この節では、カスタム JumpStart によるインストール方法であるscinstall(1M) の設定と使用について説明します。 この方法は、Solaris と Sun Cluster ソフトウェアの両方を 1 回の操作ですべてのクラスタノードにインストールし、クラスタを動作可能にします。この手順は、新しいノードを既存のクラスタに追加するときにも使用できます。
Solaris ソフトウェアをインストールする前に、ハードウェアの設定が完了していることと、接続が完全であることを確認します。
ハードウェアの設定の詳細については、『Sun Cluster 3.1 Hardware Administration Collection』およびサーバーと記憶装置のマニュアルを参照してください。
クラスタ構成の計画が完了していることを確認します。
必要条件とガイドラインについては、クラスタソフトウェアのインストールの準備をする を参照してください。
次の情報を用意します。
計画のガイドラインについては、Solaris オペレーティング環境についての計画 と Sun Cluster 環境の計画 を参照してください。
ネームサービスを使用しているかどうかを確認します。
既存のクラスタに新しいノードをインストールするかどうかを確認します。
インストールしない場合は、手順 6 に進みます。
インストールする場合は、アクティブな別のクラスタノードからscsetup(1M) を実行し、認証クラスタノードのリストにこの新しいノードの名前を追加します。手順については、『Sun Cluster 3.1 10/03 のシステム管理』の「クラスタノードの追加と削除」の「ノードを認証ノードリストに追加する」を参照してください。
スーパーユーザーとして、JumpStart インストールサーバーを Solaris オペレーティング環境インストール用に設定します。
JumpStart インストールサーバーの設定方法については、『 Solaris 8 のインストール (上級編)』の「カスタム JumpStart インストールの準備」を参照するか、『 Solaris 9 インストールガイド』の「カスタム JumpStart インストールの準備 」を参照してください。 setup_install_server(1M) および add_install_client(1M) のマニュアルページも参照してください。
インストールサーバーを設定するときには、次の条件に適合していることを確認します。
インストールサーバーはクラスタノードと同じサブネット上にあるが、それ自体はクラスタノードではないこと
インストールサーバーによって、Sun Cluster ソフトウェアに必要な Solaris オペレーティング環境のリリースがインストールされていること
Sun Cluster の JumpStart インストール用のカスタム JumpStart ディレクトリが存在すること。この jumpstart-dir ディレクトリには check(1M) ユーティリティのコピーが含まれているため、JumpStart インストールサーバーが読み取れるように NFS でエクスポートされている必要があります。
各新規クラスタノードが、Sun Cluster のインストール用のカスタム JumpStart ディレクトリ設定を使用する、カスタム JumpStart インストールクライアントとして構成されていること
JumpStart インストールサーバーに、Sun Cluster 3.1 10/03 CD-ROM のコピーを格納するディレクトリを作成します。ディレクトリがすでに存在している場合は、次の手順に進みます。
次の例では、このディレクトリとして /export/suncluster を使用します。
# mkdir -m 755 /export/suncluster |
Sun Cluster CD-ROM を JumpStart インストールサーバーにコピーします。
JumpStart インストールサーバーの CD-ROM ドライブに Sun Cluster 3.1 10/03 CD-ROM を挿入します。
ボリューム管理デーモン vold(1M) が実行されており、CD-ROM デバイスを管理するように構成されている場合は、CD-ROM は自動的に /cdrom/suncluster_3_1_u1 ディレクトリにマウントされます。
/cdrom/suncluster_3_1/SunCluster_3.1/Sol_ver/Tools ディレクトリに移動します。ここに示した ver は、8 (Solaris 8 の場合) または 9 (Solaris 9 の場合) になります。 に置き換えます。
以下の例では、Sun Cluster ソフトウェアの Solaris 8 バージョンのパスを使用しています。
# cd /cdrom/suncluster_3_1_u1/SunCluster_3.1/Sol_8/Tools |
CD-ROM を JumpStart インストールサーバー上の新しいディレクトリにコピーします。
scinstall コマンドは、CD-ROM のファイルをコピーするときに、新しいインストールディレクトリを作成します。この例では、インストールディレクトリの名前として /export/suncluster/sc31 を使用します。
# ./scinstall -a /export/suncluster/sc31 |
CD-ROM を取り出します。
# cd / # eject cdrom |
JumpStart インストールサーバーが読み取れるように、JumpStart インストールサーバー上にある Sun Cluster 3.1 10/03 CD-ROM イメージが NFS でエクスポートされていることを確認します。
自動ファイル共有の詳細については、『Solaris のシステム管理 (第 3 巻)』の「Solaris NFS 環境」を参照するか、『Solaris のシステム管理 (資源管理とネットワークサービス)』の「ネットワークファイルシステムの管理 (概要)」を参照してください。share(1M) および dfstab(4) のマニュアルページも参照してください。
JumpStart インストールサーバーから scinstall(1M) ユーティリティーを起動します。
ここでは、作成したインストールディレクトリの例として、パス /export/suncluster/sc31 を使用します。
# cd /export/suncluster/sc31/SunCluster_3.1/Sol_ver/Tools # ./scinstall |
CD-ROM パスの ver は、 8 (Solaris 8 の場合) または 9 (Solaris 9 の場合) に置き換えます。
対話形式の scinstall ユーティリティーを使用するときは、次のガイドラインに従ってください。
対話式 scinstall を使用すると、先行入力が可能になります。したがって、次のメニュー画面がすぐに表示されなくても、何度も Return キーを押さないでください。
特に指定のある場合を除いて、Control-D キーを押すと、関連する一連の質問の最初に戻るか、メインメニューに戻ります。
メインメニューから 2 (このインストールサーバーから JumpStart できるようにクラスタを構成) を入力します。
このオプションを使用して、カスタム JumpStart 完了スクリプトを構成します。JumpStart は、これらの完了スクリプトを使用して、 Sun Cluster ソフトウェアをインストールします。
*** メインメニュー *** Please select from one of the following (*) options: * 1) クラスタまたはクラスタノードをインストール * 2) このインストールサーバーから JumpStart できるようにクラスタを構成 3) 新しいデータサービスのサポートをこのクラスタノードに追加 * 4) このクラスタノードのリリース情報を出力 * ?) メニューオプションのヘルプ * q) 終了 オプション: 2 *** カスタム JumpStart *** … 継続しますか (yes/no) [yes]? |
オプション 2 の先頭にアスタリスクが付いていない場合、このオプションは無効であることを示します。これは、JumpStart の設定が完了していないか、セットアップでエラーが発生したことを意味します。scinstall ユーティリティーを終了し、 手順 6 から 手順 8 までを繰り返して JumpStart 設定を修正してから、scinstall ユーティリティーを再起動してください。
JumpStart ディレクトリの名前を指定します。
この例では、JumpStart ディレクトリの名前として /export/suncluster/sc31 を使用します。
>>> カスタム JumpStart ディレクトリ <<< … JumpStart ディレクトリ名は ? /export/suncluster/sc31 |
クラスタの名前を指定します。
>>> クラスタ名 <<< … 確立したいクラスタ名は ? clustername |
すべてのクラスタノードの名前を指定します。
>>> クラスタノード <<< … 初期クラスタ構成に参加させるすべてのノードの名前を入力してく ださい。 少なくとも 2 つのノードを入力する必要があります。一行 ごとに 1 つのノードを入力します。終了したなら、Ctrl-D を押してく ださい: ノード名: node1 ノード名: node2 ノード名 (終了するには Ctrl-D): <Control-D> 完成したノードのリスト: … よろしいですか (yes/no) [yes]? |
データ暗号化標準 (DES) 認証を使用するかどうかを指定します。
DES 認証を使用すると、インストール時にセキュリティのレベルを上げることができます。DES 認証により、スポンサーノードは、クラスタ構成を更新するためにスポンサーノードに接続しようとするノードを認証できるようになります。
DES 認証を使用してセキュリティレベルを上げることを選択した場合、任意のノードがクラスタに参加できるようにするためには、必要な暗号化鍵をすべて構成する必要があります。詳細については、keyserv(1M) と publickey(4) のマニュアルページを参照してください。
>>> ノードを追加する要求を認証する <<< … DES 認証を使用しますか (yes/no) [no]? |
プライベートネットワークアドレスとネットマスクを指定します。
>>> クラスタトランスポートのネットワークアドレス <<< … デフォルトのネットワークアドレスを使用しますか (yes/no) [yes]? デフォルトのネットマスクを使用しますか (yes/no) [yes]? |
クラスタの構築に成功した後では、プライベートネットワークアドレスは変更できません。
クラスタがトランスポート接続点を使用するかどうかを指定します。
2 ノードクラスタである場合は、トランスポート接続点を使用するかどうかを指定します。
>>> ポイントツーポイントケーブル <<< … この 2 ノードクラスタはトランスポート接続点を使用しますか (yes/no) [yes]? |
ノードがお互いに直接接続されているかどうかに関わらず、クラスタがトランスポート接続点を使用するように指定できます。クラスタがトランスポート接続点を使用するように指定した場合、将来、より簡単に新しいノードをクラスタに追加できます。
このクラスタに 3 つ以上のノードがある場合は、トランスポート接続点を使用する必要があります。Return キーを押して、次の画面に進みます。
>>> ポイントツーポイントケーブル <<< … このクラスタは 2 ノードクラスタではないため、2 つのトランスポート接続点を構成するようにたずねられます。 ENTER を押すと継続します: |
このクラスタがトランスポート接続点を使用するかどうかを決定します。
使用しない場合は、手順 18 に進みます。
使用する場合、トランスポート接続点の名前を指定します。この場合、デフォルトの名前 switchN を使用することも、独自の名前を作成することもできます。
>>> クラスタトランスポート接続点 <<< … クラスタ内の 1 番目の接続点の名前は [switch1]? クラスタ内の 2 番目の接続点の名前は [switch2]? |
1 番目のノードの 1 番目のクラスタインターコネクトトランスポートアダプタを指定します。
>>> クラスタトランスポートアダプタとケーブル<<< … 1 番目のクラスタトランスポートアダプタの名前は ? adapter |
1 番目のアダプタの接続エンドポイントを指定します。
当該クラスタがトランスポート接続点を使用しない場合、当該アダプタが接続されている 2 番目のノード上にあるアダプタの名前を指定します。
… 「adapter」が接続される「node2」上のアダプタの名前は ? adapter |
クラスタがトランスポート接続点を使用する場合、1 番目のトランスポート接続点の名前とそのポートを指定します。
… 「adapter」が接続される「node1」上のアダプタの名前は ? switch … デフォルトのポート名を「adapter」接続に使用しますか (yes/no) [yes]? |
SCI–PCI アダプタを使用するように構成されている場合、アダプタの接続 (ポート名) についてのプロンプトが表示されたときにデフォルト値を選択しないでください。 代わりに、SCI Dolphin スイッチ自体にあるポート名で、ノードが物理的に接続されるポート 名 (0、1、2、または 3) を指定してください。次の例に、デフォルトのポート名を使わずに、スイッチポート名 0 を指定した場合のプロンプトと応答を示しています。
… … デフォルトのポート名を「adapter」接続に使用しますか (yes/no) [yes]? n 使用したいポートの名前は ? 0 |
1 番目のノードの 2 番目のクラスタインターコネクトトランスポートアダプタを指定します。
… 2 番目のクラスタトランスポートアダプタの名前は ? adapter |
2 番目のアダプタの接続エンドポイントを指定します。
当該クラスタがトランスポート接続点を使用しない場合、当該アダプタが接続されている 2 番目のノード上にあるアダプタの名前を指定します。
… 「adapter」が接続される「node2」上のアダプタの名前は ? adapter |
クラスタがトランスポート接続点を使用する場合、2 番目のトランスポート接続点の名前とそのポートを指定します。
… 「adapter」が接続される「node1」上のアダプタの名前は ? switch … デフォルトのポート名を「adapter」接続に使用しますか (yes/no) [yes]? |
SCI–PCI アダプタを使用するように構成されている場合、アダプタの接続 (ポート名) についてのプロンプトが表示されたときにデフォルト値を選択しないでください。 代わりに、SCI Dolphin スイッチ自体にあるポート名で、ノードが物理的に接続されるポート 名 (0、1、2、または 3) を指定してください。次の例に、デフォルトのポート名を使わずに、スイッチポート名 0 を指定した場合のプロンプトと応答を示しています。
… … デフォルトのポート名を「adapter」接続に使用しますか (yes/no) [yes]? n 使用したいポートの名前は ? 0 |
このクラスタがトランスポート接続点を使用するかどうかを決定します。
各クラスタノードの広域デバイスファイルシステム名を指定します。
>>> 広域デバイスファイルシステム <<< … デフォルトでは、/globaldevices を使用します。 「node1」の場合、 このデフォルトを使用しますか (yes/no) [yes]? 「node2」の場合、 このデフォルトを使用しますか (yes/no) [yes]? |
scinstall ユーティリティーがパッチをインストールすることを確認します。
パッチの入手先とインストール方法については、『Sun Cluster 3.1 ご使用にあたって 』の「パッチと必須ファームウェアのレベル」を参照してください。
scinstall コマンドでパッチディレクトリを指定した場合、手順 29で指定した Solaris パッチディレクトリ内のパッチはインストールされません。
>>> ソフトウエアパッチのインストール <<< … scinstall でパッチをインストールしますか。 [yes] y パッチディレクトリの名前を指定してください。 /export/suncluster/sc31/patches パッチリストファイルを使用するのに scinstall が必要ですか。 [no] n … |
生成された scinstall コマンドを使用するか、または拒否します。
確認のため、これまでの入力から生成された scinstall コマンドが表示されます。
>>> 確認 <<< 次のオプションを scinstall に指示しています: ----------------------------------------- 「node1」の場合 scinstall -c jumpstart-dir -h node1 \ … これらのオプションを使用しますか (yes/no) [yes]? ----------------------------------------- 「node2」の場合 scinstall -c jumpstart-dir -h 「node2 \ … これらのオプションを使用しますか (yes/no) [yes]? ----------------------------------------- JumpStart の設定を継続しますか (yes/no) [yes]? |
生成されたコマンドを使用しない場合、scinstall ユーティリティはメインメニューに戻ります。メインメニューからオプション「3」を実行し直して、応答を変更します。以前の応答はデフォルトとして表示されます。
必要に応じて、scinstall によって作成されたデフォルトの class ファイル (プロファイル) を調整します。
scinstall コマンドによって、デフォルトの class ファイルである autoscinstall.class が、jumpstart-dir/autoscinstall.d/3.1 ディレクトリに作成されます。
install_type initial_install system_type standalone partitioning explicit filesys rootdisk.s0 free / filesys rootdisk.s1 750 swap filesys rootdisk.s3 512 /globaldevices filesys rootdisk.s7 20 cluster SUNWCuser add package SUNWman add |
デフォルトの class ファイルは Solaris ソフトウェアのエンドユーザーシステムサポートソフトウェアグループ (SUNWCuser) をインストールします。構成に他の Solaris ソフトウェア条件がある場合、class ファイルを適宜変更します。詳細については、Solaris ソフトウェアグループについて を参照してください。
次のいずれかの方法でプロファイルを変更します。
autoscinstall.class ファイルを直接編集します。この方法による変更は、カスタム JumpStart ディレクトリを使用するすべてのクラスタのすべてのノードに適用されます。
rules ファイルが別のプロファイルを指し示すように更新してから、check ユーティリティを実行して、rules ファイルの妥当性を検査します。
Solaris オペレーティング環境のインストールプロファイルが、Sun Cluster ファイルシステムの割り当てにおける最低必要条件を満たしているかぎり、インストールプロファイルに対するその他の変更に制限はありません。Sun Cluster 3.1 ソフトウェアをサポートするためのパーティション分割のガイドラインについては、システムディスクパーティション を参照してください。JumpStart プロファイルの詳細については、『 Solaris 8 のインストール (上級編)』の「カスタム JumpStart インストールの準備」を参照するか、『 Solaris 9 インストールガイド』の「カスタム JumpStart インストールの準備」を参照してください。
インターコネクトトランスポート用に Remote Shared Memory Application Programming Interface (RSMAPI) または SCI-PCI アダプタを使用するかどうかを決定します。
使用しない場合は、手順 28 に進みます。
使用する場合で、かつ「エンドユーザーシステムサポート」ソフトウェアグループをインストールしている場合は、手順 26 で説明されている方法を使用して、次のエントリをデフォルトの class ファイルに追加します。
package SUNWrsm add package SUNWrsmx add package SUNWrsmo add package SUNWrsmox add |
さらに、Sun Cluster パッケージをインストールして、RSMAPI と SCI-PCI アダプタをサポートするためには、手順 32 で、インストール後に実行する完了スクリプトを作成または変更する必要があります。
「エンドユーザーシステムサポート」ソフトウェアグループよりも上位レベルのソフトウェアグループをインストールする場合、RSMAPI ソフトウェアパッケージは、Solaris ソフトウェアとともに自動的にインストールされます。その後、class ファイルにパッケージを追加する必要はありません。
SunPlex Manager を使用するかどうかを決定します。
使用しない場合は、手順 29に進みます。
使用する場合で、かつ「エンドユーザーシステムサポート」ソフトウェアグループをインストールする場合は、手順 26で説明されている方法を使用して、次のエントリをデフォルトの class ファイルに追加します。
package SUNWapchr add package SUNWapchu add |
SunPlex Manager には、これらの Apache ソフトウェアパッケージが必要です。 「エンドユーザーシステムサポート」ソフトウェアグループよりも上位レベルのソフトウェアグループをインストールする場合、Apache ソフトウェアパッケージは、Solaris ソフトウェアとともにインストールされます。その後、class ファイルにパッケージを追加する必要はありません。
Solaris パッチディレクトリを設定します。
手順 24で、scinstall コマンドにパッチディレクトリを指定した場合、Solaris パッチディレクトリ内のパッチはインストールされません。
jumpstart-dir/autoscinstall.d/nodes/node/patches ディレクトリを JumpStart インストールサーバー上に作成します。
上記のディレクトリは node がクラスタノードの名前であるクラスタノードごとに 1 つずつ作成します。あるいは、次の命名規則を使用して、共有パッチディレクトリへのシンボリックリンクを作成します。
# mkdir jumpstart-dir/autoscinstall.d/nodes/node/patches |
これらの各ディレクトリに Solaris パッチのコピーを格納します。
また、Solaris ソフトウェアをインストールした後にインストールする必要があるすべてのハードウェア関連パッチのコピーもこれらのディレクトリに格納します。
各ノード上で、ローカルに必要なホスト名情報を含むファイルを設定します。
JumpStart インストールサーバーに、jumpstart-dir/autoscinstall.d/nodes/node/archive/etc/inet/hosts という名前のファイルを作成します。
上記ファイルは node がクラスタノードの名前であるクラスタノードごとに 1 つずつ作成します。あるいは、この命名規則を使用して、共有 hosts ファイルへのシンボリックリンクを作成します。
各ファイルに以下のエントリを追加します。
Sun Cluster CD-ROM のイメージがコピーされている NFS サーバーの IP アドレスとホスト名。NFS サーバーが JumpStart インストールサーバーになりますが、別のマシンがインストールサーバーになる場合もあります。
クラスタ内にある各ノードの IP アドレスとホスト名。
インターコネクト用に Remote Shared Memory Application Programming Interface (RSMAPI) または SCI-PCI アダプタを使用するかどうかを決定します。
使用せずに、インストール後に実行する独自の完了スクリプトを追加する場合は、手順 32 に進みます。それ以外の場合、手順 33 に進みます。
使用する場合、手順 32 の指示に従って、インストール後に実行する完了スクリプトを設定して、次の追加パッケージをインストールします。次の表の順番どおりに、Sun Cluster 3.1 10/03 CD-ROM の /cdrom/suncluster_3_1_u1/SunCluster_3.1/Sol_ver/Packages ディレクトリから適切なパッケージをインストールします。
CD-ROM パスの ver は、 8 (Solaris 8 の場合) または 9 (Solaris 9 の場合) に置き換えます。
機能 |
インストールする追加の Sun Cluster 3.1 10/03 パッケージ |
---|---|
RSMAPI |
SUNWscrif |
SCI-PCI アダプタ |
SUNWsci SUNWscid SUNWscidx |
(省略可能) インストール後に実行する独自の完了スクリプトを追加します。
インターコネクトトランスポート用に Remote Shared Memory Application Programming Interface (RSMAPI) または SCI-PCI アダプタを使用する場合は、Sun Cluster SUNWscrif ソフトウェアパッケージをインストールするために、完了スクリプトを変更する必要があります。このパッケージは、scinstall では自動的にインストールされません。
scinstall コマンドでインストールされた標準の完了スクリプトの後に実行するような独自の完了スクリプトも追加できます。JumpStart 完了スクリプトを作成する方法については、『Solaris 8 のインストール (上級編)』の「カスタム JumpStart インストールの準備」を参照するか、『 Solaris 9 インストールガイド』の「カスタム JumpStart インストールの準備」を参照してください。
クラスタ管理コンソールを使用している場合、クラスタ内にある各ノードのコンソール画面を表示します。
クラスタコントロールパネル (CCP) ソフトウェアが管理コンソールにインストールされ、構成されている場合は、cconsole>(1M) ユーティリティーを使用して、コンソール画面を個別に表示できます。また、cconsole ユーティリティーを使用してマスターウィンドウを開くことができます。ここでの入力を、個々のすべてのコンソールウィンドウに同時に送信できます。cconsole を起動するには、次のコマンドを入力します。
# /opt/SUNWcluster/bin/cconsole clustername & |
cconsole ユーティリティーを使用しない場合は、各ノードのコンソールに個別に接続します。
各ノードのコンソール上にある ok PROM プロンプトから boot net - install コマンドを入力して、ネットワーク JumpStart インストールを各ノード上で開始します。
ok boot net - install |
上記コマンド内のダッシュ記号 (-) の両側は、空白文字で囲む必要があります。
Sun Cluster のインストール出力は、 /var/cluster/logs/install/scinstall.log. N ファイルに記録されます。
独自の /etc/inet/ntp.conf ファイルをインストールしていない限り、scinstall コマンドは自動的にデフォルトの ntp.conf ファイルをインストールします。デフォルトファイルでは、最大ノード数を想定しています。したがって、xntpd(1M) デーモンは起動時にこれらのノードに関してエラーメッセージを発行することがあります。これらのメッセージは無視しても問題ありません。通常のクラスタ条件下で、これらのメッセージを表示しないようにする方法については、ネットワークタイムプロトコル (NTP) を構成する を参照してください。
インストールが正常に完了すると、各ノードは新しいクラスタノードとして完全にインストールされます。
既存のクラスタに新しいノードをインストールするかどうかを確認します。
インストールしない場合は、手順 36 に進みます。
インストールする場合、新しいノード上で、既存のすべてのクラスタファイルシステム用のマウントポイントを作成します。
クラスタ内にある別のアクティブなノードから、すべてのクラスタファイルシステムの名前を表示します。
% mount | grep global | egrep -v node@ | awk '{print $1}' |
クラスタに追加したノード上で、クラスタ内にある各クラスタファイルシステム用のマウントポイントを作成します。
% mkdir -p mountpoint |
たとえば、マウントコマンドが戻したファイルシステム名が /global/dg-schost-1 である場合、クラスタに追加するノード上で mkdir -p /global/dg-schost-1 を実行します。
これらのマウントポイントは、手順 37 においてクラスタを再起動するとアクティブになります。
VERITAS Volume Manager (VxVM) が、クラスタ内にあるノードにすでにインストールされているかどうかを確認します。
インストールされていない場合は、手順 36 に進みます。
インストールされている場合は、VxVM がインストールされているノード上で同じ vxio 番号が使用されていることを確認してください。また、VxVM がインストールされていない各ノード上で vxio 番号が使用できることを確認してください。
# grep vxio /etc/name_to_major vxio NNN |
VxVM がインストールされていないノード上ですでに vxio 番号が使用されている場合、そのノードで該当番号を解放します。別の番号を使用するように /etc/name_to_major のエントリを変更してください。
Sun Enterprise 10000 サーバーで動的再構成 (DR) を使用するかどうかを決定します。
使用しない場合は、手順 37に進みます。
使用する場合、各ノード上で次のエントリを /etc/system ファイルに追加します。
set kernel_cage_enable=1 |
このエントリは、次のシステム再起動後に有効になります。 Sun Cluster 構成で、動的再構成の作業を実行するための手順については、『Sun Cluster 3.1 10/03 のシステム管理』を参照してください。動的再構成の詳細については、サーバーのマニュアルを参照してください。
既存のクラスタに対する新しいノードの追加、またはクラスタ全体の再起動を必要とする Sun Cluster ソフトウェアパッチのインストール (あるいはこの両方) を行ったかどうかを確認します。
これらの作業を行なっていない場合は、インストールしたパッチがノードの再起動を必要とする場合にだけ個々のノードを再起動してください。その他の変更操作で、変更箇所を有効にするために再起動が必要な場合は、再起動を行い、手順 38に進みます。
行なった場合、次の手順に指示されているとおりにクラスタの再構成用の再起動を実行します。
ノードのどれか 1 つでクラスタを停止します。
# scshutdown |
クラスタがシャットダウンするまで、最初にインストールしたクラスタノードを再起動しないでください。
クラスタ内にある各ノードを再起動します。
ok boot |
クラスタのインストールモードが無効になるまでは、最初にインストールした (つまり、クラスタを構築した) ノードだけが定足数投票権を持ちます。インストールモードが無効になっていない (つまり、構築された) クラスタでは、クラスタをシャットダウンせずに最初にインストールしたノードを再起動すると、残りのクラスタノードは定足数を獲得できません。クラスタ全体が停止します。クラスタノードは インストール後の設定を行う の手順で scsetup(1M) コマンドを最初に実行するまで、インストールモードのままです。
ネームサービス検索順を設定します。
ネームサービススイッチを構成する に進みます。