のアプリケーションのインストール、リソースタイプの登録、リソースグループの設定、データサービスの構成をそれぞれ行います。

    アプリケーションソフトウェアに付属のマニュアルおよび『Sun Cluster 3.1 データサービスの計画と管理』を参照してください。