この節では、すでに判明しているマニュアル、オンラインヘルプ、またはマニュアルページの誤りや記載漏れ、およびこれらの問題を修正するための手順を説明します。
この節では、『Sun Cluster 3.1 Data Service for Oracle Parallel Server/Real Application Clusters ガイド』の誤りや記載漏れについて説明します。
「クラスタファイルシステムを使用するための要件」という節には、クラスタファイルシステム上にデータファイルを保存できるという間違った記述があります。クラスタファイルシステムにはデータファイルを保存してはいけません。したがって、この節のデータファイルに関する説明はすべて無視してください。
Oracle ソフトウェアがクラスタファイルシステムにインストールされると、すべてのクラスタノードは ORACLE_HOME
環境変数が指定するディレクトリ内のすべてのファイルにアクセスできるようになります。
インストールでは、Oracle ファイルまたはディレクトリによってノード固有の情報を保持する必要がある場合があります。ノードのローカルファイルシステム上のファイルまたはディレクトリを対象とするシンボリックリンクを使用すると、この要件を満たせます。このようなファイルシステムは、クラスタファイルシステムの一部ではありません。
シンボリックリンクをこの目的で使用するには、ローカルファイルシステム上の領域を割り当てる必要があります。Oracle アプリケーションにこの領域内のファイルへのシンボリックリンクを作成させるには、アプリケーションがこの領域内のファイルにアクセスできなければなりません。シンボリックリンクはクラスタファイルシステム上にあるので、すべてのノードからのリンクへの参照はすべて同じです。したがって、すべてのノードがローカルファイルシステムの領域に対して同じ名前空間を持つ必要があります。
ノード固有の情報を保持するには、各ディレクトリで次の手順を実行します。ノード固有の情報を保持するには、一般的に以下のディレクトリが必要です。
$ORACLE_HOME
/network/agent
$ORACLE_HOME
/network/log
$ORACLE_HOME
/network/trace
$ORACLE_HOME
/srvm/log
$ORACLE_HOME
/apache
ノード固有の情報の保持に必要な場合がある他のディレクトリについては、Oracle のマニュアルを参照してください。
各クラスタノードでノード固有の情報を保持するローカルディレクトリを作成します。
# mkdir -p local-dir |
最初に存在しない親ディレクトリを作成することを指定します。
作成するディレクトリのフルパス名を指定します。
各クラスタノードでノード 固有の情報を保持する広域ディレクトリのローカルコピーを作成します。
# cp -pr global-dir local-dir-parent |
所有者、グループ、アクセス権モード、変更時間、アクセス時間、およびアクセス制御リストを保持することを指定します。
ディレクトリおよびサブディレクトリとそのファイルを含むディレクトリ内のすべてのファイルをコピーすることを指定します。
コピーする広域ディレクトリのフルパスを指定します。このディレクトリは、ORACLE_HOME
環境変数が指定するディレクトリの下のクラスタファイルシステムに存在します。
ローカルコピーを格納するローカルノードのディレクトリを指定します。このディレクトリは、手順 1 で作成したディレクトリの親ディレクトリです。
手順 2 でコピーした広域ディレクトリを広域ディレクトリのローカルコピーへのシンボリックリンクと交換します。
この例では、ノード固有のディレクトリを 2 ノードクラスタに作成するために必要な操作手順を示します。このクラスタは以下のように構成されます。
ORACLE_HOME
環境変数は /global/oracle ディレクトリを指定します。
各ノードのローカルファイルシステムは、/local ディレクトリの下にあります。
以下の操作が各ノードで実行されます。
必要なディレクトリをローカルファイルシステムに作成するには、以下のコマンドを実行します。
# mkdir -p /local/oracle/network/agent |
# mkdir -p /local/oracle/network/log |
# mkdir -p /local/oracle/network/trace |
# mkdir -p /local/oracle/srvm/log |
# mkdir -p /local/oracle/apache |
ノード固有の情報を保持する広域ディレクトリのローカルコピーを作成するには、以下のコマンドを実行します。
# cp -pr $ORACLE_HOME/network/agent /local/oracle/network/. |
# cp -pr $ORACLE_HOME/network/log /local/oracle/network/. |
# cp -pr $ORACLE_HOME/network/trace /local/oracle/network/. |
# cp -pr $ORACLE_HOME/srvm/log /local/oracle/srvm/. |
# cp -pr $ORACLE_HOME/apache /local/oracle/. |
以下の操作が 1 台のノードで実行されます。
広域ディレクトリを削除するには、以下のコマンドを実行します。
# rm -r $ORACLE_HOME/network/agent |
# rm -r $ORACLE_HOME/network/log |
# rm -r $ORACLE_HOME/network/trace |
# rm -r $ORACLE_HOME/srvm/log |
# rm -r $ORACLE_HOME/apache |
ローカルディレクトリから対応する広域ディレクトリへのシンボリックリンクを作成するには、以下のコマンドを実行します。
# ln -s /local/oracle/network/agent $ORACLE_HOME/network/agent |
# ln -s /local/oracle/network/log $ORACLE_HOME/network/log |
# ln -s /local/oracle/network/trace $ORACLE_HOME/network/trace |
# ln -s /local/oracle/srvm/log $ORACLE_HOME/srvm/log |
# ln -s /local/oracle/apache $ORACLE_HOME/apache |
ノード固有の情報を保持するには、各ファイルで次の手順を実行します。ノード固有の情報を保持するには、一般的に以下のファイルが必要です。
$ORACLE_HOME
/network/admin/snmp_ro.ora
$ORACLE_HOME
/network/admin/snmp_rw.ora
ノード固有の情報の保持に必要な場合がある他のファイルについては、Oracle のマニュアルを参照してください。
各クラスタノードでノード 固有の情報を保持するファイルを格納するローカルディレクトリを作成します。
# mkdir -p local-dir |
最初に存在しない親ディレクトリを作成することを指定します。
作成するディレクトリのフルパス名を指定します。
各クラスタノードでノード 固有の情報を保持する広域ファイルのローカルコピーを作成します。
# cp -p global-file local-dir |
所有者、グループ、アクセス権モード、変更時間、アクセス時間、およびアクセス制御リストを保持することを指定します。
コピーする広域ファイルのファイル名とフルパスを指定します。このファイルは、ORACLE_HOME
環境変数が指定するディレクトリの下のクラスタファイルシステムにインストールされています。
ファイルのローカルコピーを格納するディレクトリを指定します。このディレクトリは、手順 1 で作成したディレクトリです。
手順 2 でコピーした広域ファイルとファイルのローカルコピーへのシンボリックリンクを交換します。
この例では、ノード固有のファイルを 2 ノードクラスタに作成するために必要な操作手順を示します。このクラスタは以下のように構成されます。
ORACLE_HOME
環境変数は /global/oracle ディレクトリを指定します。
各ノードのローカルファイルシステムは、/local ディレクトリの下にあります。
以下の操作が各ノードで実行されます。
ノード固有の情報を保持するファイルを格納するローカルディレクトリを作成するには、以下のコマンドを実行します。
# mkdir -p /local/oracle/network/admin |
ノード固有の情報を保持する広域ファイルのローカルコピーを作成するには、以下のコマンドを実行します。
# cp -p $ORACLE_HOME/network/admin/snmp_ro.ora \ /local/oracle/network/admin/. |
# cp -p $ORACLE_HOME/network/admin/snmp_rw.ora \ /local/oracle/network/admin/. |
以下の操作が 1 台のノードで実行されます。
広域ファイルを削除するには、以下のコマンドを実行します。
# rm $ORACLE_HOME/network/admin/snmp_ro.ora |
# rm $ORACLE_HOME/network/admin/snmp_rw.ora |
ファイルのローカルコピーから対応する広域ファイルへのシンボリックリンクを作成するには、以下のコマンドを実行します。
# ln -s /local/oracle/network/admin/snmp_ro.ora \ $ORACLE_HOME/network/admin/snmp_rw.ora |
# ln -s /local/oracle/network/admin/snmp_rw.ora \ $ORACLE_HOME/network/admin/snmp_rw.ora |
この節では、『Sun Cluster 3.1 Data Service for Oracle E-Business Suite ガイド』の誤りや記載漏れについて説明します。
「フェイルオーバーサービスとしての Sun Cluster HA for Oracle E-Business Suite の登録および構成方法」の手順 13 は正しくありません。以下に正しい文章を示します。
13. Oracle E-Business Suite Concurrent Manager Server に対応するリソースを作成します。
# grep PROD.CON_COMNTOP /var/tmp/config.txt PROD.CON_COMNTOP=/global/mnt10/d01/oracle/prodcomn <- CON_COMNTOP # # grep PROD.DBS_ORA806= /var/tmp/config.txt PROD.DBS_ORA806=/global/mnt10/d01/oracle/prodora/8.0.6 <- ORACLE_HOME |
この手順に続く例も正しくありません。以下に正しい例を示します。
RS=ebs-cmg-res RG=ebs-rg HAS_RS=ebs-has-res LSR_RS=ebs-cmglsr-res CON_HOST=lhost1 CON_COMNTOP=/global/mnt10/d01/oracle/prodcomn CON_APPSUSER=ebs APP_SID=PROD APPS_PASSWD=apps ORACLE_HOME=/global/mnt10/d01/oracle/prodora/8.0.6 CON_LIMIT=70 MODE=32/Y
この節では、『Sun Cluster 3.1 Data Service for Sun ONE Directory Server ガイド』および『Sun Cluster 3.1 Data Service for Sun ONE Web Server ガイド』の誤りや記載漏れについて説明します。
iPlanet Web Server および iPlanet Directory Server の名称が変更されました。新しい名称は Sun ONE Web Server および Sun ONE Directory Server です。データサービス名は現在、Sun Cluster HA for Sun ONE Web Server および Sun Cluster HA for Sun ONE Directory Server です。
Sun Cluster Agents CD-ROM のアプリケーション名は iPlanet Web Server および iPlanet Directory Server のままになっている場合があります。
この節では、『Sun Cluster 3.1 Data Service for SAP liveCache ガイド』の誤りや記載漏れについて説明します。
「Sun Cluster HA for SAP liveCache の登録と構成」という節では、SAP xserver はスケーラブルリソースとしてのみ構成できることを記述する必要がありました。SAP xserver をフェイルオーバーリソースとして構成すると、SAP liveCache リソースのフェイルオーバーされません。『Sun Cluster 3.1 Data Service for SAP liveCache ガイド』の SAP xserver リソースをフェイルオーバーリソースとして構成することに関する記述はすべて無視してください。
「Sun Cluster HA for SAP liveCache の登録と構成」という節には、追加の手順を含める必要があります。手順 10、「SAP xserver リソースが含まれているスケーラブルリソースグループを有効にします。」の後に、以下のテキストを入力して liveCache リソースを登録する必要があります。
# scrgadm -a -j livecache-resource -g livecache-resource-group \ -t SUNW.sap_livecache -x livecache_name=LC-NAME \ -y resource_dependencies=livecache-storage-resource |
liveCache リソースの登録後、次の手順である「SAP xserver と liveCache との間にリソースグループの依存関係を設定します。」に進みます。
この節では、『Sun Cluster 3.1 Data Service for WebLogic Server ガイド』の誤りや記載漏れについて説明します。
表「BEAWebLogic Server コンポーネントの保護」では、BEA WebLogic Server データベースが BEA WebLogic Server でサポートされるすべてのデータベースによって保護されており、Sun Cluster 上でサポートされていることを記述する必要がありました。またこの表で HTTP サーバーは、BEA WebLogic Server でサポートされるすべての HTTP サーバーによって保護されており、Sun Cluster 上でサポートされていることも記述する必要がありました。
この節では、『Sun Cluster 3.1 Data Service for Apache ガイド』の誤りや記載漏れについて説明します。
「インストールと構成の計画」という節では、スケーラブル Web リソースにサービスを提供するスケーラブルプロキシの使用についての注は記述するべきではありませんでした。スケーラブルプロキシの使用はサポートされていません。
Sun Cluster HA for Apache データサービスの Monitor_Uri_List 拡張プロパティを使用する場合は、Type_version プロパティが 4 である必要があります。リソースタイプはType_version 4 にアップグレードできます。
Sun Cluster HA for Sun ONE Web Server データサービスの Monitor_Uri_List 拡張プロパティを使用する場合は、Type_version プロパティが 4 である必要があります。リソースタイプは Type_version 4 にアップグレードできます。
このマニュアルページの「関連項目」という節に誤りがあります。『Sun Cluster 3.1 データサービスのインストールと構成』ではなく、『Sun Cluster 3.1 Data Service for WebLogic Server ガイド』を参照してください。