この付録で説明する手順とボリューム管理の計画の計画情報に基づいて、Solstice DiskSuite/Solaris Volume Manager ソフトウェア用に、ローカルディスクおよび多重ホストディスクをインストールおよび構成してください。詳細については、Solstice DiskSuite/Solaris Volume Manager のマニュアルを参照してください。
この付録では、次の手順について説明しています。
ディスクドライブのマッピング
以下に示す、必要事項を記入した構成計画ワークシート。計画のガイドラインについては、ボリューム管理の計画 を参照してください。
次の表に、 Sun Cluster 構成用の Solstice DiskSuite/Solaris Volume Manager ソフトウェアのインストールと構成において行う作業を示します。次に示す状況では、該当する手順を実行する必要がありません。
SunPlex Manager を使用して Solstice DiskSuite ソフトウェア (Solaris 8) をインストールした場合は、Solstice DiskSuite ソフトウェアをインストールする から 状態データベースの複製を作成するには までの作業はすでに完了しています。ルートディスクのミラー化 または ディスクセットを作成する に進み、Solstice DiskSuite ソフトウェアの構成を継続してください。
Solaris 9 ソフトウェアをインストールした場合、Solaris Volume Manager はすでにインストールされています。メタデバイス名またはボリューム名とディスクセットの数を算出するから開始します。
この例では、各ディスクセットに配置するディスクドライブの数を決定するプロセスを理解するうえで役立つ情報を示します。ここでは、3 つの記憶装置が使用されています。既存のアプリケーションは、NFS (それぞれ 5G バイトの 2 つのファイルシステム) と 2 つの ORACLE データベース (5G バイトと 10G バイト) 上で実行されています。
次の表に、この構成例に必要なドライブ数を求めるための計算式を示します。3 つの記憶装置を持つ構成では、28 個のディスクドライブが必要になり、これらのドライブを 3 つの記憶装置の間でできるかぎり等配分します。必要なディスクドライブの数は切り上げられるため、5G バイトのファイルシステムには、1G バイトのディスク空間が追加されていることに注意してください。
表 B–2 構成に必要なディスクドライブ数
用途 |
データ |
必要なディスク装置 |
必要なディスクドライブ数 |
---|---|---|---|
nfs1 |
5G バイト |
3x2.1 G バイトディスクx2 (ミラー) |
6 |
nfs2 |
5G バイト |
3x2.1 G バイトディスクx2 (ミラー) |
6 |
oracle1 |
5G バイト |
3x2.1 G バイトディスクx2 (ミラー) |
6 |
oracle2 |
10G バイト |
5x2.1 G バイトディスクx2 (ミラー) |
10 |
次の表は、2 つのディスクセットと 4 つのデータサービス間のディスクドライブの割り当てを示しています。
表 B–3 ディスクセットの分配
ディスクセット |
データサービス |
ディスクドライブ |
記憶装置 1 |
記憶装置 2 |
記憶装置 3 |
---|---|---|---|---|---|
dg-schost-1 |
nfs1, oracle1 |
12 |
4 |
4 |
4 |
dg-schost-2 |
nfs2, oracle2 |
16 |
5 |
6 |
5 |
当初 dg-schost-1 には、それぞれの記憶装置から 4 つのディスクドライブ (合計で 12 のディスク) が割り当てられ、dg-schost-2 には、それぞれの記憶装置から 5 つまたは 6 つのディスクドライブ (合計で 16 のディスク) が割り当てられます。
どちらのディスクセットにも、ホットスペアは割り当てられていません。1 つの記憶装置につき、少なくとも 1 つのホットスペアを各ディスクセットに割り当てることによってドライブをホットスペアし、完全な 2 面ミラー化を復元できます。
SunPlex Manager を使用して Solstice DiskSuite ソフトウェアをインストールした場合は、この作業を行わないでください。代わりに、ルートディスクのミラー化に進みます。
Solaris 9 ソフトウェアをインストールした場合は、この作業を行わないでください。 Solaris 9 ソフトウェアと共に Solaris Volume Manager ソフトウェアがインストールされています。代わりに、メタデバイス名またはボリューム名とディスクセットの数を算出するに進みます。
クラスタ内の各ノードで次の作業を行います。
クラスタノードのスーパーユーザーになります。
CD-ROM からインストールする場合は、ノードの CD-ROM ドライブに Solaris 8 Software 2 of 2 CD-ROM を挿入します。
この手順では、ボリューム管理デーモン vold(1M) が実行されており、CD-ROM デバイスを管理するように構成されていることを想定しています。
Solstice DiskSuite ソフトウェアパッケージは、次の例に示す順序でインストールします。
# cd /cdrom/sol_8_sparc_2/Solaris_8/EA/products/DiskSuite_4.2.1/sparc/Packages # pkgadd -d . SUNWmdr SUNWmdu [SUNWmdx] optional-pkgs |
Solstice DiskSuite ソフトウェアパッチをインストールする場合は、Solstice DiskSuite ソフトウェアをインストールした後に 再起動しないでください。
すべての Solstice DiskSuite のインストールには、 SUNWmdr および SUNWmdu パッケージが必要です。64 ビット版の Solstice DiskSuite をインストールするには、SUNWmdx パッケージも必要です。
オプションのソフトウェアパッケージについては、Solstice DiskSuite のインストールマニュアルを参照してください。
CD-ROM からインストールした場合は、CD-ROM を取り出します。
Solstice DiskSuite パッチをすべてインストールします。
パッチの入手先とインストール方法については、『Sun Cluster 3.1 ご使用にあたって 』の「パッチと必須ファームウェアのレベル」を参照してください。
クラスタの 1 つのノードから、Solstice DiskSuite の広域デバイス名前空間を手作業で生成します。
# scgdevs |
scgdevs コマンドは、次のようなメッセージを返します。
Could not open /dev/rdsk/c0t6d0s2 to verify device id, Device busy |
リストされたデバイスが CD-ROM デバイスの場合は、メッセージを無視しても問題ありません。
クラスタで使用するメタデバイス名とディスクセットの数を設定します。
SunPlex Manager を使用して Solstice DiskSuite ソフトウェアをインストールした場合は、この手順を行わないでください。代わりに、ルートディスクのミラー化に進みます。
この手順では、構成に必要とされる Solstice DiskSuite メタデバイス名または Solaris Volume Manager のボリューム名の数およびディスクセットを計算する方法について説明します。また、/kernel/drv/md.conf ファイルを変更して、これらの数を指定する方法についても説明します。
メタデバイス名またはボリューム名のデフォルトの数は、ディスクセットごとに 128 ですが、多くの構成ではこれ以上の数が必要になります。構成を実装する前にこの数を増やしておくと、後で管理時間の節約になります。
同時に、nmd フィールドおよび md_nsets フィールドには、できる限り小さい値を使用してください。デバイスを作成していなくても nmd および md_nsets によって指定された値に基づいて、可能性のあるすべてのデバイス分をメモリー構造上に確保します。最適なパフォーマンスを得るには、nmd と md_nsets の値を、使用するメタデバイスまたはボリュームの数よりもわずかに高く維持します。
必要事項を記入したディスクデバイスグループ構成のワークシートを用意します。
クラスタ内のディスクセットに必要なディスクセットの合計数を計算して、ディスクセットをもう 1 つプライベートディスク管理に追加します。
クラスタは最大 32 個のディスクセットを持つことができます。一般的な使用のために 31 個 と、プライベートディスク管理のために 1 個です。デフォルトのディスクセット数は 4 です。この値は、手順 4 で、 md_nsets フィールドに指定します。
クラスタ内のディスクセットに必要なメタデバイス名またはボリューム名の最大数を計算します。
各ディスクセットは、最大 8192 個のメタデバイス名またはボリューム名を持つことができます。この値は、手順 4 で、nmd フィールドに指定します。
各ディスクセットに必要なメタデバイス名またはボリューム名の数を計算します。
ローカルメタデバイスまたはボリュームを使用する場合、各ローカルメタデバイス名またはボリューム名がクラスタ全体で一意であり、クラスタ内にある任意のデバイス ID (DID) 名と同じ名前を使用していないことを確認します。
DID 名として排他的に使用する番号の範囲と、各ノードのローカルメタデバイス名またはボリューム名として排他的に使用する範囲を選択します。たとえば、DID は、d1 から d100 までの範囲の名前を使用します。 ノード 1 上のローカルメタデバイスまたはボリュームは、d100 から d199 までの範囲の名前を使用します。 また、ノード 2 上のローカルメタデバイスまたはボリュームは、d200 から d299 までの範囲の名前を使用します。
ディスクセットに必要なメタデバイス名またはボリューム名の最大数を計算します。
設定するメタデバイス名またはボリューム名の数は、メタデバイス名またはボリューム名の実際の数ではなく、メタデバイス名またはボリューム名の値に基づいています。たとえば、メタデバイス名またはボリューム名が d950 から d1000 の場合、Solstice DiskSuite/Solaris Volume Manager ソフトウェアは、50 ではなく 1000 個の名前を必要とします。
各ノードでスーパーユーザーになり、/kernel/drv/md.conf ファイルを編集します。
すべてのクラスタノード (クラスタペアトポロジの場合はクラスタペア) の /kernel/drv/md.conf ファイルの内容は、それぞれのノードがサービスを提供するディスクセット数に関係なく、同一である必要があります。このガイドラインに従わないと、重大な Solstice DiskSuite/Solaris Volume Manager エラーが発生し、データが失われることがあります。
各ノードで再構成再起動を行います。
# touch /reconfigure # shutdown -g0 -y -i6 |
/kernel/drv/md.conf ファイルに対する変更は、再起動後に有効になります。
ローカルの状態データベースの複製を作成します。
状態データベースの複製を作成するにはに進みます。
SunPlex Manager を使用して Solstice DiskSuite ソフトウェアをインストールした場合は、この作業を行わないでください。代わりに、ルートディスクのミラー化に進みます。
クラスタ内の各ノード上で次の手順を実行します。
クラスタノードのスーパーユーザーになります。
metadb コマンドを使用し、各クラスタノードの 1 つまたは複数のローカルディスクに状態データベースの複製を作成します。
# metadb -af slice-1 slice-2 slice-3 |
Solstice DiskSuite/Solaris Volume Manager ソフトウェアの実行に必要な状態データを保護するには、各ノードごとに少なくとも 3 つの複製を作成します。また、複数のディスクに複製を配置することによって、いずれかのディスクに障害が発生した場合に対する保護も提供できます。
詳細については、metadb(1M) のマニュアルページと Solstice DiskSuite のマニュアルを参照してください。
複製を検査します。
# metadb |
metadb コマンドは複製の一覧を表示します。
ルートディスク上のファイルシステムをミラー化するかどうかを決定します。
ミラー化する場合は、ルートディスクのミラー化に進みます。
ミラー化しない場合は、ディスクセットを作成する に進んで、 Solstice DiskSuite/Solaris Volume Manager ディスクセットを作成します。
次の例は、3 つの Solstice DiskSuite 状態データベースの複製を示しています。各複製は、異なるディスク上に作成されています。Solaris Volume Manager の場合は、複製サイズが大きくなります。
# metadb -af c0t0d0s7 c0t1d0s7 c1t0d0s7 # metadb flags first blk block count a u 16 1034 /dev/dsk/c0t0d0s7 a u 16 1034 /dev/dsk/c0t1d0s7 a u 16 1034 /dev/dsk/c1t0d0s7 |
ルートディスクをミラー化することによって、システムディスクの障害のためにクラスタノード自体が停止することを防止します。ルートディスクには、4 種類のファイルシステムを配置できます。ファイルシステムは、各種類ごとに異なる方法でミラー化します。
上記のミラー化手順の一部で次のようなエラーメッセージが表示されることがありますが、無視してください。
metainit: dg-schost-1: d1s0: メタデバイスではありません |
ローカルディスクをミラー化する場合は、ディスク名を指定する際にパスに /dev/global を使用しないでください。クラスタファイルシステム以外にこのパスを指定すると、システムを起動できなくなります。
次の手順を使用し、ルート (/) ファイルシステムをミラー化します。
ノードのスーパーユーザーになります。
metainit(1M) コマンドを使用し、ルートスライスを単一スライスの (1 面) 連結にします。
ルートディスクスライスの物理ディスク名を指定します (cNtXdYsZ)。
# metainit -f submirror1 1 1 root-disk-slice |
2 番目の連結を作成します。
# metainit submirror2 1 1 submirror-disk-slice |
1 つのサブミラーを使用して 1 方向のミラーを作成します。
# metainit mirror -m submirror1 |
このミラーのメタデバイス名またはボリューム名は、クラスタ全体で一意でなければなりません。
metaroot(1M) コマンドを実行します。
このコマンドは、ルート (/) ファイルシステムがメタデバイスまたはボリュームに配置された状態でシステムを起動できるように、/etc/vfstab および /etc/system ファイルを編集します。
# metaroot mirror |
lockfs(1M) コマンドを実行します。
このコマンドを実行すると、マウントされているすべての UFS ファイルシステム上で、すべてのトランザクションがログからフラッシュされ、マスターファイルシステムに書き込まれます。
# lockfs -fa |
リソースグループまたはデバイスグループをノードから移動させます。
# scswitch -S -h from-node |
すべてのリソースグループとデバイスグループを移動させます。
リソースグループまたはデバイスグループを移動させるノード名を指定します。
ノードを再起動します。
このコマンドは、新しくミラー化されたルート (/) ファイルシステムを再マウントします。
# shutdown -g0 -y -i6 |
metattach(1M) コマンドを使用し、2 番目のサブミラーをこのミラーに接続します。
# metattach mirror submirror2 |
ルートディスクのミラー化に使用したディスクが複数のノード (多重ポート) に物理的に接続されているかどうかを確認します。
物理的に接続されていない場合は、手順 11 に進みます。
物理的に接続されている場合は、次の手順を実行して、ルートディスクのミラー化に使用したディスクの raw ディスクデバイスグループの localonly プロパティを有効にします。起動デバイスが複数のノードに接続されている場合に、その起動デバイスが不意にノードを使用できなくなるのを防ぐために、localonly プロパティは有効にしておいてください。
必要に応じて、scdidadm(1M) -L コマンドを使用し、raw ディスクデバイスグループのデバイス ID (DID) の完全なパス名を表示します。
次の例では、raw ディスクデバイスグループ名 dsk/d2 は、出力の第 3 列の一部になっており、これが完全な DID パス名にあたります。
# scdidadm -L … 1 phys-schost-3:/dev/rdsk/c1t1d0 /dev/did/rdsk/d2 |
raw ディスクデバイスグループのノードリストを表示します。
次に出力例を示します。
# scconf -pvv | grep dsk/d2 Device group name: dsk/d2 … (dsk/d2) Device group node list: phys-schost-1, phys-schost-3 … |
ノードリストにノード名が複数含まれているかどうかを確認します。
raw ディスクデバイスグループのノードリストから、ルートディスクをミラー化したノード以外のすべてのノードを削除します。
ルートディスクをミラー化したノードだけがノードリストに残るようにします。
# scconf -r -D name=dsk/dN,nodelist=node |
raw ディスクデバイスグループのクラスタ固有の名前を指定します。
ノードリストから削除するノードの名前を指定します。
scconf(1M) コマンドを使用し、localonly プロパティを有効にします。
localonly プロパティが有効になった時点で、raw ディスクデバイスグループはそのノードリスト内のノードだけに使用されるようになります。これにより、起動デバイスが複数のノードに接続されている場合に、不意にノードがその起動デバイスから使用できなくなることが防止されます。
# scconf -c -D name=rawdisk-groupname,localonly=true |
raw ディスクデバイスグループの名前を指定します。
localonly プロパティの詳細については、scconf_dg_rawdisk(1M) のマニュアルページを参照してください。
主起動デバイスで起動に失敗した場合は、この代替起動デバイスから起動できます。代替起動デバイスの詳細については、『Solstice DiskSuite 4.2.1 ユーザーズガイド』の「システムのトラブルシューティング」を参照するか、『Solaris ボリュームマネージャの管理 』の「ルート (/) のミラー化に関する特殊な考慮事項」を参照してください。
# ls -l /dev/rdsk/root-disk-slice |
クラスタ内の残りの各ノードに対して、手順 1 から 手順 11 までを繰り返します。
ミラーのメタデバイス名またはボリューム名は、クラスタ全体で一意になるようにします。
広域名前空間 /global/.devices/node@nodeid をミラー化するかどうかを決定します。
ミラー化する場合は、広域名前空間をミラー化するに進みます。
ミラー化しない場合は、手順 14 に進みます。
マウント解除できないファイルシステムをミラー化するかどうかを決定します。
ミラー化する場合は、マウント解除できないルート (/) 以外のファイルシステムをミラー化するに進みます。
ミラー化しない場合は、手順 15 に進みます。
ユーザー定義ファイルシステムをミラー化するかどうかを決定します。
ミラー化する場合は、マウント解除できるファイルシステムをミラー化するに進みます。
ミラー化しない場合は、ディスクセットを作成するに進んで、ディスクセットを作成します。
次の例に、パーティション c0t0d0s0 上のサブミラー d10 とパーティション c2t2d0s0 上のサブミラー d20 で構成されているノード phys-schost-1 上に、ミラー d0 を作成する方法を示します。ディスク c2t2d0 は多重ポートディスクなので、localonly プロパティが有効に設定されています。
(ミラーを作成する) # metainit -f d10 1 1 c0t0d0s0 d11: 連結/ストライプがセットアップされます # metainit d20 1 1 c2t2d0s0 d12: 連結/ストライプがセットアップされます # metainit d0 -m d10 d10: ミラーがセットアップされます # metaroot d0 # lockfs -fa (リソースグループとデバイスグループを phys-schost-1 から移動させる) # scswitch -S -h phys-schost-1 (ノードを再起動する) # shutdown -g0 -y -i6 (2 番目のサブミラーを接続する) # metattach d0 d20 d0: サブミラー d20 は接続中 (デバイスグループのノードリストを表示する) # scconf -pvv | grep dsk/d2 Device group name dsk/d2 … (dsk/d2) Device group node list: phys-schost-1, phys-schost-3 … (ノードリストから phys-schost-3 を削除する) # scconf -r -D name=dsk/d2,nodelist=phys-schost-3 (localonly プロパティを有効にする) # scconf -c -D name=dsk/d2,localonly=true (代替起動パスを記録する) # ls -l /dev/rdsk/c2t2d0s0 lrwxrwxrwx 1 root root 57 Apr 25 20:11 /dev/rdsk/c2t2d0s0 –> ../../devices/node@1/pci@1f,0/pci@1/scsi@3,1/disk@2,0:a,raw |
次の手順を使用し、広域名前空間 /global/.devices/node@nodeid をミラー化します。
各クラスタのノードのスーパーユーザーになります。
広域名前空間を単一スライス (1 方向) 連結にします。
ディスクスライスの物理ディスク名を使用します (cNtXdYsZ)。
# metainit -f submirror1 1 1 diskslice |
2 番目の連結を作成します。
# metainit submirror2 1 1 submirror-diskslice |
1 つのサブミラーを使用して 1 方向のミラーを作成します。
# metainit mirror -m submirror1 |
このミラーのメタデバイス名またはボリューム名は、クラスタ全体で一意でなければなりません。
2 番目のサブミラーをこのミラーに接続します。
このように接続することで、サブミラーの同期が開始されます。
# metattach mirror submirror2 |
/global/.devices/node@nodeid ファイルシステム用に /etc/vfstab ファイルエントリを編集します。
device to mount および device to fsck の名前は、実際のミラー名に変更してください。
# vi /etc/vfstab #device device mount FS fsck mount mount #to mount to fsck point type pass at boot options # /dev/md/dsk/mirror /dev/md/rdsk/mirror /global/.devices/node@nodeid ufs 2 no global |
手順 5 で開始したミラーの同期が完了するまで待機します。
metastat(1M) コマンドを使用して、ミラー状態を参照し、ミラーの同期が完了しているかどうかを確認します。
# metastat mirror |
広域名前空間のミラー化に使用したディスクが複数のノード (多重ポート) に物理的に接続されているかどうかを確認します。
物理的に接続されていない場合は、手順 10 に進みます。
物理的に接続されている場合は、次の手順を実行して、広域名前空間のミラー化に使用したディスクの raw ディスクデバイスグループの localonly プロパティを有効にします。起動デバイスが複数のノードに接続されている場合に、その起動デバイスが不意にノードを使用できなくなるのを防ぐために、localonly プロパティは有効にしておいてください。
必要に応じて、scdidadm(1M) コマンドを使用し、raw ディスクデバイスグループのデバイス ID (DID) の完全なパス名を表示します。
次の例では、raw ディスクデバイスグループ名 dsk/d2 は、出力の第 3 列の一部になっており、これが完全な DID パス名にあたります。
# scdidadm -L … 1 phys-schost-3:/dev/rdsk/c1t1d0 /dev/did/rdsk/d2 |
raw ディスクデバイスグループのノードリストを表示します。
次に出力例を示します。
# scconf -pvv | grep dsk/d2 Device group name:dsk/d2 … (dsk/d2) Device group node list:: phys-schost-1, phys-schost-3 … |
ノードリストにノード名が複数含まれているかどうかを確認します。
raw ディスクデバイスグループのノードリストから、ディスクをミラー化したノード以外のすべてのノードを削除します。
ディスクをミラー化したノードだけがノードリストに残るようにします。
# scconf -r -D name=dsk/dN,nodelist=node |
raw ディスクデバイスグループのクラスタ固有の名前を指定します。
ノードリストから削除するノードの名前を指定します。
scconf(1M) コマンドを使用し、localonly プロパティを有効にします。
localonly プロパティが有効になった時点で、raw ディスクデバイスグループはそのノードリスト内のノードだけに使用されるようになります。これにより、起動デバイスが複数のノードに接続されている場合に、不意にノードがその起動デバイスから使用できなくなることが防止されます。
# scconf -c -D name=rawdisk-groupname,localonly=true |
raw ディスクデバイスグループの名前を指定します。
localonly プロパティの詳細については、scconf_dg_rawdisk(1M) のマニュアルページを参照してください。
マウント解除できないルート (/) 以外のファイルシステムをミラー化するかどうかを決定します。
ミラー化する場合は、マウント解除できないルート (/) 以外のファイルシステムをミラー化するに進みます。
ミラー化しない場合は、手順 11 に進みます。
ユーザー定義ファイルシステムをミラー化するかどうかを決定します。
ミラー化する場合は、マウント解除できるファイルシステムをミラー化するに進みます。
ミラー化しない場合は、ディスクセットを作成するに進んで、ディスクセットを作成します。
次の例に、パーティション c0t0d0s3 上のサブミラー d111 と パーティション c2t2d0s3 上のサブミラー d121 で構成されているミラー d101 を作成する方法を示します。/global/.devices/node@1 の /etc/vfstab ファイルエントリは、ミラー名 d101 を使用するように更新されます。ディスク c2t2d0 は多重ポートディスクなので、localonly プロパティが有効に設定されています。
(ミラーを作成する) # metainit -f d111 1 1 c0t0d0s3 d111: 連結/ストライプがセットアップされます # metainit d121 1 1 c2t2d0s3 d121: 連結/ストライプがセットアップされます # metainit d101 -m d111 d101: ミラーがセットアップされます # metattach d101 d121 d101: サブミラー d121 は接続中 (/etc/vfstab ファイルを編集する) # vi /etc/vfstab #device device mount FS fsck mount mount #to mount to fsck point type pass at boot options # /dev/md/dsk/d101 /dev/md/rdsk/d101 /global/.devices/node@1 ufs 2 no global (同期状態を表示する) # metastat d101 d101:ミラー サブミラー 0: d111 状態: 正常 サブミラー 1: d121 状態: 再同期中 再同期実行中: 15 % 完了 … (ミラー化されたディスクの raw ディスクデバイスグループの DID 名を識別する) # scdidadm -L … 1 phys-schost-3:/dev/rdsk/c2t2d0 /dev/did/rdsk/d2 (デバイスグループのノードリストを表示する) # scconf -pvv | grep dsk/d2 Device group name: dsk/d2 … (dsk/d2) Device group node list: phys-schost-1, phys-schost-3 … (ノードリストから phys-schost-3 を削除する) # scconf -r -D name=dsk/d2,nodelist=phys-schost-3 (localonly プロパティを有効にする) # scconf -c -D name=dsk/d2,localonly=true |
次の手順を使用し、/usr、/opt、swap などの、通常のシステム使用時にはマウント解除できないルート (/) 以外のファイルシステムをミラー化します。
各クラスタのノードのスーパーユーザーになります。
マウント解除できないファイルシステムが存在しているスライスを単一スライス (1 方向) 連結にします。
ディスクスライスの物理ディスク名を指定します (cNtXdYsZ)。
# metainit -f submirror1 1 1 diskslice |
2 番目の連結を作成します。
# metainit submirror2 1 1 submirror-diskslice |
1 つのサブミラーを使用して 1 方向のミラーを作成します。
# metainit mirror -m submirror1 |
このミラーのメタデバイス名またはボリューム名は、クラスタ全体で一意である必要はありません。
各ノードで 、ミラー化したマウント解除できない各ファイルシステムの /etc/vfstab ファイルエントリを編集します。
device to mount および device to fsck の名前は、実際のミラー名に変更してください。
# vi /etc/vfstab #device device mount FS fsck mount mount #to mount to fsck point type pass at boot options # /dev/md/dsk/mirror /dev/md/rdsk/mirror /filesystem ufs 2 no global |
リソースグループまたはデバイスグループをノードから移動させます。
# scswitch -S -h from-node |
すべてのリソースグループとデバイスグループを移動させます。
リソースグループまたはデバイスグループを移動させるノード名を指定します。
ノードを再起動します。
# shutdown -g0 -y -i6 |
2 番目のサブミラーを各ミラーに接続します。
このように接続することで、サブミラーの同期が開始されます。
# metattach mirror submirror2 |
手順 9 で開始したミラーの同期が完了するまで待機します。
metastat(1M) コマンドを使用して、ミラー状態を参照し、ミラーの同期が完了していることを確認します。
# metastat mirror |
マウント解除できないファイルシステムのミラー化に使用したディスクが複数のノード (多重ポート) に物理的に接続されているかどうかを確認します。
物理的に接続されていない場合は、手順 12 に進みます。
物理的に接続されている場合は、次の手順を実行して、マウント解除できないファイルシステムのミラー化に使用したディスクの raw ディスクデバイスグループの localonly プロパティを有効にします。起動デバイスが複数のノードに接続されている場合に、その起動デバイスが不意にノードを使用できなくなるのを防ぐために、localonly プロパティは有効にしておいてください。
必要に応じて、scdidadm -L コマンドを使用し、raw ディスクデバイスグループの完全なデバイス ID パス名を表示します。
次の例では、raw ディスクデバイスグループ名 dsk/d2 は、出力の第 3 列の一部になっており、これが完全な DID パス名にあたります。
# scdidadm -L … 1 phys-schost-3:/dev/rdsk/c1t1d0 /dev/did/rdsk/d2 |
raw ディスクデバイスグループのノードリストを表示します。
次に出力例を示します。
# scconf -pvv | grep dsk/d2 Device group name:dsk/d2 … (dsk/d2) Device group node list: phys-schost-1, phys-schost-3 … |
ノードリストにノード名が複数含まれているかどうかを確認します。
raw ディスクデバイスグループのノードリストから、ルートディスクをミラー化したノード以外のすべてのノードを削除します。
ルートディスクをミラー化したノードだけがノードリストに残るようにします。
# scconf -r -D name=dsk/dN,nodelist=node |
raw ディスクデバイスグループのクラスタ固有の名前を指定します。
ノードリストから削除するノードの名前を指定します。
scconf(1M) コマンドを使用し、localonly プロパティを有効にします。
localonly プロパティが有効になった時点で、raw ディスクデバイスグループはそのノードリスト内のノードだけに使用されるようになります。これにより、起動デバイスが複数のノードに接続されている場合に、不意にノードがその起動デバイスから使用できなくなることが防止されます。
# scconf -c -D name=rawdisk-groupname,localonly=true |
raw ディスクデバイスグループの名前を指定します。
localonly プロパティの詳細については、scconf_dg_rawdisk(1M) のマニュアルページを参照してください。
ユーザー定義ファイルシステムをミラー化するかどうかを決定します。
ミラー化する場合は、マウント解除できるファイルシステムをミラー化するに進みます。
ミラー化しない場合は、ディスクセットを作成するに進んで、ディスクセットを作成します。
次の例に、ノード phys-schost-1 上にミラー d1 を作成し、c0t0d0s1 上に存在する /usr をミラー化するための方法を示します。ミラー d1 は、パーティション c0t0d0s1 上のサブミラー d11 とパーティション c2t2d0s1 上のサブミラー d21 で構成されています。/usr の /etc/vfstab ファイルエントリは、ミラー名 d1 を使用するように更新されます。ディスク c2t2d0 は多重ポートディスクなので、localonly プロパティが有効に設定されています。
(ミラーを作成する) # metainit -f d11 1 1 c0t0d0s1 d11: 連結/ストライプがセットアップされます # metainit d21 1 1 c2t2d0s1 d21: 連結/ストライプがセットアップされます # metainit d1 -m d11 d1: Mirror is setup (/etc/vfstab ファイルを編集する) # vi /etc/vfstab #device device mount FS fsck mount mount #to mount to fsck point type pass at boot options # /dev/md/dsk/d1 /dev/md/rdsk/d1 /usr ufs 2 no global (リソースグループとデバイスグループを phys-schost-1 から移動させる) # scswitch -S -h phys-schost-1 (ノードを再起動する) # shutdown -g0 -y -i6 (2 番目のサブミラーを接続する) # metattach d1 d21 d1:サブミラー d21 は接続中 (同期状態を表示する) # metastat d1 d1: ミラー サブミラー 0: d11 状態: 正常 サブミラー 1: d21 状態: 再同期中 再同期実行中: 15 % 完了 … (ミラー化されたディスクの raw ディスクデバイスグループの DID 名を識別する) # scdidadm -L … 1 phys-schost-3:/dev/rdsk/c2t2d0 /dev/did/rdsk/d2 (デバイスグループのノードリストを表示する) # scconf -pvv | grep dsk/d2 Device group name: dsk/d2 … (dsk/d2) Device group node list: phys-schost-1, phys-schost-3 … (ノードリストから phys-schost-3 を削除する) # scconf -r -D name=dsk/d2,nodelist=phys-schost-3 (localonly プロパティを有効にする) # scconf -c -D name=dsk/d2,localonly=true |
次の手順を使用し、マウント解除できるユーザー定義ファイルシステムをミラー化します。この手順では、ノードを再起動する必要はありません。
各クラスタのノードのスーパーユーザーになります。
ミラー化するファイルシステムをマウント解除します。
そのファイルシステム上で実行中のプロセスがないことを確認します。
# umount /mount-point |
詳細については、umount(1M) のマニュアルページおよび『 Solaris のシステム管理 (基本編)』の「ファイルシステムのマウントとマウント解除」を参照してください。
マウント解除できるユーザー定義ファイルシステムが存在するスライスを、単一スライス(1 方向) 連結にします。
ディスクスライスの物理ディスク名を指定します (cNtXdYsZ)。
# metainit -f submirror1 1 1 diskslice |
2 番目の連結を作成します。
# metainit submirror2 1 1 submirror-diskslice |
1 つのサブミラーを使用して 1 方向のミラーを作成します。
# metainit mirror -m submirror1 |
このミラーのメタデバイス名またはボリューム名は、クラスタ全体で一意である必要はありません。
各ノードで 、ミラー化したマウント解除できる各ファイルシステムの /etc/vfstab ファイルエントリを編集します。
device to mount および device to fsck の名前は、実際のミラー名に変更してください。
# vi /etc/vfstab #device device mount FS fsck mount mount #to mount to fsck point type pass at boot options # /dev/md/dsk/mirror /dev/md/rdsk/mirror /filesystem ufs 2 no global |
2 番目のサブミラーをこのミラーに接続します。
このように接続することで、サブミラーの同期が開始されます。
# metattach mirror submirror2 |
手順 8 で開始したミラーの同期が完了するまで待機します。
metastat(1M) コマンドを使用し、ミラー化の状態を参照します。
# metastat mirror |
ユーザー定義ファイルシステムのミラー化に使用したディスクが複数のノード (多重ポート) に物理的に接続されているかどうかを確認します。
物理的に接続されていない場合は、手順 12 に進みます。
物理的に接続されている場合は、次の手順を実行して、ユーザー定義ファイルシステムのミラー化に使用したディスクの raw ディスクデバイスグループの localonly プロパティを有効にします。起動デバイスが複数のノードに接続されている場合に、その起動デバイスが不意にノードを使用できなくなるのを防ぐために、localonly プロパティは有効にしておいてください。
必要に応じて、scdidadm -L コマンドを使用し、raw ディスクデバイスグループの完全なデバイス ID (DID) パス名を表示します。
次の例では、raw ディスクデバイスグループ名 dsk/d4 は、出力の第 3 列の一部になっており、これが完全な DID パス名にあたります。
# scdidadm -L … 1 phys-schost-3:/dev/rdsk/c1t1d0 /dev/did/rdsk/d2 |
raw ディスクデバイスグループのノードリストを表示します。
次に出力例を示します。
# scconf -pvv | grep dsk/d2 Device group name: dsk/d2 … (dsk/d2) Device group node list: phys-schost-1, phys-schost-3 … |
ノードリストにノード名が複数含まれているかどうかを確認します。
raw ディスクデバイスグループのノードリストから、ルートディスクをミラー化したノード以外のすべてのノードを削除します。
ルートディスクをミラー化したノードだけがノードリストに残るようにします。
# scconf -r -D name=dsk/dN,nodelist=node |
raw ディスクデバイスグループのクラスタ固有の名前を指定します。
ノードリストから削除するノードの名前を指定します。
scconf(1M) コマンドを使用し、localonly プロパティを有効にします。
localonly プロパティが有効になった時点で、raw ディスクデバイスグループはそのノードリスト内のノードだけに使用されるようになります。これにより、起動デバイスが複数のノードに接続されている場合に、不意にノードがその起動デバイスから使用できなくなることが防止されます。
# scconf -c -D name=rawdisk-groupname,localonly=true |
raw ディスクデバイスグループの名前を指定します。
localonly プロパティの詳細については、scconf_dg_rawdisk(1M) のマニュアルページを参照してください。
ミラー化したファイルシステムをマウントします。
# mount /mount-point |
詳細については、mount(1M) のマニュアルページおよび『Solaris のシステム管理 (基本編)』の「ファイルシステムのマウントとマウント解除」を参照してください。
ディスクセットを作成します。
ディスクセットを作成するに進みます。
次の例に、ミラー d4 を作成し、c0t0d0s4 上に存在する /export をミラー化する方法を示します。ミラー d4 は、パーティション c0t0d0s4 上のサブミラー d14 とパーティション c2t2d0s4 上のサブミラー d24 で構成されています。/export の /etc/vfstab ファイルエントリは、ミラー名 d4 を使用するように更新されます。ディスク c2t2d0 は多重ポートディスクなので、localonly プロパティが有効に設定されています。
(ファイルシステムをマウント解除する) # umount /export (ミラーを作成する) # metainit -f d14 1 1 c0t0d0s4 d14: 連結/ストライプがセットアップされます # metainit d24 1 1 c2t2d0s4 d24: 連結/ストライプがセットアップされます # metainit d4 -m d14 d4: ミラーがセットアップされます (/etc/vfstab ファイルを編集する) # vi /etc/vfstab #device device mount FS fsck mount mount #to mount to fsck point type pass at boot options # /dev/md/dsk/d4 /dev/md/rdsk/d4 /export ufs 2 no global (2 番目のサブミラーを接続する) # metattach d4 d24 d4:サブミラー d24 は接続中 (同期状態を表示する) # metastat d4 d4: ミラー サブミラー 0: d14 状態: 正常 サブミラー 1: d24 状態: 再同期中 再同期実行中: 15 % 完了 … (ミラー化されたディスクの raw ディスクデバイスグループの DID 名を識別する) # scdidadm -L … 1 phys-schost-3:/dev/rdsk/c2t2d0 /dev/did/rdsk/d2 (デバイスグループのノードリストを表示する) # scconf -pvv | grep dsk/d2 Device group name: dsk/d2 … (dsk/d2) Device group node list: phys-schost-1, phys-schost-3 … (ノードリストから phys-schost-3 を削除する) # scconf -r -D name=dsk/d2,nodelist=phys-schost-3 (localonly プロパティを有効にする) # scconf -c -D name=dsk/d2,localonly=true (ファイルシステムをマウントする) # mount /export |
次の手順は、作成するディスクセットごとに行います。
SunPlex Manager を使用して Solstice DiskSuite をインストールした場合は、1 から 3 個のディスクセットがすでに存在している可能性があります。SunPlex Manager によって作成されたメタセットの詳細については、SunPlex Manager により Sun Cluster ソフトウェアをインストールするを参照してください。
クラスタ内にディスクセットを 4 つ以上作成する予定かどうかを確認します。
md_nsets 変数の値が、クラスタに作成しようとするディスクセットの合計数より大きいことを確認します。
クラスタの任意のノードで、/kernel/drv/md.conf ファイルの md_nsets 変数の値を検査します。
クラスタ内に作成する予定のディスクセットの合計数が md_nsets の値から 1 を引いた数より大きい場合、各ノード上で md_nsets の値を希望の値まで増やします。
作成できるディスクセットの最大数は、md_nsets の構成した値から 1 を引いた数です。md_nsets に設定できる最大値は 32 です。
クラスタの各ノードの /kernel/drv/md.conf ファイルが同じであるか確認します。
このガイドラインに従わないと、重大な Solstice DiskSuite/Solaris Volume Manager エラーが発生し、データが失われることがあります。
ノードのどれか 1 つでクラスタを停止します。
# scshutdown -g0 -y |
クラスタの各ノードを再起動します。
ok> boot |
クラスタの各ノードで devfsadm(1M) コマンドを実行します。
このコマンドは、すべてのノードで同時に実行できます。
ディスクセットの作成を行う前に、各ノード上で、scgdevs コマンドが終了しているかどうかを確認します。
ノードの 1 つで scgdevs コマンドを実行すると、このコマンドはリモートから自分自身をすべてのノードで呼び出します。scgdevs コマンドが処理を終了したかどうかを確認するには、クラスタの各ノードで次のコマンドを実行します。
% ps -ef | grep scgdevs |
作成する予定のディスクセットが次の条件の 1 つに適合することを確認します。
ディスク列を 2 つだけ構成する場合、ディスクセットは 2 つのノードと接続する必要があり、さらに、ディスクセットとして使用する 2 つのホストと同一である 2 つのメディエータホストを使用する必要があります。 メディエータの構成についての詳細は、メディエータの構成 を参照してください。
ディスク列を 3 つ以上構成する場合、任意の 2 つのディスク列 S1 と S2 のディスク数の合計が 3 番目のディスク列 S3 のディスクドライブ数よりも多いことを確認します。この条件を式で表すと、count(S1) + count(S2)> count(S3) となります。
ローカル状態データベースの複製が存在することを確認します。
手順については、状態データベースの複製を作成するには を参照してください。
ディスクセットをマスターする予定のクラスタノード上でスーパーユーザーになります。
ディスクセットを作成します。
次のコマンドは、ディスクセットを作成し、そのディスクセットを Sun Cluster ディスクデバイスグループとして登録します。
# metaset -s setname -a -h node1 node2 |
ディスクセットの名前を指定します。
ディスクセットを追加 (作成) します。
ディスクセットをマスターとする主ノードの名前を指定します。
ディスクセットをマスターとする二次ノードの名前を指定します。
クラスタ上に Solstice DiskSuite/Solaris Volume Manager デバイスグループを構成する metaset コマンドを実行すると、デフォルトで 1 つの二次ノードが指定されます。デバイスグループの二次ノードの数は、デバイスグループが作成された後、 scsetup(1M) ユーティリティーを使用して変更できます。numsecondaries の変更方法については、『Sun Cluster 3.1 10/03 のシステム管理』の「ディスクデバイスグループの管理」を参照してください。
新しいディスクセットの状態を確認します。
# metaset -s setname |
ディスクセットにディスクドライブを追加します。
ディスクセットへのディスクドライブの追加に進みます。
次のコマンドでは、2 つのディスクセット dg-schost-1 と dg-schost-2 が作成され、ノード phys-schost-1 と phys-schost-2 が潜在的主ノードとして指定されます。
# metaset -s dg-schost-1 -a -h phys-schost-1 phys-schost-2 # metaset -s dg-schost-2 -a -h phys-schost-1 phys-schost-2 |
ディスクセットにディスクドライブを追加すると、Solstice DiskSuite/Solaris Volume Manager は次のようにドライブのパーティションを再分割し、ディスクセット用の状態データベースをディスクドライブに配置できるようにします。
各ディスクドライブの小さな領域をスライス 7 として Solstice DiskSuite/Solaris Volume Manager ソフトウェア用に予約します。各ディスクドライブの残り領域はスライス 0 に組み込まれます。
ディスクセットにディスクドライブが追加されると、スライス 7 が正しく構成されていない場合にのみ、ディスクドライブのパーティションが再分割されます。
パーティションの再分割によって、ディスクドライブ上の既存のデータはすべて失われます。
スライス 7 がシリンダ 0 から始まり、ディスクドライブのパーティションに状態データベースの複製を格納するための十分な領域がある場合、ディスクドライブの再分割は行われません。
ノードのスーパーユーザーになります。
ディスクセットが作成済みであることを確認します。
手順については、ディスクセットを作成する を参照してください。
DID マッピングの一覧を表示します。
# scdidadm -L |
ディスクセットをマスターする (またはマスターする可能性がある) クラスタノードによって共有されているディスクドライブを選択します。
ディスクドライブをディスクセットに追加するときは、完全なデバイス ID パス名を使用します。
出力の 1 列目は DID インスタンス番号、2 列目は完全パス (物理パス)、3 列目は完全なデバイス ID パス名 (疑似パス) になります。共有ディスクドライブには、1 つの DID インスタンス番号に対して複数のエントリがあります。
次の例では、DID インスタンス番号 2 のエントリは、phys-schost-1 と phys-schost-2 で共有されるディスクドライブを示しており、完全なデバイス ID パス名は /dev/did/rdsk/d2 です。
1 phys-schost-1:/dev/rdsk/c0t0d0 /dev/did/rdsk/d1 2 phys-schost-1:/dev/rdsk/c1t1d0 /dev/did/rdsk/d2 2 phys-schost-2:/dev/rdsk/c1t1d0 /dev/did/rdsk/d2 3 phys-schost-1:/dev/rdsk/c1t2d0 /dev/did/rdsk/d3 3 phys-schost-2:/dev/rdsk/c1t2d0 /dev/did/rdsk/d3 … |
ディスクセットの所有権を取得します。
# metaset -s setname -t |
ディスクセットの名前を指定します。
ディスクセットの所有権を取得します。
ディスクセットにディスクドライブを追加します。
完全なデバイス ID パス名を使用します。
# metaset -s setname -a drivename |
ディスクセットにディスクドライブを追加します。
共有ディスクドライブの完全なデバイス ID パス名
ディスクセットにディスクドライブを追加するときは、下位デバイス名 (cNtXdY) は使用しないでください。下位レベルデバイス名はローカル名であり、クラスタ全体で一意ではないため、この名前を使用するとディスクセットがスイッチオーバーできなくなる可能性があります。
新しいディスクセットとディスクドライブの状態を検査します。
# metaset -s setname |
メタデバイスまたはボリュームで使用するためにディスクドライブのパーティションを再分割するかどうかを決定します。
再分割する場合は、ディスクセット内のディスクドライブのパーティションを再分割するに進みます。
再分割しない場合は、md.tab ファイルを作成するに進んで、md.tab ファイルを使用してメタデバイスまたはボリュームを定義します。
metaset コマンドによって、ディスクドライブ /dev/did/rdsk/d1 と /dev/did/rdsk/d2 がディスクセット dg-schost-1 に追加されます。
# metaset -s dg-schost-1 -a /dev/did/rdsk/d1 /dev/did/rdsk/d2 |
metaset(1M) コマンドは、ディスクセット内のディスクドライブのパーティションを再分割し、各ディスクドライブの小さな領域をスライス 7 として Solstice DiskSuite ソフトウェア用に予約します。各ディスクドライブの残り領域はスライス 0 に組み込まれます。ディスクドライブをより効果的に利用するために、この手順に従ってディスクの配置を変更してください。スライス1 から 6 に領域を割り当てることで、Solstice DiskSuite メタデバイスまたは Solaris Volume Manager ボリュームを設定するときにこれらのスライスを使用できるようになります。
クラスタノードのスーパーユーザーになります。
format コマンドを使用し、ディスクセット内の各ディスクドライブのディスクパーティションを変更します。
ディスクドライブのパーティションを再分割する際は、以下の条件を満たすことで、metaset(1M) コマンドでディスクのパーティションを再分割できないようにする必要があります。
状態データベースの複製を格納するのに十分な大きさ (約 2M バイト) の、シリンダ 0 から始まるスライス 7 を作成します。
スライス 7 の Flag フィールドを wu (読み書き可能、マウント不可) に設定します。読み取り専用には設定しないでください。
スライス 7 がディスクドライブ上の他のスライスとオーバーラップしないようにします。
詳細については、format(1M) のマニュアルページを参照してください。
md.tab ファイルを使用してメタデバイスまたはボリュームを定義します。
md.tab ファイルを作成するに進みます。
クラスタ内の各ノードごとに /etc/lvm/md.tab ファイルを作成します。md.tab ファイルを使用して、作成したディスクセット用に Solstice DiskSuite メタデバイスまたは Solaris Volume Manager ボリュームを定義します。
ローカルメタデバイスまたはボリュームを使用する場合は、ディスクセットの構成に使用したデバイス ID (DID) 名とは別の名前をローカルメタデバイスまたはボリュームに付けるようにしてください。たとえば、ディスクセットで /dev/did/dsk/d3 というデバイス ID 名が使用されている場合は、ローカルメタデバイスまたはボリュームに /dev/md/dsk/d3 という名前は使用しないでください。この必要条件は、命名規約 /dev/md/setname/{r}dsk/d# を使用する共有メタデバイスまたはボリュームには適用されません。
クラスタ環境内のローカルメタデバイス間またはボリューム間での混乱を避けるため、クラスタ全体で各ローカルメタデバイス名またはボリューム名が固有となるような命名規則を使用してください 。たとえば、ノード 1 については、d100 から d199 の間で名前を選択します。ノード 2 については、d200 から d299 の間の名前を使用します。
クラスタノードのスーパーユーザーになります。
md.tab ファイルを作成するときの参照用として、DID マッピングの一覧を表示します。
下位デバイス名の (cNtXdY) の代わりに、md.tab ファイルの完全なデバイス ID パス名を使用します。
# scdidadm -L |
次の出力例では、1 列目が DID インスタンス番号、2 列目が完全パス (物理パス)、3 列目が完全なデバイス ID パス名 (疑似パス) です。
1 phys-schost-1:/dev/rdsk/c0t0d0 /dev/did/rdsk/d1 2 phys-schost-1:/dev/rdsk/c1t1d0 /dev/did/rdsk/d2 2 phys-schost-2:/dev/rdsk/c1t1d0 /dev/did/rdsk/d2 3 phys-schost-1:/dev/rdsk/c1t2d0 /dev/did/rdsk/d3 3 phys-schost-2:/dev/rdsk/c1t2d0 /dev/did/rdsk/d3 … |
/etc/lvm/md.tab ファイルを作成し、エディタを使用して手作業で編集します。
md.tab ファイルを作成する方法の詳細については、Solstice DiskSuite/Solaris Volume Manager のマニュアルおよび md.tab(4) のマニュアルページを参照してください。
サブミラーに使用するディスクドライブにデータがすでに存在している場合は、メタデバイスまたはボリュームを設定する前にデータのバックアップを作成する必要があります。その後、データをミラーに復元します。
md.tab ファイルで定義したメタデバイスまたはボリュームを起動します。
メタデバイスまたはボリュームを起動する に進みます。
次の md.tab のサンプルファイルでは、dg-schost-1 という名前でディスクセットを定義しています。md.tab ファイル内の行の順序は重要ではありません。
dg-schost-1/d0 -m dg-schost-1/d10 dg-schost-1/d20 dg-schost-1/d10 1 1 /dev/did/rdsk/d1s0 dg-schost-1/d20 1 1 /dev/did/rdsk/d2s0 |
サンプル md.tab ファイルは、以下のように構築されています。
次の例では、Solstice DiskSuite の用語が使用されています。Solaris Volume Manager では、トランスメタデバイスの代わりにトランザクショナルボリュームが使用され、メタデバイスの代わりにボリュームが使用されます。ほかの部分については、次の処理は両方のボリュームマネージャに対して有効です。
先頭行では、デバイス d0 を、メタデバイス d10 と d20 のミラーとして定義しています。-m は、このデバイスがミラーデバイスであることを示します。
dg-schost-1/d0 -m dg-schost-1/d0 dg-schost-1/d20 |
2 行目では、d0 の最初のサブミラーであるメタデバイス d10 を一方向のストライプとして定義しています。
dg-schost-1/d10 1 1 /dev/did/rdsk/d1s0 |
3 行目では、d0 の最初のサブミラーであるメタデバイス d20 を一方向のストライプとして定義しています。
dg-schost-1/d20 1 1 /dev/did/rdsk/d2s0 |
この作業は、md.tab ファイルで定義した Solstice DiskSuite メタデバイスまたは Solaris Volume Manager ボリュームを起動する場合に行います。
クラスタノードのスーパーユーザーになります。
md.tab ファイルが /etc/lvm ディレクトリに置かれていることを確認します。
コマンドを実行するノードで、ディスクセットの所有権を持っていることを確認します。
ディスクセットの所有権を取得します。
# metaset -s setname -t |
ディスクセットの名前を指定します。
ディスクセットの所有権を取得します。
md.tab ファイルで定義されているディスクセットのメタデバイスまたはボリュームを起動します。
# metainit -s setname -a |
md.tab ファイルで定義されているすべてのメタデバイスを起動します。
各マスターおよびログデバイスに、2 番目のサブミラー (submirror2) を接続します。
md.tab ファイル内のメタデバイスまたはボリュームを起動すると、マスターの最初のサブミラー (submirror1) とログデバイスだけが接続されるため、submirror2 は手作業で接続する必要があります。
# metattach mirror submirror2 |
クラスタ内の各ディスクセットに対して、手順 3 から 手順 6 までを繰り返します。
必要に応じて、ディスクドライブに接続できる別のノードから metainit(1M) コマンドを実行します。クラスタ化ペアトポロジでは、すべてのノードがディスクドライブにアクセスできるわけではないため、この手順が必要になります。
メタデバイスまたはボリュームの状態を確認します。
# metastat -s setname |
詳細は、metaset(1M) のマニュアルページを参照してください。
2 つのディスク格納装置と 2 つのノードだけで構成されたディスクセットがクラスタに含まれているかどうかを確認します。
含まれている場合は、それらのディスクセットにはメディエータが必要です。メディエータの構成に進んで、メディエータホストを追加します。
不良でない場合は、クラスタファイルシステムを追加する に進んで、クラスタファイルシステムを作成します。
次の例では、md.tab ファイルでディスクセット dg-schost-1 に対して定義されているすべてのメタデバイスを起動します。続いて、マスターデバイスの2 番目のサブミラー dg-schost-1/d1 とログデバイス dg-schost-1/d4 を起動します。
# metainit -s dg-schost-1 -a # metattach dg-schost-1/d1 dg-schost-1/d3 # metattach dg-schost-1/d4 dg-schost-1/d6 |
メディエータ、またはメディエータホストとは、メディエータデータを格納するクラスタノードのことです。メディエータデータは、その他のメディエータの場所に関する情報を提供するもので、データベースの複製に格納されているコミット数と同一のコミット数が含まれています。このコミット数は、メディエータデータがデータベースの複製内のデータと同期しているかどうかを確認するために使用されます。
メディエータは、2 つの列と 2 つのクラスタノードだけで構成されているすべての Solstice DiskSuite/Solaris Volume Manager ディスクセットに必要です。ディスク列 は、ディスク格納装置、その物理ディスクドライブ、格納装置からノードへのケーブル、インタフェースアダプタカードで構成されます。メディエータを使用することで、Sun Cluster ソフトウェアは、二重列構成の単一の列に障害が発生した場合に、最新のデータを提示できるようになります。メディエータを使用した二重列構成には、以下の規則が適用されます。
ディスクセットは、2 つのメディエータホストのみで構成する必要があります。これら 2 つのメディエータホストは、ディスクセットに使用されているものと同じクラスタノードにする必要があります。
ディスクセットには 3 つ以上のメディエータホストを使用できません。
メディエータは、2 つの列と 2 つのホストという基準を満たさないディスクセットでは構成できません。
上記の規則では、クラスタ全体で 2 つのノードを使用する必要はありません。むしろ、2 つの列を持つディスクセットを 2 つのノードに接続する必要があることだけが規定されています。この規則の下では、N+1 クラスタやその他の多くのトポロジを利用できます。
構成にメディエータが必要な場合は、以下の手順を実行します。
メディエータホストを追加するディスクセットを現在マスターしているノードのスーパーユーザーになります。
metaset(1M) コマンドを実行し、ディスクセットに接続されている各ノードをそのディスクセットのメディエータホストとして追加します。
# metaset -s setname -a -m mediator-host-list |
ディスクセットの名前を指定します。
ディスクセットに追加します。
ディスクセットのメディエータホストとして追加するノードの名前を指定します。
metaset コマンドのメディエータ固有のオプションの詳細については、mediator(7D) のマニュアルページを参照してください。
メディエータデータの状態を確認します。
メディエータデータの状態を確認するに進みます。
次の例では、ノード phys-schost-1 と phys-schost-2 をディスクセット dg-schost-1 のメディエータホストとして追加します。どちらのコマンドも、ノード phys-schost-1 から実行します。
# metaset -s dg-schost-1 -a -m phys-schost-1 # metaset -s dg-schost-1 -a -m phys-schost-2 |
メディエータホストを追加するに説明されているとおりに、メディエータホストを追加します。
medstat(1M) コマンドを実行します。
# medstat -s setname |
ディスクセットの名前を指定します。
詳細は、medstat(1M) のマニュアルページを参照してください。
状態フィールドの値が不正かどうかを確認します。
不正である場合は、不正なメディエータデータを修復する に進んで、関連するメディエータホストを修復します。
不正でない場合は、クラスタファイルシステムを追加する に進んで、クラスタファイルシステムを作成します。
次の手順を実行し、不正なメディエータデータを修復します。
メディエータデータの状態を確認する の作業で説明されているとおりに、不正なメディエータデータを持つメディエータホストを特定します。
関連するディスクセットを所有しているノードのスーパーユーザーになります。
関連するすべてのディスクセットから、不正なメディエータデータを持つメディエータホストを削除します。
# metaset -s setname -d -m mediator-host-list |
ディスクセットの名前を指定します。
ディスクセットから削除します。
削除するノードの名前をディスクセットのメディエータホストとして指定します。
メディエータホストを復元します。
# metaset -s setname -a -m mediator-host-list |
ディスクセットに追加します。
ディスクセットのメディエータホストとして追加するノードの名前を指定します。
metaset コマンドのメディエータ固有のオプションの詳細については、mediator(7D) のマニュアルページを参照してください。
クラスタファイルシステムを作成します。
クラスタファイルシステムを追加するに進みます。